JPH05171968A - 車両用トラクション制御装置 - Google Patents

車両用トラクション制御装置

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JPH05171968A
JPH05171968A JP34297691A JP34297691A JPH05171968A JP H05171968 A JPH05171968 A JP H05171968A JP 34297691 A JP34297691 A JP 34297691A JP 34297691 A JP34297691 A JP 34297691A JP H05171968 A JPH05171968 A JP H05171968A
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lateral acceleration
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acceleration
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Toru Iwata
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速スリップ検出値が横加速度に応じた制御
しきい値を超えると加速スリップを抑制するべくトラク
ションを制御する車両用トラクション制御装置におい
て、加速スリップが発生する旋回走行時に制御ハンチン
グを防止すると共に、横加速度上昇時には低横加速度域
での安定性と高横加速度域での加速性との両立を図り、
横加速度減少時には加速性と安定性のバランスをとりな
がら安定サイドへの移行を図ること。 【構成】 横加速度判断値として第1横加速度判断値と
第2横加速度判断値を設定し、横加速度上昇時は第2横
加速度判断値を境としてステップ的に低制御しきい値か
ら高制御しきい値に変更し、横加速度減少時は第1横加
速度判断値まで制御しきい値を徐々に低下させる制御し
きい値設定手段dを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速スリップ検出値が
横加速度に応じた制御しきい値を超えると加速スリップ
を抑制するべくトラクションを制御する車両用トラクシ
ョン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、横加速度状態を検出し、横加速度
情報に応じて制御しきい値を変更する車両用トラクショ
ン制御装置としては、例えば、特開昭58−16948
号公報に記載されている装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用トラクション制御装置にあっては、低
横加速度域と高横加速度域を分岐する1つの横加速度判
断値のみを設定し、横加速度検出値がこの横加速度判断
値より大きいか小さいかにより制御しきい値を変更する
構成となっている為、横加速度検出値が横加速度判断値
の近傍で変動するような旋回走行時に加速スリップが発
生した場合、制御しきい値の変動によりトラクション制
御ハンチングを起してしまう。
【0004】つまり、横加速度検出値が横加速度判断値
より小さい時に、例えば、加速スリップ制御に入り易い
低制御しきい値に設定すると車両安定性が得られるし、
横加速度検出値が横加速度判断値より大きい時に、例え
ば、加速スリップ制御に入り難い高制御しきい値に設定
すると加速性が向上するが、制御ハンチングを起こすと
安定性と加速性が繰り返されて所望する性能が得られな
いばかりか旋回限界域では車両挙動が不安定となる。
【0005】本発明は、上述のような問題に着目してな
されたもので、加速スリップ検出値が横加速度に応じた
制御しきい値を超えると加速スリップを抑制するべくト
ラクションを制御する車両用トラクション制御装置にお
いて、加速スリップが発生する旋回走行時に制御ハンチ
ングを防止すると共に、横加速度上昇時には低横加速度
域での安定性と高横加速度域での加速性との両立を図
り、横加速度減少時には加速性と安定性のバランスをと
りながら安定サイドへの移行を図ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の車両用トラクション制御装置では、横加速度判
断値として第1横加速度判断値と第2横加速度判断値を
設定し、横加速度上昇時は第2横加速度判断値を境とし
てステップ的に低制御しきい値から高制御しきい値に変
更し、横加速度減少時は第1横加速度判断値まで制御し
きい値を徐々に低下させる手段とした。
【0007】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、加速スリップを検出する加速スリップ検出手段a
と、横加速度を検出する横加速度検出手段bと、低横加
速度域に存在する第1横加速度判断値と横加速度の高低
分岐域に存在する第2横加速度判断値を設定する横加速
度判断値設定手段cと、横加速度上昇時は横加速度検出
値が第2横加速度判断値まで低制御しきい値を維持し第
2横加速度判断値を超えると一気に立上がる高制御しき
い値に設定し、横加速度減少時は横加速度検出値が第1
横加速度判断値となるまで横加速度検出値の低下に比例
して徐々に低下する制御しきい値に設定し第1横加速度
判断値以下になると低制御しきい値を維持する制御しき
い値設定手段dと、加速スリップ検出値が前記制御しき
い値設定手段dにより設定された制御しきい値を超える
と加速スリップを抑制するべくトラクションを制御する
トラクション制御手段eとを備えている事を特徴とす
る。
【0008】
【作用】直進走行から高μ路旋回走行に移行する時等で
横加速度上昇時は、制御しきい値設定手段dにおいて、
横加速度検出手段bからの横加速度検出値が第2横加速
度判断値までは低制御しきい値が維持され、第2横加速
度判断値を超えると一気に立上がる高制御しきい値に設
定される。そして、トラクション制御手段eにおいて、
加速スリップ検出手段aからの加速スリップ検出値が制
御しきい値設定手段dにより設定された制御しきい値を
超えると加速スリップを抑制するべくトラクションが制
御される。尚、第2横加速度判断値は、横加速度判断値
設定手段cにおいて、低横加速度域と高横加速度域との
分岐域に存在する値として設定されている。従って、横
加速度上昇時には、低横加速度域で制御に入り易い低制
御しきい値が維持されることによる安定性と、高横加速
度域で制御に入り難い高制御しきい値に設定されること
による加速性との両立が図られる。
【0009】高μ路旋回走行から直進走行に移行する時
等で横加速度減少時は、制御しきい値設定手段dにおい
て、横加速度検出手段bからの横加速度検出値が第1横
加速度判断値となるまで横加速度検出値の低下に比例し
て徐々に低下する制御しきい値に設定され、第1横加速
度判断値以下になると低制御しきい値を維持する制御し
きい値に設定される。そして、トラクション制御手段e
において、加速スリップ検出手段aからの加速スリップ
検出値が制御しきい値設定手段dにより設定された制御
しきい値を超えると加速スリップを抑制するべくトラク
ションが制御される。尚、第1横加速度判断値は、横加
速度判断値設定手段cにおいて、低横加速度域に存在す
る値として設定されている。従って、横加速度減少時に
は、制御しきい値が横加速度検出値の低下に比例して徐
々に低下することで加速性と安定性のバランスがとられ
ながら安定サイドへの移行が図られる。
【0010】加速スリップ発生時で横加速度検出値が横
加速度判断値の近傍の値で変動するような旋回時には、
横加速度判断値として第1横加速度判断値と第2横加速
度判断値とが設定され、制御しきい値にヒステリシスが
もたせられている為、トラクション制御ハンチングの発
生が防止される。
【0011】
【実施例】構成を説明する。
【0012】図2は本発明の実施例の車両用トラクショ
ン制御装置が適用された後輪駆動車の制駆動系制御シス
テム全体図である。
【0013】この後輪駆動車には、加速スリップ発生時
に後輪スリップ率が最適許容範囲内になる様にモータス
ロットル開度制御を行なうスロットル制御と、加速スリ
ップ発生時に左右各後輪に独立して制動力を与えるブレ
ーキ制御とを併用するトラクション制御システム(トラ
クション制御手段に相当)が搭載されていると共に、減
速スリップ時に車輪ロックを防止する様に前後輪ブレー
キ液圧制御を行なうアンチスキッドブレーキ制御システ
ムが搭載されている。そして、これらのシステムの集中
電子制御は、トラクション制御システム&アンチスキッ
ドブレーキ制御システム電子制御ユニットTCS/ABS-ECU
(以下、TCS/ABS-ECU と略称する)により行なわれる。
【0014】前記TCS/ABS-ECU には、右前輪速センサ1
からの右前輪速センサ値VFRと、左前輪速センサ2から
の左前輪速センサ値VFLと、右後輪速センサ3からの右
後輪速センサ値VRRと、左後輪速センサ4からの左後輪
速センサ値VRLと、横加速度センサ5(横加速度検出手
段に相当)からの横加速度センサ値YGと、TCS スイッチ
6からのスイッチ信号SWTCと、ブレーキランプスイッチ
7からのスイッチ信号SWSTと、スロットルコントロール
モジュールTCM (以下、TCM と略称する)からのスロッ
トル1実開度DKV と、オートマチックトランスミッショ
ン制御ユニットA/T C/U (以下、A/T C/U と略称する)
からのギア位置信号及びシフトアップ信号と、エンジン
集中電子制御ユニットECCS C/U(以下、ECCS C/Uと略称
する)からのエンジン回転数信号と、第2スロットルセ
ンサ17からの第2スロットル信号TVO2等が入力され
る。
【0015】そして、TCS/ABS-ECU からは、加速スリッ
プを検出し、スロットル開閉信号としてのスロットル2
目標開度DKR がTCM に出力されると共に、ブレーキ増減
圧信号としてのソレノイド信号が共有ハイドロリックユ
ニットTCS/ABS-HU(以下、TCS/ABS-HUと略称する)の各
ソレノイドバルブに出力される(TCSスロットル制御
及びTCSブレーキ制御)。また、減速スリップを検出
し、ブレーキ増減圧信号としてのソレノイド信号がTCS/
ABS-HUの各ソレノイドバルブに出力される(ABS制
御)。尚、TCS/ABS-ECU からは、上記出力以外に、TCS
フェイル時にはTCSフェイルランプ14に点灯指令が出
力され、TCS 作動中にはTCS 作動ランプ15に点灯指令
が出力される。
【0016】前記TCM は、スロットルモータ駆動回路を
中心とする制御回路で、第1スロットルセンサ16から
の第1スロットル信号TVO1を入力し、TCS/ABS-ECU にス
ロットル1実開度DKV として出力したり、第2スロット
ルセンサ17からの第2スロットル信号TVO2をスロット
ル2目標開度DKR に対するフィードバック情報として入
力したり、TCS/ABS-ECU からのスロットル2目標開度DK
R に基づきスロットルモータ18にモータ駆動電流IMを
印加する。
【0017】ここで、第1スロットルセンサ16が設け
られる第1スロットルバルブ19は、アクセルペダル2
0と連動して作動するバルブであり、第2スロットルセ
ンサ17が設けられる第2スロットルバルブ21は、第
1スロットルバルブ19とは直列配置によりエンジン吸
気通路22に設けられ、スロットルモータ18により開
閉駆動されるバルブである。
【0018】上記トラクション制御システムには、周辺
システムとして、図示のように、エアフローメータAFM
やECCS C/Uやインジェクタを有し、燃料噴射制御,点火
時期制御,アイドル回転数補正等を集中制御するエンジ
ン集中電子制御システムが搭載されていて、トラクショ
ン制御時を示すトラクションスイッチ信号TCS SWのON信
号が入力されたら、過渡特性補正のため、第1スロット
ル信号TVO1と第2スロットル信号TVO2のうち小さいバル
ブ開度を選択する制御(セレクトロー制御)が行なわれ
ると共に、キャニスタ制御及びEGR制御が中止され
る。
【0019】また、周辺システムとして、図示のよう
に、A/T C/U やシフトソレノイドを有し、変速制御やロ
ックアップ制御等を行なうオートマチックトランスミッ
ション制御システムが搭載されていて、A/T C/U からは
ギア位置信号及びシフトアップ信号がTCS/ABS-ECU に取
り込まれる。
【0020】さらに、周辺システムとして、図示のよう
に、ASCDアクチュエータを有し、設定車速を維持するよ
うに車速自動制御を行なう定速走行制御システムが搭載
されていて、制御干渉を防止するため、トラクションス
イッチ信号TCS SWのON信号が入力されたら第1スロット
ルバルブ19の開制御を中止し、TCS SWのOFF 信号が入
力されたら第1スロットルバルブ19の戻し速度を緩や
かにする。
【0021】図3は左右後輪独立のTCSブレーキ制御
とABS制御とに共用されるブレーキ液圧制御系を示す
油圧回路図である。
【0022】このブレーキ液圧制御系は、ブレーキペダ
ル27と、油圧ブースタ28と、リザーバ29を有する
マスタシリンダ30と、ホイールシリンダ31,32,
33,34と、共有ハイドロリックユニットTCS/ABS-HU
と、ポンプユニットPUと、第1アキュムレータユニット
AU1 と、第2アキュムレータユニットAU2 と、前輪側ダ
ンピングユニットFDPUと、後輪側ダンピングユニットRD
PUとを備えている。
【0023】TCS/ABS-HUには、第1切換バルブ35a
と、第2切換バルブ35bと、左前輪増圧バルブ36a
と、右前輪増圧バルブ36bと、左後輪増圧バルブ36
cと、右後輪増圧バルブ36dと、左前輪減圧バルブ3
7aと、右前輪減圧バルブ37bと、左後輪減圧バルブ
37cと、右後輪減圧バルブ37cと、前輪側リザーバ
38aと、後輪側リザーバ38bと、前輪側ポンプ39
aと、後輪側ポンプ39bと、前輪側ダンパー室40a
と、後輪側ダンパー室40bと、ポンプモータ41を有
して構成される。
【0024】そして、通常のブレーキ時やABS制御時
には、マスタシリンダ30からの液圧を導入するべく両
切換バルブ35a,35bは図示のようにOFF 位置とさ
れ、TCSブレーキ制御時には、第2アキュムレータユ
ニットAU2 からの液圧を導入するべく両切換バルブ35
a,35bがON位置とされる。そして、例えば、TCS
ブレーキ制御での増圧モード時には、両制御バルブ36
c,36d,37c,37dが図示のようにOFF 位置と
され、保持モード時には、増圧バルブ36c,36dの
みON位置とされ、減圧モード時には、両制御バルブ36
c,36d,37c,37dがON位置とされ、ホイール
シリンダ33,34からのブレーキ液が後輪側リザーバ
38bに蓄えられ、さらに、後輪側ポンプ39bの回転
により後輪側ダンパー室40bに戻される。
【0025】前記第1アキュムレータユニットAU1 は、
油圧ブースタ28の液圧源とされ、第2アキュムレータ
ユニットAU2 は、TCSブレーキ制御での液圧源とされ
るもので、両ユニットAU1,AU2 は、リザーバ29からブ
レーキ液を吸い込む共有のポンプユニットPUにより所定
のアキュムレータ圧が保たれる。
【0026】前記前輪側ダンピングユニットFDPU及び後
輪側ダンピングユニットRDPUは、ペダルフィーリングを
向上させるために、共有ハイドロリックユニットTCS/AB
S-HUでの液圧変化影響がマスタシリンダ30に及ぶのを
抑えている。
【0027】作用を説明する。
【0028】(イ)通常のトラクション制御作用 図4はTCS/ABS-ECU で行なわれるトラクション制御の概
要を示す制御ブロック図であり、トラクション制御ロジ
ックは、下記の4種の制御に大別できる。
【0029】(1) 実スリップ状態の計算 車輪速センサ1,2,3,4からの信号にフィルタ処理
を行ない、フィルタ処理後の車輪速値に基づき、実スリ
ップ状態(スリップ量,スリップ量差分値)の算出を行
なう(加速スリップ検出手段に相当)。
【0030】(2) 目標スリップ状態の計算 横加速度センサ5の信号にフィルタ処理を行ない、横加
速度による旋回・直進判断と車速とにより走行状態に見
合った目標スリップ状態の算出を行なう。
【0031】(3) TCSブレーキ制御 実スリップ状態が後述する横加速度に対応する制御しき
い値を超えた時、実スリップ状態と目標スリップ状態と
を比較して必要なブレーキ増減圧速度(制御デューティ
比)の算出を行ない、TCS/ABS-HUに出力する。
【0032】(4) TCSスロットル制御 実スリップ状態が後述する横加速度に対応する制御しき
い値を超えた時、実スリップ状態と目標スリップ状態と
を比較して必要なスロットル開度,開閉速度の算出を行
ない、TCM に出力する。
【0033】(ロ)横加速度対応制御しきい値によるト
ラクション制御作用 図5はTCS/ABS-ECU で行なわれる横加速度対応制御しき
い値によるトラクション制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0034】ステップ50では、横加速度センサ5から
のセンサ信号をフィルタ処理した横加速度検出値YGが読
み込まれると共に、横加速度微分値YG’が演算される。
【0035】ステップ51では、横加速度検出値YGと横
加速度微分値YG’とステップ枠内に記載された補正係数
特性とに基づいて制御しきい値補正係数βが設定され
る。
【0036】この補正係数特性について説明すると、ま
ず、低横加速度域に存在する第1横加速度判断値YG1
(例えば、0.5G)と低横加速度域と高横加速度域の分岐
域に存在する第2横加速度判断値YG2 (例えば、0.6G〜
0.65G )が設定されている(横加速度判断値設定手段に
相当)。そして、横加速度微分値YG’が正であることで
判断される横加速度上昇特性は、横加速度検出値YGが第
2横加速度判断値YG2 まで制御しきい値補正係数β=1
を維持し第2横加速度判断値YG2 を超えると一気に立上
がると共に横加速度検出値YGに比例して制御しきい値補
正係数βが上昇する特性である。また、横加速度微分値
YG’が負であることで判断される横加速度減少特性は、
横加速度上昇特性の比例特性部分に沿って横加速度検出
値YGが第1横加速度判断値YG1 となるまで横加速度検出
値YGの低下に比例して徐々に制御しきい値補正係数βが
低下し、第1横加速度判断値YG1 以下になると制御しき
い値補正係数β=1を維持する特性である。
【0037】ステップ52では、ステップ51で設定さ
れた制御しきい値補正係数βと直進時スロットル制御し
きい値SLPENOによりスロットル制御しきい値SLPEN が計
算され、ステップ51で設定された制御しきい値補正係
数βと直進時ブレーキ制御しきい値SLPBKOによりブレー
キ制御しきい値SLPBK が計算される(制御しきい値設定
手段に相当)。
【0038】ステップ53では、スロットル制御しきい
値SLPEN に基づき上記(イ)で述べたTCSスロットル
制御が行なわれると共に、ブレーキ制御しきい値SLPBK
に基づき上記(イ)で述べたTCSブレーキ制御が行な
われる。
【0039】(ハ)横加速度上昇時 直進走行から高μ路旋回走行に移行する時等で横加速度
上昇時は、ステップ51において、横加速度上昇特性が
選択されて制御しきい値補正係数βが設定されること
で、ステップ52において、横加速度検出値YGが第2横
加速度判断値YG2となるまでは直進時と同じ低制御しき
い値が維持され、第2横加速度判断値YG2を超えると一
気に立上がると共に横加速度検出値YGの上昇に比例して
上昇する高制御しきい値に設定される。そして、ステッ
プ53では、加速スリップ状態がスロットル制御しきい
値SLPEN を超えるとTCSスロットル制御が行なわれ、
加速スリップ状態がブレーキ制御しきい値SLPBK を超え
るとTCSブレーキ制御が行なわれる。
【0040】従って、横加速度上昇時には、第2横加速
度判断値YG2 以下の低横加速度域で制御に入り易い低制
御しきい値が維持されることによる安定性と、第2横加
速度判断値YG2 以上の高横加速度域で制御に入り難い高
制御しきい値に設定されることによる加速性との両立が
図られる。特に、第2横加速度判断値YG2 を超えた時点
で制御しきい値が一気に上昇することで、この時点でT
CS制御が一旦終了する場合が多くなり、加速性が確保
され易い。また、第2横加速度判断値YG2 以上の高横加
速度域では、横加速度検出値YGに比例して制御しきい値
を上昇させる比例特性に設定していることで、旋回コン
トロール性が向上する。
【0041】(ニ)横加速度減少時 高μ路旋回走行から直進走行に移行する時等で横加速度
減少時は、ステップ52において、横加速度検出値YGが
第1横加速度判断値YG1 となるまでは横加速度上昇特性
の比例特性部分に沿って横加速度検出値YGの低下に比例
して徐々に低下する制御しきい値に設定され、第1横加
速度判断値YG1 以下になると直進時と同じ低制御しきい
値を維持する制御しきい値に設定される。ステップ53
では、加速スリップ状態がスロットル制御しきい値SLPE
N を超えるとTCSスロットル制御が行なわれ、加速ス
リップ状態がブレーキ制御しきい値SLPBK を超えるとT
CSブレーキ制御が行なわれる。
【0042】従って、横加速度減少時には、制御しきい
値が横加速度検出値YGの低下に比例して徐々に低下する
ことで、高横加速域での加速性とコントロール性が確保
されると共に、高横加速度域から低横加速度域へ移行す
る域では、加速性と安定性のバランスがとられながら安
定サイドへの移行が図られる。
【0043】(ホ)横加速度ハンチング時 加速スリップ発生時で横加速度検出値YGが第2横加速度
判断値YG2 の近傍の値で変動するような旋回時には、横
加速度判断値として第1横加速度判断値YG1 と第2横加
速度判断値YG2 とが設定され、ステップ52で得られる
制御しきい値にはヒステリシスがもたせられる為、TC
S制御の開始と終了が繰り返されるトラクション制御ハ
ンチングの発生が防止される。
【0044】効果を説明する。
【0045】(1)加速スリップ状態が横加速度に応じ
た制御しきい値を超えると加速スリップを抑制するべく
スロットル制御とブレーキ制御の併用でトラクションを
制御する車両用トラクション制御装置において、横加速
度判断値として第1横加速度判断値YG1 と第2横加速度
判断値YG2 を設定し、横加速度上昇時は第2横加速度判
断値YG2 を境としてステップ的に低制御しきい値から高
制御しきい値に変更し、横加速度減少時は第1横加速度
判断値YG1 まで制御しきい値を徐々に低下させる装置と
した為、加速スリップが発生する旋回走行時に制御ハン
チングを防止することができると共に、横加速度上昇時
には低横加速度域での安定性と高横加速度域での加速性
との両立を図り、横加速度減少時には加速性と安定性の
バランスをとりながら安定サイドへの移行を図ることが
できる。
【0046】(2)第2横加速度判断値YG2 以上の高加
速度域では、上昇特性も減少特性も横加速度検出値YGに
比例する比例特性に設定した為、高横加速度域で一定値
の高制御しきい値に設定する場合に比べ、旋回コントロ
ール性の向上を図ることができる。
【0047】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
【0048】例えば、実施例ではトラクション制御手段
としてTCSスロットル制御とTCSブレーキ制御を併
用する手段の例を示したが、その一方のみを有する手段
であっても良いし、また、燃料カット制御や点火時期リ
タード制御等、エンジン出力をコントロールできる他の
制御手段としても良い。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、加速スリップ検出値が横加速度に応じた制御しきい
値を超えると加速スリップを抑制するべくトラクション
を制御する車両用トラクション制御装置において、請求
項1に記載したように、横加速度判断値として第1横加
速度判断値と第2横加速度判断値を設定し、横加速度上
昇時は第2横加速度判断値を境としてステップ的に低制
御しきい値から高制御しきい値に変更し、横加速度減少
時は第1横加速度判断値まで制御しきい値を徐々に低下
させる手段とした為、加速スリップが発生する旋回走行
時に制御ハンチングを防止することができると共に、横
加速度上昇時には低横加速度域での安定性と高横加速度
域での加速性との両立を図り、横加速度減少時には加速
性と安定性のバランスをとりながら安定サイドへの移行
を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用トラクション制御装置を示すク
レーム対応図である。
【図2】実施例の車両用トラクション制御装置が適用さ
れた後輪駆動車の制駆動系制御システム全体図である。
【図3】実施例の車両用トラクション制御装置が適用さ
れた制駆動系制御システムのブレーキ液圧制御系を示す
油圧回路図である。
【図4】実施例でのトラクション制御の概略を示すブロ
ック図である。
【図5】実施例装置のトラクション制御システム&AB
S制御システム電子制御ユニットにより行なわれる横加
速度対応のトラクション制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
a 加速スリップ検出手段 b 横加速度検出手段 c 横加速度判断値設定手段 d 制御しきい値設定手段 e トラクション制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速スリップを検出する加速スリップ検
    出手段と、 横加速度を検出する横加速度検出手段と、 低横加速度域に存在する第1横加速度判断値と横加速度
    の高低分岐域に存在する第2横加速度判断値を設定する
    横加速度判断値設定手段と、 横加速度上昇時は横加速度検出値が第2横加速度判断値
    まで低制御しきい値を維持し第2横加速度判断値を超え
    ると一気に立上がる高制御しきい値に設定し、横加速度
    減少時は横加速度検出値が第1横加速度判断値となるま
    で横加速度検出値の低下に比例して徐々に低下する制御
    しきい値に設定し第1横加速度判断値以下になると低制
    御しきい値を維持する制御しきい値設定手段と、 加速スリップ検出値が前記制御しきい値設定手段により
    設定された制御しきい値を超えると加速スリップを抑制
    するべくトラクションを制御するトラクション制御手段
    と、 を備えている事を特徴とする車両用トラクション制御装
    置。
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