JP2021191194A - 電動車両の制振制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンチロックブレーキ制御の実行中における制振制御の実施の有無を、車速を考慮して適切に決定できるようにした電動車両の制振制御装置を提供する。【解決手段】制動制御装置は、車両駆動軸に連結されたモータジェネレータと、車両駆動軸を介してモータジェネレータと連結された車輪を個別に制動可能なブレーキアクチュエータと、を備える電動車両に搭載されている。制動制御装置は、車輪の実スリップ率が目標スリップ率となるようにブレーキアクチュエータを制御するアンチロックブレーキ制御と、アンチロックブレーキ制御の実行中に、車両駆動軸の捩り振動を抑制するようにモータジェネレータのトルクを制御する制振制御と、を実行可能に構成されている。制動制御装置は、電動車両の車速が閾値未満である場合には制振制御を実行せず、車速が閾値以上である場合には制振制御を実行する。【選択図】図1

Description

この発明は、電動車両の制振制御装置に関する。
特許文献1には、車輪を駆動する動力源としてモータジェネレータを備える電動車両の制振制御装置が開示されている。この制振制御装置は、モータジェネレータから車輪に至る車輪駆動系の回転振動をモータジェネレータのトルク制御により抑制する制振制御手段を備えている。そのうえで、この制振制御装置は、車輪スリップ制御手段(アンチスキッド制御装置やトラクションコントロール装置)の作動中は、上記制振制御手段による制振作用を抑制するように構成されている。
特開2009−273328号公報
アンチスキッド制御(アンチロックブレーキ(ABS)制御)の実行中の車輪スリップ率を利用した車輪スリップの検知性は、車速によって異なる。また、ABS制御の実行によって車両駆動軸の捩り振動が励起されると、それに伴い、車輪速の振動(変動)も発生する。当該捩り振動を抑制するためにモータジェネレータのトルクを利用する制振制御を行うと、この車輪速の振動をも抑制することになる。このため、制振制御の実行の有無も、車輪スリップの検知性に影響を与える。したがって、ABS制御の実行中における制振制御の実施の有無は、車速を考慮して適切に決定されることが望まれる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ABS制御の実行中であれば、制振制御手段による制振作用は車速によらずに抑制される。すなわち、この技術では、ABS制御の実行中に制振作用を抑制することに関し、車速は考慮されていない。この点において、特許文献1に記載の技術は、未だ改善の余地を残すものであった。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンチロックブレーキ制御の実行中における制振制御の実施の有無を、車速を考慮して適切に決定できるようにした電動車両の制振制御装置を提供することにある。
本発明に係る制動制御装置は、
車両駆動軸に連結されたモータジェネレータと、
車両駆動軸を介してモータジェネレータと連結された車輪を個別に制動可能なブレーキアクチュエータと、
を備える電動車両に搭載されている。
制動制御装置は、
車輪の実スリップ率が目標スリップ率となるようにブレーキアクチュエータを制御するアンチロックブレーキ制御と、
アンチロックブレーキ制御の実行中に、車両駆動軸の捩り振動を抑制するようにモータジェネレータのトルクを制御する制振制御と、
を実行可能に構成されている。
制動制御装置は、
電動車両の車速が閾値未満である場合には、制振制御を実行せず、
車速が閾値以上である場合には、制振制御を実行する。
低車速下では、アンチロックブレーキ(ABS)制御の実行中に実スリップ率を利用した車輪スリップの検知を行うことは難しい。そのうえで、このような低車速下において制振制御の実行により車輪速の振動が抑制されると、スリップ検知を阻害してしまう。そこで、本発明によれば、電動車両の車速が閾値未満である場合には(低車速下では)、制振制御は実行されない。これにより、制振制御による車輪速の振動抑制がなされなくなるので、ABS制御における車輪スリップの検知性が制振制御の実行によって阻害されないようにすることができる。一方、高車速下であれば、車輪スリップの検知性は相対的に良好となる。そこで、本発明によれば、車速が閾値以上である場合には、制振制御が実行される。これにより、車輪スリップの検知性が本来的に良好である高車速下では、ABS制御が作動している制動時の制振性能を、制振制御を利用して高めることができる。以上のように、本発明によれば、アンチロックブレーキ制御の実行中における制振制御の実施の有無を、車速を考慮して適切に決定することができる。
本発明の実施の形態に係る電動車両のシステム構成例を表した模式図である。 図1に示す電動車両の振動系モデルを表した模式図である。 本発明の実施の形態に係る制振制御の概要を説明するための制御ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る制振制御の効果を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態においてECU(制振制御装置)により実行される処理のルーチンを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.電動車両のシステム構成例
図1は、本実施形態に係る電動車両10のシステム構成例を表した模式図である。図1に示す電動車両10(以下、単に「車両10」とも称する)は、駆動源としてのモータジェネレータ(MG)12を備えている。MG12は、例えば、3相交流型である。MG12は、減速機14を介して車両駆動軸(ドライブシャフト)16に連結されている。そして、車両駆動軸16の両端は、車輪(駆動輪)18aと連結されている。このため、MG12が発生させるMGトルクTmgは、減速機14及び車両駆動軸16を介して2つの車輪18に伝達される。一例として、これら2つの車輪18は、四輪車両の左右前輪である。
なお、電動車両10は、一例として、図1に示された2つの車輪(駆動輪)18aとともに他の2つの車輪(図示省略)を備えている。以下の説明では、図示されていない2つの車輪をも含めて電動車両の車輪を称する場合には、「車輪18」と称する。また、本発明に係る電動車両は、車両駆動軸に連結されたモータジェネレータを含むものであれば、図1に示す例に代え、他の駆動源(例えば、内燃機関)を含んで構成されてもよい。
電動車両10は、ブレーキアクチュエータ20及びブレーキ機構22を含むブレーキ装置を備えている。図1では、ブレーキアクチュエータ20及びブレーキ機構22以外のブレーキ装置の構成要素の図示は省略されている。ブレーキアクチュエータ20は、各車輪18を個別に制動可能に構成されている。
より詳細には、ブレーキ装置によれば、マスタシリンダはブレーキペダルの踏力に応じた油圧を発生し、発生した油圧がブレーキアクチュエータ20に供給される。ブレーキ機構22は、各車輪18に配置されており、油圧配管を介してブレーキアクチュエータ20に接続されている。ブレーキアクチュエータ20は、ブレーキ油圧を各車輪のブレーキ機構22に分配し、さらに、各種電磁バルブを制御することで各車輪18に付与されるブレーキ油圧を独立して調整することができる。より具体的には、ブレーキアクチュエータ20は、ブレーキ油圧の制御モードとして、圧力を高める増圧モードと、圧力を保持する保持モードと、圧力を下げる減圧モードとを有している。ブレーキアクチュエータ20は、各種電磁バルブのON/OFFを制御することで、車輪18毎にブレーキ油圧の制御モードを異ならせることができる。各車輪18に付与される制動トルクTbは、それぞれのホイールシリンダに供給されるブレーキ油圧(すなわち、制動圧)に応じて定まる。このため、このような制御モードの変更により、ブレーキアクチュエータ20は、各車輪18の制動圧を独立して制御することで、各車輪18の制動力(制動トルクTb)を独立して制御することができる。
電動車両10には、本発明に係る「制動制御装置」の一例に相当する電子制御ユニット(ECU)30が搭載されている。ECU30は、MG12及びブレーキアクチュエータ20を制御する。ECU30は、プロセッサ、メモリ及び入出力インターフェースを備えている。入出力インターフェースは、電動車両10に取り付けられた各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、MG12及びブレーキアクチュエータ20に対して操作信号を出力する。メモリには、MG12及びブレーキアクチュエータ20を制御するための各種の制御プログラムおよびマップが記憶されている。プロセッサは、制御プログラムをメモリから読み出して実行し、これにより、制動制御装置の機能が実現される。なお、制動制御装置は、複数のECUを用いて構成されていてもよい。
上述の各種センサは、MG回転速度センサ32と車輪速センサ34と車速センサ36とを含む。MG回転速度センサ32は、MG12の回転速度を検出する。車輪速センサ34は、各車輪18に配置されており、個々の車輪18の回転速度(車輪速Vw)を検出する。車速センサ36は、電動車両10の車体速度(すなわち、車速V)を検出する。
2.電動車両の制御
ECU30による電動車両10の制御は、以下に説明される「アンチロックブレーキ制御」と「制振制御」とを含む。
2−1.アンチロックブレーキ制御
アンチロックブレーキ制御(以下、「ABS制御」と略する)は、各車輪18の実スリップ率Sが所定の目標スリップ率Stとなるようにブレーキアクチュエータ20を制御するというものである。
各車輪18の実スリップ率Sは、例えば、車輪速センサ34により検出される車輪速Vwと車速センサ36により検出される車速Vとに基づいて、次の(1)式に従って算出することができる。なお、車速Vは、車速センサ36の利用に代え、例えば、車輪速センサ34により検出される車輪速Vwと加速度センサ(図示省略)により検出される車両10の減速度とに基づく公知の手法を利用して推定されてもよい。
Figure 2021191194
ABS制御の実行条件は、例えば、何れかの車輪18がロック傾向にある(ロック状態に移行する可能性がある)ことを検出したときに成立する。車輪18がロック傾向にあるか否かは、例えば、車輪18の実スリップ率Sが所定値を超えたか否かに基づいて判断される。ABS制御の作動中には、ブレーキアクチュエータ20は、ロック傾向にある車輪18の実スリップ率Sを目標スリップ率Stに近づけるために、上述のブレーキ機構に作用するブレーキ油圧を制御する。具体的には、まず、増加した実スリップ率Sを下げるためにブレーキ油圧が減らされ、その後、当該ブレーキ油圧が保持される。ブレーキ油圧保持中に実スリップ率Sが回復したら、ブレーキ油圧が増やされる。ABS制御の実行中には、このようなブレーキ油圧の制御が繰り返される。その後、車両10が停止するか、或いはロック傾向にある車輪18の実スリップ率Sが所定値以下に低下すると、ABS制御が終了される。このようなABS制御によれば、車両10の制動距離の短縮を図ることができる。
2−2.制振制御
本実施形態の制振制御は、ABS制御の実行中に、車両駆動軸16の捩り振動を抑制するようにMG12のトルク(MGトルクTmg)を制御するというものである。図2は、図1に示す電動車両10の振動系モデル40を表した模式図である。この振動系モデル40は、MG12から車両駆動軸16を介した車輪18までの駆動系をモデル化したものである。
図2において、ImgはMG12の等価慣性質量を示している。Itは車輪18(より詳細には、タイヤとホイールのアッセンブリ)の等価慣性質量を示している。また、θmg及びθtは、それぞれ、MG12及び車輪18の回転角である。Tmg及びTbは、それぞれ、MGトルク、及びABS制御による制動トルクである。また、Kds及びIdsは、それぞれ、車両駆動軸(ドライブシャフト)16の捩り剛性及び捩り減衰係数である。
図2に示す振動系モデル40は、換言すると、MG12から車両駆動軸16を介した車輪18までの捩り共振モデルである。振動系モデル40の運動方程式は、次の(2)、(3)式によって表すことができる。なお、図2に示す振動系の共振周波数は、10Hz付近である。(2)、(3)式において、各等価慣性質量Img及びIt、捩り剛性Kds及び捩り減衰係数Cdsは既知である。
Figure 2021191194

Figure 2021191194
図3は、本実施形態に係る制振制御の概要を説明するための制御ブロック図である。図3に示す制振制御では、制御入力としてのMGトルク要求値Tmgrが、後述のように算出される制振トルクTvと足し合わされる。MGトルク要求値Tmgrは、例えば、車両10のアクセル開度と、MG回転速度センサ32により検出される(実)MG回転速度とに基づいて決定される。MGトルク要求値Tmgrと制振トルクTvとの合計MGトルクは、MG電流制御部42に入力される。
MG電流制御部42では、入力された合計MGトルクに基づいて、MGトルクを制御するためのMG電流指令値が生成される。そして、MG12を流れる電流を検出する電流センサ(図示省略)のMG電流センサ値がMG電流指令値に一致するようにMG電流のフィードバック制御が行われる。そして、MG電流制御部42では、当該フィードバック制御の制御偏差に基づいて、MG12の操作量としてのMG電圧指令値が生成される。MG12は、MG電圧指令値に応じたMGトルクTmgを発生させる。
MG12が発生したMGトルクTmgは、振動系モデル(捩り共振モデル)40に入力される。振動系モデル40によれば、このMGトルクTmgに応じたMG回転速度(角速度)dθmg/dtが上述の(2)、(3)式を用いて算出される。このように算出されるMG回転速度dθmg/dtには、ABS制御の実行に起因して励起される車両駆動軸16の捩り振動の影響が反映されている。
制振制御は、外乱オブザーバ44を利用する。外乱オブザーバ44には、MGトルク要求値Tmgrと、振動系モデル40で算出されたMG回転速度dθmg/dtとが入力される。外乱オブザーバ44は、図2に示す振動系に加わる外乱としての車両駆動軸トルクを推定するように構成されている。この車両駆動軸トルクの推定値は、MGトルク要求値Tmgrと、振動系モデル40で算出されたMG回転速度dθmg/dtとに基づいて算出される。算出された車両駆動軸トルクの推定値は、微分補償器46に入力される。
微分補償器46は、車両駆動軸トルクの推定値に微分演算を施すことによって、制振トルクTvを出力する。このように出力される制振トルクTvは、より詳細には、トルクの微分値(つまり、トルクの時間変化量)である。このため、制振トルクTvには、MG回転角θmgと車輪回転角θtとの差の微分値である両者の回転速度差(つまり、車両駆動軸16の捩り角速度)の情報が含まれている。したがって、制振制御によれば、このような制振トルクTvを補償成分として用いたフィードバック制御によってMGトルク要求値Tmgrが適宜修正されることになる。これにより、ABS制御の実行によって車両駆動軸16の捩り振動が励起された場合に、当該捩り振動を抑制するようにMGトルクTmgを印加できるようになる。
図4は、本実施形態に係る制振制御の効果を説明するためのタイムチャートである。より詳細には、まず、図4(A)は、制振制御を伴わないABS制御時の動作を示している。ABS制御による制動力の変動に伴い、図4(A)に示すように、車両駆動軸16の捩り角速度に変動が生じている(すなわち、捩り振動が励起されている)。そして、車両駆動軸16の捩り振動の影響で車輪18の車輪速Vwにも振動が生じている。なお、この例では、制振制御が行われていないため、MGトルクTmgは一定(ゼロ)で推移している。
一方、図4(B)は、制振制御を伴うABS制御時の動作を示している。制振制御が行われると、図4(B)に示すように、ABS制御に起因する車両駆動軸16の捩り振動(捩り角速度の変化)を抑制する向きでMGトルクTmgが印加される。その結果、この例では、図4(A)に示す例と比べて、車両駆動軸16の捩り振動(捩り角速度の変化)が抑制され、そして、車輪速Vwの振動も抑制されている。
2−3.本実施形態の特徴部分
上述のように、ABS制御の実行中に制振制御を行って車両駆動軸16の捩り振動を抑制することにより、当該捩り振動に伴う車輪速Vwの振動(変動)を抑制できる。しかしながら、ABS制御の実行中に行われる制振制御には、次のような課題がある。すなわち、低車速下では、ABS制御実行中に実スリップ率Sを利用した車輪スリップの検知を行うことは難しい。そのうえで、このような低車速下において制振制御の実行により車輪速Vwの振動が抑制されると、スリップ検知を阻害してしまう。その一方で、高車速下であれば、相対的に車輪スリップの検知性が良好となる。このため、高車速下では、制振制御の実行によって捩り振動を抑制することは、ABS制御が作動している制動時の制振性能を高めるうえで好ましいといえる。
本実施形態では、上述の課題に鑑み、ECU30は、車速Vが所定の閾値TH未満である場合には(すなわち、低車速下では)、ABS制御の実行中に制振制御を実行せず、一方、車速Vが閾値TH以上である場合には、ABS制御の実行中に制振制御を実行するように構成されている。
また、車輪速Vwの変動を利用して悪路判定を行う場合には、悪路判定のために車輪速Vwの大きな変動を検知したいという要求がある。ただし、この要求に基づき、単に悪路判定のために一律に制振制御を実行しないようにすると、低μ路では、駆動系の捩り振動に起因して悪路を誤検知する可能性がある。そこで、本実施形態では、ECU30は、ABS制御を行う状況下で悪路判定を行う場合には、ABS制御の開始時であることを条件として制振制御を実行しないように構成されている。
さらに、左右2つの車輪18a(車両駆動軸16と連結された車輪)の一方又は双方が高μ路上にある場合には、制振制御を行わずにABS制御の実行による駆動系の捩り振動が励起されても、その捩り振動の大きさ自体及び捩り振動に伴う車輪速Vwの変動は、そもそも小さくなる。したがって、このような場合には、制振制御は不要であるといえる。そこで、本実施形態では、ECU30は、左右2つの車輪18aの一方又は双方が高μ路上にあると判定した場合には、ABS制御の実行中に制振制御を実行しないように構成されている。
図5は、本実施形態においてECU30により実行される処理のルーチンを示すフローチャートである。ECU30は、例えば、制動開始(ブレーキペダルON)時に本ルーチンを起動し、制動終了時まで本ルーチンの処理を所定時間毎に繰り返し実行する。
図5に示すルーチンでは、ECU30は、まず、ステップS100において、ABS制御の実行中(ABS作動中)であるか否かを判定する。より詳細には、上述したABS制御の実行条件が成立している期間中は、本ステップS100の判定結果が肯定的となる。
ステップS100においてABS作動中でないと判定した場合には、ECU30は、ステップS102に進み、制振制御要求をOFFとする。このステップS102の処理後に、ECU30は、今回の処理サイクルを終了する。一方、ステップS100においてABS作動中であると判定した場合には、ECU30は、ステップS104に進む。
ステップS104では、ECU30は、低車速下であるか否かを判定する。具体的には、車速センサ36により検出される車速Vが閾値TH未満であるか否かを判定する。この閾値THは、例えば、各車輪18aに所定の制動トルクを作用させた際に実スリップ率Sの増加量が所定値を上回る時の車速値とすることができる。
ステップS104において低車速下であると判定した場合には、ECU30は、ステップS102に進み、制振制御要求をOFFとする。その結果、この場合には、ABS制御の実行中に制振制御は行われない。一方、ステップS104の判定結果が否定的である場合には、ECU30は、ステップS106に進む。
ステップS106では、ECU30は、現時点がABS制御の開始時であるか否かを判定する。具体的には、この判定結果は、本ルーチンの起動後にステップS100の判定結果が初めて肯定的となった処理サイクルにおいて、ステップS104の判定結果が否定的となって処理がステップS106に進んだ場合に肯定的となる。
ステップS106においてABS制御の開始時であると判定した場合には、ECU30は、ステップS108に進む。ステップS108では、ECU30は、車両10が悪路を走行しているか否かを判定する。この判定結果は、ECU30が車輪18aの車輪速Vwの変動を利用して悪路判定を行っている時に肯定的となる。このように本判定結果が肯定的となる場合(すなわち、ABS制御の開始時かつ悪路判定中である場合)には、ECU30は、ステップS102に進み、制振制御要求をOFFとする。
一方、ステップS108において悪路判定中でないと判定した場合(すなわち、ABS制御の実行中(開始時を含む)に高車速下にある場合)には、ECU30は、ステップS110に進み、制振制御要求をONとする。その結果、この場合には、ABS制御の実行中に制振制御が行われる。ステップS110の処理後に、ECU30は、今回の処理サイクルを終了する。
また、ステップS106においてABS制御の開始時ではないと判定した場合(すなわち、高車速下かつABS制御の実行中(ただし、開始時を除く)である場合)には、ECU30は、ステップS112に進む。ステップS112では、ECU30は、左右2つの車輪18aの一方又は双方が高μ路上にあるか否かを判定する。この判定は、例えば、各車輪18aの実スリップ率Sと車両加速度とに基づいて行うことができる。
ステップS112において左右2つの車輪18aの一方又は双方が高μ路上にあると判定した場合には、ECU30は、ステップS102に進み、制振制御要求をOFFとする。一方、この判定結果が否定的である場合には、ECU30は、ステップS110に進み、制振制御要求をONとする。
3.効果
以上説明した本実施形態によれば、ABS制御と制振制御(MGトルク制御)との間での制御干渉による性能低下を回避できる。
具体的には、車輪スリップを検知しにくい低車速下では、ABS制御の実行中に制振制御は実行されない。その結果、制振制御のMGトルクTmgによる車輪速Vwの振動抑制がなされなくなるので、ABS制御における車輪スリップの検知性が制振制御の実行によって阻害されないようにすることができる。そして、このことは、車輪スリップの検知がなされないことに起因して低車速下で車輪ロック傾向が強くなり(ABS制御によって制動力を調整する機会を逃し)、その結果として制動距離が長くなることの抑制に繋がる。一方、車輪スリップの検知性が本来的に良好である高車速下では、ABS制御の実行中に制振制御が実行されるので、ABS制御が作動している制動時の制振性能を、制振制御を利用して高めることが可能となる。このように、本実施形態によれば、ABS制御の実行中における制振制御の実施の有無を、車速Vを考慮して適切に決定できるようになる。
また、本実施形態によれば、ABS制御を行う状況下で悪路判定を行う場合には、ABS制御の開始時であることを条件として制振制御が実行されない。これにより、低μ路において駆動系の捩り振動に起因する悪路の誤検知を抑制しつつ、ABS制御に制振制御を組み合わせることができる。
さらに、本実施形態によれば、左右2つの車輪18aの一方又は双方が高μ路上にある場合には、制振制御が実行されない。これにより、ABS制御の実行による駆動系の捩り振動に伴う車輪速Vwの変動はそもそも小さくなる状況下において、不要な制振制御の実行を回避できる。
ところで、ECU30(制振制御装置)による処理は、ABS制御の実行中にステップS104において低車速下ではない(すなわち、高車速下である)と判定した場合に、上述した図5に示すルーチンの処理とは異なり、ステップS106、S108又はS112を介さずにステップS110に進んで制振制御要求をONとするように構築されてもよい。
10 電動車両
12 モータジェネレータ(MG)
14 減速機
16 車両駆動軸
18 車輪
20 ブレーキアクチュエータ
22 ブレーキ機構
30 電子制御ユニット(ECU)
32 MG回転速度センサ
34 車輪速センサ
36 車速センサ
40 振動系モデル
42 MG電流制御部
44 外乱オブザーバ
46 微分補償器

Claims (1)

  1. 車両駆動軸に連結されたモータジェネレータと、
    前記車両駆動軸を介して前記モータジェネレータと連結された車輪を個別に制動可能なブレーキアクチュエータと、
    を備える電動車両に搭載された制動制御装置であって、
    前記制動制御装置は、
    前記車輪の実スリップ率が目標スリップ率となるように前記ブレーキアクチュエータを制御するアンチロックブレーキ制御と、
    前記アンチロックブレーキ制御の実行中に、前記車両駆動軸の捩り振動を抑制するように前記モータジェネレータのトルクを制御する制振制御と、
    を実行可能に構成され、
    前記制動制御装置は、
    前記電動車両の車速が閾値未満である場合には、前記制振制御を実行せず、
    前記車速が前記閾値以上である場合には、前記制振制御を実行する
    ことを特徴とする電動車両の制動制御装置。
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