JPH11208435A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

車両の制動制御装置

Info

Publication number
JPH11208435A
JPH11208435A JP1282698A JP1282698A JPH11208435A JP H11208435 A JPH11208435 A JP H11208435A JP 1282698 A JP1282698 A JP 1282698A JP 1282698 A JP1282698 A JP 1282698A JP H11208435 A JPH11208435 A JP H11208435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
control
pressure
deceleration
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1282698A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Ito
孝之 伊藤
Kenji Toutsu
憲司 十津
Masanobu Fukami
昌伸 深見
Satoshi Yokoyama
敏 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP1282698A priority Critical patent/JPH11208435A/ja
Publication of JPH11208435A publication Critical patent/JPH11208435A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液圧ポンプによってマスタシリンダの出力液
圧をホイールシリンダに供給してブレーキアシスト制御
を行う制動制御装置において、ブレーキアシスト制御の
終了時点のホイールシリンダ液圧とマスタシリンダ液圧
の差を小とし得ること。 【解決手段】 主液圧路MFを開閉する第1の開閉弁S
Cと、第1の開閉弁とホイールシリンダの間に吐出側を
接続しホイールシリンタ゛に対し昇圧したブレーキ液を吐出する液
圧ポンプHPと、液圧ポンプの吸入側をマスタシリンダ
に接続する補助液圧路Mfcと、補助液圧路を開閉する
第2の開閉弁SIと、マスタシリンダ液圧を検出する液
圧センサPSとを備える。そして、液圧センサの検出結
果に基づきブレーキアシスト制御開始の要否を判定し、
開始要ならば液圧ポンプ並びに第1及び第2の開閉弁を制
御しホイールシリンダ液圧をマスタシリンダ液圧に対し
所定の嵩上げ圧力だけ大とするようブレーキアシスト制
御を行い、マスタシリンダ液圧が所定液圧以下になった
場合に制御を終了する。更に、上記嵩上げ圧力をマスタ
シリンダ液圧が小のとき小とし大のとき大とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルが
急速度で踏み込まれたとき、又はブレーキペダルが深く
踏み込まれたときに、自動的に制動力を増大させて運転
者のブレーキペダル操作を補助するブレーキアシスト制
御機能を備えた車両の制動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両を走行中、例えば緊急制動時にはブ
レーキペダルが急速度で踏み込まれるが、踏力が不十分
あるいは踏力の維持が困難で、適切な制動力が得られな
いということが生じ得る。このような点に鑑み、近時、
ブレーキアシスト制御機能を付加することが提案され、
既に一部の市販車両に搭載されている。このブレーキア
シスト制御は、ブレーキペダルが急速度で踏み込まれた
ときに、自動的に制動力を増大させて運転者のブレーキ
ペダル操作を補助するものであり、一般的にバキューム
ブースタの倍圧機能を制御することが行われている。
【0003】ここで、バキュームブースタを完全に又は
部分的に節約することを目的として、アンチスキッド制
御又はトラクション制御用のポンプを用いてブレーキア
シスト制御を行う技術(特開平8−230634号公
報)が知られている。具体的には、このものは、ホイー
ルシリンダと、マスタシリンダと、マスタシリンダをホ
イールシリンダに接続する主液圧路と、主液圧路を開閉
する第1の開閉弁と、第1の開閉弁とホイールシリンダ
との間に吐出側を接続しホイールシリンダに対し昇圧し
たブレーキ液を吐出する液圧ポンプと、液圧ポンプの吸
入側をマスタシリンダに接続する補助液圧路と、補助液
圧路を開閉する第2の開閉弁とを備えている。
【0004】また、マスタシリンダの出力液圧を検出す
る圧力センサが設けられ、マスタシリンダ液圧が所定液
圧以上で且つマスタシリンダ液圧の増加割合が所定割合
を越えた場合に、液圧ポンプ並びに第1及び第2の開閉
弁が制御され、公報の図8に示すように、ホイールシリ
ンダ液圧がマスタシリンダ液圧に対し所定の嵩上げ圧力
だけ大となるようブレーキアシスト制御が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のもの
では、図8から判断すると、ブレーキアシスト制御中に
おいて嵩上げ圧力は略一定であると推察される。そのた
め、ブレーキアシスト制御の終了時点のホイールシリン
ダ液圧とマスタシリンダ液圧の差が大となる。その結
果、終了後の特定制御又は通常ブレーキに円滑に移行す
ることができず、ペダルショック、車両減速度の急低
下、音等が生じる恐れがある。
【0006】故に、本発明は、液圧ポンプによってマス
タシリンダの出力液圧をホイールシリンダに供給してブ
レーキアシスト制御を行う制動制御装置において、ブレ
ーキアシスト制御の終了時点のホイールシリンダ液圧と
マスタシリンダ液圧の差を小とし得ることを、その技術
的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るため、請求項1の発明の車両の制動制御装置は、車両
の車輪に装着され制動力を付与するホイールシリンダ
と、ブレーキペダルの操作量に応じて液圧を発生するマ
スタシリンダと、前記マスタシリンダを前記ホイールシ
リンダに接続する主液圧路と、前記主液圧路を開閉する
第1の開閉弁と、前記第1の開閉弁と前記ホイールシリ
ンダとの間に吐出側を接続し前記ホイールシリンダに対
し昇圧したブレーキ液を吐出する液圧ポンプと、前記液
圧ポンプの吸入側を前記マスタシリンダに接続する補助
液圧路と、前記補助液圧路を開閉する第2の開閉弁と、
前記ブレーキペダルの操作に関する値を検出するブレー
キ操作検出手段と、前記ブレーキ操作検出手段の検出結
果に基づき前記第1及び第2の開閉弁並びに前記液圧ポ
ンプを制御し、ホイールシリンダ液圧をマスタシリンダ
液圧に対し嵩上げ圧力だけ大とするようにブレーキアシ
スト制御を行うブレーキアシスト制御手段と、前記ブレ
ーキ操作検出手段の検出結果に基づきブレーキアシスト
制御を終了させる制御終了手段とを備え、前記ブレーキ
アシスト制御手段が、前記ブレーキ操作検出手段の検出
結果に応じて前記嵩上げ圧力を変更する嵩上げ圧力変更
手段を有するように構成したものである。
【0008】請求項1の発明によれば、ホイールシリン
ダ液圧をマスタシリンダ液圧に対し嵩上げ圧力だけ大と
するようにブレーキアシスト制御を行うにあたって、そ
の嵩上げ圧力をブレーキペダルの操作に関する値に応じ
て変更するので、ブレーキペダルの操作量が減少した場
合に嵩上げ圧力も減少することができ、ブレーキアシス
ト制御の終了時点のホイールシリンダ液圧とマスタシリ
ンダ液圧の差を小とすることができる。その結果、円滑
にブレーキアシスト制御を終了することができる。
【0009】請求項1において、請求項2の発明に示す
ように、前記ブレーキ操作検出手段は、前記ブレーキペ
ダルの操作量を検出するブレーキ操作量検出手段を有
し、前記嵩上げ圧力変更手段は、前記ブレーキペダルの
操作量に応じて前記嵩上げ圧力を変更すると、好まし
い。
【0010】上記技術的課題を解決するため、請求項3
の発明の車両の制動制御装置は、車両の車輪に装着され
制動力を付与するホイールシリンダと、ブレーキペダル
の操作量に応じて液圧を発生するマスタシリンダと、前
記マスタシリンダを前記ホイールシリンダに接続する主
液圧路と、前記主液圧路を開閉する第1の開閉弁と、前
記第1の開閉弁と前記ホイールシリンダとの間に吐出側
を接続し前記ホイールシリンダに対し昇圧したブレーキ
液を吐出する液圧ポンプと、前記液圧ポンプの吸入側を
前記マスタシリンダに接続する補助液圧路と、前記補助
液圧路を開閉する第2の開閉弁と、前記ブレーキペダル
の操作量を検出するブレーキ操作量検出手段と、前記車
両の実減速度を検出する実減速度検出手段と、前記ブレ
ーキペダルの操作量に対応する車両減速度を演算し、該
車両減速度に所定の嵩上げ減速度を加算して車両の目標
減速度を得る目標減速度演算手段と、前記実減速度と前
記目標減速度の偏差を演算する偏差演算手段と、前記偏
差演算手段により演算された前記偏差に基づき前記第1
及び第2の開閉弁並びに前記液圧ポンプを制御し、前記
偏差を減らすようにブレーキアシスト制御を行うブレー
キアシスト制御手段と、前記ブレーキペダルの操作量が
所定量以下の場合にブレーキアシスト制御を終了させる
制御終了手段とを備え、前記目標減速度演算手段が、前
記ブレーキペダルの操作量に応じて前記嵩上げ減速度を
変更する嵩上げ減速度変更手段を有するものである。
【0011】請求項3の発明によれば、ブレーキペダル
の操作量に対応する車両減速度に所定の嵩上げ減速度を
加算して車両の目標減速度を演算し、嵩上げ減速度をブ
レーキペダルの操作量に応じて変更するので、ブレーキ
ペダルの操作量が減少した場合にそれに応じて嵩上げ減
速度も減少することができ、結果、ブレーキアシスト制
御の終了時点のホイールシリンダ液圧とマスタシリンダ
液圧の差を小とすることができる。つまり、円滑に制御
を終了することができる。
【0012】請求項3において、請求項4の発明に示す
ように、前記嵩上げ減速度変更手段は、前記嵩上げ減速
度を、前記ブレーキペダルの操作量が小さいときには小
さく、前記ブレーキペダルの操作量が大きいときには大
きくなるよう変更すると、好ましい。ブレーキペダルが
解放された場合にはブレーキペダルの操作量が減少する
が、上記構成により、これに伴い嵩上げ減速度が減少
し、ホイールシリンダ液圧がマスタシリンダ液圧に徐々
に収束していく。そして、ブレーキペダルの操作量が所
定量以下になると制御が終了するが、その際のホイール
シリンダ液圧とマスタシリンダ液圧の差を小にできる。
その結果、終了後の特定制御又は通常ブレーキに円滑に
移行することができる。
【0013】請求項1又は3において、請求項5に示す
ように、前記第1の開閉弁と前記ホイールシリンダとの
間に介装され、前記ホイールシリンダのブレーキ液圧を
調整するモジュレータを更に備えると、好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。
【0015】図1は本発明の制動制御装置の一実施形態
を示すもので、エンジンEGはスロットル制御装置TH
及び燃料噴射装置FIを備えた内燃機関で、スロットル
制御装置THにおいてはアクセルペダルAPの操作に応
じてメインスロットルバルブMTのメインスロットル開
度が制御される。また、電子制御装置ECUの出力に応
じて、スロットル制御装置THのサブスロットルバルブ
STが駆動されサブスロットル開度が制御されると共
に、燃料噴射装置FIが駆動され燃料噴射量が制御され
るように構成されている。本実施形態のエンジンEGは
変速制御装置GS及びディファレンシャルギヤDFを介
して車両前方の車輪FL,FRに連結されており、所謂
前輪駆動方式が構成されているが、本発明における駆動
方式をこれに限定するものではない。
【0016】次に、制動系については、車輪FL,F
R,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置PCが接続
されている。尚、車輪RL、RRは従動輪を示してい
る。ブレーキ液圧制御装置PCは図2に示すように構成
されており、これについては後述する。
【0017】車輪FL,FR,RL,RRには車輪速度
センサWSl乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち
車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装
置ECUに入力されるように構成されている。また、マ
スタシリンダMCの出力ブレーキ液圧(以下マスタシリ
ンダ液圧という)Pmcを検出する液圧センサPSが電
子制御装置ECUに接続されており、マスタシリンダ液
圧Pmcを表す信号が電子制御装置ECUに入力される
ように構成されている。更に、ブレーキペダルBPが踏
み込まれたときオンとなるブレーキスイッチBS、車両
前方の車輪FL,FRの舵角θfを検出する前輪舵角セ
ンサ(図示せず)、車両の横加速度Gyを検出する横加
速度センサ(図示せず)及び車両ヨーレイトγを検出す
るヨーレイトセンサ(図示せず)等が電子制御装置EC
Uに接続されている。
【0018】本実施形態の電子制御装置ECUは、バス
を介して相互に接続されたプロセシングユニットCP
U、メモリROM、RAM、入力ポートIPT及び出力
ポートOPT等から成るマイクロコンピュータMCPを
備えている。上記車輪速度センサWSl乃至WS4、液
圧センサPS、ブレーキスイッチBS、前輪舵角セン
サ、ヨーレイトセンサ、横加速度センサ等の出力信号は
増幅回路AMPを介して夫々入力ポートIPTからプロ
セシングユニットCPUに入力されるように構成されて
いる。また、出力ポートOPTからは駆動回路ACTを
介してスロットル制御装置TH及びブレーキ液圧制御装
置PCに夫々制御信号が出力されるように構成されてい
る。
【0019】マイクロコンピュータMCPにおいては、
メモリROMは図3乃至図9に示したフローチャートを
含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロセシ
ングユニットCPUは図示しないイグニッションスイッ
チが閉成されている間当該プログラムを実行し、メモリ
RAMは当該プログラムの実行に必要な変数データを一
時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御毎に、
もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイクロコ
ンピュータを構成し、相互間を電気的に接続することと
してもよい。
【0020】ブレーキ液圧制御装置BCを示すもので、
ブレーキペダルBPの操作に応じてバキュームブースタ
VBを介してマスタシリンダMCが倍力駆動され、マス
タリザーバLRS内のブレーキ液が昇圧されて車輪F
R,RL及び車輪FL,RR側の液圧系統にマスタシリ
ンダ液圧が出力されるようになっている。マスタシリン
ダMCはタンデム型のマスタシリンダで、2つの圧力室
が夫々各ブレーキ液圧系統に接続されている。即ち、第
1の圧力室MCaは車輪FR,RL側のブレーキ液圧系
統に連通接続され、第2の圧力室MCbは車輪FL,R
R側のブレーキ液圧系統に連通接続される。
【0021】車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統にお
いては、第1の圧力室MCaは主液圧路MF及びその分
岐液圧路MFr,MFlを介して夫々ホイールシリンダ
Wfr,Wrlに接続されている。主液圧路MFには、
常開型の2ポート2位置の第1の電磁開閉弁SC1(所
謂カットオフ弁として機能するもので、以下、単に開閉
弁SC1という)が配設されている。また、第1の圧力
室MCaは補助液圧路MFcを介して後述する逆止弁C
V5,CV6に接続されている。補助液圧路MFcには
前述の液圧センサPSが接続されており、マスタシリン
ダ液圧Pmcが検出される。尚、ブレーキペダルBPの
操作状態を検出するセンサとしては、液圧センサPSの
代わりに、ブレーキペダルBPのストロークを検出する
ストロークセンサを用いても良い。
【0022】分岐液圧路MFr,MFlには夫々、常開
型の2ポート2位置の電磁開閉弁PC1及びPC2(以
下、単に開閉弁PC1,PC2という)が配設されてい
る。また、これらと並列に夫々逆止弁CV1,CV2が
配設されている。逆止弁CV1,CV2は、マスタシリ
ンダMC方向へのブレーキ液の流れのみを許容するもの
で、これらの逆止弁CV1,CV2及び開閉弁SC1を
介してホイールシリンダWfr,Wrl内のブレーキ液
がマスタシリンダMCひいてはマスタシリンダリザーバ
LRSに戻されるようになっている。従って、ブレーキ
ペダルBPが開放された時に、ホイールシリンダWf
r,Wrl内の液圧はマスタシリンダMC側の液圧低下
に迅速に追従し得る。また、ホイールシリンダWfr,
Wrlに連通接続される排出側の分岐液圧路RFr,R
Flに、夫々常閉型の2ポート2位置電磁開閉弁PC
5,PC6(以下、単に開閉弁PC5,PC6という)
が配設され、分岐液圧路RFr,RFlが合流した排出
液圧路RFは補助リザーバRS1に接続されている。
【0023】補助リザーバRS1には、逆止弁CV6,
CV5を介して液圧ポンプHP1の吸入側が接続され、
その吐出側は逆止弁CV7及び液圧路MFpを介して開
閉弁PC1,PC2の上流側に接続されている。液圧ポ
ンプHP1は、液圧ポンプHP2と共に単一の電動モー
タMによって駆動され、吸入側からブレーキ液を導入し
所定の圧力に昇圧して吐出側から出力する。補助リザー
バRS1は、マスタシリンダMCのマスタリザーバLR
Sとは独立して設けられたもので、アキュムレータとい
うこともでき、ピストンとスプリングを備え、所定の容
量のブレーキ液を貯蔵し得るように構成されている。
【0024】マスタシリンダMCは、補助液圧路MFc
を介して液圧ポンプHP1の吸入側の逆止弁CV5と逆
止弁CV6との間に連通接続されている。逆止弁CV5
は、補助リザーバRS1へのブレーキ液の流れを阻止
し、逆方向への流れを許容するものである。また、逆止
弁CV6,CV7は、液圧ポンプHP1を介して吐出さ
れるブレーキ液の流れを一定方向に規制するもので、通
常は液圧ポンプHP1内に一体的に構成されている。而
して、開閉弁SI1は、図2に示す常態の閉位置でマス
タシリンダMCと液圧ポンプHP1の吸入側との連通が
遮断され、開位置でマスタシリンダMCと液圧ポンプH
P1の吸入側が連通するように切り換えられる。
【0025】また、開閉弁SC1には並列に、リリーフ
弁RV1及び逆止弁AV1が配設されている。リリーフ
弁RV1は、マスタシリンダMCから開閉弁PC1,P
C2方向へのブレーキ液の流れを制限し、開閉弁PC
1,PC2側のブレーキ液圧がマスタシリンダ液圧に対
し所定の設定圧以上大になった時に、マスタシリンダM
C方向へのブレーキ液の流れを許容するもの(所謂相対
圧リリーフ弁)で、これにより液圧ポンプHP1の吐出
ブレーキ液が所定の圧力を越えるのを回避できる。逆止
弁AV1は、ホイールシリンダWfr,Wrl方向への
ブレーキ液の流れを許容し、逆方向への流れを禁止する
ものである。この逆止弁AV1の存在により、開閉弁S
C1が閉位置であっても、ブレーキペダルBPが踏み込
まれた場合にはホイールシリンダWfr,Wrl内のブ
レーキ液圧が増圧される。尚、液圧ポンプHP1の吐出
側にダンパDP1が配設され、後輪側のホイールシリン
ダWrlに至る液圧路にプロポーショニングバルブPV
1が介装されている。
【0026】一方、車輪FL,RR側のブレーキ液圧系
統においても同様に、リザーバRS2、ダンパDP2及
びプロポーショニングバルブPV2をはじめ、常開型の
2ポート2位置電磁開閉弁SC2(第1の開閉弁)、常
閉型の2ポート2位置電磁開閉弁SI2(第2の開閉
弁)、常開型の2ポート2位置電磁開閉弁PC3,PC
4、常閉型の2ポート2位置電磁開閉弁PC7,PC
8、逆止弁CV3,CV4,CV8及至CV10、リリ
ーフ弁RV2並びに逆止弁AV2が配設されている。液
圧ポンプHP2は、電動モータMによって液圧ポンプH
P1と共に駆動される。
【0027】上記電動モータM、開閉弁SC1,SC
2,SI1,SI2並びに開閉弁PC1及至PC8は、
前述の電子制御装置ECUによって駆動制御され、後述
するブレーキアシスト制御、アンチスキッド制御、制動
操舵制御(オーバーステア抑制制御又はアンダーステア
抑制制御)、前後制動力配分制御、トラクション制御等
の各種制御が行われる。
【0028】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、ブレー
キアシスト制御、アンチスキッド制御等の一連の処理が
行なわれ、イグニッションスイッチ(図示せず)が開成
されると図3乃至図8等のフローチャートに対応したプ
ログラムの実行が開始する。
【0029】図3は制動制御の作動を示すもので、先ず
ステップ101にてマイクロコンピュータMCPが初期
化され、各種の演算値がクリアされる。次にステップ1
02において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出
信号が読み込まれると共に、液圧センサPSの検出信号
(マスタシリンダ液圧Pmc)が読み込まれる。また、
前輪舵角センサの検出信号(舵角θf)、ヨーレイトセ
ンサの検出信号(実ヨーレイトγ)及び横加速度センサ
の検出信号(即ち、実横加速度Gya)が読み込まれる。
【0030】続いてステップ103に進み、マスタシリ
ンダ液圧Pmcが微分され、マスタシリンダ液圧Pmc
が微分され、マスタシリンダ液圧変化割合DPmcが求
められる。そして、ステップ104にて各車輪の車輪速
度Vw** (**は各車輪を表す)が演算されると共に、各
車輪の車輪速度Vw** が微分されて各車輪の車輪加速度
DVw** が演算される。次いで、ステップ105におい
て、各車輪の車輪速度Vw** に基づき車両の重心位置に
おける推定車体速度VsoがVso=MAX(Vw** )とし
て演算されると共に、各車輪位置における推定車体速度
Vso**が求められる。更に、必要に応じ、この各輪位置
車体速度Vso**に対し、車両旋回時の内外輪差等に基づ
く誤差を低減するため正規化が行われる。更に、車両の
重心位置における前後方向の車体減速度(以下車体減速
度という)DVsoが重心位置での車体速度Vsoを微分す
ることにより演算される。尚、ここでは説明の便宜上、
車体減速度としたが、符号を逆にすれば車体加速度とな
る)。
【0031】次いで、ステップ106にて、上記ステッ
プ103及び104で求められた各車輪の車輪速度Vw*
* と各輪位置での推定車体速度Vso**(あるいは、正規
化された各輪位置推定車体速度)に基づき、各車輪の実
スリップ率Sa** がSa** =(Vso**−Vw**)/Vso**
として求められる。次いで、ステップ107にて重心位
置での車体減速度DVso及び実横加速度Gyaに基づ
き、路面摩擦係数μが近似的にμ=(DVso2 +Gya
2 )1/2 として推定される。尚、この路面摩擦係数μ及
び各車輪のホイールシリンダ液圧Pw**の推定値に基づ
き、各車輪位置の路面摩擦係数μ**も演算しても良い。
【0032】続いて、ステップ108にてブレーキアシ
スト制御が行われるが、これについては後述する。そし
て、ステップ109に進み、アンチスキッド制御等の各
種制御モードが設定され、各種制御モードに供する目標
スリップ率が設定される。次いで、ステップ110の液
圧サーボ制御により、ブレーキ液圧制御装置PCが制御
され各車輪に対する制動力が制御される。特に、ブレー
キアシスト制御においては、電動モータM、開閉弁SC
1,SC2,SI1,SI2が駆動制御される。
【0033】次に、図4を参照して図3のステップ10
8におけるブレーキアシスト制御の具体的内容について
説明する。
【0034】まずステップ201において、ブレーキア
シスト制御フラグFLがフラグF1又はフラグF2か否
かが判定され、そうでなければステップ202に進む。
ここで、フラグF1は開始特定制御中を、F2は本制御
中を夫々意味する。ステップ202では、BA制御開始
条件を充足しているか否かが判定され、そうであればス
テップ203に進み、制御フラグFLが開始特定制御中
フラグF1にセットされる。ここで、上記ブレーキアシ
スト制御の開始条件は、液圧センサPSの検出液圧Pm
cが所定値以上であり、且つその検出液圧の変化割合D
Pmcが所定割合以上である。
【0035】続いて、ステップ203からステップ20
4に進み、開始特定制御演算が行われる。即ち、開始特
定制御に供する開閉弁SI*のデューティDis及び開
始特定制御の実行時間Tsが設定される。具体的には、
開閉弁SI*のデューティDisは、制御開始要判定時
点のマスタシリンダ液圧Pmcとマスタシリンダ液圧の
変化割合DPmcに応じて、マップ(図示せず)の中か
ら選択される。マスタシリンダ液圧Pmcが高い程開閉
弁SI*のデューティDisが大きく設定され、マスタ
シリンダ液圧の変化割合(増加割合)DPmcが大きい
程開閉弁SI*のデューティDisが大きく設定され
る。また、開始特定制御の実行時間Tsは、ホイールシ
リンダWCに供給すべき目標のブレーキ液量Vcを開閉
弁SI*のデューティDis等を考慮した液圧ポンプH
Pの単位時間当たりの吐出量Vpで除した値(時間)と
一定時間Tc(例えば1sec)の小さい方の時間に設
定される。
【0036】そして、ステップ205に進み、開始特定
制御用の開閉弁SI*のデューティがステップ204で
選択された値に設定されると共に、開閉弁SC*のデュ
ーティが100%に設定される。次いで、ステップ20
6において、ブレーキアシスト制御開始後上記の実行時
間Ts経過したか否かが判定され、経過してなければそ
のまま図3のメインルーチンに戻り、経過していればス
テップ207において制御フラグFLがF2にセットさ
れた後、図3のメインルーチンに戻る。
【0037】一方、ステップ201で制御フラグFLが
開始特定制御中フラグF1又は本制御中フラグF2と判
定されると、ステップ208に進み、ブレーキアシスト
制御終了条件が充足しているか否か(即ち制御終了要
否)が判定される。ここで、ブレーキスイッチBSがオ
フ、重心位置での車体速度Vsoが所定速度以下、マスタ
シリンダ液圧Pmcが所定の下限値Pa(例えば1MP
a)以下、の何れか1つの条件が成立した場合、制御終
了要と判定される。ステップ208において、終了条件
が充足していないと判定されると、ステップ209に進
み、制御フラグFLが開始特定制御中フラグF1か否か
が判定される。そうであれば、再びステップ205及至
207の処理が実行される。ステップ209で制御フラ
グFLがF1でないと判定されると、制御フラグFLが
本制御中グラグF2であるので、ステップ210及至2
13に進み本制御の処理が実行される。
【0038】まず、ステップ210において、後述する
ように、マスタシリンダ液圧Pmcに応じた車両減速度
Gmに対し、ブレーキアシスト制御用として所定の液圧
に応じた車両減速度Δgが加算され、車両の目標減速度
G*が設定される。つまり、ブレーキペダルBPの操作
量に応じた目標減速度G*が設定される。続いて、ステ
ップ211に進み、上記の車両の目標減速度G*と実減
速度として用いる重心位置での車体減速度DVsoとの差
が演算される。
【0039】次いで、ステップ212に進み、減速度偏
差ΔGを制御偏差として、ブレーキアシスト制御量の演
算が行われる。即ち、図8のグラフを用いて減速度偏差
ΔGに基づき開閉弁SI*,SC*のデューティ(通電
時間の割合)が設定される。具体的には、増圧側(減速
度偏差ΔGが正)では、開閉弁SI*のデューティDi
が減速度偏差に比例するように設定されると共に、開閉
弁SC*のデューティDcが100%近傍の一定値とさ
れ、略閉位置とされる。ここで、減速度偏差0<ΔG<
Gkのときには開閉弁SI*のデューティDiが0%と
され、開閉弁SI*が閉位置とされる。一方、減圧側
(減速度偏差ΔGが負)では、開閉弁SC*のデューテ
ィDcが減速度偏差に比例するように設定されると共
に、開閉弁SI*のデューティDiが0%近傍の一定値
とされ、略閉位置とされる。また、開閉弁SI*のデュ
ーティDiに対し所定の制限が加えられている。つま
り、減速度偏差ΔGが大きくても、開閉弁SI*のデュ
ーティDiが所定の上限値Dupを越えないように設定
されている。これは、マスタシリンダMCから過剰な量
のブレーキ液が液圧ポンプHPに吸込まれるのを極力回
避するためで、これによりブレーキペダルBPの沈み込
みや液圧センサPSの出力信号の変動を極力抑えること
ができる。
【0040】続いて、ステップ213に進み、ブレーキ
アシスト制動力配分制御量演算が行われる。これは、ブ
レーキアシスト制御中にも、各車輪間の制動力配分を調
整して安定した制動状態を維持するもので、各車輪の目
標スリップ率が設定される。その後、図3のメインルー
チンに戻る。
【0041】一方、ステップ208でブレーキアシスト
制御終了条件が充足していると判定されると、ステップ
214に進み、制御フラグFLが終了特定制御中フラグ
F3にセットされる。次いで、ステップ215におい
て、終了特定制御演算が実行される。即ち、制御終了要
判定時点のマスタシリンダ液圧の変化割合(減圧割合)
DPmcに応じて、図10のグラフを用いて終了特定制
御に供する開閉弁SC*のデューティDceが設定され
る。図10から明らかなように、DPmc≦DPmc1
(例えば100kgf/cm/sec)の場合、DceはDce
2(例えば85%)に、DPmc1<DPmc≦DPm
c2(例えば150kgf/cm/sec)の場合、DceはD
ce2よりも小さいDce1(例えば20%)に、DP
mc2<DPmcの場合、Dceは0%にそれぞれ設定
される。つまり、開閉弁SC*のデューティDceは、
運転者の意志を反映するため、マスタリンダ液圧の減少
割合が大きいと大きくされている。また、終了特定制御
の実行時間Teが、一定時間(例えば0.2sec)に設
定される。
【0042】そして、ステップ216に進み、終了特定
制御用の開閉弁SC*のデューティがステップ215で
選択された値に設定されると共に、開閉弁SI*のデュ
ーティが0%に設定される。次いで、ステップ217に
おいて、ブレーキアシスト制御終了後上記実行時間Te
を経過したか否かが判定され、経過してなければ図3の
メインルーチンに戻り、経過していればステップ218
に進み、制御フラグFLがF0にセットされた後、図3
のメインルーチンに戻る。
【0043】一方、ステップ202において、BA制御
開始条件が充足していない(即ち終了特定制御中又は非
制御)と判定されると、ステップ219に進み、制御フ
ラグFLが終了特定制御中フラグF3か否かが判定さ
れ、そうであれば、ステップ216及至218が再び実
行された後、図3のメインルーチンに戻る。ステップ2
19で制御フラグFLが終了特定制御中フラグF3でな
いと判定されると、非制御を意味するので図3のメイン
ルーチンに戻る。
【0044】図5を参照して、図4のステップ210の目
標減速度演算について説明する。
【0045】まず、ステップ401において、マスタシ
リンダ液圧Pmcに対応する車両減速度Gmが設定され
る。この車両減速度Gmは、マスタシリンダ液圧Pmc
と比例関係にある。次いで、ステップ402にて、マス
タシリンダ液圧Pmcに対応する車両減速度Gmに応じ
てブレーキアシスト本制御に供する嵩上げ減速度Δgが
設定される。具体的には、Gm≦0.7GではGmが増
加(減少)するに伴い嵩上げ減速度Δgも比例して増加
(減少)し、0.7G≦Gm≦1.0GではΔgは一定
の値(例えば0.3G)とされる。従って、マスタシリ
ンダ液圧が減少してそれに対応する車両減速度Gmが
0.7G以下まで減少した場合には、それに応じて嵩上
げ減速度Δgも減少するようになっている。この嵩上げ
減速度Δgは、ブレーキアシスト制御中のホイールシリ
ンダ液圧とマスタシリンダ液圧の差である嵩上げ圧力に
対応している。尚、嵩上げ減速度Δgは、マスタシリン
ダ液圧Pmcから設定推定したり、マスタシリンダ液圧
の変化割合から設定しても良い。また、液圧センサPS
に代えてペダルストロークセンサを設け、そのストロー
ク量に応じて嵩上げ量Δgを設定しても良い。最後に、
ステップ403に進み、車両の目標減速度G*がマスタ
シリンダ液圧Pmcに対応する車両減速度Gmに嵩上げ
量Δgが加算されて演算される。
【0046】図6は上記のブレーキアシスト制御を説明
するタイミングチャートであり、(A)の特性は液圧セ
ンサPSの検出マスタシリンダ液圧Pmcを示し、ブレ
ーキペダルBPの踏力に略対応する。実線はブレーキア
シスト制御時の特性の一例を示し、2点鎖線はブレーキ
アシスト制御が行われない場合の特性を示す。尚、ブレ
ーキアシスト制御時のホイールシリンダのブレーキ液圧
を破線で示している。(B)はブレーキアシスト制御の
制御モードを示し、図6の左側から開始特定制御、ゲイ
ンダウン制御、本制御、終了特定制御の順で行われる。
従って、これら以外はブレーキアシスト非制御である。
(C)の特性はブレーキアシスト制御に起因するマスタ
シリンダ液圧Pmcの変化(落込量)を示し、(D)の
特性はブレーキアシスト制御時の液圧センサPSの出力
に対する依存度を示す。(E)の特性は減速度偏差ΔG
の変化を示し、(F)の特性は開閉弁SI*,SC*の
デューティの変化を示す。
【0047】同図において、液圧センサPSの検出マス
タシリンダ液圧Pmcが所定値以上で、その変化割合D
Pmcが所定割合以上となったa点で、ブレーキアシス
ト制御の開始特定制御が開始し、実行時間Ts後のb点
までの間、開閉弁SI*のデューティDisが前述のマ
ップに基づく一定値に設定される。b点で開始特定制御
が終了すると、その後ゲインダウン制御が行われ、実行
時間Td経過後のc点までの間、開閉弁SI*のデュー
ティDiが本制御時の50%に制限される。
【0048】その後、g点まで本制御が行われ、開閉弁
SI*のデューティDi及び開閉弁SC*のデューティ
Dcが減速度偏差ΔGに比例するように設定され、それ
に基づき開閉弁SI*,SC*が開閉制御される。即
ち、(A)の破線で示すように、ホイールシリンダ液圧
が、2点鎖線のマスタシリンダ液圧に対し所定圧力分、
嵩上げされた液圧に調整される。但し、ブレーキアシス
ト制御中のマスタシリンダ液圧Pmcは、実線で示すよ
うにマスタシリンダMC内のブレーキ液が液圧ポンプH
Pに吸込まれる分、2点鎖線のマスタシリンダ液圧に対
し低い値になる。
【0049】本制御中、例えばd点でブレーキペダルB
Pの踏力が弱められると、減速度偏差ΔGが負の値(即
ち加速度)となり、更に、e点でブレーキペダルの踏力
が増大すると、減速度偏差ΔGが増加する。この減速度
偏差ΔGの増加に応じ開閉弁SI*のデューティDiが
増加するが、そのまま(F)の破線で示すように増加す
ると、それだけ液圧ポンプHPに吸込まれるブレーキ液
の量が増加し、(A)のe点近傍に破線で示すようにマ
スタシリンダ液圧が急減し、ブレーキペダルBPの踏力
が極端に低下するので、運転者に違和感を与えることと
なる。このため、開閉弁SI*のデューティDiが上限
値Dupを越えないように設定され、(F)のe点近傍の
実線で示すように制限が加えられる。f点でブレーキペ
ダルBPが解放され始め、マスタシリンダ液圧Pmcが
徐々に減少していくと、それに伴い目標減速度演算用の
嵩上げ量Δg(嵩上げ圧力に対応)も減少するように変
更されるので、ホイールシリンダ液圧がマスタシリンダ
液圧に次第に収束していく。そして、g点でマスタシリ
ンダ液圧Pmcが所定値未満と判定されると、本制御終
了要と判定されるが、その時点のホイールシリンダ液圧
とマスタシリンダ液圧の差が、嵩上げ量Δg一定の場合
に比べて、小さくなる。従って、次の終了特定制御に円
滑に移行することができる。終了特定制御においては、
実行時間Teの間、図10に示すグラフに応じて設定さ
れた開閉弁SC*のデューティDceに基づき開閉弁S
C*が駆動される。
【0050】最後に、図7及び図8を参照して、図3の
ステップ109の液圧サーボ制御の詳細を説明するが、
ここでは開閉弁SI*,SC*の駆動制御並びに各車輪
についてホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ制御
が行なわれる。
【0051】先ず、ステップ301にて制動操舵制御モ
ードか否かが判定され、そうであればステップ302に
進み、予め設定された制動操舵制御用の目標スリップ率
Sv**が各車輪の目標スリップ率St**とされ、そうで
なければステップ303に進み、各車輪の目標スリップ
率St**が0とされた後、ステップ304に進む。ステ
ップ304では、ブレーキアシスト制動力配分制御中か
否かが判定され、そうであれば、ステップ305にて目
標スリップ率St**にブレーキアシスト制動力配分制御
用のスリップ率補正量ΔSb**が加算された後、ステッ
プ306に進み、そうでなければそのままステップ30
6に進む。ステップ306では、目標スリップ率St**
に対し前後制動力配分制御用のスリップ率補正量ΔSd
**、トラクション制御用のスリップ率補正量ΔSr**、
アンチスキッド制御用のスリップ率補正量ΔSs**が加
算されて目標スリップ率St** が更新される。尚、ΔS
d**、ΔSr**、ΔSs**の値は該当する制御が行われ
ていない時には0とされる。
【0052】そして、ステップ307において各車輪毎
にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると共に、ステッ
プ308にて車体加速度偏差ΔDVso**が演算される。
具体的には、ステップ307において、各車輪の目標ス
リップ率St** と実スリップ率Sa** の差が演算されス
リップ率偏差ΔSt** が求められる(ΔSt** =St**
−Sa** )。また、ステップ308において、車両重心
位置での車体減速度DVsoと制御対象の車輪における車
輪加速度DVw**の差が演算され、車体減速度偏差ΔD
Vso**が求められる。このときの各車輪の実スリップ率
Sa** 及び車体減速度偏差ΔDVso**はアンチスキッド
制御、トラクション制御等の制御モードに応じて演算が
異なるが、これらについては説明を省略する。
【0053】続いて、ステップ309に進みスリップ率
偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以上
であればステップ311にてスリップ率偏差ΔSt** の
積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差ΔS
t** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率偏差
積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏差積
分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|ΔSt*
*|が所定値Kaを下回るときにはステップ310にて
スリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)され
る。次に、ステップ312乃至315において、スリッ
プ率偏差積分値IΔSt** が上限値Kb 以下で下限値K
c 以上の値に制限され、上限値Kb を超えるときはKb
に設定され、下限値Kc を下回るときはKc に設定され
た後、ステップ316に進む。
【0054】ステップ316においては、各制御モード
におけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY
**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算され
る。また、ステップ317において、ブレーキ液圧制御
に供する別のパラメーラX**がGd** ・ΔDVso**とし
て演算される。尚、ゲインGs** ,Gd** は予め設定さ
れた固定ゲインである。
【0055】この後、ステップ318に進み、各車輪毎
に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図10に示す
制御マップに従って液圧モードが設定される。図10に
おいては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持領域、
パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定されてお
り、パラメータX**及びY**の値に応じて、何れの領域
に該当するかが判定される。尚、非制御状態では液圧モ
ードは設定されない(ソレノイドオフ)。
【0056】ステップ318にて今回判定された領域
が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧もしくは
減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧の立下
りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、ステッ
プ319において増減圧補償処理が行なわれる。例えば
急減圧モードからパルス増圧モードに切換るときには、
急増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧モード
の持続時間に基づいて決定される。続いて、ステップ3
20にて各車輪の制御モードが他の車輪との関係におい
て設定される。例えば、リアローセレクト制御が行わ
れ、後方の車輪RR,RLについて低速側の車輪に基づ
いて液圧制御が行われる。
【0057】そして、ステップ321において、図4の
ステップ205,212及び216で設定された開閉弁
SI*のデューティDi及び開閉弁SC*のデューティ
Dcに基づき、開閉弁SI*,SC*が開閉駆動(即ち
デューティ駆動)されると共に、電動モータMも駆動さ
れる。尚、ステップ321では、上記液圧制御モード、
増減圧補償処理及び各輪制御モード処理に応じて、開閉
弁PC1及至PC8のソレノイドも駆動され、各車輪の
制動力が制御される。
【0058】尚、本実施形態では、車両の目標減速度と
実減速度の偏差に基づきブレーキアシスト制御を行って
いるが、各ホイールシリンダに実際のホイールシリンダ
液圧を検出する液圧センサを設け、マスタシリンダ液圧
Pmcに所定の嵩上げ圧力Δpを加算して目標ホイール
シリンダ液圧を演算し、その目標ホイールシリンダ液圧
と実ホイールシリンダ液圧の偏差に基づきブレーキアシ
スト制御を行ってもよい。その場合、マスタシリンダ液
圧Pmcに応じて上記嵩上げ圧力Δpが変更される。即
ち、嵩上げ圧力Δpは、マスタシリンダ液圧Pmcが小
の場合に小とされ、大の場合に大とされる。
【0059】また、本実施形態では、終了特定制御にお
いて、開閉弁SC*をデューティ駆動したが、モジュレ
ータである常閉型の制御弁PC5〜PC8をデューティ
駆動しても良い。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、ホイールシリンダ液圧
をマスタシリンダ液圧に対し嵩上げ圧力だけ大とするよ
うにブレーキアシスト制御を行うにあたって、その嵩上
げ圧力をブレーキペダルの操作に関する値に応じて変更
するので、ブレーキアシスト制御の終了時点のホイール
シリンダ液圧とマスタシリンダ液圧の差を小とすること
ができる。つまり、円滑にブレーキアシスト制御を終了
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制動制御装置の一実施形態の全体構成
図である。
【図2】図1のブレーキ液圧制御装置の一例を示す構成
図である。
【図3】本発明の一実施形態における車両の制動制御の
全体を示すフローチャートである。
【図4】図3のブレーキアシスト制御の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図5】図4の目標減速度演算の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図6】本発明の一実施形態におけるマスタシリンダ液
圧、ブレーキアシスト制御モード、減速度偏差、各開閉
弁のデュ−ティ等の変動状況を示すタイミングチャート
である。
【図7】図3の液圧サーボ制御の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図8】図3の液圧サーボ制御の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図9】図4のブレーキアシスト制御量演算の詳細を示
すグラフである。
【図10】本実施形態において、マスタシリンダ液圧の
減圧割合と終了特定制御に供するデューティDceとの
関係を示すグラフである。
【図11】本実施形態において、ブレーキ液圧制御に供
するパラメータと液圧モードとの関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
FR,FL,RR,RL 車輪 Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ BP ブレーキペダル MC マスタシリンダ MF 主液圧路 SC1,SC2 第1の開閉弁 HP1,HP2 液圧ポンプ MFc 補助液圧路 SI1,SI2 第2の開閉弁 PS 液圧センサ(ブレーキ操作量検出手段) PC1〜PC8 開閉弁(モジュレータ) ECU 電子制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 敏 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車輪に装着され制動力を付与する
    ホイールシリンダと、ブレーキペダルの操作量に応じて
    液圧を発生するマスタシリンダと、前記マスタシリンダ
    を前記ホイールシリンダに接続する主液圧路と、前記主
    液圧路を開閉する第1の開閉弁と、前記第1の開閉弁と
    前記ホイールシリンダとの間に吐出側を接続し前記ホイ
    ールシリンダに対し昇圧したブレーキ液を吐出する液圧
    ポンプと、前記液圧ポンプの吸入側を前記マスタシリン
    ダに接続する補助液圧路と、前記補助液圧路を開閉する
    第2の開閉弁と、前記ブレーキペダルの操作に関する値
    を検出するブレーキ操作検出手段と、前記ブレーキ操作
    検出手段の検出結果に基づき前記第1及び第2の開閉弁
    並びに前記液圧ポンプを制御し、ホイールシリンダ液圧
    をマスタシリンダ液圧に対し嵩上げ圧力だけ大とするよ
    うにブレーキアシスト制御を行うブレーキアシスト制御
    手段と、前記ブレーキ操作検出手段の検出結果に基づき
    ブレーキアシスト制御を終了させる制御終了手段とを備
    え、前記ブレーキアシスト制御手段は、前記ブレーキ操
    作検出手段の検出結果に応じて前記嵩上げ圧力を変更す
    る嵩上げ圧力変更手段を有する車両の制動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ブレーキ操作検
    出手段は、前記ブレーキペダルの操作量を検出するブレ
    ーキ操作量検出手段を有し、前記嵩上げ圧力変更手段
    は、前記ブレーキペダルの操作量に応じて前記嵩上げ圧
    力を変更する車両の制動制御装置。
  3. 【請求項3】 車両の車輪に装着され制動力を付与する
    ホイールシリンダと、ブレーキペダルの操作量に応じて
    液圧を発生するマスタシリンダと、前記マスタシリンダ
    を前記ホイールシリンダに接続する主液圧路と、前記主
    液圧路を開閉する第1の開閉弁と、前記第1の開閉弁と
    前記ホイールシリンダとの間に吐出側を接続し前記ホイ
    ールシリンダに対し昇圧したブレーキ液を吐出する液圧
    ポンプと、前記液圧ポンプの吸入側を前記マスタシリン
    ダに接続する補助液圧路と、前記補助液圧路を開閉する
    第2の開閉弁と、前記ブレーキペダルの操作量を検出す
    るブレーキ操作量検出手段と、前記車両の実減速度を検
    出する実減速度検出手段と、前記ブレーキペダルの操作
    量に対応する車両減速度を演算し、該車両減速度に所定
    の嵩上げ減速度を加算して車両の目標減速度を得る目標
    減速度演算手段と、前記実減速度と前記目標減速度の偏
    差を演算する偏差演算手段と、前記偏差演算手段により
    演算された前記偏差に基づき前記第1及び第2の開閉弁
    並びに前記液圧ポンプを制御し、前記偏差を減らすよう
    にブレーキアシスト制御を行うブレーキアシスト制御手
    段と、前記ブレーキペダルの操作量が所定量以下の場合
    にブレーキアシスト制御を終了させる制御終了手段とを
    備え、前記目標減速度演算手段は、前記ブレーキペダル
    の操作量に応じて前記嵩上げ減速度を変更する嵩上げ減
    速度変更手段を有する車両の制動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記嵩上げ減速度変
    更手段は、前記嵩上げ減速度を、前記ブレーキペダルの
    操作量が小さいときには小さく、前記ブレーキペダルの
    操作量が大きいときには大きくなるよう変更する車両の
    制動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は3において、 前記第1の開閉弁と前記ホイールシリンダとの間に介装
    され、前記ホイールシリンダのブレーキ液圧を調整する
    モジュレータを更に備えたことを特徴とする車両の制動
    制御装置。
JP1282698A 1998-01-26 1998-01-26 車両の制動制御装置 Pending JPH11208435A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1282698A JPH11208435A (ja) 1998-01-26 1998-01-26 車両の制動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1282698A JPH11208435A (ja) 1998-01-26 1998-01-26 車両の制動制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11208435A true JPH11208435A (ja) 1999-08-03

Family

ID=11816197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1282698A Pending JPH11208435A (ja) 1998-01-26 1998-01-26 車両の制動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11208435A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008308150A (ja) * 2007-05-16 2008-12-25 Advics:Kk ブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法
JP2012046135A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nissan Motor Co Ltd 制動力制御装置及び制動力制御方法
JP2012046137A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nissan Motor Co Ltd 制動力制御装置及び制動力制御方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008308150A (ja) * 2007-05-16 2008-12-25 Advics:Kk ブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法
JP2012046135A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nissan Motor Co Ltd 制動力制御装置及び制動力制御方法
JP2012046137A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nissan Motor Co Ltd 制動力制御装置及び制動力制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11189139A (ja) 車両の制動制御装置
JP4211071B2 (ja) 車両の制動制御装置
US6349995B1 (en) Brake control system for a vehicle
JP3496515B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP2000203401A (ja) 車両の制動制御装置
JP3726455B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP4389294B2 (ja) 車両の制動制御装置
US7246864B2 (en) Vehicle motion control apparatus
US7213892B2 (en) Vehicle motion control apparatus
JP4224528B2 (ja) 車両の制動制御装置
JPH11310121A (ja) 車両の制動制御装置
JP3885361B2 (ja) 車両の制動制御装置
JPH11208434A (ja) 車両の制動制御装置
JPH11208435A (ja) 車両の制動制御装置
JP4093137B2 (ja) 車両の運動制御装置
JP3726457B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP2002137720A (ja) 車両の制動制御装置
JP2000185635A (ja) 車両の制動制御装置
JP2001233194A (ja) 車両の液圧制御装置
JP4389296B2 (ja) 車両の運動制御装置
JP3627328B2 (ja) 車両の運動制御装置
JP4075124B2 (ja) 車両の制動制御装置
JPH11189146A (ja) 車両の制動制御装置
JP4281203B2 (ja) 車両の液圧制御装置
JP4366814B2 (ja) 車両の制動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041022

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070412

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070918