JP2006138043A - 高平滑更紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡便な設備で、ピッキングの問題や微細な繊維の堆積による紙粉の問題を解決しながら、嵩高で高精細な印刷が可能な更紙を提供する。
【解決手段】 絶乾坪量40〜60g/mの更紙である。この更紙は、少なくとも一の紙面に澱粉固形分換算量が2〜6g/mとなるように澱粉スラリーをスプレー装置にて塗布されてなるとともに、金属ロールと弾性ロールとを備えたソフトカレンダ装置で平坦化処理されることにより、緊度が0.50〜0.60g/cmで且つ平滑度が100秒以上とされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、平滑度の高い更紙に関するものである。
特に近年、印刷物が視覚化、多色化、更には高級化、高速化され、印刷用紙に対する品質要求が多様化しており、これに伴って用紙のグレードが細分化されるとともに品質要求が年々厳しくなりつつある。
出版業界においても、多色印刷や写真調の印刷が多用され、この傾向は所謂週刊誌やコミック誌等においても同様である。これら週刊誌やコミック誌等には、比較的嵩高でページ数の割に本が厚くなるものが好まれ、またコシの強い用紙が好まれるため、一般に更紙と呼ばれる嵩高な紙が用いられる。更紙は嵩を得るため、一般の印刷用紙に施される紙表面の平滑化処理が成されずに製造されている。
このように、従来の更紙は、平滑化処理が施されておらず紙面の平坦性が比較的低くなるので、平坦性が比較的低くても良好な印刷面が得られるオフセット印刷が多用されている。オフセット印刷は、柔軟なブランケットを介して印刷されるため、紙面の凹凸に対する追従性が高く、平坦性が比較的低い紙面にも良好な印刷面を形成できる(特許文献1参照。)。
特開平5−98593号公報
しかしながら、平滑化処理されていない更紙は紙表面における繊維間の絡み度合いが比較的低い一方、オフセット印刷のインキはタックが強いため、オフセット印刷において紙表面の繊維がオフセット印刷版に抜き取られやすくなる。そのため、繊維が紙表面から抜けるピッキングの問題や、微細な繊維の堆積による紙粉の問題が起こりやすくなり、繊維や紙粉がインキに混入したりブランケットに堆積したりして印刷物にカスレや汚れ等を発生させるなど、印刷品質に悪影響を与える場合がある。
また、特に近年の多色印刷や写真調の印刷においては、印刷のスクリーン線数が従来よりも増加しており、より高精細な印刷品質が求められている。即ち、従来の印刷では、スクリーン線数を150〜200線/インチ程度としたものが多く、特に175線/インチのものが多用されていたが、近年では200線/インチを超えるような高精細な印刷が増えつつある。かかる高精細な印刷を行う場合には、上述したピッキングの問題や紙粉の問題が許容できない問題として顕在化する傾向にある。
これらの問題を解決する手段として、原紙表面に紙力増強剤を外添したり、紙中に紙力増強剤を内添し原紙全体の強度を向上させたりする方策を採ることが考えられる。しかし、既存の更紙製造設備を改造して、紙力増強剤を外添するための設備を新設するためには、大規模な改修工事が必要となる。また、紙力増強剤を内添する場合、該紙力増強剤は歩留まりが低く、紙力増強効果を醸し出すには相当量を内添する必要が生じる他、比較的高価であるため製造コストの上昇を招き、容易に採用することはできない。
本発明は、簡便な設備により、ピッキングの問題や微細な繊維の堆積による紙粉の問題を解決しながら嵩高で高精細な印刷が可能な更紙を提供することを目的としている。
本発明の高平滑更紙は、絶乾坪量40〜60g/mの更紙であって、少なくとも一の紙面に澱粉固形分換算量が2〜6g/mになるように澱粉スラリーをスプレー装置により塗布してなるとともに、金属ロールと弾性ロールとを備えたソフトカレンダ装置で平坦化処理されることにより、緊度が0.50〜0.60g/cmで且つ平滑度が100秒以上とされていることを特徴とする。
澱粉をスプレー装置で塗布するので、簡便な設備で塗工することができる。
また、絶乾坪量(以下、単に坪量ともいう)が40g/m未満であると、週刊誌やコミック誌の用途において好まれている適度な剛度を得ることが出来ず、剛度が不足してページを捲りにくくなるとともに、製本加工性が悪くなる。また坪量が60g/mを超えると、本が重くなるので、物流経費の増大や配送時における取り扱い性の低下を招き、実用性のある更紙とはならない。また、澱粉の塗布量が2g/m未満では更紙の表面強度を充分に高めることが出来ず、6g/mを超えると、澱粉量の増加に伴うコストアップが問題となるのみならず、緊度を下げる要因となり嵩高となりにくくなる。そして、ソフトカレンダ装置で処理されることにより、嵩高性を維持しながら表面の平滑性を向上させることができるとともに、紙表面の繊維の絡み度合いが高くなり前述したピッキングや紙粉の問題を最小限に抑制できる。そして、以上の構成により、緊度が0.50〜0.60g/cmで且つ平滑度が100秒以上の更紙とすることが可能となり、嵩高性を有し且つ高精細印刷が可能で週刊誌、月刊誌、コミック誌などに適した更紙とすることができる。
なお、澱粉の塗布量には、紙の表面上に存在する澱粉のみならず、紙の内部に含浸している澱粉も含まれる。また、ソフトカレンダ装置は、少なくとも1ニップの弾性ロールと金属ロールとからなるものである。また、澱粉の塗布量は固形量を意味する。
前記澱粉スラリーは変性澱粉を熱水で加水溶解した固形分濃度が10%以上15%以下の水溶液であり、前記スプレー装置による塗布において、前記変性澱粉スラリーは、粒径が150μm以下のミストとされているのが好ましい。変性澱粉は、同じ濃度の未変性澱粉と比較して低粘度とできスプレーに適する。また、150μm以下の粒径のミストとしているので、均一に分散した状態で塗布されやすくなり、平坦性を向上させることができる。
この高平滑更紙は、100〜250℃の範囲内の温度に加熱されるとともにロール幅方向における温度分布を制御可能な加熱機構で制御された前記金属ロールにより前記平坦化処理がなされるのが好ましい。100〜250℃としたのは、100℃未満では平坦化効果が少なくなり、250℃を超えるとカレンダ焼けや樹脂ロールの熱劣化が大きくなるからである。また、ロール幅方向における温度分布を制御可能な加熱機構により、同方向での温度分布を均一化でき、紙幅方向における嵩ムラ、緊度ムラを抑制することができる。
また、ロール幅方向における温度分布を制御可能なクーリング機構により制御された前記金属ロールにより前記平坦化処理がなされてもよい。この場合も、ロール幅方向における温度分布を均一化でき、紙幅方向における嵩ムラ、緊度ムラを抑制することができる。
なお、金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能な加熱機構と、金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能なクーリング機構とを併用すると、紙幅方向の温度分布を更に細かく調整することができ、紙幅方向における嵩ムラや緊度ムラをより一層抑えることができるので特に好ましい。
さらに、全パルプに対してプレッシャーライズドグランドウッドパルプ(以下、PGWともいう)が50重量%以上配合されている高平滑更紙とするのが好ましい。PGWは機械パルプであるから、緊度を低くして嵩高としやすくなる。またPGWは、他の機械パルプと比較して、高い白色度と強度とを両立することができる。
以上に記載したように、本発明によれば、絶乾坪量、澱粉の塗布量、及び平滑化処理を適切に設定するとともに、澱粉をスプレー装置により塗布したので、簡便な設備で、嵩高で高精細印刷が可能な更紙を得ることができる。
以下に本発明について更に詳細に説明する。
本発明の更紙では、少なくとも一の紙面に澱粉固形分換算量が2〜6g/mになるように澱粉スラリーを塗布する。澱粉の種類は特に限定されず、天然の澱粉(未変性澱粉)の他、例えば酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉等のエステル化澱粉、エーテル化澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、酵素変性澱粉、カチオン澱粉、ジアルデヒド澱粉、冷水可溶性澱粉等を用いることができる。ただし、未変性澱粉は低濃度でも粘度が比較的高く、ゲル化しやすい傾向にあるので、スプレー装置により塗布する本発明においては比較的低粘度としやすい変性澱粉が好ましく、なかでも比較的低粘度で安定性に優れた酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉が更に好ましい。
なお、スプレー装置による塗布に加えて、ロールコータによる澱粉の塗布を併用してもよい。この場合、スプレー装置による塗布の前に予めロールコータによる塗布を行うのが好ましい。ロールコータとしては、Masseyコータ、KCMコータ、ゲートロールコータ等を用いることができる。なお、ロールコータは通常オンマシンで用いられる。
更紙は表面強度が比較的弱く、オフセット印刷時におけるピッキングの問題や、微細な繊維の堆積による紙粉の問題が発生しやすい傾向にあるが、澱粉を塗布することにより、表面強度が高くなり、ピッキング等の問題を最小限に抑えることができる。
本発明で用いるソフトカレンダ装置のニップ数は特に限定されず、少なくとも1つのニップがあればよい。図1は、総ニップ数が2ニップのソフトカレンダ装置10の例である。このソフトカレンダ装置10は、互いに上下に配置された金属ロール1と弾性ロール2との組み合わせによるニップが2つ並列しており、隣接するニップ相互間で金属ロール1と弾性ロール2との上下関係が逆となった、いわゆる2ロール1ニップの2タンデムタイプのソフトカレンダ装置である。本発明で用いるソフトカレンダ装置の総ニップ数において特に上限は無い。原紙を長網マシンで抄造する場合は、裏面にあたる面のみをカレンダー処理することができるが、近年の1300m/分を超える高速抄紙においては、弾性ロールと加熱金属ロールとを適宜組み合わせた2ニップ以上の多段若しくは、2スタック以上の組み合わせによりソフトカレンダ処理することが好ましい。
ソフトカレンダ装置のニップ圧は、5〜60Kg/cm、好ましくは10〜40Kg/cmの範囲である。ニップ圧が5Kg/cm未満では平滑性の向上効果が少なく不適である。ニップ圧が60Kg/cmを超えると平滑性は充分確保できるが、嵩高性が減少して緊度が大きくなりすぎる場合があり、例えば緊度(密度)が1.05g/cmを超えるため不適である。なお、ソフトカレンダの弾性ロールのショアD硬度は80〜90度が好ましく、金属ロールの表面温度は、塗工紙の品質を損なわない限り特に制限はなく、通常用いられる範囲でよい。
また、ソフトカレンダ装置はオフマシンとしてもよく、オンマシンとしてもよいが、オンマシンとすると紙の生産効率が向上する点において好ましい。
本発明の更紙においては、パルプの種類はJISで定められているように、機械パルプの配合があれば、他のパルプの配合は特に限定しない。よって、更紙の範疇である限りあらゆるパルプ種類及びパルプ配合を採用することができ、例えば、全パルプの100%を、機械パルプが多く配合されている古紙パルプとしてもよく、全パルプの100%を機械パルプとしてもよい。また、機械パルプと古紙パルプとを適宜配合したパルプを用いても良い。木材資源保護や環境問題に対する配慮の観点からは、パルプの少なくとも一部に古紙パルプを用いるのが好ましい。更に好ましくは、機械パルプを全パルプの50重量%以上とし残余のパルプを古紙パルプとするのがよい。この場合、嵩高性が得られやすい機械パルプを主体としているから、緊度を低く抑えることができ、具体的には緊度を0.60g/m以下とするのが容易となる。また残余は古紙パルプであるから、木材資源保護や環境問題への配慮も達成される。
また、全パルプに対してプレッシャーライズドグランドウッドパルプ(PGW)が50重量%以上配合されているのが好ましい。前述したように、PGWは機械パルプであるから緊度を低くして嵩高としやすくなる。また、機械パルプとしては、PGW(プレッシャーライズドグランドウッドパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、GP(グランドウッドパルプ)、RGP(リファイナグランドパルプ)等があるが、これらのうちPGWは、高温でパルプ化するTMPと比し白色度が高く、高温加熱下でパルプ化されているからGPよりも強度が高い。したがって、PGWを50重量%以上用いることにより、嵩高として緊度を低くしながら、白色度と強度とを比較的良好に両立することができる。
スプレー装置は特に限定されず、一般の塗装などに用いられる公知のスプレー装置を用いることができ、例えば、塗料収容部と、エアコンプレッサやガスボンベ等の気体供給部と、前記塗料と前記気体とを混合して噴射する噴射ノズルと、を備えたものを用いることができる。また、気体を混合せず塗料のみを液圧だけで噴霧するスプレー装置でもよい。
なお、噴射ノズルの配置や個数などは、紙面に対してできるだけ均一にスプレー塗布がなされるように適宜調整される。例えば、紙面から噴射ノズルまでの距離を調整したり、複数の噴射ノズルを紙幅方向あるいは紙長手方向に並べて配置したり、噴射ノズルを紙幅方向に往復運動させたりといった手段を用いることができる。
スプレー装置から噴出されたミストの粒径は、150μm以下とするのが好ましい。粒径を150μm以下とするためには、適切な噴射ノズルを選択したり、澱粉スラリーの粘度、スプレーの圧力、スプレーの流量等を適切に調整したりすればよい。例えば、スプレーの圧力を高くしたり、澱粉スラリーの粘度を下げたりすれば、粒径を小さくすることができる。なお、澱粉粒子の粒径は、通常1μmから20μmである。
このように、ミストの粒径を小さくするには澱粉スラリーの粘度を比較的小さくするのが望ましいので、澱粉としては、未変性澱粉よりも比較的低粘度としやすい変性澱粉が好ましい。そして、より好ましくは、澱粉スラリーは、変性澱粉を熱水で加水溶解した固形分濃度が10〜15%の水溶液とするのがよい。澱粉スラリーの濃度を低くすることにより粘度を下げることができ、より微細なミストを得ることができる。
なお、ミストの粒径は、レーザー回析原理を用いた測定装置により測定することができる。また、ミストの粒径は所定範囲でばらつきがあるが、ここでの粒径とは、ザウタ平均径(全粒子の全表面積に対する全粒子の全体積と同じ表面積対体積率を有する粒径)とすることができる。
金属ロールを100〜250℃の範囲内の温度にまで加熱できるとともに当該金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能な加熱機構は、金属ロールの内部又は外部に設けても良く、更には、金属ロールの内部及び外部に設けても良い。
金属ロールの表面温度を加熱し且つ制御する手法としては、例えば、金属ロール内部に温水や油を循環させる手法の他、金属ロール内に設けられ電磁誘導によりロール自体を誘導発熱させる内部誘導加熱装置を用いることができる。この内部誘導加熱装置としては、金属ロールの外殻部分をなす円筒状のシェルと、該シェルと同軸で該ロールの内側に設けた非回転部としての鉄芯と、この鉄芯の周囲に巻回された誘導コイルとを備え、該誘導コイルに交流電流を流すことで磁束を発生させて、鉄芯を覆う円筒状のシェルを発熱させるものが例示される。この場合、誘導コイルをロールの幅方向(ロールの軸方向)に分割(例えば3〜6分割)するとともに、シェル側には、誘導コイルの各分割部分に対応した位置におけるシェル(金属ロール表面)の温度を測定できる温度センサを設け、各温度センサによる温度信号に基づき対応する誘導コイルに流す交流電流量を制御することで、金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能な内部加熱機構とすることができる。
また、金属ロールの外部に設けられ該金属ロールを加熱する加熱機構としては、金属ロールの外部から加熱された温風を吹き付ける温風装置や、電磁誘導作用により金属ロール自体を誘導発熱させる外部誘導加熱装置等が例示される。この場合、温風装置や外部誘導加熱装置を金属ロールの幅方向に分割して設けるとともに、金属ロール側には、各分割部分に対応した位置における金属ロール表面の温度を測定できる温度センサを設け、各温度センサによる温度信号に基づき対応する温風装置や外部誘導加熱装置を制御することで、金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能な外部加熱機構とすることができる。
また、過度の加熱による用紙の黄変化を防止する方策として採用が考えられる金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能なクーリング機構としては、金属ロールの外部に設けられ該金属ロールに冷風を吹き付けることのできる冷風装置を例示することができる。この冷風装置としては、通常の空調機等の原理と同様のもので、冷媒ガスとコンプレッサーとを併用した熱交換器を備えたものが例示される。この冷風装置の好ましい仕様としては、冷風温度が0℃〜25℃程度の範囲で調整でき、冷風速度が5〜60m/s程度の範囲で調整できるものがよい。そして例えば、それぞれ独立して制御可能な上記冷風装置をロール幅方向に複数台並列させ、各冷風装置の位置に対応して設けられた温度センサからの温度信号に基づき各冷風装置の冷風温度や冷風速度を制御することにより、金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能なクーリング機構とすることができる。
図1のソフトカレンダ装置10は、上述した内部誘導加熱装置及び外部誘導加熱装置を例示する。図1に示すように、各金属ロール1のそれぞれは、電磁誘導作用により金属ロール1自体を誘導発熱させることができる外部誘導加熱装置3を備えている。図2は、この外部誘導加熱装置3近傍の拡大図であり、ワークコイル4に交流電源(インバータ)5からの交流電源(たとえば3〜20kHzの高周波)を流して磁界(図2において矢印で示す)を発生させ、金属ロール1のシェル6の表面部に渦電流を生成させ自己発電させるものである。ワークコイル4におけるシェル6との対向面はシェル6の外周面に沿った曲面とされ、またシェル6とワークコイル4とは2〜20mm程度離間している。この離間距離は、好ましくは2〜5mmとするのがよい。上述したように、外部誘導加熱装置3をロール幅方向で分割して設けたり、あるいは外部誘導加熱装置3のワークコイル4をロール幅方向に分割した構成とすることにより、ロール幅方向における温度分布を制御することが可能となる。
またソフトカレンダ装置10の各金属ロール1の内部には、電磁誘導の作用により金属ロール1自体を自己発熱させるとともにロール幅方向における温度分布を制御可能な内部誘導加熱装置7が設けられている。この内部誘導加熱装置7は、金属ロール1の外殻を構成する円筒状のシェル6の内側に該シェル6と同軸で設けられた円筒状の鉄芯8と、この鉄芯8に巻き付けられた誘導コイル9とを備えている。誘導コイル9とシェル6との間には、回転部であるシェル6と非回転部である鉄芯8及び誘導コイル9とを区画する所定の隙間がある。誘導コイル9は、交流電源11に接続されており、誘導コイル9に交流電流を流すことによりシェル6が自己発熱する。シェル6の内部には、軸方向(シェル6の長手方向)に延びる通路であるジャケット路12が設けられており、このジャケット路12は、周方向の所定間隔おきに、例えば10本から90本程度設けられ、別途設けられた周方向に延びるジャケット路(図示しない)により相互に連通しているとともに、内部に熱媒体が封入されている。この軸方向のジャケット路12及び周方向のジャケット路(図示しない)により、シェル6の自己発熱による熱が吸収されるとともに、シェル6の温度分布を軸方向(ロール幅方向)及び周方向に均一化する役割を果たす。そして上述したように、誘導コイル9をロール幅方向で分割し(図示しない)、分割された各誘導コイル9を制御することにより、ロール幅方向における温度分布を制御することが可能となる。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す。以下の全実施例及び全比較例は、通常の製紙工程を経て製造されるが、以下に示す相違点を除き、全ての例の製造工程は共通である。また、澱粉スラリーの塗布はスプレー装置を用いた。
評価方法は以下の通りである。
(評価方法)
(1)絶乾坪量
JIS P 8209に基づき測定した。
(2)緊度
JIS P8209で調整し、JIS P8118で測定した。
(3)平滑度
JIS P8119に規定されるベック平滑度により測定した。
(4)印刷画質の評価
印刷画質は、インキ乾燥性と吸水着肉性から評価した。
〔インキ乾燥性〕RI印刷適性評価機(明製作所)を用い、オフセット枚葉印刷用墨インキ0.5ccを展色して印刷し、印刷60秒後に上質紙を印刷面に一定圧力で接着して上質紙へのインキ転移(セットオフ)状況を以下の基準(5点法)で評価した。
5:セットが非常に速く、オフセット枚葉印刷の高速印刷にも対応でき、スプレーパウダーの量を多くする必要がなく、裏移りの問題がないレベル。
4:セットが速く通常印刷ではスプレーパウダーの量を多くする必要がなく、裏移りの問題がないレベル。
3:標準レベル。
2:セットがやや遅く、スプレーパウダーを多くする必要があるが印刷条件の調整により、印刷可能なレベル。
1:セットが遅く、オフセット印刷としては使用不可能なレベル。
〔吸水着肉性〕RI印刷適性評価機(明製作所)を用い、オフセット枚葉印刷用墨インキ0.5ccを展色して印刷し、印刷60秒後に上質紙を印刷面に一定圧力で接着して上質紙へのインキ転移(セットオフ)状況を以下の基準で評価した。
5:オフセット枚葉印刷にては高速印刷および高精細印刷にまで耐えることができ、かつ湿し水が増えても吸水着肉性は極めて良好なレベル。
4:オフセット枚葉印刷にては高速印刷に対応でき、吸水着肉性も良好なレベル。
3:標準レベル。
2:吸水着肉性がやや劣るが、オフセット印刷にて湿し水の量、印刷スピードを制限すれば印刷可能なレベル。
1:吸水着肉性が劣り、オフセット印刷としては使用困難なレベル。
(5)表面強度
(a)ドライピック強度試験RI印刷適性評価機(明製作所製)を用い、タックインキ(東洋インキSMXタック15墨)の印刷にて紙むけ状態を目視にて判定し、10点法(10点を優、1点を劣)で評価した。
(b)ウェットピック強度試験RI印刷適性評価機(明製作所製)を用い、モルトンロールで試験片に水を塗布しタックインキ(東洋インキSMXタック15墨)の印刷にて紙むけ状態を目視にて判定し、10点法(10点を優、1点を劣)で評価した。
(6)ミスト(スプレー粒子)の粒径(前述のザウタ平均径)
レーザー回析原理による粒度分布測定は、豊田中央研究所R&Dレビュー(Vol.28 No.2)に記載の「レーザーを用いた噴霧粒径測定の現状と課題」に記載された、レーザー光回析法に準拠したレーザ回析噴霧構造解析装置(LDCT−2000 東日コンピュータアプリケーションズ株式会社製)にて測定した。
各実施例及び比較例の仕様及び評価結果を表1に示す。
Figure 2006138043
なお、表1における「ハ゜ルフ゜配合」とは、全パルプに対する各パルプの重量%を示す。また、表1の「澱粉塗布量」とは、澱粉スラリーの澱粉固形分換算量である。澱粉としては、酸化澱粉である王子コーンスターチ社製のエースAを用い、且つ紙面の片面のみをスプレー装置にて塗装し、澱粉が塗装された側の紙面について上記評価を行った。
実施例及び比較例で用いたソフトカレンダ装置は、図1に示すような、2ニップで且つ各金属ロール1の外部及び内部に前述した外部誘導加熱装置及び内部誘導加熱装置を備えたのものをオンマシンで用いたものであり、加熱温度は230℃とした。
比較例で用いたスーパーカレンダは、縦型フレームに10段のロールが組み込まれたものをオフマシンで用いた。通紙中における紙の加熱温度は50℃〜80℃の範囲であった。
比較例で平滑化処理を「無し」と記載しているものについては、ソフトカレンダやスーパーカレンダ等による平滑化処理を行わなかった。
表1に示すように、各実施例は、緊度が0.50〜0.60g/cmとなり、週刊誌、月刊誌、コミック誌などの用紙に適した嵩高性を備えた紙とされるとともに、かかる嵩高性を有しながら平滑度が100秒以上で印刷画質及び表面強度も高い紙となった。
本発明に用いられるソフトカレンダ装置の概略構成の一例を示す一部断面斜視図である。 図1のソフトカレンダ装置の、外部誘導加熱装置付近の拡大図である。
符号の説明
1 金属ロール
2 弾性ロール
3 外部誘導加熱装置(加熱機構)
7 内部誘導加熱装置(加熱機構)
10 ソフトカレンダ装置

Claims (5)

  1. 絶乾坪量40〜60g/mの更紙であって、少なくとも一の紙面に澱粉固形分換算量が2〜6g/mになるように澱粉スラリーをスプレー装置により塗布してなるとともに、金属ロールと弾性ロールとを備えたソフトカレンダ装置で平坦化処理されることにより、緊度が0.50〜0.60g/cmで且つ平滑度が100秒以上とされていることを特徴とする高平滑更紙。
  2. 前記澱粉スラリーは変性澱粉を熱水で加水溶解した固形分濃度が10%以上15%以下の水溶液であり、
    前記スプレー装置による塗布において、前記変性澱粉スラリーは、粒径が150μm以下のミストとされていることを特徴とする請求項1記載の高平滑更紙。
  3. 100〜250℃の範囲内の温度に加熱されるとともにロール幅方向における温度分布を制御可能な加熱機構で制御された前記金属ロールにより前記平坦化処理がなされたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の高平滑更紙。
  4. ロール幅方向における温度分布を制御可能なクーリング機構により制御された前記金属ロールにより前記平坦化処理がなされたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高平滑更紙。
  5. 全パルプに対してプレッシャーライズドグランドウッドパルプが50重量%以上配合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高平滑更紙。
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