JPH09291103A - 製紙用澱粉 - Google Patents

製紙用澱粉

Info

Publication number
JPH09291103A
JPH09291103A JP8105011A JP10501196A JPH09291103A JP H09291103 A JPH09291103 A JP H09291103A JP 8105011 A JP8105011 A JP 8105011A JP 10501196 A JP10501196 A JP 10501196A JP H09291103 A JPH09291103 A JP H09291103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
paper
cationic
yield
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8105011A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kubota
敏 窪田
Akitomo Terada
彰友 寺田
Yoshiteru Yamamoto
善照 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Kousan Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Kousan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Kousan Co Ltd filed Critical Sanwa Kousan Co Ltd
Priority to JP8105011A priority Critical patent/JPH09291103A/ja
Priority to EP97106824A priority patent/EP0803512B1/en
Priority to DE69711108T priority patent/DE69711108T2/de
Priority to US08/845,408 priority patent/US5883242A/en
Publication of JPH09291103A publication Critical patent/JPH09291103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H17/00Non-fibrous material added to the pulp, characterised by its constitution; Paper-impregnating material characterised by its constitution
    • D21H17/20Macromolecular organic compounds
    • D21H17/21Macromolecular organic compounds of natural origin; Derivatives thereof
    • D21H17/24Polysaccharides
    • D21H17/28Starch
    • D21H17/29Starch cationic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B31/00Preparation of derivatives of starch
    • C08B31/08Ethers
    • C08B31/12Ethers having alkyl or cycloalkyl radicals substituted by heteroatoms, e.g. hydroxyalkyl or carboxyalkyl starch
    • C08B31/125Ethers having alkyl or cycloalkyl radicals substituted by heteroatoms, e.g. hydroxyalkyl or carboxyalkyl starch having a substituent containing at least one nitrogen atom, e.g. cationic starch
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L3/00Compositions of starch, amylose or amylopectin or of their derivatives or degradation products
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H11/00Pulp or paper, comprising cellulose or lignocellulose fibres of natural origin only
    • D21H11/14Secondary fibres
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H21/00Non-fibrous material added to the pulp, characterised by its function, form or properties; Paper-impregnating or coating material, characterised by its function, form or properties
    • D21H21/14Non-fibrous material added to the pulp, characterised by its function, form or properties; Paper-impregnating or coating material, characterised by its function, form or properties characterised by function or properties in or on the paper
    • D21H21/18Reinforcing agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 澱粉をカチオン性高分子で処理することによ
り得られたカチオン化澱粉並びに当該カチオン化澱粉の
製造方法及び当該カチオン化澱粉を用いる板紙の抄紙方
法を提供する。 【解決手段】 本発明の方法、すなわち、澱粉をカチオ
ン性高分子で処理することにより得られたカチオン化澱
粉を使用して板紙を抄紙する方法の特徴は、従来より用
いられてきた澱粉に比較し、抄紙工程において澱粉の紙
層内への歩留の向上及び板紙強度の改善、さらに排水の
負荷を低減するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、澱粉をカチオン性
高分子の存在下に加熱処理することにより得られるカチ
オン性澱粉を板紙の抄紙時に澱粉スラリーとして添加す
ることにより、従来から使用されてきた澱粉に比較し、
紙層内への歩留並びに紙強度を飛躍的に向上し、更に抄
紙機の排水の負荷を低減する澱粉に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、板紙の原料パルプ、特に、リサイ
クル故紙の品質劣化に原因する板紙強度の低下を防止す
るために、多量のポリアクリルアマイド(PAMと略
記)が添加されている。PAMの添加は、紙強度の改善
には効果を示すが、その反面、原紙の柔軟性と吸水性を
低下させる。特に、段ボール原紙の場合、段ボ−ルの貼
合工程では中芯原紙とライナーの接着不良や中芯原紙の
段繰り時の動力負荷の増加の原因と成っている。柔軟性
と適度の吸水性を備え、引張強度、圧縮強度、破裂強度
に優れ、その上、良好な貼合適性を持つ板紙に対する要
求が増大し、澱粉に対し大きな期待が集まっている。し
かし、一方では、抄紙の高速化、更にはツインワイヤー
のような紙層両面への脱水による澱粉の歩留を低下する
ような抄紙機の登場などが、問題の解決を一層困難にし
ている。このような動向を反映し、従来から使用されて
きたPAMの改良や新規な紙強度改善に効果のある澱粉
開発に対する要望が高まっている。
【0003】紙質改良剤として澱粉を抄紙工程で使用す
る場合、大きくわけて二つの方法がある。第一の方法は
内添と呼ばれ、澱粉をあらかじめパルプ・スラリー内に
添加した後、抄紙機ワイヤー上に流し、抄紙をする方法
である。第二は、抄紙機ワイヤー上に流れ出た湿紙の上
に澱粉粒子のスラリーをスプレーする方法である。更に
第一の方法には、澱粉をスラリーとして内添する方法と
澱粉を糊化した後、糊液を内添する方法とがある。
【0004】澱粉糊液を内添する方法では、未処理澱粉
あるいはリン酸澱粉のような中性もしくはマイナス電荷
の澱粉は、パルプのマイナス電荷との間に吸引力が働か
ず良好な歩留まりは期待できない。他方、従来のカチオ
ン性澱粉は、パルプ当りの添加量が、1%以下と低い場
合には、パルプとの間に吸引力が働き、良好な紙層内へ
の歩留を示すが、添加量が数%以上になると紙層内への
定着率は低下し、白水中へ抜けた澱粉により排水負荷が
上昇する。また、未糊化の澱粉粒子をスラリー状態でパ
ルプ・スラリー中に内添する方法においても、通常の澱
粉を用いる場合、歩留は50%以下と低い。更に、澱粉粒
子をスラリーとしてワイヤー上の湿紙にスプレーし、紙
層表面および層内に定着させる方法においては、紙層の
一方向に脱水する長網、短網及び多層抄合抄紙機などで
は歩留に問題はないが、紙層両面から脱水するツインワ
イヤー抄紙機では、澱粉粒子は紙層内から抜けだし、歩
留は低下する。この為、歩留の改良された澱粉の開発が
待たれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常の澱粉は、数ミク
ロンから百数十ミクロン程度の大きさの粒子から成り、
冷水には溶解せず、澱粉粒子が水に懸濁したスラリーの
状態となっている。しかし、このスラリーを加熱すると
温度の上昇につれ粒子は水を吸収し膨潤をはじめる。更
に加熱を続けると、90℃前後で粒子は崩壊し、澱粉分子
は水中に分子分散し、いわゆる糊液を形成する。澱粉特
有の粘着力あるいは接着力は分子分散した澱粉に依存し
ている。
【0006】紙・板紙の抄紙工程において、水中に懸濁
した原料パルプは抄紙機のワイヤー上で脱水され、ゆる
くパルプが結合した状態の湿紙を形成する。更に、プレ
ス及び乾燥工程において水分が除去されるに従いパルプ
間の結合は強固になり紙層が完成する。しかし、通常
は、澱粉分子が分子分散した澱粉糊液あるいはPAMを
添加し、パルプ間の結合を補強することにより強度の向
上を計っている。
【0007】電気的に中性の天然澱粉あるいはマイナス
に帯電したリン酸澱粉の糊液を内添した場合、パルプも
マイナスに帯電されているため澱粉分子とパルプ間の結
合は比較的弱く、糊液中に分散した澱粉の大部分は、抄
紙機ワイヤー上で脱水された白水と共に紙層内から除去
される。その結果、紙層内への歩留は低く、ほとんど板
紙強度の向上に寄与しない。更に、白水中に流れ出た澱
粉は排水処理を困難にする。
【0008】カチオン性澱粉の糊液を内添し、対パルプ
当りの添加量が低い場合、澱粉分子とマイナスに帯電し
たパルプとの静電引力による結合は強く、歩留は飛躍的
に向上する。しかし、添加したカチオン性澱粉の帯電量
が、パルプのマイナス帯電量を上回る場合には、歩留は
低下する。従って、洋紙におけるカチオン性澱粉の添加
量のように、対パルプ当り1%以下と少量の場合には良
好な歩留を達成することができるが、板紙の強度改善を
目的にした場合のように1%以上、場合により10%程度
の水準で澱粉を添加する場合には、その歩留は極端に低
下する。
【0009】澱粉粒子の水懸濁液をパルプスラリー中に
内添し、抄紙機ワイヤー上での脱水時に、湿紙内に物理
的に捕捉させ、加熱乾燥工程において糊化した澱粉が接
着力を発揮する方法も知られているが、通常の天然澱粉
あるいはマイナス帯電澱粉を使用する場合には、糊液内
添よりも歩留は向上するが、依然としてその歩留は50%
以下の低い値を示す。また、カチオン性澱粉を使用する
場合においても、糊液内添と異なり、プラス帯電の効果
は現れず、歩留は50%以下と不十分なものである。
【0010】澱粉をパルプスラリーに内添し、パルプ間
の結合を補強することにより強度の向上を計る方法とは
別に、抄紙機ワイヤー上で、湿紙の表面に澱粉粒子のス
ラリーをスプレーし、紙層内に澱粉を留め、板紙強度を
改良する方法においては、脱水が一方向の長網、短網及
び多層抄合抄紙機の場合には良好な歩留を与えるが、紙
層表面付近での澱粉粒子密度が高くなり、紙層内での均
一な分布を与えることが難しい。紙層内での均一分布を
目指してスプレー位置を紙層形成が不十分な上流に移動
すると、目標の達成には近づくが、白水中への抜けが増
加し歩留が低下する。更に、湿紙両面のワイヤーを通し
て両方向に脱水するツインワイヤーでは、歩留は大幅に
低下する。
【0011】PAMの内添により紙強度は向上するが、
抄紙工程でのろ水性の低下や毛布の汚れ、加えて例えば
段ボール原紙のような場合には、紙の吸水性の低下によ
る段ボ−ル製造時の接着不良や紙の柔軟性の低下による
段繰り時の動力負荷の増加などの問題が生じ、その添加
量には制限があり、現状以上の増加には問題がある。こ
のような状況から、抄紙工程において歩留の向上した澱
粉の開発は重要な課題と成っているが満足するものがな
い。歩留が良好で、紙力増強性能に優れ、その上、工業
生産が容易な澱粉の開発が待たれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】洋紙の優れた紙力増強剤
であるカチオン性澱粉の代表的なものとして、澱粉の構
成単位であるグルコ−スの水酸基にカチオン性基である
2-ジエチルアミノエチルクロリドを導入した第3アミン
タイプと2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロリドを用いた4級アンモニウム塩タイプとが知られ
ている。しかし、板紙の紙力増強剤として糊液または未
糊化粒子を、対パルプ当り数%程度内添または湿紙上に
スプレーした場合には、カチオン性澱粉の効果はほとん
ど発揮されない。
【0013】本発明者らは、澱粉をカチオン性高分子の
存在下に加熱処理することにより得られたものを澱粉の
スラリー状態で内添もしくはワイヤー上でスプレーする
ことにより効率よく澱粉を紙層内に定着し、紙の強度を
改善することに成功した。
【0014】2-ジエチルアミノエチルクロリドを導入し
た第3アミンタイプと2,3-エポキシプロピルトリメチル
アンモニウムクロリドを用いた4級アンモニウム塩タイ
プなどの低分子カチオン化剤が澱粉と反応しカチオン性
澱粉を与えることはよく知られている。すなわち、澱粉
を構成するグルコ−スの水酸基と高い反応性を持つアル
キルクロリド基やエポキシ基をもつ化合物は、湿式及び
乾式反応において澱粉と結合することは容易に推測でき
る。しかし、水酸基と高い反応性のある基を持たないカ
チオン性高分子を澱粉と乾式で加熱処理することにより
カチオン性澱粉を製造することができることは容易に予
想し得ないことであった。更に、得られた処理澱粉をス
ラリーの状態で内添もしくはワイヤー上でスプレーする
ことにより、通常の市販カチオン澱粉に比較し、画期的
に効率よく澱粉を紙層内に定着し、紙の強度改善に成功
したのは驚くべきことである。
【0015】澱粉をカチオン性高分子の存在下に、乾式
で、温度60〜200℃、時間10分〜5時間、加熱処理する
ことにより得られたカチオン性澱粉の分子構造に関して
は明らかでない。しかし、本発明のカチオン性澱粉のみ
が高い歩留を示すという事実並びに澱粉とカチオン性高
分子を60℃以下の温度で加熱した澱粉の水懸濁液を添加
したのでは効果がない事実、更に従来のカチオン澱粉や
単に澱粉とカチオン性高分子を混合しただけのもので
は、澱粉粒子のまま水に分散したスラリーにリン酸澱粉
のようなアニオン性の澱粉を加えると、ほとんど凝集し
ないのに比べて、本発明の澱粉のみが凝集して大きなフ
ロックを形成し速やかに沈降するという事実から見て、
澱粉とカチオン性高分子との間に何らかの相互作用が生
じ、効果を発揮していることは間違いがない。
【0016】澱粉をカチオン性高分子の存在下に加熱処
理する方法は、両者を混合後、通常の焙焼装置を用いて
加熱し、そのまま製品とすることができ、濾過、洗浄、
排水処理工程を必要とせず効率的かつ経済的である
【0017】本発明者らは、板紙抄紙工程において、歩
留に優れた澱粉を開発しようとして鋭意研究努力の結
果、澱粉をカチオン性高分子の存在下に加熱処理するこ
とにより、歩留に優れ紙強度を画期的に改善する澱粉が
効率よく得られることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0018】本発明で使用する澱粉の種類に制限はない
が、トウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、タピオカ、小麦、米
などの澱粉またはこれらをエーテル化、エステル化、酸
化、酸分解、酵素分解等の手段により加工した澱粉、ま
たはフラワ−の1種または2種以上の組合せが挙げられ
る。
【0019】カチオン性高分子のカチオン基の種類とし
ては、特に制限はないが、好ましくは第3級アミン基あ
るいは第4級アンモニウム塩基である。カチオン性高分
子の種類としては、以下のものが例示されるが、特にこ
れらに限定されるものではない。重合系高分子として
は、ポリアミノアルキル(メタ)アクリレ−ト、ポリビ
ニルピリジニウムハライド、ポリジアリルアンモニウム
ハライドなど、高分子反応系では、ポリアミノメチルア
クリルアミド、ポリビニルイミダゾリン、キトサンな
ど、及び縮合系では、アイオネン系、エポキシアミン系
などが上げられ、その一種または二種以上の組合せが適
宜使用される。これらの高分子は、中性、アニオン性、
若しくは他のカチオン性官能基を含んでいてもよいが、
全体としてカチオン性を示さねば意味がなく、パルプへ
の結合力が強く、歩留まりを高め、紙力を増強するもの
でなければならない。分子量は数千から数百万程度が好
ましい。
【0020】本発明の方法を実施するに当たっては、加
熱処理は、通常の方法を用いることができ、特に限定さ
れるものではないが、乾式法、即ち、粉末澱粉にカチオ
ン性高分子を添加混合した後、水分を30%以下に調整
し、所定時間、所定温度で静置または混合下に加熱処理
する方法が好ましい。
【0021】澱粉に対するカチオン性高分子の配合量
は、通常、澱粉100部に対し0.1部以上7部までの範囲か
ら選択される。カチオン性高分子の添加量が0.1部より
低い場合には歩留が低下する。また7部を越えると歩留
上昇率からみて経済的ではない。
【0022】処理温度は、通常、60〜200℃、好ましく
は70〜150℃である。60℃より低温では反応速度が遅
く、工業的製造法として非効率的であり、また200℃以
上になると、澱粉分子の分解・転移・再会合が起こり、
分枝度の高い低分子化デキストリンが生成し、澱粉の溶
解性が増大し好ましくない。
【0023】処理時間の選定は、処理温度の選定と同様
に、他の処理条件に依存するが、処理温度が高い条件で
は短く、低い条件では長くするのが好ましい。具体的に
は、10分〜5時間、好ましくは30分〜3時間である。処
理時間が短いと反応率が低く、長過ぎると着色及び溶解
性の増加が起こる。
【0024】本発明の澱粉は、スラリーとしての内添に
おいて、コーンスターチ、リン酸澱粉、通常の市販カチ
オン性澱粉が50%以下の低い歩留を示す条件下でも、90
%以上の良好な歩留を示す。得られた板紙は圧縮強度、
引張強度、破裂強度などが上昇し、吸水性や柔軟性に優
れている。中芯原紙やライナーの場合には、段ボ−ル製
造工程で優れた貼合適性を示し、得られた段ボ−ルの強
度も良好である。
【0025】本発明の澱粉を内添する位置は、通常の添
加剤を添加する位置のいずれでもよいが、マシンチェス
トやヘッドボックス等が通常使用される。
【0026】本発明の澱粉は、必要に応じて他種澱粉、
PAMなどの紙力増強剤、填料(クレ−、炭酸カルシウ
ムなど)、サイズ剤などと併用することができる。本発
明の澱粉粒子を内添することによりPAMの添加を中止
または低下し、PAMの添加により低下していた板紙の
吸水性と柔軟性を改良することができる。
【0027】本発明の澱粉粒子は、通常の板紙用抄紙機
のいずれにおいても使用できる。抄紙機としては、長
網、短網、丸網あるいはツインワイヤー抄紙機などが例
示される。特に、ワイヤー上でのスプレーの場合に、長
網、短網あるいは丸網抄紙機は澱粉の種類にかかわらず
良好な歩留を示すが、ツインワイヤー抄紙機はコーンス
ターチ、リン酸澱粉、通常の市販カチオン性澱粉では50
%以下の低い歩留を示す。しかし、本発明の澱粉は湿紙
の両面から脱水する過酷な条件でも優れた歩留を示す。
【0028】本発明の澱粉を適応できる板紙の種類とし
ては、段ボ−ル原紙(中芯原紙、ライナー)、白板(マ
ニラボ−ル、白ボ−ル)、紙管原紙、建材原紙、などが
上げられるがこれらに限定されるものではない。特に、
一層抄のライナー、中芯原紙の破裂強度、圧縮強度、吸
水性、柔軟性の向上と多層抄合板紙のライナー、中芯原
紙の圧縮強度、引張強度、破裂強度、吸水性及び接着性
能を大幅に向上することができる。
【0029】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例にのみ制限されるものでは
ない。
【0030】(澱粉の作成)澱粉A : コーンスターチ1000gに対し、ポリジア
リルジメチルアンモニウムクロリド(インヘレント粘
度:1.5)25gを5%水溶液として添加混合し、温
度125℃、120分間乾式にて焙焼した。水分10%
に調湿後、澱粉A1000gを得た。澱粉B :ポリトリメチルアミノエチルメタアクリレ−ト
(インヘレント粘度:4.0)20gを用いるほかは実
施例1と同様にして澱粉B994gを得た。澱粉C :キトサン(分子量30万)5gを用い、155
℃、30分間乾式にて焙焼するほかは、実施例1と同様
にして澱粉C978gを得た。澱粉D :コーンスターチ1000gに対し、ポリジアリ
ルジメチルアンモニウムクロリド(インヘレント粘度:
1.5)25gを5%水溶液として添加混合し、温度5
0℃で60分間加熱処理し、澱粉D1000gを得た。
【0031】(実施例1〜3)実験室用角型抄紙機(サ
イズ:25×25cm)を用い、パルプスラリー(ろ水
度:CSF;550ml)を抄紙濃度0.2%、pH
6.9、坪量200g/m2になるように調製した後、上記
のように得られた澱粉A〜Cをスラリーの状態で、それ
ぞれ単独で、対パルプ当り5%内添し、抄紙した。水分
60%までプレス脱水後、85℃で60秒間、更に10
5℃で120秒間乾燥した。澱粉の歩留は、得られた紙
からα−アミラーゼで澱粉を液化抽出し、フェノール硫
酸法にて澱粉含有量を測定し、内添した澱粉に対する紙
層内への歩留率を計算した。結果は、上記のように得ら
れた澱粉A、B、Cを含む、それぞれ実施例1、2、3
として表1に示した。いずれも歩留は90%以上、比圧
縮強度は17.5kgf以上と良好な値を示した。
【表1】
【0032】(実施例4)上記のように得られたカチオ
ン性澱粉Aをスラリーの状態で対パルプ当り5%とPA
Mを0.2%内添し,pH5.8で、パルプとして段ボ
−ル故紙を使用し、ツインワイヤー抄紙機で抄紙し、坪
量200g/m2の中芯原紙を得た。澱粉の歩留:96
%、比圧縮強度:19.4kgf(表2)であった。
【0033】(実施例5)上記のように得られたカチオ
ン性澱粉Bをスラリーの状態で対パルプ当り5%ツイン
ワイヤー抄紙機のワイヤー上にスプレーし、更にPAM
を0.5%内添抄紙したほかは実施例4と同様に処理し
た結果、坪量180g/m2の中芯原紙を得た。澱粉の歩
留:80%、比圧縮強度:18.1kgf(表2)と良
好な値を与えた。
【表2】
【0034】(比較例1〜7)澱粉無添加(比較例
1)、澱粉D(比較例2)、コーンスターチ(比較例
3)、リン酸澱粉(比較例4)あるいはカチオン性澱粉
(比較例5)をスラリーの状態で添加し、実施例1〜3
と同様の方法において抄紙した紙を比較例1〜5とし、
またカチオン性澱粉を糊化後、糊液として濃度を変えて
添加した結果を比較例6および7として表1に示した。
ここで使用したリン酸澱粉の置換度は0.03(グルコ
−ス100個当り3個のリン酸基)であり、又カチオン
性澱粉は、4級アンモニウムタイプの置換度0.05
で、共にコーンスターチ原料のものを使用した。カチオ
ン性澱粉を糊液として0.5%添加した比較例7の歩留
を除き、いずれの結果も不満足なものであった。
【0035】(比較例8〜11)澱粉とPAM無添加
(比較例8)、PAM単独(比較例9)、コーンスター
チ(比較例10)、あるいはカチオン性澱粉(比較例1
1)をスラリーの状態で添加して、表2に示したような
条件で抄紙したほかは、実施例5と同様に処理した結果
を比較例8〜11として表2に示した。PAMを1.6
%添加した比較例9の比圧縮強度を除き、劣った値を与
えた。
【0036】
【発明の効果】本発明のカチオン性高分子で処理された
澱粉粒子は、抄紙工程で内添またはスプレーにより添加
された際に、従来から使用されてきた澱粉に比較して、
高い歩留を与え、板紙の強度を大幅に向上させることが
できる。
【0037】板紙の強度改善に用いる澱粉の改良研究に
は、永い歴史がある。しかし、カチオン性高分子で処理
することによりスラリー添加で紙層内に高歩留で定着
し、紙強度を改善したのは本発明者らが初めてである。
本発明の方法は、板紙の強度改善に用いる澱粉の工業的
製造方法、当該製造方法により得られた澱粉並びに当該
澱粉を用いる抄紙方法である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉を、澱粉100重量部に対して0.1〜7
    重量部のカチオン性高分子の存在下に、乾式で、温度60
    〜200℃で、10分〜5時間、加熱処理することによるカ
    チオン性澱粉の製造方法。
  2. 【請求項2】 澱粉をカチオン性高分子の存在下に、乾
    式で、温度60〜200℃で、10分〜5時間、加熱処理する
    請求項1記載の方法により製造されるカチオン性澱粉。
  3. 【請求項3】 請求項2のカチオン性澱粉をスラリー状
    態で添加する板紙の抄紙方法。
JP8105011A 1996-04-25 1996-04-25 製紙用澱粉 Pending JPH09291103A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8105011A JPH09291103A (ja) 1996-04-25 1996-04-25 製紙用澱粉
EP97106824A EP0803512B1 (en) 1996-04-25 1997-04-24 A starch for paper making
DE69711108T DE69711108T2 (de) 1996-04-25 1997-04-24 Stärke für Papierherstellung
US08/845,408 US5883242A (en) 1996-04-25 1997-04-25 Starch for paper making

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8105011A JPH09291103A (ja) 1996-04-25 1996-04-25 製紙用澱粉

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09291103A true JPH09291103A (ja) 1997-11-11

Family

ID=14396137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8105011A Pending JPH09291103A (ja) 1996-04-25 1996-04-25 製紙用澱粉

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5883242A (ja)
EP (1) EP0803512B1 (ja)
JP (1) JPH09291103A (ja)
DE (1) DE69711108T2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006138043A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Daio Paper Corp 高平滑更紙
JP2009114572A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Daio Paper Corp 段ボール用の中芯原紙
WO2017094514A1 (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置、シート製造装置の制御方法、シート製造方法
JP2021088787A (ja) * 2019-12-05 2021-06-10 日本製紙株式会社 飲食品用多層紙

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19701524A1 (de) * 1997-01-17 1998-07-23 Basf Ag Polymermodifizierte Stärke, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
DE19829757A1 (de) * 1998-07-03 2000-01-05 Stockhausen Chem Fab Gmbh Wässrige Klebemitteldispersionen und deren Verwendung zur Herstellung von mehrlagigen Papieren
DE19832241A1 (de) * 1998-07-17 2000-01-27 Stockhausen Chem Fab Gmbh Verwendung von modifizierten Stärkeprodukten als Retentionsmittel bei der Papierherstellung
MXPA02003881A (es) * 1999-10-19 2002-10-23 Weyerhaeuser Co Polisacaridos modificados cationicamente.
EP1492923B1 (en) * 2002-04-09 2008-05-28 FPInnovations Swollen starch-latex compositions for use in papermaking
DE10340486A1 (de) * 2003-09-03 2005-03-31 Voith Paper Patent Gmbh Verfahren zum Aufbringen eines stärkehaltigen Auftragsmediums auf eine Faserstoffbahn
EP1889972A1 (en) * 2006-06-26 2008-02-20 Biltube India Limited Core board
DE102006042791A1 (de) * 2006-09-08 2008-03-27 Emsland-Stärke GmbH Stärke-Chitosan-Mischung, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
US20230002974A1 (en) * 2021-07-02 2023-01-05 Knauf Gips Kg Compositions and methods for making paper using uncooked starch for gypsum panels

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3674725A (en) * 1970-12-18 1972-07-04 Nalco Chemical Co Cationization of starch for filler retention utilizing a cationic polyepihalohydrin-tertiary amine polymer
US4066673A (en) * 1974-02-25 1978-01-03 Westvaco Corporation Process for making quaternary amines of epichlorohydrin
US4146515A (en) * 1977-09-12 1979-03-27 Nalco Chemical Company Making a lightly oxidized starch additive by adding a cationic polymer to starch slurry prior to heating the slurry
JPS55125101A (en) * 1979-03-22 1980-09-26 Nichiden Kagaku Kk Preparation of graft-modified starch
JPS57117697A (en) * 1981-01-09 1982-07-22 Nippon Synthetic Chem Ind Paper treatment
US4464528A (en) * 1982-12-16 1984-08-07 The Dow Chemical Company Process for making cationic starch
JPS59199900A (ja) * 1983-04-18 1984-11-13 三菱製紙株式会社 中性紙
EP0542236A1 (en) * 1991-11-12 1993-05-19 National Starch and Chemical Investment Holding Corporation Process for manufacture of cationic starch derivatives using concentrated alkali
JPH0657693A (ja) * 1992-08-04 1994-03-01 Mitsubishi Paper Mills Ltd オフセット輪転印刷用塗工紙
JPH06184992A (ja) * 1992-12-21 1994-07-05 Mitsubishi Paper Mills Ltd 印刷用塗被紙
JPH0873502A (ja) * 1994-08-31 1996-03-19 Daiwa Kagaku Kogyo Kk カチオン化変性澱粉の製造方法
JP3069884B2 (ja) * 1995-01-24 2000-07-24 日本コーンスターチ株式会社 製紙用カチオン化澱粉・糊液及びそれらの製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006138043A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Daio Paper Corp 高平滑更紙
JP2009114572A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Daio Paper Corp 段ボール用の中芯原紙
WO2017094514A1 (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置、シート製造装置の制御方法、シート製造方法
JPWO2017094514A1 (ja) * 2015-11-30 2018-08-09 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置、シート製造装置の制御方法、シート製造方法
US10858783B2 (en) 2015-11-30 2020-12-08 Seiko Epson Corporation Sheet manufacturing apparatus, control method of sheet manufacturing apparatus, and sheet manufacturing method
US11566375B2 (en) 2015-11-30 2023-01-31 Seiko Epson Corporation Sheet manufacturing method
JP2021088787A (ja) * 2019-12-05 2021-06-10 日本製紙株式会社 飲食品用多層紙

Also Published As

Publication number Publication date
EP0803512A3 (en) 1998-03-18
DE69711108T2 (de) 2002-11-07
EP0803512A2 (en) 1997-10-29
EP0803512B1 (en) 2002-03-20
DE69711108D1 (de) 2002-04-25
US5883242A (en) 1999-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09291103A (ja) 製紙用澱粉
JP2788298B2 (ja) 抄紙方法
JP2002513103A (ja) 紙の生産方法
WO1997046591A1 (en) Cross-linked cationic starches and their use in papermaking
CN111560790B (zh) 一种瓦楞原纸抗水防潮方法
JP4875940B2 (ja) デンプン系紙力増強剤およびそれを用いた抄紙方法
JP2008202173A (ja) 澱粉系紙力増強剤およびそれを用いた抄紙方法
JP2525602B2 (ja) 製紙方法
EP1167434B1 (en) Starch composition and the use thereof
JP3578932B2 (ja) 自己定着性澱粉、その製法、その組成物および製紙方法
JPH10501590A (ja) 紙の製造方法
KR101625408B1 (ko) 저점도 변성전분 제조방법, 그에 의해 제조된 저점도 변성전분, 그 변성전분을 포함하는 종이 표면 사이징용 조성물 및 그 조성물로 표면 처리된 종이
JP3127652B2 (ja) 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
JP7055960B2 (ja) 変性澱粉、その製造方法、それを含む接着剤組成物、及び前記接着剤組成物を用いて製造された多層紙
KR101351240B1 (ko) 고고형분 표면사이즈액 제조 기술
JP2007063682A (ja) 抄き合わせ紙の製造方法
CA2461505A1 (en) Coating compositions
JP2002520510A (ja) 改質スターチ製品の、紙製造への保持剤としての使用
JP3944803B2 (ja) 抄き合わせ紙用添加剤および抄き合わせ紙の製造方法
KR101251596B1 (ko) 양쪽성 전분 및 그 제조 방법
JPH06173193A (ja) 製紙方法
JP2001115121A (ja) 層間接着剤およびそれを用いた抄紙方法
JP3608650B2 (ja) 両性澱粉、その製造方法および紙または板紙の製造方法
JP2005232604A (ja) 嵩低減抑制剤、製紙方法、および紙
KR20210037166A (ko) 폐수 발생을 저감시킨 저점도 변성 전분 제조방법 및 이에 의하여 제조된 변성 전분

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061208

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070410