JP2006137285A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスターシリンダ液圧および/またはマスターシリンダストロークに基づく目標減速度を、アンチスキッド作動中も運転者の要求減速度に良く符合するようになす。
【解決手段】S12で前輪アンチスキッド作動中と判定し、S14,S15で前輪増圧中と判定する間、S16でタイマTimeZoatsuに10カウントをセットし、S14,S15で前輪減圧、保圧中と判定する場合、S17でTimeZoatsuをデクリメントする。S18でTimeZoatsu=0になる設定時間経過までは増圧中と見なして、マスターシリンダ液圧検出値Pmcと補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmch(前回値)とからPmch=0.2×Pmc+0.8×Pmch(前回値)により今回の補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求め、S18でTimeZoatsu=0になるとき増圧終了と見なして、Pmch=0.5×Pmc+0.5×Pmch(前回値)により今回の補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求め、S24での目標減速度Gtの演算に用いる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ブレーキ液圧制御装置、特に、ブレーキ液圧を電子制御可能にしたブレーキ液圧制御装置に関するものである。
自動ブレーキや左右制動力差制御により車両の挙動を動的制御する要求や、車輪の制動ロックを防止するアンチスキッド制御の電子化要求などのため、ブレーキ液圧を電子制御可能にした様々なブレーキ液圧制御装置が考案されたり、実用化されている。
かようにブレーキ液圧を電子制御可能にしたブレーキ液圧制御装置としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
つまり、ブレーキペダルの踏み込みに応動するマスターシリンダからの液圧を車輪のホイールシリンダへ供給するブレーキ液圧回路中に、上記の電子制御に際して閉じる遮断弁を挿置し、マスターシリンダのリザーバ内における作動液を媒体として吐出するポンプ、これを駆動する電動モータ、およびポンプからの作動液を蓄圧するアキュムレータで構成された圧力源を設ける。
上記の電子制御に際しては、上記の遮断弁を閉じた状態で、上記圧力源のアキュムレータ内圧を用いて増圧弁を介しホイールシリンダ内のブレーキ液圧を増圧したり、減圧弁を介しホイールシリンダ内のブレーキ液圧を減圧することにより、マスターシリンダ液圧とは別個にブレーキ液圧を電子制御し得るようにしたものである。
なお、上記の電子制御に際し目標とするブレーキ液圧を決定するに当たっては、マスターシリンダ液圧またはマスターシリンダストロークから運転者が要求している目標減速度を求め、これが達成されるよう目標ブレーキ液圧を決定する。
ところで特許文献1に記載のブレーキ液圧制御装置においては、前記の遮断弁を閉じたブレーキ液圧の電子制御中も通常のブレーキ装置と同じブレーキペダル操作フィーリングを運転者が感じ得るようにするため、遮断弁とマスターシリンダとの間にストロークシミュレータを設ける必要があり、コスト上の不利益を生ずる。
かかるストロークシミュレータを不要にし、コスト上の不利益を回避する一手法としては、或る車輪を制動するブレーキ系はマスターシリンダ液圧を直接用いるブレーキ系とすると共に電子制御も可能なブレーキ系とし、他の車輪を制動するブレーキ系は当該車輪を別の圧力源からの液圧により電子制御可能に制動し得るようなブレーキ系となすことが考えられる。
かかるセミブレーキバイワイヤ式ブレーキ装置の場合、前者の主ブレーキ系がブレーキペダルに通常通りのストロークを発生させ得ることから、ストロークシミュレータがなくても通常のブレーキ装置と同じ操作フィーリングを運転者に感じさせることができる。
そして後者の電子制御ブレーキ系の目標制動力は、マスターシリンダの操作状況(マスターシリンダ液圧やマスターシリンダストローク量)から求めた目標減速度を主ブレーキ系との共働により達成するような値に決定し、実制動力がこの目標制動力となるよう制御する。
例えばかようなブレーキ液圧制御装置となしたことで、前者の主ブレーキ系に係わる車輪の制動スリップを抑制すべくアンチスキッド制御装置が当該車輪のブレーキ液圧の上昇を制限する(ブレーキ液圧を減圧、保圧したり、制動スリップの解消で増圧する)時、その影響がブレーキペダルに及ぶことになるブレーキ液圧制御装置に対し、上記のごとくマスターシリンダの操作状況(マスターシリンダ液圧やマスターシリンダストローク量)から求めた目標減速度を主ブレーキ系との共働により達成するよう電子制御ブレーキ系の制動力を制御する場合、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり、主ブレーキ系のアンチスキッド制御装置が作動すると、これによるブレーキ液圧の減圧、保圧、増圧がマスターシリンダ液圧や、マスターシリンダ(ブレーキペダル)ストローク量に変化を生じさせ、この時、マスターシリンダ液圧検出値やマスターシリンダストローク検出値を基に求めた目標減速度は、運転者が要求する減速度を正確に対応しない。
具体的には、主ブレーキ系のアンチスキッド制御によるブレーキ液圧の減圧、保圧は、ブレーキ液のマスターシリンダ側への還流によりマスターシリンダ液圧を増大させ、マスターシリンダ(ブレーキペダル)ストロークを低下させるように作用し、アンチスキッド制御によるブレーキ液圧の増圧は逆に、マスターシリンダからのブレーキ液の消費によりマスターシリンダ液圧を低下させ、マスターシリンダ(ブレーキペダル)ストロークを増大させるように作用する。
よって、主ブレーキ系のアンチスキッド制御装置が作動している間は、マスターシリンダ液圧検出値およびマスターシリンダストローク検出値を基に求めた目標減速度が、アンチスキッド制御によるブレーキ液圧の減圧、保圧、増圧に伴うマスターシリンダ液圧の変動分およびマスターシリンダストロークの変動分を外乱として含んだものとなり、運転者が要求する減速度に正確に対応せず、この目標減速度を主ブレーキ系との共働により達成すべく電子制御ブレーキ系の制動力を決定したとしても、運転者が希望するとは異なる減速度を生じさせることになる。
具体的には主ブレーキ系のアンチスキッド制御中、マスターシリンダ液圧の低下があった時に、これがアンチスキッド制御に伴う外乱によるものか、運転者によるブレーキペダルの戻し操作によるものかが判らない。
従って、マスターシリンダ液圧検出値およびマスターシリンダストローク検出値をそのまま用いて目標減速度を求め、これを上記のように電子制御ブレーキ系の制動力制御に用いると、マスターシリンダ液圧やマスターシリンダストローク量の変化がアンチスキッド制御の影響を受けて発生したものである場合、運転者の制動操作と関係のない制動力変化が発生して運転者を戸惑わせることになる。
特許文献2には、制動操作速度に応じ制動力を制御する場合において、マスターシリンダ液圧変化速度(制動操作速度)が所定値以上になった時からこれよりも低い設定値になるまでの時間をモニタし、この時間が比較的長い場合は、運転者が意図する制動操作によるものであるとして制動操作速度に応じた制動力制御を行うが、上記の時間が比較的短い場合は、運転者が意図する制動操作によるものではなく、例えば悪路走行時や段差乗り上げ時の外乱により発生した運転者の意図に依らない制動操作であるとして制動操作速度に応じた制動力制御を禁止し、制動力の変更を行わないようにした制動力制御装置が開示されている。
かかる特許文献2に記載の外乱時制動力変更禁止制御を用い、マスターシリンダ液圧変化速度が所定値以上になった時からこれよりも低い設定値になるまでの時間が比較的短い場合は、マスターシリンダ液圧に基づく目標減速度の演算を禁止してその変更を禁止し、結果として電子制御ブレーキ系の制動力変更を禁止することにより、
アンチスキッド制御の影響を受けて発生したマスターシリンダ液圧やマスターシリンダストローク量の変化による制動力変化を回避して前記の問題を解消することが考えられる。
特開平11−301434号公報 特開平09−286324号公報
しかし、かかる特許文献2に記載の技術を用いた対策では、アンチスキッド制御の影響を受けて発生したマスターシリンダ液圧やマスターシリンダストローク量の変化による制動力変化を回避することはできても、アンチスキッド制御中に運転者による制動操作変化があった時、この制動操作変化を考慮した目標減速度の求め直しが行われないことから、運転者の制動操作変化に応じた制動力変化を生じさせることができず、運転者が、ブレーキペダル操作により希望したとは異なる制動力に違和感を覚えるという問題を避けられない。
また、アンチスキッド制御中にマスターシリンダ液圧検出値およびマスターシリンダストローク検出値をそのまま用いて目標減速度を求め、これを前記のように電子制御ブレーキ系の制動力制御に用いるのでは、マスターシリンダ液圧やマスターシリンダストローク量がアンチスキッド制御の影響を受けて前記の通りに変化することから、これらに基づいて求めた目標減速度も同様の波形をもって変化することとなって、これに基づく制動力制御が制動力を同じ波形で変化させてしまうという問題も生ずる。
なお、かかる波形を小さくするには、目標減速度を単純な一時遅れのフィルタに通過させた後に制動力制御に用いることも考えられるが、このフィルタは運転者による制動操作に対しても目標制動力を遅延させることとなり、素早い制動操作があった時に制動力制御の応答遅れが問題となる。
本発明は、主ブレーキ系のアンチスキッド制御中におけるマスターシリンダ液圧およびマスターシリンダストローク量の変動分を除去して目標減速度の演算に用いれば、特許文献2に記載の技術を用いた場合の弊害を生ずることなく制動力を運転者の要求に符合させ得て、主ブレーキ系のアンチスキッド制御中に運転者の制動操作と関係のない制動力変化が発生して運転者を戸惑わせるという前記の問題を解消することができるとの観点から、この着想を具体化したブレーキ液圧制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明のブレーキ液圧制御装置は、請求項1に記載のごとく以下のように構成する。
先ず前提となるブレーキ液圧制御装置を説明するに、これは、
制動操作に応動してストロークすることによりブレーキ元圧を発生するブレーキ元圧発生手段を有し、該手段からのブレーキ元圧により或る車輪を制動する主ブレーキ系と、
別の圧力源からの液圧により他の車輪を制動し、該車輪のブレーキ液圧を、前記ブレーキ元圧発生手段のストロークおよびブレーキ元圧の少なくとも一方に基づいて求めた目標減速度が、前記主ブレーキ系による車輪制動力との共働により達成されるよう決定する電子制御ブレーキ系とを具え、
前記主ブレーキ系に係わる車輪の制動スリップを、該車輪に係わるブレーキ液圧の上昇制限により抑制するアンチスキッド制御装置を設けたものとする。
そして本発明においては、上記アンチスキッド制御装置の作動中、アンチスキッド制御による主ブレーキ系のブレーキ液圧変動に伴う上記ブレーキ元圧発生手段のストローク変動分およびブレーキ元圧変動分をブレーキ元圧発生手段のストローク検出値およびブレーキ元圧検出値から除去した補正済ストローク検出値および補正済ブレーキ元圧検出値を前記目標減速度の演算に用いるようにした構成に特徴づけられる。
かかる本発明のブレーキ液圧制御装置によれば、主ブレーキ系のアンチスキッド制御中は、アンチスキッド制御による主ブレーキ系のブレーキ液圧変動に伴うブレーキ元圧発生手段のストローク変動分およびブレーキ元圧変動分をブレーキ元圧発生手段のストローク検出値およびブレーキ元圧検出値から除去した補正済ストローク検出値および補正済ブレーキ元圧検出値を基に目標減速度を演算するから、
主ブレーキ系のアンチスキッド制御によるブレーキ液圧変動に伴うブレーキ元圧発生手段のストローク変動分およびブレーキ元圧変動分を排除して目標減速度を求め得ることとなり、制動力がこれらストローク変動分およびブレーキ元圧変動分による波形をもったものになるのを回避することができるのは勿論のこと、
それに加えて、上記のアンチスキッド制御中に運転者による制動操作変化があった時は、この制動操作変化を考慮した目標減速度の求め直しが行われることとなって、運転者の制動操作変化に応じた制動力変化を生じさせることができ、前記の違和感を払拭することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のー実施例になるブレーキ液圧制御装置を示し、1は、運転者が踏み込んで制動操作力を付与するブレーキペダル、2は、ブレーキペダル1からの制動操作力を入力されるマスターシリンダである。
ブレーキペダル1からの制動操作力は、負圧式や、正圧式や、油圧式を可とする倍力装置(図示せず)を介して倍力下にマスターシリンダ2へ入力する。
マスターシリンダ2はタンデムマスターシリンダとし、該マスターシリンダ2は制動操作力により内部ピストンカップを押し込まれる時、リザーバ2aからの作動液を媒体として2個の液圧出口2L,2Rより、制動操作力に対応したマスターシリンダ液圧Pmcを出力するものとする。
よってマスターシリンダ2は、本発明におけるブレーキ元圧発生手段に相当する。
マスターシリンダ2の2個の液圧出口2L,2Rから左右前輪ブレーキユニット(ドラムブレーキやディスクブレーキ等)3FL,3FRまで左右前輪ブレーキ配管4L,4Rを延在させて設け、これら独立した2系統は、マスターシリンダ液圧Pmcを元圧とする左右前輪ブレーキ液圧Pfl,Pfrにより対応する前輪を個々に制動する前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5を構成する。
左右後輪ブレーキユニット(ドラムブレーキやディスクブレーキ等)3RL,3RRは、マスターシリンダ2とは別の圧力源7を具え、この圧力源7をポンプ8,9および共通なモータ10で構成する。
モータ10により駆動されるポンプ8,9は、プランジャポンプやギヤポンプ等の任意のものとすることができ、これらポンプ8,9の吸入ポートを吸入回路11L,11Rによりリザーバ12に接続すると共にこれら吸入回路11L,11R中に流入弁13L,13Rを挿置する。
ポンプ8,9の吐出ポートは吐出回路14L,14Rにより左右後輪ブレーキユニット3RL,3RRに接続すると共に流出弁15L,15Rを介してリザーバ12に接続し、吐出回路14L,14R中には増圧弁16L,16Rを挿置する。
増圧弁16L,16Rおよび左右後輪ブレーキユニット3RL,3RR間における吐出回路14L,14Rの回路部分は、減圧弁17L,17Rを介してポンプ8,9の吸入ポート(吸入回路11L,11R)に接続し、ポンプ8,9の吸入ポート(吸入回路11L,11R)には更にアキュムレータ18L,18Rを接続する。
圧力源7(ポンプ8,9)は、減圧弁17L,17Rが閉じた状態で開状態の流入弁13L,13Rを経由しリザーバ12内の作動液を吸入して吐出回路14L,14Rに吐出する。
吐出回路14L,14Rへの作動液は、流出弁15L,15Rが閉じた状態で開状態の増圧弁16L,16Rを経由し左右後輪ブレーキユニット3RL,3RRに向かい、ブレーキ液圧Prl,Prrを発生させて左右後輪を制動するものとする。
ここで左右後輪ブレーキ液圧Prl,Prrは、それぞれの吸入回路11L,11Rおよび吐出回路14L,14Rに係わる弁の後述する電子制御により任意に制御することができ、これがため吸入回路11L,11R、吐出回路14L,14R、およびこれら回路に係わる弁は、本発明における左右後輪ブレーキ系(電子制御ブレーキ系)19を構成すると共に、左右後輪ブレーキ系(電子制御ブレーキ系)のアンチスキッド制御装置を構成する。
以下、前輪用ブレーキ系(主ブレーキ系)5に係わる左右前輪の制動ロック防止を司るアンチスキッド制御装置を説明する。
当該アンチスキッド制御を可能にするため前輪ブレーキ配管4L,4R中に増圧弁21L,21Rを挿置すると共に、これら増圧弁21L,21Rと左右前輪ブレーキユニット3FL,3FRとの間における配管部分に減圧弁22L,22Rを接続する。
増圧弁21L,21Rを開き、減圧弁22L,22Rを閉じることで、マスターシリンダ液圧Pmcを元圧として左右前輪ブレーキ液圧Pfl,Pfrを上昇させることができ、増圧弁21L,21Rを閉じ、減圧弁22L,22Rも閉じることで左右前輪ブレーキ液圧Pfl,Pfrを保圧することができ、増圧弁21L,21Rを閉じ、減圧弁22L,22Rを開くことで、左右前輪ブレーキ液圧Pfl,Pfrを一部排除により低下させることができる。
かかる減圧中に減圧弁22L,22Rを経て排除された液圧を蓄えておくアキュムレータ23L,23Rを減圧弁22L,22Rに接続して設け、アキュムレータ23L,23R内に蓄えられた圧力を必要に応じて左右前輪ブレーキ配管4L,4Rに戻すポンプ24L,24Rを設ける。
これらポンプ24L,24Rは共通なモータ25により駆動するものとする。
上記した本実施例になるブレーキ液圧制御装置の作用を次に説明する。
車両の制動を希望して運転者がブレーキペダル1を踏み込むと、マスターシリンダ液圧Pmcが発生し、これが開状態の増圧弁21L,21Rを経て左右前輪ブレーキユニット3FL,3FRに向かうことにより、減圧弁22L,22Rの閉状態と相まって左右前輪ブレーキ液圧Pfl,Pfrが発生し、これら液圧により左右前輪を制動することができる。
この間、左右後輪ブレーキユニット3RL,3RRの圧力源7(ポンプ8,9)は、開状態の流入弁13L,13Rを経てリザーバ12内のブレーキ液を吸入し、回路14L,14Rに吐出する。
回路14L,14Rへのブレーキ液は、流出弁15L,15Rの閉状態と相まって開状態の増圧弁16L,16Rを経て左右後輪ブレーキユニット3RL,3RRに向かい、減圧弁17L,17Rの閉状態の相まって左右前輪ブレーキ液圧Prl,Prrを発生させ、これら液圧により左右後輪を制動することができる。
左右後輪ブレーキ液圧Prl,Prrの制御に際しては、これらを保圧する場合、流入弁13L,13rを開状態から閉状態に切り替えることにより圧力源7(ポンプ8,9)の吸入側を閉じて保圧を実現し、左右後輪ブレーキ液圧Prl,Prrを減圧する場合、減圧弁17L,17Rを閉状態から開状態に切り替えることによりブレーキ液圧Prl,Prrの一部をアキュムレータ18L,18Rに蓄圧しつつ減圧を実現し、ブレーキ液圧Prl,Prrを増圧する場合、再び流入弁13L,13Rを開くと共に減圧弁17L,17Rを閉じることにより増圧を実現する。
なお左右後輪ブレーキ液圧Prl,Prrは、主ブレーキ系(前輪ブレーキ系)5による前輪制動状態(マスターシリンダ液圧Pmcや、マスターシリンダストローク量Sss)に応じ後述のごとく定めた目標値となるよう、上記の増圧、保圧、減圧により制御し、車両の総制動力制御や、車両の前後輪制動力配分制御(EBD)や、アンチスキッド制御(ABS)や、トランクションコントロール(TCS)や、動的車両挙動制御(VDC)に供することができる。
アンチスキッド制御(ABS)用に左右前輪ブレーキ液圧Pfl,Pfrを制御するに際しては、これらを保圧する場合、増圧弁21L,21Rを開状態から閉状態に切り替えることにより減圧弁22L,22Rの閉状態保持と相まって保圧を実現し、左右前輪ブレーキ液圧Pfl,Pfrを減圧する場合、減圧弁22L,22Rを閉状態から開状態に切り替えることによりブレーキ液圧Pfl,Pfrの一部をアキュムレータ23L,23Rに蓄圧しつつ、また必要に応じて行われるポンプ24L,24Rを介した配管4L,4Rへのブレーキ液の還流により減圧を実現し、ブレーキ液圧Pfl,Pfrを増圧する場合、再び増圧弁21L,21Rを開くと共に減圧弁22L,22Rを閉じることにより増圧を実現する。
前輪用主ブレーキ系5における上記した増圧弁21L,21Rおよび減圧弁22L,22Rの開閉を介した左右前輪ブレーキ液圧制御と、後輪用電子制御ブレーキ系19における前記した弁13L,13R,15L,15R,16L,16R,17L,17Rの開閉を介した左右後輪ブレーキ液圧制御は、コントローラ31によりこれを制御することとし、これがためコントローラ31には、
マスターシリンダ2のストロークSssを検出するストロークセンサ32からの信号と、
マスターシリンダ液圧Pmcを検出する圧力センサ33L,33Rからの信号と、
左右後輪ブレーキ液圧Prl,Prrを検出する圧力センサ34L,34Rからの信号と、
左前輪の車輪速(周速)Vwflを検出する左前輪速センサ35からの信号と、
右前輪の車輪速(周速)Vwfrを検出する右前輪速センサ36からの信号と、
左後輪の車輪速(周速)Vwrlを検出する左後輪速センサ37からの信号と、
右後輪の車輪速(周速)Vwrrを検出する右後輪速センサ38からの信号とをそれぞれ入力する。
コントローラ31は、図2に機能別ブロック線図で示すようなものとし、アンチスキッド制御演算部41と、目標減速度演算部42と、後輪目標制動力演算部43とで構成する。
まずアンチスキッド制御演算部41について説明するに、これは、車輪速センサ35〜38で検出した車輪速Vwfl,Vwfr,Vwrl,Vwrrを基に周知の方法で車体速を演算し、この車体速と各輪の車輪速とから各輪の制動スリップ率を演算する。
アンチスキッド制御演算部41は更に、車輪ごとに、制動スリップ率が設定値を超える時よりアンチスキッドサイクル(保圧、減圧、増圧)を開始し、制動スリップ率が、最大制動力発生用の理想スリップ率となるよう個々のブレーキ液圧を制御すべく、保圧、減圧、増圧指令をABS制御指令として対応する前輪制動力制御部44(弁21L,21R,22L,22Rで構成)および後輪目標制動力演算部43に供給する。
一方アンチスキッド制御演算部41は、上記のアンチスキッド制御中であればこのことを示すようにアンチスキッド作動フラグFABSを1にセットし、アンチスキッド制御中でなければこのことを示すようにアンチスキッド作動フラグFABSを0にリセットして、このアンチスキッド作動フラグFABSを目標減速度演算部42へ向け出力する。
またアンチスキッド制御演算部41は、前記増圧中であればこのことを示すようにABS制御モードABSMODE=0とし、前記保圧中であればこのことを示すようにABS制御モードABSMODE=1とし、前記減圧中であればこのことを示すようにABS制御モードABSMODE=2として、このABS制御モードABSMODEを目標減速度演算部42へ向け出力する。
目標減速度演算部42は、前記アンチスキッド制御フラグFABSおよびアンチスキッド制御モードABSMODEと、センサ33L,33Rで検出したマスターシリンダ液圧Pmcおよび/またはセンサ32で検出したマスターシリンダストローク量Sssから、後で詳述するようにして車両全体としての目標減速度Gtを演算する。
後輪目標制動力演算部43は、マスターシリンダ液圧Pmcから前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5による前輪制動力を求め、この前輪制動力との共働により上記の目標減速度Gtを達成するのに必要な後輪ブレーキ系(電子制御ブレーキ系)19の後輪目標制動力を求め、これを後輪制動力指令値として後輪制動力制御部(弁13L,13R,15L,15R,16L,16R,17L,17Rで構成)へ供給する。
図2の処理をマイクロコンピュータで実行する場合の制御プログラムを図3および図4に示し、以下これらに基づき本発明の実施例を詳述する。
図3はメインルーチンで、先ずステップS1において車輪速Vwfl,Vwfr,Vwrl,Vwrrを読み込み、次のステップS2において、これら車輪速を基にアンチスキッド制御演算(図2のアンチスキッド制御演算部41に相当)を行い、ステップS3において、ステップS2での演算結果に基づくアンチスキッド制御用の前輪制動力制御を行う。
次のステップS4においては、図4につき後述する処理により目標減速度Gtを求め、ステップS5においては、ステップS3での前輪制動力制御との共働により目標減速度Gtを達成するのに必要な後輪目標制動力を演算し、ステップS6においては、ステップS5での演算結果に基づく後輪制動力制御を行い、ステップS7においては、上記前輪制動力制御および後輪制動力制御のための出力処理を実行する。
ステップS4での目標減速度(Gt)算出処理を、マスターシリンダ液圧Pmcを用いて目標減速度Gtを算出する場合について、図4により以下に詳述する。
先ずステップS11において、センサ33L,33Rにより検出したマスターシリンダ液圧Pmcおよびその前回値Pmcz1を読み込む。
ステップS12では前記のアンチスキッド作動フラグFABSをチェックし、FABS=1(アンチスキッド作動中)か否かを判定する。
ステップS12でFABS=1(アンチスキッド作動中)でないと判定するアンチスキッド(ABS)非作動中は、ステップS13において、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcと、アンチスキッド制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動分をマスターシリンダ液圧検出値Pmcから除去した補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchの前回値Pmch(前回値)との間における重み付けを0.8:0.2とし、次式の演算により今回の補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求める。
Pmch=0.8×Pmc+0.2×Pmch(前回値)
これにより、当該前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のアンチスキッド非作動中はアンチスキッド制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動分がない事実に呼応し、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcに重きをおいて補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求めることができる。
ステップS12でFABS=1であると判定するアンチスキッド(ABS)作動中は、
ステップS14において、前記アンチスキッド制御モードABSMODEのうち右前輪に係わるアンチスキッド制御モードABSMODE(FR)が0であるか否かを、つまり、右前輪ブレーキ液圧がアンチスキッド制御による増圧中か否かを判定し、また、
ステップS15において、アンチスキッド制御モードABSMODEのうち左前輪に係わるアンチスキッド制御モードABSMODE(FL)が0であるか否かを、つまり、左前輪ブレーキ液圧がアンチスキッド制御による増圧中か否かを判定する。
ステップS14で右前輪ブレーキ液圧がアンチスキッド制御による増圧中であると判定するか、または、ステップS15で左前輪ブレーキ液圧がアンチスキッド制御による増圧中であると判定する場合、ステップS16において増圧終了タイマTimeZoatsuに増圧終了確認用の設定時間(10カウント)をセットする。
ステップS14で右前輪アンチスキッド制御モードABSMODE(FR)が0以外(1または2)、つまり、右前輪ブレーキ液圧が増圧を終了してアンチスキッド制御による保圧中や減圧中であると判定し、且つ、ステップS15で左前輪アンチスキッド制御モードABSMODE(FL)が0以外(1または2)、つまり、左前輪ブレーキ液圧が増圧を終了してアンチスキッド制御による保圧中や減圧中であると判定する場合、ステップS17において増圧終了タイマTimeZoatsuを1カウントずつの減算によりデクリメントし、左右前輪の少なくとも一方がアンチスキッド制御により増圧されている状態からこれら左右前輪がともにアンチスキッド制御により保圧や減圧に切り替わってからの経過時間を計測する。
ステップS18では、増圧終了タイマTimeZoatsuが0になったか否かを、つまり、増圧中にステップS16でセットした10カウントがステップS17でのデクリメントにより0になったか否かをチェックし、これにより、左右前輪の少なくとも一方がアンチスキッド制御により増圧されている状態からこれら左右前輪がともにアンチスキッド制御により保圧や減圧に切り替わった後TimeZoatsu=10に対応する設定時間が経過したか否かを判定する。
この設定時間が経過した時にアンチスキッド(ABS)による増圧が終了したと見なして制御をステップS19に進め、ここで、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcと、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchの前回値Pmch(前回値)との間における重み付けを0.5:0.5とし、次式の演算により今回の補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求める。
Pmch=0.5×Pmc+0.5×Pmch(前回値)
かくて、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、左右前輪がともに減圧または保圧されている間は、アンチスキッド制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動分を今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcから除去する演算(フィルタ処理)が行われ、当該変動分を除去した補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchが求められる。
ステップS18で増圧終了タイマTimeZoatsuが0になっていないと判定する場合、今度はステップS20〜ステップS22での判定によって以下のごとくに、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、左右前輪がともに減圧または保圧されているか否かをチェックする。
ステップS20では、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchの前回値Pmch(前回値)と、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcとの偏差が設定値(例えば0.01Mpa)未満になった時をもって、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、左右前輪がともに減圧または保圧されているとし、制御をステップS19に進める。
ステップS21では、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcが設定値(例えば0.1Mpa)未満になった時をもって、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、左右前輪がともに減圧または保圧されているとして制御をステップS19に進める。
ステップS22では、前回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcz1と今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcとの差の絶対値abs(Pmcz1−Pmc)、つまりマスターシリンダ液圧の時間変化率がアンチスキッド制御による変化率の範囲(例えば0.1Mpa)を外れて大きくなった時をもって、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、左右前輪がともに減圧または保圧されているとして制御をステップS19に進める。
しかし、ステップS18、ステップS20〜ステップS22でいずれも、未だ前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御による増圧を継続されていると判定する場合は、制御をステップS23に進め、ここで、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcと、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchの前回値Pmch(前回値)との間における重み付けを0.2:0.8とし、次式の演算により今回の補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求める。
Pmch=0.2×Pmc+0.8×Pmch(前回値)
かくて、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御により増圧されている間は、アンチスキッド制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動分が今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcから除去する演算(フィルタ処理)が行われ、当該変動分を除去した補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchが求められる。
ステップS23で、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcと、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchの前回値Pmch(前回値)との間における重み付けを0.2:0.8とすることで、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御により増圧されている間は、ステップS19での減圧、保圧中における場合の重み付け0.5:0.5よりも、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcから補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求める時の補正量が大きくされる(フィルタが強くされる)こととなる。
このようにした理由は、アンチスキッド制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動が減圧時や保圧時に比べて増圧時の方が大きくなるためである。
ステップS24においては、ステップS13、またはステップS19、或いはステップS23で前記のごとくに求めた補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを用いて、図5のマップを基に補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchから、または、Gt=F1(Pmch)の演算により、マスターシリンダ液圧に基づく目標減速度Gtを求める。
かように目標減速度Gtを求めた後は図4のステップS5において前記した通り、前輪制動力との共働により当該目標減速度Gtを達成するのに必要な後輪目標制動力を演算し、ステップS6において、ステップS5での演算結果に基づく後輪制動力制御を行う。
ところで図4につき前述したように目標減速度Gtを演算する本実施例によれば、アンチスキッド(ABS)制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧の変動分をマスターシリンダ液圧検出値Pmcから除去した補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchに基づき目標減速度Gtを求めることから(ステップS24)、
前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のアンチスキッド制御によるブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動分を排除して目標減速度Gtを求めることとなり、制動力がこのマスターシリンダ液圧変動分による波形をもったものになるのを回避することができるのは勿論のこと、
上記のアンチスキッド制御中に運転者による制動操作変化があった時は、この制動操作変化を考慮した目標減速度Gtの求め直しが行われることとなって、運転者の制動操作変化に応じた制動力変化を生じさせることができ、運転者が制動操作と違う制動力の発生に戸惑う事態を回避することができる。
また本実施例によれば、マスターシリンダ液圧検出値Pmcから補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求める場合の補正量を、アンチスキッド(ABS)制御により前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧が増圧されている間の補正量(ステップS23)が、アンチスキッド制御により前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧が減圧、保圧されている間の補正量(ステップS19)よりも大きくしたから、
アンチスキッド(ABS)制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧の変動が、減圧、保圧時よりも増圧時に大きくなる事実に符合して、かかる増圧時にも上記の作用効果を確実に達成することができる。
本実施例によれば更に、アンチスキッド制御による増圧時の検出値補正制御(ステップS23)を、
増圧の終了後から設定時間(TimeZoatsu=10)が経過した時(ステップS18)、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchの前回値Pmch(前回値)と今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcとの偏差が設定値未満になった時(ステップS20)、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcが設定値未満になった時(ステップS21)、または、マスターシリンダ液圧検出値Pmcの変化率がアンチスキッド制御による変化率の範囲を外れた時(ステップS22)に終了するようにしたから、
アンチスキッド制御による増圧時の検出値補正制御(ステップS23)は、今回の補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchと、その前回値Pmch(前回値)との間における乖離が大きく、ステップS14およびステップS15での増圧終了判定時では未だ誤差要因を多く含んでいることころながら、ステップS18およびステップS20〜ステップS22での判定後に至って初めてステップS23での増圧時の検出値補正制御を終了し、減圧、補圧時の検出値補正制御(ステップS19)に切り替えることにより、減圧、補圧時の検出値補正制御(ステップS19)を高精度なものにすることができる。
図6は、本発明の他の実施例を示す、図4と同様な目標減速度算出プログラムを示す。
本実施例においては、先ずステップS11において、センサ33L,33Rにより検出したマスターシリンダ液圧Pmcおよびその前回値Pmcz1を読み込むと共に、マスターシリンダ液圧の変化傾向を表すa=Pmcz1−Pmcを求める。
ステップS12では前記のアンチスキッド作動フラグFABSをチェックし、FABS=1(アンチスキッド作動中)か否かを判定する。
ステップS12でFABS=1であると判定するアンチスキッド(ABS)作動中は、
ステップS14において、前記アンチスキッド制御モードABSMODEが0であるか否かを、つまり、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧がアンチスキッド制御による増圧中か否かを判定する。
ステップS12でアンチスキッド(ABS)非作動中と判定する時は、ステップS31において、前記のa(=Pmcz1−Pmc)が負値か否かを、つまり、マスターシリンダ液圧Pmcが増圧しているか、減圧または保圧状態かをチェックする。
マスターシリンダ液圧Pmcが増圧している場合、ステップS32において、a(=Pmcz1−Pmc)および-0.03Mpaのうち大きい方の値max(a, -0.03Mpa)をマスターシリンダ液圧補正量aとする。
マスターシリンダ液圧が減圧または保圧状態である場合、ステップS33において、a(=Pmcz1−Pmc)および0.003Mpaのうち小さい方の値min(a, 0.03Mpa)をマスターシリンダ液圧補正量aとする。
ステップS34では、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを、
Pmch=Pmch(前回値)+a
の演算により求める。
ステップS14で前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧がアンチスキッド制御による増圧中であると判定する場合、ステップS16において増圧終了タイマTimeZoatsuに増圧終了確認用の設定時間(10カウント)をセットする。
ステップS14で前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧がアンチスキッド制御による増圧を終了してアンチスキッド制御による保圧中や減圧中であると判定する場合、ステップS17において増圧終了タイマTimeZoatsuを1カウントずつの減算によりデクリメントし、前輪がアンチスキッド制御により増圧されている状態からアンチスキッド制御により保圧や減圧に切り替わってからの経過時間を計測する。
ステップS18では、増圧終了タイマTimeZoatsuが0になったか否かを、つまり、増圧中にステップS16でセットした10カウントがステップS17でのデクリメントにより0になったか否かをチェックし、これにより、前輪がアンチスキッド制御により増圧されている状態からアンチスキッド制御により保圧や減圧に切り替わった後TimeZoatsu=10に対応する設定時間が経過したか否かを判定する。
この設定時間が経過した時にアンチスキッド(ABS)による増圧が終了したと見なして制御をステップS35に進め、ここで、前記のa(=Pmcz1−Pmc)が負値か否かを、つまり、マスターシリンダ液圧Pmcが増圧しているか、減圧または保圧状態かをチェックする。
マスターシリンダ液圧Pmcが増圧している場合、ステップS36において、a(=Pmcz1−Pmc)および-0.01Mpaのうち大きい方の値max(a, -0.01Mpa)をマスターシリンダ液圧補正量aとする。
マスターシリンダ液圧が減圧または保圧状態である場合、ステップS37において、a(=Pmcz1−Pmc)および0.002Mpaのうち小さい方の値min(a, 0.02Mpa)をマスターシリンダ液圧補正量aとする。
そしてステップS34で、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを、
Pmch=Pmch(前回値)+a
の演算により求める。
かくて、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、前輪ブレーキ液圧が減圧または保圧されている間は、アンチスキッド制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動分を今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcから除去する演算(フィルタ処理)が行われ、当該変動分を除去した補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchが求められる。
ここで、マスターシリンダ液圧検出値Pmcから補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求めるときの補正量aは、マスターシリンダ液圧上昇(a<0)中の補正量(ステップS36)の方がマスターシリンダ液圧低下(a>0)中の補正量(ステップS37)よりも大きい(フィルタが強くされる)。
このようにした理由は、アンチスキッド制御中であっても、これによる増圧が行われていなければ(減圧、保圧中なら)、マスターシリンダ液圧の低下は運転者の制動操作変化に基づくものであると考えられ、このマスターシリンダ液圧低下中は補正量aを小さくして運転者の制動操作が補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchに反映されるようにするのがよいためである。
ステップS18で増圧終了タイマTimeZoatsuが0になっていないと判定する場合、今度はステップS20〜ステップS22での判定によって以下のごとくに、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、減圧または保圧されているか否かをチェックする。
ステップS20では、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchの前回値Pmch(前回値)と、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcとの偏差が設定値(例えば0.01Mpa)未満になった時をもって、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、減圧または保圧されているとし、制御をステップS35に進める。
ステップS21では、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcが設定値(例えば0.1Mpa)未満になった時をもって、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、減圧または保圧されているとして制御をステップS35に進める。
ステップS22では、前回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcz1と今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcとの差の絶対値abs(Pmcz1−Pmc)、つまりマスターシリンダ液圧の時間変化率がアンチスキッド制御による変化率の範囲(例えば0.1Mpa)を外れて大きくなった時をもって、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御中に増圧を終了され、減圧または保圧されているとして制御をステップS35に進める。
しかし、ステップS18、ステップS20〜ステップS22でいずれも、未だ前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御による増圧を継続されていると判定する場合は、制御をステップS38に進め、ここで、前記のa(=Pmcz1−Pmc)が負値か否かを、つまり、マスターシリンダ液圧Pmcが増圧しているか、減圧または保圧状態かをチェックする。
マスターシリンダ液圧Pmcが増圧している場合、ステップS39において、a(=Pmcz1−Pmc)および-0.01Mpaのうち大きい方の値max(a, -0.01Mpa)をマスターシリンダ液圧補正量aとする。
マスターシリンダ液圧が減圧または保圧状態である場合、ステップS40において、a(=Pmcz1−Pmc)および0.002Mpaのうち小さい方の値min(a, 0.02Mpa)をマスターシリンダ液圧補正量aとする。
そしてステップS34で、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを、
Pmch=Pmch(前回値)+a
の演算により求める。
かくて、前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5がアンチスキッド制御により増圧されている間は、アンチスキッド制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動分を今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcから除去する演算(フィルタ処理)が行われ、当該変動分を除去した補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchが求められる。
ここで、マスターシリンダ液圧検出値Pmcから補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求めるときの補正量aは、マスターシリンダ液圧低下(a>0)中の補正量(ステップS40)の方がマスターシリンダ液圧増大(a<0)中の補正量(ステップS39)よりも大きい(フィルタが強くされる)。
このようにした理由は、アンチスキッド制御中であっても、これによる減圧、保圧が行われていなければ(増圧中なら)、マスターシリンダ液圧の上昇は運転者の制動操作変化に基づくものであると考えられ、このマスターシリンダ液圧上昇中は補正量aを小さくして運転者の制動操作が補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchに反映されるようにするのがよいためである。
次のステップS24においては、ステップS34で求めた補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを用いて、図5のマップを基に補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchから、または、Gt=F1(Pmch)の演算により、マスターシリンダ液圧に基づく目標減速度Gtを求める。
かように目標減速度Gtを求めた後は図4のステップS5において前記した通り、前輪制動力との共働により当該目標減速度Gtを達成するのに必要な後輪目標制動力を演算し、ステップS6において、ステップS5での演算結果に基づく後輪制動力制御を行う。
ところで図6につき上記したように目標減速度Gtを演算する本実施例によれば、アンチスキッド(ABS)制御による前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧の変動分をマスターシリンダ液圧検出値Pmcから除去した補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchに基づき目標減速度Gtを求めることから(ステップS24)、
前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のアンチスキッド制御によるブレーキ液圧変動に伴うマスターシリンダ液圧変動分を排除して目標減速度Gtを求めることとなり、制動力がこのマスターシリンダ液圧変動分による波形をもったものになるのを回避することができるのは勿論のこと、
上記のアンチスキッド制御中に運転者による制動操作変化があった時は、この制動操作変化を考慮した目標減速度Gtの求め直しが行われることとなって、運転者の制動操作変化に応じた制動力変化を生じさせることができ、運転者が制動操作と違う制動力の発生に戸惑う事態を回避することができる。
また本実施例によれば、マスターシリンダ液圧検出値Pmcから補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchを求める場合の補正量を、
アンチスキッド(ABS)制御により前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧が増圧されている場合、マスターシリンダ液圧が低下している間の補正量(ステップS40)が、マスターシリンダ液圧上昇中の補正量(ステップS39)よりも大きくし、
アンチスキッド(ABS)制御により前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧が減圧、保圧されている場合、マスターシリンダ液圧上昇中の補正量(ステップS36)が、マスターシリンダ液圧低下中の補正量よりも大きくたから、
アンチスキッド制御中に運転者による制動操作変化があった時も、この制動操作変化を考慮して目標減速度Gtが求められることとなって、運転者の制動操作変化に応じた制動力変化を生じさせることができ、運転者が制動操作と違う制動力の発生に戸惑う事態を回避することができる。
本実施例によれば更に、アンチスキッド制御による増圧時の検出値補正制御(ステップS38〜ステップS40)を、
増圧の終了後から設定時間(TimeZoatsu=10)が経過した時(ステップS18)、補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchの前回値Pmch(前回値)と今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcとの偏差が設定値未満になった時(ステップS20)、今回のマスターシリンダ液圧検出値Pmcが設定値未満になった時(ステップS21)、または、マスターシリンダ液圧検出値Pmcの変化率がアンチスキッド制御による変化率の範囲を外れた時(ステップS22)に終了するようにしたから、
アンチスキッド制御による増圧時の検出値補正制御(ステップS38〜ステップS40)は、今回の補正済マスターシリンダ液圧検出値Pmchと、その前回値Pmch(前回値)との間における乖離が大きく、ステップS14での増圧終了判定時では未だ誤差要因を多く含んでいることころながら、ステップS18およびステップS20〜ステップS22での判定後に至って初めてステップS39およびステップS40での増圧時の検出値補正制御を終了し、減圧、補圧時の検出値補正制御(ステップS36およびステップS37)に切り替えることにより、減圧、補圧時の検出値補正制御(ステップS36およびステップS37)を高精度なものにすることができる。
なお、図4および図6のいずれの実施例でも、マスターシリンダ液圧Pmcを基に目標減速度Gtを求める場合について説明したが、マスターシリンダ液圧Pmcの代わりに、センサ32で検出したマスターシリンダストローク量Sssに基づき目標減速度Gtを求める場合や、マスターシリンダ液圧Pmcおよびマスターシリンダストローク量Sssに基づき目標減速度Gtを求める場合も、前記した着想を適用してマスターシリンダストローク量検出値Sssに同様の補正を行うことで同様の作用効果を達成し得ることは言うまでもない。
ただし、マスターシリンダストローク量検出値Sssを用いる場合、図6のステップS35はマスターシリンダストローク量検出値Sssの増大変化時に制御をステップS36へ進め、マスターシリンダストローク量検出値Sssの減少変化時に制御をステップS37へ進めるようなプログラムとし、
ステップS38はマスターシリンダストローク量検出値Sssの増大変化時に制御をステップS40へ進め、マスターシリンダストローク量検出値Sssの減少変化時に制御をステップS39へ進めるようなプログラムとする。
また、図示のように前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5が複数系統よりなり、アンチスキッド制御装置がこれら系統を個々にアンチスキッド制御するものである場合、
特には図示しなかったが、アンチスキッド(ABS)制御により前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5のブレーキ液圧が増圧されている場合の前記したマスターシリンダ液圧検出値やマスターシリンダストローク量検出値の補正制御を、
マスターシリンダPmcが所定値以上であり、または、マスターシリンダ液圧Pmcおよび対応するブレーキ液圧間の圧力差が所定値以上であり、或いは、マスターシリンダストローク量Sssが所定値以上である時で、
前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5を成す複数系統のうちの少なくとも1系統がアンチスキッド制御により所定時間以上、または所定量以上増圧されている時に行わせるよう構成するのがよい。
その理由は以下の通りである。
アンチスキッド制御中、マスターシリンダ液圧Pmcが十分高ければ、ポンプ24L,24Rによる配管4L,4Rへのブレーキ液の還流量よりも、マスターシリンダ2からブレーキユニット3FL,3FRへの液流量の方が多い。
従って、左右前輪に対して1輪でもアンチスキッド制御による増圧が行われていれば、マスターシリンダ液圧Pmcは低下傾向となり、マスターシリンダストローク量Sssは増大傾向となる。
これがためアンチスキッド制御中は、マスターシリンダ液圧Pmcの低下およびマスターシリンダストローク量Sssの増大がアンチスキッド制御の影響による変動分を含んだものであり、この影響を排除して目標減速度Gtを正確に求めるためには、これらマスターシリンダ液圧Pmcの低下およびマスターシリンダストローク量Sssの増大を確実に抑制するような検出値の補正が必要であるが、
アンチスキッド制御中の増圧によるマスターシリンダ液圧Pmcの低下およびマスターシリンダストローク量Sssの増大が発生するのは、ポンプ24L,24Rによる配管4L,4Rへのブレーキ液の還流量よりも、マスターシリンダ2からブレーキユニット3FL,3FRへの液流量の方が多い場合であるから、
前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)5を成す複数系統のうちの少なくとも1系統がアンチスキッド制御により所定時間以上、または所定量以上増圧されている時に増圧時検出値補正制御を行わせることとした。
また同様の理由から、マスターシリンダPmcが所定値以上であり、マスターシリンダ液圧Pmcおよび対応するブレーキ液圧間の圧力差が所定値以上であり、マスターシリンダストローク量Sssが所定値以上であることをも、増圧時検出値補正制御を行わせることの条件とするのがよい。
図1の実施例においては、左右前輪ブレーキユニット3FL,3FRに係わるブレーキ系をマスターシリンダ液圧Pmcに応動する主ブレーキ系5とし、左右後輪ブレーキユニット3RL,3RRに係わるブレーキ系を電子制御ブレーキ系19としたが、これらの関係を逆にしても同様の作用効果を達成し得ること勿論であるし、
或いは、左前輪ブレーキユニット3FLおよび右後輪ブレーキユニット3RRに係わるブレーキ系をマスターシリンダ液圧Pmcに応動する主ブレーキ系とし、右前輪ブレーキユニット3FRおよび左後輪ブレーキユニット3RLに係わるブレーキ系を電子制御ブレーキ系としてもよいこと勿論である。
本発明の一実施例になるブレーキ液圧制御装置を示す液圧回路図である。 同実施例のブレーキ液圧制御装置におけるコントローラの機能別ブロック線図である。 図1のブレーキ液圧制御装置におけるコントローラが実行するブレーキ液圧制御プログラムを示すフローチャートである。 同ブレーキ液圧制御プログラムにおける目標減速度演算処理を示すフローチャートである。 補正済マスターシリンダ液圧検出値に対する目標減速度の変化特性を示す線図である。 本発明の他の実施例を示す、図4と同様な目標減速度演算プログラムを示すフローチャートである。
符号の説明
1 ブレーキペダル
2 マスターシリンダ(ブレーキ元圧発生手段)
3FL,3FR 左右前輪ブレーキユニット
3RL,3RR 左右後輪ブレーキユニット
4L,4R 前輪ブレーキ配管
5 前輪ブレーキ系(主ブレーキ系)
7 別の圧力源
8,9 ポンプ
10 モータ
11L,11R 吸入回路
12 リザーバ
13L,13R 流入弁
14L,14R 吐出回路
15L,15R 流出弁
16L,16R 増圧弁
17L,17R 減圧弁
18L,18R アキュムレータ
19 左右後輪ブレーキ系(電子制御ブレーキ系)
21L,21R 増圧弁
22L,22R 減圧弁
23L,23R アキュムレータ
24L,24R ポンプ
25 モータ
31 コントローラ
32 ストロークセンサ
33L,33R,34L,34R 圧力センサ
35 左前輪速センサ
36 右前輪速センサ
37 左後輪速センサ
38 右後輪速センサ
41 アンチスキッド制御演算部
42 目標減速度演算部
43 後輪目標制動力演算部

Claims (5)

  1. 制動操作に応動してストロークすることによりブレーキ元圧を発生するブレーキ元圧発生手段を有し、該手段からのブレーキ元圧により或る車輪を制動する主ブレーキ系と、
    別の圧力源からの液圧により他の車輪を制動し、該車輪の制動力を、前記ブレーキ元圧発生手段のストロークおよびブレーキ元圧の少なくとも一方に基づいて求めた目標減速度が、前記主ブレーキ系による車輪制動力との共働により達成されるよう決定する電子制御ブレーキ系とを具え、
    前記主ブレーキ系に係わる車輪の制動スリップを、該車輪に係わるブレーキ液圧の上昇制限により抑制するアンチスキッド制御装置を設けたブレーキ液圧制御装置において、
    前記アンチスキッド制御装置の作動中、アンチスキッド制御による主ブレーキ系のブレーキ液圧変動に伴う前記ブレーキ元圧発生手段のストローク変動分およびブレーキ元圧変動分を前記ブレーキ元圧発生手段のストローク検出値およびブレーキ元圧検出値から除去した補正済ストローク検出値および補正済ブレーキ元圧検出値を前記目標減速度の演算に用いるよう構成したことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置において、
    前記ブレーキ元圧発生手段のストローク検出値およびブレーキ元圧検出値から前記補正済ストローク検出値および補正済ブレーキ元圧検出値を求める場合の補正量は、
    アンチスキッド制御により主ブレーキ系のブレーキ液圧が増圧されている間の補正量が、アンチスキッド制御により主ブレーキ系のブレーキ液圧が減圧、保圧されている間の補正量よりも大きいものであることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  3. 請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置において、
    前記ブレーキ元圧発生手段のストローク検出値およびブレーキ元圧検出値から前記補正済ストローク検出値および補正済ブレーキ元圧検出値を求める場合の補正量は、
    アンチスキッド制御により主ブレーキ系のブレーキ液圧が増圧されている場合、前記ブレーキ元圧が低下している間の補正量が、該ブレーキ元圧が上昇している間の補正量よりも大きく、また、前記ストロークが増大している間の補正量が、該ストロークが低下している間の補正量よりも大きいものであり、
    アンチスキッド制御により主ブレーキ系のブレーキ液圧が減圧、保圧されている場合、前記ブレーキ元圧が上昇している間の補正量が、該ブレーキ元圧が低下している間の補正量よりも大きく、また、前記ストロークが増大している間の補正量が、該ストロークが低下している間の補正量よりも大きいものであることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  4. 請求項2または3に記載のブレーキ液圧制御装置において、
    アンチスキッド制御による増圧時の前記検出値補正制御を、
    前記増圧の終了後から設定時間が経過した時、補正済検出値の前回値と今回の検出値との偏差が設定値未満になった時、今回の検出値が設定値未満になった時、または、検出値の変化率がアンチスキッド制御による変化率の範囲を外れた時に終了するよう構成したことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  5. 主ブレーキ系が複数系統よりなり、前記アンチスキッド制御装置がこれら系統を個々にアンチスキッド制御するものである、請求項2〜4のいずれか1項に記載のブレーキ液圧制御装置において、
    アンチスキッド制御により主ブレーキ系のブレーキ液圧が増圧されている場合の前記検出値補正制御を、
    前記ブレーキ元圧が所定値以上であり、または、該ブレーキ元圧および対応するブレーキ液圧間の圧力差が所定値以上であり、或いは、前記ブレーキ元圧発生手段のストロークが所定値以上である時で、
    前記複数系統のうちの少なくとも1系統がアンチスキッド制御により所定時間以上、または所定量以上増圧されている時に行わせるよう構成したことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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