JP2013095331A - 車両用制動装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】レギュレータピストンの増圧位置固着故障を検出でき、且つ検出後の車両の走行を可能とする車両用制動装置を提供する。
【解決手段】本発明の車両用制動装置は、高圧ポートと、低圧ポートと、サーボ室に連通する出力ポートと、パイロット液圧が供給されるパイロット室と、パイロット液圧に応じて、出力ポートを高圧ポートに連通させる増圧位置と、出力ポートを低圧ポートに連通させる減圧位置との間で作動するレギュレータピストンと、を有するレギュレータと、高圧力源とパイロット室との間の増圧弁と、低圧力源とパイロット室との間の減圧弁と、増圧弁と減圧弁とを制御する制御部と、を備え、制御部は、増圧位置固着故障を検出する故障検出手段を有し、故障検出手段によって増圧位置固着故障が検出された場合、増圧弁と減圧弁とを開状態に制御してサーボ室を減圧する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、運転者によるブレーキ操作量に応じて車両に付与する制動力を制御する車両用制動装置に関する。
運転者によるブレーキ操作量に応じて車両に付与する制動力を制御する車両用制動装置の一例として、例えば特開2006−282014号公報(特許文献1)に挙げられる車両用制動装置が知られている。この車両用制動装置において、ホイールシリンダにはアキュムレータと電磁弁とによって発生された制御油圧に基づく制動力が付与される。
特許文献1の車両用制動装置では、アキュムレータから供給されるブレーキ液の液圧をブレーキペダル(操作部)からの操作量に応じて調圧する調圧弁を備え、この調圧弁の故障状況をより的確に診断することができる。
特開2006−282014号公報
しかしながら、上記車両用制動装置は、調圧弁(レギュレータ)内の弁スプール(レギュレータピストン)が増圧位置で固着する増圧位置固着故障について検出するものではない。増圧位置とは、アキュムレータ(高圧力源)と補助液圧室(サーボ室)とを連通させる位置である。増圧位置固着故障が発生すると、運転手がブレーキ操作をしていないにも関わらず、補助液圧室(サーボ室)が高圧状態となり、車輪に制動力が発生した状態となる。これにより、当該故障が発生すると車両を走行させることができなくなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、レギュレータピストンの増圧位置固着故障を検出でき、且つ検出後の車両の走行を可能とする車両用制動装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る車両用制動装置は、高圧力源(431)に連通する高圧ポート(4a)と、前記高圧力源よりも低圧の低圧力源(412)に連通する低圧ポート(4d)と、マスタシリンダ(1)に収容された加圧ピストン(113)を駆動するサーボ室(127)に連通する出力ポート(4c)と、パイロット液圧が供給されるパイロット室(4D)と、前記パイロット液圧に応じて、前記出力ポートを前記高圧ポートに連通させる増圧位置と、前記出力ポートを前記低圧ポートに連通させる減圧位置との間で作動するレギュレータピストン(445)と、を有するレギュレータ(44)と、前記高圧力源と前記パイロット室との間のブレーキ液の流れを調整する増圧弁(42)と、前記低圧力源と前記パイロット室との間のブレーキ液の流れを調整する減圧弁(41)と、前記増圧弁と前記減圧弁とを制御する制御部(6)と、を備え、前記制御部(6)は、前記レギュレータピストンが前記増圧位置で固着する増圧位置固着故障を検出する故障検出手段(6)を有し、前記故障検出手段によって前記増圧位置固着故障が検出された場合、前記増圧弁と前記減圧弁とを開状態に制御して前記サーボ室を減圧することを特徴とする。
請求項2に係る車両用制動装置は、請求項1において、前記高圧力源(431)の圧力を増圧する増圧手段(432、433)を備え、前記制御部(6)は、前記故障検出手段によって前記増圧位置固着故障が検出された場合、ブレーキ操作部材(115)の操作量に応じて、前記増圧弁を閉状態に制御し且つ前記増圧手段を駆動して、前記サーボ室を増圧することを特徴とする。
請求項3に係る車両用制動装置は、請求項1又は2において、前記高圧力源(431)の圧力を増圧する増圧手段(432、433)を備え、前記制御部(6)は、前記故障検出手段によって前記増圧位置固着故障が検出された場合、ブレーキ操作部材(115)の操作量に応じて、前記増圧弁を閉状態に制御し且つ前記増圧手段を停止して、前記サーボ室の圧力を保持することを特徴する。
請求項4に係る車両用制動装置は、請求項1〜3の何れかにおいて、前記高圧力源(431)の圧力を増圧する増圧手段(432、433)を備え、前記増圧弁(42)は常閉型の電磁弁であり、前記減圧弁(41)は常開型の電磁弁であり、前記制御部(6)は、前記故障検出手段によって前記増圧位置固着故障が検出された場合、ブレーキ操作部材(115)の操作が終了してから所定時間経過後、前記増圧弁を閉状態に制御し前記減圧弁を開状態に制御し且つ前記増圧手段を停止して、前記サーボ室の圧力を保持することを特徴とする。
請求項5に係る車両用制動装置は、請求項1〜4の何れかにおいて、前記故障検出手段は、ブレーキ操作部材(115)の操作量が所定量以下であり、車輪速度が所定速度以下であり、エンジントルクに関する値が所定値より大きく、且つ、前記サーボ室の圧力が所定圧より大きい場合に、前記増圧位置固着故障と判定することを特徴とする。
請求項6に係る車両用制動装置は、請求項1〜4の何れかにおいて、前記故障検出手段は、ブレーキ操作部材(115)の操作量が所定量以下であり、前記サーボ室の圧力と前記高圧力源の圧力が同圧であり、エンジントルクに関する値が所定値より大きく、且つ、前記サーボ室の圧力が所定圧より大きい場合に、前記増圧位置固着故障と判定することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、増圧位置固着故障が検出され、検出後にはサーボ室を減圧するための正常時とは異なる制御が行われる。検出後にサーボ圧が減圧されることで、車輪の制動力が正常値に戻り、車両の走行が可能となる。本発明によれば、増圧位置固着故障が検出でき、且つ故障検出後でも車両の走行を可能にすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、増圧位置固着故障が検出された後に、ブレーキ操作が行われた場合、サーボ室を増圧するための正常時とは異なる制御が行われる。これにより、故障検出後に車両を走行させても、ブレーキ操作部材の操作量に応じた制動力を発生させることができ、車両を減速、停止させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、増圧位置固着故障が検出された場合、ブレーキ操作部材の操作量に応じて、サーボ室の圧力を保持する制御が行われる。これにより、操作量に応じてサーボ圧が保持される。
請求項4に記載の発明によれば、増圧位置固着故障が検出された場合、ブレーキ操作が終了してから所定時間経過後には、サーボ室の圧力を保持する制御が行われる。また、増圧弁が常閉型(通電OFFで閉状態)で減圧弁が常開型(通電OFFで開状態)であるため、サーボ圧を保持する制御において、各電磁弁は通電されていない状態となり、省電力化が可能となり、且つ長時間通電による電磁コイル等の損傷が防止される。
請求項5に記載の発明によれば、4つの判定条件により、精度よく増圧位置固着故障が検出できる。例えばアクセルを踏んでいるにも関わらず(エンジントルク>所定値)車輪速度が出ていない(車輪速≦所定速度)、及びブレーキが踏まれていないにも関わらず(ブレーキ操作量≦所定量)サーボ圧が大きい(サーボ圧>所定圧)、の2つの異常をアンド条件で検出することで精度良く固着故障を検出できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5とは別の判定条件により増圧位置固着故障検出が可能となる。例えばサーボ室の圧力と高圧力源の圧力が同圧であることで両者が連通していることが直接的に分かり、サーボ圧が所定圧より大きいことから高圧力源の故障ではないことが分かる。高圧力源の故障により両者の圧力が同圧となる場合が切り分けられ、精度良く固着故障を検出できる。
本実施形態の車両用制動装置の構成を示す部面説明図である。 本実施形態のサーボ圧発生装置における増圧位置を説明するための説明図である。 増圧位置固着故障の検出に関する制御及び検出後の制御についてのフローチャートである。 増圧位置固着故障検出後の制御に関する説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図は概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。
(車両用制動装置の構成)
図1は、本実施形態に係る車両用制動装置の概略構成図を示している。本実施形態の車両用制動装置は、入力ピストン112の前進方向に離間距離Bを有して配置され入力ピストン112に対し独立して軸線方向に摺動するマスタピストン113、114を有するマスタシリンダ1と、入力ピストン112の移動量に応じた反力圧を反力室128に発生させる反力発生装置2と、反力室128と反力発生装置2とを連通する液路130から分岐されてリザーバ32に連通する開放路31に設けられた切替弁3と、サーボ圧を発生させるサーボ圧発生装置4と、マスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ1の液圧室132、136に連通するホイールシリンダ54を有する車輪55のブレーキ5と、切替弁3及びサーボ圧発生装置4を制御するブレーキECU6と、各種センサ71〜77と、回生制動力を制御するハイブリッドECU8と、を備えている。以下、本実施形態の車両用制動装置が備える各構成要素について、詳細に説明する。なお、ハイブリッドECU8については公知のものであり、説明は省略する。また、各種センサ71〜77は、ブレーキECU6と通信可能となっている。ブレーキECU6は、主に各種電磁弁3、41、42やPSモータ433等を制御する。
(マスタシリンダ1及び反力発生装置2)
図1に示すように、マスタシリンダ1は、基端部が開口して先端部が閉塞した円筒形状を成すシリンダ111を備え、このシリンダ111の内部に基端部から順に入力ピストン112、第一マスタピストン113及び第二マスタピストン114が各々同軸上に配置されて軸線方向に沿って摺動自在に嵌合されている。入力ピストン112は、シリンダ111の基端部外方に一部が突出して配置され、その突出部分にブレーキペダル115の操作ロッド116がピボット116aを用いて連結され、運転者によるブレーキペダル115の操作により操作ロッド116を介して移動可能となっている。なお、本明細書では、ブレーキペダル115の移動量を「ストローク量又は操作量」という。
入力ピストン112は、シリンダ111の基端部側に形成された入力シリンダ穴119に摺動自在に嵌合されている。入力ピストン112には、入力シリンダ穴119内への挿入部分に、先端側が開口し基端部側が閉塞されて閉塞面112aとなった軸穴117が形成されている。この軸穴117に、第一マスタピストン113からシリンダ111の隔壁111aを貫通して基端部側へ延在する円柱状の棒状部分が摺動自在に嵌合されている。この嵌合された棒状部分の端面113aは、入力ピストン112の閉塞面112aと平行状態となっており、それら端面113aと閉塞面112aとの間には、ブレーキペダル115が無操作状態の際に所定距離Bの間隔が確保されるようになっている。
入力ピストン112の先端部側の端面112bと入力シリンダ穴119の底部119bとなる隔壁111aとの間には反力室128が形成され、この反力室128の隔壁111aの近傍にはシリンダ111の周壁を外部に貫通するポート129が形成されている。このポート129は配管130を介して、反力発生装置2を構成するストロークシミュレータ21に接続されている。
ストロークシミュレータ21は、シリンダ211にピストン212が摺動可能に嵌合され、圧縮スプリング213によって前方に付勢されたピストン212の前面側に液室214が形成され、液室214が配管130を介して反力室128に連通されている。ブレーキペダル115の操作により入力ピストン112が前方に移動すると、反力室128からブレーキ液が液室214に送出されピストン212が圧縮スプリング213の撓み量に比例するばね力に抗して後退される。これにより、反力室128内の圧力がブレーキペダル115の移動量であるブレーキ操作量に応じて上昇し、ブレーキペダル115にはブレーキ操作量に応じた反力が付与される。配管130には、反力室128内の圧力を検出する圧力センサ73が設けられている。本明細書では、この反力室128内の圧力を「反力圧」という。
入力ピストン112の軸穴117の内周面と第一マスタピストン113の棒状部分の外周面との間に軸線方向に沿って所定ギャップの通路117aが形成されるように、軸穴117は軸線方向に所定長さだけ大径に形成されている。入力ピストン112の周壁には当該周壁を貫通する貫通穴118が通路117aと連通するように形成されている。更に、入力ピストン112の外周面と入力シリンダ穴119の内周面との間に軸線方向に沿って所定ギャップの通路119aが形成されるように入力シリンダ穴119は軸線方向に所定長さだけ大径に形成されている。シリンダ111の周壁には、通路120が通路119aの先端付近で連通するように貫通して形成されている。通路120は配管121で、ブレーキ液のリザーバ32に連通されている。したがって、端面113aと閉塞面112aとの間隔部分117bは、通路117a、貫通穴118、通路119a、通路120、配管121を介してリザーバ32に連通している。この連通状態は、ブレーキ操作量に係わらず保持され、間隔部分117bは、常時大気に連通されている。
シリンダ111には、加圧シリンダ穴123が入力シリンダ穴119と隔壁111aを挟んで形成されている。第一マスタピストン113(「加圧ピストン」に相当する)は、断面コ字形状を呈し、加圧シリンダ穴123に摺動自在に嵌合されている。第一マスタピストン113の先端部側に配置された第二マスタピストン114は断面がコ字形状を呈し、加圧シリンダ穴123内に摺動自在に嵌合されている。
隔壁111aと第一マスタピストン113との間にサーボ室127が形成され、第一マスタピストン113と第二マスタピストン114との間に第一液圧室132が形成され、第二マスタピストン114と加圧シリンダ穴123の先端閉塞面との間に第二液圧室136が形成されている。第一マスタピストン113のコ字形状の凹部底面と第二マスタピストン114の後端面との間に第一圧縮スプリング124が介在され、第二マスタピストン114のコ字形状の凹部底面と加圧シリンダ穴123の先端閉塞面との間に第二圧縮スプリング125が介在されている。これにより、ブレーキペダル115が無操作状態において、第一マスタピストン113および第二マスタピストン114は第一圧縮スプリング124および第二圧縮スプリング125のばね弾性力によってシリンダ111の基端側に付勢され、所定の各不作動位置にそれぞれ停止されている。
ブレーキペダル115の無操作状態において、第一マスタピストン113の棒状部分の端面113aは、入力ピストン112の閉塞面112aとの間に、上述した所定距離Bとなる間隔をもって離間状態に保持されている。運転者がブレーキペダル115を操作し、入力ピストン112が第一マスタピストン113に対して所定距離Bだけ相対的に前進すると、第一マスタピストン113に当接してこれを押圧可能となっている。
サーボ室127の隔壁111aの近傍にはシリンダ111の周壁を外部に貫通するポート133が形成されている。第一マスタピストン113と第二マスタピストン114との間の第一液圧室132には所定の不作動位置に位置する第二マスタピストン114の後端面近傍にシリンダ111の周壁を外部に貫通するポート134が形成されている。更に、第二マスタピストン114の先端部側とシリンダ111の先端閉塞面との間の第二液圧室136には当該先端閉塞面の近傍に、シリンダ111の周壁を外部に貫通するポート135が形成されている。
後述するサーボ圧発生装置4によって、サーボ圧がサーボ室127に発生することにより、第一マスタピストン113、第二マスタピストン114が軸線方向に前進して第一液圧室132及び第二液圧室136が加圧される。第一液圧室132及び第二液圧室136の液圧は、ポート134、135から配管51、52及び分岐手段53を経由してホイールシリンダ54へ供給され、車輪55に制動力(ブレーキ力)が付与される。
なお、入力シリンダ穴119の内周面と入力ピストン112の外周面との間、加圧シリンダ穴123と第一マスタピストン113及び第二マスタピストン114の外周面との間、並びに、入力ピストン112の軸穴117の内周面及び隔壁111aと第一マスタピストン113の棒状部分の外周面との間には、図1において丸印で示すOリング等のシール部材を装着し、液の漏洩を防止している。
また、シリンダ111の第一マスタピストン113前方位置には、リザーバYに連通するポート111Yが形成されている。同様に、シリンダ111の第二マスタピストン114前方位置には、リザーバZに連通するポート111Zが形成されている。ポート111Y、111Zの両サイド(前後)には、シール部材1Xが設置されている。マスタピストン113、114が前進し、各シール部材1Xと対応するマスタピストン113、114とが当接することで、リザーバY、Zと各液圧室132、136とは遮断される。センサ72は、ストロークセンサであり、ブレーキペダル115のストローク量(操作量)を検出する。
(切替弁3)
切替弁3は、反力室128と反力発生装置2とを連通する配管130から分岐した分岐配管130aと、リザーバ32に連通する開放路31と、の間に設けられている。切替弁3は、例えば、電磁弁を用いることができる。切替弁3は、ブレーキECU6からの制御信号に基づいて開閉される。切替弁3が開放状態のときに分岐配管130aと開放路31は連通されて、反力室128のポート129とリザーバ32は連通される。切替弁3が閉止状態のときには、ストロークシミュレータ21によって形成された反力圧が反力室128に付与される。
(サーボ圧発生装置4)
サーボ圧発生装置4は、主に、減圧弁41と、増圧弁42と、圧力供給部43と、レギュレータ44と、を備えている。減圧弁41は、常開型の電磁弁であり、ブレーキECU6により流量が制御されている。減圧弁41の一方は配管411を介してリザーバ412(「低圧力源」に相当する)に接続され、減圧弁41の他方は配管413に接続されている。増圧弁42は、常閉型の電磁弁であり、ブレーキECU6により流量が制御されている。増圧弁42の一方は配管421に接続され、増圧弁42の他方は配管422に接続されている。
圧力供給部43は、ブレーキECU6の指示に基づいて、レギュレータ44に高圧のブレーキ液を提供する手段である。圧力供給部43は、主に、アキュムレータ431(「高圧力源」に相当する)と、液圧ポンプ432と、PSモータ433(「増圧手段」に相当する)と、リザーバ434と、を有している。
アキュムレータ431は、液圧ポンプ432により発生した液圧を蓄圧するものである。アキュムレータ431は、配管431aにより、レギュレータ44、圧力センサ75、及び液圧ポンプ432と接続されている。液圧ポンプ432は、PSモータ433及びリザーバ434と接続されている。液圧ポンプ432は、リザーバ434に溜まったブレーキ液を、PSモータ433が駆動することでアキュムレータ431に供給する。PSモータ433は、ブレーキECU6により制御される。なお、センサ74は、サーボ室127の圧力であるサーボ圧を検出する圧力センサである。また、センサ75は、アキュムレータ431の圧力(アキュムレータ圧)を検出する圧力センサである。
アキュムレータ431の圧力であるアキュムレータ圧が所定値以下に低下したことが圧力センサ75によって検出されると、ブレーキECU6からの制御信号に基づいてPSモータ433が駆動され、液圧ポンプ432は、アキュムレータ431にブレーキ液を供給してアキュムレータ431に圧力エネルギーを補給する。そして、アキュムレータ圧が所定値に達すると、ブレーキECU6はPSモータ433を停止する。
レギュレータ44は、主に、シリンダ441と、ボール弁442と、付勢部443と、弁座部444と、レギュレータピストン445と、を備えている。
シリンダ441は、一方(図面右側)に底面をもつ略有底円筒状のシリンダケース441aと、シリンダケース441aの開口(図面左側)を塞ぐ蓋部材441bと、で構成されている。なお、図面上、蓋部材(441b)は断面コの字状に形成されているが、本実施形態では、蓋部材441bを円柱状とし、シリンダケース441aの開口を塞いでいる部位を蓋部材441bとして説明する。シリンダケース441aには、内部と外部を連通させる複数のポート4a〜4gが形成されている。
ポート4aは、配管431aを介してアキュムレータ431と接続している。ポート4bは、配管422を介して増圧弁42と接続している。ポート4c(「出力ポート」に相当する)は、配管145を介してサーボ室127と接続している。ポート4dは、リザーバ412に通じる配管414に接続している。ポート4eは、リリーフバルブ423を介して配管422に通じる配管424に接続している。ポート4f(「低圧ポート」に相当する)は、配管413を介して減圧弁41に接続している。ポート4g(「高圧ポート」に相当する)は、配管421を介して増圧弁42に接続している。
ボール弁442は、ボール型の弁であり、シリンダ441内部において、シリンダケース441aの底面側(以下、シリンダ底面側とも称する)に配置されている。付勢部443は、ボール弁442をシリンダケース441aの開口側(以下、シリンダ開口側とも称する)に付勢するバネ部材であって、シリンダケース441aの底面に設置されている。弁座部444は、シリンダケース441aの内周面に設けられた壁であり、シリンダ開口側とシリンダ底面側を区画している。弁座部444の中央には、軸方向に貫通し後述する第一室4Aと第二室4Bとを連通させる貫通路444aが形成されている。弁部材444は、付勢されたボール弁442が貫通路444aを塞ぐ形で、ボール弁442をシリンダ開口側から保持している。
ボール弁442、付勢部443、弁座部444、及びシリンダ底面側のシリンダケース441aの内周面で区画された空間を第一室4Aとする。第一室4Aは、ブレーキ液で満たされており、ポート4aを介して配管431aに接続され、ポート4bを介して配管422に接続されている。
レギュレータピストン445は、略円柱状の本体部445aと、本体部445aよりも径が小さい略円柱状の突出部445bとからなっている。本体部445aは、シリンダ441内において、弁座部444のシリンダ開口側に、同軸的且つ液密的に摺動可能に配置されている。本体部445aは、図示しない付勢部材によりシリンダ開口側に付勢されている。本体部445aのシリンダ軸方向略中央には、両端が本体部445a周面に開口した周方向(図面上下方向)に延びる通路445cが形成されている。通路445cの開口の配置位置に対応したシリンダ441の一部内周面は、ポート4dが形成されているとともに、凹状に窪み、本体部445aとにより第三室4Cを形成している。第三室4Cがあることで、レギュレータピストン445が摺動しても、通路445cとリザーバ412との連通状態が維持される。
突出部445bは、本体部445aのシリンダ底面側端面の中央からシリンダ底面側に突出している。突出部445bの径は、弁座部444の貫通路444aよりも小さい。突出部445bは、貫通路444aと同軸上に配置されている。突出部445bの先端は、ボール弁442からシリンダ開口側に所定間隔離れている。突出部445bには、突出部445bのシリンダ底面側端面中央に開口したシリンダ軸方向に延びる通路445dが形成されている。通路445dは、本体部445a内にまで延伸し、通路445cに接続している。
本体部445aのシリンダ底面側端面、突出部445bの外表面、シリンダ441の内周面、弁座部444、及びボール弁442によって区画された空間を第二室4Bとする。第二室4Bは、レギュレータピストン445不動作状態において、通路445c、445d、及び第三室4Cを介してポート4d、4eに連通している。また、シリンダ441の蓋部材441b、レギュレータピストン445のシリンダ開口側の端面、及びシリンダ441の内周面で区画された空間をパイロット室4Dとする。なお、リザーバ412とリザーバ434は、両者共通で1つのリザーバタンクであっても良い。
ここで、サーボ圧発生装置4の動作について説明する。まず、ブレーキECU6により減圧弁41及び増圧弁42を制御した一般的なブレーキ制御であるリニアモードについて説明する。
ブレーキペダル115が踏まれていない状態では、レギュレータ44は上記のような状態、すなわちボール弁442が弁座部444の貫通路444aを塞いでいる状態となる。また、減圧弁41は開状態、増圧弁42は閉状態となっている。つまり、この状態では、第一室4Aと第二室4Bは、ボール弁442と弁座部444により遮断されている。この第一室4Aと第二室4Bが非連通の状態、すなわちポート4cがポート4dに連通し、ポート4cがポート4aと非連通の状態におけるレギュレータピストン445の位置を、減圧位置と定義する。
第二室4Bは、サーボ室127に連通し、互いに同圧力に保たれている。第二室4Bは、レギュレータピストン445の通路445c、445dを介して第三室4Cに連通している。したがって、第二室4B及び第三室4Cは、リザーバ412に連通している。パイロット室4Dは、一方が増圧弁42で塞がれ、他方が減圧弁41を介してリザーバ412に連通している。パイロット室4Dと第二室4Bとは各室がレギュレータピストン445に臨む面積の比による圧力差をもって保たれる。ブレーキペダル115が踏まれていない状態では、パイロット室4Dと第二室4Bとはリザーバ412と同圧力に保たれる。
この状態から、ブレーキペダルが踏まれると、ストロークセンサ72及びハイブリッドECU8からの情報に応じてブレーキECU6が減圧弁41及び増圧弁42を制御する。すなわち、ブレーキECU6は、減圧弁41を閉じる方向に制御し、増圧弁42を開ける方向に制御する。
増圧弁42が開くことでアキュムレータ431とパイロット室4Dとが連通する。減圧弁41が閉じることで、パイロット室4Dとリザーバ412とが遮断される。アキュムレータ431から供給される高圧のブレーキ液により、パイロット室4Dの圧力(パイロット圧)を上昇させる。パイロット室4Dの圧力が上昇することで、レギュレータピストン445がシリンダ底面側に摺動する。これにより、レギュレータピストン445の突出部445b先端がボール弁442に当接し、通路445dがボール弁442により塞がれる。そして、第二室4Bとリザーバ412とは遮断される。
図2に示すように、さらにレギュレータピストン445がシリンダ底面側に摺動することで、突出部445bによりボール弁442がシリンダ底面側に押されて移動し、ボール弁442が弁座部444から離間する。これにより、第一室4Aと第二室4Bは弁座部444の貫通路444aにより連通する。第一室4Aには、アキュムレータ431から高圧のブレーキ液が供給されており、連通により第二室4Bの圧力が上昇する。この第一室4Aと第二室4Bとが連通している状態、すなわちポート4cとポート4aが連通しポート4cとポート4dが非連通の状態におけるレギュレータピストン445の位置を、増圧位置と定義する。
第二室4Bの圧力上昇に伴って、連通するサーボ室127の圧力も上昇する。サーボ室127の圧力上昇により、第一マスタピストン113が前進し、第一液圧室132の圧力が上昇する。そして、第二マスタピストン114も前進し、第二液圧室136の圧力が上昇する。第一液圧室132及び第二液圧室136の液圧は、ポート134、135から配管51、52及び分岐手段53を経由してホイールシリンダ54へ供給され、ブレーキ5が作動して車両が制動される。
そして、運転手がブレーキペダル115を踏むのを止めると、入力ピストン112が反力圧の余力等により後退し、ストローク量が0に戻っていく。この過程において、ブレーキECU6は、減圧弁41に開指示(開状態にさせる指令)を与え、増圧弁42に閉指示を与える。そして、ストローク量が0になると、ブレーキECU6は切替弁3に開指示を与える。減圧弁41が開状態となり、増圧弁42が閉状態となると、パイロット室4Dがリザーバ412に連通するとともにアキュムレータ431とは遮断される。これにより、パイロット室4D内のブレーキ液がリザーバ412に流入し、パイロット圧が低下する。パイロット圧が低下することで、レギュレータピストン445がシリンダ開口側(図面左側)に摺動し、それとともにボール弁442がシリンダ開口側に移動して弁座部444の貫通路444aを塞ぐ。
そして、レギュレータピストン445とボール弁442とが離間する。これにより、第一室4Aと第二室4Bとが非連通状態となり、第二室4Bとリザーバ412が通路445c、445dを介して連通状態となる。第二室4Bのブレーキ液がリザーバに流入することで、第二室4B及び第二室4Bと連通するサーボ室127の圧力(サーボ圧)が低下し、第一マスタピストン113及び第二マスタピストン114は後退する。これにより、第一液圧室132及び第二液圧室136の液圧が低下し、マスタシリンダ1はブレーキペダル115操作前の状態に戻る。
(ブレーキ5)
マスタシリンダ圧を発生する第一液圧室132、第二液圧室136には、配管51、52、及び分岐手段53を介してホイールシリンダ54が連通されている。ホイールシリンダ54は、車輪55のブレーキ5を構成している。分岐手段53は、配管51、52から供給されるブレーキ液を分岐させて、4つのホイールシリンダ54に分配する手段である。
リニアモードにおいて、サーボ圧発生装置4のパイロット室4Dの圧力が増圧弁42及び減圧弁41によって制御されてサーボ圧がサーボ室127に発生することにより、第一マスタピストン113及び第二マスタピストン114が前進して第一液圧室132及び第二液圧室136が加圧される。第一液圧室132及び第二液圧室136の液圧はポート134、135から配管51、52及び分岐手段53を経由してホイールシリンダ54へ供給され、車輪55に液圧制動力が付与される。なお、センサ76は、車輪速センサであり、センサ77は、エンジントルクに関するセンサである。センサ77は、トルクセンサ、エンジン回転数センサ、又はアクセル開度センサ等であっても良い。
(増圧位置固着故障検出に関する制御)
増圧位置固着故障とは、図2に示すように、レギュレータピストン445が増圧位置にて移動不能になる故障である。つまり、レギュレータピストン445が減圧位置に戻れないという故障である。例えば、レギュレータピストン445が、ゴミや杭等に引っかかるなどで固着してしまったり、衝撃等によりシリンダ441に対して傾いてしまって固着したりすることなどが挙げられる。増圧位置固着故障が生じると、ブレーキペダル115を踏んでいない状態であっても、ブレーキが効いている状態が続くことになる。つまり、この故障により、車両の発進は困難となる。
ブレーキECU6による増圧位置固着故障を検出する制御、及び故障検出後の制御について図3を参照して説明する。ブレーキECU6は図3のフローチャートに示される制御をイグニッションONの間に常時実行しており、例えばブレーキ操作の終了直後に異常チェックが開始される。まず増圧位置固着故障についての異常フラグのON/OFFがチェック(判定)される(S101)。異常フラグは、過去に異常と判定されて正常に戻っていない場合ONで、現在正常と判定されている場合OFFとなる。異常フラグOFFの場合(S101:Yes)、増圧位置固着故障の判定について以下の4つのチェックが行われる(S102)。
第一に制動操作がOFFされているか否かがチェックされる。つまり、ブレーキペダル115が踏まれていないか(ストローク量が0であるか)がチェックされる。第二に車輪速センサ76で検出された車輪速が所定値V1(本実施形態では0km/h)以下であるか否かがチェックされる。第三にセンサ77の検出値に基づいたエンジントルクの値が所定値T1より大きいか否かがチェックされる。つまり、運転手が発進しようとしているか否かがチェックされる。第四にサーボ圧が所定値P1より大きいか否かがチェックされる。
4つがすべでYesの場合、すなわち制動OFFで、車輪速がV1以下(ここでは車輪速=0km/h)で、エンジントルクがT1より大きく、且つ、サーボ圧がP1より大きい場合(S102:Yes)、増圧位置固着故障と判定し、異常フラグがONされる(S103)。つまり、本実施形態では、ブレーキ操作が行われておらず、アクセルが踏まれているにも関わらず、車両が停止しており、サーボ圧も高くなっている状態で、増圧位置固着故障と判定される。ここでエンジントルクの判定については、例えばアクセル開度が所定値より大きいか否か、又はエンジン回転数が所定値より大きいか否か等を判定することで代用することができる。一方、4つのうち何れか1つでもNoであれば、通常時のリニアモードでブレーキ制御がなされる(S201)。これについては後述する。
異常フラグがONの場合(S101:No、又はS103)、制動OFFか否かがチェックされる(S104)。制動OFFの場合(S104:Yes)、制動OFFからの経過時間が所定時間t1(例えば15秒)であるか否かがチェックされる(S105)。例えば、運転手がブレーキペダル115から足を離してから時間のカウントが開始される。制動OFFからt1以上経過している場合(S105:Yes)、フラグdがONされる(S106)。制動OFFからt1経過していない場合(S105:No)、フラグdがOFFされる(S107)。その後、フラグdがONされているか否かがチェックされ(S108)、フラグdがONの場合(S108:Yes)、制御モードが異常時における保持モードに移行し(S112)、フラグdがOFFの場合(S108:No)、制御モードが異常時における減圧モードに移行する(S109)。
ブレーキ操作の終了直後の異常チェックでは、所定時間t1経過していないため、フラグdがOFFの状態であり、減圧モードとなる(S109〜S111)。減圧モードでは、増圧弁42には開指示が与えられ(S109)、減圧弁41には指示が与えられず(つまり開状態維持)(S110)、PSモータ433にはOFF指示が与えられる(S111)。PSモータ433停止によりアキュムレータ431の蓄圧が停止される。そして、増圧弁42及び減圧弁41両方が開状態となることで、レギュレータピストン445が増圧位置であっても、サーボ室127とリザーバ412とが連通する。つまり、サーボ室127は、第二室4B、第一室4A、増圧弁42、パイロット室4D、及び減圧弁41を介して、リザーバ412と連通する。これにより、サーボ室127のブレーキ液がリザーバ412に流入し、サーボ圧が低下する。サーボ圧が低下することで、マスタピストン113、114は後退し、マスタシリンダ圧が低下して、ブレーキ力は低下する。これにより、車両は走行可能となる。
そして、減圧モードが継続されつつ、異常チェックが終了し、直後に再び開始される(S101)。そして、制動OFFから所定時間t1が経過するまで減圧モードが維持され、所定時間t1経過後にフラグdがONされる(S106)。フラグdがONされると(S108:Yes)、制御モードが減圧モードから保持モードとなる(S112〜S114)。保持モードでは、増圧弁42には閉指示が与えられ(つまり通電を止めて閉状態とする)(S112)、減圧弁41には指示が与えられず(つまり開状態維持)(S113)、PSモータ433には指示が与えられない(つまりOFF状態維持)(S114)。増圧弁42が閉状態になることで、サーボ室127とリザーバ412とが遮断され、サーボ圧が保持される。
所定時間t1は、サーボ圧がブレーキ無操作時のサーボ圧(例えば0Pa)まで減圧されるのに十分な時間に設定されている。これにより、正常時同様、アクセル開度に応じて車両を走行させることができる。保持モードでは、増圧弁42、減圧弁41、及びPSモータ433がすべて通電OFFの状態となる。
続いて、異常チェックにより故障が検出された後(S101:No)に、制動がONされた場合(S104:No)、つまり、故障中に走行開始し、再びブレーキペダル115が踏まれた場合、フラグdがOFFされる(S115)。そして、圧力センサ74で検出された実際のサーボ圧(以下、実サーボ圧とも称する)が、目標サーボ圧から所定量(ここでは1MPa)だけ減算した値(以下、低側目標サーボ圧とも称する)未満であるか否かがチェックされる(S116)。目標サーボ圧は、ストローク量から算出された制御目標となるサーボ圧の値、又は予め制御マップに記憶されたストローク量に対するサーボ圧の値である。所定量は、圧力判定に対してある程度の幅を持たせるためのものである。
実サーボ圧が低側目標サーボ圧未満である場合(S116:Yes)、制御モードが増圧モードとなる(S118〜S120)。増圧モードでは、増圧弁42には閉指示が与えられ(つまり非通電状態)(S118)、減圧弁41には開指示が与えられ(つまり非通電状態)(S119)、PSモータ433にはON指示が与えられる(S120)。増圧弁42閉状態且つ減圧弁41開状態において、PSモータ433がONされると、レギュレータピストン445が増圧位置で固着しているため、アキュムレータ431からサーボ室127にブレーキ液が供給される。つまり、サーボ圧は上昇する。
そして、実サーボ圧が低側目標サーボ圧以上となった場合(S116:No)、実サーボ圧が、目標サーボ圧に所定量(ここでは1MPa)加算した値(以下、高側目標サーボ圧とも称する)より大きいか否かがチェックされる(S117)。実サーボ圧が高側目標サーボ圧以下であれば(S117:No)、制御モードが保持モードとなる(S112〜S114)。実サーボ圧が高側目標サーボ圧より大きい場合(S117:Yes)、制御モードが減圧モードとなる(S109〜S111)。このように、本実施形態によれば、故障検出後の走行においても、ブレーキ制御が実現される。
ここで、故障検出後の走行時におけるブレーキ制御について図4を参照して説明する。故障検出後の走行時、ブレーキペダル115が踏まれるとストロークセンサ72がストローク量を検出し、制動判定(S114)がONとなる。同時に、検出されたストローク量に基づいて目標サーボ圧が算出される。同時に、PSモータ433がONされる。増圧弁42は閉状態(OFF状態)で減圧弁41は開状態(OFF状態)である。つまり、故障検出後の走行時にブレーキペダル115が踏まれると制御モードが増圧モード(S118〜S120)となる。
そして、実サーボ圧が目標サーボ圧(低側と高側の間)になると、制御モードが保持モード(S112〜S114)となり、PSモータ433がOFFされる。そして、ストローク量が減少していくと、それに応じて目標サーボ圧も小さくなり、実サーボ圧が高側目標サーボ圧より大きくなり(S117:Yes)、制御モードが減圧モード(S109〜S111)となる。すなわち、増圧弁42が開状態(ON)となる。実サーボ圧は、目標サーボ圧に遅れて低下していく。
そして、ストローク量が0になり制動判定がOFFになると、所定時間t1のカウントが開始され、t1経過すると制御モードが減圧モードから保持モードに移行される。つまり、増圧弁42が閉状態(OFF)となる。保持モードでは、各電磁弁41、42が非通電状態となるため、省電力化となり、且つ長時間通電による電磁コイル等の損傷等は防止される。
一方、図3に示すように、S102の故障判定において何れか1つがNoである場合(S102:No)、通常のリニアモードでブレーキ制御がなされる。簡単に説明すると、まず、フラグdがOFFされる(S201)。そして、制動がOFFであるか否かがチェックされる(S202)。制動OFFの場合(S202:Yes)、各電磁弁41、42は非通電状態で維持される(S203、S204)。つまり、増圧弁42は閉状態であり、減圧弁41は開状態である。そして、通常通り、ブレーキECU6が、圧力センサ75の検出結果に応じてPSモータ433を作動させる(S207)。
制動ONの場合(S202:No)、ストロークセンサ72の検出結果に基づいて目標サーボ圧が算出される(S205)。そして、目標サーボ圧に応じて各電磁弁41、42が制御される(S206)。そして、上記同様、圧力センサ75の検出結果に応じてPSモータ433が制御される(S207)。
このように、本実施形態によれば、増圧位置固着故障を検出でき、さらに故障があった場合でも、車両を走行させることができる。
なお、故障判定(S102)の判定項目は上記に限られない。例えば、上記第二項目に代えて、サーボ圧(圧力センサ74の値)とアキュムレータ圧(圧力センサ75の値)が同圧であるか否かを判定することとしても良い。
また、走行の意思に関わらず、故障判定のみを行う場合、1.ストローク量が所定値(0)以下であるか否か、2.サーボ圧がアキュムレータ圧と同圧であるか否か、3.サーボ圧が所定値より大きいか否か、を判定するようにしても良い。この場合、すべてYes(ストローク量≦所定値、サーボ圧≒アキュムレータ圧、サーボ圧>所定値)であれば、増圧位置固着故障と判定できる。また、ストローク量が0であるにも関わらず、サーボ圧が所定値より大きく、且つその大きい期間が所定期間を超えた場合、増圧位置固着故障と判定できる。ストローク量に対する実サーボ圧が目標サーボ圧よりも大きい期間が、所定期間継続した場合も故障と判定できる。ただし、圧力センサ74の精度や信用度によっては、図3におけるS102の判定項目が好ましい。これによれば、圧力センサ74が故障し検出結果のサーボ圧が大きいままである場合であっても、アクセルを踏んで車速が出ないところから、故障であると判定できる。
また、分岐手段53は、ホイールシリンダ54へのブレーキ液供給を調整する調整手段(例えばABS:アンチロックブレーキシステム)であっても良い。
1:マスタシリンダ、
112:入力ピストン、
113:第一マスタピストン、114:第二マスタピストン、
128:反力室、127:サーボ室、
132:第一液圧室、136:第二液圧室、
2:反力発生装置、3:切替弁、
4:サーボ圧発生装置 41:減圧弁、42:増圧弁、
431:アキュムレータ、432:液圧ポンプ、433:PSモータ、
5:ブレーキ、54:ホイールシリンダ、55:車輪、
6:ブレーキECU
72:ストロークセンサ、
73、74、75:圧力センサ、 76:車輪速センサ、 77:トルクセンサ

Claims (6)

  1. 高圧力源(431)に連通する高圧ポート(4a)と、
    前記高圧力源よりも低圧の低圧力源(412)に連通する低圧ポート(4d)と、
    マスタシリンダ(1)に収容された加圧ピストン(113)を駆動するサーボ室(127)に連通する出力ポート(4c)と、
    パイロット液圧が供給されるパイロット室(4D)と、
    前記パイロット液圧に応じて、前記出力ポートを前記高圧ポートに連通させる増圧位置と、前記出力ポートを前記低圧ポートに連通させる減圧位置との間で作動するレギュレータピストン(445)と、
    を有するレギュレータ(44)と、
    前記高圧力源と前記パイロット室との間のブレーキ液の流れを調整する増圧弁(42)と、
    前記低圧力源と前記パイロット室との間のブレーキ液の流れを調整する減圧弁(41)と、
    前記増圧弁と前記減圧弁とを制御する制御部(6)と、
    を備え、
    前記制御部(6)は、前記レギュレータピストンが前記増圧位置で固着する増圧位置固着故障を検出する故障検出手段(6)を有し、前記故障検出手段によって前記増圧位置固着故障が検出された場合、前記増圧弁と前記減圧弁とを開状態に制御して前記サーボ室を減圧することを特徴とする車両用制動装置。
  2. 前記高圧力源(431)の圧力を増圧する増圧手段(432、433)を備え、
    前記制御部(6)は、前記故障検出手段によって前記増圧位置固着故障が検出された場合、ブレーキ操作部材(115)の操作量に応じて、前記増圧弁を閉状態に制御し且つ前記増圧手段を駆動して、前記サーボ室を増圧する請求項1に記載の車両用制動装置。
  3. 前記高圧力源(431)の圧力を増圧する増圧手段(432、433)を備え、
    前記制御部(6)は、前記故障検出手段によって前記増圧位置固着故障が検出された場合、ブレーキ操作部材(115)の操作量に応じて、前記増圧弁を閉状態に制御し且つ前記増圧手段を停止して、前記サーボ室の圧力を保持する請求項1又は2に記載の車両用制動装置。
  4. 前記高圧力源(431)の圧力を増圧する増圧手段(432、433)を備え、
    前記増圧弁(42)は、常閉型の電磁弁であり、
    前記減圧弁(41)は、常開型の電磁弁であり、
    前記制御部(6)は、前記故障検出手段によって前記増圧位置固着故障が検出された場合、ブレーキ操作部材(115)の操作が終了してから所定時間経過後、前記増圧弁を閉状態に制御し前記減圧弁を開状態に制御し且つ前記増圧手段を停止して、前記サーボ室の圧力を保持する請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用制動装置。
  5. 前記故障検出手段は、ブレーキ操作部材(115)の操作量が所定量以下であり、車輪速度が所定速度以下であり、エンジントルクに関する値が所定値より大きく、且つ、前記サーボ室の圧力が所定圧より大きい場合に、前記増圧位置固着故障と判定する請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用制動装置。
  6. 前記故障検出手段は、ブレーキ操作部材(115)の操作量が所定量以下であり、前記サーボ室の圧力と前記高圧力源の圧力が同圧であり、エンジントルクに関する値が所定値より大きく、且つ、前記サーボ室の圧力が所定圧より大きい場合に、前記増圧位置固着故障と判定する請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用制動装置。
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