JP2006167193A - 鋏における指掛部構造 - Google Patents
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Abstract
【効果】各ひれ板16により指当部19を撓み易くすることができる。従って、指当部19の材質の種類や指当部19の厚みなどの設計条件が制限されても指当部19の弾性度合を適切なものにすることができる。
【選択図】図1
Description
この鋏(1,26)においては、両鋏片(2,3)を互いに開閉動可能に回動中心部(4)で支持し、この両鋏片(2,3)に設けた柄部(6)のうち少なくとも一方の柄部(6)に下記の指掛部(10,28)を設けている。この指掛部(10,28)には撓み許容空間(18,32)に面する指当部(19,33)を設け、この指当部(19.33)に与えられる指当て力により指当部(19,33)を撓ませ得る。ちなみに、この指掛部(28)の形態については、請求項3の発明以外に、指当部(33)の内側でこれに面する撓み許容空間(32)を設けて両持ち梁状の板ばねとしてもよい。
この鋏(1,26)においては、両鋏片(2,3)を互いに開閉動可能に回動中心部(4)で支持し、この両鋏片(2,3)に設けた柄部(6)のうち少なくとも一方の柄部(6)に下記の指掛部(10,28)を設けている。この指掛部(10,28)には内側から外側へ向うように延びる弾性突起(16)を複数並設してこの各弾性突起(16)の外端部(16a)からなる指当部(19)を設け、この指当部(19)に与えられる指当て力により各弾性突起(16)を撓ませ得る。すなわち、各弾性突起(16)の外端部(16a)の集合体が指当部(19)である。ちなみに、この各弾性突起(16)の形態については、請求項4の発明以外に、例えば棒状に設けてもよい。
前記指掛部(10,28)において、各弾性突起(16)間に撓み許容空間(18)を設け、この各弾性突起(16)の外端部(16a)と、この各外端部(16a)間で露出する撓み許容空間(18)の開口(18a)とにより前記指当部(19)を設けている。請求項3の発明では、この撓み許容空間(18)により、各弾性突起(16)を撓み易くすることができる。ただし、各弾性突起(16)を互いに接触させて各弾性突起(16)間に設けた単なる切込みも撓み許容空間(18)に該当する。
前記指掛部(10,28)において、各弾性突起はひれ板(16)であり、撓み許容空間はこのひれ板(16)間に設けた溝(18)である。この溝(18)については、ひれ板(16)に沿って延びる方向(Y,Z)の両側で開放しても閉塞してもよい。ちなみに、この溝(18)はその両側を閉塞した場合、前記開口(18a)のみで開放された凹所になる。請求項4の発明では、各ひれ板(16)の外端部(16a)からなる指当部(19)を各ひれ板(16)を並設した方向(X)へ撓み易くすることができる。
前記指当部(19)をその外周部(20)を含む両側域(M)とこの両側域(M)間の中間域(N)とに区分した場合、前記指当て力により指当部(19)に生じる撓み(δ)を両側域(M)よりも中間域(N)で大きくした。例えば、請求項4の発明の場合、各ひれ板(16)が底部(17)から立設され、各ひれ板(16)でこの底部(17)から外端部(16a)までの高さ(H)については、両側域(M)よりも中間域(N)で大きくしている。請求項5の発明では、この指当部(19)に指を当てがった際にその指を安定させることができる。
前記指当部(19)はその外周部(20)の両側部(20a)を通る想定面(P)よりも内側に凹んでいる指当面(21)を有している。例えば、この想定面(P)に対する指当面(21)の深さ(L)については、指当部(19)をその外周部(20)を含む両側域(M)とこの両側域(M)間の中間域(N)とに区分した場合、両側域(M)よりも中間域(N)で大きくしている。請求項6の発明では、この指当面(21)に指を当てがった際にその指を安定させることができる。
前記鋏は、両鋏片(2,3)を回動中心部(4)で互いに交叉させてその回動中心部(4)よりも先端側で両鋏片(2,3)に刃部(5)を設けるとともにその回動中心部(4)よりも基端側で両鋏片(2,3)に柄部(6)を設けた西洋鋏(1)である。この西洋鋏(1)の両柄部(6)にそれぞれ設けた指掛環(10)には内周面(12)と外周面(13)とその内周面(12)と外周面(13)との間の両側面(14)と設けている。前記指当部(19)は、この両指掛環(10)のうち少なくとも一方の指掛環(10)で、内周面(12)と外周面(13)と側面(14)とのうち少なくともいずれかの面(12,13,14)に設けられている。例えば、請求項4の発明の場合、各ひれ板(16)は、指掛環(10)の延設方向(X)すなわち環状方向(X)に沿って並設され、両側面(14)間を互いに結ぶ幅方向(Y)または内周面(12)と外周面(13)とを互いに結ぶ厚み方向(Z)へ延び、各ひれ板(16)間の溝(18)はその幅方向(Y)または厚み方向(Z)の両側と前記開口(18a)とで開放されている。請求項7の発明では、西洋鋏(1)において請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項の発明の効果を発揮させることができる。
前記鋏は、両鋏片(2,3)をそれらの基端側にある回動中心部(4)で互いに支持してその両鋏片(2,3)の先端側に刃部(5)を設けるとともにその刃部(5)と回動中心部(4)との間で両鋏片(2,3)に柄部(6)を設けた握り鋏(26)である。前記指当部(19)はこの握り鋏(26)の両柄部(6)のうち少なくとも一方の柄部(6)に設けられている。請求項8の発明では、握り鋏(26)において請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項の発明の効果を発揮させることができる。
西洋鋏1においては、両鋏片2,3が回動中心部4で互いに交叉されてその回動中心部4よりも先端側で両鋏片2,3に刃部5が設けられているとともにその回動中心部4よりも基端側で両鋏片2,3に柄部6が設けられている。この両鋏片2,3の刃部5はそれぞれ金属製の刀身7からなる。この両鋏片2,3の柄部6はそれぞれ合成樹脂製の把持部8を備えている。この両把持部8は、両刀身7から延設された連結板7aに取着された支持部9と、この支持部9に取着された指掛環10(指掛部)とを有している。この把持部8の支持部9は、回動中心部4を含み、連結板7aの外周全体を覆う。ちなみに、両刀身7の連結板7aが成形型(図示せず)内のキャビティにインサートされた状態で、このキャビティに合成樹脂(例えばPPやABSなどのプラスチック)が注入されて、連結板7aに支持部9が一体的に取着される。さらに、この支持部9が成形型(図示せず)内のキャビティにインサートされた状態で、このキャビティには支持部9よりも軟質の合成樹脂(例えば合成ゴムなどのエラストマー)が注入されて、この支持部9に指掛環10が一体的に取着される。この指掛環10内で支持部9には凸部9aや貫通孔9bが形成され、この凸部9aが指掛環10にくい込んだりこの貫通孔9bに指掛環10が入り込んだりして支持部9に対する指掛環10の抜け止め機能を果たす。
図示しないが、西洋鋏1や握り鋏26において、前記各柔軟部15,22,23,24,25,29,30を互いに組み合わせたりして、柔軟部の形態や形成位置を適宜変更してもよい。
Claims (8)
- 両鋏片を互いに開閉動可能に回動中心部で支持した鋏において、この両鋏片に設けた柄部のうち少なくとも一方の柄部には指掛部を設け、この指掛部には撓み許容空間に面する指当部を設け、この指当部に与えられる指当て力により指当部を撓ませ得ることを特徴とする鋏における指掛部構造。
- 両鋏片を互いに開閉動可能に回動中心部で支持した鋏において、この両鋏片に設けた柄部のうち少なくとも一方の柄部には指掛部を設け、この指掛部には内側から外側へ向うように延びる弾性突起を複数並設してこの各弾性突起の外端部からなる指当部を設け、この指当部に与えられる指当て力により各弾性突起を撓ませ得ることを特徴とする鋏における指掛部構造。
- 前記指掛部において、各弾性突起間に撓み許容空間を設け、この各弾性突起の外端部と、この各外端部間で露出する撓み許容空間の開口とにより前記指当部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の鋏における指掛部構造。
- 前記指掛部において、各弾性突起はひれ板であり、撓み許容空間はこのひれ板間に設けた溝であることを特徴とする請求項3に記載の鋏における指掛部構造。
- 前記指当部をその外周部を含む両側域とこの両側域間の中間域とに区分した場合、前記指当て力により指当部に生じる撓みを両側域よりも中間域で大きくしたことを特徴とする請求項2から請求項4のうちいずれかの請求項に記載の鋏における指掛部構造。
- 前記指当部はその外周部の両側部を通る想定面よりも内側に凹んでいる指当面を有していることを特徴とする請求項2から請求項5のうちいずれかの請求項に記載の鋏における指掛部構造。
- 前記鋏は、両鋏片を回動中心部で互いに交叉させてその回動中心部よりも先端側で両鋏片に刃部を設けるとともにその回動中心部よりも基端側で両鋏片に柄部を設けた西洋鋏であって、この西洋鋏の両柄部にそれぞれ設けた指掛環には内周面と外周面とその内周面と外周面との間の両側面と設け、
前記指当部は、この両指掛環のうち少なくとも一方の指掛環で、内周面と外周面と側面とのうち少なくともいずれかの面に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項に記載の鋏における指掛部構造。 - 前記鋏は、両鋏片をそれらの基端側にある回動中心部で互いに支持してその両鋏片の先端側に刃部を設けるとともにその刃部と回動中心部との間で両鋏片に柄部を設けた握り鋏であって、前記指当部はこの握り鋏の両柄部のうち少なくとも一方の柄部に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項に記載の鋏における指掛部構造。
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