JP3127652B2 - 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法 - Google Patents

陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法

Info

Publication number
JP3127652B2
JP3127652B2 JP05028432A JP2843293A JP3127652B2 JP 3127652 B2 JP3127652 B2 JP 3127652B2 JP 05028432 A JP05028432 A JP 05028432A JP 2843293 A JP2843293 A JP 2843293A JP 3127652 B2 JP3127652 B2 JP 3127652B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
reaction
polyamide polyamine
polyamine
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP05028432A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06220189A (ja
Inventor
浩二 川口
瀏 岩井
泰男 小林
Original Assignee
日本ピー・エム・シー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本ピー・エム・シー株式会社 filed Critical 日本ピー・エム・シー株式会社
Priority to JP05028432A priority Critical patent/JP3127652B2/ja
Publication of JPH06220189A publication Critical patent/JPH06220189A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3127652B2 publication Critical patent/JP3127652B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙の湿潤紙力増強剤とし
て有用であり、しかも、固形分が高いにもかかわらず、
保存安定性に優れ、かつ、低分子有機ハロゲン化合物、
例えば、1,3−ジクロル−2−プロパノール、3−ク
ロル−1,2−プロパンジオールなど(以下、これらを
AOX(dsorbable rganic
logen)と記す。)の含有量が少ない陽イオン性熱
硬化性樹脂水溶液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙の湿潤紙力増強剤として、ポリアミド
ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂が有用であること
は、例えば、特公昭35−3547号に記載されてお
り、公知である。近年、かかるポリアミドポリアミン−
エピクロルヒドリン樹脂に対する要求が高度になり、固
形分が高いにもかかわらず保存安定性に優れ、さらに、
環境保護の気運の上昇などにより、上記のAOXの含有
量が少ないポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン
樹脂の製造に関する技術が求められている。
【0003】固形分が高いにもかかわらず保存安定性に
優れたポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂
の製造については、特公昭63−46092号に開示さ
れてはいるが、上記のAOXの含有量が多い。また、上
記のAOXの含有量が少ない樹脂の製造に関して、固形
分を低く抑えることによって、樹脂水溶液の保存安定性
を維持することは、特開平2−170825号、US5
019606号、US4975499号に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、固形分が高い上に保存安定性も優れてい
るという性質と上記のAOXの含有量が少ないという性
質をあわせ持つ湿潤紙力増強剤用の陽イオン性熱硬化性
樹脂水溶液を工業的に提供し得る製造法は実現出来てい
ない。本発明はそのような製造方法を提供することを課
題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記公知
方法により製造される樹脂の欠点について鋭意検討を重
ねた結果、1,3−ジクロル−2−プロパノールや3−
クロル−1,2−プロパンジオールに代表されるAOX
の含有量を減らすには、これらの化合物に存在する塩素
基を反応により塩素を含まない基に変換すれば良く、こ
の反応には塩基性物質を包含する求核性物質が適してい
るが、とりわけ硫黄原子を含有する物質が優れているこ
とを見出した。すなわち、ポリアミドポリアミン−エピ
クロルヒドリン樹脂を製造する反応条件を特定化するこ
とにより、湿潤紙力増強効果に優れ、かつ、固形分が高
いにもかかわらず、保存安定性が良く、さらに上記のA
OXの含有量が少ない樹脂を製造する方法を見出し本発
明を完成するに到った。
【0006】すなわち、本発明は脂肪族二塩基性カルボ
ン酸および/またはその誘導体とポリアルキレンポリア
ミンとを加熱縮合させてポリアミドポリアミンを合成
し、ついで該ポリアミドポリアミンを水溶液中でエピハ
ロヒドリンと反応させて、陽イオン性熱硬化性樹脂水溶
液を製造する方法において、(i)脂肪族二塩基性カル
ボン酸および/またはその誘導体とポリアルキレンポリ
アミンとをモル比1:0.9〜1.2で、生成するポリ
アミドポリアミンの25℃における50%水溶液の粘度
が300〜900cpsになる様に加熱縮合させ、(i
i)ついで、該ポリアミドポリアミンとその第2級アミ
ノ基に対し0.85〜1.25当量のエピハロヒドリン
をポリアミドポリアミンの濃度が30〜60%の水溶液
中で、反応温度20〜40℃で反応させ(1次保温)、
(iii )硫黄原子を含む求核性物質を加えて反応を継続
した後、(iv)ハロゲンを含まない酸および水を加えて
反応濃度を20〜50%に低下させた状態で反応温度を
55〜70℃に保ち(2次保温)、反応生成物の25%
水溶液における粘度が25℃にて80〜300cpsと
なる様に反応させ、(V)得られた反応生成物水溶液の
25℃におけるpHを2.0〜3.5となる様に調整
し、固形分が20〜40%であることを特徴とする、陽
イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法を提供するもの
である。
【0007】本発明に使用される脂肪族二塩基性カルボ
ン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸などが挙げられるが、工業的にはアジピン酸が好
ましい。また、脂肪族二塩基性カルボン酸誘導体として
は、上記各酸の酸無水物、あるいは、上記各酸の低級ア
ルコール(メチル、エチル、プロピル)エステルが挙げ
られるが、工業的にはグルタル酸メチルエステル、アジ
ピン酸メチルエステルが好ましい。ポリアルキレンポリ
アミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプ
ロピルアミンなどが挙げられるが、工業的には、ジエチ
レントリアミンが好ましい。
【0008】脂肪族二塩基性カルボン酸および/または
その誘導体とポリアルキレンポリアミンとの反応モル比
は、1:0.9〜1.2の範囲が好ましい。ポリアルキ
レンポリアミンのモル比が1.2よりも大きいとポリア
ミドポリアミンの重合度が高くならず、エピハロヒドリ
ンとの反応の際、所定の粘度まで到達するまでに長時間
を要するばかりでなく、最終製品の湿潤紙力増強効果が
不十分である。また、ポリアルキレンポリアミンのモル
比が0.9よりも小さいと、ポリアミドポリアミンがゲ
ル化したり、或いは、最終製品の保存安定性が悪くな
り、高固形分である最終製品を得ることは出来ない。
【0009】ポリアルキレンポリアミンと脂肪族二塩基
性カルボン酸および/またはその誘導体との反応は、原
料仕込み時に発生する反応熱を利用するか、外部より加
熱して脱水および/または脱アルコール反応(エステル
誘導体の場合には)を行いながら昇温して反応を行う。
反応温度は110〜250℃、好ましくは120〜18
0℃であるが、好ましい温度条件は出発原料が脂肪族二
塩基性カルボン酸か、または、その誘導体かに依存す
る。この際、重縮合反応の触媒として、硫酸、ベンゼン
スルホン酸、パラトルエンスルホン酸などのスルホン酸
類、あるいは、通常重縮合反応に用いられる触媒を使用
しても良い。その使用量はポリアルキレンポリアミン1
モルに対し0.005〜0.1モル、好ましくは0.0
1〜0.05モルである。
【0010】この縮合反応は、生成するポリアミドポリ
アミンの25℃における50%水溶液の粘度が300〜
900cpsとなるまで続けられる。生成したポリアミ
ドポリアミンの50%水溶液における粘度が300cp
s以下であると、最終製品の湿潤紙力増強効果が不十分
である。一方、その粘度が900cps以上であると、
最終製品の湿潤紙力増強効果は優れ、また、濾水性向上
剤あるいは歩留り向上剤としての有用性は大きいもの
の、最終製品の保存安定性が著しく悪化し、早期にゲル
化に到る。
【0011】次に、この様にして得られたポリアミドポ
リアミン水溶液はエピハロヒドリンと反応せしめられ
る。エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、
エヒブロムヒドリンなどが挙げられるが、工業的にはエ
ピクロルヒドリンが好ましい。ポリアミドポリアミン中
の第2級アミノ基に対するエピクロルヒドリンのモル比
は、0.85〜1.25、好ましくは、0.95〜1.
1である。エピクロルヒドリンのモル比が1.25より
大きいと、最終製品中のAOXの含有量が多くなり本発
明の目的が達成されない。一方、エピクロルヒドリンの
モル比が0.85よりも小さいと、最終製品の湿潤紙力
増強効果が低下し、また、高固形分の場合には、保存安
定性が悪化するため、本発明の目的を達成することはで
きない。
【0012】ポリアミドポリアミンとエピクロルヒドリ
ンとの反応は、通常ポリアミドポリアミンの濃度が30
〜60%、好ましくは、40〜50%の水溶液中で行な
われる。ポリアミドポリアミンの濃度が30%よりも低
いと、反応の進行が著しく遅いばかりでなく、最終製品
の湿潤紙力効果が低下する。一方、ポリアルキレンポリ
アミンの濃度が60%よりも高いと、反応の進行が著し
く速く、すなわち、粘度の増大速度が著しく高くなり、
ゲル化に到る場合が多く、反応の制御が困難であるばか
りでなく、最終製品の保存安定性が著しく劣る結果とな
る。反応温度については、ポリアミドポリアミン樹脂水
溶液の温度を20℃以下に保ち、エピクロルヒドリンの
添加を開始する。ついで、反応液の温度を比較的低温、
すなわち、20〜40℃、好ましくは、25〜35℃に
保ち、反応を進める(1次保温)。
【0013】ついで、硫黄原子を含有する求核性物質を
ポリアミドポリアミンの第2級アミノ基当たり0.01
〜0.1モル加えて反応温度を20〜40℃、好ましく
は25〜35℃に保持して反応を継続する。
【0014】硫黄原子を含む求核性物質としては、亜硫
酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、酸性亜硫酸ナトリウ
ム、酸性亜硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫
酸カリウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、水硫化ナ
トリウム、水硫化カリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム等
の無機化合物、ならびに、2−メルカプトベンゾチアゾ
ールまたはそのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾイ
ミダゾールまたはそのナトリウム塩、2−メルカプトチ
アゾールまたはそのナトリウム塩、2−メルカプトイミ
ダゾールまたはそのナトリウム塩、アルキルチオールま
たはそのナトリウム塩、ベンゼンチオールまたはそのナ
トリウム塩、チオ尿素等の有機化合物またはそのアルカ
リ金属塩等が挙げられ、これらの中から1種または2種
以上使用できる。
【0015】硫黄原子を含む求核性物質の量がポリアミ
ドポリアミンの第2級アミノ基に対し、0.01当量よ
り少ないと、該求核性物質を添加する効果、すなわち、
最終生成物中のAOXの含有量を減少させる効果が認め
られない。該求核性物質の添加量が、上記の様に0.0
1当量より少ないと該求核性物質により惹き起こされる
求核置換反応が起こる割合も少なくなるので、AOXの
減少量もそれに応じて少なくなる。一方、該求核性物質
の量が該ポリアミドポリアミンの第2級アミノ基に対し
0.1当量よりも多いと、最終製品の湿潤紙力増強効果
が低下する。それは、ポリアミドポリアミン−エピクロ
ルヒドリン樹脂中で湿潤紙力増強効果に働く官能基、例
えば、アゼチジニウム(azetidinium)基、
エポキシ基等が該求核性物質と反応して、もはや熱硬化
する能力を失う割合が増加する結果として、湿潤紙力増
強効果に働く官能基の量が減少することになるからであ
る。
【0016】1次保温の後、水を加えて反応液の濃度を
20〜50%に下げ、さらに、ハロゲンを含まない酸、
例えば、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、あるいは、
ギ酸、酢酸などの有機酸を加えて、55〜75℃、好ま
しくは、60〜70℃に昇温し、その温度に保ち、最終
製品の25%における粘度が25℃で80〜300cp
s、好ましくは120〜250cpsに達するまで反応
を続ける(2次保温)。
【0017】最終製品の25%水溶液の粘度が80cp
s以下であると、最終製品の湿潤紙力増強剤としての性
能が十分でなく、また、300cps以上であると、最
終製品の保存安定性が悪くなるばかりでなく、抄紙工程
においてパルプスラリーに添加すると、著しい発泡を伴
い、抄紙作業を困難にするのみならず、抄造される紙の
地合いを損なうことになる。反応液の粘度が前記の粘度
範囲に到達したら、必要に応じて水を加えて固形分を2
0〜40%に調節し、さらに、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸などの無機酸、および/またはギ酸、酢酸などの有機
酸を加えてpHを2.0〜3.5に調整して最終製品を
得る。
【0018】
【発明の効果】かくして、本発明の方法にしたがって得
られた陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液は、公知の方法で
製造されたポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン
樹脂と同等もしくはそれ以上の優れた湿潤紙力増強効果
を付与し、しかも、樹脂水溶液中に含まれるAOXの含
有量が著しく少なく、また、固形分が高いにもかかわら
ず卓越した保存安定性を有するという極めて優れた性質
を有している。
【0019】また、本発明の方法により得られる樹脂水
溶液は、紙の湿潤紙力向上剤、抄紙工程で使用される濾
水性向上剤あるいは、填料・サイズ剤などの歩留り向上
剤として有用であるばかりでなく、工場の排水処理にお
ける凝集沈殿剤、あるいは、セルロース材料の耐水化
剤、ポリビニルアルコール等の耐水化剤、羊毛などの天
然繊維の処理剤、合成繊維の処理剤、合成樹脂フィル
ム、あるいは、天然物またはその誘導体を素材とするフ
ィルムのアンカー剤、填料のカチオン化剤としても使用
することが出来る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げて
具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定される
ものではない。なお、各例中、%は特記しない限りすべ
て重量%である。
【0021】実施例1 〔ポリアミドポリアミンの合成(1)〕温度計、冷却
器、撹拌機、窒素導入管を備えた5リットル四つ口丸底
フラスコに、アジピン酸メチルエステル1394g(8
モル)、95%硫酸4.12g(0.04モル)、ジエ
チレントリアミン850g(8.25モル)を仕込み、
生成するメチルアルコールを系外に除去しながら昇温
し、130℃で2時間反応させた後、水1500gを徐
々に加えてポリアミドポリアミンの水溶液を得た。この
ポリアミドポリアミンの水溶液は固形分52.0%であ
り、その固形分50%の粘度は372cps(25℃)
であった。
【0022】実施例2 〔ポリアミドポリアミンの合成(2)〕実施例1と同様
の反応装置にジエチレントリアミン832g(8.08
モル)を仕込み、撹拌しながらアジピン酸1169g
(8モル)を加え、生成する水を系外に除去しながら昇
温し、175℃で3時間反応させた後、水1500gを
徐々に加えてポリアミドポリアミンの水溶液を得た。こ
のポリアミドポリアミンの水溶液は固形分50.7%で
あり、その固形分50%の粘度は528cps(25
℃)であった。
【0023】実施例3 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた50
0ml四つ口フラスコに、実施例1で得られたポリアミ
ドポリアミン水溶液121.4g(0.3モル)と水1
8.9gを仕込み(固形分45%)、20℃でエピクロ
ルヒドリン30.5g(0.33モル)を滴下した。3
0℃に昇温して1.5時間同温度で保持した(1次保
温)。次いで、亜硫酸水素ナトリウム1.56g(ポリ
アミドポリアミンの2級アミノ基に対し0.05当量)
を加え、30℃でさらに2時間保温した。次いで、水1
45.2gを加えて固形分を30%とした後、30%硫
酸1.7gを加え、65℃まで昇温してこの温度を保持
し、反応液の粘度が300cpsに到達した時点で、さ
らに水70.5g,30%硫酸8.82gおよび88%
ギ酸1.96g加えて冷却した。得られた製品の性状な
らびにAOXの代表例として、1,3−ジクロル−2−
プロパノール(以下、DCPと略記する。)含有量を測
定した値および保存安定性を表2に示した。
【0024】実施例4〜9 実施例3において、1次保温後に加える硫黄原子を含む
求核性物質の種類、使用量および、65℃への昇温前に
加える硫酸量を表1に示すように変えた以外は、実施例
3と同様に反応を行った。得られた製品の性状ならびに
DCP含有量および保存安定性を表2に示した。
【0025】
【表1】
【0026】実施例10 実施例3において、エピクロルヒドリン添加後、30℃
に昇温した直後に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加
し、3.5時間同温度で保持する以外は実施例3と同様
に反応を行なった。得られた製品の性状ならびにDCP
含有量および保存安定性を表2に示した。
【0027】比較例1 実施例3において、1次保温後に加える亜硫酸水素ナト
リウムを省いた以外は実施例3と同様に反応を行った。
得られた製品の性状ならびにDCP含有量および保存安
定性を表2に示した。
【0028】比較例2 実施例3において、1次保温後に加える亜硫酸水素ナト
リウムの量を5.0g(ポリアミドポリアミンの2級ア
ミノ基に対して0.16当量)を加える以外は実施例3
と同様に反応を行った。得られた製品の性状ならびにD
CP含有量および保存安定性を表2に示した。
【0029】比較例3 実施例3において、滴下するエピクロルヒドリンの量を
36.1g(0.39モル)、1次保温後に加える亜硫
酸水素ナトリウムの量を3.33g(ポリアミドポリア
ミンの2級アミノ基に対し0.11当量)を加える以外
は実施例3と同様の反応を行なった。得られた製品の性
状ならびにDCP含有量および保存安定性を表2に示し
た。
【0030】比較例4 実施例3において、滴下するエピクロルヒドリンの量を
26.4g(0.285モル)とし、1次保温後に加え
る亜硫酸水素ナトリウムを省いた以外は実施例3と同様
の反応を行った。得られた製品の性状ならびにDCP含
有量および保存安定性を表2に示した。
【0031】比較例5 実施例3と同様の反応装置に実施例2で得られたポリア
ミドポリアミン水溶液132.8g(0.316モル)
と水103.4gを仕込み、固形分を28.5%とし
た。エピクロルヒドリン38.0g(0.411モル)
を加えて、反応液の温度を45分要して60℃に昇温
し、その温度に保った。3.5時間後に粘度が270c
psに達した時点で、1%水酸化ナトリウム水溶液33
1gを加えて反応液を65℃に昇温し、その温度に保っ
た。3時間後に粘度が105cpsに達した時点で水2
53gを加えて冷却し、ついで、30%硫酸を加えてp
Hを3.9に調整した。得られた製品の性状ならびにD
CP含有量および保存安定性を表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】参考例 実施例3〜10および比較例1〜5で得られたそれぞれ
の樹脂水溶液を、ノーブルアンドウッド式手抄き抄紙機
を使用した抄紙試験に供した。得られた紙の湿潤時の紙
力強度をJIS−P−8113に準拠して測定した。結
果を表3に示した。 抄紙条件 使用パルプ :晒クラフトパルプ(針葉樹/広葉樹=
1/1) 叩解度(CSF) 422ml 樹脂添加率 :0.3% (対パルプ固形分) 抄紙坪量 :65g/m2 乾燥条件 :100℃×120sec(ドラムドラ
イヤー)
【0034】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−170825(JP,A) 特開 昭56−110727(JP,A) 特開 平3−199260(JP,A) 特開 昭54−159496(JP,A) 特開 昭63−69826(JP,A) 特開 平6−1842(JP,A) 特開 昭61−281127(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50 D21H 17/54 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族二塩基性カルボン酸および/また
    はその誘導体とポリアルキレンポリアミンとを加熱縮合
    させてポリアミドポリアミンを合成し、ついで該ポリア
    ミドポリアミンを水溶液中でエピハロヒドリンと反応さ
    せて、陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を製造する方法に
    おいて、(i)脂肪族二塩基性カルボン酸および/また
    はその誘導体とポリアルキレンポリアミンとをモル比
    1:0.9〜1.2で、生成するポリアミドポリアミン
    の25℃における50%水溶液の粘度が300〜900
    cpsになる様に加熱縮合させ、(ii)ついで、該ポリ
    アミドポリアミンとその第2級アミノ基に対し0.85
    〜1.25当量のエピハロヒドリンをポリアミドポリア
    ミンの濃度が30〜60%の水溶液中で、反応温度20
    〜40℃で反応させ(1次保温)、(iii )硫黄原子を
    含む求核性物質を加えて反応を継続した後、(iv)ハロ
    ゲンを含まない酸および水を加えて反応濃度を20〜5
    0%に低下させた状態で反応温度を55〜70℃に保ち
    (2次保温)、反応生成物の25%水溶液における粘度
    が25℃にて80〜300cpsとなる様に反応させ、
    (V)得られた反応生成物水溶液の25℃におけるpH
    を2.0〜3.5となる様に調整し、固形分が20〜4
    0%であることを特徴とする、陽イオン性熱硬化性樹脂
    水溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】 硫黄原子を含む求核性物質が該ポリアミ
    ドポリアミンの第2級アミノ基に対し0.01〜0.1
    当量である請求項1の陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の
    製造方法。
JP05028432A 1993-01-26 1993-01-26 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法 Expired - Lifetime JP3127652B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05028432A JP3127652B2 (ja) 1993-01-26 1993-01-26 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05028432A JP3127652B2 (ja) 1993-01-26 1993-01-26 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06220189A JPH06220189A (ja) 1994-08-09
JP3127652B2 true JP3127652B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=12248508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05028432A Expired - Lifetime JP3127652B2 (ja) 1993-01-26 1993-01-26 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3127652B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5614597A (en) * 1994-12-14 1997-03-25 Hercules Incorporated Wet strength resins having reduced levels of organic halogen by-products
CA2375694C (en) * 1999-06-11 2008-03-11 Hercules Incorporated Reduced byproduct polyamine-epihalohydrin resins
JP4831523B2 (ja) * 2005-09-05 2011-12-07 星光Pmc株式会社 クレーピング用接着剤、クレープ紙の製造方法及びクレープ紙
JP5205711B2 (ja) * 2006-04-28 2013-06-05 星光Pmc株式会社 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
JP2008222794A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Taoka Chem Co Ltd 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
JP7056015B2 (ja) * 2017-06-02 2022-04-19 昭和電工マテリアルズ株式会社 ポリアミド

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06220189A (ja) 1994-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2969636B2 (ja) 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
US4278573A (en) Preparation of cationic starch graft copolymers from starch, N,N-methylenebisacrylamide, and polyamines
US4066495A (en) Method of making paper containing cationic starch and an anionic retention aid
US3352833A (en) Acid stabilization and base reactivation of water-soluble wet-strength resins
CA2695007C (en) Method of stabilizing aqueous cationic polymers
PL169960B1 (pl) Sposób usuwania organicznego chlorowca z rozpuszczalnej w wodzie zawierajacej azotzywicy opartej na epichlorowcohydrynie PL
US3887510A (en) Process for low temperature preparation of aqueous solution of polyalkylene amine-polyamide resins
EP1448699B1 (en) Modified starch and process therefor
JP3127652B2 (ja) 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
US5434222A (en) Process for the preparation of polycondensates
US3992251A (en) Process of making wet strength paper containing mono primary polyamine and organic dihalide modified, epoxidized polyamide
US6352613B1 (en) Resin compositions having high solids contents
EP0156268B1 (en) Process for producing polyaminopolyamides containing halohydrin functionality
US4330365A (en) Paper containing cationic starch graft copolymers from starch, N,N'-methylenebisacrylamide, and polyamines
JPH061842A (ja) 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
WO1999057175A1 (en) Tertiary amine polyamidoamine-epihalohydrin polymers
CN115012248A (zh) 一种新型造纸用增强剂及其制备方法及其应用
JP5429793B2 (ja) 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
JPS6346092B2 (ja)
JPH06173193A (ja) 製紙方法
JP4178500B2 (ja) ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂水溶液の製造方法、ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂水溶液の製造方法で得られる水溶液を用いた紙の製造方法及びポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂水溶液の製造方法で得られるポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂を含有する紙
JP4399753B2 (ja) 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
JP3329180B2 (ja) 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
JP3940972B2 (ja) 陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法
JP3608650B2 (ja) 両性澱粉、その製造方法および紙または板紙の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131110

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131110

Year of fee payment: 13