JP3057845B2 - 車両用トラクション制御装置 - Google Patents

車両用トラクション制御装置

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JP3057845B2
JP3057845B2 JP3269607A JP26960791A JP3057845B2 JP 3057845 B2 JP3057845 B2 JP 3057845B2 JP 3269607 A JP3269607 A JP 3269607A JP 26960791 A JP26960791 A JP 26960791A JP 3057845 B2 JP3057845 B2 JP 3057845B2
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braking force
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徹 岩田
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン出力制御と制
動力制御との併用により加速スリップを抑制する車両用
トラクション制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用トラクション制御
装置としては、例えば、特開昭61−85248号公報
に記載されている装置が知られている。
【0003】この従来出典には、駆動輪の加速スリップ
発生時にスロットル閉制御とブレーキ制御との併用によ
り加速スリップを抑制する技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用トラクション制御装置にあっては、駆
動輪の加速スリップ状態の収束に基づきトラクション制
御が終了した後のスロットルリカバリー制御において、
常に一定のスロットルバルブ開速度により行なわれる構
成となっている為、スロットルバルブ開速度を高摩擦係
数路での加速要求に応える高速度側に設定した場合、低
摩擦係数路ではアクセル固定やアクセル緩操作にかかわ
らずエンジン出力の復帰速度が早過ぎて再加速スリップ
が発生し易くなるし、逆に、低摩擦係数路での再加速ス
リップ防止を達成する低速度側に設定した場合、高摩擦
係数路ではアクセル操作にかかわらずエンジン出力の復
帰速度が遅過ぎて加速性が得られなくなる。
【0005】本発明は、上述のような問題に着目してな
されたもので、エンジン出力制御と制動力制御との併用
により加速スリップを抑制する車両用トラクション制御
装置において、高摩擦係数路での制御復帰時における加
速走行性確保と低摩擦係数路での制御復帰時における再
加速スリップ防止を達成することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の車両用トラクション制御装置では、トラクショ
ン制御終了時にエンジン出力状態と駆動輪制動力状態に
基づいて路面摩擦係数を推定し、路面摩擦係数が高摩擦
係数と推定されるほどエンジン出力復帰速度を高速にし
エンジン出力を復帰させるリカバリー制御手段を設け
た。
【0007】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、エンジンの出力を制御するエンジン出力制御手段a
と、駆動輪の制動力を制御する駆動輪制動力制御手段b
と、駆動輪の加速スリップ状況を検出する加速スリップ
検出手段cと、エンジンの出力状態を検出するエンジン
出力状態検出手段dと、駆動輪の制動力状態を検出する
駆動輪制動力状態検出手段eと、加速スリップの発生時
にエンジン出力低減制御及び駆動輪制動力付与制御によ
り行なわれるトラクション制御中に加速スリップ検出値
が所定以下に低下したかどうかで制御終了を判断するト
ラクション制御終了判断手段fと、トラクション制御終
了判断時、エンジン出力が高出力側でかつ制動力が低制
動力側であればあるほど路面摩擦係数が高摩擦係数であ
ると推定する路面摩擦係数推定手段gと、前記路面摩擦
係数推定手段gにより路面摩擦係数が高摩擦係数と推定
されるほどエンジン出力復帰速度を高速にしエンジン出
力を復帰させるリカバリー制御手段hとを備えている事
を特徴とする。
【0008】
【作用】走行中に加速スリップが発生した場合には、加
速スリップ検出手段cにより検出される加速スリップ検
出値が所定以上であることにより、エンジン出力制御手
段aでのエンジン出力低減制御及び駆動輪制動力制御手
段bでの駆動輪制動力付与制御が行なわれる。そして、
このトラクション制御により加速スリップが抑制され加
速スリップ検出値が所定以下に低下すると、トラクショ
ン制御終了判断手段fにおいて制御終了が判断される。
【0009】このトラクション制御終了判断時、路面摩
擦係数推定手段gにおいて、エンジン出力が高出力側で
かつ制動力が低制動力側であればあるほど路面摩擦係数
が高摩擦係数であると推定され、リカバリー制御手段h
において、路面摩擦係数推定手段gにより路面摩擦係数
が高摩擦係数と推定されるほどエンジン出力復帰速度を
高速にしエンジン出力が復帰される。
【0010】従って、高摩擦係数路での走行時であって
トラクション制御終了後には、高エンジン出力復帰速度
でエンジン出力が復帰されることで、ドライバーが加速
しようとアクセル踏み込み操作をした場合、アクセル操
作に応答した加速性が得られるし、また、低摩擦係数路
での走行時であってトラクション制御終了後には、低エ
ンジン出力復帰速度でエンジン出力が復帰されること
で、エンジン出力復帰後に直ちに加速スリップが発生す
るという再加速スリップが防止される。
【0011】つまり、エンジン出力制御と制動力制御と
を併用する装置である場合、例えば、エンジン出力が高
出力だから所定の高路面摩擦係数であると推定しても制
動力が高制動力である場合には推定した路面摩擦係数よ
り低いことになり路面摩擦係数を誤推定してしまう。こ
れに対し、トラクション制御終了時にエンジン出力と制
動力との関係において、エンジン出力が高出力でかつ制
動力が低制動力の状態の場合、加速スリップが収束する
のは高摩擦係数路に限られることで、リカバリー制御情
報となる路面摩擦係数情報を正確に推定することができ
る。
【0012】
【実施例】
(第1実施例)構成を説明する。
【0013】図2は本発明の第1実施例の車両用トラク
ション制御装置が適用された後輪駆動車の制駆動系制御
システム全体図である。
【0014】この後輪駆動車には、加速スリップ発生時
に後輪スリップ率が最適許容範囲内になる様にモータス
ロットル開度制御を行なうスロットル制御と、加速スリ
ップ発生時に左右各後輪に独立して制動力を与えるトラ
クションブレーキ制御とを併用するトラクション制御シ
ステム(エンジン出力制御手段及び駆動輪制動力制御手
段に相当)が搭載されていると共に、減速スリップ時に
車輪ロックを防止する様に前後輪ブレーキ液圧制御を行
なうアンチスキッドブレーキ制御システムとが搭載され
ている。そして、これらのシステムの集中電子制御は、
トラクション制御システム&アンチスキッドブレーキ制
御システム電子制御ユニットTCS/ABS-ECU(以下、TCS/A
BS-ECU と略称する)により行なわれる。
【0015】前記TCS/ABS-ECU には、右前輪速センサ1
からの右前輪速VANRと、左前輪速センサ2からの左前輪
速VANLと、右後輪速センサ3からの右後輪速VNARと、左
後輪速センサ4からの左後輪速VNALと、横加速度センサ
5からの横加速度YGと、TCS スイッチ6からのスイッチ
信号SWTCと、ブレーキランプスイッチ7からのスイッチ
信号SWSTと、スロットルコントロールモジュールTCM
(以下、TCM と略称する)からのスロットル1実開度DK
V と、オートマチックトランスミッション制御ユニット
A/T C/U (以下、A/T C/U と略称する)からのギア位置
信号及びシフトアップ信号と、エンジン集中電子制御ユ
ニットECCS C/U(以下、ECCS C/Uと略称する)からのエ
ンジン回転数信号と、第2スロットルセンサ17からの
第2スロットル信号TVO2等が入力される。
【0016】そして、TCS/ABS-ECU からは、加速スリッ
プを検出し、スロットル開閉信号としてのスロットル2
目標開度DKR がTCM に出力されると共に、ブレーキ増減
圧信号としてのソレノイド信号が共有ハイドロリックユ
ニットTCS/ABS-HU(以下、TCS/ABS-HUと略称する)の各
ソレノイドバルブに出力される(スロットル・ブレーキ
併用のトラクション制御)。また、減速スリップを検出
し、ブレーキ増減圧信号としてのソレノイド信号がTCS/
ABS-HUの各ソレノイドバルブに出力される(アンチスキ
ッドブレーキ制御)。尚、TCS/ABS-ECUからは、上記出
力以外に、TCS フェイル時にはTCS フェイルランプ14
に点灯指令が出力され、TCS 作動中にはTCS 作動ランプ
15に点灯指令が出力される。
【0017】前記TCM は、スロットルモータ駆動回路を
中心とする制御回路で、第1スロットルセンサ16から
の第1スロットル信号TVO1を入力し、TCS/ABS-ECU にス
ロットル1実開度DKV として出力したり、第2スロット
ルセンサ17からの第2スロットル信号TVO2をスロット
ル2目標開度DKR に対するフィードバック情報として入
力したり、TCS/ABS-ECU からのスロットル2目標開度DK
R に基づきスロットルモータ18にモータ駆動電流IMを
印加する。
【0018】ここで、第1スロットルセンサ16が設け
られる第1スロットルバルブ19は、アクセルペダル2
0と連動して作動するバルブであり、第2スロットルセ
ンサ17が設けられる第2スロットルバルブ21は、第
1スロットルバルブ19とは直列配置によりエンジン吸
気通路22に設けられ、スロットルモータ18により開
閉駆動されるバルブである。
【0019】上記トラクション制御システムには、周辺
システムとして、図示のように、エアフローメータAFM
やECCS C/Uやインジェクタを有し、燃料噴射制御,点火
時期制御,アイドル回転数補正等を集中制御するエンジ
ン集中電子制御システムが搭載されていて、トラクショ
ン制御時を示すトラクションスイッチ信号TCS SWのON信
号が入力されたら、過渡特性補正のため、第1スロット
ル信号TVO1と第2スロットル信号TVO2のうち小さいバル
ブ開度を選択する制御(セレクトロー制御)が行なわれ
ると共に、キャニスタ制御及びEGR制御が中止され
る。
【0020】また、周辺システムとして、図示のよう
に、A/T C/U やシフトソレノイドを有し、変速制御やロ
ックアップ制御等を行なうオートマチックトランスミッ
ション制御システムが搭載されていて、A/T C/U からは
ギア位置信号及びシフトアップ信号がTCS/ABS-ECU に取
り込まれ、変速時の安定性確保のため、ギア位置やシフ
トアップに応じた制御ゲインの設定によるスロットル・
ブレーキ併用のトラクション制御が行なわれる。
【0021】さらに、周辺システムとして、図示のよう
に、ASCDアクチュエータを有し、設定車速を維持するよ
うに車速自動制御を行なう定速走行制御システムが搭載
されていて、制御干渉を防止するため、トラクションス
イッチ信号TCS SWのON信号が入力されたら第1スロット
ルバルブ19の開制御を中止し、TCS SWのOFF 信号が入
力されたら第1スロットルバルブ19の戻し速度を緩や
かにする。
【0022】図3は左右後輪独立のトラクションブレー
キ制御とアンチスキッドブレーキ制御とに共用されるブ
レーキ液圧制御系を示す油圧回路図である。
【0023】このブレーキ液圧制御系は、ブレーキペダ
ル27と、油圧ブースタ28と、リザーバ29を有する
マスタシリンダ30と、ホイールシリンダ31,32,
33,34と、共有ハイドロリックユニットTCS/ABS-HU
と、ポンプユニットPUと、第1アキュムレータユニット
AU1 と、第2アキュムレータユニットAU2 と、前輪側ダ
ンピングユニットFDPUと、後輪側ダンピングユニットRD
PUとを備えている。
【0024】TCS/ABS-HUには、第1切換バルブ35a
と、第2切換バルブ35bと、左前輪増圧バルブ36a
と、右前輪増圧バルブ36bと、左後輪増圧バルブ36
cと、右後輪増圧バルブ36dと、左前輪減圧バルブ3
7aと、右前輪減圧バルブ37bと、左後輪減圧バルブ
37cと、右後輪減圧バルブ37cと、前輪側リザーバ
38aと、後輪側リザーバ38bと、前輪側ポンプ39
aと、後輪側ポンプ39bと、前輪側ダンパー室40a
と、後輪側ダンパー室40bと、ポンプモータ41を有
して構成される。
【0025】そして、通常のブレーキ時やアンチスキッ
ドブレーキ制御時には、マスタシリンダ30からの液圧
を導入するべく両切換バルブ35a,35bは図示のよ
うにOFF 位置とされ、トラクションブレーキ制御時に
は、第2アキュムレータユニットAU2 からの液圧を導入
するべく両切換バルブ35a,35bがON位置とされ
る。そして、例えば、トラクションブレーキ制御での増
圧モード時には、両制御バルブ36c,36d,37
c,37dが図示のようにOFF 位置とされ、保持モード
時には、増圧バルブ36c,36dのみON位置とされ、
減圧モード時には、両制御バルブ36c,36d,37
c,37dがON位置とされ、ホイールシリンダ33,3
4からのブレーキ液が後輪側リザーバ38bに蓄えら
れ、さらに、後輪側ポンプ39bの回転により後輪側ダ
ンパー室40bに戻される。
【0026】前記第1アキュムレータユニットAU1 は、
油圧ブースタ28の液圧源とされ、第2アキュムレータ
ユニットAU2 は、トラクションブレーキ制御での液圧源
とされるもので、両ユニットAU1,AU2 は、リザーバ29
からブレーキ液を吸い込む共有のポンプユニットPUによ
り所定のアキュムレータ圧が保たれる。
【0027】前記前輪側ダンピングユニットFDPU及び後
輪側ダンピングユニットRDPUは、ペダルフィーリングを
向上させるために、共有ハイドロリックユニットTCS/AB
S-HUでの液圧変化影響がマスタシリンダ30に及ぶのを
抑えている。
【0028】作用を説明する。
【0029】図4はTCS/ABS-ECU で行なわれるトラクシ
ョン制御の概要を示す制御ブロック図であり、トラクシ
ョン制御ロジックは、下記の4種の制御に大別できる。
【0030】(1) 実スリップ状態の計算 車輪速センサ1,2,3,4の信号にフィルタ処理を行
ない、フィルタ処理後の車輪速値に基づき、実スリップ
状態(スリップ量,スリップ量差分値)の算出を行なう
(加速スリップ検出手段に相当)。
【0031】(2) 目標スリップ状態の計算 横加速度センサ5の信号にフィルタ処理を行ない、横加
速度による旋回・直進判断と車速とにより走行状態に見
合った目標スリップ状態の算出を行なう。
【0032】(3) ブレーキ制御 実スリップ状態と目標スリップ状態とを比較して必要な
ブレーキ増減圧速度(制御デューティ比)の算出を行な
い、TCS/ABS-HUに出力する。
【0033】(4) スロットル制御 実スリップ状態と目標スリップ状態とを比較して必要な
スロットル開度,開閉速度の算出を行ない、TCM に出力
する。
【0034】この制御ロジックの特徴は、低μから高μ
に至る各路面状況に応じてベースシャシ性能に基づいた
限界検知性(操舵力,スキル音等)を確保して能動的安
全性を得るために、横加速度の大きさに応じて許容スリ
ップ状態,スロットル・ブレーキ制御の分担を決定して
いる。
【0035】また、変速時の安定性確保や各ギア位置で
の制御性の向上のために、ギア位置に応じたスロットル
・ブレーキ制御を行なっている。
【0036】さらに、スリップハンチングを抑え滑らか
な加速感,制御性を実現すると共に、レスポンスの良い
エンジントルク増減制御を実現するために、エンジン回
転数に応じた最適なスロットル制御を行なっている。
【0037】図5の(イ)は第1実施例装置でのトラク
ション制御終了後のリカバリー制御作動の流れを示すフ
ローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0038】ステップ50では、加速スリップ終了かど
うかが判断される(トラクション制御終了判断手段に相
当)。この判断は、許容スリップを考慮した実スリップ
状態が目標スリップ状態まで収束した時に加速スリップ
終了と判断される。
【0039】ステップ50でNOと判断されると、ステ
ップ51へ進み、通常のスロットル制御及びブレーキ制
御が行なわれ、ステップ50でYESと判断されると、
ステップ52以降のリカバリー処理へ進む。
【0040】ステップ52では、左右後輪のブレーキ液
圧平均値PAVE が演算される(駆動輪制動力状態検出手
段に相当)。この演算は、トラクションブレーキ制御
で、TCS/ABS-HUに出力されるブレーキ増減圧制御デュー
ティ比に基づいて左右の各後輪についてブレーキ液圧が
算出され、その平均値として演算される。尚、圧力セン
サを設けてブレーキ液圧を直接検出するようにしても良
い。
【0041】ステップ53では、第2スロットル開度TV
O2と前輪速平均値VFF(車速)と図5の(ロ)に示すエ
ンジン出力エリアマップとに基づいて、エンジン出力が
高出力エリアか低出力エリアかどうかの検索が行なわれ
る(エンジン出力状態検出手段に相当)。尚、エンジン
出力エリアマップはエンジン仕様によって変わる。ま
た、高出力エリアは、例えば、理論的に加速0.2G以上出
すのに必要なスロットル開度により決定する。
【0042】ステップ54では、ステップ53で検索さ
れた出力エリアが高出力エリアかどうかが判断される。
【0043】ステップ55では、ステップ52で演算さ
れたブレーキ液圧平均値PAVE がブレーキ液圧しきい値
PO 以下であるかどうかが判断される。
【0044】このステップ54とステップ55のいずれ
もYESと判断された時には、高摩擦係数路であると推
定されてステップ56へ進み、また、ステップ54とス
テップ55のいずれかでNOと判断された時には、低摩
擦係数路であると推定されてステップ57へ進む。つま
り、ステップ54,55は請求項の路面摩擦係数推定手
段に相当する。
【0045】ステップ56では、スロットル開速度THV
が、THV =K・VO(K>1)の式により設定される。VO
は低摩擦係数路を基準として設定されているスロットル
開速度基準値である。
【0046】ステップ57では、スロットル開速度THV
が、THV =VOにより設定される。
【0047】ステップ58では、ステップ56またはス
テップ57により設定されたスロットル開速度THV によ
り第2スロットルバルブ21を全開まで復帰させる指令
が出力される。ステップ56,ステップ57,ステップ
58は、請求項のリカバリー制御手段に相当する。
【0048】ステップ59では、TCS/ABS-HUに対し減圧
によりブレーキ液圧を零とする復帰指令が出力される。
【0049】次に、各走行時でのトラクション制御のリ
カバリー作動を説明する。
【0050】(イ)高摩擦係数路走行時 高摩擦係数路走行時で加速スリップが終了した場合、図
5(イ)のフローチャートで、ステップ50→ステップ
52→ステップ53→ステップ54→ステップ55→ス
テップ56→ステップ58→ステップ59へと進む流れ
となる。
【0051】従って、高摩擦係数路走行時で加速スリッ
プが終了した場合、高いスロットル開速度THV で第2ス
ロットルバルブ21が全開復帰することで、両スロット
ルバルブ19,21のうち小さい開度で決まるスロット
ル開度は、加速スリップの終了してすぐに第1スロット
バルブ19で規定される状態となり、ドライバーが加速
しようとアクセルペダル20に対し踏み込み操作をした
場合、第1スロットバルブ19が開くのに伴なってエン
ジン出力の上昇がみられ、アクセル操作に応答した加速
性が得られる。
【0052】(ロ)低摩擦係数路走行時 低摩擦係数路走行時で加速スリップが終了した場合、図
5(イ)のフローチャートで、ステップ50→ステップ
52→ステップ53→ステップ54(→ステップ55)
→ステップ57→ステップ58→ステップ59へと進む
流れとなる。
【0053】従って、低摩擦係数路走行時で加速スリッ
プが終了した場合、低いスロットル開速度THV で第2ス
ロットルバルブ21が全開復帰することで、両スロット
ルバルブ19,21のうち小さい開度で決まるスロット
ル開度は、加速スリップの終了してもしばらくは第2ス
ロットバルブ21で規定される状態となり、第1スロッ
トルバルブ19をある程度開いておいても加速スリップ
終了後、スロットル開度を規定する第2スロットバルブ
21が徐々に開くことで、リカバリー後に直ちに加速ス
リップが発生するという再加速スリップが防止される。
【0054】つまり、スロットル制御とブレーキ制御を
併用するトラクション制御の場合、例えば、エンジン出
力が高出力だから所定の高路面摩擦係数であると推定し
ても制動力が高制動力である場合には推定した路面摩擦
係数より低いことになり路面摩擦係数を誤推定してしま
うし、制動力のみによって推定しても同様である。これ
に対し、加速スリップ終了時にエンジン出力と制動力と
の関係において、エンジン出力が高出力でかつ制動力が
低制動力の状態の場合、加速スリップが収束するのは高
摩擦係数路に限られることで、リカバリー制御情報とな
る路面摩擦係数情報を正確に推定することができる。
【0055】効果を説明する。
【0056】(1)スロットル制御とブレーキ制御の併
用により加速スリップを抑制する車両用トラクション制
御装置において、加速スリップ終了時に第2スロットル
開度TVO2と車速VFFによるエンジン出力状態とブレーキ
液圧平均値PAVE による駆動輪制動力状態に基づいて路
面摩擦係数を推定し、高摩擦係数路であるとの推定時に
はスロットル開速度THV を高速にし、低摩擦係数路であ
るとの推定時にはスロットル開速度THV を低速にしてエ
ンジン出力を復帰させるリカバリー制御を行なう装置と
した為、高摩擦係数路での制御復帰時における加速走行
性確保と低摩擦係数路での制御復帰時における再加速ス
リップ防止を達成することができる。
【0057】(2)エンジン出力状態を第2スロットル
開度TVO2と車速VFFにより検出するようにした為、スロ
ットル開度のみでエンジン出力状態を決める場合に比べ
正確なエンジン出力状態を検出できる。
【0058】(3)スロットル開速度THV を高速と低速
との2段階でリカバリー制御を行なう装置とした為、簡
単な制御ロジックにより路面摩擦係数対応のリカバリー
制御を行なうことができる。
【0059】(第2実施例)構成及びトラクション制御
作動は第1実施例装置と同様であるので説明を省略す
る。
【0060】図6の(イ)は第2実施例装置でのトラク
ション制御終了後のリカバリー制御作動の流れを示すフ
ローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0061】ステップ60,61,62,66,67は
図5のステップ50,51,52,58,59に対応す
る。
【0062】ステップ63では、第2スロットル開度TV
O2が読み込まれる(エンジン出力状態検出手段に相
当)。
【0063】ステップ64では、ブレーキ液圧平均値P
AVE と、第2スロットル開度TVO2と、図6の(ロ)に示
すマップにより開速度定数KVが検索される(路面摩擦係
数推定手段に相当)。ここで、開速度定数KVは、図6の
(ロ)のハッチングで示すエリアの時にKV=1とされ、
他のエリアでは第2スロットル開度TVO2が大きいほど1
以上の大きな値とされると共に、ブレーキ液圧平均値P
AVE が小さいほど1以上の大きな値とされる。
【0064】ステップ65では、スロットル開速度THV
が、THV =KV・VOの式により設定される。
【0065】従って、路面摩擦係数にかかわらずトラク
ション制御のリカバリー作動は、ステップ60→ステッ
プ62→ステップ63→ステップ64→ステップ65→
ステップ66→ステップ67へ進む流れにより行なわれ
ることになるが、ステップ64及びステップ65におい
て、高摩擦係数路であればあるほどスロットル開速度TH
V が大きな値とされ、また、低摩擦係数路ではTHV =VO
(KV=1)とされることで、第1実施例装置と同様に、
高摩擦係数路での制御復帰時における加速走行性確保と
低摩擦係数路での制御復帰時における再加速スリップ防
止を達成することができる。加えて下記の効果が追加さ
れる。
【0066】(4)スロットル開速度THV をTHV =KV・
VOの式により与え、路面摩擦係数が高ければ高いほど高
速のスロットル開速度THV により第2スロットルバルブ
21を全開復帰させるようにしている為、2段階スロッ
トル開速度設定による第1実施例装置に比べ、高路面摩
擦係数路側でよりきめ細かくリカバリー制御を行なうこ
とができる。
【0067】(第3実施例)構成及びトラクション制御
作動は第1実施例装置と同様であるので説明を省略す
る。
【0068】図7の(イ)は第3実施例装置でのトラク
ション制御終了後のリカバリー制御作動の流れを示すフ
ローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0069】ステップ70,71,72,77,78は
図5のステップ50,51,52,58,59に対応す
る。
【0070】ステップ73では、第2スロットル開度TV
O2が読み込まれる(エンジン出力状態検出手段に相
当)。
【0071】ステップ74では、第2スロットル開度TV
O2と、図7の(ロ)に示すマップによりエンジン出力対
応開速度定数K1が検索される。ここで、開速度定数K1は
第2スロットル開度TVO2に正比例した値に設定される。
【0072】ステップ75では、ブレーキ液圧平均値P
AVE と、図7の(ハ)に示すマップにより制動力対応開
速度定数K2が検索される。ここで、開速度定数K2はブレ
ーキ液圧平均値PAVE に反比例した値に設定される。
【0073】上記ステップ74,75は、路面摩擦係数
推定手段に相当する。
【0074】ステップ76では、エンジン出力対応開速
度定数K1と制動力対応開速度定数K2によりスロットル開
速度THV が、THV =(K1+K2)・VOの式により設定され
る。
【0075】従って、路面摩擦係数にかかわらずトラク
ション制御のリカバリー作動は、ステップ70→ステッ
プ72→ステップ73→ステップ74→ステップ75→
ステップ76→ステップ77→ステップ78へ進む流れ
により行なわれることになるが、ステップ74,ステッ
プ75及びステップ76において、路面が高摩擦係数路
であればあるほどスロットル開速度THV が大きな値とさ
れることで、第1実施例装置と同様に、高摩擦係数路で
の制御復帰時における加速走行性確保と低摩擦係数路で
の制御復帰時における再加速スリップ防止を達成するこ
とができる。加えて下記の効果が追加される。
【0076】(5)スロットル開速度THV をTHV =(K1
+K2)・VOの式により与え、路面摩擦係数の高低に応じた
スロットル開速度THV により第2スロットルバルブ21
を全開復帰させるようにしている為、2段階スロットル
開速度設定による第1実施例装置に比べ、低摩擦係数路
側及び高路面摩擦係数路側でよりきめ細かくリカバリー
制御を行なうことができる。
【0077】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。例えば、実施例ではエンジン出力制御手段としてス
ロットル制御手段の例を示したが、燃料カット制御や点
火時期リタード制御等、エンジン出力をコントロールで
きる他の制御手段としても良い。
【0078】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、エンジン出力制御と制動力制御との併用により加速
スリップを抑制する車両用トラクション制御装置におい
て、トラクション制御終了時にエンジン出力状態と駆動
輪制動力状態に基づいて路面摩擦係数を推定し、路面摩
擦係数が高摩擦係数と推定されるほどエンジン出力復帰
速度を高速にしエンジン出力を復帰させるリカバリー制
御手段を設けた為、高摩擦係数路での制御復帰時におけ
る加速走行性確保と低摩擦係数路での制御復帰時におけ
る再加速スリップ防止を達成することが出来るという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用トラクション制御装置を示すク
レーム対応図である。
【図2】第1実施例の車両用トラクション制御装置が適
用された後輪駆動車の制駆動系制御システム全体図であ
る。
【図3】第1実施例の車両用トラクション制御装置の制
駆動系制御システムのブレーキ液圧制御系を示す油圧回
路図である。
【図4】第1実施例装置でのトラクション制御の概略を
示すブロック図である。
【図5】図5の(イ)は第1実施例装置のトラクション
制御システム&アンチスキッドブレーキ制御システム電
子制御ユニットにより行なわれるリカバリー制御作動の
流れを示すフローチャートで、図5の(ロ)はエンジン
出力エリアマップ図である。
【図6】図6の(イ)は第2実施例装置のトラクション
制御システム&アンチスキッドブレーキ制御システム電
子制御ユニットにより行なわれるリカバリー制御作動の
流れを示すフローチャートで、図6の(ロ)は開速度定
数マップ図である。
【図7】図7の(イ)は第3実施例装置のトラクション
制御システム&アンチスキッドブレーキ制御システム電
子制御ユニットにより行なわれるリカバリー制御作動の
流れを示すフローチャートで、図7の(ロ)はエンジン
出力対応開速度定数マップ図で、図7の(ハ)は制動力
対応開速度定数マップ図である。
【符号の説明】
a エンジン出力制御手段 b 駆動輪制動力制御手段 c 加速スリップ検出手段 d エンジン出力状態検出手段 e 駆動輪制動力状態検出手段 f トラクション制御終了判断手段 g 路面摩擦係数推定手段 h リカバリー制御手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−286842(JP,A) 特開 平2−27125(JP,A) 特開 平4−129843(JP,A) 特許2669649(JP,B2) 特許3016907(JP,B2) 特許2914995(JP,B2) 特公 平6−78736(JP,B2) 特公 平8−16457(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 28/16 B60K 41/00 - 41/28 B60T 7/12 - 7/22 B60T 8/32 - 8/96 F02D 29/00 - 29/06 F02D 41/00 - 41/40 F02D 43/00 - 45/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力を制御するエンジン出力
    制御手段と、 駆動輪の制動力を制御する駆動輪制動力制御手段と、 駆動輪の加速スリップ状況を検出する加速スリップ検出
    手段と、 エンジンの出力状態を検出するエンジン出力状態検出手
    段と、 駆動輪の制動力状態を検出する駆動輪制動力状態検出手
    段と、 加速スリップの発生時にエンジン出力低減制御及び駆動
    輪制動力付与制御により行なわれるトラクション制御中
    に加速スリップ検出値が所定以下に低下したかどうかで
    制御終了を判断するトラクション制御終了判断手段と、 トラクション制御終了判断時、エンジン出力が高出力側
    でかつ制動力が低制動力側であればあるほど路面摩擦係
    数が高摩擦係数であると推定する路面摩擦係数推定手段
    と、 前記路面摩擦係数推定手段により路面摩擦係数が高摩擦
    係数と推定されるほどエンジン出力復帰速度を高速にし
    エンジン出力を復帰させるリカバリー制御手段と、 を備えている事を特徴とする車両用トラクション制御装
    置。
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