JP2012046135A - 制動力制御装置及び制動力制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転者によるブレーキペダルの非操作時に第一連通路を介してリザーブタンクと連通するマスタシリンダと第二連通路を介して連通し、且つ車輪に制動力を付与するホイールシリンダの液圧を、ブレーキペダルの操作量に応じてマスタシリンダで発生するマスタシリンダ圧以上の液圧に増圧し、ブレーキペダルの操作量が、予め設定した操作量閾値以上から当該操作量閾値未満に減少すると、マスタシリンダ圧以上の液圧に増圧した液圧に対する、増圧の度合いを減少させ、且つブレーキペダルの戻し方向への操作速度が予め設定した操作速度閾値以上の場合に、操作速度が操作速度閾値未満の場合よりも、操作量閾値を大きくする。
【選択図】図6
Description
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、運転者がブレーキペダルの操作量を急速に減少させた際に、運転者へ与える違和感を低減することが可能な、制動力制御装置及び制動力制御方法を提供することを課題とする。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、本実施形態と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の制動力制御装置を適用した車両Vの概略構成を示す図である。
図1中に示すように、車両Vは、車輪Wと、ホイールシリンダ1と、ブレーキペダル2と、マスタシリンダ4と、油圧ユニット6と、ブレーキコントローラ8を備えている。
車輪Wは、自動変速機10等を介してエンジン12の駆動軸と連結している左右一対の前輪WFと、前輪WFよりも車両前後方向後方にオフセットして配置した、左右一対の後輪WRから構成している。なお、以降の説明では、左右一対の前輪WFを、左前輪WFL及び右前輪WFRと記載し、左右一対の後輪WRを、左後輪WRL及び右後輪WRRと記載する場合がある。
変速機コントローラ16は、運転者によるアクセルペダル18の操作量や変速操作(例えば、シフトレバーの操作)等に応じて、自動変速機10の変速比を制御する。また、変速機コントローラ16は、ギア位置信号(自動変速機10のレンジポジション:「P」、「N」、「D」、「R」等)を含む情報信号を、ブレーキコントローラ8へ出力する。
エンジンコントローラ20は、運転者によるアクセルペダル18の操作量等に応じて、エンジン12のトルクや回転数、スロットル開度等を制御し、エンジン12のコントロールを行う。これにより、エンジンコントローラ20は、運転者の意思を反映した車両Vの加減速コントロールを行う。また、エンジンコントローラ20は、エンジン12が発生するトルクを含む情報信号と、アクセルペダル18の操作量を含む情報信号を、ブレーキコントローラ8へ出力する。
ブレーキペダル2は、運転者による車両Vの制動時に操作されるペダルであり、制動倍力装置22を介して、マスタシリンダ4に接続している。
また、ブレーキペダル2には、ブレーキセンサ24を設けている。
ブレーキセンサ24は、例えば、ブレーキペダル2のストロークを検出可能なブレーキストロークセンサ等を用いて形成してあり、運転者によるブレーキペダル2のストロークを検出する。そして、この検出したブレーキペダル2のストロークを含む情報信号を、ブレーキコントローラ8へ出力する。
また、マスタシリンダ4は、ブレーキペダル2の非操作時に、第一連通路26を介して、ブレーキ液を貯留したリザーブタンク28と連通する。すなわち、第一連通路26の一端は、常にリザーブタンク28と連通し、第一連通路26の他端は、ブレーキペダル2の非操作時に、マスタシリンダ4内のピストン(図示せず)によって閉鎖されない位置で、マスタシリンダ4と連通している。
なお、ブレーキコントローラ8の詳細な構成については、後述する。
ヨーレート・横加速度センサ30は、車両Vのヨーレート及び横加速度を検出し、この検出したヨーレート及び横加速度を含む情報信号を、ブレーキコントローラ8へ出力する。
以下、図1を参照しつつ、図2を用いて、油圧ユニット6の具体的な構成について説明する。
図2は、油圧ユニット6の油圧回路を示す図である。
図2中に示すように、油圧ユニット6は、ブレーキ液が移動する油圧系統として、P(プライマリ)系統とS(セカンダリ)系統との二系統を有しており、いわゆる、X配管と呼ばれる配管構造となっている。
以下、P系統及びS系統の概略構成について説明する。
P系統の一端には、マスタシリンダ4を接続しており、P系統の他端には、ホイールシリンダ1FL及びホイールシリンダ1RRを接続している。また、P系統には、P系統側ポンプ36Pを設けている。P系統の詳細な構成は、後述する。
以下、P系統の詳細な構成について説明する。
マスタシリンダ4とP系統側ポンプ36Pの吸入側は、P系統側第一管路40Pによって接続しており、P系統側第一管路40P上には、P系統側ゲートインバルブ42Pを設けている。P系統側ゲートインバルブ42Pは、常閉型の電磁弁であり、ブレーキコントローラ8が出力した指令信号により動作(開閉)する。
P系統側第二管路46Pは、ホイールシリンダ1FLに接続するP系統側第一分岐路48FLと、ホイールシリンダ1RRに接続するP系統側第一分岐路48RRに分岐している。
P系統側リザーバ68PとP系統側ポンプ36Pとの間には、P系統側第三チェックバルブ70Pを設けている。P系統側第三チェックバルブ70Pは、P系統側リザーバ68PからP系統側ポンプ36Pへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、P系統側ポンプ36PからP系統側リザーバ68Pへ向かう方向のブレーキ液の流れを禁止するバルブである。
P系統側マスタシリンダ圧センサ78Pは、マスタシリンダ4からP系統へ供給されるブレーキ液の液圧を検出し、この検出した液圧を含む情報信号を、ブレーキコントローラ8へ出力する。
以下、S系統の詳細な構成について説明する。
マスタシリンダ4とS系統側ポンプ36Sの吸入側は、S系統側第一管路40Sによって接続しており、S系統側第一管路40S上には、S系統側ゲートインバルブ42Sを設けている。S系統側ゲートインバルブ42Sは、常閉型の電磁弁であり、ブレーキコントローラ8が出力した指令信号により動作(開閉)する。
S系統側第二管路46Sは、ホイールシリンダ1FRに接続するS系統側第一分岐路48FRと、ホイールシリンダ1RLに接続するS系統側第一分岐路48RLに分岐している。
また、S系統側第一分岐路48FRには、S系統側ソレノイドインバルブ50FRを迂回するS系統側第一迂回管路52FRを設けている。S系統側第一迂回管路52FRには、S系統側第一迂回チェックバルブ54FRを設けている。
S系統側第四管路66Sの一端は、S系統側第一管路40Sに接続しており、S系統側第四管路66Sの他端には、S系統側リザーバ68Sを設けている。S系統側リザーバ68Sは、P系統の管路内を移動するブレーキ液を貯蔵・吐出するタンクである。
S系統側第五管路72Sは、ホイールシリンダ1FRに連通するS系統側第二分岐路74FRと、ホイールシリンダ1RLに連通するS系統側第二分岐路74RLに分岐している。
S系統側第二分岐路74RLには、S系統側ソレノイドアウトバルブ76RLを設けている。S系統側ソレノイドアウトバルブ76RLは、ホイールシリンダ1RLに対応する常閉型の電磁弁であり、ブレーキコントローラ8が出力した指令信号により動作(開閉)する。
S系統側マスタシリンダ圧センサ78Sは、マスタシリンダ4からS系統へ供給されるブレーキ液の液圧を検出し、この検出した液圧を含む情報信号を、ブレーキコントローラ8へ出力する。
以下、図1及び図2を参照しつつ、図3を用いて、ブレーキコントローラ8の詳細な構成について説明する。
図3は、ブレーキコントローラ8の詳細な構成を示す図である。
図3中に示すように、ブレーキコントローラ8は、ブレーキ操作量検出部80と、ブレーキ操作速度検出部82と、ブレーキアシスト作動判定部84と、制御開始判定部86を備えている。これに加え、ブレーキコントローラ8は、操作量閾値設定部88と、制御終了判定部90と、制動力制御量算出部92と、ブレーキアシスト制御部94を備えている。
ここで、マスタシリンダ4からP系統及びS系統へ供給される液圧(マスタシリンダ圧)は、運転者によるブレーキペダル2の操作量と相関関係にある。すなわち、運転者によるブレーキペダル2の操作量が増加すると、マスタシリンダ圧も増加する関係が成立している。
ここで、制御開始閾値は、運転者が走行中の車両Vを減速させる意思があると判定可能な程度の、運転者によるブレーキペダル2の操作量(踏み込み量)であり、予め、実験等によって求めた値である。
すなわち、ブレーキ操作速度検出部82が検出した操作速度が操作速度閾値以上である場合とは、運転者によるブレーキペダル2の操作が急速な戻し操作であり、運転者によるブレーキペダル2の操作量が、非操作時の操作量へ急速に減少する場合である。
制御終了判定部90は、ブレーキ操作量検出部80が検出した運転者によるブレーキペダル2の操作量が、予め、操作量閾値設定部88が設定した操作量閾値未満であるか否かを判定する。
=マスタシリンダ圧+(ブレーキペダル操作量×補正係数)
=マスタシリンダ圧+(ブレーキペダル操作量×α・t1) … (1)
なお、ここで、液圧の制御量を減少させる際の制御内容は、上記の内容に限定されるものではない。すなわち、例えば、制御量減少開始からの経過時間に応じて、上記式(1)の補正係数α・t1を、制御量減少開始時の補正係数α・t1から減少させることによって、液圧の制御量を減少させてもよい。
以下、図1から図3を参照しつつ、図4を用いて、ブレーキコントローラ8が行う処理を詳細に説明する。
図4は、ブレーキコントローラ8が行う処理を示すフローチャートである。
図4中に示すフローチャートは、走行(前進走行)中の車両Vにおいて、車両Vの運転者が、車両Vを制動・減速させるためにブレーキペダル2を操作(踏み込み)した状態からスタート(図4中に示す「START」)する。図4中に示すフローチャートを開始すると、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS100の処理へ移行する。
ステップS104において、ブレーキアシスト作動フラグが成立していない(図中に示す「Yes」)と判定すると、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS106へ移行する。
ステップS106において、ブレーキ操作量検出部80が検出した操作量が制御開始閾値以上である(図中に示す「Yes」)と判定すると、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS110へ移行する。
ステップS108において、運転者によるブレーキペダル2の操作速度が予め設定した操作速度閾値以上である(図中に示す「Yes」)と判定すると、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS114へ移行する。
一方、ステップS118において、ブレーキ操作量検出部80が検出した操作量が操作量閾値以上である(図中に示す「No」)と判定すると、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS110へ移行する。
ステップS122において、各ホイールシリンダ1へ供給する液圧の制御量が「0」である(図中に示す「Yes」)と判定すると、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS124へ移行する。ここで、各ホイールシリンダ1へ供給する液圧の制御量が「0」である状態とは、ステップS120において算出した、「0」へ向けて減少する制御量が、「0」に達した状態である。
次に、図1から図4を参照しつつ、図5及び図6を用いて、本実施形態の制動力制御装置が行う処理の一例と、制動力制御装置が行う処理に伴う車両Vの動作の一例について説明する。
図5中に示すフローチャートは、車両Vが走行(前進走行)しており、ブレーキアシスト制御が実施されていない状態からスタート(図5中に示す「START」)する。図5中に示すフローチャートを開始すると、制動力制御装置が行う処理は、ステップS200の処理へ移行する。
ここで、制動力制御装置がブレーキアシスト制御を開始する処理を行うと、制動力制御量算出部92が、各ホイールシリンダ1へ供給する液圧の制御量を算出する。そして、制動力制御量算出部92は、算出した制御量に応じて演算した指令信号を、制御周期毎に、ブレーキアシストモータ38及び各バルブ(42、50、60、76)へ出力する(ステップS114参照)。
また、指令信号の入力を受けたブレーキアシストモータ38は、P系統側ポンプ36P及びS系統側ポンプ36Sを駆動する。そして、P系統側ポンプ36P及びS系統側ポンプ36Sは、マスタシリンダ4に貯留しているブレーキ液を吸引する。
ステップS206では、制御終了判定部90が、運転者が車両Vの制動を終了させる意思がある(ステップS206に示す「制動終了?」)か否かを判定する(ステップS108〜S118参照)。すなわち、ステップS206では、運転者がブレーキペダル2の操作を止める意思があり、運転者によるブレーキペダル2の操作が、ブレーキペダル2の位置を非操作時の位置へ戻す意思があるか否かを判定する。
ここで、運転者が車両Vの制動を終了させる意思がある場合、運転者によるブレーキペダル2の操作量が非操作時の操作量へと減少して、各ホイールシリンダ1の液圧が、油圧ユニット6を介して、マスタシリンダ4へ流入する。これにより、運転者がブレーキペダル2を踏み込んでいる状態よりも、マスタシリンダ圧が減少する。
ステップS208では、実施中のブレーキアシスト制御を終了する処理(ステップS208に示す「制御終了処理」)を行う(ステップS120〜S124参照)。
さらに、制御終了判定部90が、ブレーキ操作量検出部80が検出した操作量が、第一操作量閾値未満であるか否かを判定する(ステップS114及びステップS118参照)。
したがって、操作量閾値を第一操作量閾値に設定している場合、図6中に示すように、操作量閾値を第二操作量閾値に設定している場合よりも速いタイミングで、各ホイールシリンダ1の液圧の制御量が「0」へ向けて減少する。すなわち、制動力制御量算出部92は、運転者によるブレーキペダル2の操作量が、非操作時の操作量へ急速に減少する場合、ブレーキアシスト制御において増圧した液圧の、増圧の度合いの減少を開始するタイミングを速くする。具体的には、運転者によるブレーキペダル2の操作量が、非操作時の操作量へ緩やかに減少する場合と比較して、ブレーキアシスト制御において増圧した液圧の、増圧の度合いの減少を開始するタイミングを速くする。
さらに、図6中では、操作量閾値を第一操作量閾値に設定している場合に、増圧の度合いの減少を開始するタイミングを、符合「T1」で示している。同様に、図6中では、操作量閾値を第二操作量閾値に設定している場合に、増圧の度合いの減少を開始するタイミングを、符合「T2」で示している。
また、指令信号の入力を受けたP系統側ゲートインバルブ42P及びS系統側ゲートインバルブ42Sは、閉鎖状態となる。
これにより、ステップS204においてマスタシリンダ圧よりも高い液圧に増圧している、ホイールシリンダ1FL、ホイールシリンダ1RR、ホイールシリンダ1FR及びホイールシリンダ1RLの液圧も、マスタシリンダ圧と同様に減少する。
すなわち、運転者によるブレーキペダル2の操作量が急速に減少した場合、ブレーキペダル2の戻し方向への操作速度が高いと、マスタシリンダ圧よりも高い液圧に増圧した液圧に対する、増圧の度合いの減少を開始するタイミングを速くすることとなる。
同様に、P系統側マスタシリンダ圧センサ78Pと、S系統側マスタシリンダ圧センサ78Sと、ブレーキ操作速度検出部82は、ブレーキ操作速度検出手段に対応している。
また、油圧ユニット6が有する複数の管路(40、46、48、58、66、72、74)は、第二連通路に対応している。
(1)液圧制御手段が、ブレーキ操作量検出手段が検出した操作量が予め設定した操作量閾値以上から当該操作量閾値未満に減少すると、マスタシリンダ圧以上の液圧に増圧した液圧の、増圧の度合いを減少させる。
また、液圧制御手段が、ブレーキ操作速度検出手段が検出した操作速度が予め設定した操作速度閾値以上の場合に、ブレーキ操作速度検出手段が検出した操作速度が操作速度閾値未満の場合よりも、操作量閾値を大きくする。
その結果、ブレーキペダルの操作量が急速に減少した場合における、ホイールシリンダとマスタシリンダとの液圧の差を減少させて、第一連通路を流れるブレーキ液による音の発生を抑制し、運転者へ与える違和感を低減することが可能となる。
また、本実施形態の制動力制御方法では、ブレーキペダルの戻し方向への操作速度が予め設定した操作速度閾値以上の場合に、操作速度が操作速度閾値未満の場合よりも、操作量閾値を大きくする。
(1)本実施形態の制動力制御装置では、P系統側マスタシリンダ圧センサ78P及びS系統側マスタシリンダ圧センサ78Sにより、マスタシリンダ圧を検出して、運転者によるブレーキペダル2の操作量を検出したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、ブレーキセンサ24が検出する、ブレーキペダル2のストロークを用いて、運転者によるブレーキペダル2の操作量を検出してもよい。同様に、ブレーキペダル2のストロークを用いて、運転者によるブレーキペダル2の操作速度を検出してもよい。
次に、本発明の第二実施形態(以下、本実施形態と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、図1から図3を参照して、本実施形態の構成を説明する。
操作量閾値設定部88は、予め、ブレーキペダル2の戻し方向への操作速度と操作量閾値との関係を示すマップを格納している。なお、操作量閾値設定部88が格納しているマップの説明は、後述する。
具体的には、ブレーキ操作速度検出部82が検出した運転者によるブレーキペダル2の戻し方向への操作速度が、予め設定した増加補正閾値を超えているか否かを判定する。
すなわち、ブレーキ操作速度検出部82が検出した操作速度が増加補正閾値を超えている場合とは、運転者によるブレーキペダル2の操作が急速な戻し操作であり、運転者によるブレーキペダル2の操作量が、非操作時の操作量へ急速に減少する場合である。
ここで、操作量閾値を大きな値に設定する(大きくする)際には、設定する操作量閾値の上限を、ブレーキペダル2の操作時(踏み込み時)におけるマスタシリンダ圧よりも低い値(液圧)とする。
以下、図1から図4を参照しつつ、図7を用いて、ブレーキコントローラ8が行う処理を詳細に説明する。
図7中に示すフローチャートは、走行(前進走行)中の車両Vにおいて、車両Vの運転者が、車両Vを制動・減速させるためにブレーキペダル2を操作(踏み込み)した状態からスタート(図7中に示す「START」)する。図7中に示すフローチャートを開始すると、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS300の処理へ移行する。
ステップS302の処理(ステップS302に示す「操作速度検出」)は、上述したステップS102の処理と同様であるため、その説明を省略する。ステップS302の処理を行うと、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS304へ移行する。
ステップS306の処理(ステップS306に示す「操作量≧制御開始閾値?」)は、上述したステップS106の処理と同様であるため、その説明を省略する。ステップS306の処理を行うと、ブレーキコントローラ8が行う処理は、図中に示す「Yes」の場合はステップS310へ移行し、図中に示す「No」の場合は終了(図7中に示す「END」)する。
そして、ブレーキ操作速度検出部82が検出した操作速度が、予め設定した増加補正閾値を超えている場合、ステップS308に示すマップにおける、ブレーキペダル2の操作速度と操作量閾値との関係に基づき、操作量閾値を設定する。すなわち、ステップS308では、ブレーキ操作速度検出部82が検出した運転者によるブレーキペダル2の戻し方向への操作速度が、増加補正閾値を超えている場合に、ブレーキペダル2の操作速度が高いほど、操作量閾値を大きくする。
ステップS308において、操作量閾値を設定すると、ブレーキコントローラ8が行う処理は、ステップS314へ移行する。
ステップS312の処理(ステップS312に示す「ブレーキアシスト作動フラグ=1」)は、上述したステップS112の処理と同様であるため、その説明を省略する。ステップS312の処理を行うと、ブレーキコントローラ8が行う処理は終了(図7中に示す「END」)する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、図1から図7を参照して、本実施形態の制動力制御装置が行う処理の一例と、制動力制御装置が行う処理に伴う車両Vの動作の一例について説明する。なお、以下の説明では、実施中のブレーキアシスト制御を終了する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理と、この処理に伴う車両Vの動作を説明する。
ここで、ブレーキ操作速度検出部82が検出した操作速度が増加補正閾値を超えている場合、操作量閾値設定部88は、ブレーキペダル2の操作速度が高いほど、操作量閾値を大きくする(ステップS308参照)。
このため、運転者によるブレーキペダル2の戻し方向への操作速度に応じて、操作量閾値を適切な値に設定して、液圧の増圧の度合いの減少を開始するタイミングを変化させることが可能となる。
以上により、ブレーキ操作量検出部80が検出した操作量が大きいほど、各ホイールシリンダ1の液圧の制御量を「0」へ向けて減少させる際に、減少を開始するタイミングが速くなる。すなわち、制動力制御量算出部92は、運転者によるブレーキペダル2の操作量が、非操作時の操作量へ急速に減少する場合、ブレーキ操作量検出部80が検出した操作量が大きいほど、増圧の度合いの減少を開始するタイミングを速くする。
このとき、運転者によるブレーキペダル2の操作量が急速に減少した場合、ブレーキペダル2の戻し方向への操作速度が高いと、液圧の増圧の度合いの減少を開始するタイミングを速くすることとなる。
以上により、操作量閾値設定部88は、操作量閾値補正手段に対応している。
(1)操作量閾値補正手段が、ブレーキ操作速度検出手段が検出した操作速度が高いほど、操作量閾値を大きくする。
このため、運転者によるブレーキペダルの戻し方向への操作速度に応じて、操作量閾値を適切な値に設定して、液圧の増圧の度合いの減少を開始するタイミングを変化させることが可能となる。
このため、運転者によるブレーキペダルの戻し方向への操作速度に対する誤検出を、抑制することが可能となる。
その結果、ブレーキペダルの操作量が急速に減少した場合において、第一連通路を流れるブレーキ液による音の発生の抑制や、制動時における車両の挙動に対する制御を、精度良く行うことが可能となる。
(1)本実施形態の制動力制御装置では、操作量閾値補正手段が、ブレーキ操作速度検出手段が検出した操作速度が予め設定した増加補正閾値を超えた場合に、操作量閾値を増加させたが、これに限定するものではない。すなわち、操作量閾値補正手段が、ブレーキ操作速度検出手段が検出した操作速度が増加補正閾値を超えているか否かの判定結果を参照せずに、ブレーキ操作速度検出手段が検出した操作速度が高いほど、操作量閾値を大きくしてもよい。
2 ブレーキペダル
4 マスタシリンダ
6 油圧ユニット
8 ブレーキコントローラ
22 制動倍力装置
24 ブレーキセンサ
26 第一連通路
28 リザーブタンク
36 ポンプ
38 ブレーキアシストモータ
42 ゲートインバルブ
50 ソレノイドインバルブ
60 ゲートアウトバルブ
68 リザーバ
76 ソレノイドアウトバルブ
78 マスタシリンダ圧センサ(P系統側マスタシリンダ圧センサ78P、S系統側マスタシリンダ圧センサ78S)
80 ブレーキ操作量検出部
82 ブレーキ操作速度検出部
84 ブレーキアシスト作動判定部
86 制御開始判定部
88 操作量閾値設定部
90 制御終了判定部
92 制動力制御量算出部
94 ブレーキアシスト制御部
V 車両
W 車輪(左前輪WFL、右前輪WFR、左後輪WRL、右後輪WRR)
Claims (6)
- ブレーキペダルの非操作時に第一連通路を介してリザーブタンクと連通し、且つ前記ブレーキペダルの操作量に応じたマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダと、
前記マスタシリンダと第二連通路を介して連通し、且つ液圧により車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
前記ホイールシリンダの液圧を前記マスタシリンダ圧以上の液圧に増圧制御する液圧制御手段と、
前記ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキ操作量検出手段と、
前記ブレーキペダルの戻し方向への操作速度を検出するブレーキ操作速度検出手段と、を備え、
前記液圧制御手段は、前記ブレーキ操作量検出手段が検出した前記操作量が予め設定した操作量閾値以上から当該操作量閾値未満に減少すると、前記液圧の増圧の度合いを減少させ、且つ前記ブレーキ操作速度検出手段が検出した前記操作速度が予め設定した操作速度閾値以上の場合に、前記ブレーキ操作速度検出手段が検出した前記操作速度が前記操作速度閾値未満の場合よりも、前記操作量閾値を大きくすることを特徴とする制動力制御装置。 - 前記ブレーキ操作速度検出手段が検出した前記操作速度が高いほど前記操作量閾値を大きくする操作量閾値補正手段を備えることを特徴とする請求項1に記載した制動力制御装置。
- 前記操作量閾値補正手段は、前記ブレーキ操作速度検出手段が検出した前記操作速度が予め設定した増加補正閾値を超えると、前記操作速度が高いほど前記操作量閾値を大きくすることを特徴とする請求項2に記載した制動力制御装置。
- 前記液圧制御手段は、ホイールシリンダ圧が前記ブレーキペダルの操作量が大きくなるほど大きな制御液圧を前記マスタシリンダ圧に加算した液圧となるように前記ホイールシリンダ圧を制御することによって、前記ホイールシリンダ圧を前記マスタシリンダ圧以上の液圧に増圧制御することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した制動力制御装置。
- 前記制御液圧は、前記ブレーキペダルの操作量に対して所定の係数である補正係数を乗算した値であって、
前記液圧制御手段は、前記ブレーキペダルの操作量が前記操作量閾値以上から当該操作量閾値未満に減少すると、前記補正係数を減少させることにより、前記ホイールシリンダの液圧の増圧の度合いを減少させることを特徴とする請求項4に記載した制動力制御装置。 - ブレーキペダルの非操作時に第一連通路を介してリザーブタンクと連通するマスタシリンダと第二連通路を介して連通し、且つ車輪に制動力を付与するホイールシリンダの液圧を、前記ブレーキペダルの操作量に応じて前記マスタシリンダで発生するマスタシリンダ圧以上の液圧に増圧し、
前記ブレーキペダルの操作量が予め設定した操作量閾値以上から当該操作量閾値未満に減少すると、前記液圧の増圧の度合いを減少させ、且つ前記ブレーキペダルの戻し方向への操作速度が予め設定した操作速度閾値以上の場合に、前記操作速度が前記操作速度閾値未満の場合よりも、前記操作量閾値を大きくすることを特徴とする制動力制御方法。
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JP2010192093A Active JP5587100B2 (ja) | 2010-08-30 | 2010-08-30 | 制動力制御装置及び制動力制御方法 |
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JP (1) | JP5587100B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114526931A (zh) * | 2022-03-11 | 2022-05-24 | 东风汽车集团股份有限公司 | 一种主动声浪声音增益与驾驶工况匹配标定方法和系统 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US5499866A (en) * | 1993-11-08 | 1996-03-19 | Mercedes-Benz Ag | Monitoring method and device in automatic braking process |
JPH1143040A (ja) * | 1997-07-28 | 1999-02-16 | Nissan Motor Co Ltd | ブレーキアシスト装置 |
JPH1170867A (ja) * | 1997-08-28 | 1999-03-16 | Aisin Seiki Co Ltd | 車輪ブレ−キ圧制御装置 |
JPH11208435A (ja) * | 1998-01-26 | 1999-08-03 | Aisin Seiki Co Ltd | 車両の制動制御装置 |
-
2010
- 2010-08-30 JP JP2010192093A patent/JP5587100B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5587100B2 (ja) | 2014-09-10 |
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