JP2001010468A - 車両の急ブレーキ操作判断装置 - Google Patents

車両の急ブレーキ操作判断装置

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JP2001010468A
JP2001010468A JP17980499A JP17980499A JP2001010468A JP 2001010468 A JP2001010468 A JP 2001010468A JP 17980499 A JP17980499 A JP 17980499A JP 17980499 A JP17980499 A JP 17980499A JP 2001010468 A JP2001010468 A JP 2001010468A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転者が急ブレーキ操作を行なうであろうこと
を正確に判断する。 【解決手段】アクセル操作量センサS2で検出されるア
クセルペダル6の操作量の減少側への変化速度量がアク
セル操作変化速度算出手段10で算出され、判断手段1
3は、アクセル操作量の減少側への変化速度が設定上限
値未満であって設定下限値以上であるときに、ドライバ
がブレーキペダルによる急ブレーキ操作を行なうであろ
うと判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライバによる急
ブレーキ操作を判断するようにした車両の急ブレーキ操
作判断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ドライバの急ブレーキ操作を判断して、
ブレーキ圧を増圧制御するようにしたものが、たとえば
特開平8−295224号公報および特開平10−19
4098号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
ドライバがブレーキペダルを踏んだときの踏込み速度や
踏込み強さに基づいて、ドライバが急ブレーキ操作を行
なったと判断するようにして、ブレーキ圧を増圧するよ
うにしている。しかるに、アクセルペダルからブレーキ
ペダルへの踏み替えに時間がかかってしまう高齢者で
は、緊急時にブレーキペダルを踏むまでの反応時間に遅
れが生じてしまうので、ブレーキペダルの踏み込みに応
じて急ブレーキ操作か否かを判断するのでは、急ブレー
キ操作の判断に伴なう自動ブレーキ処理等に遅れが生じ
る可能性がある。
【0004】ところで、車両の走行中に急ブレーキ操作
を行なうときには、アクセルペダルを速やかに戻してか
らブレーキペダルを踏むので、アクセルペダルの戻し操
作速度を検出していれば、急ブレーキ操作を行なうであ
ろうと判断することが可能であろう。しかるに、アクセ
ルペダルは戻し側にばね付勢されているので、アクセル
ペダルから足を踏み外したときにはアクセルペダルは急
激に非操作位置に戻ることになり、そのようなアクセル
ペダルからの足の踏み外しによるアクセルペダルの急激
な戻りに基づいて、急ブレーキ操作が行なわれるであろ
うと誤判断することは避ける必要がある。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、ドライバが急ブレーキ操作を行なうであろう
ことを正確に判断し得るようにした車両の急ブレーキ操
作判断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、アクセルペダルの操作量を検出するアク
セル操作量センサと、該アクセル操作量センサの検出値
の減少側への変化速度を算出するアクセル操作変化速度
算出手段と、該アクセル操作変化速度算出手段で算出さ
れるアクセル操作量の減少側への変化速度が設定上限値
未満であって設定下限値以上であるときにドライバがブ
レーキペダルによる急ブレーキ操作を行なうであろうと
判断する判断手段とを備えることを特徴とする。
【0007】このような構成によれば、アクセルペダル
の操作量の減少方向への変化速度が設定上限値以上の大
きな値のときには、ドライバがアクセルペダルから足を
踏み外したことに伴ってアクセルペダルが急激に非操作
位置に戻った状態と判断し、アクセルペダルの操作量の
減少方向への変化速度が設定下限値以上となるとともに
前記設定上限値未満のときには、緊急時にドライバがア
クセルペダルをその操作量の減少方向に戻して急ブレー
キ操作を行なうのであろうと予測するようにして、ドラ
イバが急ブレーキ操作を行なうであろうことを正確に判
断することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】図1〜図7は本発明の一実施例を示すもの
であり、図1はブレーキ制御装置が搭載された車両の全
体構成図、図2はブレーキ装置の構成を示す図、図3は
コントローラの構成を示すブロック図、図4は踵センサ
の配置を説明するための図、図5はコントローラによる
制御手順の一部を示すフローチャート、図6はコントロ
ーラによる制御手順の一部を示すフローチャート、図7
はコントローラによる制御手順の残部を示すフローチャ
ートである。
【0010】この車両Vは、たとえば前輪駆動車両であ
り、エンジンEの駆動力はトランスミッションTを介し
て駆動輪かつ操舵輪たる左、右の前輪WFL,WFRに伝達
され、左、右の前輪WFL,WFRには車輪ブレーキBFL
FRが装着される。また従動輪たる左、右の後輪WRL
RRには車輪ブレーキBRL,BRRが装着される。
【0011】ドライバの足により操作されるブレーキペ
ダル1は、電子制御負圧ブースタ2を介してマスタシリ
ンダ3に接続されており、電子制御負圧ブースタ2は、
調節可能な増幅度でブレーキペダル1の踏力を増幅して
マスタシリンダ3に伝達することが可能であるととも
に、ブレーキペダル1の非操作時に該ブレーキペダル1
の操作によらずに作動してマスタシリンダ3を駆動する
ことができる。
【0012】マスタシリンダ3はタンデム型のものであ
り、このマスタシリンダ3から出力される液圧はブレー
キ液圧調節手段4で調節され、各車輪ブレーキBFL,B
FR,BRL,BRRにはブレーキ液圧調節手段4で調節され
たブレーキ液圧が作用することになる。
【0013】図2において、ブレーキ液圧調節手段4
は、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRに個別に対
応した液圧制御弁5FL,5FR,5RL,5RRを備えるもの
であり、マスタシリンダ3が備える一対の出力ポート
8,9のうち一方の出力ポート8は、液圧制御弁5FL
介して左前輪WFLの車輪ブレーキBFLに接続されるとと
もに、液圧制御弁5RRを介して右後輪WRRの車輪ブレー
キBRRに接続され、他方の出力ポート9は、液圧制御弁
FRを介して右前輪WFRの車輪ブレーキBFRに接続され
るとともに液圧制御弁5RLを介して左後輪WRLの車輪ブ
レーキBRLに接続される。
【0014】而して各液圧制御弁5FL,5FR,5RL,5
RRは、マスタシリンダ3の出力液圧を車輪ブレーキ
FL,BFR,BRL,BRRに作用せしめる状態、車輪ブレ
ーキBFL,BFR,BRL,BRRのブレーキ液圧を解放する
状態、ならびに車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRR
ブレーキ液圧を保持する状態を切換可能であり、各液圧
制御弁5FL,5FR,5RL,5RRにより各車輪ブレーキB
FL,BFR,BRL,BRRのブレーキ液圧が個別に制御され
ることになる。
【0015】ブレーキ液圧調節手段4における各液圧制
御弁5FL,5FR,5RL,5RRの切換作動ならびに電子制
御負圧ブースタ2の作動は、コントローラCにより制御
される。このコントローラCは、前走車等の物体と自車
との相対距離および相対速度等に基づいて衝突回避のた
めの自動ブレーキ制御や、ブレーキ操作時に各車輪
FL,WFR,WFL,WFRの少なくとも1つがロック状態
に陥りそうになったときのアンチロックブレーキ制御を
実行することが可能であるが、そのような衝突回避のた
めの自動ブレーキ制御およびアンチロックブレーキ制御
に関連する説明を省略して、ドライバによる急ブレーキ
操作に応じたブレーキ制御に関連する部分だけについて
以下に説明する。
【0016】図3を併せて参照して、急ブレーキ操作時
のブレーキ制御を実行するために、コントローラCに
は、ブレーキペダル1の操作荷重を検出するブレーキ操
作荷重センサS1、アクセルペダル6の操作量を検出す
るアクセル操作量センサS2、踵センサS3、車体速度
を検出する車体速度検出手段S4、車体のヨーレートを
検出するヨーレート検出手段S5、ドライバによる操舵
角を検出する操舵角検出手段S6、車両の旋回時にドラ
イバの操作に応じて作動する方向指示器の作動を検出す
る方向指示器検出手段S7が接続されており、コントロ
ーラCは、それらS1〜S7の検出値に基づいて電子制
御負圧ブースタ2の作動を制御する。
【0017】ところで、上記踵センサS3は、図4で示
すように、アクセルペダル6およびブレーキペダル1を
踏込むためのドライバの足7の踵7aが車体フロア8か
ら離反しているか否かを検出するものであり、アクセル
ペダル6およびブレーキペダル1の踏込み操作を行なう
べく前記足7が作動する範囲で踵7aが車体フロア8か
ら離反していることを検出可能として車体フロア8に配
設される。
【0018】図3に特に注目して、コントローラCは、
アクセル操作変化速度算出手段10と、荷重変化量算出
手段12と、第1判断手段13と、第2判断手段14
と、作動制御手段15と、計時手段16と、変更手段1
7とを備える。
【0019】アクセル操作変化速度算出手段10は、ア
クセル操作量センサS2の検出値の減少側への変化速度
を算出すべく、アクセアクセル操作量センサS2で検出
されるアクセルペダル6の操作量を微分するものであ
る。
【0020】荷重変化量算出手段12は、ドライバがブ
レーキペダル1を踏込むのに応じたブレーキ操作荷重セ
ンサS1の検出値の増大側への変化速度を算出するもの
である。
【0021】第1判断手段13は、踵センサS3の検出
値と、アクセル操作変化速度算出手段10の出力とに基
づいてドライバが急ブレーキ操作を行なう可能性を判断
し、第2判断手段14は、ブレーキ操作荷重センサS1
の検出値と、荷重変化量算出手段12の算出値とに基づ
いてドライバが実際に急ブレーキ操作を行なっているか
否かを判断する。
【0022】作動制御手段15は、第1判断手段13お
よび第2判断手段14の判断結果、ならびにブレーキ操
作荷重センサS1の検出値に基づいて電子制御負圧ブー
スタ2の作動を制御する。また変更手段17は、車体速
度検出手段S4、ヨーレート検出手段S5、操舵角検出
手段S6および方向指示器検出手段S7の検出値に基づ
いて車両の走行状態を判断するとともにその判断結果に
応じて、第1および第2判断手段13,14の判断基準
ならびに作動制御手段15による電子制御負圧ブースタ
2の作動制御量を変更する。
【0023】さらに計時手段16は、アクセル操作量セ
ンサS2の検出値に基づいてドライバがアクセルペダル
6の戻し操作を開始した時点を判断するとともにその戻
し操作開始時点からブレーキ操作荷重センサS1によっ
てブレーキ操作が開始されたと判断し得るまでの時間す
なわち踏替え時間を計時し、その計時時間が設定範囲か
ら外れたときには、第1判断手段13の判断結果にかか
わらず電子制御負圧ブースタ2の作動制御を停止するた
めの信号を作動制御手段15に入力する。
【0024】このような構成のコントローラCによる制
御は、マイクロコンピュータのソフトウエアによって達
成されるものであり、コントローラCは、図5〜図7で
示す手順に従って電子制御負圧ブースタ2の作動を制御
する。
【0025】先ず図5において、STEP1では初期化
処理を実行し、STEP2ではアクセルペダル6の戻し
側への操作量の変化速度Vを、アクセル操作変化速度算
出手段10によって算出する。
【0026】STEP3〜5は、変更手段17の処理を
実行するステップであり、STEP3では、車体速度検
出手段S4、ヨーレート検出手段S5、操舵角検出手段
S6および方向指示器検出手段S7の検出値に基づいて
車両の走行状態を判定し、その判定結果に基づいて、S
TEP4では、アクセルペダル6の戻し側への操作量の
変化速度の設定下限値V1と、その設定下限値V1より
も大きな設定上限値V2と、判定基準値F1′F2′,
F1,F2とを算出し、STEP5では、上記判定結果
に基づいて作動制御手段15における比例制御のゲイン
を算出する。
【0027】ここで、STEP3の走行状態の判定処理
を行なうにあたっては、車体速度検出手段S4の検出値
に基づいて車体速度の高低を判定し、ヨーレート検出手
段S5、操舵角検出手段S6および方向指示器検出手段
S7の検出値の少なくとも1つ、もしくはそれらの検出
手段S5〜S7の検出値を総合的に勘案して車両の横方
向運動状態を判定する。またSTEP4では、設定下限
値V1、設定上限値V2および判定基準値F1′F
2′,F1,F2を低車体速度の状態ならびに車両が横
方向に運動している状態で低くなるように算出し、ST
EP5では、比例制御のゲインを低車体速度の状態なら
びに車両が横方向に運動している状態で高くなるように
算出する。しかも前記各判定基準値F1′F2′,F
1,F2は、F1′<F2′、F1<F2となる関係を
有するものである。
【0028】STEP6と、図7で示すSTEP7と
は、第1判断手段13の処理を実行するステップであ
り、STEP6においてアクセルペダル6の戻し側への
操作量の変化速度Vが設定下限値V1未満であるか否か
を判定する。このSTEP6は、アクセルペダル6の戻
しが緩やかであるか否かを判定するものであり、V<V
1であると判定したときには、ドライバが急ブレーキ操
作を行なう可能性が低いとしてSTEP7に進み、作動
制御手段15による電子制御負圧ブースタ2の作動制御
を停止する。これにより電子制御負圧ブースタ2は、一
定の増幅度でブレーキペダル1の踏力を増幅してマスタ
シリンダ3に伝達する働きをするようになる。
【0029】STEP6において、V≧V1であると判
定したとき、すなわちアクセル操作変化速度算出手段1
0で算出されるアクセル操作量の減少側への変化速度V
が設定下限値V1以上であると判定したときには、ドラ
イバが急ブレーキ操作を行なう可能性が生じたものとし
て、STEP6からSTEP8に進んで、踏替え時間の
計測を開始する。このSTEP8は、計時手段16の処
理を実行するものであり、ドライバがアクセルペダル6
の戻し操作を開始したと判断して戻し操作開始時点から
の時間計測を開始することになる。
【0030】STEP9では、STEP6の処理により
ドライバが急ブレーキ操作を行なう可能性が生じたと判
定したことに基づいて、各車輪ブレーキBFL,BFR,B
RL,BRRの作動開始に先立って各車輪ブレーキBFL,B
FR,BRL,BRRの遊びを除去する程度に電子制御負圧ブ
ースタ2を作動せしめるように電子制御負圧ブースタ2
の作動を制御する。
【0031】図6において、STEP10,11は、第
1判断手段13の処理を実行するものであり、アクセル
操作量の減少側への変化速度Vが設定上限値V2以上で
あるか否かをSTEP10で判定し、V≧V2であると
判断したときには、ドライバによるアクセルペダル6の
踏外しが生じたとしてSTEP7に進み、またV<V2
であったときには、STEP10からSTEP11に進
むことになる。
【0032】STEP11では、ドライバの踵7aが車
体フロア8から離反したか否かを踵センサS3の検出値
により判定し、離反しているときにはSTEP12に進
むが、離反していないと判定したときにはSTEP12
を迂回してSTEP13に進む。
【0033】STEP12は、作動制御手段15の処理
を実行するステップであり、電子制御負圧ブースタ2を
最大限作動せしめる。すなわちブレーキペダル1がドラ
イバによって踏込まれていない状態で電子制御負圧ブー
スタ2が作動することにより各車輪ブレーキBFL
FR,BRL,BRRが自動的にブレーキ作動することにな
る。この際、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRR
遊びは既に除去されているので、各車輪ブレーキBFL
FR,BRL,BRRは直ちにブレーキ作動することにな
る。
【0034】このようなSTEP10〜12の処理を纏
めると、第1判断手段13は、アクセル操作量の減少側
への変化速度Vが設定上限値V2未満となるとともに、
ドライバの踵7aが車体フロア8から離れているとき
に、ドライバが急ブレーキ操作を行なう可能性が大きく
なったと判断し、それに応じて電子制御負圧ブースタ2
の作動が各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRを自動
的にブレーキ作動せしめるように制御されることにな
る。しかもアクセル操作量の減少側への変化速度Vが設
定上限値V2以上であるときには、ドライバがアクセル
ペダル6を踏外したものと判断されることになり、この
場合には、電子制御負圧ブースタ2の作動制御は実行さ
れないことになる。
【0035】STEP13〜16は、計時手段16の処
理を実行するものであり、ブレーキペダル1が実際に踏
まれたか否かをブレーキ操作荷重センサS1の検出値に
基づいて判定し、ドライバがアクセルペダル6からブレ
ーキペダル1に足を踏替えるまでの時間Tを計測し、そ
の時間Tが設定下限時間TL以上であって設定上限時間
TH以下の範囲にあるかどうかを判断し、時間Tが前記
設定範囲から外れていると判定したときには、STEP
15からSTEP7に進む。すなわち電子制御負圧ブー
スタ2の作動制御を停止するための信号が計時手段16
から作動制御手段15に入力される。また前記時間Tが
設定範囲内にあると判定したときにはSTEP15から
STEP16に進むことになる。
【0036】STEP16ではブレーキ操作荷重センサ
S1によるブレーキ操作荷重Fの検出を実行し、STE
P17では、荷重変化量算出手段12による荷重変化量
F′の算出を実行し、図7のSTEP18に進むことに
なる。
【0037】図7において、STEP18,19は、第
2判断手段14の処理を実行するものであり、荷重変化
量F′が判定基準値F1′以下(F′≦F1′)である
ときには、ドライバが急ブレーキ操作を実行しなかった
として、STEP18からSTEP7に進み、また荷重
変化量F′がF1′<F′<F2′の範囲にあるとST
EP19で判定したときには、ドライバによる急ブレー
キ操作の程度が比較的小さいものであると判定してST
EP19からSTEP20に進み、さらに荷重変化量
F′がF2′≦F′であるとSTEP19で判定したと
きには、ドライバによる急ブレーキ操作の程度が比較低
大きいものであると判定してSTEP19からSTEP
24に進むことになる。
【0038】STEP20では、作動制御手段15によ
って電子制御負圧ブースタ2の作動をブレーキ操作荷重
Fに基づいて比例制御し、さらにSTEP21でのブレ
ーキ操作荷重Fの検出後にSTEP22で電子制御負圧
ブースタ2の作動をブレーキ操作荷重Fに基づいて比例
制御し、STEP21,22の処理をブレーキ操作荷重
Fが設定基準値F1未満となるまで繰返し、F<F1と
なったときにSTEP23からSTEP7に進んで電子
制御負圧ブースタ2の作動制御を停止する。
【0039】またSTEP24では、作動制御手段15
によって電子制御負圧ブースタ2の作動をブレーキ操作
荷重Fに基づいて比例制御し、さらにSTEP25での
ブレーキ操作荷重Fの検出後にSTEP26で電子制御
負圧ブースタ2の作動をブレーキ操作荷重Fに基づいて
比例制御し、STEP25,26の処理をブレーキ操作
荷重Fが設定基準値F2未満となるまで繰返し、F<F
2となったときにSTEP27からSTEP21に進
み、ドライバによる急ブレーキ操作の程度が比較的小さ
いときの処理に移ることになる。
【0040】次にこの実施例の作用について説明する
と、アクセル操作量センサS2の検出値の減少側への変
化速度Vがアクセル操作変化速度算出手段10で算出さ
れ、その変化速度Vが設定上限値V2未満であって設定
下限値V1以上であることを判断条件の1つとして、第
1判断手段13は、ドライバが急ブレーキ操作を行なう
可能性が大であると判断している。したがって車両の走
行中にドライバが前方の障害物の認識等により急ブレー
キ操作を行なうべく、アクセルペダル6を速やかに戻し
たときには、アクセルペダル6の踏込み量の大小にかか
わらず、ドライバが急ブレーキ操作を行なう可能性が大
きいことを速やかに判断することができ、ブレーキペダ
ル1の操作による急ブレーキ操作をドライバが行なう前
に、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRを自動的に
ブレーキ作動せしめて急ブレーキ操作に対応した処理を
行なうことができる。
【0041】しかも第1判断手段13は、ドライバの足
7の踵7aが車体フロア8から離反していることを踵セ
ンサS3で検出していることを条件として、急ブレーキ
操作を行なう可能性が大であると判断するようにしてい
るので、急ブレーキ操作の可能性の判断を誤ることがな
い。
【0042】また第1判断手段13は、アクセル操作量
センサS2の検出値の減少側への変化速度Vが設定上限
値V2以上であるときには、ドライバがアクセルペダル
6から足7を踏み外した状態として急ブレーキ操作の可
能性が大きくなったとは判断しないので、ドライバが足
を踏み外した状態を除外し、ドライバが急ブレーキ操作
を行なう可能性が大きくなったことを正確に判断するこ
とが可能となる。
【0043】このように第1判断手段13が急ブレーキ
操作の可能性が大であると判断するのに応じて、車輪ブ
レーキBFL,BFR,BRL,BRRが自動的にブレーキ作動
せしめられるが、計時手段16で計測したアクセルペダ
ル6からブレーキペダル1への踏替え時間Tが設定範囲
から外れたときには、車輪ブレーキBFL,BFR,BRL
RRの自動的なブレーキ作動が停止される。すなわちド
ライバが急ブレーキ操作を途中で止めることにより前記
踏替え時間Tが長くなったときや、ブレーキ操作荷重セ
ンサS1の故障等により前記踏替え時間Tが短くなった
ときには、電子制御負圧ブースタ2が不必要に作動して
しまうことはない。
【0044】ドライバによる急ブレーキ操作の可能性が
あることを第1判断手段13で判断した後に、ドライバ
がブレーキペダル1を踏込んでブレーキ操作を行なった
ときには、第2判断手段14が、ブレーキペダル1の操
作荷重Fの増大側への変化速度F′が設定基準値F1′
以上となるのに応じて、急ブレーキ操作であると判断す
るので、ブレーキペダル1から車輪ブレーキBFL
FR,BRL,BRRに至るブレーキ系の動的剛性がどのよ
うなものであっても、ドライバが急ブレーキ操作を行な
ったことをドライバの意思により近付けて速やかに判断
することができる。
【0045】しかも第2判断手段14は、荷重変化量
F′がF1′<F′<F2′の範囲にあるときには、ド
ライバによる急ブレーキ操作の程度が比較的小さいもの
であると判定し、またF2′≦F′であるときには、ド
ライバによる急ブレーキ操作の程度が比較低大きいもの
であると判定するようにしており、作動制御手段15
は、急ブレーキ操作の程度に応じて電子制御負圧ブース
タ2の作動を制御するようにしている。すなわち作動制
御手段15は、急ブレーキ操作の程度が比較的大きいと
きには、ブレーキ操作荷重Fが判定基準値F2以下とな
るまでは、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRを最
大限ブレーキ作動せしめるように電子制御負圧ブースタ
2の作動を制御し、また急ブレーキ操作の程度が比較的
小さいときや、急ブレーキ操作の程度が比較的大きいこ
とに基づいてブレーキ操作荷重Fが判定基準値F2以下
となるまで各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRを最
大限ブレーキ作動せしめた後には、ブレーキ操作荷重F
が判定基準値F2以下となるまでは、電子制御負圧ブー
スタ2の作動をブレーキ操作荷重Fに基づいて比例制御
するようにしている。
【0046】このような作動制御手段15の処理によれ
ば、第1判断手段13が急ブレーキ操作の可能性が大で
あると判断するのに応じて各車輪ブレーキBFL,BFR
RL,BRRを自動的にブレーキ作動せしめた後のドライ
バの急ブレーキ操作に応じて、電子制御負圧ブースタ2
の比例制御もしくは最大限の作動制御の後で、ブレーキ
操作荷重センサS1の検出値に基づいて電子制御負圧ブ
ースタ2の作動量が調節されることになり、また第1判
断手段13が急ブレーキ操作の可能性が大ではないと判
断したときでも第2判断手段14が急ブレーキ操作であ
ると判断したときに、電子制御負圧ブースタ2の比例制
御もしくは最大限の作動制御の後でブレーキ操作荷重セ
ンサS1の検出値に基づいて電子制御負圧ブースタ2の
作動量が調節されることになる。
【0047】したがってドライバの急ブレーキ操作を判
断するのに応じて電子制御負圧ブースタ2が一旦作動せ
しめられることにより、ブレーキ力を速やかに増大させ
ることができ、しかもブレーキ力の増大後には電子制御
負圧ブースタ2の作動がブレーキ操作荷重Fに応じて調
節されるので、ドライバが違和感を感じることはない。
【0048】また変更手段17は、車体速度検出手段S
4で検出される車体速度に基づいて第1判断手段13で
の判断基準である設定下限値V1および設定上限値V
2、第2判断手段14での判断基準F1′,F2′,F
1,F2ならびに作動制御手段15による電子制御負圧
ブースタ2の比例制御におけるゲインすなわち電子制御
負圧ブースタの作動量を変更するので、車両の高速走行
時および渋滞時等の車体速度の変化に応じたブレーキ制
御効果を最大限に発揮することが可能となる。すなわち
設定下限値V1、設定上限値V2および判定基準値F
1′,F2′,F1,F2を低車体速度の状態で低くな
るようにするとともに、比例制御のゲインを低車体速度
の状態で高くなるようにするので、渋滞時には急ブレー
キ操作に応じてより速やかにブレーキ力を増大すること
ができる。
【0049】さらに変更手段17は、車両の横方向の運
動状態を検出するヨーレート検出手段S5、操舵角検出
手段S6および方向指示器検出手段S7の検出値に基づ
いて第1判断手段13での判断基準である設定下限値V
1および設定上限値V2、第2判断手段14での判断基
準F1′,F2′,F1,F2ならびに作動制御手段1
5による電子制御負圧ブースタ2の比例制御におけるゲ
インを変更するので、車両の直進時および旋回時等の横
方向運動状態の変化に応じたブレーキ制御効果を最大限
に発揮することが可能となる。すなわち設定下限値V
1、設定上限値V2および判定基準値F1′,F2′,
F1,F2を車両が横方向に運動している状態で低くな
るようにするとともに、比例制御のゲインを車両が横方
向に運動している状態で高くなるようにするので、車両
の旋回時には急ブレーキ操作に応じてより速やかにブレ
ーキ力を増大することができる。
【0050】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0051】たとえば、上記実施例では、急ブレーキ操
作の判断に基づいて自動ブレーキをかけるようにした
が、急ブレーキ操作の判断に基づいて警報手段を作動せ
しめたり、ブレーキペダル1の踏込によってマスタシリ
ンダ3から出力されるブレーキ液圧を増圧させるように
することも可能である。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、緊急時に
ドライバがアクセルペダルをその操作量の減少方向に戻
して急ブレーキ操作を行なうのであろうことを、アクセ
ルペダルの踏み外しに伴なう誤判断を確実に避けて、正
確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキ制御装置が搭載された車両の全体構成
図である。
【図2】ブレーキ装置の構成を示す図である。
【図3】コントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】踵センサの配置を説明するための図である。
【図5】コントローラによる制御手順の一部を示すフロ
ーチャートである。
【図6】コントローラによる制御手順の一部を示すフロ
ーチャートである。
【図7】コントローラによる制御手順の残部を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1・・・ブレーキペダル 6・・・アクセルペダル 10・・・アクセル操作変化速度算出手段 13・・・判断手段 S2・・・アクセル操作量センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセルペダル(6)の操作量を検出す
    るアクセル操作量センサ(S2)と、該アクセル操作量
    センサ(S2)の検出値の減少側への変化速度を算出す
    るアクセル操作変化速度算出手段(10)と、該アクセ
    ル操作変化速度算出手段(10)で算出されるアクセル
    操作量の減少側への変化速度が設定上限値未満であって
    設定下限値以上であるときにドライバがブレーキペダル
    (1)による急ブレーキ操作を行なうであろうと判断す
    る判断手段(13)とを備えることを特徴とする車両の
    急ブレーキ操作判断装置。
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