JPH09164930A - ブレーキ制御方法 - Google Patents

ブレーキ制御方法

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JPH09164930A
JPH09164930A JP8288187A JP28818796A JPH09164930A JP H09164930 A JPH09164930 A JP H09164930A JP 8288187 A JP8288187 A JP 8288187A JP 28818796 A JP28818796 A JP 28818796A JP H09164930 A JPH09164930 A JP H09164930A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】緊急時にブレーキの性能を有効に利用し得るブ
レーキ制御方法を提供する。 【解決手段】緊急ブレーキ時には通常ブレーキ時より強
くブレーキが作動させられるようにブレーキを制御す
る。例えば、ブレーキペダルの操作速度SB が基準値S
B0より大きい場合には、緊急ブレーキ時であると判定
し、ブレーキ液圧の増圧勾配αを設定値α1 に設定し、
一方、操作速度SB が基準値SB0以下である場合には、
通常ブレーキ時であると判定し、増圧勾配αを設定値α
2 (<α1 )に設定する。それにより、緊急ブレーキ時
には、通常ブレーキ時より大きい制動力が車輪に発生
し、制動距離が短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の制動に用いら
れるブレーキを制御する方法に関するものであり、特
に、緊急時にブレーキの性能を有効に利用し得る技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記ブレーキ制御方法においては一般
に、ブレーキ操作部材の操作に基づいて車両のブレーキ
が制御される。そして、このブレーキ制御方法において
は従来、緊急時であるか通常時であるかを問わず、等し
い強さでブレーキが作動させられるようにブレーキが制
御されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、緊急時にブ
レーキの性能を有効に利用し得るブレーキ制御方法を得
ることを課題として為されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
そして、本発明の要旨は、前記ブレーキ制御方法を、ブ
レーキ操作部材の操作速度が設定値より大きい緊急ブレ
ーキ時には、操作速度が設定値以下である通常ブレーキ
時より強く前記ブレーキが作動させられるようにブレー
キを制御するものとしたことにある。本発明に係るブレ
ーキ制御方法においては、ブレーキ操作部材の操作速度
が設定値より小さい場合には、通常ブレーキ時であると
して乗り心地や走行安定性を考慮して定められた規則に
基づいてブレーキが作動させられる。そして、ブレーキ
操作部材の操作速度が設定値より大きい場合には、緊急
ブレーキ時であるとして、ブレーキが通常時より強く作
動させられる。したがって、本発明に従えば、通常ブレ
ーキ時には従来のブレーキ制御方法と同様に、適正な制
動が行われるとともに、緊急ブレーキ時には従来より強
い制動が行われるという効果が得られる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法のいくつかの実
施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図2は本発明
方法の一実施形態であるブレーキ制御方法を実施するた
めのアンチスキッド式液圧ブレーキ装置を示す系統図で
ある。ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル10の
踏力が、ブレーキブースタ12によって倍力され、マス
タシリンダ14に伝達される。マスタシリンダ14は2
つの独立した加圧室にブレーキ液圧を発生させるタンデ
ム式であり、一方の加圧室に発生させられたブレーキ液
圧は液通路16を経てアンチスキッドアクチュエータ1
8に伝達され、さらに、液通路20,22を経てそれぞ
れ左右前輪24,26のブレーキ28,30に伝達され
る。他方の加圧室に発生させられたブレーキ液圧は、液
通路32,アンチスキッドアクチュエータ18および液
通路34を経て左右後輪36,38のブレーキ40,4
2に伝達される。液通路16および液通路32の途中に
は、プロポーショニング/バイパスバルブ44が設けら
れており、前輪24,26のブレーキ28,30へのブ
レーキ液圧が正常である場合には、マスタシリンダ14
の液圧を減圧して後輪36,38のブレーキ40,42
に伝達し、前輪24,26のブレーキ28,30へのブ
レーキ液圧が正常に上昇しない場合にはマスタシリンダ
14の液圧を減圧しないで後輪36,38のブレーキ4
0,42に伝達する。
【0006】アンチスキッドアクチュエータ18は、コ
ンピュータを主体とするアンチスキッドコントローラ5
0により制御され、左前輪24のブレーキ28と右前輪
26のブレーキ30との液圧をそれぞれ独立に制御する
とともに、左右後輪36,38のブレーキ40,42の
液圧を共通に制御する。アンチスキッドコントローラ5
0には、前輪24,26の回転速度を検出するスピード
センサ52,54と、左右後輪36,38の回転速度を
検出するスピードセンサ56,58とが接続されてお
り、これらからの入力信号に基づいて各車輪のスリップ
率が推定され、それらスリップ率が過大とならないよう
にアンチスキッドアクチュエータ18が各車輪のブレー
キの液圧を制御する。アンチスキッドコントローラ50
のコンピュータは、イグニッションスイッチ60のON
操作に応じて初期設定を行い、各車輪のスリップ率が設
定値を超えたときに液圧制御を開始し、車両の走行速度
が一定値(例えば10km/h)以下となるか、ブレーキ
ペダル10の踏込み解除に伴うブレーキスイッチ62の
OFF作動に応じて液圧制御を終了する。
【0007】ブレーキペダル10の基端部近傍には、ブ
レーキペダル10の踏込み時における回動速度を検出す
るエンコーダ64が配設されている。エンコーダ64は
アンチスキッドコントローラ50に接続されており、ブ
レーキペダル10が一定微小角度回動する毎に1個のパ
ルス信号をアンチスキッドコントローラ50に供給す
る。
【0008】アンチスキッドコントローラ50の主体を
為すコンピュータのROMには、図1および図3のフロ
ーチャートで表されるプログラムが格納されており、こ
れらプログラムが一定時間毎に繰り返し実行されること
によって、ブレーキペダル10の操作速度の判定並びに
その判定結果を考慮した液圧制御が行われる。
【0009】まず、操作速度の判定について説明する。
図1のステップS1(以下、単にS1で表す。他のステ
ップについても同様)において、ブレーキスイッチ62
がON状態にあるか否かに基づいて、ブレーキペダル1
0が踏込み状態にあるか否かが判定される。ブレーキペ
ダル10が踏み込まれていない状態においては、この判
定の結果はNOとなり、S2以下がスキップされて実質
的には何も行われないで1回の操作速度判定が終了す
る。ブレーキペダル10が踏み込まれれば、S1の判定
結果がYESとなり、S2において、タイマ,カウンタ
が作動を開始させられる。タイマはブレーキスイッチ6
2がON状態となって以後の経過時間を計測するもので
あり、カウンタはブレーキスイッチ62がON状態とな
って以後のエンコーダ64からのパルス信号をカウント
するものである。次に、S3において、速度判定フラグ
FSがセットされているか否かが判定されるが、速度判
定フラグFSは図示しないメインルーチンの初期設定に
おいてリセットされているため、判定の結果はNOとな
り、S4においてT1 時間が経過したか否かが判定され
る。当初、この判定の結果はNOであり、S5以下がス
キップされるのであるが、T1 時間が経過すれば判定の
結果がYESとなり、S5においてブレーキペダル10
の操作速度SB が基準値SB0より大きいか否かの判定が
行われる。操作速度SB はT1 時間の間にエンコーダ6
4から発せられたパルス信号の数で表され、このパルス
信号の数が基準値SB0より大きい場合には、S6におい
てブレーキ液圧の増圧勾配αがα1 に設定され、小さい
場合にはS7においてα2 に設定される。設定値α1
設定値α2 より大きい。その後、S8において速度設定
フラグFSがセットされるため、以後はS3の判定結果
がYESとなり、S4以下がスキップされる。増圧勾配
αの設定は、ブレーキペダル10の踏込み開始当初の比
較的短いT1 時間の経過時に行われ、それ以後は行われ
ないのである。
【0010】次に、液圧制御について説明する。図3の
S11において、左前輪24のブレーキ28の液圧制御
が行われる。この液圧制御は、車輪24,26,36,
38の回転速度に基づいて車体の走行速度が算出される
とともに、左前輪24の回転速度がその走行速度から一
定比率以上小さくなったとき、ブレーキ28の液圧を図
4に示すように減圧し、以後、左前輪24の回転速度を
監視しつつブレーキ28の液圧を増圧,保持あるいは減
圧することによって、左前輪24のスリップ率が過大と
なることを防止する制御であるが、よく知られたもので
あるので、詳細な説明は省略する。上記液圧制御の必要
がない間は、左液圧制御フラグFLがリセット状態にあ
るが、制御が開始されると同時にセットされる。そのた
め、左前輪24の液圧制御が開始されるまではS12の
判定結果がNOとなり、S13およびS14がスキップ
される。左前輪24の液圧制御が開始されれば、S12
の判定結果がYESとなり、S13において右液圧制御
フラグFRがセットされているか否か、すなわち右前輪
26の液圧制御が行われているか否かの判定が行われ
る。判定の結果がYESであれば、S15〜S18が実
行されるが、NOであればS14において右前輪26の
増圧勾配の抑制制御が行われる。左前輪24と右前輪2
6とがそれぞれ接触している路面の摩擦係数がほぼ等し
ければ、上記アンチスキッド制御によるブレーキ液圧の
抑制が左右殆ど同時に開始されるはずであるが、路面の
左側の摩擦係数が右側の摩擦係数に比較して相当小さい
場合には、左前輪24の液圧のみがアンチスキッド制御
により低く抑えられ、右前輪26の液圧はマスタシリン
ダ14の液圧上昇に伴ってさらに上昇することを許容さ
れる。その結果、左右の制動力に大きな差が生じ、車体
を右旋回させる向きのヨーモーメントが発生する。この
ヨーモーメントに対しては、運転者がステアリングホイ
ールを操作することによって対処するのであるが、あま
りに急激なヨーモーメントの発生には十分対処しきれ
ず、車体が右旋回してしまうこととなる。そのような事
態の発生は望ましくないため、本液圧ブレーキ装置にお
いては、アンチスキッド制御が開始されない側の前輪、
ここにおいては右前輪26の増圧勾配を、マスタシリン
ダ14の増圧勾配より低くする増圧勾配抑制制御が行わ
れるようになっているのであり、この増圧勾配は通常は
図4に破線で示すように比較的緩やかな勾配α2 に抑え
られる。S14の増圧勾配抑制制御において、増圧勾配
αとして設定値α2 が使用されるのである。
【0011】それに対して、車両を緊急に停止させる必
要が生じた場合には、運転者はブレーキペダル10の踏
込み操作を急激に行うため、操作速度SB が基準値SB0
より大きくなる。この場合にはS14の増圧勾配抑制制
御において、増圧勾配αとして比較的大きい設定値α1
が採用され、右前輪26の液圧は図4に実線で示すよう
に、比較的急な勾配で増大することが許容され、通常ブ
レーキ時より右前輪26の制動力が増し、制動距離が短
縮される。なお、比較的大きい増圧勾配α1 が採用され
れば、比較的急激なヨーイングが発生することとなる
が、緊急ブレーキ時には運転者が緊張しているため、比
較的急激なヨーイングの発生にも支障なく対応し得る。
S15〜S18においては、右前輪26に対して上記左
前輪24に対するのと同じ制御が行われ、右前輪26の
スリップが過大となれば、右前輪26についてもアンチ
スキッド制御が行われる。
【0012】S19においては、左右後輪36,38に
ついてのアンチスキッド制御が行われる。左右後輪3
6,38については、ローセレクト制御、すなわち左右
後輪36,38のうち回転速度が低い側に着目してのア
ンチスキッド制御が行われる。
【0013】本発明方法の別の実施形態であるブレーキ
制御方法を実施するための液圧ブレーキ装置を図5に系
統図で示す。図において、80および82は左右前輪の
ブレーキを作動させるフロントホイールシリンダであ
り、84,86は左右後輪のブレーキを作動させるリヤ
ホイールシリンダである。これらホイールシリンダ8
0,82,84,86には、チェンジバルブ88の切換
えにより、ブレーキペダル90の踏込みに基づいてマス
タシリンダ92に発生させられる液圧とブレーキペダル
90の踏込みに基づいて電磁液圧制御弁94により制御
されたアキュムレータ96の液圧とのうち、高い方が択
一的に供給される。97はプロポーショニングバルブで
ある。ブレーキペダル90の踏力は、踏力センサ98に
より検出され、コントローラ100に供給される。コン
トローラ100はブレーキペダル90の踏力と、加速度
センサ102から供給される車体加速度とに基づいて電
磁液圧制御弁94への励磁電流を算出し、作動アンプ1
04に電磁液圧制御弁94へ供給させる。それにより、
ホイールシリンダ80,82,84,86の液圧が、ブ
レーキペダル90の踏力に応じた減速度が得られる高さ
に制御される。コントローラ100にはブレーキぺダル
90の回動速度を検出するためのエンコーダ105も接
続されている。アキュムレータ96には、リザーバ10
6からポンプ108によって汲み上げられたブレーキ液
が常に一定液圧範囲で蓄えられるようになっている。1
10はポンプ104を駆動するモータである。本液圧ブ
レーキ装置においては、ホイールシリンダ80,82,
84,86には通常は電磁液圧制御弁94により制御さ
れた液圧が供給されるが、電磁液圧制御弁94側に異常
が生じた場合には、マスタシリンダ92に発生させられ
た液圧が供給され、制動力が確保されるようになってい
る。マスタシリンダ92の液圧よりも電磁液圧制御弁9
4の制御圧がやや高くなるようにされているのである。
【0014】電磁液圧制御弁94は、スプール式の電磁
液圧制御弁であり、励磁電流に比例した高さのブレーキ
液圧をホイールシリンダ80,82,84,86に供給
する。ホイールシリンダ80,82,84,86に接続
された制御圧ポートの液圧に比例する力によりスプール
が一方向へ駆動される一方、励磁電流に比例する大きさ
で発生させられるフォースモータの制御力が逆方向に加
えられ、両者が釣り合う位置でスプールが停止すること
によって液圧制御が行われるのである。
【0015】コントローラ100の主体を成すコンピュ
ータのROMには、図6のフローチャートで表されるプ
ログラムが格納されている。S21においては、踏力セ
ンサ98の出力信号が読み込まれ、ブレーキペダル90
の踏力が検出される。S22においては、エンコーダ1
05から出力されるパルス信号のカウントによりブレー
キペダル90の操作速度の検出が行われる。そして、S
23において、ブレーキペダル90の操作速度が基準値
より大きいか否かが判定され、判定の結果がNOであれ
ば通常ブレーキ時であると判断されて、S24において
通常のブレーキ液圧制御が行われる。すなわち、ブレー
キペダル90の踏力に見合った大きさの減速度が得られ
る高さにブレーキ液圧が制御されるのである。それに対
して、S23の判定結果がYES、すなわち、ブレーキ
ペダル90の操作速度が基準値より大きい場合には、ブ
レーキ液圧を予め定められている最大ブレーキ液圧まで
急激に高める制御が行われる。これによって、緊急ブレ
ーキ時には、ブレーキペダル90の操作速度および踏力
とは無関係に最大ブレーキ液圧がフロントホイールシリ
ンダ80,82に供給され、リヤホイールシリンダ8
4,86には、その最大液圧がプロポーショニングバル
ブ97により減圧された高さの液圧が供給されて、全ブ
レーキにおいて最大の制動力が発生させられ、車両の制
動距離が著しく短縮される。
【0016】上記2実施形態においては、ブレーキ操作
部材としてのブレーキペダル10,90の回動速度がエ
ンコーダ64,105により検出されることによって、
ブレーキ操作速度が検出されるようになっていたが、ブ
レーキペダルの踏力をブレーキブースタやマスタシリン
ダに伝達するプッシュロッドの軸方向の移動速度を検出
することによって、ブレーキ操作速度を検出することも
可能である。さらに、マスタシリンダ14等の液圧を液
圧センサによって検出し、増圧勾配の大きさに基づいて
ブレーキ操作部材の操作速度を検出することも可能であ
る。また、前記実施形態においては、ブレーキ操作速度
の大小2段階に応じてブレーキ液圧の制御が2段階に行
われるようになっていたが、ブレーキ操作部材の操作速
度を多段階に分けて、各段階毎に異なるブレーキ液圧制
御が行われるようにすることも可能である。その他、当
業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した形態
で、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキ制御方法を
実施するためにコンピュータにより実行される操作速度
判定プログラムを示すフローチャートである。
【図2】上記ブレーキ制御方法を実施するためのアンチ
スキッド式液圧ブレーキ装置を示す系統図である。
【図3】上記ブレーキ制御方法を実施するためにコンピ
ュータにより実行される液圧制御プログラムを示すフロ
ーチャートである。
【図4】上記ブレーキ制御方法が実施されたブレーキ液
圧の制御の一例を概念的に示すグラフである。
【図5】本発明の別の実施形態であるブレーキ制御方法
を実施するための液圧ブレーキ装置を示す系統図であ
る。
【図6】上記ブレーキ制御方法を実施するためにコンピ
ュータにより実行される制御プログラムを示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 14 マスタシリンダ 18 アンチスキッドアクチュエータ 28,30,40,42 ブレーキ 50 アンチスキッドコントローラ 64 エンコーダ 80,82 フロントホイールシリンダ 84,86 リヤホイールシリンダ 90 ブレーキペダル 94 電磁液圧制御弁 96 アキュムレータ 100 コントローラ 105 エンコーダ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ操作部材の操作に基づいて車両の
    ブレーキを制御する方法であって、 前記ブレーキ操作部材の操作速度が設定値より大きい緊
    急ブレーキ時には、操作速度が設定値以下である通常ブ
    レーキ時より強く前記ブレーキが作動させられにように
    ブレーキを制御することを特徴とするブレーキ制御方
    法。
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