JP3144190B2 - 自動制動用電子制御負圧式ブレーキ装置 - Google Patents

自動制動用電子制御負圧式ブレーキ装置

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JP3144190B2 JP31480193A JP31480193A JP3144190B2 JP 3144190 B2 JP3144190 B2 JP 3144190B2 JP 31480193 A JP31480193 A JP 31480193A JP 31480193 A JP31480193 A JP 31480193A JP 3144190 B2 JP3144190 B2 JP 3144190B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、自動制動車両に
用いて好適の、自動制動用電子制御負圧式ブレーキ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両の暴走を防止する
など、自動的に車両を制動させる車両用の自動制動装置
が開発されているが、このような自動制動装置では、ブ
レーキアクチュエータが必要となる。かかるブレーキア
クチュエータには、アンチロックブレーキシステム(以
下、これをABSという)に用いられる油圧式ブレーキ
アクチュエータを利用するのが一般的である。
【0003】このようなABSに用いられる油圧式ブレ
ーキアクチュエータの一例を図6に示す。図中、符号5
1はブレーキオイルのリザーバ、符号52はマスタシリ
ンダを示しており、このリザーバ51からマスタシリン
ダ52へは2本の油路51a,51bが配設されてい
る。符号53はブレーキペダル、符号54はペダルスト
ロークセンサであり、このペダルストロークセンサ54
により、ブレーキペダル53の踏込み量が検出される。
また、符号55,56は、それぞれポンプモータ,モー
タ回転センサであってモータ回転センサ56はポンプモ
ータ55の回転数を検出するものである。
【0004】ポンプモータ55とマスタシリンダ52と
の間には油路としてサクションライン57が設けられて
いる。このサクションライン57は、図示するように途
中で分岐して、その一端が第1のソレノイドバルブ58
に接続されている。また、リザーバ51とポンプモータ
55との間には油路59が設けられており、この油路5
9の途中には油路60の一端が接続されている。そし
て、油路60の他端は第2のソレノイドバルブ61に接
続されている。
【0005】この例では、第1のソレノイドバルブ58
は通電状態がOFFの時にバルブが開状態になるように
構成され、第2のソレノイドバルブ60は通電状態がO
FFの時に第1のソレノイドバルブ58とは逆にバルブ
が閉状態になるように構成されている。この油圧式ブレ
ーキアクチュエータがABSに用いられる場合には、こ
れら第1,第2のソレノイドバルブ58,60はともに
ABSコントローラ62により制御される。この場合、
ABSコントローラ62では、ペダルストロークセンサ
54、モータ回転センサ56及び車輪速センサ63から
の情報に基づいて、ポンプモータ55の回転数を制御す
る制御信号を設定したり、第1,第2のソレノイドバル
ブ58,60の状態を制御する制御信号を設定したりす
る。
【0006】これに対して、このような油圧式ブレーキ
アクチュエータを自動制動装置に用いる場合には、ブレ
ーキペダルの代わりにマスタシリンダ52のスプールを
駆動する機構を設けて、この機構や第1,第2のソレノ
イドバルブ58,60を自動制動コントローラによって
制御する構成が考えられている。また、上述のような油
圧式ブレーキアクチュエータを利用したもの以外にも、
特開平4−262957号公報,特開平4−30306
0号公報,特開平4−310460号公報,特開平4−
339066号公報には、ブレーキブースタを自動制動
に用いた提案が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
油圧式ブレーキアクチュエータを用いた自動制動制御装
置では、自動制動時は、ブレーキの液圧がアクチュエー
タによりブレーキペダルの踏込量に関係なく制御される
ので、アクチュエータのフェイル時にブレーキペダルを
踏み込んでもブレーキ圧を高められずに制動できないお
それがある。
【0008】そこで、自動制動系がフェイルした場合で
あっても、ドライバの意思による、ブレーキペダルの踏
み込み量に応じた制動制御を確実に行なえるようにする
手段を設けなくてはならない。また、この油圧式ブレー
キブースタを用いた従来の自動制動制御では、ブレーキ
の液圧を直接制御するため、制動フィーリングが不自然
なものとなってしまったり、油圧源のポンプから生じる
騒音によりドライバビリティを損なってしまうという課
題がある。
【0009】一方、ブレーキ倍力装置を用いた自動制動
装置では、フェイル時対応が容易であり、ブレーキ液圧
を間接制御するので制動フィーリング上でも有利である
が、より適切に、また、よりフィーリングよく自動制動
を行なえるようにしたい。本発明は、このような課題に
鑑み創案されたもので、自動制動の制御系がフェイルし
ても、ドライバのブレーキペダル操作により通常の制動
力を得られるようにするとともに、自動制御時の制動フ
ィーリングをドライバにとって違和感のない自然なもの
にできるようにした、自動制動用電子制御負圧式ブレー
キ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の自動
制動用電子制御負圧式ブレーキ装置は、負圧室と大気圧
室と該大気圧室の圧力を制御する制御圧室とをそなえ、
該負圧室と該大気圧室との圧力バランスに応じてブレー
キ液圧を調整しうる負圧式ブレーキブースタをそなえる
とともに、該負圧室から負圧を該制御圧室へ供給しうる
負圧供給路と、該制御圧室に大気圧を導入しうる大気圧
導入路と、該負圧供給路及び該大気圧導入路にそれぞれ
介装された電子制御弁と、該負圧式ブレーキブースタに
より調整されたブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧検
出手段と、ドライバがブレーキペダルを操作したか否か
を検出するペダルスイッチと、該電子制御弁を制御する
制御手段とが設けられ、該制御手段が、該ブレーキ液圧
検出手段からの検出情報と車両の走行状態から算出され
た望ましい目標液圧値との偏差に応じて該電子制御弁の
制御デューティ比を設定してブレーキ液圧をフィードバ
ック制御するとともに、該ペダルスイッチからの検出情
報に基づいて該ブレーキペダルの操作が検出された場合
には、該フィードバック制御を中止するように構成され
ていることを特徴としている。
【0011】
【作用】上述の本発明の自動制動用電子制御負圧式ブレ
ーキ装置では、負圧式ブレーキブースタにより生じるブ
レーキ液圧がブレーキ液圧検出手段により検出される
と、このブレーキ液圧の情報が制御手段に伝達される。
そして、制御手段では、ブレーキ液圧検出手段からの検
出情報と車両の走行状態から算出された目標液圧値との
偏差に基づいて負圧供給路及び大気圧導入路にそれぞれ
介装された電子制御弁の制御デューティ比を設定する。
これにより、負圧式ブレーキブースタの負圧室と大気圧
室との圧力バランスが調整されてブレーキ液圧がフィー
ドバック制御され、自動制動が行なわれる。また、ペダ
ルスイッチからの検出情報に基づいてドライバのブレー
キペダル操作が検出された場合には、上記フィードバッ
ク制御が中止される。これにより、ドライバの意思によ
る制動を自動制動よりも確実に優先させることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の自動制動用電子制御負圧式ブレーキ装置について説明
すると、図1はその全体構成を示す模式図、図2はその
機能構成を示す模式図、図3はその要部構成を示す模式
的な断面図、図4はその動作を説明するためのフローチ
ャート、図5はその作用を説明するためのグラフであ
る。
【0013】まず、図1に示すように、本発明の自動制
動用電子制御負圧式ブレーキ装置には、自動車等の車両
にブレーキ倍力装置として広く設けられる電子制御負圧
式のブレーキブースタ(マスタバック)1と、このブレ
ーキブースタ1内に大気圧を導入する大気圧導入路9
と、ブレーキブースタ1内から負圧を後述する制御圧室
5へ供給する負圧供給路9bと、大気圧導入路9及び負
圧供給路9bに介装された電子制御弁としての第1,第
2のソレノイドバルブ10,11と、ブレーキ液圧検出
手段としての液圧センサ8と、第1,第2のソレノイド
バルブ10,11を制御する制御手段としてのコントロ
ーラ12とがそなえられている。
【0014】はじめにブレーキブースタ1について詳述
する。このブレーキブースタ1は、通常時は、ブレーキ
ペダル2が踏み込まれるとエンジンの吸気圧による負圧
を利用して、ブレーキ液圧を高めるもので、図3に示す
ように、プッシュロッド6とオペレーティングロッド1
5とが設けられ、このプッシュロッド6には、オペレー
ティングロッド15及びブレーキペダル2を介してドラ
イバの踏力が伝達されるようになっている。プッシュロ
ッド6は、図示しないマスタシリンダに接続されてお
り、このマスタシリンダではプッシュロッド6の移動量
に応じたブレーキ液圧を発生するようになっている。
【0015】そして、このブレーキ液圧は、図1に示す
油路7を通って各車輪のブレーキディスクを挟持するホ
イールシリンダに供給されるようになっている。さら
に、ブレーキブースタ1は、その内部をダイヤフラム1
6及びベローズ17によって負圧室3,大気圧室4,制
御圧室5の3つの部屋に分割されている。負圧室3には
エンジン負圧を取り入れるためのエンジン負圧取入口3
aと、エンジン負圧を制御圧室5へ供給するための負圧
供給口3bとが設けられ、制御圧室5には、制御圧取入
口5aが設けられている。
【0016】エンジン負圧取入口3aは、図示しないエ
ンジンのサージタンクに接続されており、また、負圧供
給口3bは大気圧導入路9を介して車両のエアクリーナ
に接続されている。また、負圧供給口3bへのエンジン
負圧は、負圧源(サージタンク等)から直接供給するよ
うにしても良い。また、上述したように、エンジン負圧
取入口3a,負圧供給口3bは、ともに負圧室3に設け
られているので、エンジン負圧取入口3a,負圧供給口
3bは負圧室3内で連通している。
【0017】制御圧室5にはプッシュロッド6を右側
(ブレーキペダル側)へ付勢するようなリターンスプリ
ング14が設けられている。そして、通常は、負圧室3
はエンジンのサージタンクからの吸気により負圧の状態
になっており、大気圧室4はリターンスプリング14の
付勢力により大気とは連通していない状態に保たれてい
る。
【0018】そして、ドライバがペダル2を踏み込む
と、リターンスプリング14の付勢力に抗してプッシュ
ロッド6が左側に移動するとともに、大気圧室4に設け
られた図示しない大気導入口が開口して大気圧室4が大
気と連通する。これにより、負圧室3と大気圧室4との
圧力差により、プッシュロッド6には図中左方向に力が
作用する。この力が図示しないマスタシリンダに作用
し、ブレーキ液圧が倍力されるようになっている。
【0019】これにより、ブレーキ踏力が小さくても十
分なブレーキ液圧が発生して、制動力を得ることができ
るのである。そして、本装置では、ブレーキペダル2
(又はオペレーティングロッド15)が押されていない
状態では制御圧室5と大気圧室4とが連通しており、ブ
レーキペダル2を踏み込まなくても、制御圧室5の圧力
次第でプッシュロッド6が駆動されるようになってい
る。例えば、制御圧室5に制御圧として大気圧を与えれ
ば、大気圧室4内に大気が導入されて、プッシュロッド
6が図中左方向へ駆動され、この後、制御圧室5に制御
圧として負圧を与えれば、大気圧室4内の圧力が減少し
てプッシュロッド6が図中右方向へ駆動される。このよ
うに制御圧を調整することにより、ブレーキペダル2に
よる制動力制御と同様のブレーキ液圧制御を自動的に行
なうことができるようになっている。
【0020】また、ブレーキペダル2が踏み込まれる
と、制御圧室5と大気圧室4とが遮断されるようになっ
ている。再び図1に戻って説明すると、大気圧導入路9
及び負圧供給路9b上に設けられた電子制御弁としての
ソレノイドバルブ10,11のうち、図1中左側の第1
のソレノイドバルブ10はスイッチOFFの時(即ち、
通電時)に常に弁が開状態となるように構成されてお
り、一方、図1中右側の第2のソレノイドバルブ11は
スイッチOFFの時に常に弁が閉状態となるように構成
されている。
【0021】また、大気導入路9及び負圧供給路9b上
のソレノイドバルブ10と11との間から、制御圧導入
路9aが分岐しており、この制御圧導入路9aは、制御
圧取入口5aに接続されている。また、油路7に設けら
れた液圧センサ8は、ブレーキブースタ1を通じて調整
されたブレーキ液圧を検出するようになっている。さら
に、コントローラ(ECU)12に、この液圧センサ8
からの情報が入力されるようになっている。
【0022】また、ブレーキペダル2には、ペダルスイ
ッチ13が設けられている。このペダルスイッチ13
は、ブレーキペダル2の表面に取り付けられ、ドライバ
のブレーキ踏力を検出できるようになっている。つま
り、ドライバがブレーキを踏むと、このペダルスイッチ
13ではその踏力に比例した電圧を出力するように構成
されており、この電圧情報がコントローラ12に伝達さ
れるようになっている。
【0023】このペダルスイッチ13では、ブレーキペ
ダル2のペダルストロークを検出するのではなく、ドラ
イバがブレーキペダル2を踏む力を直接検出できるの
で、この力の大きさ(即ち、検出電圧の大きさ)からド
ライバの制動する意思情報をコントローラ12に取り込
むことができるのである。また、このコントローラ12
には、目標液圧情報も入力されるようになっている。目
標液圧とは、現在の車両の走行状態から算出された最も
望ましいブレーキ液圧であって、図示しない演算部等に
おいて算出されるようになっている。
【0024】そして、このコントローラ12では、目標
液圧,液圧センサ8からの情報及びペダルスイッチ13
からの電圧情報に基づいて、ソレノイドバルブ10,1
1の開閉状態を制御する制御量を設定するようになって
いる。コントローラ12では、表1に示すように、ソレ
ノイドバルブ10,11の開閉状態の制御モードによ
り、本装置を増圧モード、減圧モード、保持モード、停
止モードの4つモードに制御するようになっている。
【0025】
【表1】
【0026】つまり、目標液圧と液圧センサ8により検
出されたブレーキ液圧との差である液圧偏差ΔPの値を
算出し、コントローラ12において、自動制動が必要で
あると判断されると、例えば図2中に示すようなマップ
から制御モードが設定されるようになっている。
【0027】そして、設定された制御モードの制御信号
に基づいてソレノイドバルブ10,11の開閉状態が制
御されて、負圧式ブレーキブースタの状態が制御され、
所望の制動力が得られるようになっている。また、この
時のブレーキ液圧も液圧センサ8によりモニタされてフ
ィードバック制御されるようになっている。ここで、ソ
レノイドバルブ10,11の制御モードについて説明す
ると、例えば、液圧偏差ΔPが第1の所定値(この例で
は、0.1)以上になった場合は増圧デューティ制御モ
ードが設定され、液圧偏差ΔPが第2の所定値(この例
では−0.1)以下になった場合は減圧デューティ制御
モードが設定されるようになっている。
【0028】また、液圧偏差ΔPが第1の所定値と第2
の所定値との間にある時は保持モードが設定される。つ
まり、この液圧偏差|ΔP|≦0.1の範囲は不感帯で
あり、制御の安定が図られているのである。さらに、自
動制動の必要がない時は停止モードに設定されるように
なっている。増圧デューティ制御モードは、ブレーキの
液圧を増加させるモードであり、減圧デューティ制御モ
ードはこれとは逆にブレーキの液圧を減少させるモード
であって、これらの増圧及び減圧デューティ制御モード
では、設定されたデューティ比に応じて、前記の増圧モ
ードと保持モード、又は減圧モードと保持モードとが切
り替えられる。また、保持モードはブレーキ液圧を変化
させずに一定に保つモード、停止モードは自動制動によ
るブレーキ液圧の調整を停止するモードである。
【0029】そして、コントローラ12によりブレーキ
液圧制御が増圧モードに設定されると、表1に示すよう
に、ソレノイドバルブ10,11は両方ともスイッチO
Nに制御される。これにより、制御圧室5には、大気圧
導入路9から制御圧導入路9aを通った大気圧が制御圧
取入口5aから取り込まれる。そして、制御圧室5から
大気圧室4内へ大気圧が導かれ、大気圧室4と負圧室3
との間の圧力差によりプッシュロッド6が左方向に力を
受けてブレーキ液圧が増大されるのである。
【0030】また、ブレーキ液圧制御が減圧モードに設
定されると、ソレノイドバルブ10,11はともにスイ
ッチOFFに制御される。この時、第2のソレノイドバ
ルブ11が閉状態に駆動されるので、大気圧導入路9か
らは大気圧の流入がなく、また負圧供給口3bは、第1
のソレノイドバルブ10を介して制御圧取入口5aと連
通する。これにより、制御圧室5の気圧は、負圧室3と
同一に減圧されて大気圧室4内も減圧され、負圧室3と
大気圧室4との圧力差が減少して、この電子制御負圧式
ブレーキブースタ1は通常のブレーキブースタと同様に
なって、ブレーキペダル2に踏力が作用しない限り、リ
ターンスプリング14の付勢力により、プッシュロッド
6は図1中右方向に押圧されて、ブレーキ液圧は高まら
ないようになっている。
【0031】また、保持モードの時は、第1のソレノイ
ドバルブ10がスイッチON、第2のソレノイドバルブ
11がスイッチOFFに制御される。この場合、第2の
ソレノイドバルブ11が閉状態になることにより、大気
導入路9からの大気圧導入がなくなる。これにより、制
御圧室5には大気が流入しなくなる。また、第1のソレ
ノイドバルブ10も閉状態になることにより、負圧供給
口3bと制御圧取入口5aとの間の空気の流れが遮断さ
れ、制御圧室5は密閉された室となる。
【0032】したがって、大気圧室4の圧力が一定とな
って、ダイヤフラム16は移動せず、プッシュロッド6
の位置が固定されるのである。これにより、ブレーキ液
圧は一定圧に保持される。また、停止モードは、自動制
動を行なわない時に設定されるモードであり、ドライバ
の制動操作により制動力制御を行なうモードである。し
たがって、電子制御負圧式ブレーキブースタ1が通常の
ブレーキブースタと同様に作用するように設定すればよ
いので、上記の減圧モードと同様にソレノイドバルブ1
0,11はともにOFFになるように制御される。
【0033】なお、停止モードは、イグニッションOF
Fの場合におけるソレノイドバルブ10,11の開閉状
態でもある。増圧デューティ制御モードと、減圧デュー
ティ制御モードと、保持モードと、停止モードとは、例
えば60msecの制御周期毎に設定され、デューティ
制御モードの場合には、コントローラ12において所定
時間毎(例えば5msec毎)に増圧モード又は減圧モ
ードが与えられ、各ソレノイドバルブ10,11に駆動
信号が伝達されるようになっている。
【0034】つまり、増圧デューティ制御モード及び減
圧デューティ制御モードでは、図5に示すように、液圧
偏差ΔPの値の大きさに応じて、デューティ制御される
ようになっている。そのデューティ比の一例を示すと、
液圧偏差|ΔP|が0.1〜0.5〔MPa〕の時はデ
ューティ比25%、液圧偏差|ΔP|が0.5〜1.0
〔MPa〕の時はデューティ比33.3%、液圧偏差|
ΔP|が1.0〔MPa〕以上の時はデューティ比50
%に設定されるようになっている。
【0035】また、液圧偏差|ΔP|が0〜0.1〔M
Pa〕の時はデューティ比0%、即ち保持モードに設定
されるようになっている。そして、図5のグラフに示す
ように、増圧デューティ制御モード又は減圧デューティ
制御モードでは、一制御周期のうち上述のデューティ比
の割合で液圧制御が行なわれ、制御周期中の残りは、保
持モードにソレノイドバルブ10,11が制御されるの
である。
【0036】つまり、液圧偏差|ΔP|の比較的小さい
時は、その時のブレーキ液圧を保持すべくデューティ比
0%の保持モードに設定され、この液圧偏差|ΔP|が
大きくなると、その値に応じたデューティ比で増圧モー
ド或いは減圧モードに設定されるのである。もちろん、
このとき液圧偏差ΔP>0の場合に増圧モードに設定さ
れ、液圧偏差ΔP<0の場合に減圧モードに設定され
る。
【0037】また、コントローラ12ではペダルスイッ
チ13からの電圧情報に基づいて、ドライバがブレーキ
ペダル2に軽く足を置いている判断した場合は、自動制
動を中止して(つまり停止モードに設定して)、ドライ
バの意思による制動を優先するようになっている。とこ
ろで、第1,第2のソレノイドバルブ10,11からの
空気を直接大気圧室4に導かずに、ブレーキブースタ1
内に制御圧室5を設け、この制御圧室5に大気圧を導入
しているのは、以下の理由による。
【0038】つまり、ドライバが、ブレーキ操作を行な
っている時には自動ブレーキの制御を行なわないように
するため、ブレーキペダル2が押されている状態(ドラ
イバ操作)では制御圧室5を遮断し、通常の動作(オペ
レーティングロッド部より大気を導入)をしなければな
らない。このため、大気圧室4に直接ソレノイドバルブ
10,11からの空気通路を設けると弁機構が新たに必
要となり、機械的にこれを遮断することが困難になるか
らである。
【0039】一方、通常のブレーキブースタは、ブレー
キペダル2を押すことにより大気圧室4と負圧室3とが
機械的に遮断される構造となっているので、負圧室3内
に制御圧室5を設けることにより、容易に制御圧室5と
大気圧室4とを遮断することができるようになるのであ
る。また、ブレーキブースタ1の取り付け位置の構造
上、車体側となる大気圧室4に空気通路を設けることは
困難であるということもある。
【0040】本発明の一実施例としての自動制動用電子
制御負圧式ブレーキ装置は、上述のように構成されてい
るので、自動制動を行なわない時は、通常のブレーキ装
置と同様にドライバのブレーキペダル2の踏み込み量に
応じてブレーキ液圧が増減圧される。一方、自動制動を
行なう場合の動作を図4に示すフローチャートにしたが
って説明する。この制御は60msec毎に行なわれる
もので、まずステップS1において、一制御周期(60
msec)が経過したかどうかが判断される。
【0041】そして、60msecが経過していればス
テップS2に進み、アナログ信号からデジタル信号化さ
れた液圧センサ8やペダルスイッチ13からの情報を取
り込んでステップS3に進む。また、60msecが経
過していな場合はステップS1に戻り、一制御周期が終
了するまでこのルーチンを繰り返す。そして、ステップ
S3では、ステップS2で取り込まれた情報に基づい
て、ブレーキ液圧偏差ΔPを次式(1)により算出す
る。
【0042】 液圧偏差ΔP=目標液圧−現在液圧 ・・・(1) 次に、ステップS4では、自動制動を行なうかどうかが
判断され、自動制動を行なわない場合は、ステップS1
0に進んで停止モードに設定される。また、自動制動を
行なうと判断した場合はステップS5に進み、式(1)
で得られた液圧偏差ΔPの大きさが、所定値(この例で
は0.1)より大きいかどうかが次式(2)により判断
される。
【0043】 |ΔP|>0.1 ・・・(2) そして、|ΔP|が0.1より大きい場合はステップS
6に進む。また、|ΔP|が0.1以下の場合はステッ
プS11に進んで保持モードに設定される。次に、ステ
ップS6ではΔPの正負が判断され、ΔPが正の値の時
は、ステップS7に進み、増圧デューティ制御モードに
設定される。またΔPが負の値の時は、ステップS12
に進んで減圧デューティ制御モードに設定される。
【0044】そして、ステップS7,S10,S11,
S12のいずれかにおいて、ソレノイドバルブ10,1
1の制御モードが設定されると、この後ステップS8に
進んでデューティ比が設定され、ステップS9でソレノ
イドバルブ10,11を駆動する制御信号が設定される
のである。また、この後はステップS1に戻り、このル
ーチンを繰り返すのである。
【0045】このようにして、ソレノイドバルブ10,
11の制御モードが設定されることにより、ブレーキブ
ースタ1の制御圧室5が負圧状態から大気圧状態にまで
調整される。そして、これにより負圧室3と大気圧室4
との圧力のバランスによってダイヤフラム16の位置が
移動して、オペレーティングロッド15及びプッシュロ
ッド6が駆動され、図示しないマスタシリンダからのブ
レーキ液圧が所望の値に調整されるのである。
【0046】そして、本装置では、自動制動時のブレー
キの液圧制御がブレーキペダル2の踏み込み量に対応し
ているので、自動制動系がフェイルした場合であっても
ドライバの通常制動を行なうことができる。また、本装
置では、制御圧室5の圧力制御によってプッシュロッド
6を調整することにより、ブレーキの液圧をフィードバ
ック制御しているため、制動フィーリングを違和感のな
い自然なものとすることができるのである。
【0047】さらには、前方の車両に近づき過ぎた場合
や障害物等に近づいた場合に、これを検知できるような
安全車間距離制御システム等をそなえた車両に本装置を
搭載することにより、例えば前方の車両との安全車間距
離を保つための自動制動、或いは、ドライバのブレーキ
操作力が不足して所望のブレーキ液圧まで高まらない時
に、これを増圧して車両に大きな制動力を与えるための
自動制動等を自然なフィーリングで行なうことができる
のである。
【0048】さらに、ブレーキペダル2に設けられたブ
レーキスイッチ13は、ブレーキペダル2の踏み込みス
トロークに応じるものではなく、ドライバのペダル踏力
(圧力)に比例して電圧を発生させるものなので、ドラ
イバがブレーキペダル2を踏む力を確実に検知すること
ができる。したがって、このブレーキスイッチ13の情
報に基づいて、ドライバがブレーキペダル2に足をのせ
ると自動制動を停止させる制御を設定することにより、
自動制動に対してドライバの意思による制動を確実に優
先させることができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の自動制動
用電子制御負圧式ブレーキ装置によれば、負圧室と大気
圧室と該大気圧室の圧力を制御する制御圧室とをそな
え、該負圧室と該大気圧室との圧力バランスに応じてブ
レーキ液圧を調整しうる負圧式ブレーキブースタをそな
えるとともに、該負圧室から負圧を該制御圧室へ供給し
うる負圧供給路と、該制御圧室に大気圧を導入しうる大
気圧導入路と、該負圧供給路及び該大気圧導入路にそれ
ぞれ介装された電子制御弁と、該負圧式ブレーキブース
タにより調整されたブレーキ液圧を検出するブレーキ液
圧検出手段と、ドライバがブレーキペダルを操作したか
否かを検出するペダルスイッチと、該電子制御弁を制御
する制御手段とが設けられ、該制御手段が、該ブレーキ
液圧検出手段からの検出情報と車両の走行状態から算出
された望ましい目標液圧値との偏差に応じて該電子制御
弁の制御デューティ比を設定してブレーキ液圧をフィー
ドバック制御するとともに、該ペダルスイッチからの検
出情報に基づいて該ブレーキペダルの操作が検出された
場合には、該フィードバック制御を中止するように構成
されるので、自動制動系がフェイルした場合であっても
ドライバの通常制動を行なうことができる。
【0050】また、制御圧室の空気の圧力制御によって
ブレーキの液圧をフィードバック制御しているため、制
動フィーリングを違和感のない自然なものとすることが
できる。これにより、正確で滑らかな制動制御を行なう
ことができる。さらには、ペダルスイッチの検出情報に
基づいて、ドライバがブレーキペダルを操作するとフィ
ードバック制御による自動制動が停止するので、自動制
動に対してドライバの意思による制動を確実に優先させ
ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動制動用電子制御
負圧式ブレーキ装置における全体構成を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の一実施例としての自動制動用電子制御
負圧式ブレーキ装置における機能構成を示す模式図であ
る。
【図3】本発明の一実施例としての自動制動用電子制御
負圧式ブレーキ装置における要部構成を示す模式的な断
面図である。
【図4】本発明の一実施例としての自動制動用電子制御
負圧式ブレーキ装置における動作を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図5】本発明の一実施例としての自動制動用電子制御
負圧式ブレーキ装置における作用を説明するためのグラ
フである。
【図6】従来のABSの全体構成を示す模式的な油圧回
路図である。
【符号の説明】
1 負圧式ブレーキブースタ 2 ブレーキペダル 3 負圧室 3a エンジン負圧取入口 3b 負圧供給口 4 大気圧室 5 制御圧室 5a 制御圧取入口 6 プッシュロッド 7 油路 8 ブレーキ液圧検出手段としての液圧センサ 9 大気圧導入路 9a 制御圧導入路 9b 負圧供給路 10 電子制御弁としての第1のソレノイドバルブ 11 電子制御弁としての第2のソレノイドバルブ 12 制御手段としてコントローラ 13 ペダルスイッチ 14 リターンスプリング 15 オペレーティングロッド 16 ダイヤフラム 17 ベローズ 51 リザーバ 51a,51b 油路 52 マスタシリンダ 53 ブレーキペダル 54 ペダルストロークセンサ 55 ポンプモータ 56 モータ回転センサ 57 サクションライン 58 第1のソレノイドバルブ 59,60 油路 61 第2のソレノイドバルブ 62 ABSコントローラ 63 車輪速センサ 64 ホイールシリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青野 和彦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 山田 喜一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−24533(JP,A) 特開 昭59−227556(JP,A) 特開 平5−105070(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 13/52 - 13/56 B60T 13/66 - 13/72

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負圧室と大気圧室と該大気圧室の圧力を
    制御する制御圧室とをそなえ、該負圧室と該大気圧室と
    の圧力バランスに応じてブレーキ液圧を調整しうる負圧
    式ブレーキブースタをそなえるとともに、 該負圧室から負圧を該制御圧室へ供給しうる負圧供給路
    と、該制御圧室に大気圧を導入しうる大気圧導入路と、
    該負圧供給路及び該大気圧導入路にそれぞれ介装された
    電子制御弁と、該負圧式ブレーキブースタにより調整さ
    れたブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧検出手段と、
    ドライバがブレーキペダルを操作したか否かを検出する
    ペダルスイッチと、該電子制御弁を制御する制御手段と
    が設けられ、 該制御手段が、該ブレーキ液圧検出手段からの検出情報
    と車両の走行状態から算出された望ましい目標液圧値と
    の偏差に応じて該電子制御弁の制御デューティ比を設定
    してブレーキ液圧をフィードバック制御するとともに、
    該ペダルスイッチからの検出情報に基づいて該ブレーキ
    ペダルの操作が検出された場合には、該フィードバック
    制御を中止するように構成されていることを特徴とす
    る、自動制動用電子制御負圧式ブレーキ装置。
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CN104697797B (zh) * 2015-02-16 2018-02-27 宁波拓普智能刹车系统有限公司 一种电子化刹车助力器控制电机标定测试设备

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