JPH10297451A - 減速度付加制御装置 - Google Patents

減速度付加制御装置

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JPH10297451A
JPH10297451A JP10633797A JP10633797A JPH10297451A JP H10297451 A JPH10297451 A JP H10297451A JP 10633797 A JP10633797 A JP 10633797A JP 10633797 A JP10633797 A JP 10633797A JP H10297451 A JPH10297451 A JP H10297451A
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deceleration
gain
braking
accelerator pedal
braking device
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JP10633797A
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English (en)
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Nobuo Momose
信夫 百瀬
Takao Morita
隆夫 森田
Hisashi Yanase
尚志 梁▲瀬▼
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクセルペダル解放操作に応じて制動装置を
自動的に作動させて車両を減速させる減速度付加制御装
置において、付加制動力の時間的変化パターンを適正化
して運転者が期待する減速度を発生させる。 【解決手段】 アクセルペダルが解放操作された場合、
車速に応じた目標減速度と車速および変速段に応じたエ
ンジンブレーキ減速度とから減速度差(ΔGp)が求め
られ、横加速度補正される。補正済み減速度差(ΔGp
y)とゲイン(Kg)との積に対応するゲイン乗算部出
力(ΔGg)に応じてソレノイド(201a)が付勢さ
れ、ブレーキが作動して付加制動力が発生する。ゲイン
(Kg)を減速度付加開始時点からの経過時間に基づい
て決定することにより、付加制動力の時間的変化パター
ンが適正化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクセルペダル操
作状態に応じて制動装置を自動的に作動させて車両を自
動的に減速させる減速度付加制御装置に関し、特に、ア
クセルペダル戻し操作が行われたとき、運転者が期待す
る車両減速度を発生させる減速度付加制御装置に関す
る。
【0002】
【関連する背景技術】運転者の減速意志が示されたと
き、例えばアクセルペダルの踏込みが解放されたとき
に、制動装置を自動的に作動させて車両を自動的に減速
させることが知られている。このような減速度付加制御
によれば、運転者が車両の惰性走行を行おうとしている
場合等においても、アクセルペダルが解放状態にありさ
えすれば制動装置が動作し、従って、運転者が望まない
減速が生じることがある。
【0003】そこで、特開平4−118344号公報に
記載された車両用補助制動装置の制御方法では、設定値
以上の速度でアクセルペダル戻し操作が行われて運転者
の制動意志が明確に示されたときに補助制動装置を作動
させる一方、この様な制動意志が検出されないときは補
助制動装置の作動を解除するようにしている。詳しく
は、補助制動装置が作動した後でアクセルペダルが踏み
込まれ、或いは、補助制動装置の作動後に一旦踏み込ま
れたブレーキペダルが解放された場合には、装置の作動
が解除される。その一方で、補助制動装置の作動開始時
点から所定時間(例えば0.5秒)が経過するまで、制
動装置は作動状態に保持される。これにより、エンジン
ブレーキを効かすためのシフトダウンに際してクラッチ
ミートのためにアクセルペダルが踏込み操作された場合
にも、減速度付与が継続して行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載の減速
度付加制御によれば、一旦開始された補助制動装置の減
速度付加動作は、アクセルペダル踏込み操作やブレーキ
ペダルの踏込み・解放操作が行われるまで継続する。こ
のため、アクセルペダルが解放された後、減速度付加に
よる減速の期間が長びいて、運転者が期待する車両減速
度を発生できないことがある。
【0005】本発明の目的は、運転者の減速意志を判別
した際に、運転者が期待する車両減速度を車両の制動装
置を利用して自動的に発生させるようにした減速度付加
制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による減速度付加制御装置は、車両の制動装置を自動的
に作動させる減速度付加制御装置において、アクセルペ
ダルの操作状態を検出するアクセル操作状態検出手段
と、該アクセル操作状態検出手段により前記アクセルペ
ダルが戻し状態にあることが検出されたときに前記制動
装置を減速度付加動作させる制御手段とを備え、前記制
御手段は、前記制動装置が発生する制動力が時間経過に
つれて漸減するように、前記制動装置を動作させると共
に、前記減速度付加動作の開始時点から所定時間が経過
したときに前記制動装置の減速度付加動作を停止させる
ことを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の本発明による減速度付加
制御装置は、前記制動装置が発生する制動力が、前記制
動装置の制動動作開始時点から一定時間が経過するまで
一定に保持され、次いで、時間経過につれて漸減するよ
うに、前記制動装置を動作させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
一実施形態による減速度付加制御装置を説明する。本実
施形態による減速度付加制御装置は、エンジンブレーキ
相当の緩い減速度を車両に付与することを企図するもの
で、車両に装備された制動装置の倍力装置を用いてこの
緩減速度付加を行うようにしている。このため、本実施
形態の倍力装置は、運転者のブレーキペダル踏込み操作
に応動してブレーキペダル踏力を増大させる通常の倍力
機能に加えて、付加的な緩減速度を付与する機能を奏す
るようになっている。
【0009】図1に示すように、倍力装置100は、ブ
レーキペダル1に外方端が連結されたオペレーティング
ロッド101と、マスタシリンダ2のピストン(図示
略)に一端が連結されたプッシュロッド102と、両ロ
ッド101、102間に配され一端がプッシュロッド1
02のディスク部102aに固定されたプランジャ10
3とを有している。プッシュロッド102およびプラン
ジャ103と同心状に配されたブースターピストン10
4は、プッシュロッド102のディスク部102aに軸
方向相対移動が可能なように外嵌されている。
【0010】倍力装置100はハウジング111を更に
備え、このハウジング111の内部は、第1ダイヤフラ
ム112と第2ダイヤフラム113と隔壁114とによ
って、変圧室121と定圧室122と制御室123とに
3つに区分されている。第1ダイヤフラム112は、そ
の外周縁がハウジング111の周壁に固定され、その内
周縁が隔壁114の内方端またはブースターピストン1
04のブレーキペダル側の外周面に固定されている。ま
た、第2ダイヤフラム113は、その外周縁がハウジン
グ111のマスタシリンダ側の端壁に固定され、その内
周縁がブースターピストン104のマスタシリンダ側の
外周面に固定されている。
【0011】ハウジング111のマスタシリンダ側の端
壁には負圧ポート115が形成され、この負圧ポート1
15は、一方では定圧室122に連通し、他方では、車
両に搭載されたエンジンの吸気管(図示略)に連通して
いる。従って、エンジン運転中、定圧室122には吸気
管内負圧が常時供給される。また、ハウジング111の
マスタシリンダ側端壁に形成された大気ポート116
は、一方では制御室123に連通し、他方では圧力比例
制御弁201を介して吸気管及び外部大気空間に連通可
能にされている。圧力比例制御弁201のソレノイド2
01aに電圧が印加されて圧力比例制御弁201が作動
すると、ソレノイド201aを流れる電流値に従って調
圧された圧力が制御室123に供給される。
【0012】ブースターピストン104の外面と隔壁1
14の内面とにより負圧通路が画成され、この負圧通路
の一端は定圧室122に常に連通し、その他端は負圧弁
131を介して変圧室121に連通可能にされている。
負圧弁131は、オペレーティングロッド101などが
非作動位置にあるときに開き、ブレーキペダル1の踏込
み操作に伴ってオペレーティングロッド101がマスタ
シリンダ側へ移動(以下、左動という)したとき、また
は、制御室123への大気圧供給に伴ってブースターピ
ストン104などがブレーキペダル側へ移動(以下、右
動という)したときに閉じるようになっている。
【0013】また、ハウジング111内にはオペレーテ
ィングロッド回りに大気通路が形成され、この大気通路
は、その一端がエアフィルタ151を介して外部大気空
間へ連通し、その他端が大気弁132を介して変圧室1
21に連通可能にされている。大気弁132は、オペレ
ーティングロッド101などが非作動位置にあるときに
閉じ、オペレーティングロッド101などが左動したと
き、または、ブースターピストン104などが右動した
ときに開くようになっている。
【0014】負圧弁131が開いているとき変圧室12
1に負圧が供給され、大気弁132が開いているとき変
圧室121に大気が供給される。図1中、参照符号14
1、142はオペレーティングロッド101と負圧弁1
31間に配されたスプリングをそれぞれ示し、符号14
3はハウジング111のマスタシリンダ側端壁とブース
ターピストン104との間に配されたスプリングを示
す。
【0015】上記構成の倍力装置100を装備した制動
装置において、ブレーキペダル1の踏込み操作が行われ
ない非制動時には、変圧室121、定圧室122および
制御室123の全てに負圧が供給され、従って、倍力装
置100が非作動化される。運転者によるブレーキペダ
ル1の踏込み操作が行われる通常制動時には、変圧室1
21に大気圧が導入される一方で、定圧室122および
制御室123には負圧が導入されるため、変圧室121
の内圧と定圧室122および制御室123の内圧との差
により、ブースターピストン104およびプッシュロッ
ド102が左動し、これによりブレーキペダル踏力が倍
力されてマスタシリンダ2に伝達される。この結果、ブ
レーキペダル踏込み操作に応じてマスタシリンダ2から
制御対象車輪のディスクブレーキ5のブレーキシリンダ
に所要の液圧が供給され、ブレーキピストンによりブレ
ーキパッドがブレーキディスクに押圧されて、通常の制
動がなされる。
【0016】制御対象車輪は、前輪または後輪で良く、
前後輪であっても良い。また、ディスクブレーキ以外の
タイプのブレーキを使用可能である。上記踏込み状態に
あったブレーキペダル1が解放されてオペレーティング
ロッド101などが右動すると、大気弁132が負圧弁
131と接触して閉じる。オペレーティングロッド10
1などの更なる右動に伴って負圧弁131が更に右動す
ると、負圧弁131とブースターピストン104とが非
接触となって負圧弁131が開く。この結果、変圧室1
21が定圧室122に連通して3つの室121、122
及び123内が負圧になり、倍力装置100が非作動状
態に戻る。この結果、ブレーキ5の制動動作が終了す
る。
【0017】後で詳述する減速度付加制御時(緩減速
時)、圧力比例制御弁201のソレノイド201aへ制
御電圧が印加され、この結果、圧力比例制御弁201で
調圧されかつ大気圧に近い負圧が制御室123に供給さ
れ、制御室123の内圧と定圧室122の内圧との差に
よりブースターピストン104が右動する。このピスト
ン移動に伴って負圧弁131が閉じると共に大気弁13
2が開き、変圧室121へ大気圧が導入される。そし
て、変圧室121の内圧と定圧室122の内圧との差に
よりブースターピストン104が左動して、マスタシリ
ンダ2からの液圧の送り出しが開始され、左動したブー
スターピストン104は、スプリング143の付勢力に
応じて定まる平衡位置をとる。この結果、マスタシリン
ダ2から送り出された液圧は通常制動時よりも低い液圧
で制御対象車輪のブレーキ5のブレーキシリンダへが供
給されて、ブレーキ5により緩減速時の制動がなされ
る。すなわち、ブレーキペダルが踏込み操作されていな
いにもかかわらず、付加的な緩い減速度が車両に自動的
に付与される。
【0018】次に、圧力比例制御弁ソレノイド201a
への制御電圧がゼロに変更され、圧力比例制御弁201
が吸気管と連通して、制御室123へ負圧が供給され
る。この結果、ブースターピストン104が左動して大
気弁132が閉じると共に負圧弁131が開き、変圧室
121内へ負圧が導入されて倍力装置100は非作動状
態に戻る。すなわち、付加的な緩減速度付与が終了す
る。
【0019】以上の説明からも明らかなように、圧力比
例制御弁ソレノイド201aを流れる電流値により緩減
速度付与度合いを制御可能である。本実施形態による減
速度付加制御装置は、アクセルペダル3が所定の戻り位
置に戻されたときに減速度付加制御を開始する。この減
速度付加制御は、車速と変速装置で確立されている変速
段とに応じた所要の車両減速度を発生するべく、上記の
倍力装置100を減速度付加動作させることを企図して
いる。また、この減速度付加制御装置は、減速度付加に
より発生する車両減速度の時間変化パターンを運転者の
期待に合致したものにするような減速度付加を実施する
ことを企図している。
【0020】減速度付加制御装置は、中央処理装置(C
PU)と入出力インターフェース回路(図示略)とを含
む制御部301を備え、この制御部301には、減速度
付加制御用のプラグラムを含む各種制御プログラムが格
納されたリードオンリメモリ302と、CPUによる各
種演算処理結果などを格納するランダムアクセスメモリ
303とが接続されている(図1)。
【0021】図2に示すように、制御部301は各種機
能部によって構成されている。制御部301は、減速度
付加制御上の目標減速度を車速に基づいて決定する目標
減速度決定部311を有している。この目標減速度決定
部311は、図3に示す車速・目標減速度マップを有し
て、車速センサ(車速検出手段)401により検出され
た車速Vに対応する目標減速度Gtをこのマップから読
み出すようになっている。目標減速度特性線は、3速エ
ンジンブレーキ減速度特性線の立ち上がり部分にほぼ沿
うように予め設定されており(図5参照)、また、低車
速領域、中車速領域および高車速領域にそれぞれ対応す
る3つの直線区間から構成されている。第1直線区間で
は、V1(例えば10km/h)からV2(例えば25
km/h)までの車速Vに対応して目標減速度Gtは0
GからGt1(例えば0.05G)までの値をとる。第
2直線区間では、V2からV3(例えば70km/h)
までの車速Vに対応して目標減速度GtはGt1からG
t2(例えば0.07G)までの値をとる。そして、V
3以上の車速Vに対応する第3直線区間では、目標減速
度Gtは車速Vとは無関係に一定値Gt2をとる。この
様な目標減速度特性線の設定によれば、低速変速段・低
車速域での過剰な減速度付加が回避され、中速変速段・
低車速域での、及び、町中で先行車両に追従して走行す
るような高速変速段・中車速域でのエンジンブレーキ不
足を解消でき、また、エンジンブレーキが充分に効く高
車速域での無用な減速度付加が回避される。そして、減
速度付与は、エンジンの制動ポテンシャルを補う観点か
ら、通常の制動操作により発生する減速度(0.2〜
0.3G)よりも小さい減速度(約0.1G)を発生さ
せるような緩減速を企図している。
【0022】なお、図3に示す目標減速度特性線は、車
両が平坦路を走行していることを前提にして設定されて
いる。このため、下り坂走行時の過剰な減速度付与が回
避されて運転者が違和感を感じることがなくなる。すな
わち、本実施形態による減速度付与は平坦路と下り坂と
での減速度合いの相違を是認したもので、運転者の運転
フィーリングに沿った減速度付与を実現するようにして
いる。また、下り坂での過剰な減速度付与によるブレー
キ装置の負担が回避される。
【0023】制御部301は、アクセルペダル3の戻し
操作に伴うエンジンブレーキにより生じる減速度(以
下、エンジンブレーキ減速度Gbという)を決定するエ
ンジンブレーキ減速度決定部312を有している。この
エンジンブレーキ減速度決定部312は、図4に示す車
速・変速段・エンジンブレーキ減速度マップを有して、
車速センサ401により検出された車速Vとシフトソレ
ノイド(変速段検出手段)402により検出された変速
段Sとに基づいてエンジンブレーキ減速度Gbを同マッ
プから決定する。図4に示すエンジンブレーキ減速度マ
ップは平坦路走行を前提に設定され、図3に示す平坦路
を前提とした目標減速度マップとの整合性をとるように
している。
【0024】制御部301の減算器313では、目標減
速度Gtからエンジンブレーキ減速度Gbが減じられて
減速度差ΔG(図5参照)が算出される。また、制御部
301の減速度差決定部314では、減算器313で算
出した減速度差ΔGを入力し、減速度差ΔGの値がゼロ
であるか或いはその符号が正であればこの減速度差ΔG
をそのまま減速度差決定部出力ΔGpとして出力し、一
方、符号が負であれば減速度差ΔGに代えて値0の出力
ΔGpを出力する(図6を参照)。これにより、エンジ
ンブレーキのみによる減速では減速不足を来す場合に付
加的な減速を行う一方、そうでなければ付加的な減速を
阻止するので、中速変速段・低車速域での、及び、高速
変速段・中車速域でのエンジンブレーキ不足を解消で
き、高車速域での無用な減速度付加が回避される。
【0025】制御部301は、車速センサ401により
検出された車速Vとハンドル角センサ403により検出
されたハンドル角θとに基づいて従来公知の算出方法に
より横加速度GYを算出する横加速度算出部(横加速度
検出手段)315を含む。補正係数決定部316は、図
7に示す横加速度・補正係数マップを有して、算出横加
速度GYに対応する横加速度補正係数Kを決定する。図
7に示すように、補正係数Kは横加速度GYが0Gから
GY1(例えば0.6G)までの横加速度領域では常に
値1.0をとり、横加速度GYがGY1からGY2(例
えば0.8G)までの領域では1.0から0までの値を
とる。また、横加速度GYが値GY2を上回る領域では
常に値0をとる。制御部301の横加速度補正部317
では、減速度差決定部314からの出力ΔGp(=ΔG
または0)に横加速度補正係数Kが乗じられる。
【0026】上記の横加速度補正は、タイヤのグリップ
力に余裕のある低横加速度領域では減速度付与を積極的
に行う一方で、グリップ力に余裕のない高横加速度領域
では減速度付与を阻止して当該領域での不用意な減速度
付与による車両挙動の乱れを未然に防止するようにして
いる。また、車速Vとハンドル角θとに基づく横加速度
検出によれば、積雪路走行時などでは、実際に発生して
いる横加速度よりも相当に大きい横加速度が検出され
て、積雪路走行時などでの不用意な減速度付与を回避で
きる。また、横加速度センサが不要でもある。
【0027】本実施形態では、減速度付加により発生す
る車両減速度を時間軸上でみたとき、この減速度(詳し
くは、減速度の時間変化パターン)が運転者の期待に合
致するものになるようにしている。一般に、運転者は、
アクセルペダルを解放した直後に比較的大きい減速度が
発生することを期待する。そこで、本実施形態では、ア
クセルペダル解放操作に応じて減速度付加を開始し、こ
の減速度付加の開始時点から所定時間が経過したときに
減速度付加を終了するようにしている。詳しくは、アク
セルペダル解放操作がなされた直後の数秒間にわたって
大きな減速度を発生させ、その後は時間経過につれて漸
減する減速度を発生させるようにしている。
【0028】このため、制御部301は、図8に例示す
る時間・ゲインマップを有して、このマップに基づいて
ゲインKgを決定するゲイン決定部318と、斯く決定
されたゲインKgを用いて横加速度補正部317の出力
ΔGpy(=KΔGp)を補正するゲイン乗算部319
とを更に有し、減速度付加により発生する車両減速度の
時間変化パターンを適正化するにしている。
【0029】ゲイン決定部318はタイマカウンタ(図
示略)を内蔵し、また、ゲイン決定部の入力側はアクセ
ル戻しスイッチ404に接続されている。ゲイン決定部
318では、アクセルペダル解放状態を表すアクセル戻
しスイッチ出力を入力した時点からの経過時間が計時さ
れ、斯く計時された経過時間に基づいて図8のマップか
らゲインKgが決定される。図8に示すように、ゲイン
Kgの値は、アクセルペダル解放時点から第1の所定時
間Tg1(例えば2秒間)が経過するまでは値1.0で
あり、所定時間Tg1の経過後は値1.0から時間経過
につれて漸減し、第2の所定時間Tg2(例えば3秒
間)の経過以降は値0になる。ゲイン乗算部319で
は、横加速度補正部317の出力ΔGpyにゲイン決定
部318で決定されたゲインKgが乗じられる。この結
果、アクセルペダル解放操作直後に大きい減速度を発生
させることができ、従って、運転者の期待に合致するよ
うな減速度付加が可能になる。
【0030】なお、減速度の時間変化パターンの設定に
係る時間・ゲインマップは図8に例示した台形状のもの
に限定されない。例えば、アクセルペダル解放操作時点
(減速度付加制御開始時点)から時間経過につれてゲイ
ンKgが直線的または指数関数的あるいは階段状に減少
するようにマップを設定可能である。また、図8のマッ
プを変更して、時間Tg1の経過時点からゲインKgが
指数関数的あるいは階段状に減少するようにしても良
い。
【0031】ゲイン乗算部319からの出力ΔGg(=
ΔGpy・Kg)は、アクセル戻しスイッチ404のオ
ンオフ状態に応動するスイッチ回路322を介して、信
号発生部323に供給される。アクセル戻しスイッチ4
04は、運転者によるアクセルペダル踏込み操作が全く
されておらず、アクセルペダル3が所定のアクセル戻し
位置にあるときにオン状態になり、それ以外の場合には
オフ状態になる。所定のアクセル戻し位置は、運転者の
減速意志を表すアクセルペダル位置(例えばアクセルペ
ダル踏込み量がアクセル全開時の約1%であるようなア
クセルペダル位置)に設定される。これにより、運転者
に減速意志があるときに付加的な減速度の付与を行える
ようにする一方で、平坦路での定常走行時に運転者がア
クセルペダルに足を載せているような状態での減速度付
与を回避すると共に、運転者の加速意志を表すアクセル
ペダル踏込み操作が行われた際の減速度付与を阻止して
ブレーキのひきずりを回避している。
【0032】制御部301の信号発生部323は、図9
に例示するゲイン乗算部出力・電流マップを有して、ゲ
イン乗算部出力ΔGgに対応する電流値を求め、求めら
れた電流値に対応する電圧を圧力比例制御弁ソレノイド
201aへ出力する。この結果、ゲイン乗算部出力ΔG
gに対応する電流が圧力比例制御弁ソレノイド201a
に流れることになる。図9に示すように、このソレノイ
ド駆動電流は、ゲイン乗算部出力ΔGgの増大につれて
増大する。
【0033】以下、図10を参照して、上記各種機能部
を具備した制御部301による減速度付加制御を更に説
明する。図10の減速度付加制御ルーチンにおいて、ア
クセル戻しスイッチ404がオンか否か、すなわち、ア
クセルペダル3がアクセル戻し位置にあるか否かが先ず
判別され(ステップS101)、この判別結果が否定で
あれば、ゲイン設定部318のタイマカウンタの値Tg
(減速度付加開始時点からの経過時間)を0にリセット
し(ステップS115)、ステップS101へ戻る。こ
の場合、減速度付加制御は実質的には行われないことに
なる。
【0034】一方、ステップS101での判別結果が肯
定であれば、減速度付加制御を実施するべく、先ず、セ
ンサ401、402及び403の出力V、S、θ及びア
クセル戻しスイッチ404のオンオフ状態が読み込まれ
る(ステップS102)。次に、図3のマップから車速
Vに対応する目標減速度Gtが読み出され(ステップS
103)、次に、図4のマップから車速Vと変速段Sと
に対応するエンジンブレーキ減速度Gbが読み出される
(ステップS104)。更に、目標減速度Gtからエン
ジンブレーキ減速度Gbを減じることにより減速度差Δ
Gが求められ(ステップS105)、この減速度差ΔG
の符号が正であるか否かが判別される(ステップS10
6)。この判別結果が否定であれば、減速度差ΔGが値
0に設定され(ステップS107)、後述のステップS
114へ進む。
【0035】一方、減速度差ΔGの符号が正であること
(減速度付加中)がステップS106で判別されると、
ゲイン設定部318のタイマカウンタの値Tgに値1が
加算される(ステップS108)。次いで、車速Vとハ
ンドル角θとに基づいて横加速度GYが算出され(ステ
ップS109)、図7からこの算出横加速度GYに対応
する横加速度補正係数Kが求められる(ステップS11
0)。次に、この補正係数Kが減速度差ΔG(=ΔG
p)に乗じられて減速度差ΔGが横加速度補正される
(ステップS111)。
【0036】次いで、ゲイン決定部318のタイマカウ
ンタの値Tgが読み込まれ、このカウント値Tgに応じ
たゲインKgが図8のマップから求められる(ステップ
S112)。そして、横加速度補正済みの減速度差ΔG
pyにゲインKgが乗じられてゲイン乗算部出力ΔGg
が求められ(ステップS113)、次いで、このゲイン
乗算部出力ΔGgに基づいて圧力比例制御弁ソレノイド
210aに流すべき電流値が図9のマップから求めら
れ、ソレノイド210aにこの電流値を流すための電圧
が同ソレノイドに印加される(ステップS114)。
【0037】この結果、ゲイン乗算部出力ΔGgに対応
するブレーキ液圧が、制御対象車輪のブレーキ5のブレ
ーキシリンダに供給され、これにより所要の付加的な減
速度が付与される。そして、この付加的な減速度とエン
ジンブレーキによる減速度との総和が適正な車両減速度
として現れる。付加的減速度は、アクセルペダル解放時
点からの時間経過につれて減少し、所定時間経過時点で
消滅する。
【0038】本発明の減速度付加制御装置は上記実施形
態のものに限定されず、種々に変形可能である。上記実
施形態では真空式倍力装置を利用して減速度付加を行う
ようにしたが、これに代えて油圧式倍力装置などを用い
ても良い。
【0039】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明による減速度付
加制御装置は、車両の制動装置を自動的に作動させる減
速度付加制御装置において、アクセルペダルの操作状態
を検出するアクセル操作状態検出手段と、該アクセル操
作状態検出手段により前記アクセルペダルが戻し状態に
あることが検出されたときに前記制動装置を減速度付加
動作させる制御手段とを備え、前記制御手段は、前記制
動装置が発生する制動力が時間経過につれて漸減するよ
うに、前記制動装置を動作させると共に、前記減速度付
加動作の開始時点から所定時間が経過したときに前記制
動装置の減速度付加動作を停止させるので、アクセルペ
ダルが戻し操作された直後に大きな付加制動力を発生す
ることができ、その後は付加制動力を漸減できる。この
結果、付加制動に伴う車両減速度を、運転者の期待に合
致するような時間的変化パターンで変化させることがで
き、これにより、運転者の減速意志が示された際に運転
者が期待する車両減速度を発生可能である。
【0040】請求項2に記載の本発明による減速度付加
制御装置は、前記制動装置が発生する制動力が、前記制
動装置の制動動作開始時点から一定時間が経過するまで
一定に保持され、次いで、時間経過につれて漸減するよ
うに、前記制動装置を動作させるので、アクセルペダル
の戻し操作時点から一定時間にわたり大きな付加制動力
を発生することができ、その後は付加制動力を漸減でき
る。この結果、付加制動に伴う車両減速度を、運転者の
期待に合致するような時間的変化パターンで変化させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による減速度付加制御装置
を構成する倍力装置および制御部を、一部を断面で示す
図である。
【図2】図1の制御部の各種機能部を示すブロック図で
ある。
【図3】図2に示した目標減速度決定部による目標減速
度の決定に用いられるマップを例示した図である。
【図4】図2に示したエンジンブレーキ減速度決定部に
よるエンジンブレーキ減速度の決定に用いられるマップ
を例示した図である。
【図5】目標減速度とエンジンブレーキ減速度との関係
を示す図である。
【図6】図2に示した減速度差決定部からの出力と減速
度差との関係を示す図である。
【図7】図2に示した横加速度補正部による横加速度補
正に用いられる補正係数と横加速度との関係を示す図で
ある。
【図8】図2に示したゲイン乗算部による乗算に用いら
れるゲインと時間との関係を示す図である。
【図9】図2の信号発生部により指示される電流値と図
2のゲイン乗算部出力との関係を示す図である。
【図10】図2の制御部が実行する減速度付加制御ルー
チンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3 アクセルペダル 100 倍力装置 201 圧力比例制御弁 201a ソレノイド 301 制御部 311 目標減速度決定部 312 エンジンブレーキ減速度決定部 314 減速度差決定部 315 横加速度算出部 316 補正係数決定部 317 横加速度補正部 318 ゲイン決定部 319 ゲイン乗算部 322 スイッチ回路 323 信号発生部 401 車速センサ 402 シフトソレノイド 403 ハンドル角センサ 404 アクセル戻しスイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の制動装置を自動的に作動させる減
    速度付加制御装置において、アクセルペダルの操作状態
    を検出するアクセル操作状態検出手段と、該アクセル操
    作状態検出手段により前記アクセルペダルが戻し状態に
    あることが検出されたときに前記制動装置を減速度付加
    動作させる制御手段とを備え、前記制御手段は、前記制
    動装置が発生する制動力が時間経過につれて漸減するよ
    うに、前記制動装置を動作させると共に、前記減速度付
    加動作の開始時点から所定時間が経過したときに前記制
    動装置の減速度付加動作を停止させることを特徴とする
    減速度付加制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制動装置が発生する制動力が、前記
    制動装置の制動動作開始時点から一定時間が経過するま
    で一定に保持され、次いで、時間経過につれて漸減する
    ように、前記制動装置を動作させることを特徴とする請
    求項1に記載の減速度付加制御装置。
JP10633797A 1997-04-23 1997-04-23 減速度付加制御装置 Pending JPH10297451A (ja)

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