JP2006168499A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 正規空気圧での通常走行時における車両の乗り心地が損なわれることを防止でき、且つ、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させる。
【解決手段】 サイドゴム層24の内側に断面形状が三日月状に構成されたサイド補強ゴム層26が備えられた空気入りタイヤ10において、サイドゴム層24のランフラット走行時における最大屈曲部Cよりもタイヤ径方向内側の位置の外側面には、タイヤ軸方向外側に突出すると共にタイヤ周方向に沿って環状に延びる突条体により構成されたリムガード32が形成され、リムガード32には、タイヤ幅方向外側に開口すると共にタイヤ周方向に沿って延びる溝部34が形成されている。ランフラット走行時には溝部34が閉じてタイヤ径方向の剛性が高まる一方で、正規空気圧での通常走行時には溝部34が開くことにより乗り心地が損なわれない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに係り、特に、パンク等によりタイヤの空気圧が低下しても一定距離の走行を可能にする構成を備えた空気入りタイヤに関する。
従来より、パンク等によりタイヤの空気圧が低下しても、一定距離の走行を可能にする構成を備えたタイヤ空気入りタイヤとして、いわゆるランフラットタイヤが知られている。
この種のランフラットタイヤとしては、例えば、タイヤサイド部の内側のビード部からショルダー部に至る領域にかけて断面三日月状のサイド補強ゴム層を設けることにより、タイヤサイド部を補強するようにしたサイド補強タイプがある(例えば、特許文献1参照)。
この種のランフラットタイヤによれば、タイヤサイド部の内側に断面三日月状のサイド補強ゴム層が設けられているので、パンク等によりタイヤの空気圧が低下しても、サイド補強ゴム層がランフラット走行時における車体重量を支持するので、タイヤサイド部のタイヤ幅方向外側への膨出変形、及び、ビード部の倒れ込み変形等を抑制することができ、ある程度の距離を走行することが可能である。
ところが、上述のように、サイド補強タイプのランフラットタイヤにおいては、タイヤサイド部の変形を抑制することによってランフラット走行を可能にする一方で、ランフラット走行時におけるタイヤ径方向の剛性を確保するためには、サイド補強ゴム層を厚くする必要があった。
このようにサイド補強ゴム層を厚くすると、タイヤ重量が増大するため、これにより、転がり抵抗が増加し、車両の燃費が悪化するという問題があった。また、サイド補強ゴム層を厚くしてタイヤ径方向の剛性を高めると、正規空気圧での通常走行時に路面からの振動がタイヤを通じて車両側へ伝わりやすくなるために、正規空気圧での通常走行時の車両の乗り心地が悪化するという問題があった。
そこで、上記問題のうち、正規空気圧での通常走行時に車両の乗り心地低下を改善することを目的として、サイド補強ゴム層に織布状のインサート部材(ウェッジインサートスティフナ)を埋設したランフラットタイヤが提案されている(特許文献2参照)。
この特許文献2に記載の例によれば、サイド補強ゴム層に埋設した織布状のインサート部材の物性(例えば、タイヤ径方向の剛性、引張り応力支持特性など)と共に適切なサイドウォールウェッジゲージ分布を設計することによって正規空気圧での通常走行時の乗り心地の低下を抑制することが可能とされている。
一方、タイヤ重量の増加を抑えつつランフラット走行時のタイヤ径方向の剛性を高める技術としては、ランフラットタイヤのタイヤサイド部にリムガードを形成したものがある(例えば、特許文献3、4参照)。
この種のリムガードをタイヤサイド部に備えたランフラットタイヤによれば、タイヤサイド部に設けられた既存の構成であるリムガードによってタイヤサイド部に厚みを持たすことができるので、ランフラット走行時に車両を支持するに十分なタイヤ径方向の剛性を得ることが可能とされている。また、既存の構成であるリムガードを用いるため、ランフラット走行時に車両を支持するに十分なタイヤ径方向の剛性を得るためのタイヤ重量の増加を必要最小限に留めることができるとされている。
特開2001−315510 特表2002−536225 特開平11−192822号公報 特開2004−299670
しかしながら、上記従来の技術では、以下の問題がある。つまり、特許文献2に記載のように、サイド補強ゴム層に織布状のインサート部材(ウェッジインサートスティフナ)を埋設したランフラットタイヤでは、サイド補強ゴム層にインサート部材を埋設したことによる部材追加に伴ってタイヤ重量が増加し、車両の燃費が悪化するという問題があった。
また、特許文献3、4に記載のように、リムガードによってランフラット走行時のタイヤ径方向の剛性を高める技術では、リムガードを備えたことによって正規空気圧での通常走行時においてもタイヤ径方向の剛性が高くなる。従って、正規空気圧での通常走行時には路面からの振動がタイヤを通じて車両側へ伝わりやすくなるために車両の乗り心地が悪化するという問題があった。
また、上記各従来技術に共通な問題として、タイヤがある程度に撓んだ状態で走行させるランフラットタイヤにおいては、ランフラット走行時にタイヤが接地する毎に撓みが生じることによってタイヤサイド部の最大屈曲部付近が変形を繰り返すため、この最大屈曲部付近に熱が発生すると共にクラックが生じることがあった。
また、ランフラット走行時のタイヤの転動に伴う踏み蹴りによってタイヤが周方向に変形し、これによっても、タイヤサイド部の最大屈曲部付近に熱が発生すると共にクラックが生じることがあった。このため、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性を向上させて、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることが課題となっていた。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の燃費の悪化することを防止することができると共に、正規空気圧での通常走行時における車両の乗り心地が損なわれることを防止でき、且つ、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させて、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、タイヤ周方向に沿って延びる一対のビードコアと、前記一対のビードコア間にトロイダル状に跨ると共にタイヤ幅方向両端側の部分が前記一対のビードコアのそれぞれに係止されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に設けられてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に設けられてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記サイドゴム層の内側にタイヤ周方向に沿って環状に設けられると共にタイヤ回転軸方向に沿って切断した断面形状が三日月状に構成されたサイド補強ゴム層と、を備えた空気入りタイヤにおいて、前記サイドゴム層の外側面には、タイヤ軸方向外側に突出すると共にタイヤ周方向に沿って環状に延びる突条体により構成されたリムガードが形成され、前記リムガードには、タイヤ幅方向外側に開口すると共にタイヤ周方向に沿って延びる溝部が形成されていることを特徴とするものである。
次に、請求項1に記載の発明の作用について説明する。
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、上述のように、サイドゴム層の外側面にタイヤ軸方向外側に突出すると共にタイヤ周方向に沿って環状に延びる突条体により構成されたリムガードが形成され、このリムガードにタイヤ幅方向外側に開口すると共にタイヤ周方向に沿って延びる溝部が形成されている。従って、この構成により、正規空気圧での通常走行時には、タイヤに正規空気圧が充填されることによってタイヤサイド部が略平面状となるので、リムガードの溝部が開いた状態に維持される。
この状態では、リムガードの溝部を挟んだ両側に形成された一対の突条部が離間しているので、リムガードがタイヤ径方向の剛性の向上に貢献することは無い。従って、タイヤが路面の凹凸を乗り越えた場合でも、ランフラットタイヤではない通常のタイヤと同様に、路面の凹凸による衝撃をタイヤにて十分に吸収することができるので、これにより、正規空気圧での通常走行時における乗り心地が損なわれることを防止することができる。
一方、タイヤがパンクして撓んだときには、このタイヤの撓み(タイヤがタイヤ径方向に変形すると共にタイヤ幅方向に変形すること)に伴ってリムガードの溝部が閉じた状態となる。つまり、リムガードの溝部を挟んだ両側に形成された一対の突条部が強く当接して互いにタイヤ径方向に支え合うようになり、ランフラット走行時におけるタイヤ径方向の剛性が高められた状態となる。
このように、本発明では、ランフラット走行時にサイド補強ゴム層によって支えられているタイヤ径方向の剛性がリムガードによってさらに高められるので、従来のようにサイド補強ゴム層のみによってタイヤサイド部を支持する構成に比して、ランフラット走行時におけるタイヤ径方向の剛性を高めることができる。
従って、ランフラット走行時のタイヤの撓み量を最小限に抑えることができるので、ランフラット走行に伴ってタイヤサイド部にて繰り返し変形される部分の発熱量やクラックの発生量を従来に比して低減させることができる。
これにより、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させることができるので、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることができる。
また、リムガード自体はタイヤに既存の構成であるため、サイド補強ゴム層の他にタイヤ径方向の剛性を高めるための部材(例えば、インサート部材や多層化プライ)を備えた従来の構成のようにタイヤ重量の過度な増加となるものではない。特に、本発明では、リムガードに溝部を設けているので、この溝部を設けた分だけタイヤの軽量化に寄与することができ、これによって、タイヤ径方向の剛性を高める構成を設けたことによる重量増加が必要最小限に抑えられている。従って、タイヤ重量の増加に伴って車両の燃費が悪化することも防止することができる。
ここで、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、リムガードが、サイドゴム層のランフラット走行時における最大屈曲部よりもタイヤ径方向内側の位置に形成されていることを特徴とするものである。
なお、本発明において、最大屈曲部とは、ランフラット走行時にタイヤが屈曲してその変形量が最大となる部位のことである。
次に、請求項2に記載の発明の作用について説明する。
本発明では、リムガードにタイヤ周方向に延びる溝部を設けることによってリムガードがタイヤ径方向外側に位置する環状の外側突条部とタイヤ径方向内側に位置する環状の内側突条部とに分割されており、溝部が形成された部分よりも外側突条部および内側突条部がそれぞれ形成された部分の方が肉厚でタイヤ周方向変形に対する強度が高められている。
従って、外側突条部および内側突条部がそれぞれ形成された部分のタイヤ周方向への変形が抑制される一方で、溝部が形成された部分は外側突条部および内側突条部が位置する部分よりも肉薄でタイヤ周方向変形に対する強度が低いのでランフラット走行時にタイヤ周方向に変形し易くなる。
そして、本発明では、上述のように、このリムガードの溝部が形成された部分がサイドゴム層のランフラット走行時における最大屈曲部よりもタイヤ径方向内側(タイヤ回転中心軸側)に位置しているので、ランフラット走行時におけるタイヤ周方向への変形がリムガードの溝部を形成した部分にも生じることになる。
従って、ランフラット走行時におけるタイヤ周方向への変形がタイヤサイド部の最大屈曲部に集中して生じることを防止することができるので、タイヤ周方向への変形に伴う最大屈曲部の発熱量やクラックの発生量を効果的に低減させることができる。
これにより、ランフラット走行時の耐久性をより向上させることができるので、ランフラット走行による走行可能距離をさらに伸長させることができる。
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、リムガードが、タイヤ径方向に延びる複数の分割溝によってタイヤ周方向に分割されていることを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載の発明の作用を説明する。
請求項3に記載の発明のように、リムガードがタイヤ径方向に延びる複数の分割溝によってタイヤ周方向に分割されていると、外気と接触するリムガードの外表面の面積を増加させることができるので、タイヤサイド部にて繰り返し変形される部分で発生した熱をリムガードを介して冷却することができる。
これにより、タイヤサイド部(特に最大屈曲部)の温度を低減することができるので、ランフラット走行時にタイヤサイド部にクラックが生じることを防止することができ、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性をより高めることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤにおいて、リムガードの外表面に複数のスリットが形成されていることを特徴とするものである。
次に、請求項4に記載の発明の作用を説明する。
請求項4に記載の発明のように、リムガードの外表面に複数の細溝状のスリットが形成されていると、外気と接触するリムガードの外表面の面積をさらに増加させることができるので、タイヤサイド部の放熱効果を高めることができ、これにより、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性をさらに高めることができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に乃至請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤにおいて、規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に対応する空気圧(最大空気圧)のもとで、前記規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に相当する負荷を付加したときのタイヤ赤道面でのタイヤ半径方向の変形量/タイヤ幅方向の変形量を撓み比としたときに、溝部の溝幅(溝部における開口部の溝幅)が、1.2×正規空気圧充填時の撓み比<溝幅<3.4×ランフラット走行時の撓み比を満足するように設定されていることを特徴とするものである。
ここで、「正規空気圧充填時の撓み比」とは、日本国内では、JATMA規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に対応する空気圧(最大空気圧)のもとで、JATMA規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に相当する負荷を付加したときのタイヤ赤道面での“タイヤ半径方向の変形量/タイヤ幅方向の変形量”を示すものである。
また、「ランフラット走行時の撓み比」とは、日本国内では、タイヤ空気圧を0kPaとしたもとで、JATMA規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に相当する負荷を付加したときのタイヤ赤道面での“タイヤ半径方向の変形量/タイヤ幅方向の変形量”を示すものである。
ただし、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従うものとする。
このとき、溝部の溝幅を“1.2×正規空気圧充填時の撓み比以下”とすると、正規空気圧を充填した通常走行時に、溝部が閉じて乗り心地が損なわれる虞がある。
一方、溝部の溝幅を“3.4×ランフラット走行時の撓み比以上”とすると、ランフラット走行時でも溝部が閉じないため、ランフラット走行時にタイヤ径方向の剛性を高めることができず、タイヤの耐久性を向上させることができない虞がある。
そこで、本発明では、上述のように、溝部の溝幅に所定の範囲を設けている。上記の如く設定した溝部の溝幅の範囲は、種々のサイズのタイヤに対しても共通に適用することができるものである。
以上詳述したように、本発明によれば、車両の燃費の悪化することを防止することができると共に、正規空気圧での通常走行時における車両の乗り心地が損なわれることを防止でき、且つ、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させて、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることが可能である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、構成、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
(第一実施形態の構成)はじめに、本発明の第一実施形態に係る空気入りタイヤの構成について説明する。図1は本発明の第一実施形態に係るタイヤの構成を示す図である。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10(以下、単にタイヤ10という)は、例えば高性能乗用自動車用のタイヤとして好適に用いられるものである。タイヤ10には、タイヤ周方向に沿って延びる一対のビードコア12が設けられると共に、この一対のビードコア12間にトロイダル状に跨るようにカーカス14が設けられている。カーカス14のタイヤ幅方向両端側の部分は、一対のビードコア12のそれぞれに内側から外側に巻き上げられるようにして係止されている。
また、カーカス14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム層22が設けられており、これにより、本例のタイヤ10にトレッド部Aが構成されている。さらに、カーカス14のタイヤ軸方向外側には、サイドゴム層24が設けられており、これにより、本例のタイヤ10にタイヤサイド部Bが構成されている。
カーカス14のタイヤサイド部Bに相当する部分のタイヤ内側とインナーライナー28との間には、タイヤ周方向に沿って環状に構成された高強度ゴムからなるサイド補強ゴム層26が設けられている。このサイド補強ゴム層26は、ランフラット走行時にタイヤ径方向の剛性を高めることによって車体重量を支持するためのものであり、タイヤ回転軸方向に沿って切断した断面形状が三日月状に構成されている。
つまり、タイヤサイド部Bをトレッドショルダー部B1とサイドウォール部B2とビード部B3に分けたときに、サイド補強ゴム層26のトレッドショルダー部B1からサイドウォール部B2にかけては厚みが徐々に厚くなり、サイド補強ゴム層26のサイドウォール部B2からビード部B3にかけては厚みが徐々に薄くなるように構成されている。
サイドゴム層24の外側面には、タイヤ軸方向外側に突出すると共にタイヤ周方向に沿って環状に延びる突条体により構成されたリムガード32が形成されている。本例のリムガード32は、タイヤ10が縁石等を乗り越えたときに不図示のホイールのリムが縁石と接触することを防止する役割を果たすと共に、後に詳述するように、タイヤ径方向の剛性を高める役割を果たすものである。このリムガード32は、サイドゴム層24のランフラット走行時における最大屈曲部Cよりもタイヤ径方向内側(タイヤ回転軸側)の位置に形成されている。
そして、本例のリムガード32には、タイヤ幅方向外側に開口すると共にタイヤ周方向に沿って延びる断面V字形状の溝部34が形成されている。この溝部34の溝深さは、リムガード32の突出高さ、すなわち、リムガード32を除いたタイヤサイド部Bの外表面形状(仮想線L1で示す)からリムガード32の突出端までの長さ以下に設定されている。
また、この溝部34は、後述するように、正規空気圧での通常走行時には開いた状態に維持されると共に、ランフラット走行時には閉じた状態となるように、その寸法や形状が設定されている。
なお、本例のリムガード32に形成された溝部34の溝幅a(断面略V字状の溝部34における開口部の溝幅)は、「1.2×正規空気圧充填時の撓み比<溝幅a<3.4×ランフラット走行時の撓み比」を満足するように設定されている。
ここで、「正規空気圧充填時の撓み比」とは、日本国内では、JATMA規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に対応する空気圧(最大空気圧)のもとで、JATMA規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に相当する負荷を付加したときのタイヤ赤道面での“タイヤ半径方向の変形量/タイヤ幅方向の変形量”を示すものである。
また、「ランフラット走行時の撓み比」とは、日本国内では、タイヤ空気圧を0kPaとしたもとで、JATMA規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に相当する負荷を付加したときのタイヤ赤道面での“タイヤ半径方向の変形量/タイヤ幅方向の変形量”を示すものである。
ただし、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従うものとする。
このとき、溝部34の溝幅aを“1.2×正規空気圧充填時の撓み比以下”とすると、正規空気圧を充填した通常走行時に、溝部34が閉じて外側突条部32aと内側突条部32bとが強く当接した状態となって乗り心地が損なわれる虞がある。
一方、溝部34の溝幅aを“3.4×ランフラット走行時の撓み比以上”とすると、ランフラット走行時でも溝部34が閉じないため、ランフラット走行時にタイヤ径方向の剛性を高めることができず、タイヤの耐久性を向上させることができない虞がある。
そこで、本例では、上述のように、溝部34の溝幅aに所定の範囲を設けている。上記の如く設定した溝部34の溝幅aの範囲は、種々のサイズのタイヤに対しても共通に適用することができるものである。
また、本例では、溝部34の一例として、断面V字状としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他にも、溝部34を断面U字状としたり、断面台形状、断面矩形状、断面半円形状としたりするなど種々改変することができることは勿論である。
(第二実施形態の構成)次に、本発明の第二実施形態に係る空気入りタイヤの構成について説明する。図2は本発明の第二実施形態に係るタイヤの構成を示す図である。なお、図2に示す本発明の第二実施形態に係るタイヤにおいて、図1に示す本発明の第一実施形態に係るタイヤと同一の構成については同一の符号を用いる。
本発明の第二実施形態に係るタイヤ110では、リムガード132にタイヤ径方向に延びる複数の分割溝136が形成されており、これによって、リムガード132がタイヤ周方向に分割された構成となっている。
(第三実施形態の構成)次に、本発明の第三実施形態に係る空気入りタイヤの構成について説明する。図3は本発明の第三実施形態に係るタイヤの構成を示す図である。なお、図3に示す本発明の第三実施形態に係るタイヤにおいて、図1に示す本発明の第一実施形態に係るタイヤと同一の構成については同一の符号を用いる。
本発明の第三実施形態に係るタイヤ210では、リムガード232にタイヤ径方向に延びる複数のスリット236とタイヤ幅方向に延びる複数のスリット238が形成されている。
なお、リムガード232に形成されたスリット236,238は、タイヤ径方向およびタイヤ幅方向に延びるものに限らず、タイヤ径方向又はタイヤ幅方向に対して傾斜する方向に延びるように形成されていても良い。
(作用)次に、上記構成からなるタイヤの作用効果について説明する。
本例のタイヤ10では、上記構成により、正規空気圧での通常走行時には、タイヤ10に正規空気圧が充填されることによってタイヤサイド部Bが略平面状となるので、リムガード32の溝部34が開いた状態に維持される。
この状態では、リムガード32の溝部34を挟んだ両側に形成された外側突条部32aと内側突条部32bとが離間しているので、リムガード32がタイヤ径方向の剛性の向上に貢献することは無い。従って、タイヤ10が路面の凹凸を乗り越えた場合でも、ランフラットタイヤではない通常のタイヤと同様に、路面の凹凸による衝撃をタイヤ10にて十分に吸収することができるので、これにより、正規空気圧での通常走行時における乗り心地が損なわれることを防止することができる。
一方、 本例のタイヤ10がパンクしてタイヤ空気圧が0kPaになると、図4に示すように、タイヤサイド部Bの内側に設けられたサイド補強ゴム層26がタイヤサイド部Bを支持するので、タイヤ10の撓み(タイヤがタイヤ径方向に変形すると共にタイヤ幅方向に変形すること。以下同じ)が一定量に抑えられる。これにより、本例のタイヤ10を備えた車両は、ある程度の距離の走行が可能となる(いわゆるランフラット走行が可能となる)。
また、本例のタイヤ10がパンクして撓むと、図4に示すように、このタイヤ10の撓みに伴ってリムガード32の溝部34が閉じた状態となる。つまり、リムガード32の溝部34を挟んだ両側に形成された環状の外側突条部32aと同じく環状の内側突条部32bとが強く当接して互いにタイヤ径方向に支え合うようになり、タイヤ径方向の剛性が高められた状態となる。
このように、本例では、ランフラット走行時にサイド補強ゴム層24によって支えられているタイヤ径方向の剛性がリムガード32によってさらに高められるので、従来のようにサイド補強ゴム層24のみによってタイヤサイド部Bを支持する構成に比して、ランフラット走行時におけるタイヤ径方向の剛性を高めることができる。
従って、ランフラット走行時のタイヤ10の撓み量を最小限に抑えることができるので、ランフラット走行に伴ってタイヤサイド部Bにて繰り返し変形される部分の発熱量やクラックの発生量を従来に比して低減させることができる。
これにより、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させることができるので、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることができる。
また、本例では、リムガード32にタイヤ周方向に延びる溝部34を設けることによってリムガード32が環状の外側突条部32aと環状の内側突条部32bとに分割されており、溝部34が形成された部分よりも外側突条部32aおよび内側突条部32bがそれぞれ形成された部分の方が肉厚でタイヤ周方向変形に対する強度が高められている。
従って、外側突条部32aおよび内側突条部32bがそれぞれ形成された部分のタイヤ周方向への変形が抑制される一方で、溝部34が形成された部分は外側突条部32aおよび内側突条部32bが位置する部分よりも肉薄でタイヤ周方向変形に対する強度が低いのでランフラット走行時にタイヤ周方向に変形し易くなる。
そして、本例では、このリムガード32の溝部34が形成された部分がサイドゴム層24のランフラット走行時における最大屈曲部Cよりもタイヤ径方向内側(タイヤ回転中心軸側)に位置しているので、ランフラット走行時におけるタイヤ周方向への変形がリムガード32の溝部34を形成した部分にも生じることになる。
従って、ランフラット走行時におけるタイヤ周方向への変形がタイヤサイド部Bの最大屈曲部Cに集中して生じることを防止することができるので、タイヤ周方向への変形に伴う最大屈曲部Cの発熱量やクラックの発生量を効果的に低減させることができる。
これにより、ランフラット走行時の耐久性をより向上させることができるので、ランフラット走行による走行可能距離をさらに伸長させることができる。
また、本例に設けられたリムガード32自体はタイヤ10に既存の構成であるため、サイド補強ゴム層24の他にタイヤ径方向の剛性を高めるための部材(例えば、インサート部材や多層化プライ)を備えた従来の構成のようにタイヤ重量の過度な増加となるものではない。特に、本例では、リムガード32に溝部34を設けているので、この溝部34を設けた分だけタイヤ10の軽量化に寄与することができ、これによって、タイヤ径方向の剛性を高める構成を設けたことによる重量増加が必要最小限に抑えられている。従って、タイヤ重量の増加に伴って車両の燃費が悪化することも防止することができる。
以上詳述したように、本例のタイヤ10によれば、車両の燃費の悪化することを防止することができると共に、正規空気圧での通常走行時における車両の乗り心地が損なわれることを防止でき、且つ、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させて、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることが可能である。
このとき、本発明の第二実施形態のように、リムガード132にタイヤ径方向に延びる複数の分割溝136が形成され、これによって、リムガード132がタイヤ周方向に分割された構成となっていると、外気と接触するリムガード132の外表面の面積を増加させることができるので、タイヤサイド部Bにて繰り返し変形される部分で発生した熱をリムガード132を介して冷却することができる。
これにより、タイヤサイド部B(特に最大屈曲部)の温度を低減することができるので、ランフラット走行時にタイヤサイド部Bにクラックが生じることを防止することができ、ランフラット走行時におけるタイヤ110の耐久性をより高めることができる。
特に、本発明の第三実施形態のように、リムガード232にタイヤ径方向に延びる複数のスリット236とタイヤ幅方向に延びる複数のスリット238が形成されていると、外気と接触するリムガード232の外表面の面積をさらに増加させることができるので、タイヤサイド部Bの放熱効果を高めることができ、これにより、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性をさらに高めることができる。
(試験例)次に、本実施形態に係るタイヤの性能評価について説明する。
本発明の効果を確かめるために、本例のタイヤ10,110,210(図1〜3)と従来例のタイヤ310(図5)の比較を行う。ここでは、本例のタイヤ10,110,210と従来例のタイヤ310について、「通常走行時のタイヤ径方向の剛性」、「ランフラット走行時の撓み量」、「ランフラット走行時のタイヤ周方向変形量」、「ランフラット走行時の最大屈曲部の温度」、「ランフラット走行距離」の比較を行う。
なお、本例のタイヤおよび従来例のタイヤは、いずれも215/45/ZR17のサイズのものを用い、空気圧、アライメント等の車両条件は車両指定のものとする。
また、各タイヤ10,110,210のリムガード32,132,232の溝部34の溝幅aは3mmとしている。この値は、1.23×正規空気圧充填時の撓み比であると共に、1.48×ランフラット走行時の撓み比に相当する。
また、従来のタイヤ310については、本例のタイヤ10のリムガード32と同形状で且つ溝部34を有しないリムガード332を備えた構成とする。また、従来のタイヤ310のリムガード332以外の構成については、本例のものと同一とする。図5には、図1に示す本発明の第一実施形態に係るタイヤ10と同一の構成については同一の符号を用いて示す。
そして、「通常走行時のタイヤ径方向の剛性」については、各タイヤの空気圧を230kPaとして測定する。この「通常走行時のタイヤ径方向の剛性」は、通常走行時における乗り心地の指標となる。
また、「ランフラット走行時の撓み量」については、各タイヤのバルブコアを抜いてタイヤ空気圧を0kPaとし、この状態で正規荷重を付加したときのタイヤ半径方向の撓み量(index値)を直接的に計測することにより求める。
また、「ランフラット走行時のタイヤ周方向変形量」については、各タイヤのバルブコアを抜いてタイヤ空気圧を0kPaとし、この状態で正規荷重を付加したときの踏み蹴り位置(タイヤ周方向に中心角度±15°ずれた位置)での最大屈曲部のタイヤ周方向への変形量を直接的に計測することにより求める。
さらに、「ランフラット走行時の最大屈曲部の温度」については、ランフラット走行時のタイヤ外表面部の温度をサーモビジョンを用いて計測することにより求める。
また、「ランフラット走行距離」については、各タイヤのバルブコアを抜いてタイヤ空気圧を0kPaとし、この状態で正規荷重を負荷して90km/hの速度にて故障が生じるまでドラム上を走行させたときの距離を計測することにより求める。
表1には各測定の結果を従来例のタイヤを100とする指数で示す。
Figure 2006168499
表1の結果から、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310よりも「通常走行時のタイヤ径方向の剛性」が低いものとなった。このことから、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310に比して正規空気圧での通常走行時における乗り心地が良好であることが得られる。
また、実施例1,2,3のタイヤ10.110.210は従来例の基準タイヤ310と「ランフラット走行時の撓み量」が同一の値となった。このことから、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310と同様のタイヤ径方向の剛性を有することが得られる。
また、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310よりも「ランフラット走行時のタイヤ周方向変形量」が少ないものとなった。このことから、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310に比してタイヤ周方向の剛性が高いことが得られる。
さらに、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310よりも「ランフラット走行時の最大屈曲部の温度」が低いものとなった。このことから、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310に比してサイドゴム層24のランフラット走行時における最大屈曲部Cにおける損傷が少なく、ランフラット走行時における耐久性が高いことが得られる。
また、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310よりも「ランフラット走行距離」が長いものとなった。このことから、実施例1,2,3のタイヤ10,110,210は従来例の基準タイヤ310に比してランフラット走行時における耐久性が高く、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることができることが得られる。
このように、本例のタイヤ10,110,210によれば、正規空気圧での通常走行時における車両の乗り心地が損なわれることを防止でき、且つ、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させて、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることができることを実証することができた。
(改変例)なお、上記実施形態以外にも、リムガードの構成を次のように改変することができる。
(1)上記実施形態では、ランフラット走行時にリムガード32がホイールのリムに当接するか否かについて特に説明をしなかったが、ランフラット走行時にリムガード32が不図示のホイールのリムに当接されるようにリムガード32が所定の形状に形成されると共に所定の位置に形成される構成であっても良い。
このようにすると、ランフラット走行時には、リムガード32の溝部34が閉じて外側突条部32aと内側突条部32bとが強く当接すると共に、この外側突条部32aと内側突条部32bが当接した状態でリムガード32をホイールのリムに当接させることができるので、ランフラット走行時におけるタイヤ径方向の剛性をより高めることができる。
これにより、ランフラット走行時の耐久性をより高めることができるので、ランフラット走行による走行可能距離をさらに伸長させることが可能となる。
(2)また、上記実施形態では、サイドゴム層24のランフラット走行時における最大屈曲部Cよりもタイヤ径方向内側の位置の外側面に、タイヤ軸方向外側に突出すると共にタイヤ周方向に沿って環状に延びる突条体により構成されたリムガード32が形成されるように説明したが、その他にも、次のように構成しても良い。
すなわち、タイヤサイド部のランフラット走行時における最大屈曲部の内側面に、タイヤ軸方向内側に突出すると共にタイヤ周方向に沿って環状に延びる突条体が形成され、この突条体に、タイヤ幅方向内側に開口すると共にタイヤ周方向に沿って延びる溝部が形成されていても良い。
この構成によれば、正規空気圧での通常走行時には、タイヤに正規空気圧が充填されることによってタイヤサイド部が略平面状となるので、突条体の溝部が開いた状態に維持される。つまり、突条体の溝部を挟んだ両側に形成された外側突条部と内側突条部とが離間した状態に維持される。
一方、タイヤがパンクして撓んだときには、このタイヤの撓みに伴ってタイヤサイド部のタイヤ内側にて突条体の溝部が閉じた状態となる。つまり、突条体の溝部を挟んだ両側に形成された外側突条部と内側突条部とが強く当接して互いにタイヤ径方向に支え合うようになり、タイヤ径方向の剛性が高められた状態となる。
従って、この構成によっても、上記実施形態と同様に、車両の燃費の悪化することを防止することができると共に、正規空気圧での通常走行時における車両の乗り心地が損なわれることを防止でき、且つ、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させて、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることが可能である。
また、突条体をタイヤ内側に設けることにより、タイヤの外観性が損なわれることを防止することが可能である。
(特許請求の範囲に記載の発明以外の技術的思想)
以上に述べた改変例により、特許請求の範囲に記載の発明以外にも、次の技術的思想を導き出すことができる。
(1)第一の技術的思想は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記リムガードが、ランフラット走行時にホイールのリムに当接するように構成されたことを特徴するものである。
このように、リムガードがランフラット走行時にホイールのリムに当接するように構成すると、上述のように、ランフラット走行時におけるタイヤ径方向の剛性をより高めることができるので好適である。
(2)第二の技術的思想は、タイヤ周方向に沿って延びる一対のビードコアと、前記一対のビードコア間にトロイダル状に跨ると共にタイヤ幅方向両端側の部分が前記一対のビードコアのそれぞれに係止されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に設けられてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に設けられてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記サイドゴム層の内側にタイヤ周方向に沿って環状に設けられると共にタイヤ回転軸方向に沿って切断した断面形状が三日月状に構成されたサイド補強ゴム層と、を備えた空気入りタイヤにおいて、前記タイヤサイド部の内側面には、タイヤ軸方向内側に突出すると共にタイヤ周方向に沿って環状に延びる突条体が形成され、前記突条体には、タイヤ幅方向外側に開口すると共にタイヤ周方向に沿って延びる溝部が形成されていることを特徴とする空気入りタイヤである。
この構成によれば、正規空気圧での通常走行時には、タイヤに正規空気圧が充填されることによってタイヤサイド部が略平面状となるので、突条体の溝部が開いた状態に維持される。つまり、突条体の溝部を挟んだ両側に形成された外側突条部と内側突条部とが離間した状態に維持される。
一方、タイヤがパンクして撓んだときには、このタイヤの撓みに伴ってタイヤサイド部のタイヤ内側にて突条体の溝部が閉じた状態となる。つまり、突条体の溝部を挟んだ両側に形成された外側突条部と内側突条部とが強く当接して互いにタイヤ径方向に支え合うようになり、タイヤ径方向の剛性が高められた状態となる。
従って、この構成によっても、上記実施形態と同様に、車両の燃費の悪化することを防止することができると共に、正規空気圧での通常走行時における車両の乗り心地が損なわれることを防止でき、且つ、従来に比してランフラット走行時の耐久性を向上させて、ランフラット走行による走行可能距離を伸長させることが可能である。
また、突条体をタイヤ内側に設けることにより、タイヤの外観性が損なわれることを防止することが可能である。
図1は本発明の第一実施形態に係るタイヤの構成を示す図である。 図2は本発明の第二実施形態に係るタイヤの構成を示す図である。 図3は本発明の第三実施形態に係るタイヤの構成を示す図である。 図4は本発明の第一実施形態に係るタイヤのランフラット走行時の変形状態を示す説明図である。 図5は従来技術に係るタイヤの構成を示す図である。
符号の説明
10、110,210 空気入りタイヤ
12 ビードコア
14 カーカス
22 トレッドゴム層
24 サイドゴム層
26 サイド補強ゴム層
32,132,232 リムガード
34 溝部
136 分割溝
236,238 スリット
A トレッド部
B タイヤサイド部
C 最大屈曲部

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に沿って延びる一対のビードコアと、
    前記一対のビードコア間にトロイダル状に跨ると共にタイヤ幅方向両端側の部分が前記一対のビードコアのそれぞれに係止されたカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ径方向外側に設けられてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、
    前記カーカスのタイヤ軸方向外側に設けられてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、
    前記サイドゴム層の内側にタイヤ周方向に沿って環状に設けられると共にタイヤ回転軸方向に沿って切断した断面形状が三日月状に構成されたサイド補強ゴム層と、
    を備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイドゴム層の外側面には、タイヤ軸方向外側に突出すると共にタイヤ周方向に沿って環状に延びる突条体により構成されたリムガードが形成され、
    前記リムガードには、タイヤ幅方向外側に開口すると共にタイヤ周方向に沿って延びる溝部が形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記リムガードは、前記サイドゴム層のランフラット走行時における最大屈曲部よりもタイヤ径方向内側の位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記リムガードは、タイヤ径方向に延びる複数の分割溝によってタイヤ周方向に分割されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記リムガードの外表面には、複数の細溝状のスリットが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に対応する空気圧(最大空気圧)のもとで、前記規格で定める適用サイズ・プライレーティング最大負荷能力に相当する負荷を付加したときのタイヤ赤道面でのタイヤ半径方向の変形量/タイヤ幅方向の変形量を撓み比としたときに、前記溝部の溝幅は、1.2×正規空気圧充填時の撓み比<溝幅<3.4×ランフラット走行時の撓み比を満足するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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