JP4479567B2 - 車両用旋回走行制御装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は上記問題に着目してなされたものであり、運転者のアクセル操作の戻し操作によって誘発される車両挙動の乱れを防止しつつ、車両の安定した旋回走行を確保することのできる車両用旋回走行制御装置の提供を課題としている。
図1は、本発明の概略構成を示すブロック図である。各車輪の車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する電磁誘導式の車輪速センサ1と、ステアリングホイールの操舵角θを検出する光学式・非接触型の操舵角センサ2と、車体のヨーレイトφDを検出するヨーレイトセンサ3と、アクセルペダルのアクセル開度Accを検出するアクセルセンサ4と、がコントローラ5に接続される。
ここで、エンジン出力制御装置6は、エンジン7におけるスロットルバルブの開度、燃料噴射量、点火時期などを調整することによって、エンジン出力(回転数やエンジントルク)を制御するように構成されている。
マスターシリンダ10は、運転者のペダル踏力に応じて2系統の液圧を作るタンデム式のもので、プライマリ側をフロント左・リア右のホイールシリンダ11FL・11RRに伝達し、セカンダリ側を右前輪・左後輪のホイールシリンダ11FR・11RLに伝達するダイアゴナルスプリット方式を採用している。
制動力制御装置8は、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、運転者のブレーキ操作に係らず各ホイールシリンダ11FL〜11RRの液圧を増圧・保持・減圧できるように構成されている。
第1ゲートバルブ12A・12Bと、インレットバルブ13FL〜13RRと、アウトレットバルブ15FL〜15RRと、第2ゲートバルブ16A・16Bとは、夫々、2ポート2ポジション切換・シングルソレノイド・スプリングオフセット式の電磁操作弁であって、第1ゲートバルブ12A・12B及びインレットバルブ13FL〜13RRは、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ15FL〜15RR及び第2ゲートバルブ16A・16Bは、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖するように構成されている。
また、ポンプ17は、負荷圧力に係りなく略一定の吐出量を確保できる歯車ポンプ、ピストンポンプ等、容積形のポンプで構成されている。
以上の構成により、プライマリ側を例に説明すると、第1ゲートバルブ12A、インレットバルブ13FL(13RR)、アウトレットバルブ15FL(15RR)、及び第2ゲートバルブ16Aが全て非励磁のノーマル位置にあるときに、マスターシリンダ2からの液圧がそのままホイールシリンダ11FL(11RR)に伝達され、通常ブレーキとなる。
したがって、コントローラ5は、第1ゲートバルブ12A・12Bと、インレットバルブ13FL〜13RRと、アウトレットバルブ15FL〜15RRと、第2ゲートバルブ16A・16Bと、ポンプ17とを駆動制御することによって、各ホイールシリンダ11FL〜11RRの液圧を増圧・保持・減圧する。
また、本実施形態では、バネ形のアキュムレータ14を採用しているが、これに限定されるものではなく、各ホイールシリンダ11FL〜11RRから抜いたブレーキ液を一時的に貯え、減圧を効率よく行うことができればよいので、重錘形、ガス圧縮直圧形、ピストン形、金属ベローズ形、ダイヤフラム形、ブラダ形、インライン形など、任意のタイプでよい。
この旋回走行制御処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込み処理として実行され、図3に示すように、先ずステップS1で、各車輪速Vwiと、操舵角θと、ヨーレイト検出値φDと、アクセル開度Accとを読込む。
続くステップS2では、各車輪速度Vwiに基づいて旋回速度Vを算出する。なお、本実施形態では、各車輪速度Vwiに基づいて旋回速度Vを算出しているが、これに限定されるものではなく、車体の前後加速度を加速度センサで検出し、この前後加速度を加味して旋回速度Vを算出してもよい。
続くステップS3では、図4のブロック図に従って車体のヨーレイトφを算出する。
φ= max[|φD|,|φE|] ………(1)
V*=μ×YgL/|φ| ………(2)
Xg*=k×ΔV/t ………(3)
なお、ここでは単に旋回速度Vと目標旋回速度V*との偏差ΔVに基づいて目標減速度Xg*を算出しているが、これに限定されるものではなく、下記(4)式に示すように、偏差ΔVの増加方向への変化速度(単位時間あたりの変化量)dΔVを加味して目標減速度Xg*を算出してもよい。ここで、k1及びk2は係数である。また、変化速度dΔVは演算周期毎の変化量でもよいし、所定時間内の平均変化量でもよい。
Xg*=(k1×ΔV+k2×dΔV)/t ………(4)
ステップS7では、減速制御フラグFcを“1”にセットする。
続くステップS8では、目標減速度Xg*を達成するために必要となる目標制動力F*を算出し増加させる。但し、安定した車両挙動を維持できる程度に制動力が増加するよう、所定の変化速度で目標制動力F*を増加させる。
T1*=T1* (n-1)−Tdown ………(5)
ステップS11では、下記(6)式に示すように、目標エンジントルクT1*を下限値TMINに制限してからステップS12に移行する。
T1* ← TMIN ………(6)
一方、上記ステップS10の判定結果がT1*≧TMINであるときには、そのままステップS12に移行する。
T1*= min[T1* ,Tdriver] ………(7)
T2*=T2* (n-1)−ΔT ………(8)
続くステップS15では、下記(9)式に示すように、目標エンジントルクT1*と、目標エンジントルクT2*とのセレクトハイによって最終的な目標エンジントルクT*を算出する。
T*= max[T1* ,T2*] ………(9)
一方、前記ステップS6から移行するステップS17では、減速制御フラグFcが“1”にセットされているか否かを判定する。この判定結果がFc=0であるときには、減速制御つまり自動減速が開始されていない、又は既に終了していると判断して後述するステップS22に移行する。一方、判定結果がFc=1であるときには、減速制御が開始されていると判断してステップS18に移行する。
続くステップS19では、下記(10)式に示すように、1サンプリング前の目標エンジントルクT* (n-1)に所定量Tupを加算して目標エンジントルクT*を算出する。
T*=T* (n-1)+Tup ………(10)
一方、上記ステップS20で、目標制動力F*の増加分が解除されていない、又は目標エンジントルクT*がTdriverに復帰していないときには、減速制御が終了していないと判断してそのまま前記ステップS16に移行する。
一方、前記ステップS17から移行するステップS22では、自動減速に先立つ予圧制御が必要であるか否かを判断する。
以上より、ステップS2、S3の処理が「旋回状態検出手段」に対応し、ステップS13の処理が「グリップ状態推定手段」に対応し、ステップS2、S3、S13を除く図3の旋回走行制御処理が「走行制御手段」に対応している。
今、車両が旋回走行しているとする。このとき、目標減速度Xg*が0以下であるときには(ステップS6の判定が“No”)、安定した旋回走行が維持されているので、減速制御つまり自動減速の必要はないと判断する。そこで、運転者のアクセル操作に応じた通常のエンジントルクとなるようにエンジン出力制御装置6を非駆動状態にすると共に、運転者のブレーキ操作に応じた通常ブレーキとなるように制動力制御装置8を非駆動状態にする。
そこで、目標減速度Xg*を達成するために、制動力制御装置8を駆動制御して各ホイールシリンダ11FL〜11RRの液圧を増加させると共に、エンジン出力制御装置6を駆動制御してエンジントルクを減少させることによって、自動減速を行い、安定した旋回走行を図る(ステップS8、S9、S14)。
ところで、自動減速によって制動力を増加させる際、自車両の旋回状態が旋回性能の限界に近づいていることに運転者が気付き、即座にアクセル開度Accを全閉にすると、図6のタイムチャートに示すように、ドライバ要求エンジントルクTdriverが急激に減少することにより急なエンジンブレーキが作用するので、コーナリングフォースが低下し、オーバーステア等、車両挙動の乱れを誘発する虞がある。
具体的には、車輪のスリップ率Sに応じてタイヤのグリップ状態を推定し、スリップ率Sが高いほど、タイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いと推定してエンジントルク低減量ΔTを小さくすることにより(ステップS13)、目標エンジントルクT2*の減少速度を低くする(ステップS14)。
そして、制動力の増加とエンジントルクの減少とによる減速制御によって、目標減速度Xg*が0以下になり安定した旋回走行が可能な状態に復帰したら(ステップS6の判定が“No”)、減速制御によって増加させた分の制動力を徐々に減少させると共に、エンジントルクをドライバ要求エンジントルクTdriverまで徐々に増加させる(ステップS18、S19)。
その後、減速制御によって増加させた分の制動力が解除され、且つエンジントルクがドライバ要求エンジントルクTdriverまで復帰したときに(ステップS20の判定が“Yes”)、制動力制御装置8とエンジン出力制御装置6とを共に非駆動状態にして、減速制御を終了する。
また、車輪のスリップ率Sが高いほど、タイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いと推定するので、上記の効果を正確に得ることができる。
なお、上記の第1実施形態では、ステップS13の処理で、エンジントルク低減量ΔTの最小値を0としているが、これに限定されるものではない。例えば、図8に示すような制御マップを参照し、1サンプリング前からのドライバ要求エンジントルクTdriverの減少量ΔTdriverに応じてエンジントルク低減量ΔTの最小値を可変とし、減少量ΔTdriverが大きいほど、ΔTの最小値が小さくなるようにしてもよい。
また、上記の第1実施形態では、ステップS13の処理で、スリップ率Sに応じて連続的無段階にエンジントルク低減量ΔTを変化させているが、これに限定されるものではなく、スリップ率Sに応じてステップ状にエンジントルク低減量ΔTを変化させてもよく、それは1段階だけでもよい。更には、スリップ率Sに応じて曲線的にエンジントルク低減量ΔTを変化させているが、これに限定されるものではなく、スリップ率Sに応じて直線的にエンジントルク低減量ΔTを変化させてもよい。
また、上記の第1実施形態では、エンジントルクを減少させることで、車両の駆動トルクを減少させているが、これに限定されるものではなく、トランスミッションでの伝達トルクを制御することで、車両の駆動トルクを減少させるようにしてもよい。
この第2実施形態は、タイヤのグリップ状態を、アクセル開度Accの減少速度dAccに応じて推定するものである。
そこで、第2実施形態では、前述したステップS13の処理で参照する制御マップを、図9の制御マップに変更したことを除いては、第1実施形態と同様の処理を実行するため、同一部分については詳細説明を省略する。
車輪のスリップ率Sによれば、タイヤのグリップ状態を確実に推定できるが、タイヤのスリップ傾向が検出されるまではタイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いことを推定することができない。一方、アクセル開度の減少速度dAccによれば、タイヤのスリップ傾向が検出されなくてもタイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いことを推定することが可能である。
なお、上記の第2実施形態では、アクセル開度の減少速度dAccに応じてエンジントルク低減量ΔTを算出しているが、これに限定されるものではなく、アクセル開度Accから導出されるドライバ要求エンジントルクTdriverの減少速度dTdriverに応じてエンジントルク低減量ΔTを算出してもよい。
その他の作用効果については前述した第1実施形態と同様である。
この第2実施形態は、タイヤのグリップ状態を、車両の横加速度Ygに応じて推定するものである。
そこで、第3実施形態では、前述したステップS13の処理で参照する制御マップを、図10の制御マップに変更したことを除いては、第1実施形態と同様の処理を実行するため、同一部分については詳細説明を省略する。
車輪のスリップ率Sによれば、タイヤのグリップ状態を確実に推定できるが、タイヤのスリップ傾向が検出されるまではタイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いことを推定することができない。一方、車両の横加速度Ygによれば、タイヤのスリップ傾向が検出されなくてもタイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いことを推定することが可能である。
その他の作用効果については前述した第1実施形態と同様である。
この第4実施形態は、タイヤのグリップ状態を、車輪のスリップ率S、アクセル開度の減少速度dAcc、及び車両の横加速度Ygに応じて推定するものである。
そこで、第4実施形態では、前述したステップS13の処理を、図11のブロック図に変更したことを除いては、第1〜第3実施形態と同様の処理を実行するため、同一部分については詳細説明を省略する。
次いで、下記(11)式に示すように、各低減量のセレクトローによって最終的なエンジントルク低減量ΔTを算出する。
ΔT= min[ΔT(S),ΔT(dAcc),ΔT(Yg)] ………(11)
ここで、図11のブロック図に従ってエンジントルク低減量ΔTを算出する処理が、「グリップ状態推定手段」に対応している。
その他の作用効果については前述した第1〜第3実施形態と同様である。
この第5実施形態は、第1実施形態において、目標制動力F*の増加速度を、タイヤのグリップ状態に応じて変化させるものである。
そこで、第5実施形態では、前述したステップS8の処理を、図12のブロック図に変更したことを除いては、第1実施形態と同様の処理を実行するため、同一部分については詳細説明を省略する。
次いで、下記(12)式に示すように、1サンプリング前の目標制動力F* (n-1)に制動力増加量ΔFを加算して目標制動力F*を算出する。
F*=F* (n-1)+ΔF ………(12)
ここで、図12のブロック図に従って制動力増加量ΔFを算出する処理が、「グリップ状態推定手段」に対応している。
すなわち、車輪のスリップ率Sに応じてタイヤのグリップ状態を推定し、スリップ率Sが高いほど、タイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いと推定して制動力増加量ΔFを小さくすることにより、目標制動力F*の増加速度を低くする。
このように、制動力の増加速度を低くすることにより、自車両を減速させるときの減速度を制限するので、上記の効果を容易に且つ確実に得ることができる。
その他の作用効果については前述した第1実施形態と同様である。
この第6実施形態は、前述した第5実施形態において、タイヤのグリップ状態を、アクセル開度Accの減少速度dAccに応じて推定するものである。
そこで、第6実施形態では、前述した図12中の制御マップを、図13の制御マップに変更したことを除いては、第5実施形態と同様の処理を実行するため、同一部分については詳細説明を省略する。
ここで、図13の制御マップを参照して制動力増加量ΔFを算出する処理が、「グリップ状態推定手段」に対応している。
なお、上記の第5実施形態では、アクセル開度の減少速度dAccに応じて制動力増加量ΔFを算出しているが、これに限定されるものではなく、アクセル開度Accから導出されるドライバ要求エンジントルクTdriverの減少速度dTdriverに応じて制動力増加量ΔFを算出してもよい。
その他の作用効果については前述した第5実施形態と同様である。
この第7実施形態は、前述した第5実施形態において、タイヤのグリップ状態を、車両の横加速度Ygに応じて推定するものである。
そこで、第7実施形態では、前述した図12中の制御マップを、図14の制御マップに変更したことを除いては、第5実施形態と同様の処理を実行するため、同一部分については詳細説明を省略する。
ここで、図14の制御マップを参照して制動力増加量ΔFを算出する処理が、「グリップ状態推定手段」に対応している。
したがって、第7実施形態によれば、横加速度Ygが高くなるほど、制動力増加量ΔFを小さくすることにより、第5実施形態のようにスリップ率Sに応じてタイヤのグリップ状態を推定するよりも早くタイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いことを推定することができる。
その他の作用効果については前述した第5実施形態と同様である。
この第8実施形態は、タイヤのグリップ状態を、車輪のスリップ率S、アクセル開度の減少速度dAcc、及び車両の横加速度Ygに応じて推定するものである。
そこで、第8実施形態では、前述した図12で制動力増加量ΔFを算出する処理を、図15のブロック図に変更したことを除いては、第5〜第7実施形態と同様の処理を実行するため、同一部分については詳細説明を省略する。
次いで、下記(13)式に示すように、各増加量のセレクトローによって最終的な制動力増加量ΔFを算出する。
ΔF= min[ΔF(S),ΔF(dAcc),ΔF(Yg)] ………(13)
ここで、図15のブロック図に従って制動力増加量ΔFを算出する処理が、「グリップ状態推定手段」に対応している。
その他の作用効果については前述した第5〜第7実施形態と同様である。
なお、上記の第1〜4実施形態と第5〜第8実施形態とを任意に組み合わせてもよい。
2 操舵角センサ
3 ヨーレイトセンサ
4 アクセルセンサ
5 コントローラ
6 エンジン出力制御装置
7 制動力制御装置
10 マスターシリンダ
11FL〜11RR ホイールシリンダ
12A・12B 第1ゲートバルブ
13FL〜13RR インレットバルブ
14 アキュムレータ
15FL〜15RR アウトレットバルブ
16A・16B 第2ゲートバルブ
17 ポンプ
18 ダンパー室
Claims (7)
- 自車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、該旋回状態検出手段で検出した自車両の旋回状態に応じて自車両を減速させる走行制御手段と、を備えた車両用旋回走行制御装置において、
タイヤのグリップ状態を推定するグリップ状態推定手段を備え、
前記走行制御手段は、
自車両を減速させる場合、初回だけ運転者のアクセル操作に応じて決まるドライバ要求エンジントルクから所定量を減じて第一の目標エンジントルクを算出し、以後は演算周期毎に、前記第一の目標エンジントルクの前回値から前記所定量を減じた値と前記ドライバ要求エンジントルクとのセレクトローによって最終的な第一の目標エンジントルクを算出する第一の目標エンジントルク算出手段と、
前記グリップ状態推定手段で推定したタイヤグリップ状態が旋回性能の限界に近いほど、所定値から小さくなるエンジントルク低減量を算出するエンジントルク低減量算出手段と、
自車両を減速させる場合、初回だけ前記ドライバ要求エンジントルクから前記エンジントルク低減量算出手段が算出したエンジントルク低減量を減じて第二の目標エンジントルクを算出し、以後は演算周期毎に、前記第二の目標エンジントルクの前回値から前記エンジントルク低減量算出手段が算出したエンジントルク低減量を減じて最終的な第二の目標エンジントルクを算出する第二の目標エンジントルク算出手段と、
前記第一の目標エンジントルク算出手段が算出した第一の目標エンジントルクと、前記第二の目標エンジントルク算出手段が算出した第二の目標エンジントルクとのセレクトハイによって最終的な目標エンジントルクを算出する目標エンジントルク算出手段と、
前記目標エンジントルク算出手段で算出した目標エンジントルクに応じて車両の駆動力を制御する制御手段と、を備えることにより、
自車両を減速させる場合、運転者がアクセル戻し操作をするときに、コーナリングフォースの低下を抑制するために、前記グリップ状態推定手段で推定したタイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いほど、自車両を減速させるときの減速度を制限することを特徴とする車両用旋回走行制御装置。 - 前記走行制御手段は、車両の駆動力を減少させることにより車両を減速させると共に、当該駆動力の減少速度を低くすることにより自車両を減速させるときの減速度を制限することを特徴とする請求項1に記載の車両用旋回走行制御装置。
- 前記走行制御手段は、車両の制動力を増加させることにより車両を減速させると共に、当該制動力の増加速度を低くすることにより自車両を減速させるときの減速度を制限することを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載の車両用旋回走行制御装置。
- 前記グリップ状態推定手段は、車輪のスリップ傾向が高いほど、タイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いと推定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用旋回走行制御装置。
- 前記グリップ状態推定手段は、アクセル開度の減少速度が高いほど、タイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いと推定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用旋回走行制御装置。
- 前記グリップ状態推定手段は、車両の横加速度が高いほど、タイヤのグリップ状態が旋回性能の限界に近いと推定することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用旋回走行制御装置。
- 前記グリップ状態推定手段は、車輪のスリップ傾向、アクセル開度、及び車両の横加速度の少なくとも2つに応じて個別にタイヤのグリップ状態を推定すると共に、推定された少なくとも2つのグリップ状態のうち、最も旋回性能の限界に近いものを最終的なグリップ状態として選択することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の車両用旋回走行制御装置。
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