以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図であり、図2は、図1の基板処理装置の概略構成を示す右側側面図である。尚、以下の説明において、図1における上側、下側、右側、及び左側を前側、後側、右側、及び左側と夫々規定する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置1は、基板としての半導体ウエハWに対して枚葉毎に成膜処理、拡散処理、エッチング処理等の各種処理を施す基板処理部2と、半導体ウエハWを格納すると共に基板処理部2において処理された半導体ウエハWを格納する基板格納部3と、基板処理部2と基板格納部3との間において半導体ウエハWを搬送するトランスファモジュール(基板搬送部)4とを備える。
基板処理部2は、ゲートバルブ5A〜5Dを介してトランスファモジュール(T/M)4に連結された4つのプロセスチャンバ(P/C)6A〜6Dを有し、各P/C6A〜6Dにおいて同種の或いは異種の処理を半導体ウエハWに対して施すように構成されている。また、各P/C6A〜6Dは、内部を真空引き可能に構成されており、各P/C6A〜6D内には、半導体ウエハWを載置するためのサセプタ7A〜7Dが夫々配置されている。
基板格納部3は、ウエハカセット10A〜10Dを載置するウエハカセット載置台11と、T/M4に連結された2つのロードロック室(以下「L/L室」という。)9A,9Bと、ウエハカセット載置台11とL/L室9A,9Bとの間に配置された大気搬送系のローダモジュール(以下「L/M」という。)12と、半導体ウエハWの位置決め(プリアライメント)を行う位置決め装置としてのオリエンタ18とを有する。ウエハカセット載置台11は上面が平面を呈する台状物であり、該上面には、図1に示すように、4つのウエハカセット10A〜10Dが並列状に載置可能である。各ウエハカセット10A〜10Dは、例えば、25枚の半導体ウエハWを等ピッチで多段に載置して収容する。
L/M12は、直方体状の箱状物であり、内部において半導体ウエハWを搬送するスカラアームタイプの搬送アーム13と、L/M12の左右方向(図1の矢印X方向)に沿って中心部に延設されたガイドレール14と、該ガイドレール14に並設されたマグネットを利用したリニアモータ15から構成されているリニアモータコンポーネント(不図示)とを有する。
L/L室9A,9Bは、内部に半導体ウエハWを載置するウエハ載置台19A,19Bを夫々備え、真空引き可能に構成されている。また、L/L室9A,9Bは、前側においてゲートバルブ20A,20Bを介してT/M4内に連通可能に夫々接続されており、後側においてゲートバルブ21A,21Bを介してL/M12内に連通可能に接続されている。
ウエハカセット載置台11は、L/M12に対してL/L室9A,9Bと反対側のL/M12の後側側面に配置されており、ウエハカセット10A〜10Dは、当該側面に設けられたシャッタ37A〜37Dを介してL/M12内に連通可能に接続されている。
搬送アーム13は、ガイドレール14に係合する基部16を有し、該基部16は、下部に設けられたガイドレール溝(図示せず)を介してガイドレール14によりL/M12の横方向に沿ってスライド移動可能に支持される。搬送アーム13の移動は、リニアモータ15が駆動されることによって行われる。
リニアモータは、従来の円筒形状に構成した回転型のモータを直線状に引き伸ばして構成したモータであり、回転型モータの回転子がリニアモータの可動体に相当する。リニアモータの推力は、リニアモータの可動体に取り付けられたコイルに電流を流して磁界(N極、S極)を発生させ、ガイドレールに沿って直線状に配置された磁石とコイルの磁界との間に吸引・反発の力を発生させることによって得ることができる。この推力によって可動体がガイドレールに沿って自在に移動可能となる。リニアモータには回転部分がないので、装置において駆動系をコンパクトにすることができ、回転型モータを配置するためのスペースを省くことができる。
また、リニアモータは、制御部であるコントロールドライバ(不図示)を具備し、可動体にはリニアエンコーダが取り付けられており、静粛で且つ高速の制御を実現している。リニアモータには、リニア誘導モータ、リニア直流モータ、リニア同期モータ、リニアパルスモータ、リニアサーボモータなど多種あり、コストとスペースを検討していずれを用いてもよい。
リニアモータ15においては、基部16が可動体を構成しており、基部16に取り付けられた図示しないコイルに電流を流すことにより、基部16がガイドレール14に沿って移動し、搬送アーム13が移動する。
また、搬送アーム13は、屈伸可能に構成された多関節状の搬送アーム腕部23と、該搬送アーム腕部23の先端に取り付けられたU字状の半導体ウエハWを載置可能に構成されたピック24と、基部16から垂直に立設されたアーム基端部支柱26とを有する。搬送アーム腕部23は、アーム基端部支柱26に沿って昇降可能に又アーム基端部支柱26を中心に回転可能に、その後端においてアーム基端部支柱26に支持されている。
オリエンタ18は、内部において駆動モータ(図示せず)によって回転される回転基準台28を有し、該回転基準台28は半導体ウエハWを載置した状態で回転するように構成されている。回転基準台28の外周には、半導体ウエハWの周縁部を検出するための光学センサ29が配置されている。オリエンタ18は、半導体ウエハWを回転基準台28によって回転させつつ、光学センサ29によって半導体ウエハWの位置ずれ量を測定し、この測定された位置ずれ量に基づいてプリアライメント機構(図示せず)によって半導体ウエハWのプリアライメントを行う。
また、基板格納部3は、図2に示すように、L/L室9A,9Bの下方であってL/M12の前側側面に夫々取り付けられているダミーウエハカセット31A,31Bを有する。ダミーウエハカセット31A,31Bは、ウエハカセット10A〜10Dと同様の構造であり、基板処理装置1の試運転時等に使用するダミーウエハとしての半導体ウエハWを所定枚数、等ピッチで多段に載置して収容する。また、ダミーウエハカセット31A,31Bは、ゲートバルブ32A,32Bを介してL/M12内に連通可能に接続されている。
搬送アーム13は、上述のように、ガイドレール14に沿って移動自在であり、搬送アーム腕部23によって屈曲自在であり、更に、アーム基端部支柱26によって昇降及び旋回自在であるため、ピック24に載置した半導体ウエハWを、ウエハカセット10A〜10D、ダミーウエハカセット31A,31B、オリエンタ18、及びL/L室9A,9Bの間において自在に搬送することができる。
T/M4は、内部を真空引き可能に構成されており、内部に後述する図3の搬送アーム41を備え、P/C6A〜6D、及びL/L室9A,9Bの間において半導体ウエハWを搬送する。
図3は、T/M4の搬送アーム41の概略構成を示す斜視図であり、図4は、搬送アーム41の概略構成を示す部分拡大図であり、図5は、搬送アーム41の概略構成を示す部分断面図である。
搬送アーム41は、図3に示すように、ダブルアーム構造であり、ドライブ部42と、クランクリンク型スカラアームタイプの第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61とを備える。
ドライブ部41は、図3、図4、及び図5に示すように、略円筒状のドライブチャンバ43と、ドライブチャンバ43内に配設された薄型のダイレクトドライブモータ44と、ドライブチャンバ43の上面に取り付けられた基台45とを備える。ダイレクトドライブモータ44の駆動軸44Aは、ドライブチャンバ43の上面及び基台45の略中心部を貫通する貫通孔44B内に回転可能に貫挿されて基台45の上方に突出している。基台45は、前左角部45A、前右角部45B,後左角部45C、及び後右角部45Dの4つの角部を有する平面視が略台形の板状部材である。
また、ドライブ部41は、平面視が略長方形の板状部材であるクランク46を有し、クランク46は、その前端が基台45の後端方向に向くように、その後端が基台45の上方においてダイレクトドライブモータ44の駆動軸44Aに取り付けられており、ダイレクトドライブモータ44が作動することにより水平面内において旋回する。
第1搬送アーム51は、屈伸可能に構成された多関節状の搬送アーム腕部52と、半導体ウエハWを載置可能に構成されている基板載置台としてのピック53とを備える。ピック53は、U字状であり搬送アーム腕部52の先端に取り付けられている。
搬送アーム腕部52は、図3、図4、及び図5に示すように、後端が基台45の前左角部45Aにおいて水平面内で回転可能に支持されている板状の第1腕部54と、後端が第1腕部54の前端において水平面内で回転可能に支持されている板状の第2腕部55と、後端が第2腕部55の前端において水平面内で回転可能に支持されている板状の第3腕部56と、両端がクランク46の前端左側と第1腕部54の略中央右側に形成されている突出部54Aとに回転自在に取り付けられており、クランク46の前端左側と突出部54Aとを連結するクランクリンク57とを備える。ピック53は、図6で後述するように、第3腕部56の前端側面に着脱可能に取り付けられている。
第2搬送アーム61は、第1の搬送アーム51とクランク46に関して対称に構成されており、屈伸可能に構成された多関節状の搬送アーム腕部62と、搬送アーム腕部62の先端に取り付けられたピック53とを備える。
搬送アーム腕部62は、図3、図4、及び図5に示すように、後端が基台45の前右角部45Bにおいて水平面内で回転可能に支持されている板状の第1腕部64と、後端が第1腕部64の前端において水平面内で回転可能に支持されている板状の第2腕部65と、後端が第2腕部65の前端において水平面内で回転可能に支持されている板状の第3腕部66と、両端がクランク46の前端右側と第1腕部64の略中央左側に形成されている突出部64Aとに回転自在に取り付けられており、クランク46の前端右側と突出部64Aとを連結するクランクリンク67とを備える。ピック53は、図6で後述するように、第3腕部66の前端側面に着脱可能に取り付けられている。
また、搬送アーム41において、図1及び図3に示すように、平面視が略長方形の板状の基台47がドライブチャンバ43の下面に取り付けられており、基台47は、T/M4内において前後方向に延設された一対のガイドレール48に摺動可能に挟持されており、ガイドレール48によって基台47の移動方向がガイドレール48に沿った前後方向に規制されている。
また、搬送アーム41は、1関節状のスカラアームタイプであって屈伸可能の基台搬送アーム49を備え、基台搬送アーム49の前端が基台47の後左端に、基台搬送アーム49の後端がT/M4内の後端部近傍に夫々回転可能に取り付けられており、基台搬送アーム49が屈曲することにより、基台47がT/M4内を前後に移動する。これにより、搬送アーム41がT/M4内を前後に移動することができる。
上述のように、搬送アーム41は、基台搬送アーム49によってガイドレール48に沿って移動自在であり、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61が搬送アーム腕部52及び搬送アーム腕部62によって夫々屈曲自在であるため、ピック53に載置した半導体ウエハWを、P/C6A〜6D、及びL/L室9A,9Bの間において自在に搬送することができる。
図6は、搬送アーム41の先端部の概略構成を示す断面図であり、図6(a)はピック53が取り付けられた状態を示す図であり、図6(b)はピック53が取り外された状態を示す図である。
図6(a)及び(b)に示すように、ピック53は、その中心軸73に関して対称であって中心軸に平行に延設された2つの平板状部材を備えるU字状のセラミック製二股部71と、二股部71に取り付けられているステンレス製基部72とを有する。
基部72は、その後端に中心軸73に直交する平面である取付面74を備える。また、基部72は、取付面74から所定の距離離れた位置であって中心軸73に関して対称な位置に一対の磁性体75が埋め込まれている。磁性体75は、例えば永久磁石である。また、基部72は、取付面74において中心軸73と同軸にピック53の先端方向に形成された円錐状の合せ孔76を有する。合せ孔76の内表面は滑らかに形成されている。また、基部72において、取付面74の左右両端部には円柱状の孔である一対のガイド孔77が中心軸73に関して対称に形成されている。
また、図6(a)及び(b)に示すように、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61は、第3腕部56、66においてピック53と着脱可能に構成されている。前述のように、第1搬送アーム51と第2搬送アーム61とは、クランク46に関して対称に構成されているので、以下に第1搬送アーム51の構造に関してのみ説明し、第2搬送アーム61に関しての説明は省略する。
第1搬送アーム51の第3腕部56は、その先端に中心軸82に対して直交する平面である合せ面81を有する。また、第3腕部56は、合せ面81において中心軸82と同軸に先端方向に形成された円錐状の凸部83を有する。凸部83は、その表面が滑らかに形成されており、ピック53の合せ孔76と密接に嵌合する。また、合せ面81には、ピック53のガイド孔77に密接に嵌合する円柱状の一対のガイドピン84が中心軸82に関して対称であってガイド孔77に対応する位置に形成されている。
図6(a)に示すように、第3腕部56の凸部83が合せ孔76に嵌挿されると、合せ孔76と凸部83とが互いに密接に嵌合してピック53の中心軸73と第3腕部56の中心軸82とが一致し、また、ピック53のガイド孔77と第3腕部56のガイドピン84とが密接に嵌合し、ピック53の合せ面74と第3腕部56の取付面81とが互いに密接に当接するので、第3腕部56に対するピック53の位置が所望の位置に納まる。つまり、第1搬送アーム51においてピック53の位置決めがなされる。
また、第3腕部56には、取付面81から所定の距離離れた位置であって中心軸82に関して対称な位置であり且つピック53の磁性体75と対応する位置に中心軸82に平行な略直方体の空間である一対のガイド部85が形成されている。一対のガイド部85内には、長手方向(中心軸82に平行な方向)に摺動可能な一対の磁性体86が配設されている。また、第3腕部56には、一対のガイド部85後部近傍において、電圧ケーブル87を介して後述する図8のコイル電源に接続された一対のコイル88が配設されている。第3腕部56の磁性体86とピック53の磁性体75とは互いに引き合うように磁極が配設されている。
第3腕部56において、コイル88に電圧が印加されるとコイル88が磁性を帯びてコイル88の磁力により磁性体86とコイル88とは互いに吸引され、磁性体86がガイド部85内を長手方向に移動する。即ち、コイル88に電圧を印加することにより、磁性体86がガイド部85内を前端から後端に移動する。
コイル88に電圧を印加した場合に発生するコイル88の磁性体86を吸引する磁力は、ピック53の磁性体75が磁性体86を吸引する磁力より大きく設定されており、上述のように凸部83が合せ孔76に嵌合されてピック53が第3腕部56に対して位置決めされている状態において(図6(a)参照)コイル88に電圧が印加されると、コイル88に磁力が発生してこの磁力により磁性体86が磁性体75の磁力に抗してガイド部85内を後端に向けて移動する。このように磁性体86がガイド部85の後端に移動した場合、ピック53が第3腕部56から取り外しできるように磁性体75の磁力が設定されている(図6(b)参照)。
上述の構成をしたピック53及び第3腕部56において、図6(a)に示すように、第3腕部56の凸部83がピック53の合せ孔76に嵌合されて、ピック53のガイド孔77と第3腕部56のガイドピン84とが嵌合され、ピック53の合せ面74と第3腕部56の取付面81とが当接して、第3腕部56に対するピック53の位置決めがなされた場合、コイル88に電圧が印加されていないときは、ピック53の磁性体75と第3腕部56の磁性体86との間の吸引力によって磁性体86がガイド部85内において前方向に移動してガイド部85の前端に達し、この磁性体86と磁性体75との間の吸引力によって上述の位置決めされた状態においてピック53が第3腕部56に固定される。
また、第3腕部56における磁性体86の移動方法は上述のものに限らず、コイル88に電圧が印加されると、上述のように磁性体86とコイル88との間に吸引力が発生して、磁性体86がガイド部85内を前端から後端に移動し、一方、コイル88に逆電圧が印加されると、磁性体86とコイル88との間に反発力が発生して、磁性体86がガイド部85内を後端から前端に移動するようにしてもよい。
この場合、コイル88に逆電圧が印加されたときは、磁性体86とコイル88との間の反発力、及び磁性体75と磁性体86との間の吸引力によって磁性体86がガイド部85内において前方向に移動してガイド部85の前端に達し、磁性体86とコイル88との間の反発力、及び磁性体86と磁性体75との間の吸引力によって上述の位置決めされた状態においてピック53が第3腕部56に、より強固に固定される。尚、上述のように磁性体86がガイド部85の前端に達した場合は、コイル88への逆電圧の印加を止めるようにしてもよい。この場合、コイル88への電圧の印加による電力消費量を低減させることができる。
一方、上述のように、ピック53が第3腕部56に固定された状態において、コイル88に電圧が印加されると、図6(b)に示すように、ピック53の磁性体75に引っ張られている磁性体86が、磁性体75の引力に抗してコイル88の磁力によって引っ張られてガイド部85内を前端から後端に向かって移動し、ガイド部85の後端に達する。このようにコイル88に電圧が印加されることにより磁性体85がガイド部85内を前端から後端に移動すると、第3腕部56に固定されていたピック53を第3腕部56から取り外すことが可能になる。
上述のように、ピック53は、磁性体75、磁性体86、及びコイル88の磁力によって、第3腕部56に対して容易に着脱することができる。
また、ピック53における磁性体75の上下方向(図6において紙面に対して垂直な方向)の取付位置、及び第3腕部56における磁性体86の上下方向の取付位置は、ピック53及び第3腕部56において夫々上方であるのが好ましい。これは、磁性体75及び磁性体86をピック53及び第3腕部56において上方に取り付けることにより、ピック53を第3腕部56に固定するための必要なモーメントを得るために必要な磁性体75,86の磁力を小さくすることができるからである。
尚、第2搬送アーム61の第3腕部66の構造は、上述の第1搬送アーム51の第3腕部56の構造をクランク46に関して対称にしたものとなる。
また、基板処理装置1は、図7(a)に示すように、P/C6A〜6D内に収納可能であってピック53を複数個格納可能に構成されたピックカセット91を複数個備える。ピックカセット91は、P/C6A〜6D内に収納及び固定可能に形成されており1個の面が開口する箱型のカセットハウジング92と、所望の位置にピック53が載置されるように構成されたピック載置台93が複数個上下方向に等ピッチで配設されているピック載置台群94とを備える。ピックカセット91は、ピック載置台群94が図示しないピック載置台群移動装置によって上下方向に移動可能に形成されている。ピックカセット91は、例えばピック53を5〜10個格納可能に構成されている。
さらに、基板処理装置1は、図7(b)に示すように、ダミーウエハカセット31A,31B内に収納可能であって、ピック53を複数個格納可能に構成されたピックカセット95を複数個備える。ピックカセット95は、上述のピックカセット91と同様の構成をしており、ピックカセット91のカセットハウジング92、ピック載置台93、及びピック載置台群94と夫々同様の構成のカセットハウジング96、ピック載置台97、及びピック載置台群98を有し、ピックカセット95は、ピック載置台群98が図示しないピック載置台群移動装置によって上下方向に移動可能に形成されている。ピックカセット95は、例えばピック53を5〜10個格納可能に構成されている。
図8は、基板処理装置1の概略構成を示すブロック図である。
図8に示すように、基板処理装置1は、各部を制御する制御部101を備え、制御部101は、T/M4、P/C6A〜6D、L/L9A,9B、ウエハカセット10A〜10D、搬送アーム13、リニアモータ15、オリエンタ18、ダミーウエハカセット31A,31B、搬送アーム41、第1搬送アーム51の第3腕部56のコイル88に電圧を印加可能な第1コイル電源102、及び第2搬送アーム61の第3腕部66のコイル88に電圧を印加可能な第2コイル電源103が接続されている。コイル電源102及びコイル電源103は、制御部101の制御によってON状態になると第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61のコイル88に夫々電圧を印加し、OFF状態になると第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61のコイル88への電圧の印加を夫々止める。
また、コイル電源102及びコイル電源103は、制御部101の制御により、ON状態において第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61のコイル88に夫々印加する電圧を、正電圧と逆電圧との間で切り換えることができるようにしてもよい。これにより、上述のようにコイル88に正電圧を印加して磁性体86とコイル88との間に吸引力を発生させ、磁性体86をガイド部85の後端に移動させ、コイル88に逆電圧を印加して磁性体86とコイル88との間に反発力を発生させ、磁性体86とコイル88との間の反発力、及び磁性体75と磁性体86との間の吸引力によって磁性体86をガイド部85の前端に移動させ、磁性体86とコイル88との間の反発力、及び磁性体75と磁性体86との間の吸引力によってピック53を第3腕部56に、より強固に固定させることができるようになる。
以下、この基板処理装置1が実行するピック交換処理について説明する。ピック交換処理は、基板処理装置が制御部101に記憶された基板処理レシピに従って基板処理を行っている場合に制御部101によって実行される。また、基板処理装置1は、CVD装置として真空状態にされているP/C6A〜6Dにおいて成膜処理を実行する。
図9は、基板処理装置1が実行する第1のピック交換処理のフローチャートである。
以下の本処理の説明においては、ピックカセット91がP/C6D内に収納されているものとする。
まず、現在までの基板処理装置1の稼働時間を計測する図示しない稼働時間カウンタの計測した時間を表わす稼働時間カウント値Tが、予め設定されている所定の時間の交換稼働時間Teに達したか否かを判別し(ステップS1)、稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達していない場合は本処理を終了する。尚、稼働時間カウンタは制御部101が備える。
一方、稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達している場合は、ゲートバルブ5Dを開いて(ステップS2)、搬送アーム41を駆動して第1搬送アーム51のピック53をP/C6D内に収容されているピックカセット91の空のピック載置台93上に載置する(ステップS3)。そして、第1搬送アーム51のピック53がピック載置台93上に固定される。ステップS3においてピックカセット91は、搬送アーム41が第1搬送アーム51のピック53を所望の空のピック載置台93に載置することができるように、ピック載置台群移動装置によりピック載置台群94を予め移動している。
ステップS3において第1搬送アーム51のピック53を空のピック載置台93に載置すると、第1コイル電源102をON状態にして第1搬送アーム51のコイル88に電圧を印加する(ステップS4)。これにより、第1搬送アーム51のコイル88に磁力が発生し、第1搬送アーム51の第3腕部56においてこの磁力によりピック53の磁性体75の磁力に抗して磁性体86が引っ張られて磁性体86がガイド部85の後端に移動し、ピック53が第1搬送アーム51から取り外し可能な状態になる。
次いで、第1搬送アーム51を動かして第3腕部56からピック53を取り外し(ステップS5)、第3腕部56の凸部83及びガイドピン84を他のピック載置台93に載置された新しいピック53の合せ孔76及びガイド孔77と嵌合させて第3腕部56に対してこの新しいピック53の位置決めを行う(ステップS6)。
上述のステップS5,S6において、ピックカセット91は、ステップS5においてピック53が取り外されると、ステップS6において搬送アーム41が第1搬送アーム51の第3腕部56を所望の新しいピック53に取り付けることができるように、ピック載置台群移動装置によりピック載置台群94を移動する。
ステップS6においてピック53の位置決めを実行すると、コイル電源102をOFF状態にして第3腕部56のコイル88への電圧の印加を止め、この新しいピック53を第1搬送アーム51に固定する(ステップS7)。
ステップS7においては、第3腕部56のコイル88への電圧の印加を止めるとコイル88に発生していた磁力が消滅するので、磁性体86はピック53の磁性体75の磁力によって引っ張られてガイド部85の前端に移動し、ステップS6において位置決めされた新しいピック53が、磁性体75と磁性体86との間の引力によって第1アーム51の第3腕部56に固定される。
上述のように、ステップS4〜S7の処理により、第1搬送アーム51のピック53の交換を行う。
次いで、第1搬送アーム51をP/C6D外へ移動し、第2搬送アーム61のピック53をP/C6D内のピックカセット91の空のピック載置台93上に載置する(ステップS8)。そして、第2搬送アーム61のピック53がピック載置台93上に固定される。ステップS8においてピックカセット91は、上述のステップS3と同様に、搬送アーム41が第2搬送アーム61のピック53を所望の空のピック載置台93に載置することができるように、ピック載置台群移動装置によりピック載置台群94を予め移動している。
ステップS8において第2搬送アーム61のピック53を空のピック載置台93に載置すると、上述のステップS4〜S7の処理による第1搬送アーム51のピック53の交換処理と同様に、第2コイル電源103をON状態にして第2搬送アーム61のコイル88に電圧を印加し(ステップS9)、第2搬送アーム61を動かして第3腕部66からピック53を取り外し(ステップS10)、第3腕部66の凸部83及びガイドピン84を所望のピック載置台93に載置された新しいピック53の合せ孔76及びガイド孔77と嵌合させて第3腕部66に対してこの新しいピック53の位置決めを行い(ステップS11)、第2コイル電源103をOFF状態にして第3腕部66のコイル88への電圧の印加を止め、この新しいピック53を第2搬送アーム61に固定する(ステップS12)。
上述のように、ステップS9〜S12の処理により、第2搬送アーム61のピック53の交換を行う。
次いで、第2搬送アーム61をP/C6D外へ移動して、ゲートバルブ5Dを閉じ(ステップS13)、稼働時間カウンタの稼働時間カウント値Tをリセットして(ステップS14)、新たに稼働時間カウンタによる稼働時間の計測を開始して(ステップS15)、本処理を終了する。
上述のように、第1のピック交換処理によれば、ピック53の交換をP/C6A〜6D内で行うので、ピック53の交換を真空状態で行うことができ、ピック53の交換のためにT/M4の図示しない蓋を開けて大気に開放し、ピック53の交換をした後に再度T/M4内を真空引きする必要がない。従って、ピック53の交換の度にT/M4内を大気状態及び真空状態にする処理を繰り返す必要がないので、基盤処理装置1の稼働率を向上させることができる。
また、本第1の処理によれば、搬送アーム41がダブルアーム構造であるので、第1搬送アーム51又は第2搬送アーム61の一方のピック53を交換している間でも、ピック交換をしていない他方の搬送アームによってP/C6A〜6C間の半導体ウエハWの搬送を行い、基板処理を継続して行うことができ、基板処理装置1の稼働率をより向上させることができる。
また、本第1の処理によれば、ピック53の交換を真空状態で行うことができるので、大気中でピック53を交換する場合のように、ピック53に水分が付着することがなく、T/M4内、及びP/C6A〜6D内を高真空状態に維持することができ、また、ピック53の交換のためにT/M4を大気に開放する必要がないので、T/M4の大気開放による内部へのパーティクル等の進入がなく、処理後の半導体ウエハWの良品率を向上させることができる。
また、本第1の処理によれば、稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達している場合に(ステップS1でYES)、ピック53の交換を行うので、定期的に確実にピック53の交換を行うことができ、もってパーティクルのピック53への付着を防止することができる。従って、ピック53がパーティクル等により汚損されてピック53上での半導体ウエハWの滑りによる半導体ウエハWの位置ずれを防止することができる。
本第1の処理において、ピックカセット91は、P/C6Dに収納されているものとしたが、ピックカセット91は、P/C6A〜6Dのいずれか1つ又は複数に収納されていてもよい。例えば、ピックカセット91がP/C6A〜6Dのいずれか2つに収納されている場合は、上述のステップS3〜S8とステップS9〜S13を同時に実行することにより、第1搬送アーム51のピック53と第2搬送アーム61のピック53を同時に交換することができ、これにより基板処理装置1の稼働率をより向上させることができる。
また、本第1の処理において、ピック53の交換は、第1搬送アーム51、第2搬送アーム61の順で行うものとしたが、交換の順番はこれに限るものではなく、例えば、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の各々のピック53を同時に交換するようにしても良い。これにより、ピック53の交換を効率よく行うことができる。
また、本第1の処理において、第1搬送アーム51の新しいピック53の位置決めを行った後に(ステップS6)、第1コイル電源102をOFF状態にしているが(ステップS7)、第1コイル電源102をOFF状態にするのは、ステップS5においてピック53を第1搬送アーム51から取り外した後であってもよい。これはステップS12についても同様である。
次いで、基板処理装置1が実行する第2のピック交換処理について説明する。
図10は、基板処理装置1が実行する第2のピック交換処理のフローチャートである。
以下の本処理の説明においては、ピックカセット95がダミーウエハカセット31A(図2)内に収納されているものとする。
まず、図9の第1のピック交換処理と同様に、稼働時間カウンタの稼働時間カウント値Tが予め設定されている所定の時間の交換稼働時間Teに達したか否かを判別し(ステップS21)、稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達していない場合は本処理を終了する。
一方、稼動時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達している場合は、真空状態であるL/L室9A,9Bのゲートバルブ20A,20Bを開き、搬送アーム41を駆動して第1搬送アーム51のピック53及び第2搬送アーム61のピック53をL/L室9Bのウエハ載置台19B及びL/L室9Aのウエハ載置台19Aの上に夫々載置する(ステップS22)。
次いで、図9のステップS4,S5とステップS9,S10と同様に、第1コイル電源102及び第2コイル電源103をON状態にして第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の各々のコイル88に電圧を印加する(ステップS23)。これにより各ピック53が第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61から取り外し可能な状態になる。各ピック53を取り外し可能状態にした後、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61を動かして第3腕部56,66から各ピック53を取り外す(ステップS24)。
ステップS24において各ピック53を取り外すと、ゲートバルブ20A,20Bを閉じ、L/L室9A,9Bを大気に開放して大気圧状態にし、ゲートバルブ21A,21Bを開く(ステップS25)。
次いで、ゲートバルブ32Aを開け、搬送アーム13を駆動してL/L室9A,9B内のピック53を順次ダミーウエハカセット31Aに収容されているピックカセット95の所望の空のピック載置台97上に搬送する(ステップS26)。次いで、搬送アーム13を駆動してピックカセット95の所望のピック載置台97から新しいピック53を順次L/L室9A,9Bに搬送する(ステップS27)。
L/L室9A,9Bに新しいピック53が搬送されると、ゲートバルブ21A,21Bを閉じ、L/L室9A,9B内を真空引きしてL/L室9A,9B内を真空状態にする(ステップS28)。次いでゲートバルブ20A,20Bを開き、搬送アーム41を駆動して、図9のステップS6,S11と同様にして、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の各第3腕部56,66に対してステップS27においてL/L室9A,9Bに搬送された新しいピック53を取り付けて各第3腕部56,66に対してピック53の位置決めを行う(ステップS29)。
次いで、図9のステップS7及びステップS12と同様に、第1コイル電源102及び第2コイル電源103をOFF状態にして第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の各コイル88への電圧の印加を止め、この新しいピック53を夫々第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61に固定する(ステップS30)。
上述のように、ステップS22〜S30の処理により、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の各々のピック53の交換を行う。
ステップS30において第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の各々に新しいピック53を固定すると、搬送アーム41を駆動して第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61をL/L室9A,9Bから退出させ、ゲートバルブ20A,20Bを閉じてから、稼働時間カウンタの稼働時間カウント値Tをリセットして(ステップS31)、新たに稼働時間のカウントを開始して(ステップS33)、本処理を終了する。
上述のように、第2のピック交換処理によれば、ピック53の交換をL/L室9A,9B内で行うので、ピック53の交換を真空状態で行うことができ、上述の第1のピック交換処理(図9)と同様に基板処理装置1の稼動率を向上させることができ、処理後の半導体ウエハWの良品率を向上させることができる。
また、本第2の処理によれば、ピックカセット95をダミーウエハカセット31Aに収納しているので、ピック53の交換処理中にP/C6A〜6Dにおいて半導体ウエハWの基板処理を行うことができ、上述の第1ピック交換処理に比べて基板処理装置1の稼働率をより向上させることができる。
本第2の処理は、ステップS22〜S30において第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の各々のピック53を同時に新しいピック53と交換するものとしたが、各ピック53の交換は同時ではなく順次行うものとしても良い。この場合、ピック交換をしていない搬送アームによって、P/C6A〜6Dの間で半導体ウエハWの搬送を行うことができ、更に基板処理装置1の稼動率を向上させることができる。
本第2の処理において、ピックカセット95は、ダミーウエハカセット31Aに収納されているものとしたが、ピックカセット95は、ダミーウエハカセット31A,31Bのいずれか1つ又は両方に収納されていてもよい。
また、本第2の処理においては、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の各々の新しいピック53の位置決めを行った後に(ステップS29)、第1コイル電源102及び第2コイル電源103をOFF状態にしているが(ステップS30)、第1コイル電源102及び第2コイル電源103をOFF状態にするのは、ステップS24においてピック53を第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61から夫々取り外した後であってもよい。
次いで、基板処理装置1が実行する第3のピック交換処理について説明する。
図11は、基板処理装置1が実行する第3のピック交換処理のフローチャートである。
本第3のピック交換処理は、図9の第1のピック交換処理に対して、図9のステップS1の判別の結果稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達していない場合に、後述するステップS56の処理を実行する点のみが異なる。
本処理は、まず、図9のステップS1と同様に稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達しているか否かを判別し(ステップS41)、稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達している場合は、図9のステップS2〜ステップS15と同じ処理をステップS42〜ステップS55において実行する。一方、ステップS41において、稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達していない場合は、オペレータ等の所定の操作によりピック53の交換を指示するピック交換コマンドの有無を判別する(ステップS56)。
ステップS56においてピック交換コマンドが無い場合は本処理を終了する。一方、ピック交換コマンドが有った場合は、ステップS42以降の処理を実行し、ピック53の交換を行う。
上述の第3のピック交換処理によれば、上述の図9第1の処理による効果を奏することができると共に、オペレータが任意にピック53の交換を行うことができる。
本第3のピック交換処理において、ピック交換コマンドは、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の両方のピック53の交換を指示するものとしたが、本発明はこれに限らず、例えばピック交換コマンドの種類により第1搬送アーム51又は第2搬送アーム61のいずれか一方のピック53の交換をも指示することができるようにしてもよい。
次いで、基板処理装置1が実行する第4のピック交換処理について説明する。
図12は、基板処理装置1が実行する第4のピック交換処理のフローチャートである。
本第4のピック交換処理は、図10の第2のピック交換処理に対して、図10のステップS21の判別の結果稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達していない場合に、後述するステップS73の処理を実行する点のみが異なる。
本処理は、まず、図10のステップS21と同様に稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達しているか否かを判別し(ステップS61)、稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達している場合は、図10のステップS22〜ステップS32と同じ処理をステップS62〜S72において実行する。一方、ステップS61において、稼働時間カウント値Tが交換稼働時間Teに達していない場合は、図11のステップS56と同様に、ピック交換コマンドの有無を判別する(ステップS73)。
ステップS73においてピック交換コマンドが無い場合は本処理を終了する。一方、ピック交換コマンドが有った場合は、ステップS62以降の処理を実行し、ピック53の交換を行う。
上述の第4のピック交換処理によれば、上述の図10の第2の処理による効果を奏することができると共に、オペレータが任意にピック53の交換を行うことができる。
本第4のピック交換処理において、ピック交換コマンドは、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の両方のピック53の交換を指示するものとしたが、本発明はこれに限らず、例えばピック交換コマンドの種類により第1搬送アーム51又は第2搬送アーム61のいずれか一方のピック53の交換をも指示することができるようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態においては、上述の第1〜第4のピック交換処理を夫々単独で実行可能であるものとしたが、本発明はこれに限らず、上述の第1〜第4のピック交換処理を組み合わせた処理を実行するものとしても良い。例えば、第1のピック交換処理と第2のピック交換処理を組み合わせて、P/C6A〜6D及びL/L室9A,9B内において同時にピック交換をするようにしてもよく、また、第3のピック交換処理と第4のピック交換処理を組み合わせて、P/C6A〜6d及びL/L室9A,9B内において同時にピック交換をするようにしてもよい。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置について説明する。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
図13に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置201は、図1の基板処理装置1に対して、基板処理装置1の基板処理部2及びT/M4が基板処理部202及びT/M203に夫々変更されている点でのみ異なり、同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明は省略し、以下に異なる部分のみ説明する。
基板処理部201は、図13に示すように、図1の基板処理部2に対して、P/C6A〜6Dに加えて、P/C6A〜6Dと同じP/C6E,6Fを備える点で異なる。
また、T/M202は、図1のT/M4に対して、P/C6E,6Fがゲートバルブ5E,5Fを介して夫々接続されるように前後方向の寸法が長く形成されている点、及び、図1の搬送アーム41に対して、一対のガイドレール48及び基板搬送アーム49が一対のガイドレール205及び基板搬送アーム206に変更されている搬送アーム204を備える点で異なる。
ガイドレール205は、前後方向に長く形成されているT/M202に対応して、図1のガイドレール48に比べて前後方向に長く延接されている。また、搬送アーム204は、1関節状のスカラアームタイプであり搬送アーム204がT/M203内を前後に移動することができるようにその後端がT/M203内の略中央部に回転可能に取り付けられている。
この基板処理装置201は、上述の基板処理装置1の第1〜第4のピック交換処理と同様の処理を実行してピック53の交換を行う。
上述のように、本第2の実施の形態に係る基板処理装置201によれば、上述の第1の実施の形態に係る基板処理装置1と同様の効果を奏することができる。加えて、基板処理装置201は、基板処理装置1より多い6個のP/C6A〜6Fを備えるので、同時に半導体ウエハWの基板処理をより多く実行することができ、基板処理装置の基板処理効率を向上させることができる。
上述のように本発明の実施の形態によれば、ピック53の交換を真空状態であるP/C、及びL/L室内で行うことができるので、ピック交換の度にT/M内を大気状態及び真空状態にする処理を繰り返す必要がないので、基板処理装置の稼働率を向上させることができる。
本実施の形態によれば、ピック53と、第1アーム51の第3腕部56及び第2アーム52の第3腕部66とは、ピック53の合せ穴76及びガイド孔77と、第3腕部56,66の凸部83及びガイドピン84とを夫々嵌合させることにより位置決めが行われるので、上述のピック交換処理において第3腕部56,66に対するピック53の位置決めを容易に行うことができ、ピック53の交換を容易に行うことができる。
本実施の形態において、第1搬送アーム51及び第2搬送アーム61の第3腕部56,66、及びピック53の構成は上述のものに限らず、例えば、第3腕部56,66のガイド部85の後端と磁性体86との間に、磁性体86を前方(ピック53の方向)に付勢するバネを配設してもよい。これにより、第1コイル電源102及び第2コイル電源103をOFF状態にした場合に、バネの付勢力によって磁性体86がガイド部85を前端に確実に移動して、ピック53を第3腕部56,66に対して確実に固定することができる。また、合せ孔76、ガイド孔77、凸部83、及びガイドピン84の形状は上述の形状に限るものではない。また、ピック53の材質は上述の材質に限るものではなく、二股部71はセラミック製に限らず例えば、石英製やPTFE(Polytetrafluoroethylene)又はPEEK(Polyetheretherketon)製等の樹脂製であってもよい。
また、本実施の形態におけるピック交換処理は、ピック53の特性、例えば材質によって自動的に変更されるものであってもよく、例えば、ピック53の材質によって、図9のステップS1、図10のステップS21、図11のステップS41、及び図12のステップS61の処理における交換稼働時間Teを変更するものとしてもよい。
また、本実施の形態におけるピックカセット91,95の形状は上述のものに限らず、例えば、ピック載置台93,97をピック53が2個載置可能な形状にして、上述のピック交換処理において同一のピック載置台93,97にて第1搬送アーム51と第2搬送アーム61が同時にピック交換を行うことができる形状であってもよい。
また、本実施の形態において、ピックカセットが収容される装置等は、上述したP/C6やダミーウエハカセット31に限られず、例えば、ピックカセット91,95と同様の構成を有するピックカセットがT/M4,203に収容されていてもよい。この場合、ゲートバルブ5,20の開閉を行うことなく、ピック53を交換することができるので、ゲートバルブの開閉に起因するパーティクルの巻き上げの発生を防止することができ、ピック53へのパーティクルの付着、引いては、半導体ウエハWへのパーティクルの付着を確実に防止することができる。尚、この場合におけるピック交換は、上述した第1乃至4の各ピック交換処理における手順と同様である。
また、本実施の形態における搬送アーム41は上述のものに限らず、例えば、シングルアーム構造であってもよく、フロッグレッグタイプであってもよい。