JPH1170867A - 車輪ブレ−キ圧制御装置 - Google Patents

車輪ブレ−キ圧制御装置

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JPH1170867A
JPH1170867A JP9232512A JP23251297A JPH1170867A JP H1170867 A JPH1170867 A JP H1170867A JP 9232512 A JP9232512 A JP 9232512A JP 23251297 A JP23251297 A JP 23251297A JP H1170867 A JPH1170867 A JP H1170867A
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wheel brake
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親 司 林
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谷 明 秀 神
Hitoshi Terada
田 仁 寺
Shigeru Sakamoto
本 繁 坂
Koichi Sawada
田 耕 一 澤
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペダル速度対応の増,減圧速度を実現。小型
の負圧ブ−スタでも急ブレ−キ領域で高ブレ−キ圧を円
滑に制御。ポンプ駆動によるエネルギ−消費の低減。ポ
ンプ駆動による過剰なペダル引込みの防止。 【解決手段】 負圧ブ−スタ1b,マスタシリンダ1
a,ポンプ121および圧力制御弁81,83を用いる
ブレ−キ圧制御において、ペダル踏込量検出器103
p;ペダル操作速度検出手段110;ブ−スタ助勢限界
検知用の負圧スイッチ102;および、助勢限界以上で
ポンプを駆動して、ブ−スタの助勢限界出力圧以上に車
輪ブレ−キ圧を高圧制御する。助勢限界未満に戻るとポ
ンプ駆動を停止し車輪ブレ−キ圧を保持する制御モ−ド
を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加えられる操作力
対応のブレ−キ液圧を発生し車輪ブレ−キに与えるため
のブレ−キ圧発生器に加えて、該車輪ブレ−キに高ブレ
−キ液圧を与えるためのポンプを備える車輪ブレ−キ圧
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のポンプは、例えば、車体
の走行安定性および操舵性を確保するために、ドライバ
(運転者)による制動時に車輪回転が完全停止(車輪ロ
ック)するのを回避するように車輪ブレ−キ圧を減圧
し、その後制動距離が可及的に短くなるように増圧し、
更に必要に応じて減,増圧を繰返すアンチスキッド制御
(ABS制御),制動時の車両の横滑りや頭振りあるい
は尻振りを抑制するための、車輪間の車輪ブレ−キ力配
分制御、あるいは、車両加速時の車輪スリップ(加速ス
リップ)を抑制するためのトラクションスリップ制御な
ど、車輪ブレ−キ圧を減圧することによるその後の増圧
のためのブレ−キ液圧不足を補うため、あるいは、ドラ
イバによる制動操作がないときのブレ−キ液圧発生のた
めに備わっており、車輪ブレ−キには、車輪ブレ−キ圧
を増,減するための電磁弁が接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ブレ−キ圧発生器の代
表的なものは、ブレ−キペダル,それに入力ロッドが連
結され入力ロッドに加わる力を増力して出力ロッドに加
える負圧ブ−スタおよび該出力ロッドで駆動されるブレ
−キマスタシリンダを含むものであり、負圧ブ−スタ
は、負圧室と変圧室を区分するダイアフラムを有する。
ダイアフラムは、負圧室と変圧室の圧力差すなわち車両
上エンジンのインテ−クマニホ−ルドの負圧と、ブレ−
キペダルの踏込量に対応して調整された圧力(該負圧か
ら大気圧までの範囲内)との差圧によって駆動される。
このダイアフラムに結合した出力ロッドがブレ−キマス
タシリンダを駆動し、ブレ−キマスタシリンダの出力圧
が車輪ブレ−キに与えられる。
【0004】定常の、コンピュ−タによる介入(車輪ブ
レ−キ圧制御)が不要な制動時には、ブレ−キマスタシ
リンダが発生するブレ−キ圧が車輪ブレ−キに加わる。
負圧ブ−スタのダイアフラムが出力ロッドに加える荷重
は、ダイアフラムの面積と上記差圧との積で定まり、両
者共に限界があるので、負圧ブ−スタの出力荷重の最大
値は、ダイアフラムの面積(負圧ブ−スタのサイズ)と
車両上エンジンが与える負圧で定まる。負圧ブ−スタの
出力荷重の最大値を大きくすることにより、急ブレ−キ
時に大きな制動力を発生して車両を急停止することがで
きるが、負圧ブ−スタのサイズを大きくしなければなら
ない。負圧ブ−スタのサイズが小さいとその出力荷重の
最大値(最高助勢力:助勢限界値)が小さいので、急ブ
レ−キ時の制動力が低く車両の急停止性能が低い。
【0005】特開平4−121260号公報には、ブレ
−キペダルの踏込み速度に対応して、それが高いと高い
速度で車輪ブレ−キ圧を昇圧するという液圧ブレ−キ装
置が提示されているが、車輪ブレ−キ圧はブレ−キマス
タシリンダの出力圧以下(同公報の第2図,第5図)、
あるいは、ブレ−キ操作速度および踏力に無関係の最大
ブレ−キ圧(同公報の第6図)であり、ブレ−キマスタ
シリンダの出力圧は負圧ブ−スタの出力荷重で実質上制
限されるので、車輪ブレ−キ圧の昇圧速度はペダル踏込
速度対応となっても、車輪ブレ−キ圧は、負圧ブ−スタ
の出力荷重の最大値に対応するブレ−キマスタシリンダ
出力圧以下に実質上制限される。あるいは、ブレ−キ操
作速度がしきい値を越えたとき最大ブレ−キ圧まで急激
に高められる。しかし、急ブレ−キ時の高い制動力、特
に、負圧ブ−スタの助勢限界近くあるいはそれを越える
高いブレ−キ圧領域においても、ペダル操作に対応して
ブレ−キ圧を合理的かつ円滑に制御する技術の提供が望
まれている。
【0006】前記特開平4−121260号公報には、
特願平2−21053号にブレ−キペダルの踏力を踏力
センサによって検出し検出踏力に応じたブレ−キ液圧を
リザ−バ,ポンプ,アキュムレ−タおよび車輪ブレ−キ
圧制御用の電磁弁を備えた液圧発生装置にて発生し車輪
ブレ−キに供給する液圧ブレ−キ装置が提示されている
旨の記述があるが、これにおいても急ブレ−キ時の制動
力が低く車両の急停止性能が低いと推察される。
【0007】高い制動力が必要とされかつブレ−キ圧の
高速な上昇が求められる急ブレ−キ領域においても、ペ
ダル操作に対応してブレ−キ圧を合理的かつ円滑に制御
するのが好ましい。これは、液圧源にポンプを備えてポ
ンプ吐出圧を供給圧調整弁を介して車輪ブレ−キに供給
することにより実現しうる。しかし、ブレ−キペダルの
踏込みストロ−クあるいは踏力を検出するストロ−クセ
ンサ,踏力センサ等の操作量検出器を用いて操作量に基
づいて車輪ブレ−キに与えるブレ−キ圧あるいは減速度
の調整を行うブレ−キ圧制御を実施する場合、次のよう
な問題を生ずる。すなわち、ポンプ駆動を開始するとポ
ンプがブレ−キマスタシリンダのブレ−キ液を吸引し車
輪ブレ−キに高圧を与えるためのブレ−キ液ラインに吐
出するので、負圧ブ−スタの出力ロッドに対するブレ−
キマスタシリンダの対抗荷重が低下し負圧ブ−スタの出
力ロッドが引込まれ、これによりブレ−キペダルが踏込
み方向に移動する。この移動は、ドライバ(運転者)の
ブレ−キペダル踏込み操作とペダルの実際の挙動との間
にずれを生ずる。ドライバが踏力を下げて車輪制動力を
下げようとするときそれに伴ってブレ−キペダルが戻ら
ず、該ずれが大きくなる。これらのずれは、発生減速度
に、ドライバが意図するものとのずれをもたらす。
【0008】本発明は、高制動力領域においてもドライ
バ操作と車輪制動力との整合性を高くすることを第1の
目的とし、高制動力領域においても車輪制動力を合理的
かつ円滑に制御することを第2の目的とし、ブレ−キ圧
発生器が比較的に低いブレ−キ液圧を発生するものであ
っても、制動力が大きい車輪ブレ−キ圧制御装置を提供
することを第3の目的とし、ポンプ駆動によるエネルギ
−消費を可及的に低減することを第4の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、ブレ−キ液圧を車輪ブレ−キ(151)に
与えるためのブレ−キマスタシリンダ(1a),車輪制動の
ために車両運転者から加えられた操作を助勢してブレ−
キマスタシリンダ(1a)を駆動する流体圧ブ−スタ(1b)、
および、該流体圧ブ−スタ(1b)の助勢限界出力以上のブ
レ−キ液圧を発生し車輪ブレ−キ(151)に与えるために
ブレ−キマスタシリンダのブレ−キ液を吸引し車輪ブレ
−キに吐出するポンプ(120,121)を含む、車両上の液圧
源(1,120,121);該液圧源と車輪ブレ−キとの間にあっ
て、車輪ブレ−キ液圧を増,減圧するための供給圧調整
手段(81,83);前記流体圧ブ−スタ(1b)に加えられる操
作値(Pd)を検出する操作値検出手段(103p);前記流体圧
ブ−スタ(1b)に加えられる操作値に基づいて供給圧調整
手段の通流を制御する調整制御手段(110);前記操作値
(Pd)の変化速度(dPS)を検出する速度検出手段(110);お
よび、前記流体圧ブ−スタが助勢限界未満か助勢限界か
を検出する限界検出手段(102);を備え、前記調整制御
手段(110)は、前記限界検出手段(102)が助勢限界を検出
するまでの前記操作値の変化速度(dPS)に対応する速度
で前記流体圧ブ−スタの助勢限界出力による液圧以上に
車輪ブレ−キ液圧を調整制御する、車輪ブレ−キ圧制御
装置において、前記調整制御手段は、車輪ブレ−キ液圧
の制御を開始後、流体圧ブ−スタが助勢限界未満に戻っ
た時これを検出して前記ポンプの駆動を停止し、車輪ブ
レ−キ液圧を保持する制御モ−ドを持つ、ことを特徴と
する。
【0010】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項
の記号を、参考までに付記した。
【0011】流体圧ブ−スタが助勢限界になると限界検
出手段(102)がこれを検出しこれに応答して調整制御手
段(110)が、ポンプ(120,121)を駆動する。これにより、
ブレ−キマスタシリンダのブレ−キ液がポンプで吸引さ
れて車輪ブレ−キへの給圧ラインに吐出される。調整制
御手段(110)が、流体圧ブ−スタに加えられる操作値に
基づいて供給圧調整手段の通流を制御するので、流体圧
ブ−スタが助勢限界以上のブレ−キ圧領域で、ポンプ(1
20,121)の助勢と操作値に基づく車輪ブレ−キ圧制御が
行なわれる。したがって流体圧ブ−スタを、その助勢限
界が比較的に低い小型のものとすることもできる。
【0012】車輪ブレ−キ圧制御開始時のポンプ駆動速
度が、助勢限界を検出するまでの操作値変化速度(dPS)
に対応する速度であるので、流体圧ブ−スタに結合した
操作子(ブレ−キペダル)は、該変化速度(dPS)対応速度
で引込まれる。供給圧調整手段を介しての調整制御手段
(110)による操作値対応の車輪ブレ−キ圧制御により、
車輪ブレ−キ圧が上昇する。運転者が操作子を、保持又
は戻そうとして操作力を下げると、流体圧ブ−スタは助
勢限界未満に戻る。これを検出して調整制御手段(110)
は、ポンプの駆動を停止し、ポンプの吐出口を車輪ブレ
−キ及びマスタシリンダと遮断するように供給圧調整手
段を制御する。これにより、操作子の引込まれは停止す
る。更に運転者の操作力が下げられるとこれに伴って操
作子が戻り、この戻りに応じて減圧が行なわれ車輪ブレ
−キ給圧ラインからブレ−キマスタシリンダへのブレ−
キ液の戻りに伴って操作子が戻る。
【0013】このように、流体圧ブ−スタの助勢限界以
上の高ブレ−キ圧領域でも、ドライバの操作と操作子の
操作量との間のずれが少く、ドライバが操作力を下げて
車輪制動力を下げようとするときそれに伴って操作子が
戻り、高制動力領域においてもドライバ操作と車輪制動
力との整合性が高い。
【0014】
【発明の実施の形態】
(2)前記調整制御手段は、踏込み操作により前記流体
圧ブ−スタが助勢限界になったことを検出して車輪ブレ
−キ圧の制御を開始する。これによれば、ポンプ駆動が
流体圧ブ−スタの助勢限界以上の高ブレ−キ圧領域で主
に行われるので、ポンプ駆動によるエネルギ−消費が少
い。
【0015】(3)調整制御手段(110)は、所定周期(T
s)で前記操作値(Pd)を読込んでその操作値(Pd)の変化速
度(dPS)と変化速度の積算値(ΣPd)に対応して、助勢限
界が検出されたときに積算値が高く該変化速度が高いと
高速で、積算値が低く該変化速度が低いと低速で前記ポ
ンプを駆動する。
【0016】具体的に説明すると、操作値(Pd)がブレ−
キペダルの踏込量(ストロ−ク)である場合、例えば急
速度で踏込まれたときには図10ので示すように、中
速度で踏込まれたときにはで示すように、また緩速度
で踏込まれたときにはで示すように、負圧ブ−スタ(1
b)の倍力限界の踏込量PSeに、それぞれ短時間,中時
間および長時間で達する。図10の縦軸(踏込量Pd)
のPSaは、ブレ−キペダル解放から、ブレ−キ圧が車
輪ブレ−キに加わるまでの遊び代分の踏込量、PSeは
負圧ブ−スタ(1b)の倍力限界の踏込量である。
【0017】ここでTs周期で操作値(Pd)を読込み、今
回読込み値と前回読込み値との差dPSを算出しこれを
踏込み速度(正しくはdPS/Tsであるが、Tsを一
定とし、以下においてはdPSを速度値と表現する)と
すると、踏込速度dPSは時系列で変化し、例えば図1
0の〜のように変化する。ペダル踏込量Pdがポン
プ駆動を開始する値PSeに達する直前の踏込み速度瞬
時値dPSは、踏込速度dPSが時間経過に対して非線
形の領域であり、速度瞬時値の値が小さい。また微視的
に見るとばらつくので、踏込速度の特定(検出)誤差が
大きい。また、1回の踏込み(,又は)における
踏込速度瞬時値dPSの最大値dPSmは、1回の踏込
み特性(,又は)に略対応するが、踏込み途中で
ドライバが踏込み力(速度)を変えることもある。
【0018】そこで後述の実施例では、今回の踏込操作
中の最高踏込速度dPSmと、制御開始する直前の4回
の踏込速度瞬時値dPSの積算値ΣPdを用いて、今回
のペダル踏込み速度(曲線,又は)の傾向(今回
の制動の踏込速度)を把握する。Ts周期で4回(すな
わち4Tsの間に)読込んだ踏込速度dPSの積算値Σ
Pdは、図10に示すように高速踏込みのときでは踏
込速度dPSが高いので大きい値となる。これに対して
低速踏込みのときでは、踏込速度dPSが低いので小
さい値となる。ブレ−キ圧増圧過程の踏込速度は、最高
速度dPSmが高く積算値ΣPdが大きいほど、高いと
言える。
【0019】本実施態様では、積算値(ΣPd)が高く踏込
速度(最高踏込速度dPSm)が高いと高速で、積算値(ΣP
d)が低く踏込速徳(最高踏込速度dPSm)が低いと低速で
前記ポンプ(120〜122)を駆動し、ポンプの吸引力がポン
プ速度に比例するので、流体圧ブ−スタの操作子に加わ
る引込力が操作速度対応となり、操作子の移動の円滑性
が高い。また操作速度対応のポンプ駆動速度設定の信頼
性が高い。
【0020】(4)流体圧ブ−スタ(1b)は、増力用圧力
源(インテ−クマニホ−ルド)に接続される増力圧室(2
3);変圧室(15);増力圧室(23)と変圧室(15)を区分する
ダイアフラム(13);ダイアフラム(13)に固着されたピス
トン(2);ピストン(2)の内空間を、増力圧室(23)に連通
する第1空間(A)と、増力圧室(23)の圧力とは異なる定
圧力(大気圧)に連通する第2空間(B)に区分し変圧室(1
5)を第1空間(A)と第2空間(B)に選択的に接続するため
の、ピストン(2)に結合されかつ弁開口を有する、空間
分離部材(7);ブレ−キ操作を受ける入力ロッド(4);入
力ロッド(4)に結合され、そのブレ−キ操作による移動
(+x)に連動して空間分離部材(7)の弁開口を開く弁部
材(8);および、ピストン(2)に結合した出力ロッド(2
6);を備え、前記限界検出手段(102)は、前記変圧室(1
5)の圧力に応答して出力信号レベルが切換わる圧力スイ
ッチ(102)である。
【0021】(5)流体圧ブ−スタ(1b)は更に、入力ロ
ッド(4)から出力ロッド(26)までの機構に介装された、
助勢限界に達するときの入力荷重以上の荷重でたわむ弾
性部材(10a)、を備える。
【0022】これによれば、ブレ−キ操作により入力ロ
ッド(4)が往移動(+x)して助勢限界以上になると、弾
性部材(10a)が圧縮されて縮退するので、入力ロッド
(4)は更に往移動(+x)しうる。流体圧ブ−スタが助勢
限界となる入力ロッド押込位置よりも更に、弾性部材(1
0a)の縮退限界までの往移動分、助勢限界後の強踏込み
の遊び代が従来より広い。
【0023】この広がった遊び代の範囲内に弁部材(8)
があるとき、入力ロッド(4)には、弾性部材(10a)の縮
退による反発力が作用し、これがブレ−キペダルを介し
てドライバに作用するので、ドライバは、踏込み限界で
大きなガタ(踏込み違和感)を感じることはない。
【0024】(6)圧力スイッチ(102)は、変圧室(15)
の圧力が、増力圧室(23)の圧力(負圧)から前記定圧力
(大気圧)に切換わるときに助勢限界を表わすレベルに出
力信号を切換え、前記定圧力(大気圧)から増力圧室の圧
力(負圧)に近づく方向に圧力が変化するときには前記定
圧力(大気圧)より所定量増力圧室の圧力(負圧)に近づい
てから非助勢限界を表わすレベルに出力信号を切換え
る、ヒステリシス特性を有する。これによれば、流体圧
ブ−スタが助勢限界前後となる操作量において、操作量
の微小増減による高頻度のポンプ駆動/停止が抑制さ
れ、ポンプ駆動の安定性が高い。
【0025】(7)供給圧調整手段(81,83)は、前記ポ
ンプ(120,121)が車輪ブレ−キ(151)に高ブレ−キ液圧を
与えるための吐出側流路(HPL1)と前記ブレ−キマスタシ
リンダ(1b)の出力ポ−ト(82)との間のブレ−キ液の通流
を制御する第1圧力制御弁(81)、および、前記ポンプの
吸込側流路とブレ−キマスタシリンダ(1b)の出力ポ−ト
(82)の間のブレ−キ液の通流を制御する第2圧力制御弁
(83)、を含む。
【0026】ポンプを駆動し、第2圧力制御弁(83)を開
にすると、ポンプが第2圧力制御弁(83)を通してブレ−
キマスタシリンダの出力ポ−ト(82)のブレ−キ液を吸引
し車輪ブレ−キに吐出するが、吐出側流路(HPL1)と液圧
発生手段(1)の出力ポ−ト(82)との間に第1圧力制御弁
(81)が介挿されているので、この第1圧力制御弁(81)を
閉にすることにより、ポンプ吐出圧(高圧)が車輪ブレ
−キに加わり、第1圧力制御弁(81)を開にすることによ
り、ポンプ吐出圧および車輪ブレ−キ圧が、吸込流路
(および出力ポ−ト82)につながり、車輪ブレ−キ圧が低
下する。したがって第1圧力制御弁(81)の開,閉を制御
することにより車輪ブレ−キ圧を調整することができ
る。第1圧力制御弁(81)は開閉弁であっても、流量制御
弁であってもよい。
【0027】(8)供給圧調整手段(81,83)は更に、前
記吐出側流路(HPL1)と車輪ブレ−キ(121)の間に介挿さ
れた増圧制御弁(131)および前記吸込側流路と車輪ブレ
−キ(151)の間に介挿された減圧制御弁(132)を含み;前
記調整制御手段(110)は、車両の減速度(Gd)を踏込操作
量(Pd)に合わすために、前記ポンプを前記操作値の変化
速度(dPS)に対応する速度(Md対応速度)で駆動し第2圧
力制御弁(83)を介して吸込側流路(LPL1)にブレ−キマス
タシリンダ(1b)の出力ポ−ト(82)をつなぎ第1圧力制御
弁(81)の遮断/通流を制御し、車輪の制動スリップ(S)
が大きくなったときは、第1圧力制御弁(81)を介して吐
出側流路(LPL1)とブレ−キマスタシリンダの出力ポ−ト
(82)の間のブレ−キ液の通流を止めかつ第2圧力制御弁
(83)で吸込側流路(LPL1)とブレ−キマスタシリンダの出
力ポ−ト(82)の間のブレ−キ液の通流を止めて前記減圧
制御弁(132)と増圧制御弁(131)を操作して車輪ブレ−キ
圧を調整する、調整制御手段(110);を備える。
【0028】車輪に大きな制動スリップを生じ、これに
応じて減圧制御弁(132)を開いて車輪ブレ−キ圧を下げ
て車輪回転速度の復帰を待ち、制動スリップが低下する
と減圧制御弁(132)を閉じ、そして増圧制御弁(131)を開
いて車輪ブレ−キ圧を上げるABS制御においては、第
1圧力制御弁(81)と第2圧力制御弁(83)を共に閉にする
ことにより、車輪ブレ−キ圧の減圧がポンプ吸引により
行なわれて高速となり、その後の増圧はポンプ吐出圧に
より行なわれて高速となり、ABS制御の車輪ブレ−キ
圧制御を制動スリップの変動に対して高速で追従させる
ことができ、ABS制御の信頼性が向上する。
【0029】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0030】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す。液圧発生
器1は、ブレ−キマスタシリンダ1aと負圧ブースタ1
bから成り、ブレーキペダル103が踏込遊び量を越え
て踏込まれると、負圧ブ−スタ1bの入力軸が押されて
負圧ブ−スタ1bの出力軸が、車両上エンジン(図示せ
ず)のインテ−クマニホ−ルドの負圧と、入力軸の押込
量に対応する調整圧(該負圧と大気圧の間の値)との差
に比例する強い力でマスタシリンダ1aの操作軸(ピス
トンロッド)を押し、これにより、車輪FR,FL,R
R及びRLに配設されたホイールシリンダ(車輪ブレ−
キ)151〜154に、負圧ブ−スタ1bの出力に比例
するブレ−キ液圧が加わる。
【0031】図2に、負圧ブ−スタ1bの拡大縦断面の
左半分を、図3に右半分を示す。これらの図面上の中心
線Lcを重ね合せてつなぐことにより、ブ−スタ1bの
縦断面の全体が現われる。
【0032】略皿状のダイアフラム13の中心にピスト
ン2が気密に固着されている。このピストン2が気密に
挿通したベ−スシェル12aと、この内空間を閉じるカ
バ−部材であるカバ−シェル12bおよびダイアフラム
13が、それらの周縁部で一体にかつ気密に固着されて
いる。
【0033】ダイアフラム13は、シェル12aと12
bで囲まれる空間すなわちシェル内空間を、ベ−スシェ
ル12a側の変圧室15と増力圧室23に2区分してい
る。増力圧室23に連続するパイプ20は、図示しない
車両上エンジンのインテ−クマニホ−ルドに接続され
る。なお、図に示すブレ−キブ−スタは、取付ボルト1
4aで車両のダッシュボ−ドに装着され、このブレ−キ
ブ−スタには、取付ボルト14bで図示しないブレ−キ
マスタシリンダが固着される。
【0034】ピストン2は略カップ状であり、その内部
に、その内空間を第1室Aと第2室Bに区分するポペッ
トバルブ7がある。入力ロッド4がピストン2の内部に
その開口側から進入しかつポベットバルブ7の中央の弁
開口を貫通している。ピストン2の第2室Bには圧縮コ
イルスプリング5,6およびエア−フィルタ3が挿入さ
れており、スプリング5,6はポペットバルブ7を、第
2室B側から第1室A方向に突出するように強制してい
る。第2室Bは、エア−フィルタ3を通して、ブレ−キ
ブ−スタの外部と通じている。すなわち、第2室Bは常
に大気圧(定圧力)である。
【0035】ポペットバルブ7を貫通した入力ロッド4
の先端にはプランジャ(弁部材)8が結合している。プ
ランジャ8は、ピストン2の内穴に挿入され、ピストン
2に対して中心軸Lcが延びる方向(−x/+x)に移
動自在である。
【0036】ピストン2の内部の第3空間すなわちプラ
ンジャ8の作動空間Cは、通気溝Dおよび横穴Eを通し
て、変圧室15に連通している。一方、ピストン2内の
第1室Aは、通気路22を通してカバ−シェル12b内
の増力圧室23に連通している。キ−9は、ピストン2
で下支持されている。このキ−9の一部はピストン2の
内部のプランジャ8のリング状の溝まで及んでおり、プ
ランジャ8で下支持されている。
【0037】ピストン2の下底面には、深さ方向が−x
のリング状の溝穴があり、そこに、出力ロッド26の上
端の筒状端が進入している。出力ロッド26の該筒状端
の開口内にはゴムディスク25が挿入されている。出力
ロッド26の幹部は、カバ−シェル12bの中心位置に
装備されているゴムブッシュを気密に貫通し、出力ロッ
ド26の下端(シェル12bの外)の当接子28は、図
示しないブレ−キマスタシリンダのピストンロッド(ブ
レ−キマスタシリンダの操作ロッド)の端面に当接す
る。
【0038】カバ−シェル12bの内部すなわち増力圧
室23には、ダイアフラム13をべ−スシェル12a側
に押す圧縮コイルスプリング27があり、これがダイア
フラム13を介してピストン2を上駆動(−x方向)
し、これによりキ−9がベ−スシェル12aの中央の細
径筒となる段差部に押し付けられて、このキ−9によ
り、ピストン2の上位置が制限される。
【0039】なお、車両上において、入力ロッド4は図
示しないリンクを介して図示しないブレ−キペダルに連
結され、ブレ−キペダルの踏込みにより入力ロッド4は
下方(+x)に往駆動される。ブレ−キペダルの解放の
ときには上方(−x)に復駆動される。
【0040】ブレ−キペダルが解放されているときに
は、ブレ−キブ−スタは図2,図3に示す状態にあり、
ポペットバルブ7がプランジャ8に密着してプランジャ
作動空間Cは第2室B(大気圧)から遮断されている
が、ポペットバルブ7がプランジャ8で止められてピス
トン2の内筒の上端より上方に離れており、これにより
プランジャ作動空間Cが第1空間Aに連通している。し
たがって、増力圧室23に、通気路22/第1空間A/
プランジャ作動空間C/通気溝D/横穴Eの経路で、変
圧室15が連通し、変圧室15が増力圧室23の圧力と
同一圧力であり、車両上のエンジンが回転しているとき
には増力圧室23にエンジンのインテ−クマニホ−ルド
の負圧が加わっているので、変圧室15も増力圧室23
と同一値の負圧である。
【0041】ブレ−キペダルが実効領域まで踏込まれて
入力ロッド4が下移動(+x)すると、まずプランジャ
8がピストン2に対して相対的に下移動(+x方)する
のでポペットバルブ7の下部もプランジャ8の下移動と
同じく移動してピストン2の内筒の上端に密着し、そこ
でポペットバルブ7の下移動(ピストン2に対する)は
止まるが、プランジャ8は更に下がる。ポペットバルブ
7がピストン2の内筒の上端に密着したときに、プラン
ジャ作動空間Cが第1空間Aから遮断される。すなわ
ち、溝Dおよび横穴Eを通してプランジャ作動空間Cに
連通した変圧室15が、第1空間Aが連通した増力圧室
23から遮断される。そしてプランジャ8が更に下がる
ことにより、プランジャ8がポペットバルブ7から離れ
て、プランジャ作動空間Cが第1空間Aと連通する。こ
れによりプランジャ作動空間Cが大気圧になり、変圧室
15の圧力が上昇する。この圧力上昇によって、ダイア
フラム13が下方(+x)に移動する。すなわちピスト
ン2が同方向に移動し出力ロッド26が同じく移動す
る。
【0042】ピストン2のこの下移動により、ポペット
バルブ7がプランジャ8に密着し、ピストン2の内筒の
上端がポペットバルブ7から下方向に離れて、プランジ
ャ作動空間Cが第2室B(大気圧)から遮断されて増力
圧室23に連通にし、変圧室15の圧力が増力圧室23
に抜ける。するとピストン2が上移動(−x)して変圧
室15が増力圧室23から遮断されて第2室B(大気
圧)に連通する。このような動作により、入力ロッド4
の下移動(+x)と同じくピストン2(ダイアフラム1
3,出力ロッド26)が下移動する。出力ロッド26が
ブレ−キマスタシリンダのピストンを押すので、車輪ブ
レ−キ圧が上がり、その反力が出力ロッド26(ダイア
フラム13,ピストン2)に加わるので、変圧室15の
圧力は該反力と拮抗する値となる。すなわち、入力ロッ
ド4の下移動(+x)と同じくピストン(ダイアフラム
13,出力ロッド26)が下移動しこれに伴って変圧室
15の圧力が上昇し、変圧室15の圧力は入力ロッド4
の下移動量(押込量)に対応した値となる。
【0043】増力圧室23に加わっている負圧が一定で
あると仮定すると、変圧室15の圧力が大気圧になった
ときにダイアフラム13が出力ロッド26に加える力
(助勢力)が最大(助勢限界)であり、そのようになっ
たときの入力ロッド4(ピストン2,ダイアフラム1
3,出力ロッド26)の下移動位置(+x位置)を死点
と称す。この死点に至るまでに、ダイアフラム13から
出力ロッド26に加えられる力が増大することにより、
ゴムディスク(リアクションディスク)25の周縁部が
ピストン2のリング状下面で圧縮されて、該ゴムディス
ク25の中央部(プランジャ8の円形下面に対向する円
形領域)がプランジャ8側に膨出し、ある一定の出力に
達するとこの膨出にプランジャ8の下面が当って、膨出
力がプランジャ8を下支えしてプランジャ8の下移動を
抑えようとする。これにより、プランジャ8を介して入
力ロッド4(ブレ−キペダル)には、その押込み力に対
向する反発力が作用し、これが車輪ブレ−キ圧対応の踏
込反発力をドライバに与える。上述のブ−スタ1bで
は、キ−9の下面に対向するピストン2の内底面が下げ
られてそこに皿バネ10aが介挿されているので、ブ−
スタ1bが助勢限界に達しピストン2が容易には下移動
(+x)しえなくなっても、プランジャ8はキ−9を介
して皿バネ10aを圧縮しつつ下移動しうる。すなわち
入力ロッド4は、操作方向(+x)に更に移動しうる。
そして皿バネ10aをもはや圧縮しえなくなると、従来
と同様に、ブレ−キペダルをそれ以上踏込むことを容易
にはできなくなる。
【0044】図4の(a)に、ブレ−キペダルからブ−
スタ1bの入力ロッド4に加わる力(ブ−スタ入力荷
重)と、入力ロッド4の下方向(+x)の移動量(入力
ロッドの押込量)の関係を示す。、入力ロッド4がSe
分下移動すると、ブ−スタは最高助勢力(死点:助勢限
界)に達し、プランジャ8(入力ロッド4)は、キ−の
遊び代分ゴムディスク25を圧縮しながら移動する。助
勢限界以降は、実質上、入力ロッド4に加わる力で出力
ロッド26を下駆動することになる(図4の(a)のS
e〜Sp)。助勢限界相当変位から皿バネ10aが実質
上圧縮され始めて、下移動量Siで皿バネ10aが圧縮
限界となりその後は、実質上、入力ロッド4に加わる力
で出力ロッド26を下駆動することになる。この皿バネ
10aの圧縮の間の下移動量(Si−Sp)分、遊び代
(無効ストロ−ク)が増えている。この遊び代増加領域
においてブ−スタ入力荷重(ブレ−キペダルに対する反
力)の増加分はΔRiであり、このように遊び代領域に
おいてもブレ−キペダル反力が増加するので、ドライバ
は実質上ガタを感じない。
【0045】再度図2を参照すると、ブ−スタ1bのベ
−スシェル12aには、変圧室15の圧力に応答してス
イッチングする負圧スイッチ102が装着されている。
この負圧スイッチ102は、変圧室15の圧力が負圧か
ら大気圧に達するときに、オン(出力L)からオフ(出
力H)に切換り、変圧室15の圧力が大気圧から低下す
るときには、大気圧からの低下量が所定値(10mmH
g)に達したときにオフ(H)からオン(L)に切換
る、立下りヒステリシス特性を有するものであり、変圧
室15の圧力が負圧から大気圧に、またその逆に変化す
るとき、図4の(b)に示すように、負圧スイッチ10
2の出力信号がLからHに、またその逆に変化する。
【0046】再度図1を参照すると、ブレ−キマスタシ
リンダ1aの出力ポ−トが連通した配管82と、車輪ブ
レ−キ151〜154の間には、ポンプ121,12
2,リザーバ(低圧アキュムレ−タ)123,124及
び電磁弁81,83,91,93,131〜138,リ
リ−フ弁88,98およびチェック弁77,79,84
〜87,94〜97が接続又は介挿されている。尚、車
輪FRは運転席からみて前方右側の車輪を示し、以下車
輪FLは前方左側、車輪RRは後方右側、車輪RLは後
方左側の車輪を示しており、図1に明らかなように所謂
ダイアゴナル配管が構成されている。
【0047】前方右側車輪FRと後方左側車輪RLの車
輪ブレ−キ151,154に対してブレ−キ液圧を給排
する1つの配管82はマスタシリンダ1aの1つの出力
ポ−トに接続されている。この配管82と車輪ブレ−キ
151,154との間に第1圧力制御弁81(本実施例
では電磁開閉弁)およびチェック弁77,87が直列に
介挿され、車輪ブレ−キ151につながったチェック弁
77には並列に増圧制御弁131(本実施例では電磁開
閉弁)が、車輪ブレ−キ154につながったチェック弁
87には並列に増圧制御弁133が接続されている。車
輪ブレ−キ151および154とリザ−バ123との間
には減圧制御弁132および134が介挿されている。
【0048】電気モ−タ120で駆動されるポンプ12
1の吸入ポ−トとリザ−バ123の間にはチェック弁8
4,85が直列に介挿されており、両チェック弁84,
85の間と配管82の間に第2圧力制御弁83(本実施
例では電磁開閉弁)が介挿されている。ポンプ121の
吐出ポ−トと高圧管路HPL1との間にはチェック弁7
6,ダンパ80およびオリフィス89が介挿されてい
る。チェック弁76は、高圧管路HPL1からポンプ1
21へのブレ−キ液の逆流を阻止し、ダンパ80および
オリフィス89は、ポンプ121が高圧管路HPL1に
与える吐出圧の高周波振動(脈動)を吸収(平滑化)す
る。配管82と高圧管路HPL1との間には、チェック
弁86,リリ−フ弁88および前述の第1圧力制御弁8
1が並列に接続されている。
【0049】ブレ−キペダル103の踏込みが無く、加
速スリップ(これを抑制するためのトラクション制御)
がなく、しかも車体姿勢を安定維持するための車輪ブレ
−キ圧配分制御を行なっていないとき、第1,第2圧力
制御弁81,83,増圧制御弁131,133および減
圧制御弁132,134はすべてオフ(非通電)で、図
1に示すように、第1圧力制御弁81および増圧制御弁
131,133は開(通流)、かつ第2圧力制御弁83
および減圧制御弁132,134は閉(遮断)である。
すなわち、第1圧力制御弁81および増圧制御弁13
1,133は常開電磁弁、第2圧力制御弁83および減
圧制御弁132,134は常閉電磁弁である。
【0050】この実施例では、負圧ブ−スタ1bの倍力
限界(助勢限界以上)を越える操作入力のときマスタシ
リンダ1aが配管82に与えるブレ−キ液圧よりもポン
プ121の吐出圧の方が高い。負圧ブ−スタ1bの助勢
限界あたりあるいはそれ以上ブレ−キペダル103の踏
込みがあると、助勢限界対応のブレ−キ液圧よりも高い
圧力を車輪ブレ−キに与えるために、電気モ−タ120
をオン(通電)してポンプ121を駆動し、第1圧力制
御弁81をオン(通電)にして閉じ(流路を遮断し)、
第2圧力制御弁83をオン(通電)にして開く(流路を
通流とする)。これにより、ポンプ121がマスタシリ
ンダ1aからブレ−キ液を吸入して高圧配管HPL1に
吐出し、オフ(非通電)で開(通流)の増圧制御弁13
1,133を通して車輪ブレ−キ151,154に供給
する。この状態では、ブレ−キマスタシリンダ1aの出
力ポ−トのブレ−キ液が第2圧力制御弁83を通してポ
ンプ121で吸引され、第1圧力制御弁81が配管82
と高圧配管HPL1(ポンプ吐出圧)の間を遮断してい
るので、ブレ−キマスタシリンダ1a内液量が減少し、
負圧ブ−スタ1bを介してブレ−キペダル103を、そ
れまでの操作速度と同様に踏込むことが可能であり、そ
れに対応した減速度の増加を得ることができる。
【0051】しかしこの状態は、運転者の踏込みの意図
とは無関係にブレ−キペダルが引込まれる状態のため、
運転者がブレ−キペダルを止めたり戻したりすることが
できず、マスタシリンダ液圧と車輪ブレ−キ圧の差圧
が、前述のリリ−フ弁88の設定圧に達するまで、車輪
ブレ−キ圧が上昇してしまう不具合が考えられる。そこ
で、この状態を、運転者がブレ−キペダルを止め又は戻
そうとする時にブレ−キペダル操作力が低下して負圧ブ
−スタが助勢限界未満に戻ること、つまり、負圧ブ−ス
タの変圧室の圧力が大気圧から負圧に戻ること、を検出
することによって認識して、運転者のブレ−キペダルを
止め又は戻す操作をただちにブレ−キ圧の制御に、反映
する。
【0052】すなわち、ブレ−キペダルに加えられる操
作力が緩められると、負圧ブ−スタは助勢限界未満に戻
り負圧スイッチ102の出力信号がHからLに戻る。後
述の電子制御装置110が、この信号の切換わりに応答
してポンプの駆動を停止し、マスタシリンダからのブレ
−キ液の吸入を止めることでブレ−キペダルの引込まれ
を止め、更に、ポンプ吐出口と、車輪ブレ−キおよびマ
スタシリンダとの通流を、増圧制御弁131,133と
第1圧力制御81をオンすることで遮断し、車輪ブレ−
キ圧の変化を止める。
【0053】この状態から更に操作力が緩められると、
ブレ−キペダルの戻りが発生するので、電子制御装置1
10は、ポンプは停止のまま、ブレ−キペダルの戻り速
度に応じた減速度低下速度が得られる様、第1圧力制御
弁81をオン/オフ制御し、車輪ブレ−キのブレ−キ液
をマスタシリンダに戻し、減速度を減じる。ブレ−キ操
作量又は車速が設定値以下まで低下すると、電子制御装
置110は、車輪ブレ−キ圧の調整を停止する。
【0054】前方左側車輪FLと後方右側車輪RRの車
輪ブレ−キ152,153に対してブレ−キ液圧を給排
するもう1つの配管92は、マスタシリンダ1aのもう
1つの出力ポ−トに接続されている。この配管92と車
輪ブレ−キ152,153との間に、上述の、配管82
と車輪ブレ−キ151,154の間に介挿又は付加され
た要素および流体回路と同様なものが、同様に接続され
ている。これらについての説明は、上述と同様になるの
で、省略する。また、説明を簡易にするため、以下にお
いては、車輪ブレ−キ151のブレ−キ圧制御を代表例
として説明するが、特にことわらないかぎり、他の車輪
ブレ−キのブレ−キ圧も、車輪ブレ−キ151のブレ−
キ圧制御と同様に実質上同時に制御される。
【0055】上述のように、図1に示す車輪ブレ−キ装
置は、車輪ブレ−キ151の増減圧をそれと対になる車
輪ブレ−キ154と一緒に第1圧力制御弁81で行なう
ことができ、また、車輪ブレ−キ151単独の増圧と減
圧を、増圧制御弁131と減圧制御弁132で行なうこ
とができる。
【0056】ABS制御,トラクション制御(加速スリ
ップ制御)および制動力配分制御においては、各輪ブレ
−キ圧の個別制御が好ましい。図1に示す車輪ブレ−キ
装置は、車輪ブレ−キ151〜154のいずれかのブレ
−キ圧制御が必要になったときに電気モ−タ120(ポ
ンプ121,122)を駆動し、必要な状態となるよう
に第1圧力制御弁81および第2圧力制御弁83を切換
え、増圧制御弁131および減圧制御弁132の増圧デ
ュ−ティおよび減圧デュ−ティを制御して車輪ブレ−キ
151の圧力ならびにその昇圧速度および降圧速度を制
御することができる。
【0057】本発明の実施例では、後述するように、電
子制御装置110にて、車輪制動中に車輪スリップ率が
高くなるとそれを抑制するための車輪ブレ−キ圧制御す
なわちABS制御と、ABS制御の必要がなくしかも負
圧ブ−スタ1bの助勢限界以上のブレ−キペダルの踏込
みがあったときに電気モ−タ120(ポンプ121,1
22)を駆動して車輪ブレ−キ圧を助勢限界対応の値よ
りも高い圧力にする定常制御と、を行なう。この定常制
御よりもABS制御が優先であり、ABS制御では、電
気モ−タ120(ポンプ121,122)を駆動し第1
圧力制御弁81をオン(閉)、第2圧力制御弁83をオ
フ(閉)にして、減圧制御弁132と増圧制御弁131
のデュ−ティ制御にて、車輪ブレ−キ151の減,増圧
を行ない、車輪スリップ率が低下すると第2圧力制御弁
83をオン(開)にしてマスタシリンダ1aからブレ−
キ液を吸入して高圧管路HPL1(車輪ブレ−キ15
1)に補充する。
【0058】しかし上述の定常制御では、第2圧力制御
弁83をオン(開)にし、モ−タ駆動速度と第1圧力制
御弁81の制御で車輪ブレ−キ151の圧力を制御す
る。
【0059】図5に、電子制御装置110の構成を示
す。上記制御弁81,83,91,93,131〜13
8は、電子制御装置110に接続され、各々のソレノイ
ドコイルに対する通電,非通電が制御される。電気モー
タ120も電子制御装置110に接続され、これにより
駆動制御される。また、車輪FR,FL,RR,RLに
は夫々車輪速度センサ141〜144が配設され、これ
らが電子制御装置110に接続されており、各車輪の回
転速度、即ち車輪速度信号が電子制御装置110に入力
されるように構成されている。車輪速度センサ141〜
144は各車輪の回転に伴って回転する歯付ロータと、
このロータの歯部に対向して設けられたピックアップか
ら成る周知の電磁誘導方式のセンサであり、各車輪の回
転速度に比例した周波数のパルス電圧を出力するもので
ある。尚、これに替えホールIC、光センサ等を用いて
も良い。
【0060】ブレ−キペダル103と一体のペダル軸に
は、ブ−スタ1bの入力ロッドの押込量を検出するスト
ロ−クセンサとしてポテンショメ−タ103pが結合さ
れており、このポテンショメ−タ103pが、ブレ−キ
ペダル103の踏込量(ペダル103の回動角)を表わ
すアナログ信号を電子制御装置110に与える。電子制
御装置110は該アナログ信号を踏込量デ−タにデジタ
ル変換してペダル踏込量を読込む。負圧スイッチ102
の上述のオン(L:助勢限界未満)/オフ(H:助勢限
界以上)信号も電子制御装置110に与えられる。
【0061】図6に、コンピュ−タ111による車輪ブ
レ−キ圧制御の概要を示す。図6に示す車輪ブレ−キ圧
制御(ステップ2〜13)は、実質上一定周期Tsで繰
り返し実行される。イグニッションスイッチがオンにな
ると図6において先ず事前処理として、ステップ1にて
初期設定がなされ、カウンタ、タイマ等がクリアされ
る。また、車輪速度センサ141〜144が発生するパ
ルス電圧の1パルス毎に実行する割込処理が許可され
る。例えば車輪速度センサ141が1パルスを発生する
とコンピュ−タ111のCPU114が、これに応答し
て割込処理を実行し、前右車輪FR宛てのパルス周期レ
ジスタに計時パルス(クロックパルス)カウント値を書
込み、計時パルスカウンタをクリアする。計時パルスカ
ウンタは、割込処理が許可されている間、クロックパル
スのカウントアップを常時行なうので、前右車輪FR宛
てのパルス周期レジスタには、車輪速度センサ141が
発生するパルス電圧の最新の一周期(車輪速度の逆数)
が常に保持されている。車輪速度センサ142〜144
が発生する電圧パルスに対してもCPU114が同様な
処理を実行するので、割込処理が許可された後は、車輪
速度センサ141〜144が発生する電圧パルスの最新
の一周期のデ−タが各パルス周期レジスタに常時維持さ
れる。後述の「各輪車輪速度演算」(ステップ4)でC
PU114は、パルス周期レジスタのデ−タの逆数に係
数(周期/速度変換係数)を乗算して、車輪速度を算出
する。
【0062】ここで、本実施例において用いられるカウ
ンタ,タイマ等について概括して説明する。先ず、内部
レジスタとしてモードレジスタ,フラグレジスタを有し
前者には少なくとも以下の制御モードが設定される。即
ち、ホイールシリンダ151〜154内のブレーキ液圧
を夫々減圧,増圧または保持する減圧モード,増圧モー
ドまたは保持モードの各モードに加え、パルス増圧モー
ド1,2,3、パルス減圧モード1,2,3が設定され
る。車輪ブレ−キ圧制御モ−ド(ABS制御モ−ド,定
常制御モ−ド)および変圧モ−ドの内容は次の通りであ
る。
【0063】−ABS制御モ−ド− この内容は、特願平8−319796号に開示したもの
と同様であり、いずれかの車輪のスリップ率Sと車輪減
速度DWDの組合せが、アンチロック制御開始領域にな
ると、該車輪の車輪ブレ−キの減圧を開始し、ポンプ1
21,122を駆動し、その後、スリップ率Sと車輪減
速度DWDの組合せが保持(ホ−ルド),増圧又は減圧
のいずれの領域にあるかに応じて、車輪ブレ−キをホ−
ルド,増圧又は減圧する。ABS制御中は、ポンプ駆
動,第1圧力制御弁81オン(閉:遮断)、第2圧力制
御弁83オフ(閉:遮断)を継続する。
【0064】−ABS制御モ−ドでの変圧モ−ド− 減圧出力3(パルス減圧3):第1圧力制御弁81オン
(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)か
つ増圧制御弁131オン(閉:遮断)とした、高いオン
(減圧)デュ−ティでの減圧制御弁132のオン/オフ
制御(PWM通電), 減圧出力2(パルス減圧2):中程度のオン(減圧)デ
ュ−ティでの減圧制御弁132のオン/オフ制御, 減圧出力1(パルス減圧1):低いオン(減圧)デュ−
ティでの減圧制御弁132のオン/オフ制御。
【0065】ホ−ルド(保持):第1圧力制御弁81オ
ン(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)
かつ増圧制御弁131オン(閉:遮断),減圧制御弁1
32オフ(閉:遮断)。
【0066】増圧出力1(パルス増圧1):第1圧力制
御弁81オン(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ
(閉:遮断)かつ減圧制御弁132オフ(閉:遮断)と
した、低いオフ(増圧)デュ−ティでの増圧制御弁13
1のオン/オフ制御(PWM通電), 増圧出力2(パルス増圧2):第1圧力制御弁81オン
(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)か
つ減圧制御弁132オフ(閉:遮断)とした、中程度の
オフ(増圧)デュ−ティでの増圧制御弁131のオン/
オフ制御(PWM通電), 増圧出力3(パルス増圧3):第1圧力制御弁81オン
(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)か
つ減圧制御弁132オフ(閉:遮断)とした、高いオフ
(増圧)デュ−ティでの増圧制御弁131のオン/オフ
制御(PWM通電)。
【0067】−定常制御モ−ド− ABS制御に入っていないときに、負圧スイッチ102
の出力がL(助勢限界未満)からH(助勢限界以上)に
切換わると、そこまでのブレ−キペダルの踏込速度に対
応した速度でポンプを駆動し、第1圧力制御弁81オン
(閉:遮断)、第2圧力制御弁83オン(開:通流),
増圧制御弁131オフ(開:通流),減圧制御弁132
オフ(閉:遮断)として、車輪ブレ−キ151の増圧を
行ない、ブレ−キ操作力の低下により負圧スイッチ10
2の出力がLに戻ると、ポンプを停止し、増圧制御弁1
31をオン(閉:遮断)にして車輪ブレ−キ圧を保持
し、その後のペダルの操作量の変化を検出する。ペダル
が踏込まれると再びポンプを駆動し増圧制御弁131を
オフ(開:通流)として車輪ブレ−キ151の増圧を行
ない、ペダルが戻されると、戻し速度に応じて、第1圧
力制御弁81のオン/オフ制御でペダル戻し速度に応じ
た減圧速度で車輪ブレ−キ151の減圧を行なう。
【0068】−定常制御モ−ドでの変圧モ−ド− 増圧:モ−タ駆動(デュ−ティ駆動)及び第1圧力制御弁
81オン(閉:遮断), ホ−ルド:モ−タ停止,第1圧力制御弁81オン(閉:
遮断)及び増圧制御弁131,133オフ(開:通
流), パルス減圧(パルス減圧2):モ−タ停止及び増圧制御
弁オフ(開:通流)。車輪ブレ−キ151の液圧に等し
い高圧配管HPL1の圧力を所定の減圧勾配で減圧する
第1圧力制御弁81のオン/オフ制御(PWM通電), パルス減圧1:モ−タ停止。上記「パルス減圧」より
も、減圧勾配の大きい第1圧力制御弁81のオン/オフ
制御, 急減圧:モ−タ停止および第1圧力制御弁81オフ
(開:通流)。
【0069】フラグとしては上述の変圧モ−ドのそれぞ
れを表わすものがある。いずれかのフラグがセットされ
ているときには、セットされたフラグに対応した変圧モ
−ドを実現する制御が行なわれる。カウンタとしては、
少なくとも緩減圧カウンタおよび緩増圧カウンタを有
し、緩減圧カウンタは、緩減圧モ−ド(減圧出力1)の
連続時間(減圧出力1の継続中の減圧パルスの発生数)
を計測し、緩増圧カウンタは、緩増圧モ−ド(増圧出力
1)の連続時間(増圧出力1の継続中の増圧パルスの発
生数)を計測する。
【0070】再度図6を参照すると、ステップ1にて初
期設定が終わると、ステップ2からステップ13までの
処理が行われた後ステップ2へ戻る。ステップ2ではT
s時限のタイマをスタ−トする。ステップ3で、ポテン
ショメ−タ103pのアナログ信号をデジタルデ−タ
(ブレ−キペダル踏込量デ−タPd)に変換してレジス
タに書込み、負圧スイッチ102の圧力検出信号を読込
み、かつ、上述の、車輪速度センサ141〜144が発
生するパルスの周期デ−タを格納したパルス周期レジス
タ(FR宛て,FL宛て,RR宛て&RL宛ての4個)
のデ−タを読出して入力レジスタに書込む。そしてステ
ップ4で各輪FL,FR,RLおよびRRの車輪速度
(周速度)VWFL,VWFR,VWRRおよびVWRL を演算し
て車輪速度レジスタに書込み、ステップ5では車輪速度
VWFL,VWFR,VWRRおよびVWRL から各輪減速度DVW
FL,DVWFR,DVWRRおよびDVWRL(正値が減速度、
負値が加速度)を演算して車輪減速度レジスタに書込
む。そして、ステップ6で、路面摩擦係数μを推定す
る。
【0071】「路面摩擦係数μ推定」(ステップ6)で
CPU114はまずステップ3で読込んだブレ−キペダ
ル踏込量Pdが、少領域,中領域,多領域のいずれにあ
るかをチェックし、いずれの領域に属するかを示すデ−
タを生成し、次に、最高速度の車輪速度の減速度を車輪
減速度レジスタから読出して、この減速度が小領域,中
領域,大領域のいずれにあるかをチェックし、いずれの
領域に属するかを示すデ−タを生成する。そして、ブレ
−キペダル踏込量Pdの領域デ−タと減速度の領域デ−
タに基づいて、ペダル踏込量少&減速度小,ペダル踏込
量中&減速度中 又は、ペダル踏込量多&減速度大、の
ときには路面摩擦係数μは中領域と推定し、そうでない
と、ペダル踏込量少又は中&減速度大又は中、のときに
は路面摩擦係数μは低領域と推定し、そうでないと、路
面摩擦係数μは高領域と推定し、推定した領域を示すデ
−タを摩擦係数レジスタに書込む。
【0072】次にCPU114は、「推定車体速度演
算」(ステップ7A)で車体速度VSO(n)を算出する。
なお、VSO(n)のnは今回の算出値を意味し、後に現わ
れるn−1は、前回(Ts前)の算出値を意味する。
【0073】「推定車体速度演算」(ステップ7A)で
はまず、推定した路面摩擦係数μ(高,中又は低)に対
応して、それが高であると車体減速度αDNを1.1Gと
定め、中であると0.6Gと定め、そして低であると
0.4Gと定める。そして車体加速度αUPを0.5Gと
定める。次に、車輪速度VWFL,VWFR,VWRR,VWRLの
中の最も高い車輪速度を選択し、前回算出値VWO(n-1)
と減速度αDNから推定される現在の車体速度VWO(n-1)
−αDN・Tsを算出し、前回算出値VWO(n-1)と加速度
αUPから推定される現在の車体速度VWO(n-1)+αUP・
Tsを算出して、これら3者の中間値(平均値)を算出
してこれを現時点の車体速度VWO(n)とする。
【0074】CPU114は次に車体減速度Gdを算出
する(ステップ7B)。これにおいては、ステップ7A
で算出した現時点の車体速度VWO(n)と前回算出した車
体速度VWO(n-1)から、 Gd=VWO(n-1)−VWO(n) と算出する。なお減速度Gdは正値が減速度、負値は加
速度である。
【0075】CPU114は次に、各輪部の推定車体速
度を算出する(ステップ8)。ここでは、前右車輪速度
の今回値VWFR(n),前回値VWFR(n-1)より、減速度αDN
でのTsの間の減速量αDN・Tsを減算した値VWFR(n-
1)−αDN・Ts、および、前回値VWFR(n-1)に、加速度
αUPでのTsの間の増速量αUP・Tsを加算した値VWF
R(n-1)+αUP・Ts、の3者の中間値を算出し、これを
前右車輪部推定車体速度VSOFR(n)とする。同様に、前
左車輪部推定車体速度VSOFL(n),後右車輪速度の今回
値VWRR(n)および後左車輪部推定車体速度VSORL(n)を
算出する。
【0076】CPU114は次に、「前左輪FL制御演
算」(ステップ9FL),「前右輪FR制御演算」(9
FR),「後左輪FL制御演算」(9RL)および「後
右輪FR制御演算」(9RR)をそれぞれ行なう。これ
らの内容は対象車輪が異なるだけで実質的に同じである
ので、代表して「左前輪FL制御演算」(9FL)の内
容を説明する。「左前輪FL制御演算」(9FL)では
まず、フラグレジスタFRFのデ−タが「1」(左前輪
FLのABS制御を開始している)かをチェックして、
それが「0」(開始していない)であると、左前輪FL
の車輪ブレ−キのABS制御が必要か否かをチェックす
る。ここでは、左前輪FLのスリップ率 S=〔VSOFL(n)−VWFL(n)〕×100/VSOFL(n) % を算出して、スリップ率Sと車輪減速度DVWFL(n)が、
制御開始領域にあるかをチエックする。
【0077】そして制御開始領域にあると、左前輪FL
宛ての変圧モ−ドを減圧に設定しフラグレジスタFRF
に「1」を書込む。このように変圧モ−ドを設定する
と、図6のステップ11の「制御出力」で、左前輪FL
の車輪ブレ−キを減圧とする、ブレ−キ圧回路への指示
信号を出力する。これが「初回の減圧」の開始である。
なお、「制御出力」(ステップ11)において、いずれ
かの車輪に対してABS制御を実行中(FRF=
「1」)であると、CPU114は、電気モ−タ120
(ポンプ121,122)を駆動する信号をモ−タドラ
イバ118aに与える。ABS制御を開始しているとき
には、前左車輪部推定車体速度VSOFL(n)が設定値以下
かもしくは車輪スリップ率Sが設定値以下かをチェック
して、少くとも一方が成立すると、ABS制御終了と決
定する。そして、左前輪FL宛ての変圧モ−ドを終了に
設定しフラグレジスタFRFに「0」を書込む(フラグ
レジスタクリア)。このように終了を設定すると、図6
のステップ11の「制御出力」で、左前輪FLの車輪ブ
レ−キを増圧(連続増圧:マスタシリンダの出力圧をそ
のまま車輪ブレ−キに与える、コンピュ−タの介入がな
いブレ−キ圧回路接続)とする、ブレ−キ圧回路への指
示信号を出力する。なお、「制御出力」において、全車
輪に対してABS制御が終了(FRF=「0」)である
と、CPU114は、電気モ−タ120(ポンプ12
1,122)を停止する信号をモ−タドライバ118a
に与える。
【0078】前左車輪FLのABS制御を開始してお
り、しかも終了条件が満されない場合には、CPU11
4は、フラグレジスタのデ−タを参照して、前左車輪F
L「制御初回増圧出力前状態」であるかをチェックし
て、そうであると「制御モ−ド1」を、そうでないと
「制御モ−ド2」を実行する。
【0079】前述の「初回の減圧」を開始して、Ts後
に再度「前左輪FL制御演算」(9FL)に進み、AB
S制御終了条件が成立していないとCPU114は、
「制御モ−ド1」に進み、「制御モ−ド判定1」を実行
する。ここでは、スリップ率Sと車輪加速度(車輪減速
度DVWFL(n)に負号を乗算した値)が、減圧領域,保持
領域および増圧領域のいずれにあるかを判定する。そし
て減圧と判定した場合には、変圧モ−ド(出力モ−ド)
を「減圧出力3」と定める。
【0080】その後、「制御モ−ド判定1」で減圧と判
定している間、「減圧出力3」と出力が決定され、「パ
ルス減圧モ−ド3」によって比較的に急速に、前左輪F
Lの車輪ブレ−キ圧が低下する。この急減圧により車輪
速度が回復して「制御モ−ド判定1」で保持と判定する
と、車輪ブレ−キをブレ−キ圧回路から切離して、車輪
ブレ−キにブレ−キ液の出入りがない保持を行なう。増
圧と判定した場合には、摩擦係数レジスタのデ−タ
(低,中又は高を表わすデ−タ)を参照して、「低」で
ないと「増圧出力2」を定め、「増圧出力2」と定めた
ことを表わす情報「1」をフラグレジスタIIFに書込
む。
【0081】「低」であると変圧モ−ドを「増圧出力
1」と定める。そしてフラグレジスタの情報を「制御初
回増圧出力後状態」とする。この「増圧出力1」は、前
述の「パルス増圧モ−ド1」を意味するものである。そ
の後は「制御初回増圧出力後状態」であるので、「制御
モ−ド判定2」で増圧と判定している間、「増圧出力
1」と出力が決定され、「パルス増圧モ−ド1」によっ
て比較的に緩やかに、前左輪FLの車輪ブレ−キ圧が上
昇する。この「増圧出力1」の連続時間(連続して増圧
出力1と決定した回数)を計測する。
【0082】上述のように「制御初回増圧出力後状態」
とした後、「制御モ−ド判定2」で減圧と判定すると、
「減圧出力1」と出力を決定し、非常に昇圧速度が高い
増圧である「増圧出力3」を実行していたかをチェック
して、実行している(IIF2=1である)と「増圧出
力3」による増圧で過度にブレ−キ圧が上昇し、これに
より急減圧が必要と見なして、フラグレジスタの情報を
「制御初回増圧出力前状態」とする。これにより、次回
(Ts後)には、「制御モ−ド判定1」で減圧と判定す
ると、「減圧出力3」に変圧モ−ドを変更し前述の初回
の減圧の開始後、「増圧出力1」を実行した後「制御モ
−ド判定2」で減圧と判定し、「減圧出力1」を変圧モ
−ドに定めているとき、CPU114は、この「減圧出
力1」の連続時間(連続して減圧出力2と決定した回
数)を計測し、この連続時間が設定値T1を越えると、
フラグレジスタの情報を「制御初回増圧出力前状態」と
する。これにより、次回(Ts後)には、、「制御モ−
ド判定1」で減圧と判定すると、「減圧出力3」に変圧
モ−ドを変更し、前述の初回の減圧と同様な制御を行な
う。
【0083】また、「制御モ−ド判定2」で継続して増
圧と判定し「増圧出力1」を継続しているときにその連
続時間が設定値T2を越えると、変圧モ−ドを「増圧出
力3」に変更してフラグレジスタIIF2に「1」を書
込む。その後、「制御モ−ド判定2」で減圧と判定する
と、「減圧出力1」と出力を決定し、比較的に昇圧速度
が高い増圧である「増圧出力3」を実行していた(II
F2=1である)ので「増圧出力3」によって過度にブ
レ−キ圧が上昇し、これにより急減圧が必要と見なし
て、フラグレジスタの情報を「制御初回増圧出力前状
態」とする。これにより、次回(Ts後)には、「制御
モ−ド判定1」で減圧と判定すると、「減圧出力3」に
変圧モ−ドを変更し、前述の初回の減圧の開始直後と同
様な制御を行なう。
【0084】再度図6を参照する。上述の「前左輪FL
制御演算」(ステップ9FL),「前右輪FR制御演
算」(9FR),「後左輪FL制御演算」(9RL)お
よび「後右輪FR制御演算」(9RR)を経過するとC
PU114は、「定常制御演算」(9AW)を実行す
る。
【0085】図7に、「定常制御演算」(9AW)の内
容を示す。ここではまずフラグレジスタFRF,FL
F,RRFおよびRLFのデ−タがすべて「0」である
(全輪についてABS制御をしていない)かをチェック
する(ステップ111)。そしてその通りであると、ブ
レ−キペダル踏込量Pdが、ブレ−キ実効領域内のもの
(ペダル103が遊び代PSa以上踏込まれている又は
ブレ−キランプスイッチがオンになっている)かをチェ
ックする(ステップ112)。そしてその通りである
と、車速Vsoが制御禁止条件V1以上であるかをチェ
ックする(ステップ113)。そしてその通りである
と、前回のサイクルで定常制御の出力が行なわれていな
かった(FSW=0)かをチェックする(ステップ11
5)。前回のサイクルで定常制御が行なわれていなけれ
ば、「制御モ−ド判定3」(ステップ114)を実行す
る。
【0086】図8に、「制御モ−ド判定3」(ステップ
114)の内容を示す。ここでは、まずブレ−キペダル
踏込速度(dPS=Pd−前回Pd)を算出する(ステ
ップ121)。この計算においてPdは今回ステップ3
で読込んだ値、前回Pdは前回(今回よりTs前)に読
込んだ値である。
【0087】瞬時速度レジスタのdPs1にdPs2の
内容を書込み(ステップ122)、dPs2にdPs3
の内容を書込み(ステップ123)、dPs3にdPs
4の内容を書込み(ステップ124)、そして瞬時速度
dPs4に、今回の読込み値dPSを書込む(ステップ
125)。そして瞬時速度レジスタdPS1〜dPS4
のデ−タの和(積算値)ΣPdを算出する(126)。
【0088】次に今回の算出値dPS3が最高瞬時速度
レジスタdPSmの値dPSm以上であるか否かをチェ
ックして、そうであると最高瞬時速度レジスタdPSm
に今回の算出値dPSを書き込む(ステップ127a,
127b)。
【0089】そして最高瞬時速度レジスタdPSmのデ
−タdPSmをしきい値(設定値)dPS1,dPS2
と比較し(ステップ127c,129)、かつ、ΣPd
の値をしきい値(設定値)ΣPd1,ΣPd2と比較し
て(ステップ128,130,131)、最高踏込速度
dPSmと積算値ΣPdの値に応じて、図11に示すよ
うに、モ−タ120の通電デュ−テ指令値Mdを設定す
る(ステップ132A〜134A)。通電デュ−ティ指
令値Mdは、モ−タ120のPWM通電の一周期に対す
る、該一周期内の通電時間の比(%)を指定するもので
ある。
【0090】図11に示すように、最高踏込速度dPS
mが高いと高値に通電デュ−ティ指令値Mdが設定さ
れ、積算値ΣPdの値が大きいと高値に通電デュ−ティ
指令値Mdが設定される。1回のブレ−キペダル103
の踏込みによる車輪ブレ−キ圧の増圧過程において、例
えば図10ののように踏込速度が高いとdPSmが大
きく積算値ΣPdが大きいので、通電デュ−ティ指令値
Mdは例えば100%に設定され、図10ののように
踏込速度が中程度であるとdPSmおよび積算値ΣPd
共に中程度であるので、通電デュ−ティ指令値Mdは例
えば80%に設定され、図10ののように踏込速度が
低いとdPSmが小さく積算値ΣPdが小さいので、通
電デュ−ティ指令値Mdは例えば60%に設定される。
【0091】車体速度Vsoが制御開始許可条件V2以
上で、負圧スイッチ102の検出信号がLからHに切換
わると、定常制御出力開始のため、モ−タオン(駆
動)、第1圧力制御弁81オン(閉:遮断)、第2圧力
制御83オン(開:通流)のモ−ドを設定する(ステッ
プ135〜139)。そして、今回のサイクルで定常制
御の出力が行なわれたことを示すレジスタFSWに
「1」(定常制御出力中)を書込む(ステップ14
0)。車体速度Vsoが制御開始許可条件V2未満ある
いは負圧スイッチ102の検出信号がLであると、レジ
スタFSWをクリアする(ステップ141)。
【0092】図7のステップ115で、前回のサイクル
で定常制御出力が行なわれていた(FSW=1)場合に
は、「制御モ−ド判定4」(ステップ116)を実行す
る。「制御モ−ド判定4」の内容を図9に示す。
【0093】この「制御モ−ド判定4」では、今回の踏
込速度dPSを算出する(ステップ151)。前回のサ
イクルと今回のサイクルでの負圧スイッチ102の検出
信号のレベルの組合せ(L/H間の切換え又は切換えな
し)を判定して(ステップ152〜154)、組合せに
対応して、次のように制御モ−ドを設定する。
【0094】(1)負圧スイッチ102の検出信号が、
前回はHで今回もHのとき:これは前回のHは、前回も
増圧モ−ドであったことを意味する。今回も同じく増圧
モ−ドを継続する(ステップ155)。
【0095】(2)負圧スイッチ102の検出信号が、
前回はLで今回はHのとき:前回のLは、ホ−ルド又は
減圧モ−ドであったことを意味する。今回はペダルが踏
込まれて負圧ブ−スタが助勢限界以上になったことにな
るので、制御モ−ド3で設定したデュ−ティMdでのポ
ンプ駆動を設定し、増圧モ−ドを設定する(ステップ1
56)。
【0096】(3)負圧スイッチ102の検出信号が、
前回はHで今回はLのとき:前回は増圧モ−ドであり、
今回はペダル操作力が緩められたことを意味する。モ−
タ駆動を停止し、増圧弁131,133を閉じるホ−ル
ドモ−ドを設定する(ステップ157)。
【0097】(4)負圧スイッチ102の検出信号が、
前回はLで今回もLのとき:前回がホ−ルド又は減圧モ
−ドであったことを意味する。今回の踏込速度dPS
(ペダルの戻しのときは負値)を、dPS3>dPS4
>dPSなるしきい値(設定値;いずれも負値)と対比
して、dPS≧dPS3(戻し速度が低い)のときには
ホ−ルドモ−ドを設定し(ステップ158,161)、
dPS≧dPS4(戻し速度がやや速い)のときにはパ
ルス減圧2モ−ドを設定し(ステップ159,16
2)、dPS≧dPS4(戻し速度が速い)のときには
パルス減圧1モ−ドを設定し(ステップ160,16
3)、dPS<dPS4(戻し速度が急速)のときには
急減圧モ−ドを設定する(ステップ160,164)。
【0098】このように制御モ−ドを設定すると、図6
のステップ11の「制御出力」で、上述のように決定し
た制御モ−ドを実行するので、ブレ−キペダル103の
強い踏込みにより、負圧ブ−スタ1bが助勢限界以上と
なると、ポンプ121,122(電気モ−タ120)が
駆動されて、車両減速度がブレ−キペダルの踏込速度に
対応した減速度の変化が得られるように、車輪ブレ−キ
圧が増,減圧調整される。
【0099】ABS制御(9FL〜9RR)又は定常制
御(9AW)の終了のときには、モ−タドライバおよび
ソレノイドドライバ118a〜118mにオフ指示を出
力して、保持タイマ,減圧タイマ及び増圧タイマの各タ
イマをクリアし、パルス増圧カウンタ,パルス増圧フラ
グ,急減圧フラグをクリアする(ステップ12)。
【0100】そしてタイマTsがタイムオ−バしたかを
チェックし(ステップ13)、タイムオ−バするまで異
常チェックを行ない(ステップ14)、異常がなくタイ
ムオ−バすると、ステップ2に戻る。異常を検知する
と、そこでブレ−キ圧制御を解除し、警報を発生する
(ステップ15,16)。
【0101】以上に説明したABS制御(9FL〜9R
R)は、少くとも1つの車輪において、車輪減速度と車
輪スリップ率とがアンチロック制御開始領域に入ったと
きに開始され、ブレ−キペダル解放まで行なわれ、ブレ
−キペダルが解放されると終了する。そしてABS制御
中は、レジスタFRF,FLF,RRF又はRLFのデ
−タが「1」である。ABS制御を行なっていないとき
は、レジスタFRF,FLF,RRFおよびRLFのデ
−タが「0」であり、このときのブレ−キペダル踏込中
には、定常制御(9AW)が行なわれる。ABS制御を
行なっていないことは、(1)路面が高μであって車輪ス
リップ率が低く、急ブレ−キによる車輪ロックを生じに
くい(車体制動効果が高い)こと、又は、(2)ブレ−キ
ペダルの踏込量が小さく車体減速度(車輪減速度)が低
いこと、を意味する。
【0102】以上に説明した実施例においては、車体の
減速度を、各車輪の回転速度検出値から電子制御装置1
10のCPU114が車体速度を推定演算し、算出した
車体速度の微分値を算出することにより得ているが、車
両に進行方向の加,減速度を検出する加速度センサを装
備して、これによって車体減速度を検出してももよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1に示す負圧ブ−スタ1bの拡大縦断面の
左半分を示す断面図である。
【図3】 図1に示す負圧ブ−スタ1bの拡大縦断面の
右半分を示す断面図である。
【図4】 (a)は図2および図3に示す負圧ブ−スタ
1bの入力ロッドの押込量と入力荷重との関係を示すグ
ラフであり、(b)は図2に示す負圧ブ−スタの変圧室
15の圧力変化と負圧スイッチ102の出力信号の変化
を示すタイムチャ−トである。
【図5】 図1に示す電子制御装置110の構成概要を
示すブロック図である。
【図6】 図5に示すマイクロコンピュ−タ111の車
輪ブレ−キ圧制御の概要を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 図6に示す「定常制御演算」9AWの内容を
示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図7に示す「制御モ−ド判定3」114の内
容を示すフロ−チャ−トである。
【図9】 図7に示す「制御モ−ド判定4」116の内
容を示すフロ−チャ−トである。
【図10】 図1に示すブレ−キペダル103の踏込速
度の3例を示すグラフである。
【図11】 ブレ−キペダル103の踏込速度dPSお
よび踏込量積算値ΣPdと、図7に示す「制御モ−ド判
定3」114で定められるモ−タ通電デュ−ティMdの
値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:液圧源 1a:マスタシリン
ダ 1b:ブ−スタ 2:ピストン 3:エア−フィルタ 4:入力ロッド 5,6:圧縮コイルスプリング 7:ポペットバルブ 8:プランジャ 9:キ− 10a:皿バネ 11:座金 12a:ベ−スシェル 12b:カバ−シェ
ル 13:ダイアフラム 14a,14b:取
付ボルト 15:変圧室 20:パイプ 22:通気路 23:増力圧室 25:ゴムディスク 26:出力ロッド 27:圧縮コイルスプリング 28:当接子 80,90:ダンパ 89,99:オリフ
ィス 81,91:第1圧力制御弁 83,93:第2圧
力制御弁 102:負圧スイッチ 103:ブレ−キペ
ダル 103p:ポテンショメ−タ 110:電子制御装
置 111:マイクロコンピュ−タ 112:入力ポ−ト 113:出力ポ−ト 114:CPU 115:ROM 116:RAM 117a〜17e:増幅回路 118a〜18i:
ドライバ 120:電気モ−タ 121,22:ポン
プ 123,124:リザ−バ 131,133,135,137:増圧制御弁 132,134,136,138:減圧制御弁 141〜144:車輪速度センサ 151〜154:車
輪ブレ−キ FR:前右輪 FL:前左輪 RR:後右輪 RL:後左輪
フロントページの続き (72)発明者 寺 田 仁 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 坂 本 繁 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 澤 田 耕 一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレ−キ液圧を車輪ブレ−キに与えるため
    のブレ−キマスタシリンダ,車輪制動のために車両運転
    者から加えられた操作を助勢してブレ−キマスタシリン
    ダを駆動する流体圧ブ−スタ、および、該流体圧ブ−ス
    タの助勢限界出力以上のブレ−キ液圧を該車輪ブレ−キ
    に与えるためにブレ−キマスタシリンダのブレ−キ液を
    吸引し車輪ブレ−キに吐出するポンプを含む、車両上の
    液圧源;該液圧源と車輪ブレ−キとの間にあって、車輪
    ブレ−キ液圧を増,減圧するための供給圧調整手段;前
    記流体圧ブ−スタに加えられる操作値を検出する操作値
    検出手段;前記流体圧ブ−スタに加えられる操作値に基
    づいて供給圧調整手段の通流を制御する調整制御手段;
    前記操作値の変化速度を検出する速度検出手段;およ
    び、 前記流体圧ブ−スタが助勢限界未満か助勢限界かを検出
    する限界検出手段;を備え、前記調整制御手段は、前記
    限界検出手段が助勢限界を検出するまでの前記操作値の
    変化速度に対応する速度で前記流体圧ブ−スタの助勢限
    界出力による液圧以上に車輪ブレ−キ液圧を調整制御す
    る、車輪ブレ−キ圧制御装置において、 前記調整制御手段は、車輪ブレ−キ液圧の制御を開始
    後、流体圧ブ−スタが助勢限界未満に戻った時これを検
    出して前記ポンプの駆動を停止し、車輪ブレ−キ液圧を
    保持する制御モ−ドを持つ、ことを特徴とする車輪ブレ
    −キ圧制御装置。
  2. 【請求項2】前記調整制御手段は、踏込み操作により前
    記流体圧ブ−スタが助勢限界になったことを検出して車
    輪ブレ−キ圧の制御を開始する、請求項1記載の車輪ブ
    レ−キ圧制御装置。
  3. 【請求項3】前記調整制御手段は、所定周期で前記操作
    値を読込んでそのその操作値の変化速度と変化速度の積
    算値に対応して、助勢限界が検出されたときに積算値が
    高く該変化速度が高いと高速で、積算値が低く該変化速
    度が低いと低速で前記ポンプを駆動する、請求項2記載
    の車輪ブレ−キ圧制御装置。
  4. 【請求項4】流体圧ブ−スタは、増力用圧力源に接続さ
    れる増力圧室,変圧室,増力圧室と変圧室を区分するダ
    イアフラム,ダイアフラムに固着されたピストン,ピス
    トンの内空間を、増力圧室に連通する第1空間と、増力
    圧室の圧力とは異なる定圧力に連通する第2空間に区分
    し変圧室を第1空間と第2空間に選択的に接続するため
    の、ピストンに結合されかつ弁開口を有する、空間分離
    部材,ブレ−キ操作を受ける入力ロッド,入力ロッドに
    結合され、そのブレ−キ操作による移動に連動して空間
    分離部材の弁開口を開いて変圧室を第2空間に接続する
    弁部材、および、ピストンに結合した出力ロッド、を備
    え;前記限界検出手段は、前記変圧室の圧力に応答して
    出力信号レベルが切換わる圧力スイッチである;請求項
    1〜請求項3の何れか1つに記載の車輪ブレ−キ圧制御
    装置。
  5. 【請求項5】流体圧ブ−スタは更に、入力ロッドから出
    力ロッドまでの機構に介装された、助勢限界に達すると
    きの入力荷重以上の荷重でたわむ弾性部材、を備える請
    求項4記載の車輪ブレ−キ圧制御装置。
  6. 【請求項6】圧力スイッチは、変圧室の圧力が、増力圧
    室の圧力から前記定圧力に切換わるときに助勢限界を表
    わすレベルに出力信号を切換え、前記定圧力から増力圧
    室の圧力に近づく方向に圧力が変化するときには前記定
    圧力より所定量増力圧室の圧力に近づいてから非助勢限
    界を表わすレベルに出力信号を切換える、ヒステリシス
    特性を有する、請求項4記載の車輪ブレ−キ圧制御装
    置。
  7. 【請求項7】供給圧調整手段は、前記ポンプが車輪ブレ
    −キに高ブレ−キ液圧を与えるための吐出側流路とブレ
    −キマスタシリンダの出力ポ−トとの間のブレ−キ液の
    通流を制御する第1圧力制御弁、および、前記ポンプの
    吸込側流路とブレ−キマスタシリンダの出力ポ−トの間
    のブレ−キ液の通流を制御する第2圧力制御弁、を含む
    請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の車輪ブレ−キ
    圧制御装置。
  8. 【請求項8】供給圧調整手段は更に、前記吐出側流路と
    車輪ブレ−キの間に介挿された増圧制御弁および前記吸
    込側流路と車輪ブレ−キの間に介挿された減圧制御弁を
    含み;前記調整制御手段は、車両の減速度をブレ−キ操
    作量に合わすために、第2圧力制御弁を介して吸込側流
    路にブレ−キマスタシリンダの出力ポ−トをつなぎ第1
    圧力制御弁の遮断/通流を制御し、車輪の制動スリップ
    が大きくなったときは、第1圧力制御弁を介して吐出側
    流路とブレ−キマスタシリンダの出力ポ−トの間のブレ
    −キ液の通流を止めかつ第2圧力制御弁で吸込側流路と
    ブレ−キマスタシリンダの出力ポ−トの間のブレ−キ液
    の通流を止めて前記減圧制御弁と増圧制御弁を操作して
    車輪ブレ−キ圧を調整する;請求項7記載の車輪ブレ−
    キ圧制御装置。
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