JP2006347220A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転者のアクセル操作を検知してパーキングブレーキを解除した場合、運転者のアクセル操作が誤操作であるか否かを判定し(ステップS9、S16、S18)、誤操作であると判定したら、再びパーキングブレーキを発生させる(ステップS11、S5)。具体的には、アクセル増加速度が所定値以上となるとき(ステップS9の判定が“No”)、またアクセル減少速度が所定値以上となるとき(ステップS16の判定が“No”)、さらにアクセル操作が開始されてから終了するまでの時間Tが設定時間TSETよりも短いときに(ステップS18の判定が“No”)、運転者のアクセル操作が誤操作であると判定する。
【選択図】図3
Description
そこで、本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、停車状態を維持するための制動力を運転者の誤ったアクセル操作によって解除してしまっても、直ちにその制動力を復旧させることのできる車両用ブレーキ装置の提供を課題としている。
図1は、本発明の概略構成を示すブロック図である。各車輪の車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する電磁誘導式の車輪速センサ1と、アクセル開度Accを検出するアクセルセンサ2と、路面勾配θを検出可能な加速度センサ3と、運転者がパーキングブレーキのON/OFFの操作を行うときの操作信号を出力するPKBスイッチ4と、がコントローラ8に接続される。なお、加速度センサ3は、登坂方向を正値で検出し、降坂方向を負値で検出するものとする。また、PKBスイッチ4は、コントローラ8からの制御指令によってON/OFFが切換え可能に構成されている。
ここで、ブレーキアクチュエータ9は、図2に示すように、マスターシリンダ10と各ホイールシリンダ11FL〜11RRとの間に介装されている。
各ホイールシリンダ11FL〜11RRは、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧して制動力を発生させるディスクブレーキや、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧して制動力を発生させるドラムブレーキに内蔵されている。
第1ゲートバルブ12A・12Bと、インレットバルブ13FL〜13RRと、アウトレットバルブ15FL〜15RRと、第2ゲートバルブ16A・16Bとは、夫々、2ポート2ポジション切換・シングルソレノイド・スプリングオフセット式の電磁操作弁であって、第1ゲートバルブ12A・12B及びインレットバルブ13FL〜13RRは、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ15FL〜15RR及び第2ゲートバルブ16A・16Bは、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖するように構成されている。
また、ポンプ17は、負荷圧力に係りなく略一定の吐出量を確保できる歯車ポンプ、ピストンポンプ等、容積形のポンプで構成されている。
以上の構成により、プライマリ側を例に説明すると、第1ゲートバルブ12A、インレットバルブ13FL(13RR)、アウトレットバルブ15FL(15RR)、及び第2ゲートバルブ16Aが全て非励磁のノーマル位置にあるときに、マスターシリンダ2からの液圧がそのままホイールシリンダ11FL(11RR)に伝達され、通常ブレーキとなる。
したがって、コントローラ8は、第1ゲートバルブ12A・12Bと、インレットバルブ13FL〜13RRと、アウトレットバルブ15FL〜15RRと、第2ゲートバルブ16A・16Bと、ポンプ17とを駆動制御することによって、各ホイールシリンダ11FL〜11RRの液圧を増圧・保持・減圧することができる。
このPKB作動制御処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込み処理として実行され、先ずステップS1で、PKBスイッチ4がONであるか否かを判定する。PKBスイッチ4がOFFであるときには、後述するステップS4に移行する。一方、PKBスイッチ4がONであるときには、ステップS2に移行する。
Ft=m×g×sinθ ………(1)
ステップS5では、後輪のホイールシリンダ11RL・11RRに付与される目標制動力Ftが0となるように、ブレーキアクチュエータ9を駆動制御することで、パーキングブレーキを非作動状態にしてから所定のメインプログラムに復帰する。
一方、前記ステップS2から移行するステップS6では、制御フラグfを“1”にセットする。
続くステップS8では、タイマTのインクリメントによって、アクセル操作が開始されてからの時間を計測する。
続くステップS9では、アクセル開度Accの増加速度が所定値(例えば、通常の0.2G程度で加速するときの値に相当)未満であるか否かを判定する。なお、アクセル開度Accの増加速度は1サンプリング前の値からの変化量に応じて算出する。この判定結果が『増加速度<所定値』であるときには、緩やかなアクセル操作であるため、運転者が意図的にアクセル操作をしている可能性があると判断して前記ステップS5に移行する。一方、判定結果が『増加速度≧所定値』であるときには、急なアクセル操作であるため、運転者が誤ってアクセルペダルを踏んでしまった可能性があると判断してステップS10に移行する。
続くステップS11では、PKBスイッチ4をONに切換える。
続くステップS12では、タイマTを初期化してから前記ステップS3に移行する。
一方、前記ステップS4から移行するステップS13では、車速が所定値(例えば、10km/h)未満であるか否かを判定する。なお、車速Vは車輪速Vwiに応じて算出する。この判定結果が『車速≧所定値』であるときには、車両が走行状態に移行していると判断して後述するステップS19に移行する。一方、判定結果が『車速<所定値』であるときには、ステップS14に移行する。
続くステップS15では、アクセルペダルが操作されているか否か、つまりアクセル開度が0近傍の所定値以上であるか否かを判定する。アクセルペダルが非操作であるときには、アクセル操作が終了したと判断して後述するステップS17に移行する。一方、アクセルペダルが操作されているときには、ステップS16に移行する。
続くステップS18では、タイマTが設定時間TSET以上であるか否かを判定する。この判定結果が『T<TSET』であるときには、アクセル操作が速やかに終了されているため、運転者が誤ってアクセルペダルを踏んでしまっていた可能性があると判断して前記ステップS10に移行する。一方、判定結果が『T≧TSET』であるときには、アクセル操作が速やかに終了していないため、運転者が意図的にアクセル操作をしていた可能性があると判断してステップS19に移行する。
ステップS19では、制御フラグfを“0”にリセットする。
続くステップS20では、タイマTを初期化してから前記ステップS5に移行する。
先ずステップS31では、図中の制御マップを参照し、アクセル開度Accの減少速度に応じて補正係数k1を算出する。なお、減少速度には、アクセル操作が開始されてから終了するまでの間で、アクセル開度Accの最大値を記憶しておき、この最大値を記憶した時点からアクセル操作が終了するまでの平均減少速度、又は最大減少速度を使用する。ここで、制御マップは、横軸を減少速度、縦軸を補正係数k1とし、減少速度が0から増加するときに、補正係数k1が1から増加するように設定されている。
続くステップS33では、図中の制御マップを参照し、アクセル開度Accの増加速度に応じて補正係数k3を算出する。なお、増加速度には、アクセル操作が開始されてから終了するまでの間で、アクセル開度Accの最大値を記憶しておき、アクセル操作が開始されてから最大値を記憶した時点までの平均増加速度、又は最大増加速度を使用する。ここで、制御マップは、横軸を増加速度、縦軸を補正係数k3とし、増加速度が0から所定値(例えば、通常の0.2G程度で加速するときの値に相当)までの間にあるときに、補正係数k3が1を維持し、増加速度が所定値から増加するときに、補正係数k3が1から増加するように設定されている。
TSET=T0×k1×k2×k3×k4 ………(2)
以上より、ブレーキアクチュエータ9が「制動力発生手段」に対応し、図3のステップS2、S7、S5の処理が「解除手段」に対応し、ステップS9、S16、S18の処理が「誤操作判定手段」に対応し、ステップS11、S3の処理が「復旧手段」に対応している。
今、PKBスイッチ4がONにされていることで(ステップS1の判定が“Yes”)、パーキングブレーキを作動させて停車状態を維持しているとする(ステップS3)。この状態で、アクセルペダルが踏込まれたら(ステップS2の判定が“No”)、パーキングブレーキを自動的に解除する(ステップS7、S5)。このように、運転者がPKBスイッチ4をOFFに切換えなくても発進操作を行うだけでパーキングブレーキが解除され、発進可能となるので、運転者の操作負担を軽減することができる。
先ず、アクセル操作の初期に、ペダル踏込み速度、つまりアクセル増加速度が所定値以上となるときに、運転者のアクセル操作が誤操作であると判定する(ステップS9の判定が“No”)。これは、通常の走行で発生する加速度(0.2G程度)を上回るような、急なアクセル操作であれば、ゼロヨン(400mの直線を競うモータスポーツ)等の特殊な状況を除いて誤操作であると考えられるからである。したがって、アクセル操作が誤操作であるか否かを、アクセル操作の初期から容易に判断することができる。
しかも、設定時間TSETの基準時間T0を、一般的な人間の反射時間(例えば、0.5秒程度)としているので(ステップS35)、誤ってペダルを踏んでしまい反射的にペダルから足を放すような誤操作だけを的確に判断することができる。
また、上記の一実施形態では、ブレーキをかける制動機構として、液圧を伝達媒体にしたハイドリックブレーキを採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、伝達媒体にケーブルやリンク、或いは空気圧を利用した制動機構や、電動アクチュエータを駆動制御してディスクロータをブレーキパッドで挟圧したりブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧したりする電動ブレーキ等、他の如何なる制動機構を採用してもよい。更には、摩擦制動機構でなくても車輪の回転を機械的にロックするロック機構を採用してもよい。
また、上記の一実施形態では、パーキングブレーキを後輪だけに作動させているが、これに限定されるものではなく、前輪だけに作動させたり、或いは4輪全てに作動させたりしてもよい。
2 アクセルセンサ
3 加速度センサ
4 PKBスイッチ
8 コントローラ
9 ブレーキアクチュエータ
10 マスターシリンダ
11FL〜11RR ホイールシリンダ
12A・12B 第1ゲートバルブ
13FL〜13RR インレットバルブ
14 アキュムレータ
15FL〜15RR アウトレットバルブ
16A・16B 第2ゲートバルブ
17 ポンプ
18 ダンパー室
Claims (10)
- 運転者のブレーキ操作に関わらず所定の制動力を発生可能な制動力発生手段と、該制動力発生手段が制動力を発生させているときに運転者のアクセル操作を検知したら当該制動力発生手段に制動力の発生を解除させる解除手段と、を備えた車両用ブレーキ装置において、
運転者のアクセル操作が誤操作であるか否かを判定する誤操作判定手段と、前記解除手段が運転者のアクセル操作を検知して前記制動力発生手段に制動力の発生を解除させた場合、前記誤操作判定手段で運転者のアクセル操作が誤操作であると判定されたら、前記制動力発生手段に再び制動力を発生させる復旧手段と、を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。 - 前記誤操作判定手段は、アクセル操作状態に応じて当該アクセル操作が誤操作であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記誤操作判定手段は、アクセル操作が開始されてから終了するまでの時間を検出し、検出した時間が設定時間よりも短いときに、運転者のアクセル操作が誤操作であると判定することを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記設定時間は、アクセル操作の減少速度が速いほど、長い値に設定されることを特徴とする請求項3に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記設定時間は、アクセル操作量が大きいほど、長い値に設定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記設定時間は、アクセル操作の増加速度が速いほど、長い値に設定されることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記設定時間は、路面の登坂勾配が大きいほど、長い値に設定されることを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記設定時間は、路面の降坂勾配が大きいほど、短い値に設定されることを特徴とする請求項3〜7の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記誤操作判定手段は、アクセル操作の減少速度が所定値よりも速いときに、運転者のアクセル操作が誤操作であると判定することを特徴とする請求項2〜8の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記誤操作判定手段は、アクセル操作の増加速度が所定値よりも速いときに、運転者のアクセル操作が誤操作であると判定することを特徴とする請求項2〜9の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
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