JPH1035477A - ブースタ付マスタシリンダおよび液圧ブレーキシステム - Google Patents
ブースタ付マスタシリンダおよび液圧ブレーキシステムInfo
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- JPH1035477A JPH1035477A JP8195839A JP19583996A JPH1035477A JP H1035477 A JPH1035477 A JP H1035477A JP 8195839 A JP8195839 A JP 8195839A JP 19583996 A JP19583996 A JP 19583996A JP H1035477 A JPH1035477 A JP H1035477A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ブレーキ操作力が同じ場合に、通常のブース
タ付きマスタシリンダにおけるより、マスタシリンダの
液圧の増圧を図る。 【解決手段】 ブースタ12とマスタシリンダ14との
間に中間液圧シリンダ130が設けられており、出力ロ
ッド72の前進方向の力が中間ピストン126を介して
加圧ピストン18に伝達される。第1,第2液圧室14
2,159に液圧が発生させられれば、中間ピストン1
26に力が加えられる。中間ピストン126には、出力
ロッド72による前進力と第1,第2液圧室142,1
59の液圧による前進力との両方が加えられることにな
るため、加圧ピストン18に伝達される力が大きくな
り、マスタシリンダ14の液圧を増圧し得る。
タ付きマスタシリンダにおけるより、マスタシリンダの
液圧の増圧を図る。 【解決手段】 ブースタ12とマスタシリンダ14との
間に中間液圧シリンダ130が設けられており、出力ロ
ッド72の前進方向の力が中間ピストン126を介して
加圧ピストン18に伝達される。第1,第2液圧室14
2,159に液圧が発生させられれば、中間ピストン1
26に力が加えられる。中間ピストン126には、出力
ロッド72による前進力と第1,第2液圧室142,1
59の液圧による前進力との両方が加えられることにな
るため、加圧ピストン18に伝達される力が大きくな
り、マスタシリンダ14の液圧を増圧し得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブースタ付きマス
タシリンダおよびそれを含む液圧ブレーキシステムに関
するものである。
タシリンダおよびそれを含む液圧ブレーキシステムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ブースタ付きマスタシリンダの一例が特
開平7─205781号公報に記載されている。このブ
ースタ付きマスタシリンダは、バキュームブースタと、
マスタシリンダと、ブレーキペダルが踏み込まれていな
くてもブレーキペダル連動部材をブレーキ操作側へ駆動
してマスタシリンダ液圧を制御し得る自動ブレーキ用ア
クチュエータとを含むものであり、その自動ブレーキ用
アクチュエータが、ブレーキペダルに連結されたブレ
ーキペダル連動部材に当接し得るように設置されたピス
トンと、そのピストンに対してブレーキ操作側へ駆動
する油圧を発生させる油圧室と、その油圧室内の油圧
を調整する油圧調整機構とを備えたものである。すなわ
ち、バキュームブースタのブレーキペダル連動部材の近
傍に自動ブレーキ用アクチュエータとしての油圧シリン
ダが設けられているのである。
開平7─205781号公報に記載されている。このブ
ースタ付きマスタシリンダは、バキュームブースタと、
マスタシリンダと、ブレーキペダルが踏み込まれていな
くてもブレーキペダル連動部材をブレーキ操作側へ駆動
してマスタシリンダ液圧を制御し得る自動ブレーキ用ア
クチュエータとを含むものであり、その自動ブレーキ用
アクチュエータが、ブレーキペダルに連結されたブレ
ーキペダル連動部材に当接し得るように設置されたピス
トンと、そのピストンに対してブレーキ操作側へ駆動
する油圧を発生させる油圧室と、その油圧室内の油圧
を調整する油圧調整機構とを備えたものである。すなわ
ち、バキュームブースタのブレーキペダル連動部材の近
傍に自動ブレーキ用アクチュエータとしての油圧シリン
ダが設けられているのである。
【0003】このブースタ付きマスタシリンダにおい
て、油圧室に油圧が発生させられると、ピストンがブレ
ーキペダル連動部材に当接し、ブレーキペダル連動部材
がブレーキ操作側へ前進させられる。ブレーキペダル連
動部材からバキュームブースタに入力される力がブレー
キ操作力より大きくされ、あるいはブレーキ操作が行わ
れない状態でブレーキペダル連動部材に力が加えられ、
その力がバキュームブースタにおいて倍力されてマスタ
シリンダに伝達されることになる。ブレーキ操作力が同
じであれば、上記油圧シリンダを備えていないブースタ
付きマスタシリンダに比較してマスタシリンダの液圧を
大きくすることができ、あるいはブレーキ操作が行われ
ていない状態でマスタシリンダに液圧を発生させること
ができる。
て、油圧室に油圧が発生させられると、ピストンがブレ
ーキペダル連動部材に当接し、ブレーキペダル連動部材
がブレーキ操作側へ前進させられる。ブレーキペダル連
動部材からバキュームブースタに入力される力がブレー
キ操作力より大きくされ、あるいはブレーキ操作が行わ
れない状態でブレーキペダル連動部材に力が加えられ、
その力がバキュームブースタにおいて倍力されてマスタ
シリンダに伝達されることになる。ブレーキ操作力が同
じであれば、上記油圧シリンダを備えていないブースタ
付きマスタシリンダに比較してマスタシリンダの液圧を
大きくすることができ、あるいはブレーキ操作が行われ
ていない状態でマスタシリンダに液圧を発生させること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このブースタ
付きマスタシリンダにおいては、油圧シリンダがブース
タ入力部材たるブレーキペダル連動部材の近傍に設けら
れるため、ブースタの入力側の部分が大形化するという
問題があった。すなわち、ブースタ付きマスタシリンダ
の車体への取付部近傍が大きくなることになるため、取
付けが困難となったり、取り付けた場合に車室側に突出
する部分が大きくなって邪魔になったり、見栄えが悪く
なったりするのである。
付きマスタシリンダにおいては、油圧シリンダがブース
タ入力部材たるブレーキペダル連動部材の近傍に設けら
れるため、ブースタの入力側の部分が大形化するという
問題があった。すなわち、ブースタ付きマスタシリンダ
の車体への取付部近傍が大きくなることになるため、取
付けが困難となったり、取り付けた場合に車室側に突出
する部分が大きくなって邪魔になったり、見栄えが悪く
なったりするのである。
【0005】そこで、第一発明の課題は、ブースタ付き
マスタシリンダにおいて、ブースタの入力側の部分の大
形化を回避しつつ、上述のように、マスタシリンダの液
圧を大きくし得、あるいはブレーキ操作が行われない状
態でマスタシリンダに液圧を発生させ得るようにするこ
とである。そして、第二ないし第四発明の共通の課題
は、第一発明のブースタ付きマスタシリンダに適した中
間液圧制御装置を得ることにある。具体的には、第二発
明の課題は、ブースタの助勢限界到達後におけるマスタ
シリンダ液圧の増大を容易にするために中間液圧シリン
ダを利用可能にすることであり、第三発明の課題は、任
意の時期に中間液圧シリンダに液圧を発生させ得るよう
にすることであり、第四発明の課題は、外部液圧源に無
用な負荷をかけることのない中間液圧制御装置を得るこ
とである。また、第五発明の課題は、第一ないし第四発
明のいずれかに係るブースタ付きマスタシリンダを備え
た液圧ブレーキシステムのコスト低減を図ることであ
る。
マスタシリンダにおいて、ブースタの入力側の部分の大
形化を回避しつつ、上述のように、マスタシリンダの液
圧を大きくし得、あるいはブレーキ操作が行われない状
態でマスタシリンダに液圧を発生させ得るようにするこ
とである。そして、第二ないし第四発明の共通の課題
は、第一発明のブースタ付きマスタシリンダに適した中
間液圧制御装置を得ることにある。具体的には、第二発
明の課題は、ブースタの助勢限界到達後におけるマスタ
シリンダ液圧の増大を容易にするために中間液圧シリン
ダを利用可能にすることであり、第三発明の課題は、任
意の時期に中間液圧シリンダに液圧を発生させ得るよう
にすることであり、第四発明の課題は、外部液圧源に無
用な負荷をかけることのない中間液圧制御装置を得るこ
とである。また、第五発明の課題は、第一ないし第四発
明のいずれかに係るブースタ付きマスタシリンダを備え
た液圧ブレーキシステムのコスト低減を図ることであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
上記第一発明の課題は、ブースタ付きマスタシリンダ
を、(a) ブースタ入力部材に加えられるブレーキ操作力
を倍力してブースタ出力部材から出力するブースタと、
(b) マスタシリンダ本体および加圧ピストンを有するマ
スタシリンダと、(c) マスタシリンダ本体と一体的な中
間シリンダ本体と、その中間シリンダ本体に液密かつ軸
方向に相対移動可能に嵌合されるとともに、前記ブース
タ出力部材と前記加圧ピストンとの間に、少なくともブ
ースタ出力部材の前進力を加圧ピストンに伝達可能に配
設された中間ピストンとを含み、その中間ピストンのブ
ースタ出力部材側の面と中間シリンダ本体との間に中間
液圧室を有する中間液圧シリンダと、(d) その中間液圧
シリンダの中間液圧室の液圧を、外部液圧源から供給さ
れる液圧により制御する中間液圧制御装置とを含むもの
とすることによって解決される。
上記第一発明の課題は、ブースタ付きマスタシリンダ
を、(a) ブースタ入力部材に加えられるブレーキ操作力
を倍力してブースタ出力部材から出力するブースタと、
(b) マスタシリンダ本体および加圧ピストンを有するマ
スタシリンダと、(c) マスタシリンダ本体と一体的な中
間シリンダ本体と、その中間シリンダ本体に液密かつ軸
方向に相対移動可能に嵌合されるとともに、前記ブース
タ出力部材と前記加圧ピストンとの間に、少なくともブ
ースタ出力部材の前進力を加圧ピストンに伝達可能に配
設された中間ピストンとを含み、その中間ピストンのブ
ースタ出力部材側の面と中間シリンダ本体との間に中間
液圧室を有する中間液圧シリンダと、(d) その中間液圧
シリンダの中間液圧室の液圧を、外部液圧源から供給さ
れる液圧により制御する中間液圧制御装置とを含むもの
とすることによって解決される。
【0007】ここで、中間液圧室の液圧は、中間液圧室
に外部液圧源から供給される作動液の流入と流出との少
なくとも一方を制御することにより制御し得る。また、
液圧は、ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合(ブ
レーキ操作力の大きさが0の場合)において制御される
ようにしても、ブレーキ操作部材が操作状態にある場合
(ブレーキ操作力の大きさが0より大きい場合)におい
て制御されるようにしてもよい。前者の場合は、例え
ば、自動ブレーキスイッチが操作された場合や、トラク
ション制御開始条件,ビークルスタビリティ制御開始条
件等の予め定められた条件が満たされた場合に制御され
るようにするのであり、後者の場合は、例えば、ブース
タが助勢限界に達した場合、緊急制動が行われたことが
検出された場合、坂道で停止していると検出された場合
等に制御されるようにしたり、ブレーキ操作力の大きさ
が0より大きい場合に常時制御されるようにしたりする
のである。
に外部液圧源から供給される作動液の流入と流出との少
なくとも一方を制御することにより制御し得る。また、
液圧は、ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合(ブ
レーキ操作力の大きさが0の場合)において制御される
ようにしても、ブレーキ操作部材が操作状態にある場合
(ブレーキ操作力の大きさが0より大きい場合)におい
て制御されるようにしてもよい。前者の場合は、例え
ば、自動ブレーキスイッチが操作された場合や、トラク
ション制御開始条件,ビークルスタビリティ制御開始条
件等の予め定められた条件が満たされた場合に制御され
るようにするのであり、後者の場合は、例えば、ブース
タが助勢限界に達した場合、緊急制動が行われたことが
検出された場合、坂道で停止していると検出された場合
等に制御されるようにしたり、ブレーキ操作力の大きさ
が0より大きい場合に常時制御されるようにしたりする
のである。
【0008】第一発明のブースタ付きマスタシリンダに
おいて、ブースタ出力部材からはブレーキ操作力がブー
スタにおいて倍力された力が出力され、そのブースタ出
力部材の前進力が中間ピストンを介してマスタシリンダ
の加圧ピストンに伝達される。また、中間液圧室の液圧
がブレーキ操作部材の操作状態において発生させられる
態様においては、中間液圧室に液圧が発生させられれば
中間ピストンに前進方向の力が作用し、加圧ピストンに
作用する力がその分大きくなる。ブースタ出力部材から
出力された力に中間液圧シリンダの作動力が付加されて
加圧ピストンに伝達されるのである。マスタシリンダの
液圧は、ブレーキ操作力が同じであれば、中間液圧シリ
ンダや従来の油圧シリンダが設けられていないブースタ
付きマスタシリンダにおける場合に比較して大きくな
る。一方、中間液圧室の液圧がブレーキ操作部材の非操
作状態において発生させられる態様においては、中間液
圧室に液圧が発生させられれば、中間ピストンの前進力
のみが加圧ピストンに伝達される。
おいて、ブースタ出力部材からはブレーキ操作力がブー
スタにおいて倍力された力が出力され、そのブースタ出
力部材の前進力が中間ピストンを介してマスタシリンダ
の加圧ピストンに伝達される。また、中間液圧室の液圧
がブレーキ操作部材の操作状態において発生させられる
態様においては、中間液圧室に液圧が発生させられれば
中間ピストンに前進方向の力が作用し、加圧ピストンに
作用する力がその分大きくなる。ブースタ出力部材から
出力された力に中間液圧シリンダの作動力が付加されて
加圧ピストンに伝達されるのである。マスタシリンダの
液圧は、ブレーキ操作力が同じであれば、中間液圧シリ
ンダや従来の油圧シリンダが設けられていないブースタ
付きマスタシリンダにおける場合に比較して大きくな
る。一方、中間液圧室の液圧がブレーキ操作部材の非操
作状態において発生させられる態様においては、中間液
圧室に液圧が発生させられれば、中間ピストンの前進力
のみが加圧ピストンに伝達される。
【0009】本ブースタ付きマスタシリンダにおいて
は、中間液圧ピストンはブースタのブースタ入力部材近
傍ではなく、ブースタとマスタシリンダとの間に設けら
れることになり、ブースタの入力側の部分の大形化を回
避することができる。その結果、ブースタ付きマスタシ
リンダの車体への取り付けが容易となり、また、車室側
へ突出する部分を小さくすることができる。さらに、中
間液圧シリンダの本体がマスタシリンダの本体と一体的
に設けられるため、その分、構成が簡単となり、かつ、
省スペースを図ることが可能となる。
は、中間液圧ピストンはブースタのブースタ入力部材近
傍ではなく、ブースタとマスタシリンダとの間に設けら
れることになり、ブースタの入力側の部分の大形化を回
避することができる。その結果、ブースタ付きマスタシ
リンダの車体への取り付けが容易となり、また、車室側
へ突出する部分を小さくすることができる。さらに、中
間液圧シリンダの本体がマスタシリンダの本体と一体的
に設けられるため、その分、構成が簡単となり、かつ、
省スペースを図ることが可能となる。
【0010】第二発明においては前記課題が、前記中間
液圧制御装置を、ほぼ前記ブースタの助勢限界において
前記中間液圧室に液圧を発生させない液圧不発生状態か
ら液圧を発生させる液圧発生状態に移行する助勢限界時
用中間液圧制御装置を含むものとすることにより解決さ
れる。この第二発明のブースタ付マスタシリンダにおい
ては、ブースタが助勢限界に達する以前はブレーキ操作
力がブースタにおいて倍力されてマスタシリンダに伝達
され、ブースタが助勢限界に達した後は、ブースタ出力
部材からの出力に加えて中間ピストンの作動力がマスタ
シリンダに伝達される。中間液圧シリンダがない場合に
は、ブースタが助勢限界に達した後は、マスタシリンダ
に伝達される力は、ブースタ入力部材に加えられるブレ
ーキ操作力の増大分のみ増大するに過ぎないのに対し、
本発明に係るブースタ付マスタシリンダにおいては、中
間液圧シリンダの作動力分増大するのである。ブースタ
を従来と同じにすれば、マスタシリンダに発生する液圧
の最大値を大きくすることができ、逆に、マスタシリン
ダの最大液圧を従来と同じにすれば、その分ブースタを
小形化することができる。この効果は、ブースタが気体
の正圧あるいは負圧で作動し、大形にせざるを得ない気
圧ブースタである場合に特に有効に享受し得る。
液圧制御装置を、ほぼ前記ブースタの助勢限界において
前記中間液圧室に液圧を発生させない液圧不発生状態か
ら液圧を発生させる液圧発生状態に移行する助勢限界時
用中間液圧制御装置を含むものとすることにより解決さ
れる。この第二発明のブースタ付マスタシリンダにおい
ては、ブースタが助勢限界に達する以前はブレーキ操作
力がブースタにおいて倍力されてマスタシリンダに伝達
され、ブースタが助勢限界に達した後は、ブースタ出力
部材からの出力に加えて中間ピストンの作動力がマスタ
シリンダに伝達される。中間液圧シリンダがない場合に
は、ブースタが助勢限界に達した後は、マスタシリンダ
に伝達される力は、ブースタ入力部材に加えられるブレ
ーキ操作力の増大分のみ増大するに過ぎないのに対し、
本発明に係るブースタ付マスタシリンダにおいては、中
間液圧シリンダの作動力分増大するのである。ブースタ
を従来と同じにすれば、マスタシリンダに発生する液圧
の最大値を大きくすることができ、逆に、マスタシリン
ダの最大液圧を従来と同じにすれば、その分ブースタを
小形化することができる。この効果は、ブースタが気体
の正圧あるいは負圧で作動し、大形にせざるを得ない気
圧ブースタである場合に特に有効に享受し得る。
【0011】第三発明においては前記課題が、前記中間
液圧制御装置を、前記中間液圧室に液圧を発生させない
液圧不発生状態から液圧を発生させる液圧発生状態に電
気信号に応じて移行する電気制御中間液圧制御装置を含
むものとすることにより解決される。本発明のブースタ
付マスタシリンダにおいては、電気信号により中間液圧
制御装置を制御することができるため、任意の時期に中
間液圧シリンダを作動させることができる。例えば、ブ
レーキ操作部材が操作されていない状態、すなわちブレ
ーキ操作力0の状態においても、ブースタが助勢限界に
達する以前においても、中間液圧シリンダを作動させる
ことができるのである。
液圧制御装置を、前記中間液圧室に液圧を発生させない
液圧不発生状態から液圧を発生させる液圧発生状態に電
気信号に応じて移行する電気制御中間液圧制御装置を含
むものとすることにより解決される。本発明のブースタ
付マスタシリンダにおいては、電気信号により中間液圧
制御装置を制御することができるため、任意の時期に中
間液圧シリンダを作動させることができる。例えば、ブ
レーキ操作部材が操作されていない状態、すなわちブレ
ーキ操作力0の状態においても、ブースタが助勢限界に
達する以前においても、中間液圧シリンダを作動させる
ことができるのである。
【0012】第四発明においては前記課題が、前記中間
液圧制御装置を、前記外部液圧源から前記中間液圧室に
供給される作動液の中間液圧室からの流出を抑制するこ
とにより中間液圧室に液圧を発生させる流出抑制装置を
含むものとすることにより解決される。流出抑制装置に
より中間液圧室からの作動液の流出が抑制されれば、中
間液圧室に液圧が発生し、中間液圧シリンダが作動させ
られる。中間液圧室には必要なだけの大きさの液圧が発
生させられるのであり、外部液圧源はその高さの液圧の
作動液を供給すればよい。作動液の中間液圧室への流入
を単独で、あるいは流入と流出とを共に制御することに
よっても中間液圧室の液圧を制御することが可能である
が、この場合には、中間液圧室への作動液の流入が抑制
あるいは禁止された際、外部液圧源は高い、あるいは最
高の液圧を供給する状態となるため、例えば液圧ポンプ
の吐出圧が高くなり、その液圧ポンプを駆動するモータ
等のアクチュエータに無用の負荷がかかることとなる。
それに対し、本発明に従えば、外部液圧源は中間液圧室
に必要な高さの液圧を供給すればよいのであり、無用な
負荷がかからず、外部液圧源におけるエネルギ節減,運
転騒音低減,耐久性向上等の効果が得られる。
液圧制御装置を、前記外部液圧源から前記中間液圧室に
供給される作動液の中間液圧室からの流出を抑制するこ
とにより中間液圧室に液圧を発生させる流出抑制装置を
含むものとすることにより解決される。流出抑制装置に
より中間液圧室からの作動液の流出が抑制されれば、中
間液圧室に液圧が発生し、中間液圧シリンダが作動させ
られる。中間液圧室には必要なだけの大きさの液圧が発
生させられるのであり、外部液圧源はその高さの液圧の
作動液を供給すればよい。作動液の中間液圧室への流入
を単独で、あるいは流入と流出とを共に制御することに
よっても中間液圧室の液圧を制御することが可能である
が、この場合には、中間液圧室への作動液の流入が抑制
あるいは禁止された際、外部液圧源は高い、あるいは最
高の液圧を供給する状態となるため、例えば液圧ポンプ
の吐出圧が高くなり、その液圧ポンプを駆動するモータ
等のアクチュエータに無用の負荷がかかることとなる。
それに対し、本発明に従えば、外部液圧源は中間液圧室
に必要な高さの液圧を供給すればよいのであり、無用な
負荷がかからず、外部液圧源におけるエネルギ節減,運
転騒音低減,耐久性向上等の効果が得られる。
【0013】前記第五課題は、液圧ブレーキシステム
を、前述の(a) ブースタ、(b) マスタシリンダおよび
(c) 中間液圧シリンダの他に、(1) マスタシリンダに主
液通路により接続されたホイールシリンダと、(2) その
ホイールシリンダにマスタシリンダと並列に接続された
第1液圧ポンプと、(3) その第1液圧ポンプと共通のモ
ータにより駆動される第2液圧ポンプと、(4) 主液通路
に設けられ、マスタシリンダと第1液圧ポンプとの少な
くとも一方の液圧により前記ホールシリンダの液圧を制
御するホイールシリンダ液圧制御装置と、(5) 中間液圧
シリンダの中間液圧室の液圧を、前記第2液圧ポンプか
ら供給される液圧により制御する中間液圧制御装置とを
含むものとすることによって解決される。
を、前述の(a) ブースタ、(b) マスタシリンダおよび
(c) 中間液圧シリンダの他に、(1) マスタシリンダに主
液通路により接続されたホイールシリンダと、(2) その
ホイールシリンダにマスタシリンダと並列に接続された
第1液圧ポンプと、(3) その第1液圧ポンプと共通のモ
ータにより駆動される第2液圧ポンプと、(4) 主液通路
に設けられ、マスタシリンダと第1液圧ポンプとの少な
くとも一方の液圧により前記ホールシリンダの液圧を制
御するホイールシリンダ液圧制御装置と、(5) 中間液圧
シリンダの中間液圧室の液圧を、前記第2液圧ポンプか
ら供給される液圧により制御する中間液圧制御装置とを
含むものとすることによって解決される。
【0014】本発明の液圧ブレーキシステムにおいて
は、中間液圧室の液圧が、第2液圧ポンプから供給され
る液圧により制御されるのであるが、その第2液圧ポン
プは第1液圧ポンプを駆動するモータにより駆動され
る。第1液圧ポンプはホイールシリンダに対してマスタ
シリンダと並列に設けられている。そのため、ホイール
シリンダには、第1液圧ポンプから吐出された作動液が
供給されたりマスタシリンダの作動液が供給されたりす
る。第1液圧ポンプは例えば、アンチスキッド制御,ト
ラクション制御,ビークルスタビリティ制御等のために
ホイールシリンダの液圧を制御すべく設けられた液圧ポ
ンプであり、アンチスキッド制御等が可能な液圧ブレー
キシステムには通常設けられているものである。したが
って、中間液圧室の液圧を制御する第2液圧ポンプが第
1液圧ポンプを駆動するモータで駆動されるようにすれ
ば、第2液圧ポンプ専用のモータを設ける必要がなくな
り、その分、コスト低減を図ることができる。
は、中間液圧室の液圧が、第2液圧ポンプから供給され
る液圧により制御されるのであるが、その第2液圧ポン
プは第1液圧ポンプを駆動するモータにより駆動され
る。第1液圧ポンプはホイールシリンダに対してマスタ
シリンダと並列に設けられている。そのため、ホイール
シリンダには、第1液圧ポンプから吐出された作動液が
供給されたりマスタシリンダの作動液が供給されたりす
る。第1液圧ポンプは例えば、アンチスキッド制御,ト
ラクション制御,ビークルスタビリティ制御等のために
ホイールシリンダの液圧を制御すべく設けられた液圧ポ
ンプであり、アンチスキッド制御等が可能な液圧ブレー
キシステムには通常設けられているものである。したが
って、中間液圧室の液圧を制御する第2液圧ポンプが第
1液圧ポンプを駆動するモータで駆動されるようにすれ
ば、第2液圧ポンプ専用のモータを設ける必要がなくな
り、その分、コスト低減を図ることができる。
【0015】
【発明の補足説明】本発明は、上記請求項に記載された
態様の他、以下の態様でも実施することができる。実施
の態様は、便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項とし
て記載する。 (1)ほぼ前記ブースタの助勢限界において前記流出抑
制装置を、流出を抑制しない非抑制状態から流出を抑制
する抑制状態に移行させる助勢限界時制御装置を含む請
求項4に記載のブースタ付マスタシリンダ。 (2)前記流出抑制装置を電気信号に応じて流出を抑制
する抑制状態と流出を抑制しない非抑制状態とに切り換
える流出抑制装置切換装置を含む請求項4または実施態
様項1に記載のブースタ付マスタシリンダ。 (3)前記中間液圧制御装置が、前記外部液圧源から中
間液圧室へ供給される作動液の流入を制御することによ
り中間液圧室の液圧を制御する流入制御装置を含む請求
項1ないし3のいずれか1つに記載のブースタ付きマス
タシリンダ。中間液圧室への作動液の流入が制御されれ
ば、中間液圧室の液圧が変化する。中間液圧室への作動
液の流入と中間液圧室からの作動液の流出との両方を制
御すれば、勿論中間液圧室の液圧を制御することができ
るが、例えば、中間液圧室からの作動液流出通路に絞り
を配設しておけば、中間液圧室への作動液の流入のみを
制御することによって中間液圧室の液圧を制御すること
ができる。 (4)前記助勢限界時用中間液圧制御装置が、前記中間
ピストンに形成され、前記中間液圧室の一部を成す反力
室に液密かつ軸方向に相対移動可能に嵌合され、反力室
の液圧を受ける反力ピストンと、反力室の液圧によって
反力ピストンに加えられる反力を前記ブースタ入力部材
に伝達する反力伝達部材と、前記反力ピストンと前記中
間ピストンとの間に設けられ、反力室から外部へ流出す
る作動液の流れを絞るとともに、絞り状態が反力ピスト
ンの中間ピストンに対する相対的な前進に応じて強くな
る可変絞り弁とを含み、常には前記反力伝達部材が前記
反力ピストンから離間して反力ピストンが後退限度位置
にあり、前記ブースタがほぼ助勢限界に達した状態で反
力伝達部材が反力ピストンに当接するようにされている
ことを特徴とする請求項2〜4項,実施態様項1〜3の
いずれか1つに記載のブースタ付マスタシリンダ。反力
ピストンは常には後退限度位置にあり、反力伝達部材は
反力ピストンから離間させられている。流出抑制装置
は、反力室からの作動液の流出を許容する非抑制状態に
ある。反力ピストンが中間ピストンに対して相対的に前
進させられると、それに伴って反力室から外部へ流出す
る作動液の流れが絞られ、反力室の液圧が大きくされ
る。また、助勢限界に達した後は、反力伝達部材は反力
ピストンに当接させられるため、その反力室の液圧は反
力伝達部材によりブースタ入力部材に伝達される。な
お、この可変絞り弁は、ブースタおよびマスタシリンダ
と直列に設けることも並列に設けることもできる。 (5)前記ブースタが、ブースタ入力部材のブースタ出
力部材に対する相対移動を予め定められた許容移動量に
制限する相対移動量制限手段を含み、前記助勢限界時用
中間液圧制御装置が、その許容移動量以上の相対移動が
生じた場合に前記反力ピストンに当接し、ブースタ入力
部材の前進に伴って前進する入力伝達部材を含む請求項
2〜5,実施態様項1〜4のいずれか1つに記載のブー
スタ付きマスタシリンダ。助勢限界に達した後に、入力
伝達部材が反力ピストンに当接させられ、反力ピストン
が中間シリンダに対して相対的に前進させられれば、そ
れに応じて反力室の液圧が増圧される。入力伝達部材は
反力伝達部材でもある。 (6)前記電気制御中間液圧制御装置が、前記中間液圧
室の液圧が設定液圧以下の状態では閉じており、設定液
圧を越えれば開くリリーフ弁と、そのリリーフ弁と並列
に設けられ、前記電気信号に基づいて開閉させられる電
磁開閉弁とを含む請求項3,4,実施態様項1〜5のい
ずれか1つに記載のブースタ付マスタシリンダ。電磁開
閉弁が閉状態に切り換えられれば、流出抑制状態に切り
換えられて中間液圧室の液圧は大きくなる。しかし、リ
リーフ弁が設けられているため、中間液圧室の液圧が設
定液圧を越えることはない。 (7)前記電気制御中間液圧制御装置が、前記電磁開閉
弁を、車両の走行状態が予め定められた条件を満たす場
合に開状態から閉状態に切り換える電磁開閉弁制御手段
を含む実施態様項6に記載のブースタ付きマスタシリン
ダ。予め定められた条件には、例えば、駆動スリップ状
態が過大になること等のトラクション制御開始条件、車
両がスピン傾向やドリフトアウト傾向にあること等のビ
ークルスタビリティ制御開始条件、坂道停車中であるこ
と等のヒルホルダ制御開始条件、車両が緊急制動状態に
あること等のブレーキアシスト制御開始条件等が含まれ
る。これら各条件の成立を検出する検出手段を設け、そ
の検出手段による検出に応じて電磁開閉弁制御手段が電
磁開閉弁を開状態から閉状態に切り換えるようにすれば
よいのである。 (8)前記中間ピストンの前記ブースタ出力部材からの
離間が許容されており、ブースタ出力部材が中間ピスト
ンへの当接により力を伝達する請求項1〜5,実施態様
項1〜7のいずれか1つに記載のブースタ付きマスタシ
リンダ。この実施態様によれば、中間ピストンが前進し
てもブースタ出力部材は前進する必要がなく、したがっ
て、ブースタ入力部材やブレーキ操作部材も移動する必
要がない。もし、中間ピストンのブースタ出力部材から
の離間が許容されておらず、かつ、ブースタ出力部材,
ブースタ入力部材,ブレーキ操作部材相互の離間も許容
されていなければ、ブレーキ操作部材が操作されていな
い状態で、中間液圧シリンダが作動させられた場合に、
ブースタ出力部材,ブースタ入力部材,ブレーキ操作部
材等が中間ピストンと共に移動することとなり、運転者
に違和感を与える不都合があるのであるが、本実施態様
によればこの不都合が回避できるのである。 (9)ブースタ入力部材に加えられるブレーキ操作力を
倍力して第1ブースタ出力部材から出力する第1ブース
タと、前記ブースタ入力部材に加えられるブレーキ操作
力を倍力して第2ブースタ出力部材から出力する第2ブ
ースタと、それら第1ブースタと第2ブースタとの出力
の和で作動するマスタシリンダとを含むブースタ付マス
タシリンダ。 (10)ほぼ前記第1ブースタの助勢限界到達時から前
記第2ブースタに倍力を開始させる第2ブースタ制御装
置を含む実施態様項9に記載のブースタ付マスタシリン
ダ。 (11)ブースタ入力部材に加えられるブレーキ操作力
を倍力してブースタ出力部材から出力するブースタと、
ブースタ出力部材に前進方向の力を付与する液圧シリン
ダと、前記ブースタ出力部材の出力と液圧シリンダの作
動力の和で作動する加圧ピストンを有するマスタシリン
ダとを含むブースタ付きマスタシリンダ。
態様の他、以下の態様でも実施することができる。実施
の態様は、便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項とし
て記載する。 (1)ほぼ前記ブースタの助勢限界において前記流出抑
制装置を、流出を抑制しない非抑制状態から流出を抑制
する抑制状態に移行させる助勢限界時制御装置を含む請
求項4に記載のブースタ付マスタシリンダ。 (2)前記流出抑制装置を電気信号に応じて流出を抑制
する抑制状態と流出を抑制しない非抑制状態とに切り換
える流出抑制装置切換装置を含む請求項4または実施態
様項1に記載のブースタ付マスタシリンダ。 (3)前記中間液圧制御装置が、前記外部液圧源から中
間液圧室へ供給される作動液の流入を制御することによ
り中間液圧室の液圧を制御する流入制御装置を含む請求
項1ないし3のいずれか1つに記載のブースタ付きマス
タシリンダ。中間液圧室への作動液の流入が制御されれ
ば、中間液圧室の液圧が変化する。中間液圧室への作動
液の流入と中間液圧室からの作動液の流出との両方を制
御すれば、勿論中間液圧室の液圧を制御することができ
るが、例えば、中間液圧室からの作動液流出通路に絞り
を配設しておけば、中間液圧室への作動液の流入のみを
制御することによって中間液圧室の液圧を制御すること
ができる。 (4)前記助勢限界時用中間液圧制御装置が、前記中間
ピストンに形成され、前記中間液圧室の一部を成す反力
室に液密かつ軸方向に相対移動可能に嵌合され、反力室
の液圧を受ける反力ピストンと、反力室の液圧によって
反力ピストンに加えられる反力を前記ブースタ入力部材
に伝達する反力伝達部材と、前記反力ピストンと前記中
間ピストンとの間に設けられ、反力室から外部へ流出す
る作動液の流れを絞るとともに、絞り状態が反力ピスト
ンの中間ピストンに対する相対的な前進に応じて強くな
る可変絞り弁とを含み、常には前記反力伝達部材が前記
反力ピストンから離間して反力ピストンが後退限度位置
にあり、前記ブースタがほぼ助勢限界に達した状態で反
力伝達部材が反力ピストンに当接するようにされている
ことを特徴とする請求項2〜4項,実施態様項1〜3の
いずれか1つに記載のブースタ付マスタシリンダ。反力
ピストンは常には後退限度位置にあり、反力伝達部材は
反力ピストンから離間させられている。流出抑制装置
は、反力室からの作動液の流出を許容する非抑制状態に
ある。反力ピストンが中間ピストンに対して相対的に前
進させられると、それに伴って反力室から外部へ流出す
る作動液の流れが絞られ、反力室の液圧が大きくされ
る。また、助勢限界に達した後は、反力伝達部材は反力
ピストンに当接させられるため、その反力室の液圧は反
力伝達部材によりブースタ入力部材に伝達される。な
お、この可変絞り弁は、ブースタおよびマスタシリンダ
と直列に設けることも並列に設けることもできる。 (5)前記ブースタが、ブースタ入力部材のブースタ出
力部材に対する相対移動を予め定められた許容移動量に
制限する相対移動量制限手段を含み、前記助勢限界時用
中間液圧制御装置が、その許容移動量以上の相対移動が
生じた場合に前記反力ピストンに当接し、ブースタ入力
部材の前進に伴って前進する入力伝達部材を含む請求項
2〜5,実施態様項1〜4のいずれか1つに記載のブー
スタ付きマスタシリンダ。助勢限界に達した後に、入力
伝達部材が反力ピストンに当接させられ、反力ピストン
が中間シリンダに対して相対的に前進させられれば、そ
れに応じて反力室の液圧が増圧される。入力伝達部材は
反力伝達部材でもある。 (6)前記電気制御中間液圧制御装置が、前記中間液圧
室の液圧が設定液圧以下の状態では閉じており、設定液
圧を越えれば開くリリーフ弁と、そのリリーフ弁と並列
に設けられ、前記電気信号に基づいて開閉させられる電
磁開閉弁とを含む請求項3,4,実施態様項1〜5のい
ずれか1つに記載のブースタ付マスタシリンダ。電磁開
閉弁が閉状態に切り換えられれば、流出抑制状態に切り
換えられて中間液圧室の液圧は大きくなる。しかし、リ
リーフ弁が設けられているため、中間液圧室の液圧が設
定液圧を越えることはない。 (7)前記電気制御中間液圧制御装置が、前記電磁開閉
弁を、車両の走行状態が予め定められた条件を満たす場
合に開状態から閉状態に切り換える電磁開閉弁制御手段
を含む実施態様項6に記載のブースタ付きマスタシリン
ダ。予め定められた条件には、例えば、駆動スリップ状
態が過大になること等のトラクション制御開始条件、車
両がスピン傾向やドリフトアウト傾向にあること等のビ
ークルスタビリティ制御開始条件、坂道停車中であるこ
と等のヒルホルダ制御開始条件、車両が緊急制動状態に
あること等のブレーキアシスト制御開始条件等が含まれ
る。これら各条件の成立を検出する検出手段を設け、そ
の検出手段による検出に応じて電磁開閉弁制御手段が電
磁開閉弁を開状態から閉状態に切り換えるようにすれば
よいのである。 (8)前記中間ピストンの前記ブースタ出力部材からの
離間が許容されており、ブースタ出力部材が中間ピスト
ンへの当接により力を伝達する請求項1〜5,実施態様
項1〜7のいずれか1つに記載のブースタ付きマスタシ
リンダ。この実施態様によれば、中間ピストンが前進し
てもブースタ出力部材は前進する必要がなく、したがっ
て、ブースタ入力部材やブレーキ操作部材も移動する必
要がない。もし、中間ピストンのブースタ出力部材から
の離間が許容されておらず、かつ、ブースタ出力部材,
ブースタ入力部材,ブレーキ操作部材相互の離間も許容
されていなければ、ブレーキ操作部材が操作されていな
い状態で、中間液圧シリンダが作動させられた場合に、
ブースタ出力部材,ブースタ入力部材,ブレーキ操作部
材等が中間ピストンと共に移動することとなり、運転者
に違和感を与える不都合があるのであるが、本実施態様
によればこの不都合が回避できるのである。 (9)ブースタ入力部材に加えられるブレーキ操作力を
倍力して第1ブースタ出力部材から出力する第1ブース
タと、前記ブースタ入力部材に加えられるブレーキ操作
力を倍力して第2ブースタ出力部材から出力する第2ブ
ースタと、それら第1ブースタと第2ブースタとの出力
の和で作動するマスタシリンダとを含むブースタ付マス
タシリンダ。 (10)ほぼ前記第1ブースタの助勢限界到達時から前
記第2ブースタに倍力を開始させる第2ブースタ制御装
置を含む実施態様項9に記載のブースタ付マスタシリン
ダ。 (11)ブースタ入力部材に加えられるブレーキ操作力
を倍力してブースタ出力部材から出力するブースタと、
ブースタ出力部材に前進方向の力を付与する液圧シリン
ダと、前記ブースタ出力部材の出力と液圧シリンダの作
動力の和で作動する加圧ピストンを有するマスタシリン
ダとを含むブースタ付きマスタシリンダ。
【0016】
【発明の実施の形態】第一ないし第四発明に共通の一実
施形態であるブースタ付きマスタシリンダを備えた液圧
ブレーキシステムを図面に基づいて詳細に説明する。こ
の液圧ブレーキシステムは、第五発明の一実施形態でも
ある。図2において、10はブレーキ操作部材としての
ブレーキペダルであり、12はバキュームブースタ(以
下、単にブースタと略称する)であり、14はマスタシ
リンダである。マスタシリンダ14は、本体15内に2
つの加圧ピストン16,18を備えたものであり、一方
の加圧ピストン16の前方(図の左方)の加圧室20に
発生させられた液圧が右後輪のホイールシリンダ22お
よび左前輪のホイールシリンダ23に供給され、他方の
加圧ピストン18の前方の加圧室25に発生させられた
液圧が左後輪のホイールシリンダ27,右前輪のホイー
ルシリンダ28にそれぞれ供給される。
施形態であるブースタ付きマスタシリンダを備えた液圧
ブレーキシステムを図面に基づいて詳細に説明する。こ
の液圧ブレーキシステムは、第五発明の一実施形態でも
ある。図2において、10はブレーキ操作部材としての
ブレーキペダルであり、12はバキュームブースタ(以
下、単にブースタと略称する)であり、14はマスタシ
リンダである。マスタシリンダ14は、本体15内に2
つの加圧ピストン16,18を備えたものであり、一方
の加圧ピストン16の前方(図の左方)の加圧室20に
発生させられた液圧が右後輪のホイールシリンダ22お
よび左前輪のホイールシリンダ23に供給され、他方の
加圧ピストン18の前方の加圧室25に発生させられた
液圧が左後輪のホイールシリンダ27,右前輪のホイー
ルシリンダ28にそれぞれ供給される。
【0017】加圧室20とホイールシリンダ22とを接
続する主液通路30の途中には、主液通路30を連通状
態と遮断状態とに切り換え可能な増圧弁32が設けら
れ、ホイールシリンダ22とリザーバ34とを接続する
減圧通路36の途中には減圧弁38が設けられている。
そして、リザーバ34から延び出させられたリザーバ通
路40の途中には第1液圧ポンプ42が設けられ、第1
液圧ポンプ42から吐出された作動液はマスタシリンダ
14に戻されたり、ホイールシリンダ22に供給された
りする。換言すれば、ホイールシリンダ22には、マス
タシリンダ14の作動液が供給されたり、第1液圧ポン
プ42から吐出された作動液が供給されたりするのであ
り、第1液圧ポンプ42はマスタシリンダ14と並列に
ホイールシリンダ22に接続されることになる。第1液
圧ポンプ42は、モータ44により駆動される。ホイー
ルシリンダ23についても同様に、増圧弁46,減圧弁
47が設けられ、マスタシリンダ14の作動液が供給さ
れたり、第1液圧ポンプ42から吐出された作動液が供
給されたりする。
続する主液通路30の途中には、主液通路30を連通状
態と遮断状態とに切り換え可能な増圧弁32が設けら
れ、ホイールシリンダ22とリザーバ34とを接続する
減圧通路36の途中には減圧弁38が設けられている。
そして、リザーバ34から延び出させられたリザーバ通
路40の途中には第1液圧ポンプ42が設けられ、第1
液圧ポンプ42から吐出された作動液はマスタシリンダ
14に戻されたり、ホイールシリンダ22に供給された
りする。換言すれば、ホイールシリンダ22には、マス
タシリンダ14の作動液が供給されたり、第1液圧ポン
プ42から吐出された作動液が供給されたりするのであ
り、第1液圧ポンプ42はマスタシリンダ14と並列に
ホイールシリンダ22に接続されることになる。第1液
圧ポンプ42は、モータ44により駆動される。ホイー
ルシリンダ23についても同様に、増圧弁46,減圧弁
47が設けられ、マスタシリンダ14の作動液が供給さ
れたり、第1液圧ポンプ42から吐出された作動液が供
給されたりする。
【0018】加圧室25に接続されているホイールシリ
ンダ27,28についても同様に、それぞれ増圧弁5
0,51,減圧弁52,53が設けられると共に、リザ
ーバ54が設けられている。リザーバ54の作動液は第
1液圧ポンプ56により汲み上げられてマスタシリンダ
14に戻されたり、ホイールシリンダ27,28に供給
されたりする。この第1液圧ポンプ56も上述のモータ
44により駆動される。
ンダ27,28についても同様に、それぞれ増圧弁5
0,51,減圧弁52,53が設けられると共に、リザ
ーバ54が設けられている。リザーバ54の作動液は第
1液圧ポンプ56により汲み上げられてマスタシリンダ
14に戻されたり、ホイールシリンダ27,28に供給
されたりする。この第1液圧ポンプ56も上述のモータ
44により駆動される。
【0019】これら増圧弁32,46,50,51,減
圧弁38,47,52,53は、後述する制御装置60
の指令に基づき、アンチスキッド制御時、トラクション
制御時、ビークルスタビリティ制御時等に連通状態と遮
断状態とにそれぞれ切り換えられる。これらの制御につ
いてはよく知られたものであるため、説明を省略する。
圧弁38,47,52,53は、後述する制御装置60
の指令に基づき、アンチスキッド制御時、トラクション
制御時、ビークルスタビリティ制御時等に連通状態と遮
断状態とにそれぞれ切り換えられる。これらの制御につ
いてはよく知られたものであるため、説明を省略する。
【0020】ブースタ12は、ブレーキペダル10に連
結されたブースタ入力部材としての入力ロッド70,ブ
ースタ出力部材としての出力ロッド72,シェル型のハ
ウジング74,ダイヤフラム式のパワーピストン76等
を備えたものであり、ブースタ12においては、ブレー
キペダル10を介して入力ロッド70に加えられた踏力
が倍力されて出力ロッド72から出力される。パワーピ
ストン76は、それの本体78に固定されたダイヤフラ
ムプレート80およびダイヤフラムゴム82等を含むも
のであり、ダイヤフラムゴム82によって前記ハウジン
グ74の内部が2つの圧力室84,86に分けられてい
る。一方の圧力室84は、管継手88を介してエンジン
のインティークマニホールド,バキューム液圧ポンプ等
の真空源に接続され常時負圧とされる。このため、以
下、負圧室84と称する。他方の圧力室86は、大気に
連通させられたり、負圧室84に連通させられたり、大
気からも負圧室84からも遮断されたりする。このよう
に圧力室86の圧力は変化させられるため、以下、変圧
室86と称する。パワーピストン76は、負圧室84に
配設されたリターンスプリング90によって後方(図の
右方)に付勢されている。
結されたブースタ入力部材としての入力ロッド70,ブ
ースタ出力部材としての出力ロッド72,シェル型のハ
ウジング74,ダイヤフラム式のパワーピストン76等
を備えたものであり、ブースタ12においては、ブレー
キペダル10を介して入力ロッド70に加えられた踏力
が倍力されて出力ロッド72から出力される。パワーピ
ストン76は、それの本体78に固定されたダイヤフラ
ムプレート80およびダイヤフラムゴム82等を含むも
のであり、ダイヤフラムゴム82によって前記ハウジン
グ74の内部が2つの圧力室84,86に分けられてい
る。一方の圧力室84は、管継手88を介してエンジン
のインティークマニホールド,バキューム液圧ポンプ等
の真空源に接続され常時負圧とされる。このため、以
下、負圧室84と称する。他方の圧力室86は、大気に
連通させられたり、負圧室84に連通させられたり、大
気からも負圧室84からも遮断されたりする。このよう
に圧力室86の圧力は変化させられるため、以下、変圧
室86と称する。パワーピストン76は、負圧室84に
配設されたリターンスプリング90によって後方(図の
右方)に付勢されている。
【0021】パワーピストン76の本体78には、軸方
向に相対移動可能にバルブプランジャ92が嵌合されて
いる。バルブプランジャ92には入力ロッド70が連結
され、ブレーキペダル10が踏み込まれると、入力ロッ
ド70およびバルブプランジャ72が本体78に対して
相対的に前進させられるようになっている。バルブプラ
ンジャ92の前進端および後退端は、ストッパキー94
によって規定される。ストッパキー94は、ストッパプ
レート96によって抜け出しが防止されている。本体7
8には、また、負圧室84と変圧室86とを連通させる
連通路98と、変圧室86と大気とを連通させる図示し
ない連通路とが形成されるとともに、これら変圧室8
6,負圧室84,大気の間の連通状態を制御する制御弁
100が設けられている。
向に相対移動可能にバルブプランジャ92が嵌合されて
いる。バルブプランジャ92には入力ロッド70が連結
され、ブレーキペダル10が踏み込まれると、入力ロッ
ド70およびバルブプランジャ72が本体78に対して
相対的に前進させられるようになっている。バルブプラ
ンジャ92の前進端および後退端は、ストッパキー94
によって規定される。ストッパキー94は、ストッパプ
レート96によって抜け出しが防止されている。本体7
8には、また、負圧室84と変圧室86とを連通させる
連通路98と、変圧室86と大気とを連通させる図示し
ない連通路とが形成されるとともに、これら変圧室8
6,負圧室84,大気の間の連通状態を制御する制御弁
100が設けられている。
【0022】制御弁100は、常には、図示するよう
に、本体78の弁座102とバルブエレメント104と
が離間させられ、バルブプランジャ92の弁座105と
バルブエレメント104とが当接させられる状態にあ
り、連通路98が連通状態にある。変圧室86および負
圧室84が互いに連通させられ、共に、負圧にある。こ
の状態が出力減少状態である。入力ロッド70の前進に
伴い、バルブプランジャ92が本体78に対して相対的
に前進させられると、バルブエレメント104が本体7
8の弁座102に当接させられ、変圧室86が負圧室8
4からも大気からも遮断されることになり、出力保持状
態となる。さらに、前進させられると、バルブプランジ
ャ92の弁座105がバルブエレメント104から離間
させられるため、変圧室86が大気に連通させられると
ともに、負圧室84から遮断され、出力増大状態とな
る。
に、本体78の弁座102とバルブエレメント104と
が離間させられ、バルブプランジャ92の弁座105と
バルブエレメント104とが当接させられる状態にあ
り、連通路98が連通状態にある。変圧室86および負
圧室84が互いに連通させられ、共に、負圧にある。こ
の状態が出力減少状態である。入力ロッド70の前進に
伴い、バルブプランジャ92が本体78に対して相対的
に前進させられると、バルブエレメント104が本体7
8の弁座102に当接させられ、変圧室86が負圧室8
4からも大気からも遮断されることになり、出力保持状
態となる。さらに、前進させられると、バルブプランジ
ャ92の弁座105がバルブエレメント104から離間
させられるため、変圧室86が大気に連通させられると
ともに、負圧室84から遮断され、出力増大状態とな
る。
【0023】パワーピストン76の本体78の前部に
は、中継機構110が設けられている。中継機構110
は、前記バルブプランジャ92と、倍力率調整部材11
2と、リアクションディスク114とを備えたものであ
る。リアクションディスク114は、本体78に前記出
力ロッド72を介して嵌合されており、バルブプランジ
ャ92と本体78との微小な相対移動を許容しつつ、こ
れら両方からそれぞれ加えられる力の合力を出力ロッド
72に伝達するものである。また、その反力が、バルブ
プランジャ92を介してブレーキペダル10に伝達され
るため、バルブプランジャ92はブースタ12における
反力ピストンでもある。
は、中継機構110が設けられている。中継機構110
は、前記バルブプランジャ92と、倍力率調整部材11
2と、リアクションディスク114とを備えたものであ
る。リアクションディスク114は、本体78に前記出
力ロッド72を介して嵌合されており、バルブプランジ
ャ92と本体78との微小な相対移動を許容しつつ、こ
れら両方からそれぞれ加えられる力の合力を出力ロッド
72に伝達するものである。また、その反力が、バルブ
プランジャ92を介してブレーキペダル10に伝達され
るため、バルブプランジャ92はブースタ12における
反力ピストンでもある。
【0024】上記倍力率調整部材112の前面は半球状
とされている。後述するが、ブースタ12における倍力
率は、リアクションディスク114の出力部材との当接
面の面積{(D2 2−DR 2 )×π/4}の入力部材との
当接面の面積{(D1 2−DR 2 )×π/4}に対する比
率{(D2 2−DR 2 )/(D1 2−DR 2 )}となるが、
ここでは、リアクションディスク114に当接する倍力
率調整部材112の前面が半球状であるため、当接面の
面積は常に一定ではなく、ブレーキ操作力に応じて変わ
ってくる。すなわち、ブレーキ操作力が大きくなると大
きくなり、倍力率{(D2 2−DR 2 )/(D1 2−
DR 2 )}が小さくなるのである。ただし、この現象は
入力初期段階において生じ、ブレーキ操作力が増加して
くると、入力部材はリアクションディスク114に全面
において当接するため、倍力率も一定となる。したがっ
て、ブレーキ操作力に対するマスタシリンダ液圧(ブー
スタ出力)の特性は、図3に示すように、入力初期にお
いては曲線的に変化するが、その後は、直線的に変化す
ることになる。また、出力ロッド72には軸方向に延び
る貫通穴116が形成され、その貫通穴116には、後
述する踏力伝達ロッド118が出力ロッド72に対して
相対移動可能に配設されている。踏力伝達ロッド118
の一端部は、前記倍力率調整部材112において固定さ
れてブレーキペダル10に連結されており、他端部は、
出力ロッド72の先端から突出させられている。倍力率
調整部材112は、踏力伝達ロッド118を保持する保
持部材でもある。なお、踏力伝達ロッド118は、倍力
率調整部材112に必ずしも固定されていなくても相対
移動可能に保持されているだけであってもよい。
とされている。後述するが、ブースタ12における倍力
率は、リアクションディスク114の出力部材との当接
面の面積{(D2 2−DR 2 )×π/4}の入力部材との
当接面の面積{(D1 2−DR 2 )×π/4}に対する比
率{(D2 2−DR 2 )/(D1 2−DR 2 )}となるが、
ここでは、リアクションディスク114に当接する倍力
率調整部材112の前面が半球状であるため、当接面の
面積は常に一定ではなく、ブレーキ操作力に応じて変わ
ってくる。すなわち、ブレーキ操作力が大きくなると大
きくなり、倍力率{(D2 2−DR 2 )/(D1 2−
DR 2 )}が小さくなるのである。ただし、この現象は
入力初期段階において生じ、ブレーキ操作力が増加して
くると、入力部材はリアクションディスク114に全面
において当接するため、倍力率も一定となる。したがっ
て、ブレーキ操作力に対するマスタシリンダ液圧(ブー
スタ出力)の特性は、図3に示すように、入力初期にお
いては曲線的に変化するが、その後は、直線的に変化す
ることになる。また、出力ロッド72には軸方向に延び
る貫通穴116が形成され、その貫通穴116には、後
述する踏力伝達ロッド118が出力ロッド72に対して
相対移動可能に配設されている。踏力伝達ロッド118
の一端部は、前記倍力率調整部材112において固定さ
れてブレーキペダル10に連結されており、他端部は、
出力ロッド72の先端から突出させられている。倍力率
調整部材112は、踏力伝達ロッド118を保持する保
持部材でもある。なお、踏力伝達ロッド118は、倍力
率調整部材112に必ずしも固定されていなくても相対
移動可能に保持されているだけであってもよい。
【0025】前記出力ロッド72と加圧ピストン18と
の間には中間ピストン126が設けられ、マスタシリン
ダ14の本体15と一体的な中間シリンダの本体128
に対して液密かつ軸方向に相対移動可能に嵌合されてい
る。これら本体128,中間ピストン126等により中
間液圧シリンダ130が構成される。中間液圧シリンダ
130の本体128がマスタシリンダの本体15と一体
的に設けられるため、中間液圧シリンダ130を設ける
ためのスペースが少なくて済む。前記出力ロッド72
は、前記中間ピストン126に設けられた係合穴132
に係合させられているため、中間ピストン126は、出
力ロッド72の前進に伴って前進させられることにな
る。出力ロッド72は、中間ピストン126に固定され
ているわけではなく離間することが許容された状態にあ
り、出力ロッド72が中間ピストン126に当接するこ
とにより力が伝達されるのである。
の間には中間ピストン126が設けられ、マスタシリン
ダ14の本体15と一体的な中間シリンダの本体128
に対して液密かつ軸方向に相対移動可能に嵌合されてい
る。これら本体128,中間ピストン126等により中
間液圧シリンダ130が構成される。中間液圧シリンダ
130の本体128がマスタシリンダの本体15と一体
的に設けられるため、中間液圧シリンダ130を設ける
ためのスペースが少なくて済む。前記出力ロッド72
は、前記中間ピストン126に設けられた係合穴132
に係合させられているため、中間ピストン126は、出
力ロッド72の前進に伴って前進させられることにな
る。出力ロッド72は、中間ピストン126に固定され
ているわけではなく離間することが許容された状態にあ
り、出力ロッド72が中間ピストン126に当接するこ
とにより力が伝達されるのである。
【0026】また、図1に示すように、中間ピストン1
26の出力ロッド72側の面134と本体128との間
が中間液圧室としての第1液圧室142とされている。
第1液圧室142には液通路144を介して、マスタリ
ザーバ146から延び出させられた液通路148が接続
されている。液通路148の途中には、第2液圧ポンプ
150が設けられているが、この第2液圧ポンプ150
は前記第1液圧ポンプ42,56を駆動するモータ44
により駆動されるものである。第1液圧室142には、
第2液圧ポンプ150によって加圧された作動液が供給
される。これら第2液圧ポンプ150,マスタリザーバ
146およびモータ44等により外部液圧源が構成され
ることになる。
26の出力ロッド72側の面134と本体128との間
が中間液圧室としての第1液圧室142とされている。
第1液圧室142には液通路144を介して、マスタリ
ザーバ146から延び出させられた液通路148が接続
されている。液通路148の途中には、第2液圧ポンプ
150が設けられているが、この第2液圧ポンプ150
は前記第1液圧ポンプ42,56を駆動するモータ44
により駆動されるものである。第1液圧室142には、
第2液圧ポンプ150によって加圧された作動液が供給
される。これら第2液圧ポンプ150,マスタリザーバ
146およびモータ44等により外部液圧源が構成され
ることになる。
【0027】それに対して、中間ピストン126には、
助勢限界時用中間液圧制御装置154が設けられてい
る。助勢限界時用中間液圧制御装置154は、前記踏力
伝達ロッド118,反力ピストン156,絞り弁部材1
58等を備えたものであり、反力ピストン156は、中
間ピストン126の内部に形成された第2液圧室159
に液密かつ相対移動可能に嵌合され、絞り弁部材158
は、反力ピストン156に保持されている。第2液圧室
159は、液通路を介して第1液圧室142に連通させ
られ、反力室とされている。第2液圧室159は、それ
の前面において、前記マスタリザーバ146に液通路1
60を介して接続されている。液通路160の前記第2
液圧室159への開口に対向して、絞り弁部材158が
配設されている。したがって、絞り弁部材158が開口
により接近すれば、第2液圧室159からの作動液の流
出がより抑制され、第1,第2液圧室142,159の
液圧がより大きくされる。このように、本実施形態にお
いては、第2液圧室159からの作動液の流出が抑制さ
れることにより第1,第2液圧室142,159に液圧
が発生させられるようにされているのである。この絞り
弁部材158,開口等により可変絞り弁166が構成さ
れる。
助勢限界時用中間液圧制御装置154が設けられてい
る。助勢限界時用中間液圧制御装置154は、前記踏力
伝達ロッド118,反力ピストン156,絞り弁部材1
58等を備えたものであり、反力ピストン156は、中
間ピストン126の内部に形成された第2液圧室159
に液密かつ相対移動可能に嵌合され、絞り弁部材158
は、反力ピストン156に保持されている。第2液圧室
159は、液通路を介して第1液圧室142に連通させ
られ、反力室とされている。第2液圧室159は、それ
の前面において、前記マスタリザーバ146に液通路1
60を介して接続されている。液通路160の前記第2
液圧室159への開口に対向して、絞り弁部材158が
配設されている。したがって、絞り弁部材158が開口
により接近すれば、第2液圧室159からの作動液の流
出がより抑制され、第1,第2液圧室142,159の
液圧がより大きくされる。このように、本実施形態にお
いては、第2液圧室159からの作動液の流出が抑制さ
れることにより第1,第2液圧室142,159に液圧
が発生させられるようにされているのである。この絞り
弁部材158,開口等により可変絞り弁166が構成さ
れる。
【0028】また、第2液圧室159には、前記反力ピ
ストン156を後退方向に付勢するスプリング170が
配設されるとともに、前記反力ピストン156と絞り弁
部材158との間にはスプリング172が設けられてい
る。スプリング172は、絞り弁部材158が開口周辺
の開口壁164に当接してもなおブレーキペダル10が
踏み込まれた場合に、絞り弁部材158に過剰な力がか
かるのを回避するために設けられたものであり、絞り弁
部材158が開口壁164に当接した後には、反力ピス
トン156のみがスプリング172の付勢力に抗して前
進させられることになる。
ストン156を後退方向に付勢するスプリング170が
配設されるとともに、前記反力ピストン156と絞り弁
部材158との間にはスプリング172が設けられてい
る。スプリング172は、絞り弁部材158が開口周辺
の開口壁164に当接してもなおブレーキペダル10が
踏み込まれた場合に、絞り弁部材158に過剰な力がか
かるのを回避するために設けられたものであり、絞り弁
部材158が開口壁164に当接した後には、反力ピス
トン156のみがスプリング172の付勢力に抗して前
進させられることになる。
【0029】反力ピストン156の後面には、踏力伝達
ロッド118の先端が長さs1 を隔てて臨まされてい
る。この長さs1 は、ブースタ12における入力ロッド
70の出力ロッド72に対する許容相対移動量にほぼ対
応する大きさであり、ブースタ12におけるバルブプラ
ンジャ92の本体78に対する許容相対移動量s2 より
短くされている。したがって、ブレーキペダル10が許
容相対移動量以上踏み込まれれば、踏力伝達ロッド11
8の先端が反力ピストン156の後面に当接させられる
が、それより先に、バルブプランジャ92が本体78に
当接させられることはない。このように、踏力伝達ロッ
ド118は、ブースタ12において助勢限界に達し、パ
ワーピストン76が前進端位置まで前進させられた後
に、さらに、ブレーキペダル10が踏み込まれた場合
に、その踏力を伝達するものなのである。なお、踏力伝
達ロッド118が反力ピストン156に当接させられて
いる状態においては、第2液圧室159の液圧は、反力
ピストン156,踏力伝達ロッド118,入力ロッド7
0を介してブレーキペダル10に伝達されるため、踏力
伝達ロッド118は反力伝達部材と称することが可能と
なる。
ロッド118の先端が長さs1 を隔てて臨まされてい
る。この長さs1 は、ブースタ12における入力ロッド
70の出力ロッド72に対する許容相対移動量にほぼ対
応する大きさであり、ブースタ12におけるバルブプラ
ンジャ92の本体78に対する許容相対移動量s2 より
短くされている。したがって、ブレーキペダル10が許
容相対移動量以上踏み込まれれば、踏力伝達ロッド11
8の先端が反力ピストン156の後面に当接させられる
が、それより先に、バルブプランジャ92が本体78に
当接させられることはない。このように、踏力伝達ロッ
ド118は、ブースタ12において助勢限界に達し、パ
ワーピストン76が前進端位置まで前進させられた後
に、さらに、ブレーキペダル10が踏み込まれた場合
に、その踏力を伝達するものなのである。なお、踏力伝
達ロッド118が反力ピストン156に当接させられて
いる状態においては、第2液圧室159の液圧は、反力
ピストン156,踏力伝達ロッド118,入力ロッド7
0を介してブレーキペダル10に伝達されるため、踏力
伝達ロッド118は反力伝達部材と称することが可能と
なる。
【0030】前記液通路160の途中には、電気制御中
間液圧制御装置180が設けられている。電気制御中間
液圧制御装置180は、電磁開閉弁182とリリーフ弁
184とを含むものであり、これらが並列に設けられて
いる。常には、図示する原位置にあり、電磁開閉弁18
2は連通状態にあるが、予め定められた条件が満たされ
た場合には遮断状態に切り換えられる。すなわち、トラ
クション制御開始条件、ビークルスタビリティ制御開始
条件、ヒルホルダ制御開始条件,ブレーキアシスト制御
開始条件が満たされた場合、自動ブレーキスイッチ19
0が操作された場合等に遮断状態に切り換えられるので
ある。また、リリーフ弁184が設けられているため、
第1,第2液圧室142,159の液圧が設定圧以上に
なることが回避される。
間液圧制御装置180が設けられている。電気制御中間
液圧制御装置180は、電磁開閉弁182とリリーフ弁
184とを含むものであり、これらが並列に設けられて
いる。常には、図示する原位置にあり、電磁開閉弁18
2は連通状態にあるが、予め定められた条件が満たされ
た場合には遮断状態に切り換えられる。すなわち、トラ
クション制御開始条件、ビークルスタビリティ制御開始
条件、ヒルホルダ制御開始条件,ブレーキアシスト制御
開始条件が満たされた場合、自動ブレーキスイッチ19
0が操作された場合等に遮断状態に切り換えられるので
ある。また、リリーフ弁184が設けられているため、
第1,第2液圧室142,159の液圧が設定圧以上に
なることが回避される。
【0031】前記制御装置60は、コンピュータを主体
とするものであり、入力部には、前記自動ブレーキスイ
ッチ190,ブレーキペダル10が踏み込まれたことを
検出するブレーキスイッチ200,図示しない左右前後
輪の回転速度を検出する車輪速センサ202〜205,
当該液圧ブレーキシステムが搭載された車両の加速度を
検出する加速度センサ206,加圧室25の液圧を検出
する液圧センサ207等が接続されている。ブレーキス
イッチ200,加速度センサ206の出力信号に基づい
て、車両が坂道で停止中か否かが検出され、液圧センサ
207の出力信号に基づいて、ブレーキペダル10の踏
込速度が検出される。加圧室25の液圧の増圧勾配に基
づいてブレーキペダル10の踏込速度が推定されるので
ある。出力部には、各増圧弁32,46,50,51,
減圧弁38,47,52,53および電磁開閉弁182
の各ソレノイド,モータ44等が駆動回路を介して接続
されている。また、モータ44は、ブレーキスイッチ2
00によりブレーキペダル10が踏み込まれていること
が検出されている間、自動ブレーキスイッチ190が操
作されたことが検出された場合、トラクション制御開始
条件,ビークルスタビリティ制御開始条件が満たされた
場合等に駆動される。
とするものであり、入力部には、前記自動ブレーキスイ
ッチ190,ブレーキペダル10が踏み込まれたことを
検出するブレーキスイッチ200,図示しない左右前後
輪の回転速度を検出する車輪速センサ202〜205,
当該液圧ブレーキシステムが搭載された車両の加速度を
検出する加速度センサ206,加圧室25の液圧を検出
する液圧センサ207等が接続されている。ブレーキス
イッチ200,加速度センサ206の出力信号に基づい
て、車両が坂道で停止中か否かが検出され、液圧センサ
207の出力信号に基づいて、ブレーキペダル10の踏
込速度が検出される。加圧室25の液圧の増圧勾配に基
づいてブレーキペダル10の踏込速度が推定されるので
ある。出力部には、各増圧弁32,46,50,51,
減圧弁38,47,52,53および電磁開閉弁182
の各ソレノイド,モータ44等が駆動回路を介して接続
されている。また、モータ44は、ブレーキスイッチ2
00によりブレーキペダル10が踏み込まれていること
が検出されている間、自動ブレーキスイッチ190が操
作されたことが検出された場合、トラクション制御開始
条件,ビークルスタビリティ制御開始条件が満たされた
場合等に駆動される。
【0032】以上のように構成された液圧ブレーキシス
テムにおける作動について説明する。ブレーキペダル1
0が踏み込まれていない場合には、ブースタ12におけ
る制御弁100は前述の出力減少状態にある。変圧室8
6と負圧室84との間には圧力差はなく、パワーピスト
ン76は、後退端位置にある。ブレーキペダル10が踏
み込まれると、それに伴って入力ロッド70が前進させ
られ、バルブプランジャ92が本体78に対して相対的
に前進させられる。制御弁100は出力減少状態から出
力保持状態に切り換えられ、変圧室86が負圧室84か
らも大気からも遮断される。入力ロッド70がさらに前
進させられると、出力増大状態に切り換えられ、変圧室
86が大気に連通させられるとともに、負圧室84から
遮断される。変圧室86と負圧室84との間に圧力差が
生じ、パワーピストン76が前進させられる。パワーピ
ストン76の作動力はリアクションディスク114を介
して出力ロッド72に伝達される。すなわち、リアクシ
ョンディスク114には、上述のように、変圧室86と
負圧室84との圧力差に基づくパワーピストン76の作
動力と、ブレーキペダル10の踏力に基づくバルブプラ
ンジャ92の作動力との和が作用するため、出力ロッド
72は,これらの合力によって前進させられ、マスタシ
リンダ14には、その合力に応じた液圧が発生させられ
るのである。第1液圧室142には、第2液圧ポンプ1
50から作動液が供給されるが、作動液はそのまま液通
路160を経てマスタリザーバ146へ戻される。第
1,第2液圧室142,159に液圧が発生させられる
ことはなく、加圧ピストン18には、出力ロッド72か
ら出力された力がそのまま伝達される。マスタシリンダ
14には、踏込力がブースタ12において倍力されて伝
達されるのである。
テムにおける作動について説明する。ブレーキペダル1
0が踏み込まれていない場合には、ブースタ12におけ
る制御弁100は前述の出力減少状態にある。変圧室8
6と負圧室84との間には圧力差はなく、パワーピスト
ン76は、後退端位置にある。ブレーキペダル10が踏
み込まれると、それに伴って入力ロッド70が前進させ
られ、バルブプランジャ92が本体78に対して相対的
に前進させられる。制御弁100は出力減少状態から出
力保持状態に切り換えられ、変圧室86が負圧室84か
らも大気からも遮断される。入力ロッド70がさらに前
進させられると、出力増大状態に切り換えられ、変圧室
86が大気に連通させられるとともに、負圧室84から
遮断される。変圧室86と負圧室84との間に圧力差が
生じ、パワーピストン76が前進させられる。パワーピ
ストン76の作動力はリアクションディスク114を介
して出力ロッド72に伝達される。すなわち、リアクシ
ョンディスク114には、上述のように、変圧室86と
負圧室84との圧力差に基づくパワーピストン76の作
動力と、ブレーキペダル10の踏力に基づくバルブプラ
ンジャ92の作動力との和が作用するため、出力ロッド
72は,これらの合力によって前進させられ、マスタシ
リンダ14には、その合力に応じた液圧が発生させられ
るのである。第1液圧室142には、第2液圧ポンプ1
50から作動液が供給されるが、作動液はそのまま液通
路160を経てマスタリザーバ146へ戻される。第
1,第2液圧室142,159に液圧が発生させられる
ことはなく、加圧ピストン18には、出力ロッド72か
ら出力された力がそのまま伝達される。マスタシリンダ
14には、踏込力がブースタ12において倍力されて伝
達されるのである。
【0033】ブレーキペダル10の踏力が増加させられ
なくなれば、入力ロッド70の前進が停止する。この状
態において、リアクションディスク114の後面には、
上述の合力が作用する一方、前面には、出力ロッド72
を介してマスタシリンダ14の反力が作用する。パワー
ピストン76はこれらの力が釣り合う位置で静止する。
この状態においては、制御弁100は出力保持状態にな
る。ブースタ12の倍力率fは、前述のように、リアク
ションディスク114の直径を直径D1 と、リアクショ
ンディスク114の倍力率保持部材112との当接部の
直径を直径D2踏力伝達ロッド118の直径を直径DR
とした場合には、 f= (D2 2−DR 2)/( D1 2−DR 2) となる。
なくなれば、入力ロッド70の前進が停止する。この状
態において、リアクションディスク114の後面には、
上述の合力が作用する一方、前面には、出力ロッド72
を介してマスタシリンダ14の反力が作用する。パワー
ピストン76はこれらの力が釣り合う位置で静止する。
この状態においては、制御弁100は出力保持状態にな
る。ブースタ12の倍力率fは、前述のように、リアク
ションディスク114の直径を直径D1 と、リアクショ
ンディスク114の倍力率保持部材112との当接部の
直径を直径D2踏力伝達ロッド118の直径を直径DR
とした場合には、 f= (D2 2−DR 2)/( D1 2−DR 2) となる。
【0034】ここで、図3に示すように、ブレーキペダ
ル10の踏力が踏力P1 となると、変圧室86の気圧が
大気圧となり、ブースタ12は助勢限界に達する。ブレ
ーキペダル10がそれ以上踏み込まれると、踏力伝達ロ
ッド118が出力ロッド72に対して長さs1 以上前進
させられることになり、反力ピストン156の後面に当
接する。それにより、反力ピストン156が前進させら
れ、それと一体的に絞り弁部材158が前進させられ
る。開口が絞られ、第1,第2液圧室142,159に
液圧が発生させられるが、その液圧は絞り弁部材158
の前進に伴って大きくなる。また、第2液圧室159の
液圧は反力ピストン156,踏力伝達ロッド118,バ
ブルプランジャ92,入力ロッド70等を介してブレー
キペダル10に伝達される。このように、ブースタ12
が助勢限界に達した後に、さらにブレーキペダル10が
踏み込まれると、入力ロッド70に加えられた力は中間
液圧シリンダ130において倍力されて、マスタシリン
ダ14に伝達されることになる。この場合の倍力率f
は、 f={(D4 2−D3 2)+(D6 2−D5 2)}/(D6 2−D
5 2) となる。ここで、直径D3 ,D4 ,D5 ,D6 は、図示
するように、中間ピストン126の外径,マスタシリン
ダ14の内径,絞り弁部材158の外径,反力ピストン
156の外径をそれぞれ表す。なお、各直径D3 ,D
4 ,D5 ,D6 の大きさを変えれば、中間シリンダ13
0における倍力率を変えることができる。このように、
ブレーキペダル10の操作力は、ブースタ12の助勢限
界に達する以前は、ブースタ12において倍力され、そ
れ以降は、中間液圧シリンダ130において倍力され
る。本実施形態の液圧ブレーキシステムにおいては、ブ
ースタ12が助勢限界に達した後においてもブレーキペ
ダル10の操作力を倍力することができるのである。し
たがって、中間液圧シリンダ130はブースタ12とは
別に設けられたブースタと考えることも可能なのであ
る。
ル10の踏力が踏力P1 となると、変圧室86の気圧が
大気圧となり、ブースタ12は助勢限界に達する。ブレ
ーキペダル10がそれ以上踏み込まれると、踏力伝達ロ
ッド118が出力ロッド72に対して長さs1 以上前進
させられることになり、反力ピストン156の後面に当
接する。それにより、反力ピストン156が前進させら
れ、それと一体的に絞り弁部材158が前進させられ
る。開口が絞られ、第1,第2液圧室142,159に
液圧が発生させられるが、その液圧は絞り弁部材158
の前進に伴って大きくなる。また、第2液圧室159の
液圧は反力ピストン156,踏力伝達ロッド118,バ
ブルプランジャ92,入力ロッド70等を介してブレー
キペダル10に伝達される。このように、ブースタ12
が助勢限界に達した後に、さらにブレーキペダル10が
踏み込まれると、入力ロッド70に加えられた力は中間
液圧シリンダ130において倍力されて、マスタシリン
ダ14に伝達されることになる。この場合の倍力率f
は、 f={(D4 2−D3 2)+(D6 2−D5 2)}/(D6 2−D
5 2) となる。ここで、直径D3 ,D4 ,D5 ,D6 は、図示
するように、中間ピストン126の外径,マスタシリン
ダ14の内径,絞り弁部材158の外径,反力ピストン
156の外径をそれぞれ表す。なお、各直径D3 ,D
4 ,D5 ,D6 の大きさを変えれば、中間シリンダ13
0における倍力率を変えることができる。このように、
ブレーキペダル10の操作力は、ブースタ12の助勢限
界に達する以前は、ブースタ12において倍力され、そ
れ以降は、中間液圧シリンダ130において倍力され
る。本実施形態の液圧ブレーキシステムにおいては、ブ
ースタ12が助勢限界に達した後においてもブレーキペ
ダル10の操作力を倍力することができるのである。し
たがって、中間液圧シリンダ130はブースタ12とは
別に設けられたブースタと考えることも可能なのであ
る。
【0035】また、中間液圧シリンダ130が、ブース
タ12とマスタシリンダ14との間に設けられているた
め、ブースタ12の入力ロッド70近傍が大形化するこ
とを回避することができる。ブースタ付きマスタシリン
ダの車体への取付部周辺が大形化することを回避し得る
ため、取付けを容易にすることが可能となり、ブースタ
付きマスタシリンダの車室側への突出部分が大きくなる
ことを回避し得るため、車室が狭くなることを回避し得
る。さらに、ブースタが正常な場合と失陥した場合とに
おけるマスタシリンダの液圧の差を従来のブースタ付き
マスタシリンダにおけるようにブースタへの入力が大き
くされる場合に比較して小さくすることができる。従来
のブースタ付きマスタシリンダにおいては、ブレーキ操
作力に前進力が付加されて、ブースタへ入力されるよう
にされている。そのため、ブースタが正常な場合にはそ
の大きくされた力が倍力されるのに対して、失陥した場
合には倍力されないことになり、これらの差が大きくな
る。しかし、本発明のブースタ付きマスタシリンダにお
いては、出力ロッド72からの出力に前進力が付加され
るようにされるようにされているため、ブースタ12が
失陥して倍力されない場合においてもマスタシリンダ1
4の液圧は正常な場合に比較してそれほど小さくならな
いのである。それに対して、中間液圧シリンダ130に
おいて液圧が発生させられなくなった場合には、ブレー
キペダル10の操作に伴いパワーピストン76が前進さ
せられ、それに伴って、加圧ピストン18が前進させら
れ、マスタシリンダ14に液圧が発生させられる。ま
た、本実施形態におけるように第1,第2液圧室14
2,159の液圧を制御する方が、従来のブースタ付き
マスタシリンダにおけるようにブースタへ入力される力
を制御する場合より、マスタシリンダ14の液圧の制御
精度を向上させることができる。
タ12とマスタシリンダ14との間に設けられているた
め、ブースタ12の入力ロッド70近傍が大形化するこ
とを回避することができる。ブースタ付きマスタシリン
ダの車体への取付部周辺が大形化することを回避し得る
ため、取付けを容易にすることが可能となり、ブースタ
付きマスタシリンダの車室側への突出部分が大きくなる
ことを回避し得るため、車室が狭くなることを回避し得
る。さらに、ブースタが正常な場合と失陥した場合とに
おけるマスタシリンダの液圧の差を従来のブースタ付き
マスタシリンダにおけるようにブースタへの入力が大き
くされる場合に比較して小さくすることができる。従来
のブースタ付きマスタシリンダにおいては、ブレーキ操
作力に前進力が付加されて、ブースタへ入力されるよう
にされている。そのため、ブースタが正常な場合にはそ
の大きくされた力が倍力されるのに対して、失陥した場
合には倍力されないことになり、これらの差が大きくな
る。しかし、本発明のブースタ付きマスタシリンダにお
いては、出力ロッド72からの出力に前進力が付加され
るようにされるようにされているため、ブースタ12が
失陥して倍力されない場合においてもマスタシリンダ1
4の液圧は正常な場合に比較してそれほど小さくならな
いのである。それに対して、中間液圧シリンダ130に
おいて液圧が発生させられなくなった場合には、ブレー
キペダル10の操作に伴いパワーピストン76が前進さ
せられ、それに伴って、加圧ピストン18が前進させら
れ、マスタシリンダ14に液圧が発生させられる。ま
た、本実施形態におけるように第1,第2液圧室14
2,159の液圧を制御する方が、従来のブースタ付き
マスタシリンダにおけるようにブースタへ入力される力
を制御する場合より、マスタシリンダ14の液圧の制御
精度を向上させることができる。
【0036】さらに、本実施形態によれば、ブースタ1
2が助勢限界に達した後においても、ブレーキ操作力を
倍力することができるため、ブースタ12を従来と同じ
大きさにすれば、マスタシリンダ14に発生する液圧の
最大値を大きくすることができ、逆に、マスタシリンダ
14の最大液圧を従来と同じにすれば、その分、ブース
タ12を小形化することができる。また、本実施形態に
おいては、第1,第2液圧室142,159の液圧が、
これら第1,第2液圧室142,159からの作動液の
流出が抑制されるようにされているため、第2液圧ポン
プ150を、これら第1,第2液圧室142,159に
必要な高さの液圧を供給し得る容量とものとすればよ
い。さらに、流入が抑制されるようにされている場合に
比較して、無用な負荷がかかることを回避し得るため、
第2液圧ポンプ150の耐久性向上,騒音低減,消費エ
ネルギの節減等の効果を得ることができる。
2が助勢限界に達した後においても、ブレーキ操作力を
倍力することができるため、ブースタ12を従来と同じ
大きさにすれば、マスタシリンダ14に発生する液圧の
最大値を大きくすることができ、逆に、マスタシリンダ
14の最大液圧を従来と同じにすれば、その分、ブース
タ12を小形化することができる。また、本実施形態に
おいては、第1,第2液圧室142,159の液圧が、
これら第1,第2液圧室142,159からの作動液の
流出が抑制されるようにされているため、第2液圧ポン
プ150を、これら第1,第2液圧室142,159に
必要な高さの液圧を供給し得る容量とものとすればよ
い。さらに、流入が抑制されるようにされている場合に
比較して、無用な負荷がかかることを回避し得るため、
第2液圧ポンプ150の耐久性向上,騒音低減,消費エ
ネルギの節減等の効果を得ることができる。
【0037】それに対して、ブレーキペダル10が踏み
込まれていない状態において、走行中に駆動スリップが
過大になる等のトラクション制御開始条件が満たされる
と、モータ44が駆動されると共に電磁開閉弁182が
閉状態に切り換えられる。第1,第2液圧室142,1
59の液圧が増圧され、リリーフ弁184の設定圧に保
持される。中間ピストン126および加圧ピストン18
は、ブレーキペダル10が踏み込まれなくても前進させ
られ、加圧室20,25の液圧が増圧され、リリーフ弁
184の設定液圧に保持される。増圧弁32,46,5
0,51が連通状態に切り換えられれば、加圧室20,
25の作動液および第1液圧ポンプ42,56から吐出
された作動液がホイールシリンダ22,23,27,2
8に供給され、液圧が増圧される。増圧弁32,46,
50,51,減圧弁38,47,52,53が適宜切り
換えられることにより、ホイールシリンダ22,23,
27,28の液圧が各車輪の駆動スリップが適正範囲に
保たれるように制御される。
込まれていない状態において、走行中に駆動スリップが
過大になる等のトラクション制御開始条件が満たされる
と、モータ44が駆動されると共に電磁開閉弁182が
閉状態に切り換えられる。第1,第2液圧室142,1
59の液圧が増圧され、リリーフ弁184の設定圧に保
持される。中間ピストン126および加圧ピストン18
は、ブレーキペダル10が踏み込まれなくても前進させ
られ、加圧室20,25の液圧が増圧され、リリーフ弁
184の設定液圧に保持される。増圧弁32,46,5
0,51が連通状態に切り換えられれば、加圧室20,
25の作動液および第1液圧ポンプ42,56から吐出
された作動液がホイールシリンダ22,23,27,2
8に供給され、液圧が増圧される。増圧弁32,46,
50,51,減圧弁38,47,52,53が適宜切り
換えられることにより、ホイールシリンダ22,23,
27,28の液圧が各車輪の駆動スリップが適正範囲に
保たれるように制御される。
【0038】本実施形態においては、出力ロッド72の
前進に伴って入力ロッド70も前進させられるようにさ
れているのに対して、前述のように、中間ピストン12
6は出力ロッド72に対して離間することが許容されて
いる状態にある。したがって、トラクション制御時等自
動ブレーキ作動時に、中間ピストン126の前進に伴っ
て出力ロッド72が前進させられるわけではなく、ブレ
ーキペダル10が運転者の意思とは無関係に前進させら
れることが回避され、運転者に違和感を与えることが回
避される。
前進に伴って入力ロッド70も前進させられるようにさ
れているのに対して、前述のように、中間ピストン12
6は出力ロッド72に対して離間することが許容されて
いる状態にある。したがって、トラクション制御時等自
動ブレーキ作動時に、中間ピストン126の前進に伴っ
て出力ロッド72が前進させられるわけではなく、ブレ
ーキペダル10が運転者の意思とは無関係に前進させら
れることが回避され、運転者に違和感を与えることが回
避される。
【0039】また、本実施形態においては、ホイールシ
リンダ22,23,27,28には、第1液圧ポンプ4
2,56から吐出された作動液とマスタシリンダ14の
作動液との両方が供給されるため、第1液圧ポンプ4
2,56を容量の小さなものとしても、トラクション制
御開始初期時にホイールシリンダ22,23,27,2
8の液圧を早急に増圧させることが可能となる。それに
対し、第1液圧ポンプ42,56を容量の大きなものと
すれば、マスタシリンダ14の液圧を増圧しなくても、
ホイールシリンダ22,23,27,28の液圧を早急
に増圧させることが可能であるが、本実施形態における
ように、第2液圧ポンプ150,中間液圧シリンダ13
0の作動により、マスタシリンダ14の液圧が増圧され
るようにすれば、第2液圧ポンプ150の容量に対し
て、マスタシリンダ14の液圧を大きくすることができ
るため、エネルギの有効利用を図ることが可能となる。
換言すれば、第2液圧ポンプ150をそれほど大きな容
量のものとしなくても、マスタシリンダの液圧を大きく
し得、ホイールシリンダ22,23,27,28の液圧
を早急に増圧させることが可能となる。
リンダ22,23,27,28には、第1液圧ポンプ4
2,56から吐出された作動液とマスタシリンダ14の
作動液との両方が供給されるため、第1液圧ポンプ4
2,56を容量の小さなものとしても、トラクション制
御開始初期時にホイールシリンダ22,23,27,2
8の液圧を早急に増圧させることが可能となる。それに
対し、第1液圧ポンプ42,56を容量の大きなものと
すれば、マスタシリンダ14の液圧を増圧しなくても、
ホイールシリンダ22,23,27,28の液圧を早急
に増圧させることが可能であるが、本実施形態における
ように、第2液圧ポンプ150,中間液圧シリンダ13
0の作動により、マスタシリンダ14の液圧が増圧され
るようにすれば、第2液圧ポンプ150の容量に対し
て、マスタシリンダ14の液圧を大きくすることができ
るため、エネルギの有効利用を図ることが可能となる。
換言すれば、第2液圧ポンプ150をそれほど大きな容
量のものとしなくても、マスタシリンダの液圧を大きく
し得、ホイールシリンダ22,23,27,28の液圧
を早急に増圧させることが可能となる。
【0040】車両がスピン状態やドリフトアウト状態に
あると推定されたこと等のビークルスタビリティ制御開
始条件が満たされた場合にも、モータ44が駆動される
と共に電磁開閉弁182が閉状態に切り換えられる。ス
ピン抑制制御,ドリフトアウト抑制制御等のビークルス
タビリティ制御が行われる場合にも、トラクション制御
が行われる場合と同様に、第1ポンプ42,56から吐
出された作動液およびマスタシリンダ14の作動液がホ
イールシリンダ22,23,27,28に供給される。
また、自動ブレーキスイッチ190が操作された場合に
も、モータ44が駆動されると共に電磁開閉弁182が
閉状態に切り換えられる。マスタシリンダ14の液圧が
増圧され、ホイールシリンダ22,23,27,28の
液圧が増圧される。ブレーキペダル10が踏み込まれな
くても、ブレーキを作動させることができるのである。
このように、自動ブレーキを作動させることが可能であ
れば、本液圧ブレーキシステムが搭載された車両を自動
操縦システムに利用することができる。
あると推定されたこと等のビークルスタビリティ制御開
始条件が満たされた場合にも、モータ44が駆動される
と共に電磁開閉弁182が閉状態に切り換えられる。ス
ピン抑制制御,ドリフトアウト抑制制御等のビークルス
タビリティ制御が行われる場合にも、トラクション制御
が行われる場合と同様に、第1ポンプ42,56から吐
出された作動液およびマスタシリンダ14の作動液がホ
イールシリンダ22,23,27,28に供給される。
また、自動ブレーキスイッチ190が操作された場合に
も、モータ44が駆動されると共に電磁開閉弁182が
閉状態に切り換えられる。マスタシリンダ14の液圧が
増圧され、ホイールシリンダ22,23,27,28の
液圧が増圧される。ブレーキペダル10が踏み込まれな
くても、ブレーキを作動させることができるのである。
このように、自動ブレーキを作動させることが可能であ
れば、本液圧ブレーキシステムが搭載された車両を自動
操縦システムに利用することができる。
【0041】さらに、坂道で停車していることが検出さ
れてヒルホルダ制御開始条件が満たされた場合にも電磁
開閉弁182が閉状態に切り換えられる。ブレーキペダ
ル10が緩められても、それに伴ってマスタシリンダ1
4の液圧が小さくならないため、ホイールシリンダ2
2,23,27,28の液圧も小さくなることが回避さ
れる。坂道で停車している場合に限らず、平坦路で停車
している場合にも電磁開閉弁182が閉状態に切り換え
られるようにすれば、安全性を向上させることができ
る。
れてヒルホルダ制御開始条件が満たされた場合にも電磁
開閉弁182が閉状態に切り換えられる。ブレーキペダ
ル10が緩められても、それに伴ってマスタシリンダ1
4の液圧が小さくならないため、ホイールシリンダ2
2,23,27,28の液圧も小さくなることが回避さ
れる。坂道で停車している場合に限らず、平坦路で停車
している場合にも電磁開閉弁182が閉状態に切り換え
られるようにすれば、安全性を向上させることができ
る。
【0042】また、緊急制動が行われたことが検出され
たこと(例えば、ブレーキペダル10の踏込速度が設定
速度以上であることが検出されたこと)等のブレーキア
シスト制御開始条件が満たされた場合にも電磁開閉弁1
82が閉状態に切り換えられる。加圧ピストン18が前
進させられ、ブレーキの効き遅れを小さくし得る。本実
施形態においては、第2液圧ポンプ150がプランジャ
ポンプであるため、加圧ピストン18の前進に伴って第
2液圧室159の容積が大きくなっても、大きくなった
容積分の作動液がマスタリザーバ146から供給され
得、第2液圧室159の液圧が負圧になることが良好に
回避される。
たこと(例えば、ブレーキペダル10の踏込速度が設定
速度以上であることが検出されたこと)等のブレーキア
シスト制御開始条件が満たされた場合にも電磁開閉弁1
82が閉状態に切り換えられる。加圧ピストン18が前
進させられ、ブレーキの効き遅れを小さくし得る。本実
施形態においては、第2液圧ポンプ150がプランジャ
ポンプであるため、加圧ピストン18の前進に伴って第
2液圧室159の容積が大きくなっても、大きくなった
容積分の作動液がマスタリザーバ146から供給され
得、第2液圧室159の液圧が負圧になることが良好に
回避される。
【0043】なお、上記実施形態においては、第1,第
2液圧室142,159の液圧を制御する助勢限界時用
中間液圧制御装置154,電気制御中間液圧制御装置1
80が作動液の流出を抑制する流出抑制装置とされてい
たが、流入を抑制する流入抑制装置としてもよい。ま
た、助勢限界時用中間液圧制御装置154,電気制御中
間液圧制御装置180の両方を設ける必要は必ずしもな
く、少なくとも一方が設けられていればよい。
2液圧室142,159の液圧を制御する助勢限界時用
中間液圧制御装置154,電気制御中間液圧制御装置1
80が作動液の流出を抑制する流出抑制装置とされてい
たが、流入を抑制する流入抑制装置としてもよい。ま
た、助勢限界時用中間液圧制御装置154,電気制御中
間液圧制御装置180の両方を設ける必要は必ずしもな
く、少なくとも一方が設けられていればよい。
【0044】さらに、本実施形態においては、中間液圧
シリンダ130における倍力率が、ブースタ12におけ
る倍力率より小さくなるようにされていたが、逆に大き
くなるようにすることも可能である。また、ブースタ1
2はバキュームブースタでなくても、液圧ブースタであ
ってもよく、第2液圧ポンプ150はステアリング装置
に利用されるモータで駆動されるようにしてもよい。さ
らに、リリーフ弁184は設定圧が可変のものとしても
よい。また、反力ピストン156は不可欠ではない。さ
らに、モータ44は、イグニッションスイッチがONに
されている間継続して駆動されるようにしてもよい等そ
の他、いちいち例示することはしないが、特許請求の範
囲を逸脱することなく当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で本発明を実施することができ
る。
シリンダ130における倍力率が、ブースタ12におけ
る倍力率より小さくなるようにされていたが、逆に大き
くなるようにすることも可能である。また、ブースタ1
2はバキュームブースタでなくても、液圧ブースタであ
ってもよく、第2液圧ポンプ150はステアリング装置
に利用されるモータで駆動されるようにしてもよい。さ
らに、リリーフ弁184は設定圧が可変のものとしても
よい。また、反力ピストン156は不可欠ではない。さ
らに、モータ44は、イグニッションスイッチがONに
されている間継続して駆動されるようにしてもよい等そ
の他、いちいち例示することはしないが、特許請求の範
囲を逸脱することなく当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で本発明を実施することができ
る。
【図1】本発明の一実施形態である液圧ブレーキシステ
ムのブースタ付きマスタシリンダの要部を示す断面図で
ある。
ムのブースタ付きマスタシリンダの要部を示す断面図で
ある。
【図2】上記液圧ブレーキシステム全体を示す図(一部
断面図)である。
断面図)である。
【図3】上記液圧ブレーキシステムにおける踏力とマス
タシリンダ液圧との関係を示す図である。
タシリンダ液圧との関係を示す図である。
【符号の説明】 12 ブースタ 14 マスタシリンダ 22,23,27,28 ホイールシリンダ 42,56 第1液圧ポンプ 44 モータ 60 制御装置 130 中間液圧シリンダ 150 第2液圧ポンプ 154 助勢限界時用中間液圧制御装置 180 電気制御中間液圧制御装置 182 開閉弁
Claims (5)
- 【請求項1】 ブースタ入力部材に加えられるブレーキ
操作力を倍力してブースタ出力部材から出力するブース
タと、 マスタシリンダ本体および加圧ピストンを有するマスタ
シリンダと、 マスタシリンダ本体と一体的な中間シリンダ本体と、そ
の中間シリンダ本体に液密かつ軸方向に相対移動可能に
嵌合されるとともに、前記ブースタ出力部材と前記加圧
ピストンとの間に、少なくともブースタ出力部材の前進
力を加圧ピストンに伝達可能に配設された中間ピストン
とを含み、その中間ピストンのブースタ出力部材側の面
と中間シリンダ本体との間に中間液圧室を有する中間液
圧シリンダと、 その中間液圧シリンダの中間液圧室の液圧を、外部液圧
源から供給される液圧により制御する中間液圧制御装置
とを含むことを特徴とするブースタ付マスタシリンダ。 - 【請求項2】 前記中間液圧制御装置が、ほぼ前記ブー
スタの助勢限界において前記中間液圧室に液圧を発生さ
せない液圧不発生状態から液圧を発生させる液圧発生状
態に移行する助勢限界時用中間液圧制御装置を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のブースタ付マスタシリン
ダ。 - 【請求項3】 前記中間液圧制御装置が、前記中間液圧
室に液圧を発生させない液圧不発生状態から液圧を発生
させる液圧発生状態に電気信号に応じて移行する電気制
御中間液圧制御装置を含むことを特徴とする請求項1ま
たは2に記載のブースタ付マスタシリンダ。 - 【請求項4】 前記中間液圧制御装置が、前記外部液圧
源から前記中間液圧室に供給される作動液の中間液圧室
からの流出を抑制することにより中間液圧室に液圧を発
生させる流出抑制装置を含むことを特徴とする請求項1
ないし3のいずれか1つに記載のブースタ付マスタシリ
ンダ。 - 【請求項5】 ブースタ入力部材に加えられるブレーキ
操作力を倍力してブースタ出力部材から出力するブース
タと、 マスタシリンダ本体および加圧ピストンを有するマスタ
シリンダと、 前記マスタシリンダ本体と一体的な中間シリンダ本体
と、その中間シリンダ本体に液密かつ軸方向に相対移動
可能に嵌合されるとともに、前記ブースタ出力部材と前
記加圧ピストンとの間に、少なくともブースタ出力部材
の前進力を加圧ピストンに伝達可能に配設された中間ピ
ストンとを含み、その中間ピストンのブースタ出力部材
側の面と中間シリンダ本体との間に中間液圧室を有する
中間液圧シリンダと、 前記マスタシリンダに主液通路により接続されたホイー
ルシリンダと、 そのホイールシリンダに前記マスタシリンダと並列に接
続された第1液圧ポンプと、 その第1液圧ポンプと共通のモータにより駆動される第
2液圧ポンプと、 前記主液通路に設けられ、前記マスタシリンダと前記第
1液圧ポンプとの少なくとも一方の液圧により前記ホー
ルシリンダの液圧を制御するホイールシリンダ液圧制御
装置と、 前記中間液圧シリンダの中間液圧室の液圧を、前記第2
液圧ポンプから供給される液圧により制御する中間液圧
制御装置とを含むことを特徴とする液圧ブレーキシステ
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19583996A JP3407553B2 (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | ブースタ付マスタシリンダおよび液圧ブレーキシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19583996A JP3407553B2 (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | ブースタ付マスタシリンダおよび液圧ブレーキシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1035477A true JPH1035477A (ja) | 1998-02-10 |
JP3407553B2 JP3407553B2 (ja) | 2003-05-19 |
Family
ID=16347871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19583996A Expired - Fee Related JP3407553B2 (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | ブースタ付マスタシリンダおよび液圧ブレーキシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3407553B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2795032A1 (fr) | 1999-04-23 | 2000-12-22 | Bosch Braking Sys Corp | Systeme de freins |
JP2001163214A (ja) * | 1999-09-28 | 2001-06-19 | Aisin Seiki Co Ltd | ブレーキ圧発生装置 |
-
1996
- 1996-07-25 JP JP19583996A patent/JP3407553B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2795032A1 (fr) | 1999-04-23 | 2000-12-22 | Bosch Braking Sys Corp | Systeme de freins |
US6352316B1 (en) | 1999-04-23 | 2002-03-05 | Bosch Braking Systems Co., Ltd. | Brake system |
JP2001163214A (ja) * | 1999-09-28 | 2001-06-19 | Aisin Seiki Co Ltd | ブレーキ圧発生装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3407553B2 (ja) | 2003-05-19 |
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