JP3787223B2 - 車輪ブレーキ圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加えられる操作力対応のブレーキ液圧を発生し車輪ブレーキに与えるためのブレーキ圧発生器に加えて、該車輪ブレーキに高ブレーキ液圧を与えるためのポンプを備える車輪ブレーキ圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のポンプは、例えば、車体の走行安定性および操舵性を確保するために、ドライバ(運転者)による制動時に車輪回転が完全停止(車輪ロック)するのを回避するように車輪ブレーキ圧を減圧し、その後制動距離が可及的に短くなるように増圧し、更に必要に応じて減,増圧を繰返すアンチスキッド制御(ABS制御),制動時の車両の横滑りや頭振りあるいは尻振りを抑制するための、車輪間の車輪ブレーキ力配分制御、あるいは、車両加速時の車輪スリップ(加速スリップ)を抑制するためのトラクションスリップ制御など、車輪ブレーキ圧を減圧することによるその後の増圧のためのブレーキ液圧不足を補うため、あるいは、ドライバによる制動操作がないときのブレーキ液圧発生のために備わっており、車輪ブレーキには、車輪ブレーキ圧を増,減するための電磁弁が接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ブレーキ圧発生器の代表的なものは、ブレーキペダル,それに入力ロッドが連結され入力ロッドに加わる力を増力して出力ロッドに加える負圧ブースタおよび該出力ロッドで駆動されるブレーキマスタシリンダを含むものであり、負圧ブースタは、負圧室と変圧室を区分するダイアフラムを有する。ダイアフラムは、負圧室と変圧室の圧力差すなわち車両上エンジンのインテークマニホールドの負圧と、ブレーキペダルの踏込量に対応して調整された圧力(該負圧から大気圧までの範囲内)との差圧によって駆動される。このダイアフラムに結合した出力ロッドがブレーキマスタシリンダを駆動し、ブレーキマスタシリンダの出力圧が車輪ブレーキに与えられる。
【0004】
定常の、コンピュ−タによる介入(車輪ブレーキ圧制御)が不要な制動時には、ブレーキマスタシリンダが発生するブレーキ圧が車輪ブレーキに加わる。負圧ブースタのダイアフラムが出力ロッドに加える荷重は、ダイアフラムの面積と上記差圧との積で定まり、両者共に限界があるので、負圧ブースタの出力荷重の最大値は、ダイアフラムの面積(負圧ブースタのサイズ)と車両上エンジンが与える負圧で定まる。負圧ブースタの出力荷重の最大値を大きくすることにより、急ブレーキ時に大きな制動力を発生して車両を急停止することができるが、負圧ブースタのサイズを大きくしなければならない。負圧ブースタのサイズが小さいとその出力荷重の最大値(最高助勢力:助勢限界値)が小さいので、急ブレーキ時の制動力が低く車両の急停止性能が低い。
【0005】
特開平4−121260号公報には、ブレーキペダルの踏込み速度に対応して、それが高いと高い速度で車輪ブレーキ圧を昇圧するという液圧ブレーキ装置が提示されているが、車輪ブレーキ圧はブレーキマスタシリンダの出力圧以下(同公報の第2図,第5図)、あるいは、ブレーキ操作速度および踏力に無関係の最大ブレーキ圧(同公報の第6図)であり、ブレーキマスタシリンダの出力圧は負圧ブースタの出力荷重で実質上制限されるので、車輪ブレーキ圧の昇圧速度はペダル踏込速度対応となっても、車輪ブレーキ圧は、負圧ブースタの出力荷重の最大値に対応するブレーキマスタシリンダ出力圧以下に実質上制限される。あるいは、ブレーキ操作速度がしきい値を越えたとき最大ブレーキ圧まで急激に高められる。しかし、急ブレーキ時の高い制動力、特に、負圧ブースタの助勢限界近くあるいはそれを越える高いブレーキ圧領域においても、ペダル操作に対応してブレーキ圧を合理的かつ円滑に制御する技術の提供が望まれている。
【0006】
前記特開平4−121260号公報には、特願平2−21053号にブレーキペダルの踏力を踏力センサによって検出し検出踏力に応じたブレーキ液圧をリザ−バ,ポンプ,アキュムレ−タおよび車輪ブレーキ圧制御用の電磁弁を備えた液圧発生装置にて発生し車輪ブレーキに供給する液圧ブレーキ装置が提示されている旨の記述があるが、これにおいても急ブレーキ時の制動力が低く車両の急停止性能が低いと推察される。
【0007】
高い制動力が必要とされかつブレーキ圧の高速な上昇が求められる急ブレーキ領域においても、ペダル操作に対応してブレーキ圧を合理的かつ円滑に制御するのが好ましい。これは、液圧源にポンプを備えてポンプ吐出圧を供給圧調整弁を介して車輪ブレーキに供給することにより実現しうる。しかし、ブレーキペダルの踏込みストロ−クあるいは踏力を検出するストロ−クセンサ,踏力センサ等の操作量検出器を用いて操作量に基づいて車輪ブレーキに与えるブレーキ圧あるいは減速度の調整を行うブレーキ圧制御を実施する場合、次のような問題を生ずる。すなわち、ポンプ駆動を開始するとポンプがブレーキマスタシリンダのブレーキ液を吸引し車輪ブレーキに高圧を与えるためのブレーキ液ラインに吐出するので、負圧ブースタの出力ロッドに対するブレーキマスタシリンダの対抗荷重が低下し負圧ブースタの出力ロッドが引込まれ、これによりブレーキペダルが踏込み方向に移動する。この移動は、ドライバ(運転者)のブレーキペダル踏込み操作とペダルの実際の挙動との間にずれを生ずる。ドライバが踏力を下げて車輪制動力を下げようとするときそれに伴ってブレーキペダルが戻らず、該ずれが大きくなる。これらのずれは、発生減速度に、ドライバが意図するものとのずれをもたらす。
【0008】
本発明は、高制動力領域においてもドライバ操作と車輪制動力との整合性を高くすることを第1の目的とし、高制動力領域においても車輪制動力を合理的かつ円滑に制御することを第2の目的とし、ブレーキ圧発生器が比較的に低いブレーキ液圧を発生するものであっても、制動力が大きい車輪ブレーキ圧制御装置を提供することを第3の目的とし、ポンプ駆動によるエネルギ−消費を可及的に低減することを第4の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、ブレーキ液圧を車輪ブレーキ(151)に与えるためのブレーキマスタシリンダ(1a),車輪制動のために車両運転者から加えられた操作を助勢してブレーキマスタシリンダ(1a)を駆動する流体圧ブースタ(1b)、および、該流体圧ブースタ(1b)の助勢限界出力以上のブレーキ液圧を発生し車輪ブレーキ(151)に与えるためにブレーキマスタシリンダのブレーキ液を吸引し車輪ブレーキに吐出するポンプ(120,121)を含む、車両上の液圧源(1,120,121);該液圧源と車輪ブレーキとの間にあって、車輪ブレーキ液圧を増,減圧するための供給圧調整手段(81,83);前記流体圧ブースタ(1b)に加えられる操作値(Pd)を検出する操作値検出手段(103p);前記流体圧ブースタが助勢限界未満か助勢限界かを検出する限界検出手段(102);および、前記流体圧ブースタ(1b)に加えられる操作値に基づいて供給圧調整手段の通流を制御する調整制御手段(110);を備える車輪ブレーキ圧制御装置において、
前記調整制御手段は、所定周期(Ts)で前記操作値(Pd)を読込んでその操作値(Pd)の変化速度(dPS)と変化速度の積算値(ΣPd)を算出して、前記限界検出手段 (102) 助勢限界検出したときに、該検出までの前記変化速度および積算値に対応する速度で、すなわち前記変化速度が高く積算値が高いと高速で、前記変化速度が低く積算値が低いと低速で前記ポンプを駆動し、助勢限界未満に戻ったとき前記ポンプの駆動を停止する、ことを特徴とする。
【0010】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の記号を、参考までに付記した。
【0011】
流体圧ブースタが助勢限界になると限界検出手段(102)がこれを検出しこれに応答して調整制御手段(110)が、該検出までの操作値(Pd)の変化速度(dPS)と変化速度の積算値(ΣPd)に対応する速度で、すなわち変化速度が高く積算値が高いと高速で、変化速度が低く積算値が低いと低速でポンプ(120,121)を駆動する。これにより、ブレーキマスタシリンダのブレーキ液がポンプで吸引されて車輪ブレーキへの給圧ラインに吐出される。調整制御手段(110)が、流体圧ブースタに加えられる操作値に基づいて供給圧調整手段の通流を制御するので、流体圧ブースタが助勢限界以上のブレーキ圧領域で、ポンプ(120,121)の助勢と操作値に基づく車輪ブレーキ圧制御が行なわれる。したがって流体圧ブースタを、その助勢限界が比較的に低い小型のものとすることもできる。
【0012】
具体的に説明すると、操作値(Pd)がブレーキペダルの踏込量(ストロ−ク)である場合、例えば急速度で踏込まれたときには図10の(1)で示すように、中速度で踏込まれたときには(2)で示すように、また緩速度で踏込まれたときには(3)で示すように、負圧ブースタ(1b)の倍力限界の踏込量PSeに、それぞれ短時間,中時間および長時間で達する。図10の縦軸(踏込量Pd)のPSaは、ブレーキペダル解放から、ブレーキ圧が車輪ブレーキに加わるまでの遊び代分の踏込量、PSeは負圧ブースタ(1b)の倍力限界の踏込量である。
【0013】
ここでTs周期で操作値(Pd)を読込み、今回読込み値と前回読込み値との差dPSを算出しこれを踏込み速度(正しくはdPS/Tsであるが、Tsを一定とし、以下においてはdPSを速度値と表現する)とすると、踏込速度dPSは時系列で変化し、例えば図10の(1)〜(3)のように変化する。ペダル踏込量Pdがポンプ駆動を開始する値PSeに達する直前の踏込み速度瞬時値dPSは、踏込速度dPSが時間経過に対して非線形の領域であり、速度瞬時値の値が小さい。また微視的に見るとばらつくので、踏込速度の特定(検出)誤差が大きい。また、1回の踏込み((1),(2)又は(3))における踏込速度瞬時値dPSの最大値dPSmは、1回の踏込み特性((1),(2)又は(3))に略対応するが、踏込み途中でドライバが踏込み力(速度)を変えることもある。
【0014】
そこで本発明では、今回の踏込操作中の最高踏込速度dPSmと、制御開始する直前の4回の踏込速度瞬時値dPSの積算値ΣPdを用いて、今回のペダル踏込み速度(曲線(1),(2)又は(3))の傾向(今回の制動の踏込速度)を把握する。Ts周期で4回(すなわち4Tsの間に)読込んだ踏込速度dPSの積算値ΣPdは、図10に示すように高速踏込みのとき(1)では踏込速度dPSが高いので大きい値となる。これに対して低速踏込みのとき(3)では、踏込速度dPSが低いので小さい値となる。ブレーキ圧増圧過程の踏込速度は、最高速度dPSmが高く積算値ΣPdが大きいほど、高いと言える。
【0015】
本発明では、積算値(ΣPd)が高く踏込速度(最高踏込速度dPSm)が高いと高速で、積算値(ΣPd)が低く踏込速(最高踏込速度dPSm)が低いと低速で前記ポンプ(120〜122)を駆動し、ポンプの吸引力がポンプ速度に比例するので、流体圧ブースタの操作子に加わる引込力が操作速度対応となり、操作子の移動の円滑性が高い。また操作速度対応のポンプ駆動速度設定の信頼性が高い。
【0016】
【発明の実施の形態】
(2)流体圧ブースタ(1b)は、増力用圧力源(インテ−クマニホ−ルド)に接続される増力圧室(23);変圧室(15);増力圧室(23)と変圧室(15)を区分するダイアフラム(13);ダイアフラム(13)に固着されたピストン(2);ピストン(2)の内空間を、増力圧室(23)に連通する第1空間(A)と、増力圧室(23)の圧力とは異なる定圧力(大気圧)に連通する第2空間(B)に区分し変圧室(15)を第1空間(A)と第2空間(B)に選択的に接続するための、ピストン(2)に結合されかつ弁開口を有する、空間分離部材(7);ブレーキ操作を受ける入力ロッド(4);入力ロッド(4)に結合され、そのブレーキ操作による移動(+x)に連動して空間分離部材(7)の弁開口を開く弁部材(8);および、ピストン(2)に結合した出力ロッド(26);を備え、
前記限界検出手段(102)は、前記変圧室(15)の圧力に応答して出力信号レベルが切換わる圧力スイッチ(102)である。
【0017】
(3)流体圧ブースタ(1b)は更に、入力ロッド(4)から出力ロッド(26)までの機構に介装された、助勢限界に達するときの入力荷重以上の荷重でたわむ弾性部材(10a)、を備える。
【0018】
これによれば、ブレーキ操作により入力ロッド(4)が往移動(+x)して助勢限界以上になると、弾性部材(10a)が圧縮されて縮退するので、入力ロッド(4)は更に往移動(+x)しうる。流体圧ブースタが助勢限界となる入力ロッド押込位置よりも更に、弾性部材(10a)の縮退限界までの往移動分、助勢限界後の強踏込みの遊び代が従来より広い。
【0019】
この広がった遊び代の範囲内に弁部材(8)があるとき、入力ロッド(4)には、弾性部材(10a)の縮退による反発力が作用し、これがブレーキペダルを介してドライバに作用するので、ドライバは、踏込み限界で大きなガタ(踏込み違和感)を感じることはない。
【0020】
(4)圧力スイッチ(102)は、変圧室(15)の圧力が、増力圧室(23)の圧力(負圧)から前記定圧力(大気圧)に切換わるときに助勢限界を表わすレベルに出力信号を切換え、前記定圧力(大気圧)から増力圧室の圧力(負圧)に近づく方向に圧力が変化するときには前記定圧力(大気圧)より所定量増力圧室の圧力(負圧)に近づいてから非助勢限界を表わすレベルに出力信号を切換える、ヒステリシス特性を有する。これによれば、流体圧ブースタが助勢限界前後となる操作量において、操作量の微小増減による高頻度のポンプ駆動/停止が抑制され、ポンプ駆動の安定性が高い。
【0021】
(5)供給圧調整手段(81,83)は、前記ポンプ(120,121)が車輪ブレーキ(151)に高ブレーキ液圧を与えるための吐出側流路(HPL1)と前記ブレーキマスタシリンダ(1b)の出力ポ−ト(82)との間のブレーキ液の通流を制御する第1圧力制御弁(81)、および、前記ポンプの吸込側流路とブレーキマスタシリンダ(1b)の出力ポ−ト(82)の間のブレーキ液の通流を制御する第2圧力制御弁(83)、を含む。
【0022】
ポンプを駆動し、第2圧力制御弁(83)を開にすると、ポンプが第2圧力制御弁(83)を通してブレーキマスタシリンダの出力ポ−ト(82)のブレーキ液を吸引し車輪ブレーキに吐出するが、吐出側流路(HPL1)と液圧発生手段(1)の出力ポ−ト(82)との間に第1圧力制御弁(81)が介挿されているので、この第1圧力制御弁(81)を閉にすることにより、ポンプ吐出圧(高圧)が車輪ブレーキに加わり、第1圧力制御弁(81)を開にすることにより、ポンプ吐出圧および車輪ブレーキ圧が、吸込流路(および出力ポ−ト82)につながり、車輪ブレーキ圧が低下する。したがって第1圧力制御弁(81)の開,閉を制御することにより車輪ブレーキ圧を調整することができる。第1圧力制御弁(81)は開閉弁であっても、流量制御弁であってもよい。
【0023】
(6)供給圧調整手段(81,83)は更に、前記吐出側流路(HPL1)と車輪ブレーキ(121)の間に介挿された増圧制御弁(131)および前記吸込側流路と車輪ブレーキ(151)の間に介挿された減圧制御弁(132)を含み;前記調整制御手段(110)は、車両の減速度(Gd)を踏込操作量(Pd)に合わすために、前記ポンプを前記操作値の変化速度(dPS)に対応する速度(Md対応速度)で駆動し第2圧力制御弁(83)を介して吸込側流路(LPL1)にブレーキマスタシリンダ(1b)の出力ポ−ト(82)をつなぎ第1圧力制御弁(81)の遮断通流を制御し、車輪の制動スリップ(S)が大きくなったときは、第1圧力制御弁(81)を介して吐出側流路(LPL1)とブレーキマスタシリンダの出力ポ−ト(82)の間のブレーキ液の通流を止めかつ第2圧力制御弁(83)で吸込側流路(LPL1)とブレーキマスタシリンダの出力ポ−ト(82)の間のブレーキ液の通流を止めて前記減圧制御弁(132)と増圧制御弁(131)を操作して車輪ブレーキ圧を調整する、調整制御手段(110);
を備える。
【0024】
車輪に大きな制動スリップを生じ、これに応じて減圧制御弁(132)を開いて車輪ブレーキ圧を下げて車輪回転速度の復帰を待ち、制動スリップが低下すると減圧制御弁(132)を閉じ、そして増圧制御弁(131)を開いて車輪ブレーキ圧を上げるABS制御においては、第1圧力制御弁(81)と第2圧力制御弁(83)を共に閉にすることにより、車輪ブレーキ圧の減圧がポンプ吸引により行なわれて高速となり、その後の増圧はポンプ吐出圧により行なわれて高速となり、ABS制御の車輪ブレーキ圧制御を制動スリップの変動に対して高速で追従させることができ、ABS制御の信頼性が向上する。
【0025】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0026】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例を示す。液圧発生器1は、ブレーキマスタシリンダ1aと負圧ブースタ1bから成り、ブレーキペダル103が踏込遊び量を越えて踏込まれると、負圧ブースタ1bの入力軸が押されて負圧ブースタ1bの出力軸が、車両上エンジン(図示せず)のインテークマニホールドの負圧と、入力軸の押込量に対応する調整圧(該負圧と大気圧の間の値)との差に比例する強い力でマスタシリンダ1aの操作軸(ピストンロッド)を押し、これにより、車輪FR,FL,RR及びRLに配設されたホイールシリンダ(車輪ブレーキ)151〜154に、負圧ブースタ1bの出力に比例するブレーキ液圧が加わる。
【0027】
図2に、負圧ブースタ1bの拡大縦断面の左半分を、図3に右半分を示す。これらの図面上の中心線Lcを重ね合せてつなぐことにより、ブースタ1bの縦断面の全体が現われる。
【0028】
略皿状のダイアフラム13の中心にピストン2が気密に固着されている。このピストン2が気密に挿通したベースシェル12aと、この内空間を閉じるカバ−部材であるカバ−シェル12bおよびダイアフラム13が、それらの周縁部で一体にかつ気密に固着されている。
【0029】
ダイアフラム13は、シェル12aと12bで囲まれる空間すなわちシェル内空間を、ベースシェル12a側の変圧室15と増力圧室23に2区分している。増力圧室23に連続するパイプ20は、図示しない車両上エンジンのインテークマニホールドに接続される。なお、図に示すブレーキブースタは、取付ボルト14aで車両のダッシュボ−ドに装着され、このブレーキブースタには、取付ボルト14bで図示しないブレーキマスタシリンダが固着される。
【0030】
ピストン2は略カップ状であり、その内部に、その内空間を第1室Aと第2室Bに区分するポペットバルブ7がある。入力ロッド4がピストン2の内部にその開口側から進入しかつポベットバルブ7の中央の弁開口を貫通している。ピストン2の第2室Bには圧縮コイルスプリング5,6およびエア−フィルタ3が挿入されており、スプリング5,6はポペットバルブ7を、第2室B側から第1室A方向に突出するように強制している。第2室Bは、エア−フィルタ3を通して、ブレーキブースタの外部と通じている。すなわち、第2室Bは常に大気圧(定圧力)である。
【0031】
ポペットバルブ7を貫通した入力ロッド4の先端にはプランジャ(弁部材)8が結合している。プランジャ8は、ピストン2の内穴に挿入され、ピストン2に対して中心軸Lcが延びる方向(−x/+x)に移動自在である。
【0032】
ピストン2の内部の第3空間すなわちプランジャ8の作動空間Cは、通気溝Dおよび横穴Eを通して、変圧室15に連通している。一方、ピストン2内の第1室Aは、通気路22を通してカバ−シェル12b内の増力圧室23に連通している。キ−9は、ピストン2で下支持されている。このキ−9の一部はピストン2の内部のプランジャ8のリング状の溝まで及んでおり、プランジャ8で下支持されている。
【0033】
ピストン2の下底面には、深さ方向が−xのリング状の溝穴があり、そこに、出力ロッド26の上端の筒状端が進入している。出力ロッド26の該筒状端の開口内にはゴムディスク25が挿入されている。出力ロッド26の幹部は、カバ−シェル12bの中心位置に装備されているゴムブッシュを気密に貫通し、出力ロッド26の下端(シェル12bの外)の当接子28は、図示しないブレーキマスタシリンダのピストンロッド(ブレーキマスタシリンダの操作ロッド)の端面に当接する。
【0034】
カバ−シェル12bの内部すなわち増力圧室23には、ダイアフラム13をベースシェル12a側に押す圧縮コイルスプリング27があり、これがダイアフラム13を介してピストン2を上駆動(−x方向)し、これによりキ−9がベースシェル12aの中央の細径筒となる段差部に押し付けられて、このキ−9により、ピストン2の上位置が制限される。
【0035】
なお、車両上において、入力ロッド4は図示しないリンクを介して図示しないブレーキペダルに連結され、ブレーキペダルの踏込みにより入力ロッド4は下方(+x)に往駆動される。ブレーキペダルの解放のときには上方(−x)に復駆動される。
【0036】
ブレーキペダルが解放されているときには、ブレーキブースタは図2,図3に示す状態にあり、ポペットバルブ7がプランジャ8に密着してプランジャ作動空間Cは第2室B(大気圧)から遮断されているが、ポペットバルブ7がプランジャ8で止められてピストン2の内筒の上端より上方に離れており、これによりプランジャ作動空間Cが第1空間Aに連通している。したがって、増力圧室23に、通気路22/第1空間A/プランジャ作動空間C/通気溝D/横穴Eの経路で、変圧室15が連通し、変圧室15が増力圧室23の圧力と同一圧力であり、車両上のエンジンが回転しているときには増力圧室23にエンジンのインテークマニホールドの負圧が加わっているので、変圧室15も増力圧室23と同一値の負圧である。
【0037】
ブレーキペダルが実効領域まで踏込まれて入力ロッド4が下移動(+x)すると、まずプランジャ8がピストン2に対して相対的に下移動(+x方)するのでポペットバルブ7の下部もプランジャ8の下移動と同じく移動してピストン2の内筒の上端に密着し、そこでポペットバルブ7の下移動(ピストン2に対する)は止まるが、プランジャ8は更に下がる。ポペットバルブ7がピストン2の内筒の上端に密着したときに、プランジャ作動空間Cが第1空間Aから遮断される。すなわち、溝Dおよび横穴Eを通してプランジャ作動空間Cに連通した変圧室15が、第1空間Aが連通した増力圧室23から遮断される。そしてプランジャ8が更に下がることにより、プランジャ8がポペットバルブ7から離れて、プランジャ作動空間Cが第1空間Aと連通する。これによりプランジャ作動空間Cが大気圧になり、変圧室15の圧力が上昇する。この圧力上昇によって、ダイアフラム13が下方(+x)に移動する。すなわちピストン2が同方向に移動し出力ロッド26が同じく移動する。
【0038】
ピストン2のこの下移動により、ポペットバルブ7がプランジャ8に密着し、ピストン2の内筒の上端がポペットバルブ7から下方向に離れて、プランジャ作動空間Cが第2室B(大気圧)から遮断されて増力圧室23に連通にし、変圧室15の圧力が増力圧室23に抜ける。するとピストン2が上移動(−x)して変圧室15が増力圧室23から遮断されて第2室B(大気圧)に連通する。このような動作により、入力ロッド4の下移動(+x)と同じくピストン2(ダイアフラム13,出力ロッド26)が下移動する。出力ロッド26がブレーキマスタシリンダのピストンを押すので、車輪ブレーキ圧が上がり、その反力が出力ロッド26(ダイアフラム13,ピストン2)に加わるので、変圧室15の圧力は該反力と拮抗する値となる。すなわち、入力ロッド4の下移動(+x)と同じくピストン(ダイアフラム13,出力ロッド26)が下移動しこれに伴って変圧室15の圧力が上昇し、変圧室15の圧力は入力ロッド4の下移動量(押込量)に対応した値となる。
【0039】
増力圧室23に加わっている負圧が一定であると仮定すると、変圧室15の圧力が大気圧になったときにダイアフラム13が出力ロッド26に加える力(助勢力)が最大(助勢限界)であり、そのようになったときの入力ロッド4(ピストン2,ダイアフラム13,出力ロッド26)の下移動位置(+x位置)を死点と称す。この死点に至るまでに、ダイアフラム13から出力ロッド26に加えられる力が増大することにより、ゴムディスク(リアクションディスク)25の周縁部がピストン2のリング状下面で圧縮されて、該ゴムディスク25の中央部(プランジャ8の円形下面に対向する円形領域)がプランジャ8側に膨出し、ある一定の出力に達するとこの膨出にプランジャ8の下面が当って、膨出力がプランジャ8を下支えしてプランジャ8の下移動を抑えようとする。これにより、プランジャ8を介して入力ロッド4(ブレーキペダル)には、その押込み力に対向する反発力が作用し、これが車輪ブレーキ圧対応の踏込反発力をドライバに与える。
【0040】
上述のブースタ1bでは、キ−9の下面に対向するピストン2の内底面が下げられてそこに皿バネ10aが介挿されているので、ブースタ1bが助勢限界に達しピストン2が容易には下移動(+x)しえなくなっても、プランジャ8はキ−9を介して皿バネ10aを圧縮しつつ下移動しうる。すなわち入力ロッド4は、操作方向(+x)に更に移動しうる。そして皿バネ10aをもはや圧縮しえなくなると、従来と同様に、ブレーキペダルをそれ以上踏込むことを容易にはできなくなる。
【0041】
図4の(a)に、ブレーキペダルからブースタ1bの入力ロッド4に加わる力(ブースタ入力荷重)と、入力ロッド4の下方向(+x)の移動量(入力ロッドの押込量)の関係を示す。入力ロッド4がSe分下移動すると、ブースタは最高助勢力(死点:助勢限界)に達し、プランジャ8(入力ロッド4)は、キ−の遊び代分ゴムディスク25を圧縮しながら移動する。助勢限界以降は、実質上、入力ロッド4に加わる力で出力ロッド26を下駆動することになる(図4の(a)のSe〜Sp)。助勢限界相当変位から皿バネ10aが実質上圧縮され始めて、下移動量Siで皿バネ10aが圧縮限界となりその後は、実質上、入力ロッド4に加わる力で出力ロッド26を下駆動することになる。この皿バネ10aの圧縮の間の下移動量(Si−Sp)分、遊び代(無効ストロ−ク)が増えている。この遊び代増加領域においてブースタ入力荷重(ブレーキペダルに対する反力)の増加分はΔRiであり、このように遊び代領域においてもブレーキペダル反力が増加するので、ドライバは実質上ガタを感じない。
【0042】
再度図2を参照すると、ブースタ1bのベースシェル12aには、変圧室15の圧力に応答してスイッチングする負圧スイッチ102が装着されている。この負圧スイッチ102は、変圧室15の圧力が負圧から大気圧に達するときに、オン(出力L)からオフ(出力H)に切換り、変圧室15の圧力が大気圧から低下するときには、大気圧からの低下量が所定値(10mmHg)に達したときにオフ(H)からオン(L)に切換る、立下りヒステリシス特性を有するものであり、変圧室15の圧力が負圧から大気圧に、またその逆に変化するとき、図4の(b)に示すように、負圧スイッチ102の出力信号がLからHに、またその逆に変化する。
【0043】
再度図1を参照すると、ブレーキマスタシリンダ1aの出力ポ−トが連通した配管82と、車輪ブレーキ151〜154の間には、ポンプ121,122,リザーバ(低圧アキュムレ−タ)123,124及び電磁弁81,83,91,93,131〜138,リリ−フ弁88,98およびチェック弁77,79,84〜87,94〜97が接続又は介挿されている。尚、車輪FRは運転席からみて前方右側の車輪を示し、以下車輪FLは前方左側、車輪RRは後方右側、車輪RLは後方左側の車輪を示しており、図1に明らかなように所謂ダイアゴナル配管が構成されている。
【0044】
前方右側車輪FRと後方左側車輪RLの車輪ブレーキ151,154に対してブレーキ液圧を給排する1つの配管82はマスタシリンダ1aの1つの出力ポ−トに接続されている。この配管82と車輪ブレーキ151,154との間に第1圧力制御弁81(本実施例では電磁開閉弁)およびチェック弁77,87が直列に介挿され、車輪ブレーキ151につながったチェック弁77には並列に増圧制御弁131(本実施例では電磁開閉弁)が、車輪ブレーキ154につながったチェック弁87には並列に増圧制御弁133が接続されている。車輪ブレーキ151および154とリザ−バ123との間には減圧制御弁132および134が介挿されている。
【0045】
電気モ−タ120で駆動されるポンプ121の吸入ポートとリザーバ123の間にはチェック弁84,85が直列に介挿されており、両チェック弁84,85の間と配管82の間に第2圧力制御弁83(本実施例では電磁開閉弁)が介挿されている。ポンプ121の吐出ポ−トと高圧管路HPL1との間にはチェック弁76,ダンパ80およびオリフィス89が介挿されている。チェック弁76は、高圧管路HPL1からポンプ121へのブレーキ液の逆流を阻止し、ダンパ80およびオリフィス89は、ポンプ121が高圧管路HPL1に与える吐出圧の高周波振動(脈動)を吸収(平滑化)する。配管82と高圧管路HPL1との間には、チェック弁86,リリ−フ弁88および前述の第1圧力制御弁81が並列に接続されている。
【0046】
ブレーキペダル103の踏込みが無く、加速スリップ(これを抑制するためのトラクション制御)がなく、しかも車体姿勢を安定維持するための車輪ブレーキ圧配分制御を行なっていないとき、第1,第2圧力制御弁81,83,増圧制御弁131,133および減圧制御弁132,134はすべてオフ(非通電)で、図1に示すように、第1圧力制御弁81および増圧制御弁131,133は開(通流)、かつ第2圧力制御弁83および減圧制御弁132,134は閉(遮断)である。すなわち、第1圧力制御弁81および増圧制御弁131,133は常開電磁弁、第2圧力制御弁83および減圧制御弁132,134は常閉電磁弁である。
【0047】
この実施例では、負圧ブースタ1bの倍力限界(助勢限界以上)を越える操作入力のときマスタシリンダ1aが配管82に与えるブレーキ液圧よりもポンプ121の吐出圧の方が高い。負圧ブースタ1bの助勢限界あたりあるいはそれ以上ブレーキペダル103の踏込みがあると、助勢限界対応のブレーキ液圧よりも高い圧力を車輪ブレーキに与えるために、電気モ−タ120をオン(通電)してポンプ121を駆動し、第1圧力制御弁81をオン(通電)にして閉じ(流路を遮断し)、第2圧力制御弁83をオン(通電)にして開く(流路を通流とする)。これにより、ポンプ121がマスタシリンダ1aからブレーキ液を吸入して高圧配管HPL1に吐出し、オフ(非通電)で開(通流)の増圧制御弁131,133を通して車輪ブレーキ151,154に供給する。この状態では、ブレーキマスタシリンダ1aの出力ポートのブレーキ液が第2圧力制御弁83を通してポンプ121で吸引され、第1圧力制御弁81が配管82と高圧配管HPL1(ポンプ吐出圧)の間を遮断しているので、ブレーキマスタシリンダ1a内液量が減少し、負圧ブースタ1bを介してブレーキペダル103を、それまでの操作速度と同様に踏込むことが可能であり、それに対応した減速度の増加を得ることができる。
【0048】
しかしこの状態は、運転者の踏込みの意図とは無関係にブレーキペダルが引込まれる状態のため、運転者がブレーキペダルを止めたり戻したりすることができず、マスタシリンダ液圧と車輪ブレーキ圧の差圧が、前述のリリ−フ弁88の設定圧に達するまで、車輪ブレーキ圧が上昇してしまう不具合が考えられる。そこで、この状態を、運転者がブレーキペダルを止め又は戻そうとする時にブレーキペダル操作力が低下して負圧ブースタが助勢限界未満に戻ること、つまり、負圧ブースタの変圧室の圧力が大気圧から負圧に戻ること、を検出することによって認識して、運転者のブレーキペダルを止め又は戻す操作をただちにブレーキ圧の制御に、反映する。
【0049】
すなわち、ブレーキペダルに加えられる操作力が緩められると、負圧ブースタは助勢限界未満に戻り負圧スイッチ102の出力信号がHからLに戻る。後述の電子制御装置110が、この信号の切換わりに応答してポンプの駆動を停止し、マスタシリンダからのブレーキ液の吸入を止めることでブレーキペダルの引込まれを止め、更に、ポンプ吐出口と、車輪ブレーキおよびマスタシリンダとの通流を、増圧制御弁131,133と第1圧力制御81をオンすることで遮断し、車輪ブレーキ圧の変化を止める。
【0050】
この状態から更に操作力が緩められると、ブレーキペダルの戻りが発生するので、電子制御装置110は、ポンプは停止のまま、ブレーキペダルの戻り速度に応じた減速度低下速度が得られる様、第1圧力制御弁81をオン/オフ制御し、車輪ブレーキのブレーキ液をマスタシリンダに戻し、減速度を減じる。ブレーキ操作量又は車速が設定値以下まで低下すると、電子制御装置110は、車輪ブレーキ圧の調整を停止する。
【0051】
前方左側車輪FLと後方右側車輪RRの車輪ブレーキ152,153に対してブレーキ液圧を給排するもう1つの配管92は、マスタシリンダ1aのもう1つの出力ポ−トに接続されている。この配管92と車輪ブレーキ152,153との間に、上述の、配管82と車輪ブレーキ151,154の間に介挿又は付加された要素および流体回路と同様なものが、同様に接続されている。これらについての説明は、上述と同様になるので、省略する。また、説明を簡易にするため、以下においては、車輪ブレーキ151のブレーキ圧制御を代表例として説明するが、特にことわらないかぎり、他の車輪ブレーキのブレーキ圧も、車輪ブレーキ151のブレーキ圧制御と同様に実質上同時に制御される。
【0052】
上述のように、図1に示す車輪ブレーキ装置は、車輪ブレーキ151の増減圧をそれと対になる車輪ブレーキ154と一緒に第1圧力制御弁81で行なうことができ、また、車輪ブレーキ151単独の増圧と減圧を、増圧制御弁131と減圧制御弁132で行なうことができる。
【0053】
ABS制御,トラクション制御(加速スリップ制御)および制動力配分制御においては、各輪ブレーキ圧の個別制御が好ましい。図1に示す車輪ブレーキ装置は、車輪ブレーキ151〜154のいずれかのブレーキ圧制御が必要になったときに電気モ−タ120(ポンプ121,122)を駆動し、必要な状態となるように第1圧力制御弁81および第2圧力制御弁83を切換え、増圧制御弁131および減圧制御弁132の増圧デュ−ティおよび減圧デュ−ティを制御して車輪ブレーキ151の圧力ならびにその昇圧速度および降圧速度を制御することができる。
【0054】
本発明の実施例では、後述するように、電子制御装置110にて、車輪制動中に車輪スリップ率が高くなるとそれを抑制するための車輪ブレーキ圧制御すなわちABS制御と、ABS制御の必要がなくしかも負圧ブースタ1bの助勢限界以上のブレーキペダルの踏込みがあったときに電気モ−タ120(ポンプ121,122)を駆動して車輪ブレーキ圧を助勢限界対応の値よりも高い圧力にする定常制御と、を行なう。この定常制御よりもABS制御が優先であり、ABS制御では、電気モ−タ120(ポンプ121,122)を駆動し第1圧力制御弁81をオン(閉)、第2圧力制御弁83をオフ(閉)にして、減圧制御弁132と増圧制御弁131のデュ−ティ制御にて、車輪ブレーキ151の減,増圧を行ない、車輪スリップ率が低下すると第2圧力制御弁83をオン(開)にしてマスタシリンダ1aからブレーキ液を吸入して高圧管路HPL1(車輪ブレーキ151)に補充する。
【0055】
しかし上述の定常制御では、第2圧力制御弁83をオン(開)にし、モ−タ駆動速度と第1圧力制御弁81の制御で車輪ブレーキ151の圧力を制御する。
【0056】
図5に、電子制御装置110の構成を示す。上記制御弁81,83,91,93,131〜138は、電子制御装置110に接続され、各々のソレノイドコイルに対する通電,非通電が制御される。電気モータ120も電子制御装置110に接続され、これにより駆動制御される。また、車輪FR,FL,RR,RLには夫々車輪速度センサ141〜144が配設され、これらが電子制御装置110に接続されており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度信号が電子制御装置110に入力されるように構成されている。車輪速度センサ141〜144は各車輪の回転に伴って回転する歯付ロータと、このロータの歯部に対向して設けられたピックアップから成る周知の電磁誘導方式のセンサであり、各車輪の回転速度に比例した周波数のパルス電圧を出力するものである。尚、これに替えホールIC、光センサ等を用いても良い。
【0057】
ブレーキペダル103と一体のペダル軸には、ブースタ1bの入力ロッドの押込量を検出するストロ−クセンサとしてポテンショメ−タ103pが結合されており、このポテンショメ−タ103pが、ブレーキペダル103の踏込量(ペダル103の回動角)を表わすアナログ信号を電子制御装置110に与える。電子制御装置110は該アナログ信号を踏込量デ−タにデジタル変換してペダル踏込量を読込む。負圧スイッチ102の上述のオン(L:助勢限界未満)/オフ(H:助勢限界以上)信号も電子制御装置110に与えられる。
【0058】
図6に、コンピュ−タ111による車輪ブレーキ圧制御の概要を示す。図6に示す車輪ブレーキ圧制御(ステップ2〜13)は、実質上一定周期Tsで繰り返し実行される。イグニッションスイッチがオンになると図6において先ず事前処理として、ステップ1にて初期設定がなされ、カウンタ、タイマ等がクリアされる。また、車輪速度センサ141〜144が発生するパルス電圧の1パルス毎に実行する割込処理が許可される。例えば車輪速度センサ141が1パルスを発生するとコンピュ−タ111のCPU114が、これに応答して割込処理を実行し、前右車輪FR宛てのパルス周期レジスタに計時パルス(クロックパルス)カウント値を書込み、計時パルスカウンタをクリアする。計時パルスカウンタは、割込処理が許可されている間、クロックパルスのカウントアップを常時行なうので、前右車輪FR宛てのパルス周期レジスタには、車輪速度センサ141が発生するパルス電圧の最新の一周期(車輪速度の逆数)が常に保持されている。車輪速度センサ142〜144が発生する電圧パルスに対してもCPU114が同様な処理を実行するので、割込処理が許可された後は、車輪速度センサ141〜144が発生する電圧パルスの最新の一周期のデ−タが各パルス周期レジスタに常時維持される。後述の「各輪車輪速度演算」(ステップ4)でCPU114は、パルス周期レジスタのデ−タの逆数に係数(周期/速度変換係数)を乗算して、車輪速度を算出する。
【0059】
ここで、本実施例において用いられるカウンタ,タイマ等について概括して説明する。先ず、内部レジスタとしてモードレジスタ,フラグレジスタを有し前者には少なくとも以下の制御モードが設定される。即ち、ホイールシリンダ151〜154内のブレーキ液圧を夫々減圧,増圧または保持する減圧モード,増圧モードまたは保持モードの各モードに加え、パルス増圧モード1,2,3、パルス減圧モード1,2,3が設定される。車輪ブレーキ圧制御モ−ド(ABS制御モ−ド,定常制御モ−ド)および変圧モ−ドの内容は次の通りである。
【0060】
−ABS制御モ−ド−
この内容は、特願平8−319796号に開示したものと同様であり、いずれかの車輪のスリップ率Sと車輪減速度DWDの組合せが、アンチロック制御開始領域になると、該車輪の車輪ブレーキの減圧を開始し、ポンプ121,122を駆動し、その後、スリップ率Sと車輪減速度DWDの組合せが保持(ホ−ルド),増圧又は減圧のいずれの領域にあるかに応じて、車輪ブレーキをホールド,増圧又は減圧する。ABS制御中は、ポンプ駆動,第1圧力制御弁81オン(閉:遮断)、第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)を継続する。
【0061】
−ABS制御モ−ドでの変圧モ−ド−
減圧出力3(パルス減圧3):第1圧力制御弁81オン(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)かつ増圧制御弁131オン(閉:遮断)とした、高いオン(減圧)デュ−ティでの減圧制御弁132のオン/オフ制御(PWM通電),
減圧出力2(パルス減圧2):中程度のオン(減圧)デュ−ティでの減圧制御弁132のオン/オフ制御,
減圧出力1(パルス減圧1):低いオン(減圧)デュ−ティでの減圧制御弁132のオン/オフ制御。
【0062】
ホ−ルド(保持):第1圧力制御弁81オン(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)かつ増圧制御弁131オン(閉:遮断),減圧制御弁132オフ(閉:遮断)。
【0063】
増圧出力1(パルス増圧1):第1圧力制御弁81オン(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)かつ減圧制御弁132オフ(閉:遮断)とした、低いオフ(増圧)デュ−ティでの増圧制御弁131のオン/オフ制御(PWM通電),
増圧出力2(パルス増圧2):第1圧力制御弁81オン(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)かつ減圧制御弁132オフ(閉:遮断)とした、中程度のオフ(増圧)デュ−ティでの増圧制御弁131のオン/オフ制御(PWM通電),
増圧出力3(パルス増圧3):第1圧力制御弁81オン(閉:遮断),第2圧力制御弁83オフ(閉:遮断)かつ減圧制御弁132オフ(閉:遮断)とした、高いオフ(増圧)デュ−ティでの増圧制御弁131のオン/オフ制御(PWM通電)。
【0064】
−定常制御モ−ド−
ABS制御に入っていないときに、負圧スイッチ102の出力がL(助勢限界未満)からH(助勢限界以上)に切換わると、そこまでのブレーキペダルの踏込速度に対応した速度でポンプを駆動し、第1圧力制御弁81オン(閉:遮断)、第2圧力制御弁83オン(開:通流),増圧制御弁131オフ(開:通流),減圧制御弁132オフ(閉:遮断)として、車輪ブレーキ151の増圧を行ない、ブレーキ操作力の低下により負圧スイッチ102の出力がLに戻ると、ポンプを停止し、増圧制御弁131をオン(閉:遮断)にして車輪ブレーキ圧を保持し、その後のペダルの操作量の変化を検出する。ペダルが踏込まれると再びポンプを駆動し増圧制御弁131をオフ(開:通流)として車輪ブレーキ151の増圧を行ない、ペダルが戻されると、戻し速度に応じて、第1圧力制御弁81のオン/オフ制御でペダル戻し速度に応じた減圧速度で車輪ブレーキ151の減圧を行なう。
【0065】
−定常制御モ−ドでの変圧モ−ド−
増圧:モ−タ駆動(デュ−ティ駆動)及び第1圧力制御弁81オン(閉:遮断),
ホ−ルド:モ−タ停止,第1圧力制御弁81オン(閉:遮断)及び増圧制御弁131,
133オフ(開:通流),
パルス減圧(パルス減圧2):モ−タ停止及び増圧制御弁オフ(開:通流)。
【0066】
車輪ブレーキ151の液圧に等しい高圧配管HPL1の圧力を所定の減圧勾
配で減圧する第1圧力制御弁81のオン/オフ制御(PWM通電),
パルス減圧1:モ−タ停止。上記「パルス減圧」よりも、減圧勾配の大きい第1圧力制
御弁81のオン/オフ制御,
急減圧:モ−タ停止および第1圧力制御弁81オフ(開:通流)。
【0067】
フラグとしては上述の変圧モ−ドのそれぞれを表わすものがある。いずれかのフラグがセットされているときには、セットされたフラグに対応した変圧モ−ドを実現する制御が行なわれる。カウンタとしては、少なくとも緩減圧カウンタおよび緩増圧カウンタを有し、緩減圧カウンタは、緩減圧モ−ド(減圧出力1)の連続時間(減圧出力1の継続中の減圧パルスの発生数)を計測し、緩増圧カウンタは、緩増圧モ−ド(増圧出力1)の連続時間(増圧出力1の継続中の増圧パルスの発生数)を計測する。
【0068】
再度図6を参照すると、ステップ1にて初期設定が終わると、ステップ2からステップ13までの処理が行われた後ステップ2へ戻る。ステップ2ではTs時限のタイマをスタートする。ステップ3で、ポテンショメ−タ103pのアナログ信号をデジタルデ−タ(ブレーキペダル踏込量デ−タPd)に変換してレジスタに書込み、負圧スイッチ102の圧力検出信号を読込み、かつ、上述の、車輪速度センサ141〜144が発生するパルスの周期デ−タを格納したパルス周期レジスタ(FR宛て,FL宛て,RR宛て&RL宛ての4個)のデ−タを読出して入力レジスタに書込む。そしてステップ4で各輪FL,FR,RLおよびRRの車輪速度(周速度)VWFL,VWFR,VWRRおよびVWRL を演算して車輪速度レジスタに書込み、ステップ5では車輪速度VWFL,VWFR,VWRRおよびVWRL から各輪減速度DVWFL,DVWFR,DVWRRおよびDVWRL(正値が減速度、負値が加速度)を演算して車輪減速度レジスタに書込む。そして、ステップ6で、路面摩擦係数μを推定する。
【0069】
「路面摩擦係数μ推定」(ステップ6)でCPU114はまずステップ3で読込んだブレーキペダル踏込量Pdが、少領域,中領域,多領域のいずれにあるかをチェックし、いずれの領域に属するかを示すデ−タを生成し、次に、最高速度の車輪速度の減速度を車輪減速度レジスタから読出して、この減速度が小領域,中領域,大領域のいずれにあるかをチェックし、いずれの領域に属するかを示すデ−タを生成する。そして、ブレーキペダル踏込量Pdの領域デ−タと減速度の領域デ−タに基づいて、
ペダル踏込量少&減速度小,
ペダル踏込量中&減速度中 又は、
ペダル踏込量多&減速度大、
のときには路面摩擦係数μは中領域と推定し、そうでないと、
ペダル踏込量少又は中&減速度大又は中、
のときには路面摩擦係数μは低領域と推定し、そうでないと、路面摩擦係数μは高領域と推定し、推定した領域を示すデ−タを摩擦係数レジスタに書込む。
【0070】
次にCPU114は、「推定車体速度演算」(ステップ7A)で車体速度VSO(n)を算出する。なお、VSO(n)のnは今回の算出値を意味し、後に現われるn−1は、前回(Ts前)の算出値を意味する。
【0071】
「推定車体速度演算」(ステップ7A)ではまず、推定した路面摩擦係数μ(高,中又は低)に対応して、それが高であると車体減速度αDNを1.1Gと定め、中であると0.6Gと定め、そして低であると0.4Gと定める。そして車体加速度αUPを0.5Gと定める。次に、車輪速度VWFL,VWFR,VWRR,VWRL の中の最も高い車輪速度を選択し、前回算出値VWO(n-1)と減速度αDNから推定される現在の車体速度VWO(n-1)−αDN・Tsを算出し、前回算出値VWO(n-1)と加速度αUPから推定される現在の車体速度VWO(n-1)+αUP・Tsを算出して、これら3者の中間値(平均値)を算出してこれを現時点の車体速度VWO(n)とする。
【0072】
CPU114は次に車体減速度Gdを算出する(ステップ7B)。これにおいては、ステップ7Aで算出した現時点の車体速度VWO(n)と前回算出した車体速度VWO(n-1)から、
Gd=VWO(n-1)−VWO(n)
と算出する。なお減速度Gdは正値が減速度、負値は加速度である。
【0073】
CPU114は次に、各輪部の推定車体速度を算出する(ステップ8)。ここでは、前右車輪速度の今回値VWFR(n),前回値VWFR(n-1)より、減速度αDNでのTsの間の減速量αDN・Tsを減算した値VWFR(n-1)−αDN・Ts、および、前回値VWFR(n-1)に、加速度αUPでのTsの間の増速量αUP・Tsを加算した値VWFR(n-1)+αUP・Ts、の3者の中間値を算出し、これを前右車輪部推定車体速度VSOFR(n)とする。同様に、前左車輪部推定車体速度VSOFL(n),後右車輪速度の今回値VWRR(n)および後左車輪部推定車体速度VSORL(n)を算出する。
【0074】
CPU114は次に、「前左輪FL制御演算」(ステップ9FL),「前右輪FR制御演算」(9FR),「後左輪FL制御演算」(9RL)および「後右輪FR制御演算」(9RR)をそれぞれ行なう。これらの内容は対象車輪が異なるだけで実質的に同じであるので、代表して「左前輪FL制御演算」(9FL)の内容を説明する。「左前輪FL制御演算」(9FL)ではまず、フラグレジスタFRFのデ−タが「1」(左前輪FLのABS制御を開始している)かをチェックして、それが「0」(開始していない)であると、左前輪FLの車輪ブレーキのABS制御が必要か否かをチェックする。ここでは、左前輪FLのスリップ率
S=〔VSOFL(n)−VWFL(n)〕×100/VSOFL(n) %
を算出して、スリップ率Sと車輪減速度DVWFL(n)が、制御開始領域にあるかをチェックする。
【0075】
そして制御開始領域にあると、左前輪FL宛ての変圧モ−ドを減圧に設定しフラグレジスタFRFに「1」を書込む。このように変圧モ−ドを設定すると、図6のステップ11の「制御出力」で、左前輪FLの車輪ブレーキを減圧とする、ブレーキ圧回路への指示信号を出力する。これが「初回の減圧」の開始である。なお、「制御出力」(ステップ11)において、いずれかの車輪に対してABS制御を実行中(FRF=「1」)であると、CPU114は、電気モ−タ120(ポンプ121,122)を駆動する信号をモ−タドライバ118aに与える。
【0076】
ABS制御を開始しているときには、前左車輪部推定車体速度VSOFL(n)が設定値以下かもしくは車輪スリップ率Sが設定値以下かをチェックして、少くとも一方が成立すると、ABS制御終了と決定する。そして、左前輪FL宛ての変圧モ−ドを終了に設定しフラグレジスタFRFに「0」を書込む(フラグレジスタクリア)。このように終了を設定すると、図6のステップ11の「制御出力」で、左前輪FLの車輪ブレーキを増圧(連続増圧:マスタシリンダの出力圧をそのまま車輪ブレーキに与える、コンピュ−タの介入がないブレーキ圧回路接続)とする、ブレーキ圧回路への指示信号を出力する。なお、「制御出力」において、全車輪に対してABS制御が終了(FRF=「0」)であると、CPU114は、電気モ−タ120(ポンプ121,122)を停止する信号をモ−タドライバ118aに与える。
【0077】
前左車輪FLのABS制御を開始しており、しかも終了条件が満されない場合には、CPU114は、フラグレジスタのデ−タを参照して、前左車輪FL「制御初回増圧出力前状態」であるかをチェックして、そうであると「制御モ−ド1」を、そうでないと「制御モ−ド2」を実行する。
【0078】
前述の「初回の減圧」を開始して、Ts後に再度「前左輪FL制御演算」(9FL)に進み、ABS制御終了条件が成立していないとCPU114は、「制御モ−ド1」に進み、「制御モ−ド判定1」を実行する。ここでは、スリップ率Sと車輪加速度(車輪減速度DVWFL(n)に負号を乗算した値)が、減圧領域,保持領域および増圧領域のいずれにあるかを判定する。そして減圧と判定した場合には、変圧モ−ド(出力モ−ド)を「減圧出力3」と定める。
【0079】
その後、「制御モ−ド判定1」で減圧と判定している間、「減圧出力3」と出力が決定され、「パルス減圧モ−ド3」によって比較的に急速に、前左輪FLの車輪ブレーキ圧が低下する。この急減圧により車輪速度が回復して「制御モ−ド判定1」で保持と判定すると、車輪ブレーキをブレーキ圧回路から切離して、車輪ブレーキにブレーキ液の出入りがない保持を行なう。増圧と判定した場合には、摩擦係数レジスタのデ−タ(低,中又は高を表わすデ−タ)を参照して、「低」でないと「増圧出力2」を定め、「増圧出力2」と定めたことを表わす情報「1」をフラグレジスタIIFに書込む。
【0080】
「低」であると変圧モ−ドを「増圧出力1」と定める。そしてフラグレジスタの情報を「制御初回増圧出力後状態」とする。この「増圧出力1」は、前述の「パルス増圧モ−ド1」を意味するものである。その後は「制御初回増圧出力後状態」であるので、「制御モ−ド判定2」で増圧と判定している間、「増圧出力1」と出力が決定され、「パルス増圧モ−ド1」によって比較的に緩やかに、前左輪FLの車輪ブレーキ圧が上昇する。この「増圧出力1」の連続時間(連続して増圧出力1と決定した回数)を計測する。
【0081】
上述のように「制御初回増圧出力後状態」とした後、「制御モ−ド判定2」で減圧と判定すると、「減圧出力1」と出力を決定し、非常に昇圧速度が高い増圧である「増圧出力3」を実行していたかをチェックして、実行している(IIF2=1である)と「増圧出力3」による増圧で過度にブレーキ圧が上昇し、これにより急減圧が必要と見なして、フラグレジスタの情報を「制御初回増圧出力前状態」とする。これにより、次回(Ts後)には、「制御モ−ド判定1」で減圧と判定すると、「減圧出力3」に変圧モ−ドを変更し前述の初回の減圧の開始後、「増圧出力1」を実行した後「制御モ−ド判定2」で減圧と判定し、「減圧出力1」を変圧モ−ドに定めているとき、CPU114は、この「減圧出力1」の連続時間(連続して減圧出力2と決定した回数)を計測し、この連続時間が設定値T1を越えると、フラグレジスタの情報を「制御初回増圧出力前状態」とする。これにより、次回(Ts後)には、、「制御モ−ド判定1」で減圧と判定すると、「減圧出力3」に変圧モ−ドを変更し、前述の初回の減圧と同様な制御を行なう。
【0082】
また、「制御モ−ド判定2」で継続して増圧と判定し「増圧出力1」を継続しているときにその連続時間が設定値T2を越えると、変圧モ−ドを「増圧出力3」に変更してフラグレジスタIIF2に「1」を書込む。その後、「制御モ−ド判定2」で減圧と判定すると、「減圧出力1」と出力を決定し、比較的に昇圧速度が高い増圧である「増圧出力3」を実行していた(IIF2=1である)ので「増圧出力3」によって過度にブレーキ圧が上昇し、これにより急減圧が必要と見なして、フラグレジスタの情報を「制御初回増圧出力前状態」とする。これにより、次回(Ts後)には、「制御モ−ド判定1」で減圧と判定すると、「減圧出力3」に変圧モ−ドを変更し、前述の初回の減圧の開始直後と同様な制御を行なう。
【0083】
再度図6を参照する。上述の「前左輪FL制御演算」(ステップ9FL),「前右輪FR制御演算」(9FR),「後左輪FL制御演算」(9RL)および「後右輪FR制御演算」(9RR)を経過するとCPU114は、「定常制御演算」(9AW)を実行する。
【0084】
図7に、「定常制御演算」(9AW)の内容を示す。ここではまずフラグレジスタFRF,FLF,RRFおよびRLFのデ−タがすべて「0」である(全輪についてABS制御をしていない)かをチェックする(ステップ111)。そしてその通りであると、ブレーキペダル踏込量Pdが、ブレーキ実効領域内のもの(ペダル103が遊び代PSa以上踏込まれている又はブレーキランプスイッチがオンになっている)かをチェックする(ステップ112)。そしてその通りであると、車速Vsoが制御禁止条件V1以上であるかをチェックする(ステップ113)。そしてその通りであると、前回のサイクルで定常制御の出力が行なわれていなかった(FSW=0)かをチェックする(ステップ115)。前回のサイクルで定常制御が行なわれていなければ、「制御モ−ド判定3」(ステップ114)を実行する。
【0085】
図8に、「制御モ−ド判定3」(ステップ114)の内容を示す。ここでは、まずブレーキペダル踏込速度(dPS=Pd−前回Pd)を算出する(ステップ121)。この計算においてPdは今回ステップ3で読込んだ値、前回Pdは前回(今回よりTs前)に読込んだ値である。
【0086】
瞬時速度レジスタのds1にds2の内容を書込み(ステップ122)、ds2にds3の内容を書込み(ステップ123)、ds3にds4の内容を書込み(ステップ124)、そして瞬時速度ds4に、今回の算出値dPSを書込む(ステップ125)。そして瞬時速度レジスタdS1〜dS4のデ−タの和(積算値)ΣPdを算出する(ステップ126)。
【0087】
次に今回の算出値dPSが最高瞬時速度レジスタdPSmの値dPSm以上であるか否かをチェックして、そうであると最高瞬時速度レジスタdPSmに今回の算出値dPSを書き込む(ステップ127a,127b)。
【0088】
そして最高瞬時速度レジスタdPSmのデ−タdPSmをしきい値(設定値)dPS1,dPS2と比較し(ステップ127c,129)、かつ、ΣPdの値をしきい値(設定値)ΣPd1,ΣPd2と比較して(ステップ128,130,131)、最高踏込速度dPSmと積算値ΣPdの値に応じて、図11に示すように、モ−タ120の通電デュ−テ指令値Mdを設定する(ステップ132A〜134A)。通電デュ−ティ指令値Mdは、モ−タ120のPWM通電の一周期に対する、該一周期内の通電時間の比(%)を指定するものである。
【0089】
図11に示すように、最高踏込速度dPSmが高いと高値に通電デュ−ティ指令値Mdが設定され、積算値ΣPdの値が大きいと高値に通電デュ−ティ指令値Mdが設定される。1回のブレーキペダル103の踏込みによる車輪ブレーキ圧の増圧過程において、例えば図10の(1)のように踏込速度が高いとdPSmが大きく積算値ΣPdが大きいので、通電デュ−ティ指令値Mdは例えば100%に設定され、図10の(2)のように踏込速度が中程度であるとdPSmおよび積算値ΣPd共に中程度であるので、通電デュ−ティ指令値Mdは例えば80%に設定され、図10の(3)のように踏込速度が低いとdPSmが小さく積算値ΣPdが小さいので、通電デュ−ティ指令値Mdは例えば60%に設定される。
【0090】
車体速度Vsoが制御開始許可条件V2以上で、負圧スイッチ102の検出信号がLからHに切換わると、定常制御出力開始のため、モ−タオン(駆動)、第1圧力制御弁81オン(閉:遮断)、第2圧力制御83オン(開:通流)のモ−ドを設定する(ステップ135〜139)。そして、今回のサイクルで定常制御の出力が行なわれたことを示すレジスタFSWに「1」(定常制御出力中)を書込む(ステップ140)。車体速度Vsoが制御開始許可条件V2未満あるいは負圧スイッチ102の検出信号がLであると、レジスタFSWをクリアする(ステップ141)。
【0091】
図7のステップ115で、前回のサイクルで定常制御出力が行なわれていた(FSW=1)場合には、「制御モ−ド判定4」(ステップ116)を実行する。
「制御モ−ド判定4」の内容を図9に示す。
【0092】
この「制御モ−ド判定4」では、今回の踏込速度dPSを算出する(ステップ151)。前回のサイクルと今回のサイクルでの負圧スイッチ102の検出信号のレベルの組合せ(L/H間の切換え又は切換えなし)を判定して(ステップ152〜154)、組合せに対応して、次のように制御モ−ドを設定する。
【0093】
(1)負圧スイッチ102の検出信号が、前回はHで今回もHのとき:
これは前回のHは、前回も増圧モ−ドであったことを意味する。今回も同じく増圧モ−ドを継続する(ステップ155)。
【0094】
(2)負圧スイッチ102の検出信号が、前回はLで今回はHのとき:
前回のLは、ホ−ルド又は減圧モ−ドであったことを意味する。今回はペダルが踏込まれて負圧ブースタが助勢限界以上になったことになるので、制御モ−ド3で設定したデュ−ティMdでのポンプ駆動を設定し、増圧モ−ドを設定する(ステップ156)。
【0095】
(3)負圧スイッチ102の検出信号が、前回はHで今回はLのとき:
前回は増圧モ−ドであり、今回はペダル操作力が緩められたことを意味する。
モ−タ駆動を停止し、増圧弁131,133を閉じるホールドモードを設定する(ステップ157)。
【0096】
(4)負圧スイッチ102の検出信号が、前回はLで今回もLのとき:
前回がホ−ルド又は減圧モ−ドであったことを意味する。今回の踏込速度dPS(ペダルの戻しのときは負値)を、dPS3>dPS4>dPSなるしきい値(設定値;いずれも負値)と対比して、
dPS≧dPS3(戻し速度が低い)のときにはホールドモードを設定し(ステップ158,161)、
dPS≧dPS4(戻し速度がやや速い)のときにはパルス減圧2モ−ドを設定し(ステップ159,162)、
dPS≧dPS4(戻し速度が速い)のときにはパルス減圧1モ−ドを設定し(ステップ160,163)、
dPS<dPS4(戻し速度が急速)のときには急減圧モ−ドを設定する(ステップ160,164)。
【0097】
このように制御モ−ドを設定すると、図6のステップ11の「制御出力」で、上述のように決定した制御モ−ドを実行するので、ブレーキペダル103の強い踏込みにより、負圧ブースタ1bが助勢限界以上となると、ポンプ121,122(電気モ−タ120)が駆動されて、車両減速度がブレーキペダルの踏込速度に対応した減速度の変化が得られるように、車輪ブレーキ圧が増,減圧調整される。
【0098】
ABS制御(9FL〜9RR)又は定常制御(9AW)の終了のときには、モ−タドライバおよびソレノイドドライバ118a〜118mにオフ指示を出力して、保持タイマ,減圧タイマ及び増圧タイマの各タイマをクリアし、パルス増圧カウンタ,パルス増圧フラグ,急減圧フラグをクリアする(ステップ12)。
【0099】
そしてタイマTsがタイムオーバしたかをチェックし(ステップ13)、タイムオーバするまで異常チェックを行ない(ステップ14)、異常がなくタイムオーバすると、ステップ2に戻る。異常を検知すると、そこでブレーキ圧制御を解除し、警報を発生する(ステップ15,16)。
【0100】
以上に説明したABS制御(9FL〜9RR)は、少くとも1つの車輪において、車輪減速度と車輪スリップ率とがアンチロック制御開始領域に入ったときに開始され、ブレーキペダル解放まで行なわれ、ブレーキペダルが解放されると終了する。そしてABS制御中は、レジスタFRF,FLF,RRF又はRLFのデ−タが「1」である。ABS制御を行なっていないときは、レジスタFRF,FLF,RRFおよびRLFのデ−タが「0」であり、このときのブレーキペダル踏込中には、定常制御(9AW)が行なわれる。ABS制御を行なっていないことは、
(1)路面が高μであって車輪スリップ率が低く、急ブレーキによる車輪ロックを生じにくい(車体制動効果が高い)こと、又は、
(2)ブレーキペダルの踏込量が小さく車体減速度(車輪減速度)が低いこと、
を意味する。
【0101】
以上に説明した実施例においては、車体の減速度を、各車輪の回転速度検出値から電子制御装置110のCPU114が車体速度を推定演算し、算出した車体速度の微分値を算出することにより得ているが、車両に進行方向の加,減速度を検出する加速度センサを装備して、これによって車体減速度を検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す負圧ブースタ1bの拡大縦断面の左半分を示す断面図である。
【図3】 図1に示す負圧ブースタ1bの拡大縦断面の右半分を示す断面図である。
【図4】 (a)は図2および図3に示す負圧ブースタ1bの入力ロッドの押込量と入力荷重との関係を示すグラフであり、(b)は図2に示す負圧ブースタの変圧室15の圧力変化と負圧スイッチ102の出力信号の変化を示すタイムチャ−トである。
【図5】 図1に示す電子制御装置110の構成概要を示すブロック図である。
【図6】 図5に示すマイクロコンピュ−タ111の車輪ブレーキ圧制御の概要を示すフローチャートである。
【図7】 図6に示す「定常制御演算」9AWの内容を示すフローチャートである。
【図8】 図7に示す「制御モ−ド判定3」114の内容を示すフローチャートである。
【図9】 図7に示す「制御モ−ド判定4」116の内容を示すフローチャートである。
【図10】 図1に示すブレーキペダル103の踏込速度の3例を示すグラフである。
【図11】 ブレーキペダル103の踏込速度dPSおよび踏込量積算値ΣPdと、図7に示す「制御モ−ド判定3」114で定められるモ−タ通電デュ−ティMdの値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:液圧源 1a:マスタシリンダ
1b:ブースタ 2:ピストン
3:エア−フィルタ 4:入力ロッド
5,6:圧縮コイルスプリング 7:ポペットバルブ
8:プランジャ 9:キ−
10a:皿バネ 11:座金
12a:ベ−スシェル 12b:カバ−シェル
13:ダイアフラム 14a,14b:取付ボルト
15:変圧室 20:パイプ
22:通気路 23:増力圧室
25:ゴムディスク 26:出力ロッド
27:圧縮コイルスプリング 28:当接子
80,90:ダンパ 89,99:オリフィス
81,91:第1圧力制御弁 83,93:第2圧力制御弁
102:負圧スイッチ 103:ブレーキペダル
103p:ポテンショメ−タ 110:電子制御装置
111:マイクロコンピュ−タ 112:入力ポ−ト
113:出力ポ−ト 114:CPU
115:ROM 116:RAM
117a〜17e:増幅回路 118a〜18i:ドライバ
120:電気モ−タ 121,22:ポンプ
123,124:リザ−バ
131,133,135,137:増圧制御弁
132,134,136,138:減圧制御弁
141〜144:車輪速度センサ 151〜154:車輪ブレーキ
FR:前右輪 FL:前左輪
RR:後右輪 RL:後左輪

Claims (6)

  1. ブレーキ液圧を車輪ブレーキに与えるためのブレーキマスタシリンダ,車輪制動のために車両運転者から加えられた操作を助勢してブレーキマスタシリンダを駆動する流体圧ブースタ、および、該流体圧ブースタの助勢限界出力以上のブレーキ液圧を該車輪ブレーキに与えるためにブレーキマスタシリンダのブレーキ液を吸引し車輪ブレーキに吐出するポンプを含む、車両上の液圧源;該液圧源と車輪ブレーキとの間にあって、車輪ブレーキ液圧を増,減圧するための供給圧調整手段;前記流体圧ブースタに加えられる操作値を検出する操作値検出手段;前記流体圧ブースタが助勢限界未満か助勢限界かを検出する限界検出手段;および、前記流体圧ブースタに加えられる操作値に基づいて供給圧調整手段の通流を制御する調整制御手段;を備える車輪ブレーキ圧制御装置において、
    前記調整制御手段は、所定周期で前記操作値を読込んでその操作値の変化速度と変化速度の積算値を算出して、前記限界検出手段が助勢限界検出したときに、該検出までの前記変化速度および積算値に対応する速度で、すなわち前記変化速度が高く積算値が高いと高速で、前記変化速度が低く積算値が低いと低速で前記ポンプを駆動し、助勢限界未満に戻ったとき前記ポンプの駆動を停止する、ことを特徴とする車輪ブレーキ圧制御装置。
  2. 流体圧ブースタは、増力用圧力源に接続される増力圧室,変圧室,増力圧室と変圧室を区分するダイアフラム,ダイアフラムに固着されたピストン,ピストンの内空間を、増力圧室に連通する第1空間と、増力圧室の圧力とは異なる定圧力に連通する第2空間に区分し変圧室を第1空間と第2空間に選択的に接続するための、ピストンに結合されかつ弁開口を有する、空間分離部材,ブレーキ操作を受ける入力ロッド,入力ロッドに結合され、そのブレーキ操作による移動に連動して空間分離部材の弁開口を開いて変圧室を第2空間に接続する弁部材、および、ピストンに結合した出力ロッド、を備え;
    前記限界検出手段は、前記変圧室の圧力に応答して出力信号レベルが切換わる圧力スイッチである;請求項1に記載の車輪ブレーキ圧制御装置。
  3. 流体圧ブースタは更に、入力ロッドから出力ロッドまでの機構に介装された、助勢限界に達するときの入力荷重以上の荷重でたわむ弾性部材、を備える請求項2記載の車輪ブレーキ圧制御装置。
  4. 圧力スイッチは、変圧室の圧力が、増力圧室の圧力から前記定圧力に切換わるときに助勢限界を表わすレベルに出力信号を切換え、前記定圧力から増力圧室の圧力に近づく方向に圧力が変化するときには前記定圧力より所定量増力圧室の圧力に近づいてから非助勢限界を表わすレベルに出力信号を切換える、ヒステリシス特性を有する、請求項2記載の車輪ブレーキ圧制御装置。
  5. 供給圧調整手段は、前記ポンプが車輪ブレーキに高ブレーキ液圧を与えるための吐出側流路とブレーキマスタシリンダの出力ポ−トとの間のブレーキ液の通流を制御する第1圧力制御弁、および、前記ポンプの吸込側流路とブレーキマスタシリンダの出力ポ−トの間のブレーキ液の通流を制御する第2圧力制御弁、を含む請求項1に記載の車輪ブレーキ圧制御装置。
  6. 供給圧調整手段は更に、前記吐出側流路と車輪ブレーキの間に介挿された増圧制御弁および前記吸込側流路と車輪ブレーキの間に介挿された減圧制御弁を含み;
    前記調整制御手段は、車両の減速度をブレーキ操作量に合わすために、第2圧力制御弁を介して吸込側流路にブレーキマスタシリンダの出力ポ−トをつなぎ第1圧力制御弁の遮断通流を制御し、車輪の制動スリップが大きくなったときは、第1圧力制御弁を介して吐出側流路とブレーキマスタシリンダの出力ポ−トの間のブレーキ液の通流を止めかつ第2圧力制御弁で吸込側流路とブレーキマスタシリンダの出力ポ−トの間のブレーキ液の通流を止めて前記減圧制御弁と増圧制御弁を操作して車輪ブレーキ圧を調整する;
    請求項5記載の車輪ブレーキ圧制御装置。
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