JPH11157439A - ペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置 - Google Patents

ペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置

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JPH11157439A
JPH11157439A JP9326600A JP32660097A JPH11157439A JP H11157439 A JPH11157439 A JP H11157439A JP 9326600 A JP9326600 A JP 9326600A JP 32660097 A JP32660097 A JP 32660097A JP H11157439 A JPH11157439 A JP H11157439A
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澤 博 昭 相
Akihito Kusano
野 彰 仁 草
Hiroshi Toda
田 啓 戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキペダルの踏力とストロークの関係を
車両のブレーキ時の状況に応じて変えることができるよ
うにする。 【解決手段】 パワー液圧源14の正常時には電磁弁1
6C、18Cを閉としてマスターシリンダ15を車輪ブ
レーキ11、12から遮断する。この時には電磁弁21
を開にし、ペダルストロークシミュレート用スプリング
15S、27、28によってペダルストロークを発生さ
せる。ペダル踏力の増加過程において、電磁弁21を開
から閉に切換えることで、同一踏力に対するストローク
を長短変化させる。電磁弁21の閉タイミングは、車体
速度、車両進行方向、走行路面の摩擦係数、ペダル速度
などに基づいて決める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、車両ブレ
ーキ装置に関し、特に、ブレーキペダルの踏力とストロ
ークとの関係を電気的に制御できるペダルストロークシ
ミュレータを備えたペダルストロークシミュレータ付き
車両ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両ブレーキ装置として様々な構成のも
のが知られているが、パワー液圧源を具備し、このパワ
ー液圧源の正常時においてはパワー液圧源から車輪ブレ
ーキへブレーキペダル踏力に対応した高さの液圧などの
必要な液圧を供給し、パワー液圧源の異常時においては
ブレーキペダルと作動的に連結したマスターシリンダか
ら車輪ブレーキに必要な液圧を供給するように構成され
たものがあり、例えば特開昭57−84249号公報に
記載されている。
【0003】このように構成された車両ブレーキ装置に
おいては、パワー液圧源の正常時においてブレーキペダ
ル踏力に応じたブレーキペダルストロークが発生するよ
うにペダルストロークシミュレータが設置される。上記
特開昭57−84249号公報に記載の液圧ブレーキ装
置においては、タンデムタイプのマスターシリンダの前
端部内に前側圧力発生室の前端壁となるピストンを追加
設置し、このピストンの前側に液室を開閉電磁弁を介し
てリザーバに連通接続すると共に同液室内に上記ピスト
ンを後方へ付勢するスプリングを設置することによって
ペダルストロークシミュレータを構成している。上記電
磁弁は、パワー液圧源の正常時には開とされ、パワー液
圧源の異常時には閉とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
57−84249号公報に記載の車両ブレーキ装置にお
いては、パワー液圧源の正常時においてはブレーキペダ
ルの踏力とストロークの関係が一定である。
【0005】この出願の発明者らの認識では、車両ブレ
ーキ時の状況に応じて変えることが望ましい。例えば、
通常ブレーキ操作時と緊急ブレーキ操作時とを比較した
場合、緊急ブレーキ操作時には、通常ブレーキ操作時に
比べて、同一踏力に対するストロークを短くすることが
望ましく、これによって速やかに踏力を増大させて大き
い車両ブレーキ力を発生させることができる。
【0006】この出願の発明は、ブレーキペダルの踏力
とストロークの関係を車両のブレーキ時の状況に応じて
変えるように構成することを第1の目的とする。そし
て、車両運転者のブレーキ操作の支援機能を果たすよう
に構成することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発
明は、ブレーキペダルの踏力とストロークとの関係を電
気的に可変制御できるペダルストロークシミュレータ
と、当該車両に関連する所定状態を検出する検出手段、
及びこの検出手段の検出出力に基づき前記ペダルストロ
ークシミュレータを電気的に制御して同一踏力に対する
ストロークを可変制御する制御手段を備えたことを特徴
とするペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置である。
【0008】この出願の請求項2の発明は、請求項1に
記載のペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置であって、前記所定状態が車体速度であり、その値
が大きくなる程同一踏力に対するストロークを短くする
ように前記制御手段が構成されていることを特徴とする
ペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置で
ある。
【0009】この出願の請求項3の発明は、請求項1に
記載のペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置であって、前記所定状態が車両進行方向であり、そ
れが後進方向である場合には、それが前進方向である場
合に比べて、同一踏力に対するストロークを長くするよ
うに前記制御手段が構成されていることを特徴とするペ
ダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置であ
る。
【0010】この出願の請求項4の発明は、請求項1に
記載のペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置であって、前記所定状態が走行路面の推定摩擦係数
であり、その値が小さい場合には、その値が大きい場合
に比べて、同一踏力に対するストロークを長くするよう
に前記制御手段が構成されていることを特徴とするペダ
ルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置であ
る。
【0011】この出願の請求項5の発明は、請求項1に
記載のペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置であって、前記所定状態がブレーキペダルのペダル
速度、踏力増加勾配、マスターシリンダ液圧増加勾配、
車両縦方向減速度増加勾配の何れかであり、その値が大
きくなる程同一踏力に対するストロークを短くするよう
に前記制御手段が構成されていることを特徴とするペダ
ルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置であ
る。
【0012】この出願の請求項6の発明は、請求項1に
記載のペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置であって、前記所定状態がブレーキペダルのペダル
速度、踏力増加勾配、マスターシリンダ液圧増加勾配、
車両縦方向減速度増加勾配の何れかであり、その値が極
大値をとった後所定の値まで低下したとき、同一踏力に
対するストロークを短くするように前記制御手段が構成
されていることを特徴とするペダルストロークシミュレ
ータ付き車両ブレーキ装置である。
【0013】この出願の請求項7の発明は、請求項1に
記載のペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置であって、前記所定状態が車体横方向加速度、ヨー
レート及び舵角の何れかであり、その値が大きくなる程
同一踏力に対するストロークを短くするように前記制御
手段が構成されていることを特徴とするペダルストロー
クシミュレータ付き車両ブレーキ装置である。
【0014】この出願の請求項8の発明は、請求項1に
記載のペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置であって、前記所定状態が、当該車両に装備された
特性切換操作スイッチの切換位置であることを特徴とす
るペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置
である。
【0015】この出願の請求項9の発明は、請求項1に
記載のペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ
装置であって、前記車両状態がアンチロック制御装置の
作動状態であり、アンチロック制御装置の作動状態で
は、アンチロック制御装置の非作動状態に比べて、同一
踏力に対するストロークを短くするように前記制御手段
が構成されていることを特徴とするペダルストロークシ
ミュレータ付き車両ブレーキ装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この出願に係る発明の車両
ブレーキ装置について、図を参照して説明する。
【0017】図1はこの出願の発明に係る車両ブレーキ
装置の概略構成を示す図、図2は図1中のマスターシリ
ンダの詳細構造を示すための縦断面図である。
【0018】図1において、車両ブレーキ装置10は2
系統式の液圧ブレーキ装置であり、4個の車輪ブレーキ
のうちの2個の車輪ブレーキ11、12が属する一方系
統は、液室13A、13Bを有する2系統用リザーバ1
3と、車輪ブレーキ11、12に供給する液圧を発生す
るためのパワー液圧源14と、2個の圧力発生室15
A、15Bを有しておりパワー液圧源14の故障時に車
輪ブレーキ11、12に供給する液圧を発生するための
タンデムタイプのマスターシリンダ15と、車輪ブレー
キ11に液圧を給排制御するための制御弁16と、車輪
ブレーキ11の液圧を検出するための圧力センサ17
と、車輪ブレーキ12に液圧を給排制御するための制御
弁18と、車輪ブレーキ12の液圧を検出するための圧
力センサ19とで構成されている。図示されない2個の
車輪ブレーキが属する他方系統は、一方系統と同様に、
2系統用リザーバ13と、パワー液圧源14と実質的に
同一構成であって2個の車輪ブレーキに供給する液圧を
発生するパワー液圧源(図示省略)と、このパワー液圧
源の故障時に2個の車輪ブレーキに供給する液圧を発生
するためのマスターシリンダ15と、制御弁16と実質
的に同一構成であって一方の車輪ブレーキに液圧を給排
制御するための制御弁(図示省略)と、制御弁18と実
質的に同一構成であって他方の車輪ブレーキに液圧を給
排制御するための制御弁(図示省略)と、一方の車輪ブ
レーキの液圧を検出するための圧力センサ(図示省略)
と、他方の車輪ブレーキの液圧を検出するための圧力セ
ンサ(図示省略)とで構成されている。
【0019】パワー液圧源14は、アキュームレータ1
4Aと、リザーバ13の一方系統用液室13A内のブレ
ーキ液を吸入し昇圧してアキュームレータ14Aに供給
する液圧ポンプ14Bと、この液圧ポンプ14Bを駆動
する電気モータ14Cとで構成されている。
【0020】制御弁16は、アキュームレータ14Aか
ら車輪ブレーキ11への液圧の供給を制御するための常
閉タイプの開閉電磁弁16Aと、車輪ブレーキ11から
リザーバ液室13Aへの液圧の排出を制御するための常
閉タイプの開閉電磁弁16Bと、マスターシリンダ15
と車輪ブレーキ11との連通を開閉制御するための常開
タイプの開閉電磁弁16Cとで構成されている。
【0021】制御弁18は、アキュームレータ14Aか
ら車輪ブレーキ12への液圧の供給を制御するための常
閉タイプの開閉電磁弁18Aと、車輪ブレーキ12から
リザーバ液室13Aへの液圧の排出を制御するための常
閉タイプの開閉電磁弁18Bと、マスターシリンダ15
と車輪ブレーキ12との連通を開閉制御するための常開
タイプの開閉電磁弁18Cとで構成されている。
【0022】尚、他方系統のパワー液圧源においてはポ
ンプがリザーバ液室13Bのブレーキ液を吸入し、また
制御弁は車輪ブレーキの液圧をリザーバ液室13Bに排
出するものである。
【0023】マスターシリンダ15は、圧力発生室15
Aのためのサプライ室15C、15Dと圧力発生室15
Bのためのサプライ室15Eを有している。そのサプラ
イ室15Cと圧力発生室15Aは常開タイプの開閉電磁
弁21を介してリザーバ液室13Aと連通され、サプラ
イ室15Dはリザーバ液室13Aと常時連通され、サプ
ライ室15Eはリザーバ液室13Bと常時連通され、圧
力発生室15Bはリザーバ液室13Bと連通される。
【0024】マスターシリンダ15は、図2に示すよう
に、固定のシリンダボデー15Fを有する。このシリン
ダボデー15Fの内部には、シール部材15G、15H
を具備したピストン15Iと、シール部材15Jを具備
したピストン15Kと、シール部材15Lを具備したピ
ストン15Mとが夫々前進および後退自在に嵌合されて
おり、シリンダボデー15Fの前端とピストン15Iと
の間に圧力発生室15Bが形成され、ピストン15Iの
小径部外周に環状のサプライ室15Eが形成され、ピス
トン15Iとピストン15Kとの間に圧力発生室15A
が形成され、ピストン15Kとピストン15Mとの間に
サプライ室15Cが形成されている。ピストン15Mは
シリンダボデー15Fが具備するシール部材15Nおよ
びピストンガイド部材15Oの内径側を摺動可能に貫通
してシリンダボデー15F外へ突出する小径部を有して
おり、ピストン15Mの小径部の外周に環状のサプライ
室15Dが形成されている。
【0025】圧力発生室15B内にはピストンリターン
用スプリング15Qが設置され、圧力発生室15A内に
はピストンリターン用スプリング15Rが設置され、サ
プライ室15C内にはペダルストロークシミュレート用
スプリング15Sが設置されている。ペダルストローク
シミュレート用スプリング15Sは、ピストン15Mに
対し所定距離だけ摺動し得るようにピストン15Mに連
結されており且つピストン15Kに対し当接および離間
可能なリテーナ15Tとピストン15Mとの間に圧縮状
態で介装されている。ピストンリターン用スプリング1
5Rは、ピストン15Kに対し所定距離だけ摺動し得る
ようにピストン15Kに連結されており且つピストン1
5Iに対し当接および離間可能なリテーナ15Uとピス
トン15Kとの間に圧縮状態で介装されている。ピスト
ンリターン用スプリング15Qはシリンダボデー15F
の前端壁とピストン15Iとの間に圧縮状態で介装され
ている。
【0026】ピストン15Mには、車両運転者によって
ブレーキペダル20に加えられる踏力がペダルストロー
クシミュレート用スプリング27、28を介して入力さ
れる。ペダルストロークシミュレート用スプリング15
S、27、28のバネ定数は、ピストンリターン用スプ
リング15Qのバネ定数およびピストンリターン用スプ
リング15Rのバネ定数よりも大きいものである。
【0027】図1及び図2の状態はブレーキペダル20
が踏まれていない状態、つまりピストン15Mに前進力
が加えられていない状態を示しており、ピストン15I
はシリンダボデー15Fに固定されたストッパ15Vに
当接した後退限に保持され、ピストン15Kは同ピスト
ン15Kから最大に離間したリテーナ15Uがピストン
15Iに当接した後退限に保持され、ピストン15Mは
同ピストン15Mから最大に離間したリテーナ15Tが
ピストン15Kに当接した後退限に保持される。この状
態では、圧力発生室15Aはシリンダボデー15Fに設
けられたコンペンセーティングポート15Wと連通し、
また圧力発生室15Bもシリンダボデー15Fに設けら
れたコンペンセーティングポート15Xと連通する。コ
ンペンセーティングポート15Wはサプライ室15Cと
共に開閉電磁弁21を介してリザーバ液室13Aと連通
され、コンペンセーティングポート15Xサプライ室1
5Eと共にリザーバ液室13Bと常時連通される。
【0028】開閉電磁弁21は、一方系統のパワー液圧
源14および他方系統のパワー液圧源が共に正常な場合
にはオフ(開)とされ、両パワー液圧源の何れか一方で
も故障した場合にはオン(閉)とされるものである。
【0029】開閉電磁弁21がオン(閉)に、且つ開閉
電磁弁16C、18Cとこれら開閉電磁弁に対応する他
方系統の開閉電磁弁をオフ(開)に維持された場合にお
いては、サプライ室15Cおよびコンペンセーティング
ポート15Wがリザーバ室13Aとの連通を遮断されて
サプライ室15Cが密封状態となり、ピストン15Kに
対するピストン15Mの前進が阻止される。圧力発生室
15A,15Bと車輪ブレーキとの連通が開かれている
ので、ピストン15Kがピストン15Mと一体に前進さ
れて圧力発生室15Aに圧力が発生し、ピストンリター
ン用スプリング15Rと圧力発生室15Aの圧力とによ
りピストン15Iが前進されて圧力発生室15Bに圧力
が発生し、マスターシリンダ15から車輪ブレーキに液
圧が供給される。この場合においては、マスターシリン
ダ15はストロークシミュレータを備えていない一般的
なマスターシリンダと同様に作動し、圧力発生室15
A,15Bの短縮とペダルストロークシミュレート用ス
プリング27、28の弾性変形(短縮)によってブレー
キペダルストロークが発生するものである。尚、サプラ
イ室15Dは、開閉電磁弁21がオンにされている状態
の下において圧力発生室15A、サプライ室15Cに対
するサプライ室として機能する。
【0030】電磁弁21をオフ(開)に、且つ開閉電磁
弁16C、18Cとこれら開閉電磁弁に対応する他方系
統の開閉電磁弁がオン(閉)に維持された場合において
は、ブレーキペダル20が踏込まれると踏力がペダルス
トロークシミュレート用スプリング27、28を介して
ピストン15Mに伝達され、ピストン15M、ピストン
15Kおよびピストン15Iが一体に前進する(図2で
左方へ摺動する)。これにより、ピストン15Iのシー
ル部材15Gにより圧力発生室15Bとコンペンセーテ
ィングポート15Xとの連通が遮断されるとともに、ピ
ストン15Kのシール部材15Jによりと圧力発生室1
5Aとコンペンセーティングポート15Wとの連通が遮
断される。圧力発生室15A、15Bは車輪ブレーキと
の連通を遮断されているので、圧力発生室15A、15
Bが密封状態となり、ピストン15I,15Kの前進が
停止する。これに対してサプライ室15Cはリザーバ液
室13Aに連通しているので、ピストン15Mは前進可
能であり、ピストン15Mはブレーキペダル20から入
力される前進力とペダルストロークシミュレート用スプ
リング15Sの荷重とが釣り合う位置へと摺動する。つ
まり、ピストン15Mにはストロークシミュレート用ス
プリング15Sの弾性変形(長さが短縮)によってブレ
ーキペダル20から入力される踏力の大きさに対応した
前進距離が発生するのである。他方、ペダルストローク
シミュレート用スプリング27、28もブレーキペダル
20から入力される踏力によって弾性変形し、ペダルス
トロークシミュレート用スプリング27、28の長さが
ブレーキペダル20から入力される踏力の大きさに対応
した長さだけ短縮する。ペダルストロークシミュレート
用スプリング15S、27、28のばね定数は、電磁弁
21をオフ(開)に、且つ開閉電磁弁16C、18Cと
これら開閉電磁弁に対応する他方系統の開閉電磁弁がオ
ン(閉)に維持された場合における、踏力に対するペダ
ルストロークの関係が図3のA−B−C−D線で示され
るようになり、また電磁弁21をオン(閉に、且つ開閉
電磁弁16C、18Cとこれら開閉電磁弁に対応する他
方系統の開閉電磁弁がオン(閉)に維持された場合にお
ける、踏力に対するペダルストロークの関係が図3のA
−E−F線で示されるようになるように選定されてい
る。従って、踏力が増大される過程において踏力が図3
中に示す値Jに到達した時点でサプライ室15Cをリザ
ーバ液室13Aと連通した状態からサプライ室15Cを
リザーバ液室13Aから遮断した状態に切換えることに
より、踏力に対するペダルストロークの関係が図3のA
−G−H−I線で示されるように変化する。
【0031】上記のように、ブレーキペダルの踏力が増
加される過程において、サプライ室15Cをリザーバ液
室13Aと連通した状態からサプライ室15Cをリザー
バ液室13Aから遮断した状態に切換えるときの踏力値
を種々変更することにより、同一踏力に対するペダルス
トロークを長くしたり、短くしたりすることができる。
また、ブレーキペダルのペダルストロークが増加される
過程において、サプライ室15Cをリザーバ液室13A
と連通した状態からサプライ室15Cをリザーバ液室1
3Aから遮断した状態に切換えるときのペダルストロー
ク値を種々変更することにより、同一踏力に対するペダ
ルストロークを長くしたり、短くしたりすることができ
る。
【0032】電気モータ14Cと開閉電磁弁16A、1
6B、16C、18A、18B,18C、21は電気制
御装置22によりオン(作動)、オフ(非作動)制御さ
れる。この電気制御装置22には、ブレーキペダル20
に加えられる踏力を検出する踏力センサ23の検出出
力、ブレーキペダル20のストロークを検出するストロ
ークセンサ24の検出出力、圧力センサ17、19と図
示しない2個の圧力センサの各検出出力、車輪ブレーキ
11がブレーキ力を加える車輪の回転速度を検出する車
輪速度センサ25の検出出力、車輪ブレーキ12がブレ
ーキ力を加える車輪の回転速度を検出する車輪速度セン
サ26の検出出力、及び図示しない2個の車輪ブレーキ
がブレーキ力を加える各車輪の回転速度を検出する2個
の車輪速度センサの各検出出力、ブレーキペダル20の
踏込みに応動してオフからオンに切換わるストップスイ
ッチ29の出力、車体横加速度センサ30の検出出力、
ヨーレートセンサ31の検出出力、車両の変速機の後進
位置へのシフトを検出するセンサ32の検出出力、特性
切換操作スイッチ33の出力、舵角センサ34の検出出
力が入力される。
【0033】電気制御装置は、各センサからの信号の増
幅回路、マイクロコンピュータ及び電気モータや各電磁
弁の駆動回路を含んでおり、車両のイグニッションスイ
ッチの閉成により、図4に示すプログラムの実行を開始
する。図4において、先ずステップ101にて初期化が
行われ、次いでステップ102にて図1中に示される各
センサ及びスイッチの検出出力が読込まれた後、ステッ
プ103にてパワー液圧源蓄圧及び異常検出処理が行わ
れる。そしてステップ104にてパワー液圧源が正常で
あるか否かが判定され、正常であればステップ105に
て4個の車輪速度センサの各検出出力から4個の車輪の
各車輪速度が演算され、ステップ106にて各車輪速度
から各車輪加減速度が演算され、ステップ107にて各
車輪速度から車体速度が演算され、ステップ108にて
車体速度から車体縦減速度が演算され、ステップ109
にて車体縦減速度から走行路面の摩擦係数μが高μ、中
μ、低μの何れかに特定され、ステップ110にてペダ
ルストロークセンサ24の検出出力に基づきペダル速度
が演算される。
【0034】そして、ステップ111にて後述するペダ
ルストロークシミュレータ制御処理が行われ、ステップ
112にて通常ブレーキ制御処理が行われ、ステップ1
13にて公知のアンチロック制御処理が行われ、ステッ
プ114にて車両安定性維持制御処理が行われた後、ス
テップ102に戻る。
【0035】ステップ104にてパワー液圧源が正常で
ないと判定された場合は、ステップ115にてパワー液
圧源異常フラグをオンとしてステップ102に戻る。
【0036】ステップ103のパワー液圧源蓄圧及び異
常検出処理においては、車両のエンジン始動後に、一方
系統のパワー液圧源14の電気モータ14Cがオン(作
動)とされ、ポンプ14Bの作動によりアキューレータ
14Aの液圧が上昇されると共に、他方系統のパワー液
圧源の電気モータがオンとされてそのアキュームレータ
の液圧が上昇される。電気モータ14Cに流れる電流値
からアキュームレータ14Aの液圧が推定され、アキュ
ームレータ14Aに所定の液圧が蓄積したならば電気モ
ータ14Cがオフ(非作動)とされる。他方系統の電気
モータについても同様に電気モータに流れる電流値から
アキュームレータの液圧が推定され、アキュームレータ
に所定の液圧が蓄積したならば電気モータがオフ(非作
動)とされる。
【0037】そして、各電気モータに流れる電流値やそ
の変化などから各パワー液圧源の異常の有無が判定され
る。異常が検出されパワー液圧源異常フラグがオンとさ
れると、電磁弁21がオン(閉)、出wん時弁16C、
18Cがオフ(開)、電磁弁16A、16B、18A、
18Bがオフ(閉)とされる。
【0038】ステップ112の通常ブレーキ制御におい
ては、ストップスイッチ29がオンとなることに応じて
一方系統の電磁弁16C、18Cがオンとされると共に
他方系統の対応する電磁弁がオンとされ、マスターシリ
ンダ15が各車輪ブレーキから遮断される。そして、踏
力センサ23により検出された踏力に基づき各車輪ブレ
ーキに供給する目標液圧が演算され、各圧力センサによ
り検出された各車輪ブレーキの液圧の目標液圧からの偏
差に応じてパワー液圧源から各車輪ブレーキに液圧を給
排するための一対の電磁弁(例えば、車輪ブレーキにつ
いては電磁弁16A、16B)がオン、オフ制御され
る。その際、パワー液圧源の電気モータがオンとされて
アキュームレータの液圧がチェックされ、アキュームレ
ータの液圧の増加が必要であれば電気モータがオンされ
続ける。
【0039】ステップ114の車両安定性維持制御にお
いては、車体横加速度センサ、ヨーレートセンサ31、
舵角センサ34の各検出出力などに基づいて、過度のオ
ーバーステア傾向や過度のアンダーステア傾向が検出さ
れ、オーバーステア傾向やアンダーステア傾向を抑制す
るように、車両にモーメントを発生させたり、減速した
りするため、作動させるべき車輪ブレーキが選定される
と共に該車輪ブレーキに供給すべき目標液圧が演算さ
れ、電磁弁(例えば、車輪ブレーキ11については電磁
弁16A、16B、16C)がオン、オフ制御されて目
標液圧が供給される。この制御は、今日、VDCとかV
SCと呼ばれている。
【0040】次に、ステップ111のペダルストローク
シミュレータ制御について、図5〜図17を参照して説
明する。図5のペダルストロークシミュレータ制御1に
おいては、先ずステップ201にてストップスイッチが
オンか否が判定され、オンでなければリターンに進む。
ステップ101の判定でストップスイッチがオンであれ
ばステップ202にて前回演算でストップスイッチがオ
フであったか否かが判定され、そうであればステップ2
03に進みその時の車体速度に対応した制御踏力SSP
DLFを、図6のマップに基づいて演算した後、ステッ
プ204に進む。また、ステップ202の判定において
前回演算でストップスイッチがオフでなければステップ
204に進む。ステップ204では、踏力PDLFが制
御踏力SSPDLFよりも大きい否か否かが判定され、
そうであればステップ205にて制御フラグをオンとし
てリターンに進み、またそうでなければステップ206
にて制御フラグをオフとしてリターンに進む。制御フラ
グのオンにより図1の電磁弁21がオン(閉)とされ、
制御フラグのオフにより電磁弁21がオフ(開)とされ
るものである。図6に示されるように、制御踏力SSP
DLFは車体速度が大きい程小さくなるので、車体速度
が大きい場合には、同一踏力に対するペダルストローク
量が短くなり、大きいブレーキ力を発生し易くなる。ま
た、車体速度が小さい場合には、同一踏力に対するペダ
ルストローク量が長くなり、ペダル操作によるブレーキ
力の調節が容易になる。尚、この例では制御しきい値と
して踏力を用いて電磁弁21の開閉制御を行っている
が、踏力に対応するペダルストローク、マスターシリン
ダ液圧、車両縦方向減速度を用いて電磁弁21の開閉制
御を行うこととしてもよい。
【0041】図5のペダルストロークシミュレータ制御
1に代えて図7のペダルストロークシミュレータ制御2
を行うこととしてもよい。図7においては、先ずステッ
プ301にて車両進行方向が後進方向であるか否かが判
定される。そうであれば、ステップ302にて制御フラ
グをオフとした後、リターンに進む。また、後進方向で
なければ、ステップ303にて踏力PDLFが所定の制
御踏力値SSPDLFよりも大きいか否かが判定され、
そうであればステップ304にて制御フラグをオンとし
てリターンに進み、また踏力PDLFが制御踏力SSP
DLFよりも小さければリターンに進む。これにより、
車両後進時には、車両前進時に比べ、同一踏力に対する
ペダルストロークが長くなり、従って、運転者が身体を
ねじって後ろ向きでペダル操作を行う際にブレーキ力を
容易に調節することができる。
【0042】図5のペダルストロークシミュレータ制御
1に代えて図8のペダルストロークシミュレータ制御3
を行うこととしてもよい。図8においては、先ずステッ
プ401にて走行路面の摩擦係数μに対応する制御踏力
SSPDLFが、図9のマップに基づいて演算される。
次いで、ステップ402にて踏力PDLFが制御踏力S
SPDLFよりも大きい否か否かが判定され、そうであ
ればステップ403にて制御フラグをオンとしてリター
ンに進み、またそうでなければステップ405にて制御
フラグをオフとしてリターンに進む。図9に示されるよ
うに、制御踏力SSPDLFは推定摩擦係数μが高い程
小さくなるので、推定摩擦係数μが低い場合には、推定
摩擦係数μが高い場合に比べて、同一踏力に対するスト
ローク量が長くなり、ペダル操作によるブレーキ力の調
節が容易になる。尚、この例では、制御しきい値として
踏力を用いて電磁弁21の開閉制御を行っているが、踏
力に対応するペダルストローク、マスターシリンダ液
圧、車両縦方向減速度を用いて電磁弁21の開閉制御を
行うこととしてもよい。
【0043】図5のペダルストロークシミュレータ制御
1に代えて図10のペダルストロークシミュレータ制御
4を行うこととしてもよい。図10においては、先ずス
テップ501にてストップスイッチがオンであるか否か
が判定され、そうでなければステップ502にてペダル
ストロークしきい値SSPDLSを初期値に更新した
後、リターンに進む。また、そうであれば、ステップ5
03にてペダルストロークセンサにより検出されたペダ
ルストロークPDLSが所定のペダルストロークしきい
値TH1よりも大きいか否かが判定される。ペダルスト
ロークしきい値TH1は、これ以下のペダルストローク
では制御フラグのオンを禁止するためのものである。ペ
ダルストロークPDLSが所定のペダルストロークしき
い値TH1以下であればリターンに進み、またペダルス
トロークPDLSが所定のペダルストロークしきい値T
H1よりも大きければステップ504にて、図4のステ
ップ110で演算されたペダル速度に対応するペダルス
トロークしきい値SSPDLSが図11のマップから演
算される。次いでステップ505にてペダルストローク
しきい値SSPDLS今回値が過去に演算されているペ
ダルストロークしきい値SSPDLSよりも大きい否か
が判定され、そうでなければステップ506にてペダル
ストロークしきい値SSPDLSをペダルストロークし
きい値SSPDLS今回値を更新した後、ステップ50
7に進む。ペダルストロークしきい値SSPDLS今回
値が過去に演算されいるペダルストロークしきい値SS
PDLSよりも大きければ、ステップ507に進む。ス
テップ507では、図1中のペダルストロークセンサ2
4により検出されたペダルストロークPDLSがペダル
ストロークしきい値SSPDLSよりも大きいか否かが
判定され、そうであればステップ508にて制御フラグ
をオンとした後リターンに進み、またペダルストローク
PDLSがペダルストロークしきい値SSPDLSより
も大きくなければステップ509にて制御フラグをオフ
とした後、リターンに進む。
【0044】而して、図10のペダルストロークシミュ
レータ制御4によれば、ペダル速度が速いときには、ペ
ダル速度が遅いときに比べて、同一踏力に対するペダル
ストロークが短くなり、速やかにペダル踏力を増大する
ことができる。即ち、緊急ブレーキ操作時には大きいブ
レーキ力を速やかに発生させることができる。
【0045】図10のフローチャートに示される制御に
おいては、ペダルストロークしきい値SSPDLSをペ
ダル速度に応じて決めるようにしているが、ペダルスト
ロークしきい値SSPDLSを、ペダル速度との間に比
例関係が存在する、踏力増加勾配、マスターシリンダ液
圧増加勾配、車両縦方向減速度増加勾配の何れかに応じ
て決めることとしてもよく、そのようにしても図10の
フローチャートに示される制御と同等の結果を得ること
ができる。
【0046】図5のペダルストロークシミュレータ制御
1に代えて図12のペダルストロークシミュレータ制御
5を行うこととしてもよい。図12においては、先ずス
テップ601にてストップスイッチがオンであるか否か
が判定され、そうでなければステップ602にて最大ペ
ダル速度MAXPDLSPD及びペダルストロークしき
い値THCONをそれぞれ初期値0に更新した後、リタ
ーンに進む。また、ストップスイッチがオンであれば、
ステップ603に進みペダルストロークしきい値THC
ONが0であるか否かが判定され、そうであればステッ
プ604にてペダル速度PDLSPDが最大ペダル速度
MAXPDLSPDよりも大きいか否かが判定される。
ペダル速度PDLSPDが最大ペダル速度MAXPDL
SPDよりも大きければ、ステップ605に進み最大ペ
ダル速度MAXPDLSPDがペダル速度PDLSPD
に更新された後ステップ606に進む。ペダル速度PD
LSPDが最大ペダル速度MAXPDLSPDよりも大
きくなければ、ステップ606に進む。ステップ606
では、最大ペダル速度MAXPDLSPDが所定のしき
い値THMAXよりも大きいか否かが判定され、そうで
あればステップ607にてペダル速度PDLSPDが所
定のペダル速度しきい値THPDLよりも小さいか否か
が判定されるが、ステップ606の判定で最大ペダル速
度MAXPDLSPDが所定のペダル速度しきい値TH
MAXよりも小さければリターンに進む。ステップ60
7の判定でペダル速度PDLSPDが所定のペダル速度
しきい値THPDLよりも小さければ、ステップ608
にてペダルストロークしきい値THCONをペダルスト
ロークPDLSTRに更新した後、ステップ609に進
むが、ステップ607の判定でペダル速度PDLSPD
が所定のペダル速度しきい値THPDL(ペダル速度し
きい値THMAXよりも小さい)よりも小さくなけれ
ば、リターンに進む。ステップ609においては、ペダ
ルストロークPDLSTRがペダルストロークしきい値
THCONよりも大きいか否かが判定され、そうであれ
ばステップ610にて制御フラグをオンとした後、リタ
ーンに進む。また、ペダルストロークPDLSTRがペ
ダルストロークしきい値THCONよりも大きくなけれ
ば、ステップ611にて制御フラグをオフとした後、リ
ターンに進む。
【0047】ステップ603の判定でペダルストローク
しきい値THCONが0でなければ、ステップ609に
進む。
【0048】而して、図12のペダルストロークシミュ
レータ制御5によれば、ペダル速度が極大値をとり、そ
の後所定値よりも低下したとき、同一踏力に対するスト
ロークが短くなる。一般的に、運転者は踏み増し時には
剛性感のあるブレーキ操作感を好むが、この好みを実現
することができる。尚、この例ではペダルストロークし
きい値THCONをペダル速度に応じて決めるようにし
ているが、ペダル速度との間に比例関係が存在する踏力
増加勾配、マスターシリンダ液圧増加勾配、車両縦方向
減速度増加勾配に何れかに応じて決めることとしても
い。また、制御しきい値としてペダルストロークを用い
て電磁弁21の開閉制御を行っているが、ペダルストロ
ークに対応する踏力、マスターシリンダ液圧、車両縦方
向減速度を用いて電磁弁21の開閉制御を行うこととし
てもよい。
【0049】図5のペダルストロークシミュレータ制御
1に代えて図13のペダルストロークシミュレータ制御
6を行うこととしてもよい。図13においては、先ずス
テップ701において、図1中の車体横加速度センサ3
0により検出された車体横加速度に対応する制御踏力S
SPDLFが、図14のマップに基づいて演算される。
次いで、ステップ702にて踏力PDLFが制御踏力S
SPDLFよりも大きい否か否かが判定され、そうであ
ればステップ703にて制御フラグをオンとしてリター
ンに進み、またそうでなければステップ704にて制御
フラグをオフとしてリターンに進む。図14に示される
ように、制御踏力SSPDLFは車体横加速度が大きい
程小さくなるので、車体横加速度が大きい場合には、車
体横加速度が小さい場合に比べて、同一踏力に対するス
トローク量が短くなり、運転者が不安定な姿勢であって
も容易にペダルを操作することができる。尚、この例で
は制御しきい値として踏力を用いて電磁弁21の開閉制
御を行っているが、ペダル踏力に対応するペダルストロ
ーク、マスターシリンダ液圧、車両縦方向減速度を用い
て電磁弁21の開閉制御を行うこととしてもよい。
【0050】図13のペダルストロークシミュレータ制
御6においては、制御踏力SSPDLFを車体横加速度
により決めるようにされているが、制御踏力SSPDL
Fを、ヨーレート又は舵角の何れかにより決めることと
してもよく、そのようにしても図13のフローチャート
に示される制御と同等の結果を得ることができる。
【0051】図5のペダルストロークシミュレータ制御
1に代えて図15のペダルストロークシミュレータ制御
7を行うこととしてもよい。図15においては、先ずス
テップ801にてストップスイッチがオンか否が判定さ
れ、オンでなければステップ802に進みその時の特性
切換操作スイッチの切換位置1〜4に対応した制御踏力
SSPDLFを、図16のマップに基づいて演算した
後、ステップ803に進む。また、ストップスイッチが
オンであればステップ803に進む。ストップスイッチ
がオンの間は制御踏力SSPDLFが更新されないもの
である。ステップ803では、踏力PDLFが制御踏力
SSPDLFよりも大きい否か否かが判定され、そうで
あればステップ804にて制御フラグをオンとしてリタ
ーンに進み、またそうでなければステップ805にて制
御フラグをオフとしてリターンに進む。図16に示すよ
うに、特性切換操作スイッチの切換位置が1から4に近
づく程制御踏力SSPDLFが小さくなり、特性切換操
作スイッチの切換位置が4の場合には、特性切換操作ス
イッチの切換位置が1の場合に比べて、同一踏力に対す
るストローク量が短くなる。従って、運転者は、特性切
換操作スイッチの操作により自分に最も適した踏力−ス
トローク特性を選択することができる。尚、この例では
制御しきい値として踏力を用いて電磁弁21の開閉制御
を行っているが、ペダル踏力に対応するペダルストロー
ク、マスターシリンダ液圧、車両縦方向減速度を用いて
電磁弁21の開閉制御を行うこととしてもよい。そし
て、切換スイッチの切換位置の数も4つに限定されるも
のではなく、無段階に転位できる切換スイッチを用いて
もよい。
【0052】図5のペダルストロークシミュレータ制御
1に代えて図17のペダルストロークシミュレータ制御
8を行うこととしてもよい。図17においては、先ずス
テップ901にてアンチロック制御中であるか否かが判
定され、そうであればステップ902にて制御フラグを
オンとしてリターンに進み、またそうでなければステッ
プ903にて制御フラグをオフとしてリターンに進む。
而して、アンチロック制御に入ったときには、踏力を増
大してもペダルがあまりストロークしないようになるこ
とから、運転者はこれ以上車体減速度がでないことを認
識することができる。
【0053】
【発明の効果】この出願の発明に係る車両ブレーキ装置
は、ブレーキペダルの踏力とストロークの関係を車両の
ブレーキ時の状況に応じて変えることができ、車両運転
者のブレーキ操作を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明に係る車両ブレーキ装置の概略
構成を示す図である。
【図2】図1中のマスターシリンダの詳細構造を示す縦
断面図である。
【図3】踏力に対するストロークの関係を示す図であ
る。
【図4】電気制御装置の処理内容を示すフローチャート
である。
【図5】図4中のペダルストロークシミュレータ制御の
内容を示すフローチャートである。
【図6】車体速度と制御踏力との関係を示すマップであ
る。
【図7】図4中のペダルストロークシミュレータ制御の
内容を示すフローチャートである。
【図8】図4中のペダルストロークシミュレータ制御の
内容を示すフローチャートである。
【図9】走行路面の摩擦係数と制御踏力との関係を示す
マップである。
【図10】図4中のペダルストロークシミュレータ制御
の内容を示すフローチャートである。
【図11】ペダル速度と制御ストロークとの関係を示す
マップである。
【図12】図4中のペダルストロークシミュレータ制御
の内容を示すフローチャートである。
【図13】図4中のペダルストロークシミュレータ制御
の内容を示すフローチャートである。
【図14】車体横加速度と制御踏力との関係を示すマッ
プである。
【図15】図4中のペダルストロークシミュレータ制御
の内容を示すフローチャートである。
【図16】特性切換操作スイッチの切換位置と制御踏力
との関係を示すマップである。
【図17】図4中のペダルストロークシミュレータ制御
の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11、12・・・車輪ブレーキ 13・・・リザーバ 14・・・パワー液圧源 15・・・マスタシリンダ 15S、27、28・・・ストロークシミュレート用ス
プリング 17、19・・・圧力センサ 20・・・ブレーキペダル 21・・・開閉電磁弁 22・・・電気制御装置 23・・・踏力センサ 24・・・ストロークセンサ 29・・・ストップスイッチ 30・・・車体横加速度センサ 31・・・ヨーレートセンサ 32・・・変速機の後進位置シフトサンサ 33・・・特性切換操作スイッチ 34・・・舵角センサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏力とストロークとの
    関係を電気的に可変制御できるペダルストロークシミュ
    レータと、当該車両に関連する所定状態を検出する検出
    手段、及びこの検出手段の検出出力に基づき前記ペダル
    ストロークシミュレータを電気的に制御して同一踏力に
    対するストロークを可変制御する制御手段を備えたこと
    を特徴とするペダルストロークシミュレータ付き車両ブ
    レーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のペダルストロークシミ
    ュレータ付き車両ブレーキ装置であって、前記所定状態
    が車体速度であり、その値が大きくなる程同一踏力に対
    するストロークを短くするように前記制御手段が構成さ
    れていることを特徴とするペダルストロークシミュレー
    タ付き車両ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のペダルストロークシミ
    ュレータ付き車両ブレーキ装置であって、前記所定状態
    が車両進行方向であり、それが後進方向である場合に
    は、それが前進方向である場合に比べて、同一踏力に対
    するストロークを長くするように前記制御手段が構成さ
    れていることを特徴とするペダルストロークシミュレー
    タ付き車両ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のペダルストロークシミ
    ュレータ付き車両ブレーキ装置であって、前記所定状態
    が走行路面の推定摩擦係数であり、その値が小さい場合
    には、その値が大きい場合に比べて、同一踏力に対する
    ストロークを長くするように前記制御手段が構成されて
    いることを特徴とするペダルストロークシミュレータ付
    き車両ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のペダルストロークシミ
    ュレータ付き車両ブレーキ装置であって、前記所定状態
    がブレーキペダルのペダル速度、踏力増加勾配、マスタ
    ーシリンダ液圧増加勾配、車両縦方向減速度増加勾配の
    何れかであり、その値が大きくなる程同一踏力に対する
    ストロークを短くするように前記制御手段が構成されて
    いることを特徴とするペダルストロークシミュレータ付
    き車両ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のペダルストロークシミ
    ュレータ付き車両ブレーキ装置であって、前記所定状態
    がブレーキペダルのペダル速度、踏力増加勾配、マスタ
    ーシリンダ液圧増加勾配、車両縦方向減速度増加勾配の
    何れかであり、その値が極大値をとった後所定の値まで
    低下したとき、同一踏力に対するストロークを短くする
    ように前記制御手段が構成されていることを特徴とする
    ペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のペダルストロークシミ
    ュレータ付き車両ブレーキ装置であって、前記所定状態
    が車体横方向加速度、ヨーレート及び舵角の何れかであ
    り、その値が大きくなる程同一踏力に対するストローク
    を短くするように前記制御手段が構成されていることを
    特徴とするペダルストロークシミュレータ付き車両ブレ
    ーキ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のペダルストロークシミ
    ュレータ付き車両ブレーキ装置であって、前記所定状態
    が、当該車両に装備された特性切換操作スイッチの切換
    位置であることを特徴とするペダルストロークシミュレ
    ータ付き車両ブレーキ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のペダルストロークシミ
    ュレータ付き車両ブレーキ装置であって、前記所定状態
    がアンチロック制御装置の作動状態であり、アンチロッ
    ク制御装置の作動状態では、アンチロック制御装置の非
    作動状態に比べて、同一踏力に対するストロークを短く
    するように前記制御手段が構成されていることを特徴と
    するペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装
    置。
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