JP2006149615A - 洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排水経路中に設けられリントを捕獲するフィルタが目詰まり状態となったとき、これを確実に検知できるようにする。
【解決手段】 洗濯機の排水経路中に機外から着脱可能なフィルタ装置13を有するリント捕獲装置10を備えたものにおいて、前記フィルタ装置13は、中空のフィルタケース12内の流水路中の所定位置にリント捕獲用のフィルタ15を配置し、このフィルタ15は、リントの捕獲に伴ない増大する流水抵抗を受けて所定位置から移動可能な構成とするとともに、該フィルタ15の移動変位を検知するリードスイッチ29等の検知手段を設けた構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リント捕獲装置を備えた洗濯機に関する。
洗濯する際、洗濯物から糸屑などの所謂リントが生じ、このリントをそのまま排水すると洗濯機の排水ポンプや排水弁、更には下水等に通じる排水管路等を詰まらせる要因となる。そのため、リントを捕獲する種々のリント捕獲装置が提案されているが、一般的なリント捕獲装置は、排水経路中に設けられてリントを捕獲するとともに、捕獲したリントを除去(掃除)することが必要なため、フィルタを機外より着脱可能としている。この場合、フィルタの目詰まり状態を的確に検知できるのが重要となる。そこで、例えば目詰まり状態の検知手段として、循環ポンプによる循環流路中にリント捕獲装置を設け、フィルタの目詰まり時における水位変動、或いは循環ポンプの電流変動等を検知することで、フィルタの目詰まり状態を判定可能としている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−282616号公報
しかしながら、上記構成では循環ポンプを用いた循環流路を設け、この流路中にリント捕獲装置を設ける特異な構成を要件としており、構成の複雑化および汎用性に欠ける。また、目詰まりの検知精度を上げるには、常時における循環ポンプによる水流等の変動がない構成の洗濯機、例えば上記特許文献1に記載の如きドラム式洗濯機のように水流等の変動が少ない循環流路を確保する必要があり、やはり実施する上で大きな制約を受けるなどの問題点を有する。
本発明は上記問題点を解決するため、フィルタの目詰まり状態を確実に検知できるとともに、汎用性に富むリント捕獲装置を備えた洗濯機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の洗濯機は、洗濯槽から機外に排水される水中からリントを捕獲するリント捕獲装置を備え、そのリント捕獲装置は排水経路中に連通接続された中空状のフィルタケースと、このフィルタケースに機外から着脱可能に設けられたフィルタ装置とを具備した構成にあって、前記フィルタ装置は、前記フィルタケースに対し水密に取着され且つ機外から着脱可能とするキャップ部材と、このキャップ部材の後方に連結されフィルタケースの流水路中の所定位置に配置されたリント捕獲用のフィルタとを有し、前記フィルタは、リントの捕獲に伴ない増大する流水抵抗を受けて所定位置から移動可能に支持されるとともに、このフィルタの移動変位を検知する検知手段を設けたことを主たる特徴とするものである。
上記手段によれば、フィルタ自身の移動変位を直接検知するようにしたので、的確に目詰まり状態を判定できるとともに、この検知手段を有するリント捕獲装置として、他に特異な構成を要することなく簡易な構成にて提供できる。しかも、排水される水中からリントの捕獲を行なう構成なので、洗濯機の形式を問わず広く採用でき、汎用性に富むリント捕獲装置を備えた洗濯機を提供できる。
以下、本発明の一実施例をドラム式洗濯機に採用して示す図1ないし図8を参照して説明する。
まず、図7に基づき洗濯機全体の概略構成を説明すると、外郭を形成する矩形箱状の洗濯機本体1の内部には、水槽2およびドラム3からなる洗濯槽が設けられている。水槽2は、貯水可能な実質的に有底円筒状をなし適宜の弾性支持機構を介して弾性支持され、一方ドラム3は周壁に多数の透孔3aを有する有底円筒状をなして、前記水槽2内に回転可能に配設され、洗濯物の洗濯や脱水、更には乾燥まで実行可能としている。
因みに、水槽2の後部から上部を取り囲むように循環風路4が形成され、これには乾燥用の温風を生成するヒータ5a,ファン5bからなる温風装置5を備えている。また、水槽2の後部背面にはモータ6が設けられ、前記ドラム3を回転駆動する。更には、本体1の前面(図示左方)の中央部には、洗濯物の投入口を開閉する扉7が回動可能に設けられ、その上部には詳細は後述する操作パネル8が設けられている。その他、本体1内の上部には給水弁9等からなる給水手段を備え、水槽2の下方には後述する排水手段を備えている。
しかして、本実施例における排水手段は、所謂洗濯槽からの排水を機外に自然排水する排水経路を構成するもので、一端が水槽2の最下部に連通接続され他端が機外たる本体1外に導出された排水管路9を基本構成としている。そして、この排水管路9の途中部位には、流下する方向にリント捕獲装置10および排水弁11を順に介在して設けるとともに、前記リント捕獲装置10は本体1の下部前面側から後述するように着脱操作可能に装備されている。従って、このように排水経路中に設けたリント捕獲装置10により、排水中から糸屑などの所謂リントを捕獲して除去可能とし、このリントが除去された排水が排水弁11を経て機外の排水場所に排出される。
しかるに、上記リント捕獲装置10の具体構成につき、図1ないし図6を参照して説明する。そのうち図1,2は、異なる状態を示す一部破断して示す要部の側面図で、特にはリント捕獲装置10の全体構成を示していて、中空状のフィルタケース12が本体1前面の取出し口1aに臨んでネジ止め手段等により固着されている。このフィルタケース12は、図示するように複数の中空筒状部を結合した如き一体に形成され、中央の水平方向に延びるケース主体12aに対し、前方上部に流入口12b、これと相反する側の後方下部に流出口12cを形成している。
そして、流入口12bには洗濯槽からの排水管路9が直接接続され、また流出口12cには前記排水弁11(図7参照)を介して機外側に導出された排水管路9に接続され、以って排水の流れが矢印S方向で示す流水路が形成される。これに対し、ケース主体12aは例えば前方のみ開放した円筒状ケースを基本構成にしているが、その水平方向に延びる後方のほぼ半分の天井壁部を垂下した如く、平坦な段差壁部24を形成した構成としている(例えば、図3の断面図も参照)。なお、この段差壁部24は詳細は後述するが、該ケース主体12a内に収容されるフィルタ15の位置決めを行なう位置規制部として機能する。
斯かる構成のフィルタケース12には、その前面の開放側からフィルタ装置13(図4も参照)が着脱可能に装着され、従って本体1の取出し口1aを経て機外から出し入れ可能に設けられている。このフィルタ装置13は、脱着構成を主体とした円筒状のキャップ部材14と、リント捕獲用のフィルタ15とを具備してなり、前者のキャップ部材14には摘み操作部14a(図6も参照)と、外周囲に螺旋溝を有する結合部14bとを一体に形成し、更にその後部にフィルタ取付台16を一体的に組み込んだ構成としている。
従って、結合部14bに対応する前記フィルタケース12の開放口には、螺旋凸部12dが形成され噛合する構成としていて、摘み操作部14aを左右に回動操作することによりフィルタケース12に対し着脱可能としている。そして、この結合部14bの後方にフィルタ取付台16が一体的に取り付けられている。この場合、結合部14bたるキャップ部材14の前後方向(図示左右方向)の移動に際しては、フィルタ取付台16も追従して一体に移動するが、回動方向に対しては滑動して所謂空回り可能な状態に連結されている。例えば、結合部14b側には鉤部17が突設され、この鉤部17は他方のフィルタ取付台16側の係止部18に対し、軸方向たる前後方向の移動においては係合し、回動方向に対しては自由動可能として空回り可能に連結されている。
しかるに、斯かるキャップ部材14の後方に前記フィルタ15が着脱可能に取り付けられている。まず、フィルタ15の具体構成につき述べると、これは図4のフィルタ装置13および図5のフィルタ15の分解斜視図に示すように、フィルタ15の全体形状は上面を開放した矩形容器状をなしているが、具体的には図5から明らかなようにフィルタ15の外周枠を形成する外部フィルタ19と、この外部フィルタ19の内面に沿って収容載置された内部フィルタ20との組合せ構成としている。
具体的には、外部フィルタ19は主に横方向に延びる櫛歯群を有しているのに対し、内部フィルタ20は縦方向(前後方向)に延びる櫛歯群からなり、以って両者の組合せにより各櫛歯群が交差して格子状の周壁構成とする矩形容器状のフィルタ15が構成される。但し、該フィルタ15の前後面にあっては、外部フィルタ19における前後面が矩形板状の前壁19aおよび後壁19bにて形成されている。
更には、上記前壁19aの下端部には両横方向に突出した軸部19cが一体に形成され、また後壁19bの上部後面の中央には磁石21を埋設している。
次いで、上記フィルタ15のキャップ部材14への着脱構造につき述べると、前記フィルタ取付台16は樹脂製として、本実施例ではその後面に図1および図4に示すように例えば弾性変形が可能な爪部22が突設され、また下部には例えばU字状のヒンジ部23が2箇所形成してある。しかるに、ヒンジ部23には前記フィルタ15の軸部19cが挿入され、この軸部19cを中心に上下方向に回動可能に支持される。一方、爪部22に対しては前壁19aをフィルタ取付台16側に押圧することで、前壁19aの上端部が爪部22を弾性変形させて通過し、復帰した爪部22にて支持された状態に保持される。
この結果、フィルタ15は図1に示す如く、一端をヒンジ部23に回動可能に支持され、他端を爪部22で弾性的に引っ掛け支持され、以ってフィルタ15をフィルタケース12内の矢印Sで示す流水路中にあって、ほぼ水平状態の所定位置に収容保持可能としている。しかるに、この所定位置においてフィルタ15後部の磁石21に対向するフィルタケース12側にはリードスイッチ29を設けている。このリードスイッチ28は、上記所定位置において磁石21と最も接近した対向位置にあって、この場合には後述する報知ランプ32をオフ動作し消灯状態とする。
なお、図3(a)および(b)は図1のA−A線および図2のB−B線に沿って夫々切断して示す断面図で、同(a)は円筒状のケース主体12a内において、フィルタ15が所定位置に収容されている状態を示していて、該フィルタ15の上面が前記した段差壁部24とほぼ平行に近接した状態を示しており、一方、同(b)は図示矢印方向に回動により移動した後、静止したフィルタ15の後端部の位置を示すもので、いずれも円筒状のケース主体12aに対し矩形容器状のフィルタ15との間には、十分な隙間が形成され流出口12cに至る流水路を確保している。
上記のように構成され、且つフィルタケース12内に収容されたフィルタ装置13は、そのキャップ部材14の結合部14bが螺旋凸部12dと噛合して締結固定され、摘み操作部14aが本体1の取出し口1aに臨んで配置される。特に、図6の斜視図に示すようにフィルタ装置13が所定位置に収容されたとき、機外を臨む摘み操作部14aに対し本体1側に回動可能に設けられた蓋体25により隠蔽される。すなわち、蓋体25の裏面側には左右に係合腕部25aが突設され、一方適正位置の円筒状の摘み操作部14aの左右両側部には、直線的にカットした係合鍔部27が形成されている。
従って、両者の位置が合致したとき、所謂適正位置の係合鍔部27に対し係合腕部25aが弾性的に係合し、蓋体25は取出し口1aを閉鎖状態に維持できる。これに対し、摘み操作部14aが適正位置にない場合、例えば摘み26が図示するような水平状態になくて係合鍔部27も左右に位置しないときには、係合腕部25aによる係合が不可となり、蓋体25を閉鎖状態に維持できない構成にある。
そしてまた、図1,2に示すようにフィルタ装置13がフィルタケース12内において適正位置に締結固定された状態では、ケース主体12aと結合部14bとの間に介在されたパッキン28が挟圧されて圧着状態にあり、水密に結合される。しかして、この状態で排水管路9からフィルタケース12内に水が流入しても結合部14bの周囲から水漏れすることはなく、フィルタ15を通過し排水弁11を経て排出される。
なお、図8は前記操作パネル8の拡大正面図である。この操作パネル8には、周知のように使用者の洗濯目的に適った運転コースや個々の洗濯条件の設定等行なう操作キー30や、その表示部31等を備えた一般的な構成のほかに、ランプ表示手段として前記した報知ランプ32を備えている。この報知ランプ32は、前記フィルタ装置13に多量のリントが捕獲され、そのフィルタ15の掃除する時期を点灯表示することで使用者に知らせるようにしたもので、前記したリードスイッチ29等の検知手段を介して点灯制御される。
次に、上記構成の洗濯機の作用について述べる。
洗いやすすぎなどを行なうことにより、洗濯物から糸屑などのリントが洗濯水中に遊離し、その排水時には、排水と共に排水管路9等の排水経路を流下する。しかるに、本実施例では排水弁11の上流側にリント捕獲装置10を設け、上記リントを捕獲するようにしたので、これより下流側の排水弁11や排水管路9および排水場所等が詰まったりすることなく円滑な排水作用が期待でき、環境汚染を防止する点でも有効である。
そこで、例えば洗い後の排水中からリントを捕獲する場合につき説明すると、図7において洗濯槽としてのドラム3や水槽2内の洗濯水は、排水弁11が開放されるに伴ない、排水管路9を介して機外に自然排水される。このとき、この排水経路の途中に設けられたリント捕獲装置10に対し、排水は図1の矢印Sで示すようにフィルタケース12の流入口12bからケース主体12a内に流入し、その流水路中に配置された格子状のフィルタ15を通り抜け、下部の流出口12cから排出され、更に下流の排水弁11を経て機外に排出される。
しかるに、フィルタ15は一端である前壁19a下端部の軸部19cがヒンジ部23にて回動可能に支持され、他端たる前壁19a上端部を爪部22により弾性的に引っ掛け支持され、以ってフィルタ15は所定位置に回動不能状態に保持されている。また、フィルタ15の格子状に組み合わされた目に未だリントが多く捕獲されていない状態では、該フィルタ15を通過する水の所謂流水抵抗も小さく、フィルタ15自身の重量を主体とした小さな負荷に抗して、爪部22による弾性支持力が勝り保持された状態が継続される。その間、磁石21はリードスイッチ29と近接した対峙位置にあってオン動作し、報知ランプ32への通電回路を消勢した消灯状態にある。所謂正常な状態であることを示している。
これに対し、長期使用に及ぶと多量のリントがフィルタ15に捕獲蓄積され、フィルタ15の捕獲性能が低下するばかりか、該フィルタ15が目詰まり状態となり流水路中に配置されたフィルタ15が水の流れを悪くし、排水性能も低下することになる。しかるに、本実施例では目詰まり状態のフィルタ15では、水が通り抜ける目が小さくなり或いは消失して水の逃げ場が徐々に少なくなることから、その流水抵抗が徐々に増大する。更に、フィルタ15に水が注がれ流水抵抗が増大し、やがて規定以上の流水抵抗(負荷)となると、該負荷に抗しきれず爪部22が弾性変形して引っ掛け支持状態が解除される。
従って、フィルタ15は図2に示すように流水抵抗を受けて直ちに回動し、特に磁石21を備えた後部ほど大きく移動変位する。但し、該フィルタ15は軸部19cにてヒンジ部23で回動可能に連結支持されているので、キャップ部材14側と離脱することなくヒンジ部23における連結状態は維持される。
また、図3(a),(b)にて開示したように、回動により移動したフィルタ15は基本的に円筒状のケース主体12aの周壁部に受け止められることにより、矩形容器状のフィルタ15の外周囲には依然として比較的大きな隙間が形成されるため、目詰まり状態のフィルタ15内に注がれオーバーフローした排水は上記隙間から流出し、せき止められることなく排水作用は続けて実行される。
一方、上記したようにフィルタ15の自由端部である後部に設けられた磁石21は、下方に大きく変位する。このため、特に図2に明示する如く対向位置にあったリードスイッチ29とは大きく離反する。この結果、リードスイッチ29はオフ動作して報知ランプ32への点灯回路を付勢し、本実施例では図8に示す操作パネル8上にフィルタ15の掃除時期であることを使用者に点灯表示して知らせる。
しかるに、フィルタ15を掃除するにはフィルタ装置13全体を機外に取り出す。そこで、まず蓋体25を自由端部側に指を掛けて回動操作し、係合腕部25aとキャップ部材14側の係合鍔部27との係合を解除して開放する。次いで、摘み操作部14aを回動操作して結合部14bの螺旋溝と、フィルタケース12の螺旋凸部12dとの噛合状態を解除する。この結果、フィルタ装置13はフィルタケース12、従って本体1から機外に取出し可能な状態となる。なお、上記摘み操作部14aの回動操作時、フィルタ取付台16は回動方向には滑動可能な係止部18と鉤部17との係合手段にあるため、該フィルタ取付台16およびフィルタ15が共に回動することはなく、従って例えばフィルタ15がヒンジ部23から離脱するおそれはない。
しかして、摘み操作部14aの摘み26を掴んで本体1外に引き出すことにより、フィルタ15を伴なうフィルタ装置13全体をフィルタケース12から取り出すことができる。そして、フィルタ15をヒンジ部23から外して捕獲したリントを除去すべく掃除する。この場合、フィルタ15は二つの外部,内部フィルタ19,20の組合せ構成としているので、これらを分解することで一方向に延びた夫々の櫛歯群に捕獲されたリントを容易に除去できる。なお、このフィルタ装置13全体が本体1から取り出された後、未装着の状態、或いはフィルタ15単体が未装着の状態では、報知ランプ32は点灯表示した状態にあって、使用者に注意を喚起する作用をなす。
このように、フィルタ15の掃除を終えたら、上記とは逆の手順でフィルタ装置13を構成し、本体1の開口部1aから挿入する。すなわち、解体された外部,内部フィルタ19,20を組合せてフィルタ15を構成し、該フィルタ15をフィルタ取付台16に連結すべく、その下端の軸部19cをヒンジ部23に係合支持させた後、前壁19aの上端部を爪部22により弾性的に係合支持させる。
依って、前端部のキャップ部材14から後端部のフィルタ15までが前後方向に直線的に延びたフィルタ装置13として構成される。このフィルタ装置13を装着するに際して、摘み操作部14aの摘み26がほぼ垂直状態に位置し、且つフィルタ15は上面側を開放した形態にてほぼ水平状態に保ちながら本体1内に挿入される。この配置状態とするには、例えばフィルタ取付台16を適宜回動することにより容易に位置調整できる。
そして、挿入先端側のフィルタ15がフィルタケース12のケース主体12aに達し、その段差壁部24を有する内部に進入する。この場合、フィルタ15は適正な位置に保持されて挿入されているので、垂下した段差壁部24に衝突することなく上面が近接した状態で挿入される。従って、フィルタ15(フィルタ取付台16)が所定以上回動変位した不適正な位置では、該フィルタ15の先端部が段差壁部24の前端部に衝突して挿入できないようにしており、以ってこの段差壁部24はフィルタ15の位置規制部として機能するもので、使用者はその操作の誤りを即修正できる。
正常に挿入された後は、キャップ部材14を回動操作することで、結合部14bはパッキン28を挟圧しながら螺旋凸部12dと噛合し、摘み26が水平状態となるほぼ90度時計方向に回動された位置で締結固定される。この場合、フィルタ取付台16は滑動して回動しない構成としているが、仮に摩擦抵抗等を介してフィルタ取付台16も回動方向に追従して変位しようとしても、若干の変位は許容されるがフィルタ15の上面が段差壁部24と近接配置にあるため、該段差壁部24が障害となってそれ以上の回動変位は阻止される。従って、僅かの変位は可能であるにしてもフィルタ15はほぼ上面を開放した適正な形態に維持され装着される。
斯くして、フィルタ装置13はフィルタケース12内の適正な所定位置に装着され、蓋体25は係合腕部25aがキャップ部材14の係合鍔部27に対応して係合保持され閉鎖状態に維持される。しかるに、キャップ部材14も回動操作による回動量が不十分であると、パッキン28の水封作用が不完全となり水漏れを起こすおそれがある。ところが、キャップ部材14が不完全な締結状態では、蓋体25の係合腕部25aに対し、キャップ部材14側の係合鍔部27が対応した位置にないため、蓋体25を係合保持できない。このことから、キャップ部材14の適正な回動締結位置が確認でき、上記水漏れを起こすことも防止できる。
また、フィルタ15が所定位置に装着されたことにより、後部の磁石21がリードスイッチ29と近接対峙し、該リードスイッチ29がオン動作する。これに伴ない、操作パネル8上の報知ランプ32の点灯回路が消勢され消灯する。この点灯から消灯によるランプ表示に基づき、使用者はフィルタ15が正常に組み込まれ装着されたことを知ることができる。
なお、フィルタ15が上記以外の例えば洗濯機の落下衝撃等により爪部22の弾性係合が外れた場合にあっても、洗濯機を使用すべく電源を投入したとき報知ランプ32が点灯する。本来は、上記したフィルタ15の目詰まりに基づく掃除告知にあるが、正常時に点灯しない報知ランプ32が点灯表示するため、これに基づきフィルタ装置13またはフィルタ15が異常であることが察知でき、使用者は運転前に対処できる。
以上説明したように本実施例によれば、次の効果を有する。
洗濯槽からの排水経路中にあって、排水弁11の上流側にリント捕獲装置10を介装してなる洗濯機において、リント捕獲用のフィルタ15に多量のリントが捕獲され、該フィルタ15が受ける流水抵抗が規定以上に増大したとき、一端を弾性支持していた係合が解除されてフィルタ15は回動する構成とした。そして、この回動による移動変位を直接検知すべくフィルタ15の自由端側の磁石21とリードスイッチ29による検知手段を設け、その結果を本実施例では報知ランプ32を利用してランプ表示するようにした。
従って、排水経路中からリントを捕獲する構成なので、洗濯機全般に広く転用できて汎用性に富み、構成的にも付随した特殊構成部分を必要とせず簡易な構成にて対処できる。特に、フィルタ15の移動変位に基づき検知するので、的確に目詰まり状態を検出できるとともに、報知ランプ32によるランプ表示にて使用者に確実に知らせることができる。しかも、この報知ランプ32は、フィルタ15の脱着状態についても注意を喚起するなどして確認できるので、フィルタ15の装着忘れや不完全な装着状態、および正常な装着状態等の複数の状態についても確認できる点で有効である。
また、フィルタ15は外部,内部フィルタ19,20の夫々櫛歯群を交差状に組合せ構成としたもので、リント除去の掃除の際、これらを解体することでリントを容易に外すことができ、且つフィルタ15として組み合わせる場合も、外部フィルタ19内に内部フィルタ20を収容載置するだけの簡単操作で構成できる。
更には、フィルタ15は上面が開放した容器状とする方向性を要するが、このフィルタ15が適正位置であるとき収容可能とする段差壁部24を備えている。この段差壁部24は、適正位置のフィルタ15の上面と近接する位置関係にあるため、フィルタ15が回動変位した位置にある場合には、そのフィルタ15と衝突して挿入を阻止する位置規制部として機能し、この結果、誤ったフィルタ15の収容を確実に防止できて正常な所定位置にあって本来のリント捕獲機能を有効に発揮できる。このように、上記段差壁部24は、フィルタ15の形状に相応して挿入時に位置規制できる構成であればよく、例えば一部が下方に突出した構成でもよいなど種々展開可能である。
なお、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限らず、例えば上記実施例ではフィルタは上面を開放した矩形容器状としたが、これに代えて平板状とし流水路と直交して配置するように位置規制した構成としてもよく、この場合、位置規制部としての段差壁部と近接して面対向した配置構成とすればよい。また、フィルタはヒンジ部により支持し、変位する構成としたが、この構成に限らないことはもとより、更には例えば、ばねやゴム等の弾性体を利用して上下方向にスライド移動する構成とし、要は流水抵抗を受けてフィルタ(その一部でも可)が移動し、その変位を検知できる構成であればよいもので、具体的に種々展開可能である。
その他、ランプ表示手段である報知ランプとしては発光ダイオードを採用してもよいし、また複数のランプ表示にて夫々フィルタの正常と目詰まりの異常とを点灯(或いは消灯)表示してもよいなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できるものである。
本発明の一実施例を示す一部破断した要部の側面図 異なる状態を示す図1相当図 (a)は図1のA−A線、および(b)は図2のB−B線に沿って、夫々切断して示す断面図 フィルタ装置の斜視図 (a)および(b)はフィルタの分解斜視図 本体取出し口の拡大斜視図 洗濯機全体の概略構成図 操作パネルの拡大正面図
符号の説明
図面中、1は本体、2は水槽(洗濯槽)、3はドラム(洗濯槽)、8は操作パネル、9は排水管路(排水経路)、10はリント捕獲装置、12はフィルタケース、13はフィルタ装置、15はフィルタ、14はキャップ部材、21は磁石、22は爪部、23はヒンジ部、24は段差壁部(位置規制部)、29はリードスイッチ、および32は報知ランプを示す。

Claims (4)

  1. 洗濯槽から機外に排水される水中からリントを捕獲するリント捕獲装置を備え、そのリント捕獲装置は排水経路中に連通接続された中空状のフィルタケースと、このフィルタケースに機外から着脱可能に設けられたフィルタ装置とを具備した構成にあって、
    前記フィルタ装置は、前記フィルタケースに対し水密に取着され且つ機外から着脱可能とするキャップ部材と、このキャップ部材の後方に連結されフィルタケースの流水路中の所定位置に配置されたリント捕獲用のフィルタとを有し、
    前記フィルタは、リントの捕獲に伴ない増大する流水抵抗を受けて所定位置から移動可能に支持されるとともに、このフィルタの移動変位を検知する検知手段を設けたことを特徴とする洗濯機。
  2. フィルタは、キャップ部材に対し一端をヒンジ部により回動可能に支持され、他端を弾性的に係脱可能な爪部により支持されるとともに、フィルタが規定以上の流水抵抗を受けたとき前記爪部による支持が開放され、フィルタを回動により移動可能としたことを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
  3. フィルタケースは、フィルタを該フィルタケースの流水路中の所定位置に収容配置すべく、該フィルタが適正位置にあるときのみ収容可能とする位置規制部を有する構成としたことを特徴とする請求項2記載の洗濯機。
  4. フィルタの回動変位を検知する検知手段は、フィルタに設けた磁石と、フィルタケースに設けたリードスイッチとから構成し、前記フィルタが所定位置に収容されたとき、前記リードスイッチのオン動作に基づきランプ表示するようにしたことを特徴とする請求項3記載の洗濯機。


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