JP3925979B2 - ホットメルト型インクジェット記録用紙 - Google Patents

ホットメルト型インクジェット記録用紙 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラフィックや文字の滲みがなく、かつ、印刷インクの記録用紙への密着力に優れ、その半透明性から、内部照明を用いた電飾看板、審美性に優れたポスターに用いられる半透明なホットメルト型インクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりインクジェット記録用紙用インク組成物としては、水性インク組成物が広く使われている。しかしながら、インクの乾燥が遅いことと、印字が滲みやすい欠点がある。
かかる欠点を改良する目的で室温で固体のワックス等を素材としたホットメルト型インク組成物を用いて、加熱により液化し、何らかのエネルギーを加えて用紙上に向けて噴射させ、用紙上で冷却固化し記録ドットを形成するホットメルト型インクジェット記録用紙が提案されている(米国特許第4,751,528明細書、米国特許第4,758,396明細書、米国特許第4,931,095明細書、特開平3−501470号、同5−202327号、同5−311101号、同7−133451号、同7−70490号、同8−3493号、同8−3495号、同8−3499号、同8−67841号、同8−67842号、特公表7−503498号の各公報等)。
【0003】
このホットメルト型(ソリッド)インクジェット記録方式の特徴は、普通紙、再生紙、和紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクト)用フィルム、コート紙、段ボール、トレース紙等の用紙を選ばずに高濃度のカラープリントができること、印刷品質がレーザープリンタ並にできること、印刷された用紙が水にぬれてもインクが滲み出ないこと、レーザープリンタ方式よりもポスターやCADの大画面印刷、大図面印刷ができるという利点を有している。
その反面、印刷(印字)された面を強くこすると印刷が剥がれたり、印刷物を折り畳むと折り畳んだ部分の印刷が剥がれることが指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ソリッドインクの密着性に優れ、かつ、電飾看板において要求される半透明性を有し、給排紙性の良好なホットメルト型(ソリッド)インクジェット記録用紙の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、常温で固体状のホットメルト型インクを加熱溶融して飛翔された溶融インクを受容して記録するホットメルト型インクジェット記録用紙において、該記録用紙は、白色無機微細粉末含有樹脂フィルムの延伸物よりなる半透明の微多孔性フィルムを支持体(I)とし、この支持体(I)の表面に下記の組成のプライマー塗工層(II)を介してホットメルト型インクの受容層(III)が設けられた構造であり、該記録用紙の不透明度が30〜70%であることを特徴とするホットメルト型インクジェット記録用紙を提供するものである。
【0006】
プライマー塗工層(II)が、
(a) 下記の単量体(i)、(ii)および(iii)を共重合して得た重合体の三級窒素原子をカチオン化剤で四級化した両性化物である、四級窒素含有アクリル系樹脂: 100重量部に、
【化2】
Figure 0003925979
(iii) 他の疎水性ビニル単量体 0〜80重量%
〔ただし、各式中、R1 はHまたはCH3 、R2 は炭素数1〜18のアルキル基、R3 およびR4 はそれぞれHまたは炭素数1〜2のアルキル基、Aは炭素数2〜6のアルキレン基である。〕
【0007】
(b) ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物: 20〜300重量部、
(c) ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物: 20〜300重量部、
の割合で配合された組成物の水溶液を塗布し、乾燥して得られたものである。
ホットメルト型インクの受容層(III)は、
ピグメントを40〜92重量%、および樹脂バインダーを8〜60重量%含有するものであり、
ピグメントは、該ピグメント中の吸油量(JIS K−5101)が60〜100ml/100gであるものが30〜60重量%、吸油量が15ml/100g以上、60ml/100g未満のピグメント70〜40重量%よりなる混合物であり、
上記プライマー塗工層(II)側に塗布し、乾燥して得られたものである。
【0008】
【作用】
記録用紙のプライマー層(II)の存在により、受容されたソリッドインクは支持体(I)から剥れ難い。特に、記録用紙の支持体の表面層が無機微細粉末を含有しているものである場合は、表面層より突出している無機微細粉末が投錨効果を示し、併せて該表面層に延伸により形成された微細な亀裂にプライマーが入り込み、これ又、投錨効果を奏しそれによりソリッドインクの密着性が強固となる。
【0009】
更に、延伸フィルムよりなる支持体は、微細なボイド(空孔)を有するので、50〜150℃に加熱されたホットメルト型インクが記録用紙に付着しても、このボイドが断熱性を有するので支持体が熱収縮することなく、記録用紙に熱収縮による皺が発生することがない。
また、ソリッドインクを用いることにより、用紙の適度な半透明性から、電飾看板に用いた場合には透過光、反射光とも印刷物が鮮明に認識可能で、またポスターに用いた場合には印刷物に柔らかみがでて、審美性に優れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のホットメルト型インクジェット記録用紙について、更に詳細に説明する。
(I)支持体:
プライマー塗工層(II)が設けられる支持体(I)は、無機微細粉末含有熱可塑性樹脂の延伸フィルムであって、半透明のものである。この延伸フィルムはフィルム内部に次式で示される空孔率が5〜20%、好ましくは5〜15%となるような微細なボイドを多数有する微多孔性フィルムである。
【0011】
【式1】
Figure 0003925979
【0012】
このような物性を満足する半透明のフィルムは、白色無機微細粉末の種類、顔料、熱可塑性樹脂の種類、延伸温度、延伸倍率、層の構成により調整できる。
例えば、白色無機微細粉末を5〜40重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの二軸延伸フィルムを基材層(A)とし、この基材層の両面に、酸化チタン、酸化亜鉛等の反射性白色顔料を0.3〜5重量%、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、ゼオライトより選ばれた白色無機微細粉末を10〜60重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルムを表裏層(B,B′)とする積層フィルムである。
【0013】
白色無機微細粉末
基材層(A)に用いられる白色無機微細粉末としては、平均粒径が0.03〜16ミクロンの重質炭酸カルシウム、けいそう土、焼成クレイ、クレイ、シリカ、タルク、ゼオライト、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛等が利用できる。
表裏層に用いられる白色無機微細粉末の組合せは上記のものであるが、特に酸化チタンと、炭酸カルシウムまたは焼成クレイとの組み合せが経済性、耐候性の面で良好である。
【0014】
熱可塑性樹脂
フィルム素材の熱可塑性樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチルペンテン−1共重合体等のプロピレン系樹脂;密度が0.945〜0.970g/cm3 の高密度ポリエチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド類;ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート等の融点が132℃以上の熱可塑性樹脂が利用できる。共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
【0015】
これら融点が132℃以上の熱可塑性樹脂に、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩(Li,Na,K,Zn,Al等)、ポリスチレン、石油樹脂等の融点が80〜126℃の低融点樹脂を3〜15重量%配合して延伸を容易にすることもできる。
【0016】
延伸は、ロール群の周速差、テンター、マンドレル等を用いて行なう。延伸倍率は縦方向3.5〜7倍、横方向3.5〜12倍である。延伸温度は、得られる半透明フィルムの不透明度(JIS P−8138)が30〜70%となるような条件、例えば 熱可塑性樹脂がプロピレン単独重合体である場合には、縦方向の延伸を、該樹脂の融点よりは5〜15℃低い温度で行ない、横延伸を該樹脂の融点より2〜15℃高い温度で行なう。
【0017】
半透明フィルムは、単層の二軸延伸フィルムでもよいが、腰強度と、表裏層の表面強度の面からは、基材層を二軸延伸フィルム、表裏層を一軸延伸フィルムとするのが好ましい。
半透明フィルムの肉厚は、40〜300μm、好ましくは60〜200μmの範囲であり、積層構造とする場合には、基材層の肉厚が40〜80%を占めるようにすることが好ましい。
【0018】
半透明フィルムの物性
半透明フィルムの物性は、不透明度が25〜67%、好ましくは35〜66%である。
不透明度が上記範囲を越える場合、透過光で見たホットメルトインク画像が暗く不鮮明に感じられ、電飾看板、ポスターの文字、絵柄が見にくい。
逆に、不透明度が上記範囲に満たない場合、電飾看板、ポスターの反射光で見たホットメルトインク画像が不鮮明に感じられる。
【0019】
(II)プライマー塗工層:
支持体(I)とソリッドインク受容層(III)の密着性を良好とし、かつ、インクジェット記録用紙の給排紙性を良好とするプライマー塗工層(II)は、(a) 次の単量体(i)、(ii)および(iii)を共重合して得た重合体の三級窒素原子をカチオン化剤で四級化た両性化物である、四級窒素含有アクリル系樹脂: 100重量部に、
【化3】
Figure 0003925979
(iii) 他の疎水性ビニル単量体 0〜80重量%
〔ただし、各式中、R1 はHまたはCH3 、R2 は炭素数1〜18のアルキル基、R3 およびR4 はそれぞれHまたは炭素数1〜2のアルキル基、Aは炭素数2〜6のアルキレン基である。〕
【0020】
(b) ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物: 20〜300重量部、
(c) ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物:20〜300重量部、
の割合で配合された組成物の水溶液を支持体(I)の表面、または表裏面に塗布し、乾燥して得られたものである。
【0021】
(a)成分である四級窒素含有アクリル系樹脂は、帯電防止に寄与するプライマー成分であり、これについては特公平2−2910号公報に記載されているものが用いられる。
(ii)の単量体の例示としては、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、カプリルアクリレート、ステアリルメタクリレート等を挙げることができる。
(iii)の疎水性ビニル単量体としては、スチレン、塩化ビニル等が利用できる。
【0022】
(b)成分のポリイミン系化合物は、接着力を強化するプライマー成分であり、例えば、次の一般式(1)で示されるポリエチレンイミン、及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、若しくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物および、ポリ(エチレンイミン−尿素)が挙げられる(特公平2−2910号、特開平1−141736号)。
【0023】
【化4】
Figure 0003925979
〔式中、R5 〜R8 はそれぞれ独立に、H、炭素数が1〜24のアルキル基若しくはアルケニル基、脂肪族環状炭化水素基又はベンジル基を表し、mは0〜300、n、p及びqはそれぞれ1〜300の数値を表わす。〕
【0024】
(c)成分のポリアミンポリアミド・エピクロルヒドリン付加物も、接着力を強化するプライマーで、かかるものとしては、炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとからのポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得られる水溶性で陽イオン性の熱硬化性樹脂である。このような熱硬化性樹脂の詳細については、特公昭35−3547号公報に詳細に述べられている。
【0025】
上記炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸の具体例としては、炭素数4〜8のジカルボン酸、特にアジピン酸が挙げられる。
また、上記ポリアルキレンポリアミンの具体例としては、ポリエチレンポリアミン、特にエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンであり、中でもジエチレントリアミンである。
【0026】
これらの成分の他に、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水酸化バリウム、メタ珪酸ナトリウム、ピロ燐酸ソーダ(Na4 2 7 ・10H2 O)、トリポリ燐酸ソーダ(Na5 3 10・6H2 O)、第一燐酸ソーダ(NaH2 PO4 ・2H2 O)、カリ明礬(KAl(SO4 2 ・12H2 O)、アンモニウム明礬(Al(NH4 )(SO4 2 ・12H2 O)等の無機化合物を配合することができる。
【0027】
これら(a)、(b)、(c)成分は、通常、固形分量が一般に0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の濃度の水溶液(塗工剤)として用いられる。
また、支持体(I)であるプロピレン系樹脂フィルムへの塗布量は、固形分量で一般に0.005〜10g/m2 、好ましくは0.02〜5g/m2 の範囲である。
プライマーの塗布方法としては、ロール、ブレード、エアーナイフ、サイズプレス等の通常の塗布方式を採用することができる。
【0028】
これら(a)、(b)および(c)成分の割合は、(a)の窒素含有アクリル系樹脂100重量部に対し、(b)のポリイミン系化合物が20〜300重量部、好ましくは、20〜100重量部、(c)のポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物が20〜300重量部、好ましくは35〜200重量部の範囲である。これらの組成を保つことにより、ホットメルト型インクジェット記録用紙の帯電防止性が保持され、このプライマー塗工層(II)を介してインク受容層(III)と支持体(I)の密着力が高いものとなる。
【0029】
(III)インク受容層:
インク受容層は、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、メチルエチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、でんぷん、ポリエチレンポリアミン、ポリエステル、ポリアクリルアミド、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、カチオン変性ポリウレタン樹脂、第3級窒素含有アクリル系樹脂(特開昭62−148292号公報)等の樹脂をバインダーとし、これにインクの密着性を良好とするために合成シリカ、アルミナヒドロゾル、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、酸化チタン、酸化亜鉛あるいは中空型メラミン樹脂フィラー、中空ポリスチレンフィラー等のプラスチックピグメントを配合したもので、必要により更にインクセット剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等が配合されたものである。バインダー樹脂は、8〜60重量%、好ましくは10〜40重量%、ピグメントは92〜40重量%、好ましくは90〜60重量%の範囲で用いられる。
【0030】
ピグメントは、ベタ印刷を良好とするために2種以上併用するのが好ましく、JIS K−5101に準じて測定した吸油量が60〜100ml/100gのもの、例えば炭酸カルシウム、メタチタン酸等をピグメント中30〜60重量%と、吸油量(JIS K−5101)が15ml/100g以上、60ml/100g未満のもの、例えばタルク、クレイ、酸化チタン、酸化亜鉛等をピグメント中70〜40重量%との混合物を用いるとよい。
【0031】
インクセット剤としては、ポリエチレンイミンの3級アンモニウム塩、4級アンモニウム基を共重合成分として含むアクリル共重合体、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等が挙げられる。
支持体へのインク受容層の形成は、上記成分を含有する塗工剤を支持体(I)の表面に形成されたプライマー塗工層(II)側に5〜50g/m2 、好ましくは5〜30g/m2 (固型分量)の範囲の割合で塗布し、乾燥させることにより得られる。
必要により乾燥した塗工層の表面にスーパーカレンダー処理を行って塗工層(インク受容層)を平滑にする。
【0032】
物性:
本ホットメルト型インクジェット記録用紙の不透明度は30〜70%、好ましくは40〜70%である。
不透明度が上記範囲を越える場合、透過光で見たホットメルトインク画像が暗く不鮮明に感じられ、電飾看板、ポスターの文字、絵柄が見にくい。
逆に、不透明度が上記範囲に満たない場合、電飾看板、ポスターの反射光で見たホットメルトインク画像が不鮮明に感じられる。
また、ソリッドインクを用いることにより、用紙の適度な半透明性から、電飾看板に用いた場合には透過光、反射光とも印刷物が鮮明に認識可能で、またポスターに用いた場合には印刷物に柔らかみがでて、審美性に優れる。
【0033】
ホットメルト型インク:
ホットメルト型インクは、5〜30℃の温度では固体(ソリッド)状態で、50〜150℃、好ましくは70〜135℃の範囲の温度で溶融するホットメルト型インクで、業界ではソリッドインク、或いはフェーズチェンジインクとも呼ばれ、一般的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリシリコン、クマロン樹脂、パラフィンワックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩(K、Zn、Na、Al等)、エチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体(アルキル基の炭素数は1〜4)、脂肪酸誘導体、脂肪酸アミド、N−置換脂肪酸アミド、グリセライド等の融点が50〜150℃の範囲の1種または2種以上の熱溶融性固体物質に、油溶性染料を0.1〜15重量%、好ましくは1〜8重量%含有させたものである。更に必要により界面活性剤、可塑剤、防錆剤、紫外線吸収剤、有機溶剤、酸化防止剤、粘度低下防止剤等が配合される(前述の特許公報群参照)。インク中の熱溶融性固体物質の含有量は、30〜99重量%の範囲が用いられる。
【0034】
前記脂肪酸誘導体としては、例えば、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などから選ばれる少なくとも1種または2種以上を混合して用いることができる。脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸エステルアミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、ブラシジン酸アミドなどから選ばれる少なくとも1種または2種以上を混合して用いることができる。N−置換脂肪酸アミドとしてN,N’−2−ヒドロキステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−キシレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸モノメチロールアミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどから選ばれる少なくとも1種または2種以上を混合して用いることができる。グリセライドとしては、硬化ひまし油、部分水添加ひまし油、大豆油の極度硬化油、ナタネ油の極度硬化油、植物性極度硬化油などから選ばれる少なくとも1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0035】
油溶解性染料(Solvent Dye)としては、具体的には、次に述べるようなものがある。
<マゼンタ染料> MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上三井東圧社製:商品名)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上保土谷化学社製:商品名)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red VioletR、MACROLEX ROT5B(以上バイエルジャパン社製:商品名)、KAYASET Red B、KAYASETRed 130、KAYASETRed 802(以上日本化薬社製:商品名)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上ダイワ化成社製:商品名)、HSR−31、DIARESEN Red K(以上三菱化学社製:商品名)、Oil Red(BASFジャパン社製:商品名)等。
【0036】
<シアン染料> MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上三井東圧社製:商品名)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製:商品名)、RESOLEN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX
Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.BlueBF−LL330%(以上バイエルジャパン社製:商品名)、KAYASETBlue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上日本化薬社製:商品名)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上ダイワ化成社製:商品名)、DIARESIN Blue P(三菱化学社製:商品名)、SUDANBlue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue806(以上BASFジャパン社製:商品名)等。
【0037】
<イエロー染料> MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(以上三井東圧社製:商品名)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT Yellow−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上保土谷化学社製:商品名)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上バイエルジャパン社製:商品名)、KAYASET YellowSF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上日本化薬社製:商品名)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製:商品名)、HSY−68(三菱化学社製:商品名)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(BASFジャパン社製:商品名)等。
【0038】
<ブラック染料> MS Black VPC(三井東圧社製:商品名)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上保土谷化学社製:商品名)、RESORIN Black GSN 200%、RESORIN BlackBS(以上バイエルジャパン社製:商品名)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製:商品名)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製:商品名)、HSB−202(三菱化学社製:商品名)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN BlackX58(以上BASFジャパン社製:商品名)等。
【0039】
ホットメルト型インクジェット記録装置:
ホットメルト型インクジェット記録装置についても、数多くの特許が出願されており、実用化されている(特公表3−501470号、特開平2−299851号、特開平5−202327号、特開平7−133451号、同8−11300号、米国特許第5459501明細書、米国特許第5170187明細書、米国特許第5371527明細書、英国特許第32211471号明細書、特開昭62−135375号、特開平7−257013号、同7−186518号、特公表3−504170号などの公報等)。市販品としては、データプロダクト社製のホットメルトドロップデマンドプリンタSI−480、日立工機(株)製のソリッドインクジェットカラープリンタJOLT、ソニーテクトロニクス(株)製のPhaser300JS等が挙げられる。
【0040】
図1にホットメルト型インクジェットカラープリンタの一例を示す。図中、1はカラープリンタ装置、2はインクパック、3はインクカセット、4はインクローダー、5は固形インク、6はプリントヘッド、7は用紙カセット、8は記録用紙、9はヘッドキャレッジ、10は用紙ピックローラー、11は用紙送りモーター、12は用紙送りベルト、13は印刷済用紙、14は用紙受け、15は制御基盤、16はヘッド送りモーターである。
図2は、プリントヘッド6のノズルの部分断面図を示す。図中、17はインク温度制御用ヒータ、18は墨インク用ノズル、19はシアン、マゼンタ、イエロー等のカラーインク用ノズル、20はオリフィス、21はフット(PZT変位伝達機構)、22はPZT(ピエゾセラミック)アクチュエータである。
【0041】
この図2のノズルにおいて、墨インク用プリントヘッド18’と、シアン、マゼンタ、イエロー用のプリントヘッド19’は下と上にそれぞれ重ねられ、底にあるインク温度制御用ヒータ17でそれぞれのヘッド18’、19’を暖め、固形インクを溶融粘度約10mPa・Sの液体インクにし、加圧室31に供給される。PZT(ピエゾセラミック)アクチュエータ21を用いて加圧室31のダイアフラムに微少変位を与え、インク室内へのインクの微少吸入とオリフィス20を経てノズル18、19から液滴として用紙上に噴射される。
【0042】
プリンタ装置1を用いての印刷は、プリンタの前面にある用紙カセット7に収納されているインクジェット記録用紙8を用紙ピックローラ10により一枚一枚引き出され、モーター11で回転する用紙送りベルト12に用紙は吸着され、プリントヘッド6の前面を通過しながら印刷され、前記用紙送りベルトにより用紙受け14に印刷面が下になるように印刷された用紙13は積み上げられる。
【0043】
インクの補充は、インクカセット3の上方からインクパック2内に入っているインクペレットをインクカセット3中に入れる。プリントヘッド6は、ヘッドキャレッジ9によって左右に移動可能であり、キャリッジ9に載っているプリントヘッド6(17’、18’)にはシアン、マゼンタ、イエローのそれぞれ十六本のノズルを一列に並べたノズル組一本19とブラック(墨)ノズル組一本18が載っている。
【0044】
図3は電飾看板の一部を切り欠いた斜視図である。図において、電飾看板(E)は、記録紙(A)の表面にグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等で、店名、場所、電話番号、商品(メニュー)、図柄等を印刷(B)し、これを枠(C)に固定し、裏面側より蛍光灯、電球、水銀灯、キセノン灯等の光源(D)より光線を照射し、光を印刷された電飾看板用の記録紙(E)より透過させることにより形成される。
【0045】
印刷:
本発明のホットメルト型インクジェット記録用紙はそれ自身耐水性を有し、屋外での使用も可能である。又、記録用紙の支持体は延伸フィルムであり、腰強度が高く、かつ、プライマー塗工層が帯電防止性を有するので給排紙操作が良好である。
更に、特殊組成のプライマー塗工層(II)が存在する故に、インク受容層(III)と支持体(I)との密着性に優れるので、印刷インクの密着性が強固であり、印刷表面を指でこすったり、印刷された用紙を折り畳んでも、印刷が剥れることはない。
また、ソリッドインクを用いた印刷物は、用紙の適度な半透明性と白色度の高さから、透過光、反射光とも印刷物が鮮明に認識可能で、しかもその半透明性から、下敷きにした文書、図面も判読可能である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
支持体の製造例:
(例1)
(1) MFR0.8g/10分のプロピレン単独重合体89重量%と高密度ポリエチレン8重量%及び粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末3重量%の混合物(A)を押出機で溶融混練した後、ダイよりシート状に押出し、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。このシートを155℃に加熱した後、縦方向に5倍延伸した。
【0047】
(2) MFR4.0g/10分のプロピレン単独重合体(C)とMFR4.0g/10分のポリプロピレン50.5重量%に平均粒径1.2μmの焼成クレイ45重量%と粒径0.8μmの酸化チタン1.0重量%と高密度ポリエチレン3.5重量%を混合した組成物(B)とを別々の押出機で溶融混練し、ダイ内で積層して共押出したシートを(1)の5倍延伸シートの両面に(C)が外側になるように積層し、ついでこの五層積層物を185℃に加熱したのち横方向に7.5倍の延伸を行なって、五層のフィルムを得た。
【0048】
(3)この五層積層フィルムの表面をコロナ放電処理し、(C)/(B)/(A)/(B)/(C)の各フィルムの肉厚が5/30/80/30/5ミクロンの五層構造の積層物を得た。
この肉厚が150ミクロンの五層積層フィルムは不透明度が64%、白色度が93%であった。
【0049】
(例2)
(1) MFR0.8g/10分のプロピレン単独重合体92重量%と高密度ポリエチレン8重量%の混合物(A)を押出機で溶融混練した後、ダイよりシート状に押出し、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。このシートを、155℃に加熱した後、縦方向に5倍延伸した。
(2) MFR4.0g/10分のプロピレン単独重合体56重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム40重量%と平均粒径0.8μmのアナターゼ型酸化チタン0.5重量%と高密度ポリエチレン3.5重量%を混合した組成物(B)とを別々の押出機で溶融混練し、(1)の5倍延伸シートの両面に(B)が外側になるようにダイ内で共押出して積層し、ついでこの積層物を185℃に加熱したのち横方向に7.5倍の延伸を行なって、三層積層フィルムを得た。
【0050】
(3) この三層積層フィルムの表面をコロナ放電処理して、(B)/(A)/(B)の各フィルムの肉厚が20/50/20ミクロンの三層構造の積層物を得た。
この肉厚が90ミクロンの三層積層フィルムの物性は不透明度が39%、白色度が86%であった。
【0051】
(例3)
(1) MFR1.0g/10分のプロピレン単独重合体81重量%と高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%の混合物(A)を押出機で溶融混練した後、ダイよりシート状に押出し、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。このシートを、140℃に加熱した後、縦方向に5倍延伸した。
(2) MFR4.0g/10分のプロピレン単独重合体54重量%と平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%の混合物(B)とを別々の押出機で溶融混練し、(1)の5倍延伸シートの両面に(B)が外側になるようにダイ内で共押出して積層し、ついでこの積層物を160℃に加熱したのち横方向に7.5倍の延伸を行なって、三層積層フィルムを得た。
【0052】
(3) この三層積層フィルムの表面をコロナ放電処理して、(B)/(A)/(B)の各フィルムの肉厚が25/60/25ミクロンの三層構造の積層物を得た。
この肉厚が110ミクロンの三層積層フィルムの物性は不透明度が94%、白色度が96%であった。
【0053】
プライマー塗工剤の製造例:
(例4)
下記の組成の塗工剤を用いた。
(a) 次のユニットの三元共重合体 0.5重量%
【化5】
Figure 0003925979
【0054】
(b) ブチル化変性ポリエチレンイミン 0.3重量%
(c) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(日本PMC(株)製「WS−570:商品名」) 0.5重量%
(d) 水 残余
【0055】
(例5)
下記の組成の塗工剤を用いた。
(a) 次のユニットの四元共重合体 1.5重量%
【化6】
Figure 0003925979
【0056】
【化7】
Figure 0003925979
8モル%
【0057】
【化8】
Figure 0003925979
12モル%
【0058】
(b) 下記の製法で得たブチル化変性ポリエチレンイミン 0.2重量%
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコ内に、日本触媒(株)製ポリエチレンイミン“エポミン P−1000”(商品名;重合度1600)の25重量%水溶液100部、n−ブチルクロライド10部及びイソプロピルアルコール10部を入れて、窒素気流下で撹拌し、80℃の温度で20時間変性反応を行って20.8重量%濃度のブチル変性ポリエチレンイミン水溶液を得た。
【0059】
(b’) ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物(BASF社製ポリミンSN) 0.3重量%
(c) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(WS−570) 0.5重量%
(d) 水 残余
【0060】
(例6)
下記の組成の塗工剤を用いた。
Figure 0003925979
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコ内に、日本触媒(株)製ポリエチレンイミン“エポミン P−1000”(商品名;重合度1600)の25重量%水溶液100部、シクロペンチルクロライド13部及びイソプロピルアルコール10部を入れて、窒素気流下で撹拌し、80℃の温度で20時間変性反応を行って20.8重量%濃度のシクロペンチル変性ポリエチレンイミン水溶液を得た。
【0061】
Figure 0003925979
【0062】
インク受容層塗工剤の製造例
(例7)
下記に示す固型分割合の塗工剤を用いた。なお、塗工剤は水で分散されており、固型分濃度を水で55重量%に調製した。
用いたピグメント、樹脂バインダーは次のものを用いた。
珪藻土 : 吸油量 42ml/100gのもの : 30重量部
軽質炭酸カルシウム: 吸油量 63ml/100gのもの : 40重量部
シリカ : 吸油量 63ml/100gのもの : 15重量部
クレー : 吸油量 46ml/100gのもの : 15重量部
バインダー : 三井東圧(株)のアクリル酸エステル系樹脂エマルジョン“ボンロンS−282”(商品名): 10重量部
【0063】
(実施例1)
例1のフィルムの表裏面に、例4のプライマー塗工層を固型分量で各々0.2g/m2 となるように塗布し、65℃で乾燥した。
乾燥したプライマー層の一方の面に、例7に示す組成のインク受容層用塗工剤を固型分量が10g/m2 となる量塗布し、100℃で乾燥してインク受容層/プライマー塗工層/支持体/プライマー塗工層の構造のインクジェット記録用紙を得た。
【0064】
このインクジェット記録用紙に、ソニーテクトロニクス(株)製のフェイズ・チェンジ・インクジェット方式のカラープリンター“Phaser 300JS”(商品名)を使用して、ホットメルト型インクとして同社の墨インク(016−1123−00)、シアンインク(016−1124−00)、マゼンタインク(016−1125−00)およびイエローインク(016−1126−00)を用いて、インク溶解温度(78〜85℃)で噴射させ、インクジェット印刷を行った。得られた記録用紙、およびその印刷物を評価した。
結果を表1に示す。
【0065】
(評価)
(1)ベタ均一印刷性:
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラーインクで発色させたベタ部分について、蛍光灯による透過光および反射光の画像品質の均一度合を観察し、目視で下記のように評価した。
○ : ベタ部分に抜けが無く均一。
× : ベタ部分にかなりの白抜けがあり、実用上問題である。
【0066】
(2)電飾看板判読性:
上記印刷物を、図3に示す枠に固定し、該印刷物の裏面より5cmのところに、20Wの白色蛍光灯2本を並べ、電飾看板としての判読性を評価した。
○ : 印刷面が明るく、画像が鮮明である。
× : 印刷面が暗く、画像が不鮮明である。
【0067】
(3)インク密着性:
印刷面にニチバン(株)製の粘着テープ商品名「セロテープ LP−24」を張り付け、玉状にしたガーゼで軽く押しながら5回擦り、素早くテープを剥離してインキ接着性を評価した。
インクの密着性を下記のように評価した。
○;全くインクが剥離しない(実用上問題ない)。
×;剥離部分が25%以上であった。
【0068】
(4)折り畳み時の印刷の剥がれ部の有無:
印刷された記録用紙を8つ折りし、開いて折り目部分の印刷インクが剥がれていないか否か調査した。
○・・・剥がれなし。
×・・・剥がれあり。
【0069】
(5)記録用紙の印刷時の熱収縮の有無:
2%以上の熱収縮があったものを不良(×)、熱収縮が2%未満で問題がないものを良好(○)とした。
(6)給排紙性:
連続して記録用紙10枚をホットメルト型インクジェットプリントする際の用紙の詰まった回数を示す。
○・・・紙詰まりなし。
×・・・紙詰まりあり。
【0070】
(比較例1)
実施例1において、プライマー塗工層を設けずに、直接、フィルム上にインク受容層を設ける他は同様にして記録用紙を製造し評価した。
結果を表1に示す。
(実施例2〜4、比較例2)
フィルム、プライマー塗工剤を表1のように変更する他は、プライマー塗工剤塗工量、インク受容層塗工量とも実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を製造し、評価した。
結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0003925979
【0072】
【発明の効果】
本発明によって、インクの密着力が良好で、かつ、給排紙性の優れた半透明なホットメルト型インクジェット記録用紙を提供することができた。
印刷された用紙は耐水性に優れるので、電飾看板、屋外ポスターとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホットメルト型インクジェットプリンタの一例を示す概略断面図である。
【図2】プリントヘッドのノズル部分の概略断面図である。
【図3】電飾看板の一部を欠いた斜視図である。
【符号の説明】
1 カラープリンター装置
2 インクパック
3 インクカセット
4 インクローダー
5 固形インク
6 プリントヘッド
7 用紙カセット
8 記録用紙
9 ヘッドキャレッジ
10 用紙ピックローラー
11 用紙送りモーター
12 用紙送りベルト
13 印刷済用紙
14 用紙受
15 制御基盤
16 ヘッド送りモーター
17 インク温度制御用ヒーター
18 墨インク用ノズル
18’墨インク用プリントヘッド
19 シアン、マゼンタ、イエロー等のカラーインク用ノズル
19’シアン、マゼンタ、イエロー等のカラーインク用プリントヘッド
20 オリフィス
21 フット(PZT変位伝達機構)
22 PZTアクチュエータ
31 加圧室
A 記録紙
B 印刷
C 枠
D 光源
E 電飾看板

Claims (2)

  1. 常温で固体状のホットメルト型インクを加熱溶融して飛翔された溶融インクを受容して記録するホットメルト型インクジェット記録用紙において、該記録用紙は、白色無機微細粉末含有樹脂フィルムの延伸物よりなる半透明の微多孔性フィルムを支持体(I)とし、この支持体(I)の表面に下記の組成のプライマー塗工層(II)を介して下記の組成のホットメルト型インクの受容層(III)が設けられた構造であり、該記録用紙の不透明度が30〜70%であることを特徴とするホットメルト型インクジェット記録用紙。
    プライマー塗工層(II)は、
    (a) 下記の単量体(i)、(ii)および(iii)を共重合して得た重合体の三級窒素原子をカチオン化剤で四級化した両性化物である、四級窒素含有アクリル系樹脂:
    100重量部に、
    Figure 0003925979
    (iii)他の疎水性ビニル単量体 0〜80重量%
    〔ただし、各式中、R1 はHまたはCH3 、R2 は炭素数1〜18のアルキル基、R3 およびR4 はそれぞれHまたは炭素数1〜2のアルキル基、Aは炭素数2〜6のアルキレン基である。〕、
    (b) ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物: 20〜300重量部、
    (c) ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物: 20〜300重量部、
    の割合で配合された組成物の水溶液を塗布し、乾燥して得られたものである。
    ホットメルト型インクの受容層(III)は、
    ピグメントを40〜92重量%、および樹脂バインダーを8〜60重量%含有するものであり、
    ピグメントは、該ピグメント中の吸油量(JIS K−5101)が60〜100ml/100gであるものが30〜60重量%、吸油量が15ml/100g以上、60ml/100g未満のピグメント70〜40重量%よりなる混合物であり、
    上記プライマー塗工層(II)側に塗布し、乾燥して得られたものである。
  2. 支持体(I)が、無機微細粉末を0〜40重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの二軸延伸フィルムを基材層とし、その基材層の表裏面に無機微細粉末を8〜65重量%含有する熱可塑性フィルムの一軸延伸フィルムを表裏層とする積層フィルムであって、該積層延伸フィルムの不透明度が25〜67%かつ白色度が80〜100%であることを特徴とする請求項1記載のホットメルト型インクジェット記録用紙。
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