JP3951597B2 - 制動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各車輪の制動力を制御することができる制動装置において、特に発進時のブレーキ異音を防止することができる制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車輪と共に回転するロータなどのブレーキ回転体と、車体側に固定されたパッドなどのブレーキ摩擦体との間で、振動などにより異音が発生する場合があることが知られている。このような異音を防止する制動装置としては、例えば特開平8−91195号公報に記載されるものがある。この従来の制動装置では、車両が停止している状態から制動力が解除され、所謂クリープ現象によって発進し、その発進時に異音が発生する発生領域であることが検出されると、制動流体圧を減圧したり、変速機の変速ギヤ段を1速以外に変更してブレーキ回転体と摩擦体との間の所謂スティックスリップの強制力を弱めたりすることにより、異音の発生を抑制防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の制動装置では、クリープ走行中の制動力が減少されたり、変速ギヤ段が変更される、つまり駆動力が減少したりするため、違和感が生じる。特に、制動力の減少に関しては、運転者が制動力の増加を要求しているにもかかわらず、制動力が増加しない、或いは制動力が減少するとか、駆動力の減少に関しては、通常のクリープトルクで上れる程度の緩い上り坂が上れなくなるといった問題も生じる。
【0004】
本発明は、これらの諸問題を解決すべく開発されたものであり、制動力や駆動力を増減することなく、ブレーキの異音発生を抑制防止することができる制動装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係る制動装置は、車輪の制動力を制御する制動力制御手段と、車両が停止していることを検出する車両停止検出手段と、前記車両停止検出手段で車両の停止が検出されたときに、前後輪の制動力配分を変更する車両停止時制動力配分変更手段とを備え、前記車両停止時制動力配分変更手段は、前輪の制動力よりも後輪の制動力が大きくなるように前後輪の制動力配分を変更することを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明のうち請求項に係る制動装置は、前記請求項の発明において、前記車両停止時制動力配分変更手段は、車両停止以前と車両停止以後とで前後輪の総制動力が変化しないように前後輪の制動力配分を変更することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明のうち請求項に係る制動装置は、前記請求項1又は2の発明において、ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、車速を検出する車速検出手段とを備え、前記車両停止検出手段は、前記ブレーキ操作検出手段でブレーキ操作が検出され且つ車速検出手段で検出された車速が零であるときに車両が停止していると検出するものであることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のうち請求項に係る制動装置は、前記請求項1又は2の発明において、ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、車両に発生する前後加速度を検出する前後加速度検出手段とを備え、前記車両停止検出手段は、前記ブレーキ操作検出手段でブレーキ操作が検出され且つ車速検出手段で検出された車速が所定値以下であり且つ前後加速度検出手段で検出された前後加速度が零であるときに車両が停止していると検出するものであることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のうち請求項に係る制動装置は、前記請求項1又は2の発明において、ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、車両に発生する前後加速度を検出する前後加速度検出手段とを備え、前記車両停止検出手段は、前記ブレーキ操作検出手段でブレーキ操作が検出され且つ車速検出手段で検出された車速が所定値以下であり且つ前後加速度検出手段で検出された前後加速度が零である状態になってから所定時間が経過したときに車両が停止していると検出するものであることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の効果】
而して、本発明のうち請求項1に係る制動装置によれば、車両の停止が検出されたときに、前後輪の制動力配分を変更する構成としたため、前後輪の制動力の総和が変わらないようにしながら、前輪の制動力よりも後輪の制動力を大きくすることにより、その車両停止状態から制動力を小さくしたときの車両発進時のブレーキ異音を抑制防止することができる。また、前輪の制動力よりも後輪の制動力が大きくなるように前後輪の制動力配分を変更する構成としたため、主として前輪で発生するブレーキ異音を確実に抑制防止することができる。
【0011】
また、本発明のうち請求項に係る制動装置によれば、車両停止以前と車両停止以後とで前後輪の総制動力が変化しないように前後輪の制動力配分を変更する構成としたため、車両が停止する以前と停止以後、或いは更にその後の車両発進時に制動力や駆動力の変化がなく、違和感がない。
【0012】
また、本発明のうち請求項に係る制動装置によれば、ブレーキ操作が検出され且つ車速が零であるときに車両が停止していると検出する構成としたため、車両が確実に停止したことが検出され、その結果、走行中に制動力配分を変更することが回避される。
また、本発明のうち請求項に係る制動装置によれば、ブレーキ操作が検出され且つ車速が所定値以下であり且つ前後加速度が零であるときに車両が停止していると検出する構成としたため、車速が零であることを正確に検出できない場合でも、車両が確実に停止したことが検出され、その結果、走行中に制動力配分を変更することが回避される。
【0013】
また、本発明のうち請求項に係る制動装置によれば、ブレーキ操作が検出され且つ車速が所定値以下であり且つ前後加速度が零である状態になってから所定時間が経過したときに車両が停止していると検出する構成としたため、車速が零であることを正確に検出できず、前後加速度に若干の誤差があっても、車両が確実に停止したことが検出され、その結果、走行中に制動力配分を変更することが回避される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、所謂電動ディスクブレーキに展開された本発明の第1の実施形態を示すシステム構成図であり、図中の符号1FL〜1RRはブレーキ摩擦体が内装されたキャリパ、2FL〜2RRはブレーキ回転体であるロータであり、ロータ2は車輪10FL〜10RRと共に回転する。例えば、このディスクブレーキで各車輪10FL〜10RRに制動力を付与するために、各キャリパ1FL〜1RR内において、ロータ2FL〜2RRの表裏面に対向配設されたパッドのうち、何れか一方のパッドにはピストンが連結されており、そのピストンに形成された雌ネジに、モータ3FL〜3RRの回転軸に取付けられた雄ネジを螺合し、モータ3FL〜3RRの回転軸が回転すると、ネジの推力によってピストンが往復移動され、パッドがロータ2FL〜2RRに押圧或いは離間されるように構成されている。
【0015】
前記モータ3FL〜3RRは、コントロールユニット4からの駆動制御信号によって駆動され、その回転方向と速度並びに駆動力が制御される。モータ3FL〜3RRの回転方向と速度や駆動力は、一般的に駆動制御信号の電流値によって制御可能であり、ここでは例えばPWM(Pulse Width Modulation)を用いたデューティ比で制御する。
【0016】
この電動制動装置では、ブレーキペダル6と前記キャリパ1FL〜1RR内のピストンとは、周知の流体圧配管で接続されていない。この実施形態では、ブレーキペダル6は、運転者によるペダル踏込み量とその踏力を検出するための入力源でしかなく、当該ブレーキペダル6は、ストロークシミュレータ12に連結され、そのストロークシミュレータ12に、踏力センサ8並びにストロークセンサ9が取付けられている。また、ブレーキペダル6には、ブレーキスイッチ7も取付けられている。そして、これらの出力は、夫々、前記コントロールユニット4に入力される。
【0017】
また、車両には、発生する前後加速度を検出する前後加速度センサ5が設けられている。また、各車輪10FL〜10RRには、その回転速度、即ち車輪速を検出する車輪速センサ11FL〜11RRが設けられている。但し、この実施形態では、これらの車輪速センサ11FL〜11RRで検出された車輪速から車両の速度、即ち車速を算出して用いる。なお、車両は、クリープ走行可能な自動変速装置搭載車両である。
【0018】
前記コントロールユニット4は、図示されないマイクロコンピュータで構成されており、このマイクロコンピュータは、周知のように各種のインタフェース、記憶装置、演算処理装置等を備え、種々の演算処理を行って、前記モータ3の駆動制御を行っている。このマイクロコンピュータ内で行われる最も主要な演算処理は、通常の制動力制御である。通常の制動力制御とは、前記踏力センサ8及びストロークセンサ9で検出されたブレーキペダル踏力及びそのストロークから、例えば運転者の要求する総制動力を求め、それを、例えば理想制動力配分に従って前後輪への制動力を設定し、その制動力が達成されるように前記各モータ3FL〜3RRに駆動制御信号を出力する。
【0019】
次に、そうした通常の制動力制御を含んで、制動力制御を統括する演算処理について図2のフローチャートを用いて説明する。この演算処理は、所定時間ΔT(例えば10msec. )毎のタイマ割込処理として実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算によって得られた情報は随時記憶され、記憶されている情報は、必要に応じて、随時読込まれる。
【0020】
この演算処理は、まずステップS1で、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記ブレーキスイッチ7からのブレーキスイッチ信号がON状態であるか否かを用いて、ブレーキペダルが踏まれているか否かの判定を行い、ブレーキペダルが踏まれている場合にはステップS2に移行し、そうでない場合にはステップS3に移行する。
【0021】
前記ステップS2では、前記車輪速センサ11FL〜11RRで検出された車輪速を基に算出した車速VSPが“0”であるか否かを判定し、車速VSPが“0”である場合にはステップS4に移行し、そうでない場合にはステップS5に移行する。
前記ステップ4では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前輪側制動力を減少し、後輪側制動力を増大する制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
【0022】
また、前記ステップS3では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、制動力を解除する制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS5では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前述のような通常の制動力制御を行ってからメインプログラムに復帰する。前記ステップS4では、例えば前記ステップS5の通常の制動力制御で行われる理想制動力配分相当の前後輪の制動力を、前輪側は減少、後輪側は増大させる。理想制動力配分に代表される一般的な制動力配分は、前輪側が大きく、後輪側が小さい。図3に、前輪側制動力配分とクリープ走行時の異音レベル(音圧レベル)を示す。この図から明らかなように、前輪側への制動力配分が大きいほど、クリープ走行時の異音が大きい。従って、前輪側の制動力を小さくすれば、クリープ走行時の異音を小さくすることができる。但し、前輪側の制動力を小さくするだけでは、総制動力が不足する可能性があるため、相対的に後輪側の制動力を増大する。
【0023】
次に、前記図2の演算処理の作用について説明する。図4aは、定速走行中の車両が減速して停止し、次にクリープ走行によって走行開始したタイミングチャートである。減速から停止にかけて、運転者は時刻t01以後ブレーキペダルを踏込むので、総制動力は次第に増加する。このとき、前記図2の演算処理では、ステップS1からステップS2を経てステップS5に移行するため、例えば理想制動力配分に従って前輪側制動力が大きく且つ後輪側制動力が小さい制動力制御が行われる。
【0024】
やがて車両が停止し、時刻t02で車速VSPが“0”になると、図2の演算処理のステップS2からステップS4に移行して、前輪側制動力の減少と後輪側制動力の増大制御が行われる。この場合は、それらを同時に且つ速やかに行ったため、時刻t03で前輪側制動力は“0”に、後輪側制動力は総制動力相当になる。この制御では、例えば図4bに示すように、前輪側制動力減少及び後輪側制動力増大制御直前の前輪側制動力がa、後輪側制動力がbであるとすると、総制動力c=a+bの曲線(直線)を求め、その曲線上で前輪側制動力を減少し且つ後輪側制動力を増大する。従って、前輪側制動力減少及び後輪側制動力増大制御中の総制動力は、その直前までの総制動力と変わらないから、違和感が生じることはない。また、制動力の増大の要求にも応答可能であるし、駆動力が損なわれるということもない。
【0025】
次いで時刻t04でブレーキペダルから足を離すと、図2の演算処理のステップS1からステップS3に移行して、制動力解除制御が行われると同時に、車両はクリープ走行によって走り始める。このとき、制動力はすぐには零にならないが、残存する制動力は後輪側のものだけであるため、前記ロータ2FL〜2RRとパッドとの間にスティックスリップが生じても、異音が発生しにくい。勿論、この後に制動力の増大の要求があった場合にも応答可能であるし、駆動力が減少することもない。
【0026】
以上より、前記モータ3FL〜3RR及びコントロールユニット4が本発明の制動力制御手段を構成し、以下同様に、図2の演算処理のステップS1及びステップS2が車両停止検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS1がブレーキ操作検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS2が車速検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS4が車両停止時制動力配分変更手段を構成している。
【0027】
次に、本発明の制動装置の第2実施形態について説明する。この実施形態の車両構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、前記コントロールユニット4のマイクロコンピュータ内で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図5のフローチャートに変更されている。
この演算処理も、所定時間ΔT(例えば10msec. )毎のタイマ割込処理として実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算によって得られた情報は随時記憶され、記憶されている情報は、必要に応じて、随時読込まれる。
【0028】
この演算処理は、まずステップS11で、前記図2の演算処理のステップS1と同様に、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、ブレーキペダルが踏まれているか否かの判定を行い、ブレーキペダルが踏まれている場合にはステップS12に移行し、そうでない場合にはステップS13に移行する。
前記ステップS12では、前記車輪速センサ11FL〜11RRで検出された車輪速を基に算出した車速VSPが、例えば5km/h程度に設定された所定値VSP0 以下であるか否かを判定し、当該車速VSPが所定値VSP0 以下である場合にはステップS14に移行し、そうでない場合にはステップS15に移行する。
【0029】
前記ステップ14では、前記前後加速度センサ5で検出された前後加速度の絶対値|GX |が“0”であるか否かを判定し、当該前後加速度の絶対値|GX |が“0”である場合にはステップS16に移行し、そうでない場合には前記ステップS15に移行する。
前記ステップS16では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前輪側制動力配分が“0%”になるように、また後輪側制動力配分が“100%”になるように制動力制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
【0030】
また、前記ステップS13では、前記図2の演算処理のステップS3と同様に、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、制動力を解除する制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS15では、前記図2の演算処理のステップS5と同様に、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前述のような通常の制動力制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
【0031】
次に、前記図5の演算処理の作用について説明する。図6aは、前記図4aと同様に、定速走行中の車両が減速して停止し、次にクリープ走行によって走行開始したタイミングチャートである。減速から停止にかけて、運転者は時刻t11以後ブレーキペダルを踏込むので、総制動力は次第に増加する。このとき、前記図5の演算処理では、ステップS11からステップS12を経てステップS15に移行するため、例えば理想制動力配分に従って前輪側制動力が大きく且つ後輪側制動力が小さい制動力制御が行われる。また、その後、時刻t12で車速VSPが前記5km/h程度に設定された所定値VSP0 以下となったが、前後加速度の絶対値|GX |が“0”でないため、図5の演算処理のステップS12からステップS14を経てステップS15に移行し、その後も、前輪側制動力が大きく且つ後輪側制動力が小さい制動力制御が継続される。
【0032】
やがて車両が停止し、時刻t13で車速VSPが“0”になると同時に前後加速度の絶対値|GX |が“0”になると、図5の演算処理のステップS12からステップS14を経てステップS16に移行して、前輪側制動力配分を“0%”にすると同時に後輪側制動力配分を“100%”にする制動力制御が行われる。ここでは、時刻t14で前輪側制動力配分は“0%”に、後輪側制動力配分は“100%”、即ち後輪制動力が総制動力相当になる。この制御でも、例えば図6bに示すように、前後輪制動力配分変更制御直前の前輪側制動力がa、後輪側制動力がbであるとすると、総制動力c=a+bの曲線(直線)を求め、その曲線上で前輪側制動力を減少し且つ後輪側制動力を増大する。従って、前後輪制動力配分変更制御中の総制動力は、その直前までの総制動力と変わらないから、違和感が生じることはない。また、制動力の増大の要求にも応答可能であるし、駆動力が損なわれるということもない。
【0033】
次いで時刻t15でブレーキペダルから足を離すと、図5の演算処理のステップS11からステップS13に移行して、制動力解除制御が行われると同時に、車両はクリープ走行によって走り始める。このとき、制動力はすぐには零にならないが、残存する制動力は後輪側のものだけであるため、前記ロータ2FL〜2RRとパッドとの間にスティックスリップが生じても、異音が発生しにくい。勿論、この後に制動力の増大の要求があった場合にも応答可能であるし、駆動力が減少することもない。
【0034】
以上より、前記モータ3FL〜3RR及びコントロールユニット4が本発明の制動力制御手段を構成し、以下同様に、図5の演算処理のステップS11及びステップS12及びステップS14が車両停止検出手段を構成し、図5の演算処理のステップS11がブレーキ操作検出手段を構成し、図5の演算処理のステップS12が車速検出手段を構成し、図5の演算処理のステップS14が前後加速度検出手段を構成し、図5の演算処理のステップS16が車両停止時制動力配分変更手段を構成している。
【0035】
次に、本発明の制動装置の第3実施形態について説明する。この実施形態の車両構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、前記コントロールユニット4のマイクロコンピュータ内で行われる演算処理が、前記第2実施形態の図5のものから図7のフローチャートに変更されている。
この演算処理も、所定時間ΔT(例えば10msec. )毎のタイマ割込処理として実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算によって得られた情報は随時記憶され、記憶されている情報は、必要に応じて、随時読込まれる。
【0036】
この演算処理は、まずステップS21で、前記図5の演算処理のステップS11と同様に、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、ブレーキペダルが踏まれているか否かの判定を行い、ブレーキペダルが踏まれている場合にはステップS22に移行し、そうでない場合にはステップS23に移行する。
前記ステップS22では、前記図5の演算処理のステップS12と同様に、車速VSPが所定値VSP0 以下であるか否かを判定し、当該車速VSPが所定値VSP0 以下である場合にはステップS24に移行し、そうでない場合にはステップS25に移行する。
【0037】
前記ステップ24では、前記図5の演算処理のステップS14と同様に、前後加速度センサ5で検出された前後加速度の絶対値|GX |が“0”であるか否かを判定し、当該前後加速度の絶対値|GX |が“0”である場合にはステップS26に移行し、そうでない場合には前記ステップS25に移行する。
前記ステップS26では、タイマカウンタNがカウントアップ所定値N0 以上であるか否かを判定し、タイマカウンタNが所定値N0 以上である場合にはステップS27に移行し、そうでない場合にはステップS28に移行する。なお、タイマカウントアップ所定値N0 は、例えばタイマ時間が焼く0.2秒になるような値に設定すればよい。
【0038】
前記ステップS28では、前記タイマカウンタNをインクリメントしてから前記ステップS25に移行する。
前記ステップS27では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前輪側制動力が後輪側制動力よりも小さくなるように設定した所定制動力制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
【0039】
また、前記ステップS23では、前記タイマカウンタNをクリアしてからステップS29に移行する。
前記ステップS29では、前記図5の演算処理のステップS13と同様に、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、制動力を解除する制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
【0040】
また、前記ステップS25では、前記図5の演算処理のステップS15と同様に、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前述のような通常の制動力制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
次に、前記図7の演算処理の作用について説明する。図8aは、前記図6aと同様に、定速走行中の車両が減速して停止し、次にクリープ走行によって走行開始したタイミングチャートである。なお、タイマカウンタNはクリアされている。
【0041】
減速から停止にかけて、運転者は時刻t21以後ブレーキペダルを踏込むので、総制動力は次第に増加する。このとき、前記図7の演算処理では、ステップS21からステップS22を経てステップS25に移行するため、例えば理想制動力配分に従って前輪側制動力が大きく且つ後輪側制動力が小さい制動力制御が行われる。また、その後、時刻t22で車速VSPが前記5km/h程度に設定された所定値VSP0 以下となったが、前後加速度の絶対値|GX |が“0”でないため、図7の演算処理のステップS22からステップS24を経てステップS25に移行し、その後も、前輪側制動力が大きく且つ後輪側制動力が小さい制動力制御が継続される。
【0042】
やがて車両が停止し、時刻t23で車速VSPが“0”になると同時に前後加速度の絶対値|GX |が“0”になると、図7の演算処理のステップS22からステップS24を経てステップS26に移行する。しかしながら、未だタイマカウンタNはクリアされたままであるから、ステップS28に移行してタイマカウンタNをインクリメントし、次いでステップS25に移行し、その後も、前輪側制動力が大きく且つ後輪側制動力が小さい制動力制御が継続される。
【0043】
このフローを所定回数、即ち所定時間繰り返し、時刻t24でタイマカウンタNがカウントアップ所定値N0 となると、前記ステップS26からステップS27に移行して、前輪側制動力より後輪側制動力が大きい所定制動力制御が行われる。この制御では、例えば図8bに示すように、前後輪制動力配分変更制御直前の前輪側制動力がa、後輪側制動力がbであるとすると、総制動力c=a+bの曲線(直線)を求め、その曲線上で、前輪側制動力より後輪側制動力が大きい所定値、例えば前輪側所定値がd、後輪側所定値がe(c=d+e)となるように制動力を制御する。その結果、時刻t25で所定制動力が達成された。このときも、所定制動力制御の前後で総制動力は変化しないから、違和感が生じることはない。また、制動力の増大の要求にも応答可能であるし、駆動力が損なわれるということもない。
【0044】
次いで時刻t26でブレーキペダルから足を離すと、図7の演算処理のステップS21からステップS23に移行して前記タイマカウンタNがクリアされ、次いでステップS29に移行して、制動力解除制御が行われると同時に、車両はクリープ走行によって走り始める。このとき、制動力はすぐには零にならないが、残存する制動力は後輪側制動力の方が前輪側制動力より大きいため、前記ロータ2FL〜2RRとパッドとの間にスティックスリップが生じても、異音が発生しにくい。勿論、この後に制動力の増大の要求があった場合にも応答可能であるし、駆動力が減少することもない。
【0045】
以上より、前記モータ3FL〜3RR及びコントロールユニット4が本発明の制動力制御手段を構成し、以下同様に、図7の演算処理のステップS21及びステップS22及びステップS24及びステップS26が車両停止検出手段を構成し、図7の演算処理のステップS21がブレーキ操作検出手段を構成し、図7の演算処理のステップS22が車速検出手段を構成し、図7の演算処理のステップS24が前後加速度検出手段を構成し、図7の演算処理のステップS27が車両停止時制動力配分変更手段を構成している。
【0046】
なお、前記実施形態では、ブレーキ装置自体がディスクブレーキである場合についてのみ説明したが、ブレーキ装置自体はこれに限定されるものではなく、あらゆるタイプのブレーキ装置にも同様に展開可能である。
また、ブレーキ摩擦体をブレーキ回転体に押圧又は離間する手段はモータ等の電動手段に限定されるものではなく、従来の制動流体圧を用いるものでも、或いは気体圧を用いるものでも、どのようなものでも使用可能である。
【0047】
また、電動手段の駆動制御装置としてはマイクロコンピュータに代えて、各種の演算処理装置を用いることができる。
また、車両に発生する前後加速度の検出は、前記前後加速度センサに限定されるものではなく、例えば車輪速センサで検出した車輪速度から車体速度を求め、更にそれを微分して車体加速度を算出するようにしてもよい。
【0048】
また、手動変速装置を搭載する車両であっても、下り坂でブレーキをかけながら発進すると、同様にブレーキ異音が発生する場合があり、この場合にも本発明は同様に適用可能であるから、車両は、クリープ走行が可能な自動変速装置搭載車両以外であってもよい。
また、前記実施形態では、制動後に停止した場合についてのみ説明したが、勿論、制動後でなくとも、駐車による停止状態から発進する場合にも同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制動装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1のコントロールユニット内で行われる演算処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図3】前輪側制動力配分と異音レベルとの関係を示す説明図である。
【図4】図2の演算処理の作用を説明するためのタイミングチャートと前後輪制動力の説明図である。
【図5】図1のコントロールユニット内で行われる演算処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図6】図5の演算処理の作用を説明するためのタイミングチャートと前後輪制動力の説明図である。
【図7】図1のコントロールユニット内で行われる演算処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図8】図7の演算処理の作用を説明するためのタイミングチャートと前後輪制動力の説明図である。
【符号の説明】
1FL〜1RRはキャリパ
2FL〜2RRはロータ
3FL〜3RRはモータ
4はコントロールユニット
5は前後加速度センサ
6はブレーキペダル
7はブレーキスイッチ
8は踏力センサ
9はストロークセンサ
11FL〜11RRは車輪速センサ
12はストロークシミュレータ

Claims (5)

  1. 車輪の制動力を制御する制動力制御手段と、車両が停止していることを検出する車両停止検出手段と、前記車両停止検出手段で車両の停止が検出されたときに、前後輪の制動力配分を変更する車両停止時制動力配分変更手段とを備え、前記車両停止時制動力配分変更手段は、前輪の制動力よりも後輪の制動力が大きくなるように前後輪の制動力配分を変更することを特徴とする制動装置。
  2. 前記車両停止時制動力配分変更手段は、車両停止以前と車両停止以後とで前後輪の総制動力が変化しないように前後輪の制動力配分を変更することを特徴とする請求項1に記載の制動装置。
  3. ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、車速を検出する車速検出手段とを備え、前記車両停止検出手段は、前記ブレーキ操作検出手段でブレーキ操作が検出され且つ車速検出手段で検出された車速が零であるときに車両が停止していると検出するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の制動装置。
  4. ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、車両に発生する前後加速度を検出する前後加速度検出手段とを備え、前記車両停止検出手段は、前記ブレーキ操作検出手段でブレーキ操作が検出され且つ車速検出手段で検出された車速が所定値以下であり且つ前後加速度検出手段で検出された前後加速度が零であるときに車両が停止していると検出するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の制動装置。
  5. ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、車両に発生する前後加速度を検出する前後加速度検出手段とを備え、前記車両停止検出手段は、前記ブレーキ操作検出手段でブレーキ操作が検出され且つ車速検出手段で検出された車速が所定値以下であり且つ前後加速度検出手段で検出された前後加速度が零である状態になってから所定時間が経過したときに車両が停止していると検出するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の制動装置。
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