JP2006143968A - 異形高分子微粒子の製造方法 - Google Patents

異形高分子微粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 比表面積が大きく、約200℃になっても或いは各種の有機溶媒に接触しても、微粒子の形状が容易に変形しない異形高分子微粒子を得る。
【解決手段】 本発明の製造方法は、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のシードモノマーを水中で第1水溶性開始剤でソープフリー乳化重合させてシードモノマーが重合したシードポリマー粒子を生成する第1工程と、このポリマー粒子を水に分散した分散液にシードモノマーと同じであるか又は異なる、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性の表面モノマー及び第2水溶性開始剤を添加し、表面モノマーをソープフリー乳化重合させてポリマー粒子表面に表面ポリマーを被覆した高分子複合微粒子を得る第2工程とを含む。第2工程で表面モノマー及び第2水溶性開始剤とともに架橋剤を添加して、架橋剤により表面ポリマーを架橋構造にして、金平糖状高分子微粒子を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高分子微粒子、特にその粒子形状が真球ではなく、粒子表面に多数のくぼみ或いは鋭い突起状凸部を有するか、二連球状のダルマ形状を有している異形高分子微粒子の製造方法に関する。更に詳しくは二段階ソープフリー乳化重合法或いはソープフリー乳化重合法に続く沈殿重合法によりサブミクロンサイズの異形の高分子複合微粒子を製造する方法に関するものである。
高分子微粒子は、塗料や診断薬担体、分離カラム用充填材などの分野に広く利用されているが、これらの高分子微粒子は真球状のものが一般的である。しかし、近年、塗料などの白色度や光沢を高めたり、診断薬担体としての機能や分離カラム用充填剤としての機能を高めるために、前記真球状高分子微粒子とは異なる形態を有する高分子微粒子が提案されている。例えば、粒子表面に多数のくぼみを有するゴルフボール状高分子微粒子(例えば、特許文献1及び2参照。)及び円盤状の高分子微粒子(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
この特許文献1に記載のゴルフボール状高分子微粒子は、シードポリマー粒子としてのポリスチレン粒子にアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルをシード乳化重合させることにより得られる。
また特許文献2に記載のゴルフボール状高分子微粒子は、アクリル酸のC1−C8アルキルエステル、メタクリル酸のC1−C8アルキルエステル及び芳香族ビニルから選ばれるポリマー又はコポリマーをシード粒子として分散させた媒体に、この媒体に溶解するモノマーであって、上記ポリマー又はコポリマーとは異なり上記ポリマー又はコポリマーに比し媒体との親和性が低いか又は同等であるポリマーを与えるモノマー等をシード分散重合法により重合させることにより得られる。
更に特許文献3に記載の高分子微粒子は、媒体中にシードポリマー粒子を分散させた分散液に、表面モノマー、補助溶媒、開始剤及び分散剤を添加して、シード分散重合法により表面モノマーを重合させることにより得られる。このとき補助溶媒として、シードポリマーの貧溶媒又は非溶媒であるが、表面ポリマーの良溶媒であり、かつ媒体に部分溶解する有機溶媒を使用することが必要であって、媒体として、媒体中の貧溶媒の比率を90重量%以上とするとともに、補助溶媒をシードポリマーの100重量%以上使用することにより、円盤状の高分子微粒子が得られる。
この明細書において、「シードポリマー」とは異形高分子微粒子のコアを形成するポリマーをいい、「表面ポリマー」とは上記コアを被覆するシェルとなるポリマーをいう。
特開平6−287244号公報(請求項1、[0005]) 特開2002−179708号公報(請求項1、図4) 特開2003−226708号公報(請求項7、[0073])
しかし、上記特許文献1に記載のゴルフボール状高分子微粒子は、その粒径がサブミクロンサイズであるけれども、微粒子表面のくぼみが浅く比表面積が小さいため、診断薬担体としての機能や分離カラム用充填剤としての機能が十分でなく改良する余地があった。またこの高分子微粒子は約100℃になったり、各種の有機溶媒と接触すると、微粒子の形状が容易に真球状に変化する欠点があった。
また特許文献2及び3に記載の高分子微粒子は、その粒径が数ミクロンサイズと特許文献1に記載の高分子微粒子と比べて大きく比表面積が小さいため、診断薬担体としての機能や分離カラム用充填剤としての機能が十分でなく改良する余地があった。またこの高分子微粒子は約100℃になったり、各種の有機溶媒と接触すると、微粒子の形状が容易に真球状に変化する欠点があった。
本発明の目的は、従来の高分子微粒子に比べて比表面積が大きく、診断薬担体としての機能や分離カラム用充填剤としての機能が高く、しかも約200℃になっても或いは各種の有機溶媒に接触しても、微粒子の形状が容易に変形しないサブミクロンサイズの異形高分子微粒子を製造する方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のシードモノマーを水中で第1水溶性開始剤でソープフリー乳化重合法で重合させることによりシードモノマーが重合したシードポリマー粒子を生成する第1工程と、このシードポリマー粒子を水に分散した分散液に表面モノマー及び第2水溶性開始剤を添加して、ソープフリー乳化重合法で表面モノマーを重合させることにより、シードポリマー粒子の表面に表面モノマーが重合した表面ポリマーを被覆した高分子複合微粒子を得る第2工程とを含む異形高分子微粒子の製造方法である。その特徴ある点は、表面モノマーがシードモノマーと同じであるか又は異なる、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のモノマーであり、第2工程で表面モノマー及び第2水溶性開始剤とともに架橋剤を添加して、架橋剤により表面ポリマーを架橋構造にすることにより、金平糖状高分子微粒子を得ることにある。
請求項4に係る発明は、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のシードモノマーを水中で第1水溶性開始剤でソープフリー乳化重合法で重合させることによりシードモノマーが重合したシードポリマー粒子を生成する第1工程と、このシードポリマー粒子を水に分散した分散液に表面モノマー及び第2水溶性開始剤を添加して、ソープフリー乳化重合法で表面モノマーを重合させることにより、シードポリマー粒子の表面に表面モノマーが重合した表面ポリマーを被覆した高分子複合微粒子を得る第2工程とを含む異形高分子微粒子の製造方法である。その特徴ある点は、表面モノマーがシードモノマーと同じであるか又は異なる、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のモノマーであり、第1工程で第1水溶性開始剤とともに架橋剤を添加して、架橋剤によりシードポリマー粒子を架橋構造にするとともに第2工程で水中で表面モノマーを膨潤させ、重合することにより、ダルマ状高分子微粒子を得ることにある。
請求項7に係る発明は、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のシードモノマーを水中で第1水溶性開始剤でソープフリー乳化重合法で重合させることによりシードモノマーが重合したシードポリマー粒子を生成する第1工程と、このシードポリマー粒子を水に分散した分散液に表面モノマー及び第2水溶性開始剤を添加して、沈澱重合法で表面モノマーを重合させることにより、シードポリマー粒子の表面に表面モノマーが重合した表面ポリマーを被覆した高分子複合微粒子を得る第2工程とを含む異形高分子微粒子の製造方法である。その特徴ある点は、表面モノマーがシードモノマーと異なる水溶性モノマーであり、第2工程で分散液に溶解している表面モノマーが重合するに従ってシードポリマー粒子表面に表面ポリマーが吸着することにより、シードポリマー粒子表面に表面ポリマーが鋭い突起状凸部に形成されたランブータン(rambutan)状高分子微粒子を得ることにある。
請求項1に係る製造方法では、二段階ソープフリー乳化重合法を用いるためサブミクロンサイズの高分子微粒子が得られる。この第2工程で表面ポリマーを架橋剤により架橋構造にすることにより、シードポリマー粒子表面に表面ポリマーが凹凸構造を形成しながら生成する。この高分子微粒子は、従来の高分子微粒子よりその比表面積が大きくなり、診断薬担体としての機能や分離カラム用充填剤として高い機能を有する。また表面ポリマーが架橋構造であるため、約200℃になっても或いは各種の有機溶媒に接触しても、高分子微粒子の形状が容易に変形しない。
請求項4に係る製造方法では、二段階ソープフリー乳化重合法を用いるためサブミクロンサイズの高分子微粒子が得られる。この第1工程で架橋剤によりシードポリマー粒子を架橋構造にするとともに第2工程で水中で表面モノマーを膨潤させ、重合することにより、シードポリマー粒子表面を表面ポリマーで被覆した第1球体と表面ポリマーからなる第2球体が一体化したダルマ状高分子微粒子が形成される。この高分子微粒子は、従来の高分子微粒子よりその比表面積が大きくなり、診断薬担体としての機能や分離カラム用充填剤として高い機能を有する。またシードポリマー粒子が架橋構造であるため、約200℃になっても或いは各種の有機溶媒に接触しても、高分子微粒子の形状が容易に変形しない。
請求項7に係る製造方法では、ソープフリー乳化重合法及び沈澱重合法を用いるためサブミクロンサイズの高分子微粒子が得られる。この第2工程で分散液に溶解している水溶性の表面モノマーが第2水溶性開始剤により重合して表面ポリマーとなり、重合とともにシードポリマー粒子表面に表面ポリマーが吸着し、これによりシードポリマー粒子表面に表面ポリマーが鋭い突起状凸部に形成される。この高分子微粒子は、従来の高分子微粒子よりその比表面積が大きくなり、診断薬担体としての機能や分離カラム用充填剤として高い機能を有する。表面ポリマーがポリアクリロニトリル又はポリメタクリロニトリルであって、ジメチルホルムアミドのような特殊な有機溶媒にしか溶解性がないため、この異形高分子微粒子は通常の有機溶媒に接触しても耐溶媒性に優れ、粒子形状が安定する。
[1] 本発明の第1の実施の形態を説明する。
(a) 第1工程:ソープフリー乳化重合によるシードポリマー粒子の作製
このソープフリー乳化重合に用いられるシードモノマーとしては、この重合法によりポリマー粒子化する、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のモノマーが選ばれる。なお、この明細書で「水に僅かに溶ける」とは、3重量%以下の割合で水に溶けることをいう。具体的には、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、等のアクリル酸のアリールエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸のC1〜C3アルキルエステル又はメタクリル酸のアリールエステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルスチレン、ジメチルスチレン等の芳香族ビニルから選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーが例示される。シードポリマーはこのラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマー又はコポリマーである。
シードポリマー粒子を作製するときの媒体としては、重合がソープフリー乳化重合法であるため、水が用いられる。所期の重合を行うため、脱イオン水が好ましい。シードモノマー100重量部に対して水は300〜2500重量部が好ましく、340〜1200重量部が特に好ましい。また重合を開始させるための開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2.2`−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等の水溶性イオン型アゾ化合物が用いられる。この水溶性開始剤はシードモノマー100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、0.3〜8重量部が更に好ましい。
このソープフリー乳化重合法では、シードモノマー、水及び水溶性開始剤を容器に入れて、50〜300rpm程度の回転速度で攪拌機により攪拌する。重合温度は30〜90℃、好ましくは40〜70℃である。また重合時間は3〜24時間、好ましくは5〜10時間である。重合は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
このソープフリー乳化重合法で作られるシードポリマー粒子の平均粒径は、サブミクロンサイズである。具体的には100〜600nmの範囲にある。このシードポリマー粒子の平均粒径は電子顕微鏡写真の画像処理法により測定される。
(b) 第2工程:ソープフリー乳化重合による高分子複合微粒子の作製
このソープフリー乳化重合に用いられる表面モノマーとしては、シードモノマーと同じであるか又は異なりかつ水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のモノマーが選ばれる。具体的には、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、等のアクリル酸のアリールエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸のC1〜C3アルキルエステル又はメタクリル酸のアリールエステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルスチレン、ジメチルスチレン等の芳香族ビニルから選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーが例示される。表面ポリマーはこの表面モノマーを重合して得られるものである。表面モノマーは、第1工程で得られたシードポリマー粒子100重量部に対して、120〜1000重量部が好ましく、特に200〜600重量部が好ましい。表面モノマーの添加量が上記下限値未満では、異形化の程度が弱く、上記上限値を超えると第二次核形成による新たな微粒子の生成の不具合を生じる。
表面ポリマーを作製するときの媒体としては、重合がソープフリー乳化重合法であるため、水が用いられる。所期の重合を行うため、脱イオン水が好ましい。表面モノマー100重量部に対して水は1000〜20000重量部が好ましく、5000〜10000重量部が特に好ましい。また重合を開始させるための開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2.2`−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等の水溶性イオン型アゾ化合物が用いられる。この水溶性開始剤は表面モノマー100重量部に対して0.5〜50重量部が好ましく、1〜10重量部が更に好ましい。
第1の実施の形態の特徴ある構成は、第2工程における表面ポリマーの架橋剤の添加である。この架橋剤としては、ジビニルベンゼン又はエチレングリコールジメタクリレート等が用いられる。この架橋剤は表面モノマー100モル%に対して0.5〜10モル%が好ましく、1〜6モル%がより好ましい。架橋剤の添加量が上記下限値未満では、異形の程度が弱く、又は異形にならない。
このソープフリー乳化重合法では、第1工程で得られたシードポリマー粒子、表面モノマー、水及び水溶性開始剤を容器に入れ、第1工程と同様にして、表面モノマーを重合させる。続いて架橋剤を加え、50〜300rpm程度の回転速度で攪拌機により攪拌する。重合時及び架橋時の温度は50〜60℃が好ましい。また重合時間は2〜24時間、好ましくは3〜8時間である。架橋剤が表面ポリマーを架橋構造にするため、水中で表面ポリマーがシードポリマー粒子表面に凹凸構造を形成しながら生成した高分子複合微粒子が得られる。
この高分子複合微粒子を含む液を遠心分離、濾過等により固液分離した後、固形分から水分を除去することにより、金平糖状高分子微粒子が得られる。なお、この高分子複合微粒子をエマルジョンのままで使用するときには、上記固液分離以降の工程は不要である。この実施の形態における異形化は、架橋におけるポリマー構造の固定化が重合収縮に不均一さをもたらすことによる。この架橋構造のために異形高分子微粒子の形状は安定化する。この異形高分子微粒子の平均粒径は0.15〜1μmであり、突起と突起の間のくぼみの深さは0.01〜0.4μmである。異形高分子微粒子の平均粒径は、電子顕微鏡写真の画像処理法により測定される。ここで粒径は突起の先端を含む大きさをいう。
[2] 次に本発明の第2の実施の形態を説明する。
(a) 第1工程:ソープフリー乳化重合によるシードポリマー粒子の作製
このソープフリー乳化重合に用いられるシードモノマー、媒体及び水溶性開始剤及びその使用量は、それぞれ第1の実施の形態のシードモノマー、媒体及び水溶性開始剤及びその使用量と同じである。
第2の実施の形態の特徴ある構成は、第1工程におけるシードポリマーの架橋剤の添加である。この架橋剤としては、ジビニルベンゼン又はエチレングリコールジメタクリレート等が用いられる。この架橋剤はシードモノマー100モル%に対して0.5〜10モル%が好ましく、1〜6モル%がより好ましい。架橋剤の添加量が上記下限値未満では、異形の程度が弱く、又は異形にならない。
このソープフリー乳化重合法では、シードモノマー、水及び水溶性開始剤を容器に入れて、第1の実施の形態と同様にシードモノマーを重合させる。続いて架橋剤を加え、50〜300rpm程度の回転速度で攪拌機により攪拌する。重合時及び架橋時の温度は30〜90℃、好ましくは40〜70℃である。また重合時間は3〜24時間、好ましくは5〜10時間である。架橋剤がシードポリマー粒子を架橋構造にする。このソープフリー乳化重合法で作られるシードポリマー粒子の平均粒径は、サブミクロンサイズである。具体的には100〜600nmの範囲にある。
(b) 第2工程:ソープフリー乳化重合による高分子複合微粒子の作製
このソープフリー乳化重合に用いられる表面モノマー、媒体及び水溶性開始剤及びその使用量は、それぞれ第1の実施の形態の表面モノマー、媒体及び水溶性開始剤及びその使用量と同じである。
このソープフリー乳化重合法では、第1工程で得られたシードポリマー粒子、表面モノマー、水及び水溶性開始剤を容器に入れ、第1工程と同様にして、表面モノマーを重合させる。重合時の温度は50〜90℃、好ましくは60〜70℃である。また重合時間は2〜24時間、好ましくは3〜8時間である。シードポリマー粒子が架橋構造になっているため、この架橋したシードポリマー粒子に膨潤された表面モノマーが反応して表面ポリマーが重合に伴って大きな相分離を起こしながらシードポリマー粒子の外部に突出して固化する。この結果、水中で表面ポリマーがシードポリマー粒子表面を被覆して第1球体を形成するとともに表面ポリマーからなる第2球体が一体的に形成された高分子複合微粒子が得られる。
この高分子複合微粒子を含む液を遠心分離、濾過等により固液分離した後、固形分から水分を除去することにより、二連球状のダルマ形状高分子微粒子が得られる。なお、この高分子複合微粒子をエマルジョンのままで使用するときには、上記固液分離以降の工程は不要である。この実施の形態おける異形化は、架橋したシードポリマー粒子に膨潤された表面モノマーが重合に伴って大きな相分離を起こしながらシードポリマー粒子の外部に突出して固化することによる。この架橋構造のために異形高分子微粒子の形状は安定化する。この異形高分子微粒子の平均粒径は0.15〜1μmである。ここで粒径は二連の球を含む大きさをいう。
[3] 次に本発明の第3の実施の形態を説明する。
(a) 第1工程:ソープフリー乳化重合によるシードポリマー粒子の作製
このソープフリー乳化重合に用いられるシードモノマー、媒体及び水溶性開始剤及びその使用量は、それぞれ第1の実施の形態のシードモノマー、媒体及び水溶性開始剤及びその使用量と同じである。
このソープフリー乳化重合法では、シードモノマー、水及び水溶性開始剤を容器に入れて、第1の実施の形態と同様にシードモノマーを重合させる。重合温度は30〜90℃、好ましくは40〜70℃である。また重合時間は3〜24時間、好ましくは5〜10時間である。このソープフリー乳化重合法で作られるシードポリマー粒子の平均粒径は、サブミクロンサイズである。具体的には100〜600nmの範囲にある。
(b) 第2工程:沈殿重合による高分子複合微粒子の作製
第3の実施の形態の特徴ある構成は、第2工程が沈殿重合法であり、この沈殿重合に用いられる表面モノマーである。この表面モノマーはシードモノマーと異なる水溶性モノマーである。具体的には、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルが例示される。表面ポリマーはこの表面モノマーを重合して得られるものである。表面モノマーは、第1工程で得られたシードポリマー粒子100重量部に対して、300〜1000重量部が好ましく、特に400〜700重量部が好ましい。表面モノマーの添加量が上記下限値未満では、異形化の程度が弱いか、又は異形にならない。
この沈殿重合法では、第1工程で得られたシードポリマー粒子、表面モノマー、水及び水溶性開始剤を容器に入れる。水溶性開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2.2`−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等の水溶性イオン型アゾ化合物が用いられる。この中で過硫酸塩が分散媒体である水に対する溶解性が高く、シードポリマー粒子表面により鋭い突起状凸部の表面ポリマーを形成させるため、好ましい。この水溶性開始剤は表面モノマー100重量部に対して0.3〜1.5重量部が好ましく、0.5〜0.9重量部が更に好ましい。水溶性開始剤の添加量が上記上限値を超えると反応系が凝集しやすくなる不具合を生じる。この第2工程で分散液に溶解している水溶性の表面モノマーが水溶性開始剤により重合して表面ポリマーとなり、重合とともにシードポリマー粒子表面に表面ポリマーが鋭い突起状凸部となって吸着した高分子複合微粒子が得られる。
この高分子複合微粒子を含む液を遠心分離、濾過等により固液分離した後、固形分から水分を除去することにより、ランブータン状高分子微粒子が得られる。なお、この高分子複合微粒子をエマルジョンのままで使用するときには、上記固液分離以降の工程は不要である。この実施の形態おける異形化は、シードポリマーと表面ポリマーが非相溶であるために、表面ポリマーがセル層を形成しながら重合固化することによる。この異形高分子微粒子の平均粒径は0.15〜1μmであり、突起の高さは0.01〜0.2μmである。ここで粒径は突起の先端を含む大きさをいう。
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
第1工程:ソープフリー乳化重合によるポリメタクリル酸メチルシード粒子の作製
メタクリル酸メチルモノマー45g、脱イオン水155g及び開始剤として過硫酸カリウム60mgをセパラブルフラスコに入れ、300rpmの回転速度で攪拌しながら30分間窒素ガスでバブリングした。その後バブリングを止め、70℃で5時間同じ回転速度で攪拌しながら加熱してソープフリー乳化重合を行い、平均粒径が約420nmのポリメタクリル酸メチルシードラテックスを作製した。
第2工程:ソープフリー乳化重合によるポリメタクリル酸メチル/ポリスチレン異形粒子の作製
0.6gの固体ポリマーを含む 所定量のポリメタクリル酸メチルシードラテックス、脱イオン水及び開始剤としての過硫酸カリウム20mgをセパラブルフラスコに入れ、300rpmの回転速度で攪拌しながら30分間窒素ガスでバブリングして130mlの分散液を調製した。その後バブリングを止め、ポリメタクリル酸メチルに対して70モル%となる表面モノマーとしてのスチレン、及びスチレンに対して0.5モル%となる架橋剤としてのジビニルベンゼンを加え、60℃で6時間同じ回転速度で攪拌しながら加熱してソープフリー乳化重合を行い、ポリメタクリル酸メチル/ポリスチレン異形複合ラテックスを得た。この複合ラテックスから水分を除去して異形高分子微粒子を得た。
<実施例2>
第2工程で、ポリメタクリル酸メチルに対して70モル%となる表面モノマーとしてのスチレン、及びスチレンに対して2.0モル%となる架橋剤としてのジビニルベンゼンを加えた以外、実施例1と同様にして、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリスチレンを被覆した異形複合ラテックスを得た。この異形複合ラテックスから水分を除去して異形高分子微粒子を得た。
<実施例3>
第2工程で、ポリメタクリル酸メチルに対して80モル%となる表面モノマーとしてのスチレン、及びスチレンに対して4.0モル%となる架橋剤としてのジビニルベンゼンを加えた以外、実施例1と同様にして、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリスチレンを被覆した異形複合ラテックスを得た。この異形複合ラテックスから水分を除去して異形高分子微粒子を得た。この異形高分子微粒子の走査型電子顕微鏡の写真図を図1に示す。
<比較例1>
第2工程で、架橋剤を加えない以外、実施例1と同様にして、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリスチレンを被覆した複合ラテックスを得た。この複合ラテックスから水分を除去し、異形でない球状高分子微粒子を得た。
<比較評価1>
実施例1〜3の高分子微粒子と比較例1の高分子微粒子とをそれぞれ超薄切片にして透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、これらの高分子微粒子はすべてポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面をポリスチレンが被覆するコア/シェル構造であった。比較例1の高分子微粒子が球状であったのに対して、実施例1〜3の高分子微粒子は金平糖状であった。これらの高分子微粒子の平均粒径、くぼみの平均深さ及び形状を表1に示す。表1から架橋剤の添加量に相応して、くぼみの深さが大きくなることが判った。また実施例1〜3の高分子微粒子を空気中で200℃に加熱する熱変形試験と、トルエン中に浸漬する耐溶媒性試験を行った。実施例1〜3の高分子微粒子は、熱変形試験及び耐溶媒性試験において、いずれも元の形状を維持した。
<実施例4>
第1工程:ソープフリー乳化重合によるポリメタクリル酸メチルシード粒子の作製
メタクリル酸メチルモノマー15g、メタクリル酸メチルモノマーに対して0.5モル%となる架橋剤としてのエチレングリコールジメタクリレート、450gの脱イオン水及び開始剤として過硫酸カリウム20mgをセパラブルフラスコに入れ、300rpmの回転速度で攪拌しながら30分間窒素ガスでバブリングした。その後バブリングを止め、70℃で5時間同じ回転速度で攪拌しながら加熱してソープフリー乳化重合を行い、平均粒径が約270nmのポリメタクリル酸メチルシードラテックスを作製した。
第2工程:ソープフリー乳化重合によるポリメタクリル酸メチル/ポリスチレン異形粒子の作製
0.6gの固体ポリマーを含む 所定量のポリメタクリル酸メチルシードラテックス、脱イオン水及び開始剤としての過硫酸カリウム20mgをセパラブルフラスコに入れ、300rpmの回転速度で攪拌しながら30分間窒素ガスでバブリングして130mlの分散液を調製した。その後バブリングを止め、ポリメタクリル酸メチルに対して80モル%となる表面モノマーとしてのスチレンを加え、室温で2時間ポリメタクリル酸メチルシードラテックスを膨潤させた後、60℃で6時間同じ回転速度で攪拌しながら加熱してソープフリー乳化重合を行い、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリスチレンを被覆した異形複合ラテックスを得た。この異形複合ラテックスから水分を除去して第1球体とポリスチレンからなる第2球体が一体化したダルマ状高分子微粒子を得た。
<実施例5>
第1工程で、ポリメタクリル酸メチルに対して2.0モル%となる架橋剤としてのエチレングリコールジメタクリレートを加えた以外、実施例4と同様にして、ソープフリー乳化重合を行い、平均粒径が約250nmのポリメタクリル酸メチルシードラテックスを作製した。第2工程で、実施例4と同様にして、ソープフリー乳化重合を行い、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリスチレンを被覆した異形複合ラテックスを得た。この異形複合ラテックスから水分を除去して第1球体とポリスチレンからなる第2球体が一体化したダルマ状高分子微粒子を得た。
<実施例6>
第1工程で、ポリメタクリル酸メチルに対して4.0モル%となる架橋剤としてのエチレングリコールジメタクリレートを加えた以外、実施例4と同様にして、ソープフリー乳化重合を行い、平均粒径が約260nmのポリメタクリル酸メチルシードラテックスを作製した。第2工程で、実施例4と同様にして、ソープフリー乳化重合を行い、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリスチレンを被覆した異形複合ラテックスを得た。この異形複合ラテックスから水分を除去して第1球体とポリスチレンからなる第2球体が一体化したダルマ状高分子微粒子を得た。このダルマ状高分子微粒子の走査型電子顕微鏡の写真図を図2に示す。
<比較例2>
第1工程で、架橋剤を加えない以外、実施例4と同様にして、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリスチレンを被覆した複合ラテックスを得た。この複合ラテックスを脱水し、異形でない球状高分子微粒子を得た。
<比較評価2>
実施例4〜6の高分子微粒子と比較例2の高分子微粒子とをそれぞれ超薄切片にして透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、比較例2の高分子微粒子が球状であったのに対して、実施例4〜6の高分子微粒子はすべてポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面をポリスチレンが被覆するコア/シェル構造の第1球体とポリスチレンのみからなる第2球体が一体化したものであった。これらの高分子微粒子の平均粒径、第2球体の平均大きさ及び形状を表2に示す。表2から架橋剤の添加量に相応して、第2球体が大きくなることが判った。また実施例4〜6の高分子微粒子を空気中で200℃に加熱する熱変形試験と、トルエン中に浸漬する耐溶媒性試験を行った。実施例4〜6の高分子微粒子は、熱変形試験及び耐溶媒性試験において、いずれも元の形状を維持した。
<実施例7>
第1工程:ソープフリー乳化重合によるポリメタクリル酸メチルシード粒子の作製
メタクリル酸メチルモノマー30g、脱イオン水170g及び開始剤として過硫酸カリウム60mgをセパラブルフラスコに入れ、300rpmの回転速度で攪拌しながら30分間窒素ガスでバブリングした。その後バブリングを止め、70℃で5時間同じ回転速度で攪拌しながら加熱してソープフリー乳化重合を行い、平均粒径が約310nmのポリメタクリル酸メチルシードラテックスを作製した。
第2工程:沈殿重合によるポリメタクリル酸メチル/ポリアクリロニトリル異形粒子の作製
0.6gの固体ポリマーを含む 所定量のポリメタクリル酸メチルシードラテックス、脱イオン水及び開始剤としての過硫酸カリウム20mgをセパラブルフラスコに入れ、300rpmの回転速度で攪拌しながら30分間窒素ガスでバブリングして130mlの分散液を調製した。その後バブリングを止め、表面モノマーとして3mlのアクリロニトリルを加え、70℃で8時間同じ回転速度で攪拌しながら加熱して沈殿重合を行った。この重合によりポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリアクリロニトリルを被覆した異形複合ラテックスを得た。この異形複合ラテックスから水分を除去して異形高分子微粒子を得た。
<実施例8>
第2工程で、表面モノマーとして4mlのアクリロニトリルを加えた以外、実施例7と同様にして、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリアクリロニトリルを被覆した異形複合ラテックスを得た。この異形複合ラテックスから水分を除去して異形高分子微粒子を得た。
<実施例9>
第2工程で、表面モノマーとして5mlのアクリロニトリルを加えた以外、実施例7と同様にして、ポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面にポリアクリロニトリルを被覆した異形複合ラテックスを得た。この異形複合ラテックスから水分を除去して異形高分子微粒子を得た。この異形高分子微粒子の走査型電子顕微鏡の写真図を図3に、また透過型電子顕微鏡の写真図を図4にそれぞれ示す。
<比較評価3>
実施例7〜9の高分子微粒子をそれぞれ超薄切片にして透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、実施例7〜9の高分子微粒子はすべてポリメタクリル酸メチルシード粒子の表面をポリアクリロニトリルが被覆するコア/シェル構造であった。これらの高分子微粒子の平均粒径、突起の平均高さ及び形状を表3に示す。表3からアクリロニトリルの添加量に相応して、鋭い突起が高くなることが判った。また実施例7〜9の高分子微粒子を空気中で200℃に加熱する熱変形試験と、トルエン中に浸漬する耐溶媒性試験を行った。実施例7〜9の高分子微粒子は、熱変形試験及び耐溶媒性試験において、いずれも元の形状を維持した。
実施例3の異形高分子微粒子の走査型電子顕微鏡の写真図。 実施例6のダルマ状高分子微粒子の走査型電子顕微鏡の写真図。 実施例9の異形高分子微粒子の走査型電子顕微鏡の写真図。 実施例9の異形高分子微粒子の透過型電子顕微鏡の写真図。

Claims (9)

  1. 水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のシードモノマーを水中で第1水溶性開始剤でソープフリー乳化重合法で重合させることにより前記シードモノマーが重合したシードポリマー粒子を生成する第1工程と、前記シードポリマー粒子を水に分散した分散液に表面モノマー及び第2水溶性開始剤を添加して、ソープフリー乳化重合法で前記表面モノマーを重合させて表面ポリマーにすることにより、前記シードポリマー粒子の表面に前記表面ポリマーを被覆した高分子複合微粒子を得る第2工程とを含む異形高分子微粒子の製造方法であって、
    前記表面モノマーが前記シードモノマーと同じであるか又は異なる、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のモノマーであり、
    前記第2工程で前記表面モノマー及び第2水溶性開始剤とともに架橋剤を添加して、前記架橋剤により前記表面ポリマーを架橋構造にすることにより、金平糖状高分子微粒子を得ることを特徴とする異形高分子微粒子の製造方法。
  2. シードモノマーがアクリル酸のアリールエステル、メタクリル酸のC1〜C3アルキルエステル、メタクリル酸のアリールエステル及び芳香族ビニルから選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーであり、シードポリマーが前記ラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマー又はコポリマーであり、
    表面モノマーがアクリル酸のアリールエステル、メタクリル酸のC1〜C3アルキルエステル、メタクリル酸のアリールエステル、芳香族ビニル、エチレン性不飽和カルボン酸エステル、カルボン酸ビニルエステル及びエチレン性不飽和カルボン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1記載の製造方法。
  3. 第1及び第2水溶性開始剤がそれぞれ過硫酸塩又は水溶性イオン型アゾ化合物である請求項1記載の製造方法。
  4. 水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のシードモノマーを水中で第1水溶性開始剤でソープフリー乳化重合法で重合させることにより前記シードモノマーが重合したシードポリマー粒子を生成する第1工程と、前記シードポリマー粒子を水に分散した分散液に表面モノマー及び第2水溶性開始剤を添加して、ソープフリー乳化重合法で前記表面モノマーを重合させて表面ポリマーにすることにより、前記シードポリマー粒子の表面に前記表面ポリマーを被覆した高分子複合微粒子を得る第2工程とを含む異形高分子微粒子の製造方法であって、
    前記表面モノマーが前記シードモノマーと同じであるか又は異なる、水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のモノマーであり、
    前記第1工程で第1水溶性開始剤とともに架橋剤を添加して、前記架橋剤により前記シードポリマー粒子を架橋構造にするとともに前記第2工程で水中で表面モノマーを膨潤させ、重合することにより、ダルマ状高分子微粒子を得ることを特徴とする異形高分子微粒子の製造方法。
  5. シードモノマーがアクリル酸のアリールエステル、メタクリル酸のC1〜C3アルキルエステル、メタクリル酸のアリールエステル及び芳香族ビニルから選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーであり、シードポリマーが前記ラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマー又はコポリマーであり、
    表面モノマーがアクリル酸のアリールエステル、メタクリル酸のC1〜C3アルキルエステル、メタクリル酸のアリールエステル、芳香族ビニル、エチレン性不飽和カルボン酸エステル、カルボン酸ビニルエステル及びエチレン性不飽和カルボン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項4記載の製造方法。
  6. 第1及び第2水溶性開始剤がそれぞれ過硫酸塩又は水溶性イオン型アゾ化合物である請求項4記載の製造方法。
  7. 水に僅かに溶けるか又は水に不溶性のシードモノマーを水中で第1水溶性開始剤でソープフリー乳化重合法で重合させることにより前記シードモノマーが重合したシードポリマー粒子を生成する第1工程と、前記シードポリマー粒子を水に分散した分散液に表面モノマー及び第2水溶性開始剤を添加して、沈殿重合法で前記表面モノマーを重合させて表面ポリマーにすることにより、前記シードポリマー粒子の表面に前記表面ポリマーを被覆した高分子複合微粒子を得る第2工程とを含む異形高分子微粒子の製造方法であって、
    前記表面モノマーが前記シードモノマーと異なる水溶性モノマーであり、
    前記第2工程で前記分散液に溶解している表面モノマーが沈澱重合するに従って前記シードポリマー粒子表面に表面ポリマーが吸着することにより、前記シードポリマー粒子表面に表面ポリマーが鋭い突起状凸部に形成されたランブータン状高分子微粒子を得ることを特徴とする異形高分子微粒子の製造方法。
  8. シードモノマーがアクリル酸のアリールエステル、メタクリル酸のC1〜C3アルキルエステル、メタクリル酸のアリールエステル及び芳香族ビニルから選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーであり、シードポリマーが前記ラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマー又はコポリマーであり、
    表面モノマーがアクリロニトリル又はメタクリロニトリルである請求項7記載の製造方法。
  9. 第1及び第2水溶性開始剤が過硫酸塩又は水溶性イオン型アゾ化合物である請求項7記載の異形高分子微粒子の製造方法。
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