JPH08225680A - 多孔性フィルム又はシート - Google Patents

多孔性フィルム又はシート

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JPH08225680A
JPH08225680A JP7292351A JP29235195A JPH08225680A JP H08225680 A JPH08225680 A JP H08225680A JP 7292351 A JP7292351 A JP 7292351A JP 29235195 A JP29235195 A JP 29235195A JP H08225680 A JPH08225680 A JP H08225680A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 炭酸カルシウムを含む樹脂を延伸してな
る多孔性フィルム又はシートであって、該炭酸カルシウ
ムが、粒径が0.5〜3μmの範囲にある粒子が総粒子
量の50重量%以上を占め、かつ最大粒子径が8μm以
下であり、該炭酸カルシウム粒子の長軸をL、短軸をD
とした時、L/D平均値が1.6以下の形状を有するも
のであり、かつ該粒子比表面積が15m2 /g以下であ
る沈降性炭酸カルシウムであることを特徴とする上記フ
ィルム又はシート。 【効果】 本発明の多孔性フィルム又はシートは、使用
した粉砕炭酸カルシウムが、従来にない特殊な分布と形
状を有している為、該フィルム又はシートに亀裂、ムラ
等の発生もなく、しかも気孔径の大きさにバラツキがす
くなく、柔軟な風合いを有している為、その工業的価値
は極めて大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、顔料、製紙、化
粧品、歯磨粉用研磨剤、フィルム又はシート用の充填剤
として利用される炭酸カルシウムを用いた多孔性フィル
ム又はシートに関するものである。さらに詳しくは、本
発明は、気体または液体が透過可能な機能を有する為、
オムツのバックシート、衣服、壁張りシート、分離膜、
壁紙等に利用され得る多孔性フィルム又はシートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】多孔性フィルム又はシートは、気体・液
体等の物質を透過することが可能な機能を有しているの
で、物質が気体、蒸気の場合は、ガス透過性を有し、液
体の場合は液体透過性を有するものである。又、表面に
は適度の凹凸があるため、合成紙としても利用が可能で
ある。具体例としては、オムツのバックシート、衣服、
壁張りシート、分離膜、壁紙等がある。
【0003】従来、通気性を有する多孔性フィルムは、
合成樹脂に充填剤としてクレイ、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、シリカ、シリコン等の無機物、その他第三成
分として液状炭化水素系重合体、ヒマシ油等のオイルを
混練し、製膜後、延伸する工程を経て製造されている
が、上記のような充填剤では、粒度分布が大きく、気孔
径にバラツキが存在していた。特に均一に気体、液体を
透過するためには、気孔径のバラツキの少ない多孔性フ
ィルム又はシートが要望されており、このバラツキを少
なくする為には充填剤の粒度分布を小さくする必要があ
った。しかし、粒度分布が小さい充填剤は、市販されて
いるものは高価であり、安価で経済的なものを入手する
ことはなかなか困難であった。
【0004】その中でも安価なものとしては、各種用途
を持つ炭酸カルシウムがあり、そのうち市販されている
ものには、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム
が知られている。重質炭酸カルシウムは、方解石等を粉
砕して製造される炭酸カルシウムであり、沈降性炭酸カ
ルシウムは炭酸ガス化合法、炭酸塩溶液化合法等で製造
される炭酸カルシウムである。このうち、炭酸ガス化合
法は、石灰乳に炭酸ガスを吹き込み、炭酸カルシウムを
製造する方法であり、炭酸塩溶液化合法は、石灰乳ある
いは塩化カルシウム等のカルシウム塩と炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム等の炭酸塩との反応により、炭酸
カルシウムを製造する方法である。これ等の炭酸カルシ
ウムは、各種の用途、塗料、顔料、製紙、化粧品、歯磨
粉用研磨剤に使用されているが、特に多孔性フィルム又
はシート用充填剤として利用するにはいろいろな問題が
あった。
【0005】重質炭酸カルシウムは、方解石を粉砕して
製造されている為、粉砕工程及びその後の分級工程で粒
度を揃えているが、これらの市販品は、粒度分布が大き
く粒子形態が球状でない。従って、この重質炭酸カルシ
ウムを使用する場合には、延伸作業中において延伸切
れ、延伸ムラ等が生じる為、製品に亀裂またはムラ等が
生じ、さらに気孔径のバラツキが多かった。しかも製品
の仕上がり状態が良くなく、満足な多孔性フィルム又は
シートは得られなかった。又、沈降性炭酸カルシウムを
使用する場合は、炭酸ガス化合法、炭酸塩溶液化合法、
いずれの方法により製造したものを、多孔性フィルム又
はシートに用いた場合、製品に亀裂またはムラ等が生
じ、さらに気孔径のバラツキの少ない多孔性フィルム又
はシートは得られなかった。これ等延伸切れ、延伸ムラ
等の問題を解決する為に、充填剤をあらかじめ液状炭化
水素系重合体等で処理する(例えば特開昭58-15538、58
-149925)方法や、第三成分としてヒマシ油を添加する
方法が行われたが、しかしこのような処理をしても、十
分な性能を得ることが出来ず、各種の改良が要望されて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
に充填剤をあらかじめ処理する必要もなく、そのままの
状態で使用できる多孔性フィルム又はシートを提供する
ことにある。すなわち、フィルム又はシートに亀裂また
はムラ等の発生もなく、従来にない柔軟な風合いを有
し、かつ気孔径のバラツキの少ない多孔性フィルム又は
シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の粒度分布と最大粒子径及び粒子形態を
有する炭酸カルシウムを充填剤として用いることによ
り、上記の問題を解決し、本発明に到達したのである。
すなわち、本発明の要旨は、炭酸カルシウムを含む樹脂
を延伸してなる多孔性フィルム又はシートであって、該
炭酸カルシウムが、粒径が0.5〜3μmの範囲にある
粒子が総粒子量の50重量%以上を占め、かつ最大粒子
径が8μm以下であり、該炭酸カルシウム粒子の長軸を
L、短軸をDとした時、L/D平均値が1.6以下の形
状を有するものであり、かつ該粒子比表面積が15m2
/g以下である沈降性炭酸カルシウムであることを特徴
とする上記フィルム又はシート、にある。以下、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0008】本発明の充填剤である炭酸カルシウムは、
沈降性炭酸カルシウムを粉砕することにより得られる。
沈降性炭酸カルシウムは公知の方法で製造されたもの、
何れも利用できるが、なかでも炭酸塩(たとえば、炭酸
ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ア
ンモニウム等)とカルシウム塩(たとえば、塩化カルシ
ウム等)をpH調節剤(たとえば、アンモニア水、水酸
化ナトリウム等)の共存下で反応させるものが良い。
【0009】本発明で用いられる粉砕法としては、公知
の湿式法、乾式法、いずれの方法も利用され得るが、中
でも、湿式法が好ましい。また粉砕前に必要に応じ、1
20〜140℃で数時間処理してもよい。熱処理によ
り、次の粉砕をより効率良く行なうことができる。湿式
粉砕法は、媒体(たとえば、0.1〜3mmφのガラス
ビーズ、ステンレスビーズ等)と上記沈降性炭酸カルシ
ウムとを混合し、スラリー状態で撹拌する方法が好まし
い。さらに好ましくは、粉砕時あるいは/及び粉砕後に
界面活性剤で表面処理することも可能である。表面処理
は、公知の界面活性剤を使用し行なうことができる。界
面活性剤にはステアリン酸等の高級脂肪酸、又はその金
属塩あるいはロジン等が使用でき、これ等界面活性剤と
粉砕した炭酸カルシウムは、界面化成剤の水溶液あるい
はアルコール溶液に炭酸カルシウムを混合して使用す
る。界面活性剤の量は、炭酸カルシウムに対し、0.5
〜5wt%、好ましくは1〜3wt%が用いられる。粉
砕後、使用した水又はアルコール等を減圧下、または常
圧下、あるいは120〜140℃以下の温度で処理して
乾燥する。
【0010】かくして得た炭酸カルシウムは粒子径が
0.5〜3μmの範囲にある粒子が総粒子量の50重量
%以上を占め、かつ最大粒子径が8μm以下であるとい
う特徴を有し、従来の重炭酸カルシウムを粉砕して製造
した場合には、いかなる方法を採ろうとも上記のものが
得られなかったものであり、本発明による沈降性炭酸カ
ルシウムを粉砕して始めて得られたものである。即ち、
沈降性炭酸カルシウムは化学処理により水溶液より沈降
して生成するものであり、このものをさらに粉砕して使
用することは従来知られていなかったものである。
【0011】本発明による沈降性炭酸カルシウムを粉砕
して得たもの(粉砕炭酸カルシウムと以下略称する)は
上記の他、さらに次の特徴を有する。即ち、炭酸カルシ
ウム粒子の長軸をL、短軸をDとした時、L/D平均値
が1.6以下、さらには1.2以下の形状を有するもの
であり、概ね球状に近く、しかも粒子表面積は平滑で比
表面積にして15m2 /g以下であるといった特徴を有
する。
【0012】本発明に使用される樹脂は、各種の樹脂、
例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、全般に使用できる
が、中でもポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリビニル、ポリカ
ーボネート、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂等があ
り、特にポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィン系
樹脂としては、例えばポリプロピレン、低密度ポリエチ
レン(LDPE)、高密度ポリエチレン、線形低密度ポ
リエチレン(LLDPE)、ポリブテン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらは単独あ
るいは二種以上併用して用いられる。好ましくはLDP
Eであり、特に好ましくはLLDPEである。
【0013】本発明の多孔性フィルム又はシートは、特
にポリオレフィン系樹脂が好ましいが、樹脂100重量
部に対して、上記粉砕炭酸カルシウムを通常50〜20
0重量部、好ましくは100〜150重量部、その他の
添加物をヘンシェルミキサー等で混合・混練し、次いで
プレス、カレンダー、押出機等によりフィルム又はシー
トを作製する。フィルム又はシートは延伸によるか、ま
たは塩酸等の酸抽出により多孔性を有するフィルム又は
シートを得る。延伸により、1軸延伸、逐次2軸延伸、
同時2軸延伸等で延伸倍率を2倍〜10倍に設定するこ
とで任意の孔径を得ることが可能である。
【0014】また、本発明の通気性を有する多孔性フィ
ルム又はシートは、以下の周知慣用技術により得られ
る。まず、上記原料をヘンシェルミキサー、スーパーミ
キサー、タンブラー型混合機等を用いて混合した後、通
常の一軸あるいは二軸スクリュー型押出機によってペレ
ット化する。次いで、これらのペレットを必要に応じ、
他のペレット状ポリオレフィン系樹脂を加えた後、ベー
スレジンの融点以上、好ましくは融点+20度以上分解
温度以下でインフレーション成形機、またはTダイ成形
機を用いて溶融成形する。場合によってはペレット化せ
ず直接押出機で製膜することもできる。製膜されたフィ
ルムは、ロール法、テンター法等の公知の方法で少なく
とも一軸方向に延伸を行い、通気性を有する多孔性フィ
ルムが得られる。延伸は多段階に分けても良いし、二軸
延伸の場合は同時二軸延伸が好ましい。又フィルムの厚
みは、特に制限はないが10〜90μm程度が好まし
く、10μm未満では破れ易くなり、90μmを超えて
も物性上の問題はないが、生産性が悪くなる。
【0015】本発明により得られた多孔性フィルム又は
シートは亀裂またはムラ等もなく、柔軟な風合いを有
し、さらに気孔径のバラツキも少ない。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳述する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、
本発明の炭酸カルシウムの製造について説明する。
【0017】製造例1 5mol/lの塩化カルシウム水溶液を70ml、1.
2mol/lの重炭酸ナトリウム水溶液を300ml、
それぞれビーカーに取り炭酸塩水溶液に29wt%のア
ンモニア水50mlを加えた後30℃に保った。その後
カルシウム塩と炭酸塩を一度に混合し10分間反応させ
た。反応後直ちに吸引、濾過、水洗し湿式粉砕を2時間
行い、粒度分布測定用サンプルを採取した。湿式粉砕
は、炭酸カルシウムと同量の0.1〜3mmφのガラス
ビーズを炭酸カルシウムスラリー(スラリー濃度は約8
0wt%)中に入れ撹拌羽根で撹拌して行った。回転数
は2600rpmであった。その後濾過し、130℃で
6時間熟成乾燥し、粉砕炭酸カルシウムを得た。粉砕炭
酸カルシウムの粒径分布、比表面積および粒子形態を次
の方法により測定し、結果を[表1]に示した。また粉
砕炭酸カルシウムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写
真を[図1]に示した。
【0018】〔粒径分布〕島津遠心沈降式SA−CP2
型粒度分布測定器を用い、ヘキサメタリン酸ソーダ0.
2wt%溶液に、測定サンプルを添加後、超音波分散を
行って測定した。なお、粒子密度、溶液密度、溶液粘度
として、2.78g/cc、1.00g/cc、0.9
88cpの値を用いた。 〔比表面積〕BET法で求めた。 〔粒子形態〕走査型電子顕微鏡で粒子を観察し、長軸
(L)と短軸(D)の比(L/D)を任意の50個の粒
子につき測定し、平均値を求めた。
【0019】製造例2 湿式粉砕を0.1〜3mmφのステンレスビーズを用い
て行ったことを除いて、製造例1と同様の方法で粉砕炭
酸カルシウムを得た。該粉砕炭酸カルシウムの諸特性を
[表1]に示す。
【0020】製造例3 湿式粉砕の前に2wt%のステアリン酸ナトリウム0.
7gを使用した以外は製造例1と同様の方法で粉砕炭酸
カルシウムを得た。結果を[表1]に示す。
【0021】製造例4 重炭酸ナトリウムのかわりに炭酸ナトリウムを使用し、
製造例1と同様の方法で炭酸カルシウムを得た。結果を
[表1]に示す。
【0022】製造例5 湿式粉砕を行わなかった以外は製造例1と同様の方法で
炭酸カルシウムを得た。該炭酸カルシウムの諸特性を
[表1]に示す。
【0023】製造例6 湿式粉砕を行わなかった以外は製造例3と同様の方法で
炭酸カルシウムを得た。該炭酸カルシウムの諸特性を
[表1]に示す。
【0024】製造例7〜10 比較の為、市販の炭酸カルシウムの諸特性を示した。製
造例7は、沈降性炭酸カルシウム(白石工業社製、商品
名ビゴット−15)の諸特性を、又、製造例8は、重質
炭酸カルシウム(白石工業社製)の諸特性をそれぞれ
[表1]に示した。製造例9は、製造例8の重質炭酸カ
ルシウムを用いて製造例1と同様の方法で湿式粉砕し、
その諸特性を[表1]に示した。又、製造例10は、市
販の重質炭酸カルシウム(同和カルファイン製、商品名
SST−40)の諸特性を[表1]に示した。
【0025】[表1]より本発明による粉砕炭酸カルシ
ウムの製造例1〜4は粒子径0.5〜3μmの範囲にあ
る粒子が総粒子量の50重量%以上を占め、しかも比表
面積8m2 /g以下であり、粒子形態L/Dは、1.1
と球状に近い。また、製造例5〜9に示すものは、いず
れも粒子径0.5〜3μmの範囲にある粒子が総粒子量
の50重量%以下であり、比表面積及び粒子形態L/D
も高く、本発明により得られた粒子とは形状に異にして
いることは明らかである。
【0026】次に、上記製造例で示した炭酸カルシウム
を使用し、本発明の多孔性フィルム及びシートについて
説明する。 実施例1 三井石油化学(株)製 ウルトゼックス(ポリエチレ
ン)2020L 100重量部に対し製造例3で得た粉
砕炭酸カルシウムを125重量部添加し、ロール表面温
度120℃で10分間ロール混練した。その後、厚さ1
00μmのプレスシートを作製し、室温下で1軸方向に
4倍延伸した。該延伸フィルム表面の粒子構造を表わす
走査型電子顕微鏡写真を[図2]に示す。気泡の大きさ
にバラツキが少なく、しかも延伸フィルムは亀裂、ムラ
等の発生もなく、柔軟な風合いを有していた。又、多孔
性フィルムの諸物性については、[表2]及び[表3]
に示す。引っ張り物性としては、5%伸長時の応力(g
/25mm)、破断強度(g/25mm)、破断伸度
(%)を測定した。また、外透気度(秒/100c
c)、平均孔径(μm)については、透気度はJIS
P 8117に準拠し、気孔径(μm)は水銀圧入法に
よって測定した。さらに亀裂、ムラ等の発生に関して
は、作業性として亀裂・ムラの発生頻度を測定し、風合
いとしては官能試験を行った。
【0027】比較例1 製造例6で製造した炭酸カルシウムを用いて実施例1と
同様の方法で延伸フィルムを作製したが、延伸時わずか
な力で亀裂が生じた。該延伸フィルム表面の粒子構造を
表す走査型電子顕微鏡写真を[図3]に示す。[図3]
より気泡の大きさにバラツキが大きいことがわかる。
又、多孔性フィルムの諸物性については、実施例1と同
様の方法で測定し、その結果を[表2]及び[表3]に
示した。
【0028】比較例2 製造例7の炭酸カルシウムを用いて実施例1と同様の方
法で延伸フィルムを作製したが、延伸時わずかな力で亀
裂が生じた。又、多孔性フィルムの諸物性については、
実施例1と同様の方法で測定し、[表2]及び[表3]
に示した。
【0029】比較例3 製造例8の炭酸カルシウムを用いて実施例1と同様の方
法で延伸フィルムを作製しようとしたところ、延伸途中
で一部縦裂きがおきた。該延伸フィルム正常部表面の粒
子構造を表す走査型電子顕微鏡写真を[図4]に示す。
[図4]よりやはり気泡の大きさにバラツキが大きいこ
とがわかる。又、多孔性フィルムの諸物性については、
実施例1と同様の方法で測定し、[表2]及び[表3]
に示した。
【0030】比較例4 原料として、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)4
0重量部に対し、製造例10の炭酸カルシウム60重量
部及びヒマシ油3重量部を用いた以外は実施例1と同様
の方法で、延伸フィルムを作製した。該延伸フィルム表
面の粒子構造を表す走査型電子顕微鏡写真を[図5]に
示す。[図5]より重質炭酸カルシウムを使用したので
は気泡の大きさにバラツキが大きいことがわかる。又、
多孔性フィルムの諸物性については、実施例1と同様の
方法で測定し、その結果を[表2]及び[表3]に示し
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明の多孔性フィルム又はシートは、
使用した粉砕炭酸カルシウムが、従来にない特殊な分布
と形状を有している為、該フィルム又はシートに亀裂、
ムラ等の発生もなく、しかも気孔径の大きさにバラツキ
がすくなく、柔軟な風合いを有している為、その工業的
価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉砕炭酸カルシウムの粒子構造の一例
を示す倍率4,800の走査型電子顕微鏡写真。
【図2】本発明の粉砕炭酸カルシウムを用いた多孔性フ
ィルムの粒子構造の一例を示す倍率1,000の走査型
電子顕微鏡写真。
【図3】沈降性炭酸カルシウムを用いた多孔性フィルム
の粒子構造の一例を示す倍率1,000の走査型電子顕
微鏡写真。
【図4】市販の重質炭酸カルシウムを用いた多孔性フィ
ルムの粒子構造の一例を示す倍率1,000の走査型電
子顕微鏡写真。
【図5】市販の重質炭酸カルシウムを用いた多孔性フィ
ルムの粒子構造の一例を示す倍率1,000の走査型電
子顕微鏡写真。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/26 KAF A61F 13/18 320

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸カルシウムを含む樹脂を延伸してなる
    多孔性フィルム又はシートであって、該炭酸カルシウム
    が、粒径が0.5〜3μmの範囲にある粒子が総粒子量
    の50重量%以上を占め、かつ最大粒子径が8μm以下
    であり、該炭酸カルシウム粒子の長軸をL、短軸をDと
    した時、L/D平均値が1.6以下の形状を有するもの
    であり、かつ該粒子比表面積が15m2 /g以下である
    沈降性炭酸カルシウムであることを特徴とする上記フィ
    ルム又はシート。
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