JPH11129876A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

車両の制動制御装置

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JPH11129876A
JPH11129876A JP31589197A JP31589197A JPH11129876A JP H11129876 A JPH11129876 A JP H11129876A JP 31589197 A JP31589197 A JP 31589197A JP 31589197 A JP31589197 A JP 31589197A JP H11129876 A JPH11129876 A JP H11129876A
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Takayuki Ito
孝之 伊藤
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憲司 十津
Masanobu Fukami
昌伸 深見
Satoshi Yokoyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液圧ポンプによってマスタシリンダ液圧をホ
イールシリンダに供給すると共に適切に制御し、確実に
ブレーキアシスト制御を行なう。 【解決手段】 主液圧路MFを開閉する第1の開閉弁S
Cと、この第1の開閉弁SCとホイールシリンダWCと
の間に吐出側を接続しホイールシリンダWCに対し昇圧
したブレーキ液を吐出する液圧ポンプHPと、その吸込
側をマスタシリンダMCに連通接続する補助液圧路MF
cと、この補助液圧路MFcを開閉する第2の開閉弁S
Iと、ブレーキペダルBPの操作状態を検出するブレー
キ操作検出手段BDと、車両の減速度を検出する減速度
検出手段GDとを備える。そして、制動制御手段MBに
より、ブレーキ操作検出手段BDが検出したブレーキペ
ダルBPの操作状態及び減速度検出手段GDが検出した
減速度に応じて第2の開閉弁SIを開閉制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルが
急速度で踏み込まれたとき、又はブレーキペダルが深く
踏み込まれたときに、自動的に制動力を増大させて運転
者のブレーキペダル操作を補助するブレーキアシスト制
御機能を備えた車両の制動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】車両を走行中、例えば緊急制動時にはブ
レーキペダルが急速度で踏み込まれるが、踏力が不十
分、あるいは踏力の維持が困難で、適切な制動力が得ら
れないということが生じ得る。また、アンチスキッド制
御装置(ABS)を備えた車両であっても、ブレーキペ
ダルの踏力が不十分のため、アンチスキッド制御が開始
せず、折角の機能を十分発揮し得ないということも起り
得る。このような点に鑑み、近時、ブレーキアシスト制
御機能を付加することが提案され、既に一部の市販車両
に装備されている。
【0003】このブレーキアシスト制御は、ブレーキペ
ダルが急速度で踏み込まれたとき、又はブレーキペダル
が深く踏み込まれたときに、自動的に制動力を増大させ
て運転者のブレーキペダル操作を補助するものであり、
一般的にバキュームブースタの倍圧機能を制御すること
が行なわれている。而して、ブレーキアシスト制御によ
りアンチスキッド制御等も有効に機能させることができ
る。
【0004】一方、ブレーキアシスト制御をアンチスキ
ッド(ABS)制御用のポンプを用いて行なう技術も知
られている。例えば、特開平8−230634号公報に
は、バキュームブースタを完全に又は部分的に節約する
ことを目的として、アンチロック制御/トラクション制
御系の制御方法及び装置が提案されている。同公報に
は、「戻しポンプ及び/又は切換え弁及び/又は吸込み
弁の制御を、少くとも、ブレーキペダルの作動を表す信
号に依存して行なうことにより解決され」と記載されて
いるが(括弧内の用語及び表現は同公報をそのまま引
用)、この記載のみでは構成を特定し得ない。同公報の
図面及び実施例の記載を参酌すると、上記のブレーキア
シスト制御と同様の作動が行なわれるように推測され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平8−230
634号公報においては、ブレーキアシスト制御を行な
う際、吸込み弁を開位置とし切換え弁を閉成した状態
で、ポンプ電動機をオン、あるいはオン/オフ制御する
ことによってホイールシリンダの増圧勾配を制御するこ
ととしているように認められる。そうであるとすると、
同公報に記載の制御装置によってブレーキアシスト制御
を行なう場合に、アンチスキッド制御装置等を併設して
いる場合には、低圧蓄積器(リザーバ)内のブレーキ液
をポンプによって汲み出す量より減圧時に蓄積される量
が多くなるため、リザーバ内がブレーキ液で満杯になっ
てアンチスキッド制御に支障をきたすおそれがある。何
れにしても、上記特開平8−230634号公報には吸
込み弁をオン/オフ制御する旨の開示も示唆も見当たら
ない。
【0006】また、上記公報において、ポンプ電動機を
オン/オフ制御することが提案されており、このような
制御を行なえば、ポンプ電動機を連続駆動する場合に比
べ、電動機の回転に伴う騒音を低減することが可能とな
る。しかし、単にポンプ電動機をオン/オフ制御するだ
けでは、前述のようにリザーバ内がブレーキ液で満杯に
なるという問題が残る。
【0007】そこで、本発明は、ブレーキペダルが急速
度で踏み込まれたとき、又はブレーキペダルが深く踏み
込まれたときに、自動的に制動力を増大させて運転者の
ブレーキペダル操作を補助するブレーキアシスト制御を
行なう車両の制動制御装置において、液圧ポンプによっ
てマスタシリンダの出力ブレーキ液圧をホイールシリン
ダに供給すると共に適切に制御し、確実にブレーキアシ
スト制御を行ない得るようにすることを課題とする。
【0008】また、本発明は、ブレーキアシスト制御を
行なう制動制御装置において、液圧ポンプによってマス
タシリンダの出力ブレーキ液圧をホイールシリンダに供
給し、確実にブレーキアシスト制御を行なうと共に、制
動制御用のリザーバ内にブレーキ液が溜ることを防止し
つつ適切に制御し、液圧ポンプの駆動に伴う騒音を低減
することを別の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、請求項1に記載のように、車両の各車輪
に装着し制動力を付与するホイールシリンダと、該ホイ
ールシリンダに対しブレーキペダルの操作に応じてブレ
ーキ液を昇圧しマスタシリンダ液圧を出力するマスタシ
リンダと、該マスタシリンダを前記ホイールシリンダに
連通接続する主液圧路とを備えた車両の制動制御装置に
おいて、前記主液圧路を開閉する第1の開閉弁と、該第
1の開閉弁と前記ホイールシリンダとの間に吐出側を接
続し前記ホイールシリンダに対し昇圧したブレーキ液を
吐出する液圧ポンプと、該液圧ポンプの吸込側を前記マ
スタシリンダに連通接続する補助液圧路と、該補助液圧
路を開閉する第2の開閉弁と、前記ブレーキペダルの操
作状態を検出するブレーキ操作検出手段と、前記車両の
減速度を検出する減速度検出手段と、前記第1及び第2
の開閉弁を駆動制御する制動制御手段であって、前記ブ
レーキ操作検出手段が検出した前記ブレーキペダルの操
作状態及び前記減速度検出手段が検出した減速度に応じ
て前記第2の開閉弁を開閉制御する制動制御手段とを備
えることとしたものである。
【0010】前記制動制御手段は、請求項2に記載のよ
うに、少くとも前記ブレーキペダルの操作状態に応じて
目標減速度を設定すると共に、該目標減速度と前記減速
度検出手段が検出した減速度の偏差を演算し、該偏差が
大きい程前記第2の開閉弁の開位置時間割合が大きくな
るように設定し、該開位置時間割合に基づき前記第2の
開閉弁を開閉制御するように構成することができる。ま
た、前記制動制御手段は、請求項3に記載のように、前
記第2の開閉弁の開位置時間割合を所定割合以下に制限
して前記第2の開閉弁を開閉制御するように構成するこ
とができる。更に、請求項4に記載のように、前記第2
の開閉弁の開閉制御開始後、第1の所定時間の間、前記
ブレーキペダルの操作状態に応じて設定する一定の開位
置時間割合に基づき前記第2の開閉弁を開閉制御ように
構成することができる。
【0011】また、前記制動制御手段は、請求項5に記
載のように、前記第2の開閉弁の開閉制御開始後前記第
1の所定時間を経過した後、更に第2の所定時間の間、
前記第2の開閉弁の開位置時間割合を通常時の開位置時
間割合に対し所定の割合以下に制限して前記第2の開閉
弁を開閉制御ように構成することができる。
【0012】更に、前記車両の制動制御装置において、
請求項6に記載のように、前記第1の開閉弁と前記ホイ
ールシリンダとの間に介装し、前記制動制御手段の出力
に応じて前記ホイールシリンダのブレーキ液圧を調整す
るモジュレータを具備するように構成してもよい。これ
により、車両の旋回時等において、ブレーキペダルの操
作の有無には無関係に各車輪に対して制動力を付与する
ことにより、過度のオーバーステア及び過度のアンダー
ステアを抑制制御する制動操舵制御を含み、種々の制御
を行なう車両の制動制御装置に対し、上記のブレーキア
シスト制御機能はそのまま付加される。この場合の制動
制御手段としては、車両の運転状態に応じて車両の各車
輪に対する目標スリップ率を設定する目標スリップ率設
定手段と、車両の各車輪の実スリップ率を測定するスリ
ップ率測定手段と、目標スリップ率と実スリップ率との
偏差を演算するスリップ率偏差演算手段を具備したもの
とし、ブレーキ液圧制御装置を前記偏差に応じて制御す
るように構成することができる。
【0013】前記モジュレータは、請求項7に記載のよ
うに、前記制動制御手段の出力に応じて少くとも増圧モ
ード及び減圧モードの何れかの液圧モードを選択して前
記ホイールシリンダのブレーキ液圧を調整するように構
成すると共に、前記液圧モードとして減圧モードを選択
したときには前記ホイールシリンダのブレーキ液を排出
するリザーバを備え、該リザーバを前記液圧ポンプの吸
込側に連通接続して成り、前記制動制御手段は、少くと
も一つの車輪に関し前記液圧モードとして減圧モードを
選択したときには前記液圧ポンプを連続駆動し、全ての
車輪に関し前記液圧モードとして減圧モードを選択して
いないときにのみ、前記液圧ポンプに対し駆動と停止の
繰り返しによる制御を行なうように構成することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施形態
を図面を参照して説明する。図1は本発明の制動制御装
置の一実施形態の概要を示すもので、車両の各車輪F
R,FL,RR,RLに対しブレーキペダルBPの操作
に応じてブレーキ液を昇圧しマスタシリンダ液圧を出力
するマスタシリンダMCと、このマスタシリンダMCを
ホイールシリンダWCに連通接続する主液圧路MFとを
備えている。更に、主液圧路MFを開閉する第1の開閉
弁SCと、この第1の開閉弁SCとホイールシリンダW
Cとの間に吐出側を接続しホイールシリンダWCに対し
昇圧したブレーキ液を吐出する液圧ポンプHPと、この
液圧ポンプHPの吸込側をマスタシリンダMCに連通接
続する補助液圧路MFcと、この補助液圧路MFcを開
閉する第2の開閉弁SIと、ブレーキペダルBPの操作
状態を検出するブレーキ操作検出手段BDと、車両の減
速度を検出する減速度検出手段GDとを備えている。そ
して、第1の開閉弁SC及び第2の開閉弁SIを駆動制
御する制動制御手段MBは、特に、ブレーキ操作検出手
段BDが検出したブレーキペダルBPの操作状態及び減
速度検出手段GDが検出した減速度に応じて第2の開閉
弁SIを開閉制御することとしている。尚、第1の開閉
弁SCは、例えばブレーキ操作検出手段BDが検出した
ブレーキペダルBPの操作状態に応じて開閉制御され
る。
【0015】上記の制動制御手段MBは、少くともブレ
ーキペダルBPの操作状態に応じて目標減速度を設定す
ると共に、この目標減速度と減速度検出手段GDが検出
した減速度の偏差を演算し、この偏差が大きい程第2の
開閉弁SIの開位置時間割合が大きくなるように設定
し、この開位置時間割合に基づき第2の開閉弁SIを開
閉制御するように構成されている。このとき、第2の開
閉弁SIの開位置時間割合を所定割合以下に制限して第
2の開閉弁SIを開閉制御するように構成されている。
また、第2の開閉弁SIの開閉制御開始後、第1の所定
時間の間、ブレーキペダルBPの操作状態に応じて設定
する一定の開位置時間割合に基づき第2の開閉弁SIを
開閉制御するように構成されている。更に、第2の開閉
弁SIの開閉制御開始後第1の所定時間Tsを経過した
後、更に第2の所定時間Tdの間、第2の開閉弁SIの
開位置時間割合を通常時の開位置時間割合に対し所定の
割合(例えば、50%)以下に制限して第2の開閉弁S
Iを開閉制御するように構成されている。
【0016】尚、上記のブレーキ操作検出手段BDとし
ては、マスタシリンダMCの出力ブレーキ液圧を検出す
る液圧センサがあるが、ブレーキペダルBPのストロー
クを検出するストロークセンサを用いることとしてもよ
い。また、液圧ポンプHPは、本実施形態では制動制御
手段MBによって駆動することとしているが、独立制御
としてもよい。更に、図1に破線で示すように、第1の
開閉弁SCとホイールシリンダWCとの間に介装し、制
動制御手段MBの出力に応じて急増圧、パルス増圧、パ
ルス減圧、急減圧及び保持の液圧モードを選択しホイー
ルシリンダWCのブレーキ液圧を調整するモジュレータ
MDを具備するように構成してもよく、これについては
図2以降に示す実施形態において詳細に説明する。
【0017】図2は本実施形態の全体構成を示すもので
あり、エンジンEGはスロットル制御装置TH及び燃料
噴射装置FIを備えた内燃機関で、スロットル制御装置
THにおいてはアクセルペダルAPの操作に応じてメイ
ンスロットルバルブMTのメインスロットル開度が制御
される。また、電子制御装置ECUの出力に応じて、ス
ロットル制御装置THのサブスロットルバルブSTが駆
動されサブスロットル開度が制御されると共に、燃料噴
射装置FIが駆動され燃料噴射量が制御されるように構
成されている。本実施形態のエンジンEGは変速制御装
置GS及びディファレンシャルギヤDFを介して車両後
方の車輪RL,RRに連結されており、所謂後輪駆動方
式が構成されているが、本発明における駆動方式をこれ
に限定するものではない。
【0018】次に、制動系については、車輪FL,F
R,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置BCが接続
されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の
車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方
左側、車輪RRは後方右側の車輪を示しており、本実施
形態では所謂X配管が構成されているが、前後配管とし
てもよい。
【0019】車輪FL,FR,RL,RRには車輪速度
センサWS1乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち
車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装
置ECUに入力されるように構成されている。また、マ
スタシリンダMCの出力ブレーキ液圧を検出する液圧セ
ンサPSが電子制御装置ECUに接続されており、マス
タシリンダ液圧Pmcを表す信号が電子制御装置ECUに
入力されるように構成されている。更に、ブレーキペダ
ルBPが踏み込まれたときオンとなるブレーキスイッチ
BS、車両前方の車輪FL,FRの舵角δf を検出する
前輪舵角センサSSf、車両の横加速度を検出する横加
速度センサYG及び車両のヨーレイトを検出するヨーレ
イトセンサYS等が電子制御装置ECUに接続されてい
る。ヨーレイトセンサYSにおいては、車両重心を通る
鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変化速度、即ちヨ
ー角速度(ヨーレイト)が検出され、実ヨーレイトγと
して電子制御装置ECUに出力される。
【0020】本実施形態の電子制御装置ECUは、図2
に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシ
ングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポー
トIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコン
ピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS
1乃至WS4、液圧センサPS、ブレーキスイッチB
S、前輪舵角センサSSf、ヨーレイトセンサYS、横
加速度センサYG等の出力信号は増幅回路AMPを介し
て夫々入力ポートIPTからプロセシングユニットCP
Uに入力されるように構成されている。また、出力ポー
トOPTからは駆動回路ACTを介してスロットル制御
装置TH及びブレーキ液圧制御装置BCに夫々制御信号
が出力されるように構成されている。
【0021】マイクロコンピュータCMPにおいては、
メモリROMは図4乃至図6、図10及び図11に示し
たフローチャートを含む種々の処理に供するプログラム
を記憶し、プロセシングユニットCPUは図示しないイ
グニッションスイッチが閉成されている間当該プログラ
ムを実行し、メモリRAMは当該プログラムの実行に必
要な変数データを一時的に記憶する。尚、スロットル制
御等の各制御毎に、もしくは関連する制御を適宜組合せ
て複数のマイクロコンピュータを構成し、相互間を電気
的に接続することとしてもよい。
【0022】次に、本実施形態のブレーキ液圧制御装置
BCは、図3に示すように、ブレーキペダルBPの操作
に応じてバキュームブースタVBを介してマスタシリン
ダMCが倍圧駆動され、低圧リザーバLRS内のブレー
キ液が昇圧されて車輪FR,RL側及び車輪FL,RR
側の液圧系統にマスタシリンダ液圧が出力されるように
構成されている。マスタシリンダMCはタンデム型のマ
スタシリンダで、二つの圧力室が夫々各ブレーキ液圧系
統に接続されている。即ち、第1の圧力室MCaは車輪
FR,RL側のブレーキ液圧系統に連通接続され、第2
の圧力室MCbは車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統
に連通接続される。
【0023】本実施形態の車輪FR,RL側のブレーキ
液圧系統においては、第1の圧力室MCaは主液圧路M
F及びその分岐液圧路MFr,MFlを介して夫々ホイ
ールシリンダWfr,Wrlに接続されている。主液圧
路MFには常開の第1の開閉弁SC1(所謂カットオフ
弁として機能するもので、以下、単に開閉弁SC1とい
う)が介装されている。また、第1の圧力室MCaは補
助液圧路MFcを介して後述する逆止弁CV5,CV6
の間に接続されている。補助液圧路MFcには常閉の第
2の開閉弁SI1(以下、単に開閉弁SI1という)が
介装されている。これらの開閉弁は何れも2ポート2位
置の電磁開閉弁で構成されている。主液圧路MFには液
圧センサPSが接続されており、マスタシリンダ液圧P
mcが検出され、ブレーキペダルBPの操作状態に応じた
信号として前述の電子制御装置ECUに供給される。
尚、ブレーキペダルBPの操作状態を検出するセンサと
しては、ブレーキペダルBPのストロークを検出するス
トロークセンサを用いることとしてもよい。
【0024】分岐液圧路MFr,MFlには夫々、常開
型の2ポート2位置電磁開閉弁PC1及びPC2(以
下、単に開閉弁PC1,PC2という)が介装されてい
る。また、これらと並列に夫々逆止弁CV1,CV2が
介装されている。逆止弁CV1,CV2は、マスタシリ
ンダMC方向へのブレーキ液の流れを許容しホイールシ
リンダWfr,Wrl方向へのブレーキ液の流れを制限
するもので、これらの逆止弁CV1,CV2及び第1の
位置(図示の状態)の開閉弁SC1を介してホイールシ
リンダWfr,Wrl内のブレーキ液がマスタシリンダ
MCひいては低圧リザーバLRSに戻されるように構成
されている。而して、ブレーキペダルBPが解放された
ときに、ホイールシリンダWfr,Wrl内の液圧はマ
スタシリンダMC側の液圧低下に迅速に追従し得る。ま
た、ホイールシリンダWfr,Wrlに連通接続される
排出側の分岐液圧路RFr,RFlに、夫々常閉型の2
ポート2位置電磁開閉弁PC5,PC6(以下、単に開
閉弁PC5,PC6という)が介装されており、分岐液
圧路RFr,RFlが合流した排出液圧路RFはリザー
バRS1に接続されている。
【0025】車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統にお
いては、上記開閉弁PC1,PC2,PC5,PC6に
よって本発明にいうモジュレータが構成されている。ま
た、開閉弁PC1,PC2の上流側で分岐液圧路MF
r,MFlに連通接続する液圧路MFpに、液圧ポンプ
HP1が介装され、その吸込側には逆止弁CV5,CV
6を介してリザーバRS1が接続されている。また、液
圧ポンプHP1の吐出側は、逆止弁CV7を介して夫々
開閉弁PC1,PC2に接続されている。液圧ポンプH
P1は、液圧ポンプHP2と共に一つの電動モータMに
よって駆動され、吸込側からブレーキ液を導入し所定の
圧力に昇圧して吐出側から出力するように構成されてい
る。リザーバRS1は、マスタシリンダMCの低圧リザ
ーバLRSとは独立して設けられるもので、アキュムレ
ータということもでき、ピストンとスプリングを備え、
後述する種々の制御に必要な容量のブレーキ液を貯蔵し
得るように構成されている。
【0026】マスタシリンダMCは補助液圧路MFを介
して液圧ポンプHP1の吸込側の逆止弁CV5と逆止弁
CV6との間に連通接続されている。逆止弁CV5はリ
ザーバRS1へのブレーキ液の流れを阻止し、逆方向の
流れを許容するものである。また、逆止弁CV6,CV
7は液圧ポンプHP1を介して吐出されるブレーキ液の
流れを一定方向に規制するもので、通常は液圧ポンプH
P1内に一体的に構成されている。而して、開閉弁SI
1は、図3に示す常態の閉位置でマスタシリンダMCと
液圧ポンプHP1の吸込側との連通が遮断され、開位置
でマスタシリンダMCと液圧ポンプHP1の吸込側が連
通するように切り換えられる。
【0027】更に、開閉弁SC1に並列に、マスタシリ
ンダMCから開閉弁PC1,PC2方向へのブレーキ液
の流れを制限し、開閉弁PC1,PC2側のブレーキ液
圧がマスタシリンダMC側のブレーキ液圧に対し所定の
差圧以上大となったときにマスタシリンダMC方向への
ブレーキ液の流れを許容するリリーフ弁RV1と、ホイ
ールシリンダWfr,Wrl方向へのブレーキ液の流れ
を許容し逆方向の流れを禁止する逆止弁AV1が介装さ
れている。リリーフ弁RV1は、液圧ポンプHP1から
吐出される加圧ブレーキ液がマスタシリンダMCの出力
液圧より所定の差圧以上大となったときに、マスタシリ
ンダMCを介して低圧リザーバLRSにブレーキ液を還
流するもので、これにより液圧ポンプHP1の吐出ブレ
ーキ液が所定の圧力以上に上昇しないように調圧され
る。また、逆止弁AV1の存在により、開閉弁SC1が
閉位置であっても、ブレーキペダルBPが踏み込まれた
場合にはホイールシリンダWfr,Wrl内のブレーキ
液圧が増圧される。尚、液圧ポンプHP1の吐出側にダ
ンパDP1が配設され、後輪側のホイールシリンダWr
lに至る液圧路にプロポーショニングバルブPV1が介
装されている。
【0028】車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統にお
いても同様に、リザーバRS2、ダンパDP2及びプロ
ポーショニングバルブPV2をはじめ、常開型の2ポー
ト2位置電磁開閉弁SC2(第1の開閉弁)、常閉型の
2ポート2位置電磁開閉弁SI2(第2の開閉弁),P
C7,PC8、常開型の2ポート2位置電磁開閉弁PC
3,PC4、逆止弁CV3,CV4,CV8乃至CV1
0、リリーフ弁RV2並びに逆止弁AV2が配設されて
いる。液圧ポンプHP2は、電動モータMによって液圧
ポンプHP1と共に駆動され、電動モータMの起動後は
両液圧ポンプHP1,HP2は連続して駆動される。
尚、後述のフローチャートにおいては、二つのブレーキ
液圧系統に供される開閉弁等を代表して表すときには符
号(*)を付加する。
【0029】上記開閉弁SC1,SC2,SI1,SI
2並びに開閉弁PC1乃至PC8は前述の電子制御装置
ECUによって駆動制御され、アンチスキッド制御のみ
ならず、制動操舵制御を初めとする各種制御が行なわれ
る。例えば、車両が旋回運動中において、過度のオーバ
ーステアと判定されたときには、例えば旋回外側の前輪
に制動力が付与され、車両に対し外向きのヨーモーメン
ト、即ち車両を旋回外側に向けるヨーモーメントが生ず
るように制御される。これをオーバーステア抑制制御と
呼び、安定性制御とも呼ばれる。また、車両が旋回運動
中に過度のアンダーステアと判定されたときには、本実
施形態のように後輪駆動車の場合、旋回外側の前輪及び
後二輪に制動力が付与され、車両に対し内向きのヨーモ
ーメント、即ち車両を旋回内側に向けるヨーモーメント
が生ずるように制御される。これはアンダーステア抑制
制御と呼び、コーストレース性制御とも呼ばれる。そし
て、オーバーステア抑制制御とアンダーステア抑制制御
は制動操舵制御と総称される。
【0030】上記の構成になる実施形態の作用を説明す
ると、通常のブレーキ作動時においては、各電磁弁は図
3に示す常態位置にあり、電動モータMは停止してい
る。この状態でブレーキペダルBPが踏み込まれると、
マスタシリンダMCの第1及び第2の圧力室MCa,M
Cbから、マスタシリンダ液圧が夫々車輪FR,RL側
及び車輪FL,RR側の液圧系統に出力され、開閉弁S
C1,SC2並びに開閉弁PC1乃至PC8を介して、
ホイールシリンダWfr,Wrl,Wfl,Wrrに供
給される。車輪FR,RL側及び車輪FL,RR側のブ
レーキ液圧系統は同様の構成であるので、以下、代表し
て車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統について説明す
る。
【0031】ブレーキ作動中にアンチスキッド制御に移
行し、例えば車輪FR側がロック傾向にあると判定され
ると、開閉弁SC1は開位置のままで、開閉弁PC1が
閉位置とされると共に、開閉弁PC5が開位置とされ
る。而して、ホイールシリンダWfrは開閉弁PC5を
介してリザーバRS1に連通し、ホイールシリンダWf
r内のブレーキ液がリザーバRS1内に流出し減圧され
る。
【0032】ホイールシリンダWfrがパルス増圧モー
ドとなると、開閉弁PC5が閉位置とされると共に開閉
弁PC1が開位置とされ、マスタシリンダMCからマス
タシリンダ液圧が開位置の開閉弁PC1を介してホイー
ルシリンダWfrに供給される。そして、開閉弁PC1
が断続制御され、ホイールシリンダWfr内のブレーキ
液は増圧と保持が繰り返されてパルス的に増大し、緩や
かに増圧される。ホイールシリンダWfrに対し急増圧
モードが設定されたときには、開閉弁PC5が閉位置と
された後、開閉弁PC1が開位置とされ、マスタシリン
ダMCからマスタシリンダ液圧が供給される。そして、
ブレーキペダルBPが解放され、ホイールシリンダWf
rの液圧よりマスタシリンダ液圧の方が小さくなると、
ホイールシリンダWfr内のブレーキ液が逆止弁CV1
及び開位置の開閉弁SC1を介してマスタシリンダM
C、ひいては低圧リザーバLRSに戻る。このようにし
て、車輪毎に独立した制動力制御が行なわれる。
【0033】そして、トラクション制御に移行し、例え
ば車輪RLの加速スリップ防止制御が行なわれる場合に
は、開閉弁SC1が閉位置に切り換えられると共に、開
閉弁SI1が開位置に切り換えられ、ホイールシリンダ
Wfrに接続された開閉弁PC1が閉位置とされ、開閉
弁PC2が開位置とされる。この状態で、電動モータM
によって液圧ポンプHP1が駆動されると、非作動状態
のマスタシリンダMC、開位置の開閉弁SI1を介して
低圧リザーバLRSからブレーキ液が吸引され、駆動輪
側のホイールシリンダWrlに加圧ブレーキ液が供給さ
れる。尚、開閉弁PC2が閉位置とされれば、ホイール
シリンダWrlの液圧が保持される。而して、ブレーキ
ペダルBPが非操作状態であっても、例えば車輪RLの
加速スリップ防止制御時には、車輪RLの加速スリップ
状態に応じて開閉弁PC2,PC6の断続制御により、
ホイールシリンダWrlに対し、パルス増圧、パルス減
圧及び保持の何れかの液圧モードが設定される。これに
より、車輪RLに制動力が付与されて回転駆動力が制限
され、加速スリップが防止され、適切にトラクション制
御を行なうことができる。
【0034】更に、車両の制動操舵制御時においては、
例えば過度のオーバーステアを防止する場合には、これ
に対抗するモーメントを発生させる必要があり、この場
合には或る一つの車輪のみに関し制動力を付与すると効
果的である。即ち、車輪FR,RL側のブレーキ液圧系
統においては、制動操舵制御時に開閉弁SC1が閉位置
に切換えられると共に、開閉弁SI1が開位置に切換え
られ、電動モータMが駆動され、液圧ポンプHP1から
ブレーキ液が吐出される。そして、開閉弁PC1,PC
2,PC5,PC6が適宜開閉制御され、ホイールシリ
ンダWfr,Wrlの液圧がパルス増圧、減圧又は保持
され、車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統も含め、前
後の車輪間の制動力配分が車両のコーストレース性を維
持し得るように制御される。
【0035】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチ
スキッド制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッショ
ンスイッチ(図示せず)が閉成されると図4乃至図6、
図10及び図11のフローチャートに対応したプログラ
ムの実行が開始する。図4は車両の制動制御作動を示す
もので、先ずステップ101にてマイクロコンピュータ
CMPが初期化され、各種の演算値がクリアされる。次
にステップ102において、車輪速度センサWS1乃至
WS4の検出信号が読み込まれると共に、液圧センサP
Sの検出信号(マスタシリンダ液圧Pmc)が読み込まれ
る。また、前輪舵角センサSSfの検出信号(舵角δf
)、ヨーレイトセンサYSの検出信号(実ヨーレイト
γ)及び横加速度センサYGの検出信号(即ち、実横加
速度であり、Gyaで表す)が読み込まれる。
【0036】続いてステップ103に進み、マスタシリ
ンダ液圧Pmcが微分され、マスタシリンダ液圧変化割合
DPmcが求められる。そして、ステップ104にて各車
輪の車輪速度Vw** (**は各車輪FR等を表す)が演算さ
れると共に、これらが微分され各車輪の車輪加速度DV
w** が求められる。続いて、ステップ105において各
車輪の車輪速度Vw** の最大値が車両重心位置での推定
車体速度Vsoとして演算される(Vso=MAX( Vw*
*))。また、各車輪の車輪速度Vw** に基づき各車輪毎
に推定車体速度Vso**が求められ、必要に応じ、車両旋
回時の内外輪差等に基づく誤差を低減するため正規化が
行われる。更に、推定車体速度Vsoが微分され、車両重
心位置での推定車体減速度DVsoが演算される(ここで
は説明の便宜上、推定車体減速度としたが、符号を逆に
すれば推定車体加速度となる)。
【0037】そして、ステップ106において、上記ス
テップ104及び105で求められた各車輪の車輪速度
Vw** と推定車体速度Vso**(あるいは、正規化推定車
体速度)に基づき各車輪の実スリップ率Sa** がSa**
=(Vso**−Vw** )/Vso**として求められる。次
に、ステップ107おいて、車両重心位置での推定車体
減速度DVsoと横加速度センサYGの検出信号の実横加
速度Gyaに基づき、路面摩擦係数μが近似的に(DVso
2 +Gya2)1/2 として求められる。更に、路面摩擦係数
を検出する手段として、直接路面摩擦係数を検出するセ
ンサ等、種々の手段を用いることができる。
【0038】続いて、ステップ108にてブレーキアシ
スト制御が行なわれるが、これについては後述する。そ
して、ステップ109に進み制動操舵制御モードを初め
とする各種制御モードが設定され、後述するように各種
制御モードに供する目標スリップ率が設定され、ステッ
プ110の液圧サーボ制御により、ブレーキ液圧制御装
置BCが制御され各車輪に対する制動力が制御される。
尚、制動操舵制御は、ブレーキペダルBPの操作の有無
には無関係に各車輪に対し制動力が付与され、オーバー
ステア抑制制御及び/又はアンダーステア抑制制御が行
なわれるもので、その他の全ての制御モードにおける制
御に対し重畳される。その他の制御モードとして、前述
のように、アンチスキッド制御モードにおいては、車両
制動時に、車輪のロックを防止するように、各車輪に付
与する制動力が制御される。
【0039】また、前後制動力配分制御モードにおいて
は、車両の制動時に車両の安定性を維持するように、後
輪に付与する制動力の前輪に付与する制動力に対する配
分が制御される。そして、トラクション制御モードにお
いては、車両駆動時に駆動輪のスリップを防止するよう
に、駆動輪に対し制動力が付与されると共にスロットル
制御が行なわれ、これらの制御によって駆動輪に対する
駆動力が制御される。そして、これらの制御モードに基
づきステップ110にて液圧サーボ制御が行なわれた後
ステップ102に戻る。尚、ステップ109において制
動操舵制御開始条件も充足しておらず、何れの制御モー
ドも設定されていないときには全ての電磁弁のソレノイ
ドがオフとされた後ステップ102に戻る。
【0040】図5は図4のステップ108におけるブレ
ーキアシスト制御の具体的処理内容を示すもので、先ず
ステップ201において、ブレーキアシスト制御フラグ
FLがフラグF1又はフラグF2であるか否かが判定さ
れ、何れでもなければステップ202に進む。ここで、
フラグF1は開始特定制御中を、フラグF2は本制御中
を夫々意味する。ステップ202では、ブレーキアシス
ト制御開始条件を充足しているか否かが判定され、充足
しておればステップ203に進み、制御フラグFLが開
始特定制御中フラグF1にセットされる。上記ブレーキ
アシスト制御開始条件は、液圧センサPSの検出マスタ
シリンダ液圧Pmcが所定値以上であり、且つマスタシリ
ンダ液圧Pmcの変化割合DPmcが所定割合以上であると
いう条件に設定されている。
【0041】続いて、ステップ203からステップ20
4に進み、開始特定制御演算が行われる。具体的には、
液圧センサPSの検出マスタシリンダ液圧Pmcとマスタ
シリンダ液圧の変化割合DPmcに応じて所定のデューテ
ィ(例えば、15%, 30%, 50%,75%)が設定されたマップ
(図示せず)がメモリに格納されており、このマップに
基づき開閉弁SI*のデューティが選択される。また、
開始特定制御の目標実行時間Tsが、例えばホイールシ
リンダでの消費液量Vc及び開閉弁SI*のデューティ
を考慮した液圧ポンプHP1(HP2)の吐出量Vpに
基づいて演算した推定排出時間Tvと一定時間Tc(例
えば、1 sec)の小さい方の時間に設定される。
【0042】そして、ステップ205に進み、開始特定
制御用の開閉弁SI*のデューティDiが、ステップ2
04で選択された値に設定されると共に、開閉弁SC*
のデューティDcが100%に設定される。次いでステ
ップ206において、ブレーキアシスト制御開始後、上
記の目標実行時間Tsを経過したか否かが判定され、経
過していなければ図4のメインルーチンに戻り、経過し
ておればステップ207に進み、制御フラグFLが本制
御中フラグF2にセットされた後、図4のメインルーチ
ンに戻る。
【0043】一方、ステップ201で制御フラグFLが
フラグF1又はフラグF2の何れか(即ち、開始特定制
御中又は本制御中)と判定されると、ステップ208に
進み、ブレーキアシスト制御終了条件が充足しているか
否かが判定される。この終了条件は、液圧センサPSの
検出マスタシリンダ液圧Pmcが所定値未満であるという
条件に設定されている。ステップ208において終了条
件が充足していないと判定された場合には、ステップ2
09に進み、制御フラグFLが開始特定制御中フラグF
1か否かが判定される。そうであれば、再びステップ2
05乃至207の処理が実行される。ステップ209で
制御フラグFLが開始特定制御中フラグF1でないと判
定されると、制御フラグFLは本制御中フラグF2とい
うことになるので、ステップ210乃至213に進み本
制御の処理が実行される。
【0044】先ずステップ210において、液圧センサ
PSの検出マスタシリンダ液圧Pmcに応じた減速度Gm
に対し、ブレーキアシスト制御用として所定の液圧に応
じた減速度Δgが加算され、車両の目標減速度(G*)
が設定される。即ち、ブレーキペダルBPの操作状態に
応じた目標減速度(G*)が設定される。続いて、ステ
ップ211に進み、上記の目標減速度(G*)と、実減
速度として用いる推定車体減速度DVsoとの差が演算さ
れ、この減速度偏差ΔGを制御偏差として、ステップ2
12にてブレーキアシスト制御量の演算が行なわれる。
このブレーキアシスト制御量の演算については図6を参
照して後述する。
【0045】ステップ212にてブレーキアシスト制御
量が演算された後は、ステップ213に進み、更にブレ
ーキアシスト制動力配分制御量演算が行なわれる。これ
は、ブレーキアシスト制御中にも、各車輪間の制動力配
分を調整して安定した制動状態を維持するものである
が、本発明に直接関係しないので説明は省略する。
【0046】一方、ステップ208でブレーキアシスト
制御終了条件が充足していると判定されると、ステップ
214に進み、制御フラグFLが終了特定制御中を意味
するフラグF3にセットされる。次いで、ステップ21
5において、終了特定制御演算が実行される。即ち、マ
スタシリンダ液圧の変化割合(減少割合)DPmcに応じ
て所定のデューティが設定されたマップ(図示せず)が
メモリに格納されており、このマップに基づき開閉弁S
C*のデューティDcが選択される。尚、このマップに
おいては、デューティは、マスタシリンダ液圧の減少割
合が大きい程大きい値となるように設定されている。ま
た、終了特定制御の目標実行時間Teが、一定時間(例
えば0.2 sec)に設定される。
【0047】そしてステップ216に進み、終了特定制
御用の開閉弁SC*のデューティDcが、ステップ21
5で選択された値に設定されると共に、開閉弁SI*の
デューティDiが0%に設定される。次いでステップ2
17において、ブレーキアシスト制御終了後、上記の目
標実行時間Teを経過したか否かが判定され、経過して
いなければ図4のメインルーチンに戻り、経過しておれ
ばステップ218に進み、制御フラグFLが非制御を表
すフラグF0にセットされた後、図4のメインルーチン
に戻る。
【0048】一方、ステップ202において、ブレーキ
アシスト制御開始条件が充足していない(即ち、終了特
定制御中又は非制御)と判定されると、ステップ219
に進み、制御フラグFLが終了特定制御中フラグF3か
否かが判定され、そうであれば、ステップ216乃至2
18の処理が再び実行された後、図4のメインルーチン
に戻る。ステップ219で制御フラグFLが終了特定制
御中フラグF3でないと判定されたときには、非制御を
意味するのでそのまま図4のメインルーチンに戻る。
【0049】上記ステップ212において実行されるブ
レーキアシスト制御量の演算は、図6のステップ220
に示すように行なわれる。尚、図6のステップ220に
おいては、減速度偏差ΔGに対する開閉弁SI*,SC
*の各ソレノイド駆動時のデューティ(通電時間の割
合)の変化を表している。即ち、増圧側(減速度偏差Δ
Gが正)では、開閉弁SI*のデューティDiが減速度
偏差ΔGに比例するように設定されると共に、開閉弁S
C*のデューティDcは例えば100%近傍の一定値と
され、略閉位置に維持される。一方、減圧側(減速度偏
差ΔGが負)では、開閉弁SC*のデューティDcが減
速度偏差ΔGに比例するように設定されると共に、開閉
弁SI*のデューティDiは例えば0%近傍の一定値と
され、略閉位置に維持される。また、ステップ220に
おいては、開閉弁SI*のデューティDiに対し制限が
加えられている。つまり、減速度偏差ΔGが大きくて
も、開閉弁SI*のデューティDiが所定の上限値Dup
を越えないように設定されている。これは、マスタシリ
ンダMCから過剰な量のブレーキ液が液圧ポンプHPに
吸い込まれるのを極力回避するためで、これによりブレ
ーキペダルBPの沈み込みを極力抑えることができる。
【0050】そして、図6のステップ221及び222
に進み、開始特定制御終了後、目標実行時間Tdの間
は、開閉弁SI*のデューティDiに所定値Ke(例え
ば、0.5)が乗算され、Ke・Diのデューティとさ
れる。従って、開閉弁SI*のデューティDiが50%
に制限される。換言すれば、開始特定制御終了後、目標
実行時間Tdの間は直ちに所定のデューティとされるこ
となく、ゲインを50%低下させるためのゲインダウン
制御が行なわれる。
【0051】ブレーキアシスト制御量の演算について
は、図6の処理に代えて、図7のように処理することと
してもよい。即ち、図6のステップ220に対応するス
テップ230においては、開閉弁SI*及び開閉弁SC
*の各ソレノイドの駆動デューティと共に、図7に破線
で示す電動モータの駆動デューティDmが減速度偏差Δ
Gに比例して増加するように設定される。次に、ステッ
プ231において、一つの車輪に関し液圧モードとして
減圧モード(急減圧モード及びパルス減圧モード)が選
択されたか否かが判定される。少くとも一つの車輪に関
し減圧モードが選択されていると判定されたときには、
ステップ232に進み電動モータMのデューティDmの
みが100%に再設定される。而して、減圧作動により
ホイールシリンダからリザーバRS1(RS2)にブレ
ーキ液が排出されてもリザーバRS1(RS2)内にブ
レーキ液が残留することはない。
【0052】一方、全ての車輪に関し液圧モードとして
減圧モードが選択されていない場合には、ステップ23
3に進み開閉弁SI*のデューティDiのみが100%
に再設定される。而して、開閉弁SI*は全開位置で固
定されるので作動頻度が減り、また電動モータMも減速
度偏差ΔGに応じて回転するため、騒音が低減される。
尚、ステップ234,235は夫々図6のステップ22
1,222と同様であるので説明を省略する。このよう
に、開閉弁SI*のデューティ制御と電動モータMのデ
ューティ制御を切り換えて制御することで、リザーバR
S1(RS2)内にブレーキ液を残留させることなく、
騒音を低減することができる。尚、液圧モードの減圧モ
ード判定には、一定の遅延時間を置いて、減圧直後もス
テップ232に進むように設定してもよい。
【0053】以上のように、各液圧系統毎にブレーキア
シスト制御量が演算されることとなるが、更に,モジュ
レータMDを構成する開閉弁PC1乃至PC8を適宜開
閉制御することにより、各車輪毎にブレーキアシスト制
御量を調整することができる。
【0054】図8は上記のブレーキアシスト制御作動の
一例を示すもので、(A)の特性は液圧センサPSの検
出マスタシリンダ液圧Pmcを示し、ブレーキペダルBP
の踏力に略対応する。実線はブレーキアシスト制御時の
特性の一例を示し、二点鎖線はブレーキアシスト制御が
行なわれない場合の特性を示す。尚、ブレーキアシスト
制御時のホイールシリンダのブレーキ液圧を破線で示し
ている。(B)はブレーキアシスト制御の制御モードを
表し、図8の左側から開始特定制御、その後のゲインダ
ウン制御、これに続く本制御、そして終了特定制御の順
で行なわれる。従って、これら以外は(ブレーキアシス
トは)非制御である。(C)の特性はブレーキアシスト
制御に起因するマスタシリンダ液圧の変化(落込量)を
示し、(D)はブレーキアシスト制御時の液圧センサP
Sの出力に対する依存度を表す。(E)の特性は減速度
偏差ΔGの変化を示し、(F)の特性は開閉弁SI*,
SC*のデューティの変化を示す。
【0055】図8において、液圧センサPSの検出マス
タシリンダ液圧Pmcが所定値以上で、その変化割合DP
mcが所定割合以上となったa点で、ブレーキアシスト制
御における開始特定制御が開始し、目標実行時間Ts後
のb点迄の間、開閉弁SI*のデューティDiが前述の
マップに基づいて選択された値に設定される。b点で開
始特定制御が終了すると、その後ゲインダウン制御が行
なわれ、目標実行時間Td経過後のc点迄の間、開閉弁
SI*のデューティDiが本制御時の50%に制限され
る。その後、f点迄本制御が行なわれ、開閉弁SI*の
デューティDi及び開閉弁SC*のデューティDcが減
速度偏差ΔGに比例するように開閉制御される。即ち、
(A)に破線で示すようにホイールシリンダ液圧が、二
点鎖線のマスタシリンダ液圧に対し所定圧力分、嵩上げ
された液圧に調整される。但し、ブレーキアシスト制御
中のマスタシリンダ液圧Pmcは実線で示すように、マス
タシリンダMC内のブレーキ液が液圧ポンプHPに吸い
込まれる分、二点鎖線のマスタシリンダ液圧に対し低い
値となる。
【0056】このブレーキアシスト制御中、例えばd点
でブレーキペダルBPの踏力が弱められると、減速度偏
差ΔGが負の値(即ち、加速度)となり、更にe点でブ
レーキペダルBPの踏力が増大すると減速度偏差ΔGが
増加する。この減速度偏差ΔGの増加に応じ開閉弁SI
*のデューティDiが減速度偏差ΔGに比例して増加す
るが、そのまま(F)に破線で示すように増加すると、
それだけ液圧ポンプHPに吸い込まれるブレーキ液の量
が増加し、(A)のe点近傍に破線で示すようにマスタ
シリンダ液圧が急減し、ブレーキペダルBPの踏力が極
端に低下するので、運転者に違和感を与えることとな
る。このため、本実施形態では開閉弁SI*のデューテ
ィDiが上限値Dupを越えないように設定され、(F)
のe点近傍に実線で示すように制限が加えられる。そし
て、f点で液圧センサPSの検出マスタシリンダ液圧P
mcが所定値未満と判定されると終了特定制御が行なわ
れ、目標実行時間Teの間、開閉弁SC*のデューティ
Dcが前述のマップに基づいて選択された値に設定され
た後、ブレーキアシスト制御が終了する。
【0057】図9及び図10は図4のステップ109で
行なわれる液圧サーボ制御の処理内容を示すもので、各
車輪についてホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ
制御が行なわれる。先ず、ステップ301にて制動操舵
制御モードか否かが判定され、そうであれば制動操舵制
御用の目標スリップ率Sv** が各車輪の目標スリップ率
St** とされ、そうでなければステップ303にて目標
スリップ率St** が0とされた後、ステップ304に進
む。ステップ304ではブレーキアシスト制動力配分制
御中か否かが判定され、ブレーキアシスト制動力配分制
御中である場合にはステップ305にて目標スリップ率
St** にブレーキアシスト制動力配分制御用のスリップ
率偏差ΔSb** が加算された後ステップ306に進む。
ステップ306では目標スリップ率St** に対し前後制
動力配分制御用のスリップ率偏差ΔSd** 、トラクショ
ン制御用のスリップ率偏差ΔSr** 、アンチスキッド制
御用のスリップ率偏差ΔSs** が加算されて目標スリッ
プ率St** が更新される。尚、ΔSd** 、ΔSr** 、Δ
Ss** の値は該当する制御が非制御中には0とされる。
【0058】続いてステップ307において、各車輪毎
にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると共に、ステッ
プ308にて車体減速度偏差ΔDVso**が演算される。
ステップ307においては、各車輪の目標スリップ率S
t** と実スリップ率Sa** の差が演算されスリップ率偏
差ΔSt** が求められる(ΔSt** =St** −Sa*
*)。また、ステップ308においては車両重心位置で
の推定車体減速度DVsoと制御対象の車輪における車輪
加速度DVw** の差が演算され、車体減速度偏差ΔDV
so**が求められる。このときの各車輪の実スリップ率S
a** 及び車体減速度偏差ΔDVso**はアンチスキッド制
御、トラクション制御等の制御モードに応じて演算が異
なるが、これらについては説明を省略する。
【0059】続いて、ステップ309に進みスリップ率
偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以上
であればステップ311にてスリップ率偏差ΔSt** の
積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差ΔS
t** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率偏差
積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏差積
分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|ΔSt*
* |が所定値Ka を下回るときにはステップ310にて
スリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)され
る。次にステップ312乃至315において、スリップ
率偏差積分値IΔSt** が上限値Kb 以下で下限値Kc
以上の値に制限され、上限値Kb を超えるときはKb に
設定され、下限値Kc を下回るときはKc に設定された
後、ステップ316に進む。
【0060】ステップ316においては、各制御モード
におけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY
**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算され
る。また、ステップ317において、ブレーキ液圧制御
に供する別のパラメータX**がGd** ・ΔDVso**とし
て演算される。尚、Gs** 、Gd** は予め設定された固
定ゲインである。
【0061】この後、ステップ318に進み、各車輪毎
に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図11に示す
制御マップに従って液圧モードが設定される。図11に
おいては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持領域、
パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定されてお
り、ステップ318にてパラメータX**及びY**の値に
応じて、何れの領域に該当するかが判定される。尚、非
制御状態では液圧モードは設定されない(ソレノイドオ
フ)。
【0062】ステップ318にて今回判定された領域
が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧もしくは
減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧の立下
りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、ステッ
プ319において増減圧補償処理が行われる。例えば急
減圧モードからパルス増圧モードに切換るときには、急
増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧モードの
持続時間に基づいて決定される。続いて、ステップ32
0にて各車輪の制御モードが他の車輪との関係において
設定される。例えば、リヤローセレクト制御が行なわ
れ、後方の車輪RR,RLについて低速側の車輪に基づ
いて液圧制御が行なわれる。そして、ステップ321に
おいて、図5のステップ205,212及び216で設
定された開閉弁SI*のデューティDi及び開閉弁SC
*のデューティDcに基づき、開閉弁SI*及び開閉弁
SC*が開閉制御される。また、上記液圧モード及び増
減圧補償処理に応じて、ブレーキ液圧制御装置BCを構
成する各電磁弁のソレノイドが駆動され、各車輪の制動
力が制御される。
【0063】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両の制動制御
装置においては、ブレーキ操作検出手段が検出したブレ
ーキペダルの操作状態及び減速度検出手段が検出した減
速度に応じて第2の開閉弁を開閉制御するように構成さ
れているので、液圧ポンプ駆動用のモータを連続駆動し
た状態でブレーキアシスト制御を行なうことも可能であ
り、種々の制御モードにおける液圧制御に影響を及ぼす
ことなく、適切にブレーキアシスト制御を行なうことが
できる。
【0064】例えば、請求項2に記載のように、少くと
もブレーキペダルの操作状態に応じて目標減速度を設定
すると共に、該目標減速度と減速度検出手段が検出した
減速度の偏差を演算し、該偏差が大きい程第2の開閉弁
の開位置時間割合が大きくなるように設定し、この開位
置時間割合に基づき第2の開閉弁を開閉制御する構成と
した場合には、減速度偏差に応じてホイールシリンダの
増圧勾配を変えることができ、一層適切にブレーキアシ
スト制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の制動制御装置の概要を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の制動制御装置の一実施形態の全体構成
図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるブレーキ液圧制御
装置を示す構成図である。
【図4】本発明の一実施形態における車両の制動制御の
全体を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態におけるブレーキアシスト
制御の具体的処理内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態におけるブレーキアシスト
制御量の演算処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態におけるブレーキアシスト
制御量の演算処理の他の例を示すフローチャートであ
る。
【図8】本発明の一実施形態におけるマスタシリンダ液
圧、ブレーキアシスト制御モード、減速度偏差、各開閉
弁のデューティ等の変動状況の一例を示すグラフであ
る。
【図9】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御の
処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御
の処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態においてブレーキ液圧制
御に供するパラメータと液圧モードとの関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル PS 液圧センサ BS ブレーキスイッチ MC マスタシリンダ MF 主液圧路 MFc 補助液圧路 M 電動モータ HP1,HP2 液圧ポンプ RS1,RS2 リザーバ Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ WS1〜WS4 車輪速度センサ FR,FL,RR,RL 車輪 BC ブレーキ液圧制御装置 SC1,SC2 第1の開閉弁 SI1,SI2 第2の開閉弁 PC1〜PC8 開閉弁 EG エンジン YS ヨーレイトセンサ YG 横加速度センサ CMP マイクロコンピュータ ECU 電子制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 敏 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪に装着し制動力を付与する
    ホイールシリンダと、該ホイールシリンダに対しブレー
    キペダルの操作に応じてブレーキ液を昇圧しマスタシリ
    ンダ液圧を出力するマスタシリンダと、該マスタシリン
    ダを前記ホイールシリンダに連通接続する主液圧路とを
    備えた車両の制動制御装置において、前記主液圧路を開
    閉する第1の開閉弁と、該第1の開閉弁と前記ホイール
    シリンダとの間に吐出側を接続し前記ホイールシリンダ
    に対し昇圧したブレーキ液を吐出する液圧ポンプと、該
    液圧ポンプの吸込側を前記マスタシリンダに連通接続す
    る補助液圧路と、該補助液圧路を開閉する第2の開閉弁
    と、前記ブレーキペダルの操作状態を検出するブレーキ
    操作検出手段と、前記車両の減速度を検出する減速度検
    出手段と、前記第1及び第2の開閉弁を駆動制御する制
    動制御手段であって、前記ブレーキ操作検出手段が検出
    した前記ブレーキペダルの操作状態及び前記減速度検出
    手段が検出した減速度に応じて前記第2の開閉弁を開閉
    制御する制動制御手段とを備えたことを特徴とする車両
    の制動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制動制御手段は、少くとも前記ブレ
    ーキペダルの操作状態に応じて目標減速度を設定すると
    共に、該目標減速度と前記減速度検出手段が検出した減
    速度の偏差を演算し、該偏差が大きい程前記第2の開閉
    弁の開位置時間割合が大きくなるように設定し、該開位
    置時間割合に基づき前記第2の開閉弁を開閉制御するこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両の制動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制動制御手段は、前記第2の開閉弁
    の開位置時間割合を所定割合以下に制限して前記第2の
    開閉弁を開閉制御することを特徴とする請求項2記載の
    車両の制動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制動制御手段は、前記第2の開閉弁
    の開閉制御開始後、第1の所定時間の間、前記ブレーキ
    ペダルの操作状態に応じて設定する一定の開位置時間割
    合に基づき前記第2の開閉弁を開閉制御することを特徴
    とする請求項2又は3記載の車両の制動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制動制御手段は、前記第2の開閉弁
    の開閉制御開始後前記第1の所定時間を経過した後、更
    に第2の所定時間の間、前記第2の開閉弁の開位置時間
    割合を通常時の開位置時間割合に対し所定の割合以下に
    制限して前記第2の開閉弁を開閉制御することを特徴と
    する請求項4記載の車両の制動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の開閉弁と前記ホイールシリン
    ダとの間に介装し、前記制動制御手段の出力に応じて前
    記ホイールシリンダのブレーキ液圧を調整するモジュレ
    ータを具備したことを特徴とする請求項1記載の車両の
    制動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記モジュレータは、前記制動制御手段
    の出力に応じて少くとも増圧モード及び減圧モードの何
    れかの液圧モードを選択して前記ホイールシリンダのブ
    レーキ液圧を調整するように構成すると共に、前記液圧
    モードとして減圧モードを選択したときには前記ホイー
    ルシリンダのブレーキ液を排出するリザーバを備え、該
    リザーバを前記液圧ポンプの吸込側に連通接続して成
    り、前記制動制御手段は、少くとも一つの車輪に関し前
    記液圧モードとして減圧モードを選択したときには前記
    液圧ポンプを連続駆動し、全ての車輪に関し前記液圧モ
    ードとして減圧モードを選択していないときにのみ、前
    記液圧ポンプに対し駆動と停止の繰り返しによる制御を
    行なうように構成したことを特徴とする請求項6記載の
    車両の制動制御装置。
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