JP2006099443A - 無線タグ情報通信装置及び無線タグ回路素子カートリッジ - Google Patents

無線タグ情報通信装置及び無線タグ回路素子カートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】複数種類のカートリッジを交換して用いる場合であっても、回路構成を簡素化でき装置全体の小型軽量化及び低コスト化を図る。
【解決手段】無線タグ情報通信装置2は、第1IC回路部151及び第1アンテナ152を備えた無線タグ回路素子Toとカートリッジ識別情報を保持した第2IC回路部151及び第2アンテナ152を備えた無線タグ回路素子Tcとを備えたカートリッジ100を、着脱可能なカートリッジホルダ部と、アンテナ14,19と、第1及び第2アクセス情報を生成する信号処理回路22と、この生成した第1及び第2アクセス情報をアンテナ14,19を介しアンテナ152に送信し、アクセスを行う高周波回路送信部32とを有する
【選択図】 図2

Description

本発明は、無線タグ回路素子の外部より無線通信を介し無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行う無線タグ情報通信装置及びこれに用いる無線タグ回路素子カートリッジに関する。
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
このような無線タグを着脱部品の管理に用いたものとして、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術では、画像形成装置において装置本体に着脱可能に装着される、現像器及びトナーホッパーを含む現像カートリッジ、感光体ドラムと除電手段等を含むプロセスカートリッジにそれぞれ無線タグを設けている。これにより、当該カートリッジを画像形成装置本体側に装着したとき、本体側に設けたリーダライタで無線タグ回路素子より種々の情報を読み出し、誤装着防止や寿命判定を容易に行えるようにしている。
特開2001−22230号公報(段落番号0024〜0068、図5)
ところで、上記したように種々の利用法がある無線タグラベルであるが、この無線タグラベルを作成する際には、例えば所定間隔でテープ長手方向に無線タグ回路素子を設けた帯状のタグテープを備えたカートリッジを装置側のカートリッジホルダ部に装着した後、タグテープロールを駆動してタグテープを繰り出すことで各無線タグ回路素子をテープ長手方向に沿って搬送する。そして、この搬送される際に、各無線タグ回路素子のアンテナに対し、装置側で生成した所定の無線タグ情報を装置側アンテナを介して送信し、無線タグ回路素子のアンテナに接続されたIC回路部の無線タグ情報に順次アクセスする(読み取り又は書き込む)。無線タグ情報が読み取られた又は書き込まれた無線タグ回路素子はその後搬送方向下流側に搬送されて所定長さにラベル状に切断され、無線タグラベルが完成する。
ここで、上記のようにタグテープロールをカートリッジ化して装置側のカートリッジホルダ部に着脱する構造では、消耗品であるタグテープがなくなった場合には、カートリッジごと交換することによって容易かつ手軽にタグテープの補充を行うことができる。また、収納されているタグの大きさや種類の異なる複数のカートリッジを交換して利用することも可能になる。このようなカートリッジを用いる場合、カートリッジ交換後にも無線タグ回路素子との円滑な通信を引き続き確保するためには、通信開始の前に、当該カートリッジに収納されている無線タグ回路素子がどのような種類のものであるか(言い換えればカートリッジの種類はどのようなものであるか)を判別することが好ましい。
そのためには、カートリッジ内のタグテープに備えられた上記複数の無線タグ回路素子(タグラベル用無線タグ回路素子)とは別に、カートリッジ側にカートリッジ識別用無線タグ回路素子を新たに設け、その無線タグ回路素子に当該カートリッジ固有の識別情報を記憶させておくことが考えられる。しかし、上記タグラベル用無線タグ回路素子へのアクセスを行うための回路と、カートリッジ識別用無線タグ回路素子へのアクセスを行うための回路との両方を設ける場合、回路構成が複雑化し、装置全体が大型化するとともに重量増大及び製造コスト高騰を招く。
上記従来技術は、画像形成装置本体に取り付ける複数のカートリッジの状態をモニターするために無線タグを用いたシステムであるに過ぎず、上記のように無線タグラベルそのものの作成において、上記タグラベル作成用のカートリッジの交換やそれによって生じうる上記問題等に配慮したものではなかった。
本発明の目的は、複数種類のカートリッジを交換して用いる場合であっても、それぞれのカートリッジの種別を判定できる上,判定に必要な回路構成を簡素化でき装置全体の小型軽量化及び低コスト化を図れる無線タグ情報通信装置及び無線タグ回路素子カートリッジを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、所定の無線タグ情報を記憶する第1IC回路部及びこの第1IC回路部に接続され情報の送受信を行う第1アンテナを備えたタグラベル用無線タグ回路素子とカートリッジ識別情報を保持した第2IC回路部及びこの第2IC回路部に接続され情報の送受信を行う第2アンテナを備えたカートリッジ識別用無線タグ回路素子とを備えたカートリッジを、着脱可能なカートリッジホルダ部と、前記タグラベル用無線タグ回路素子及び前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子と無線通信を行う装置側アンテナ手段と、前記第1IC回路部の前記無線タグ情報にアクセスする第1アクセス情報と前記第2IC回路部の前記カートリッジ識別情報にアクセスする第2アクセス情報とを生成するアクセス情報生成手段と、このアクセス情報生成手段で生成した前記第1及び第2アクセス情報を、前記装置側アンテナ手段を介して非接触で前記第1及び第2アンテナにそれぞれ送信し、前記第1IC回路部の前記無線タグ情報又は前記第2IC回路部の前記カートリッジ識別情報へのアクセスを行う情報送信手段とを有することを特徴とする。
無線タグラベルを作成するためにカートリッジをカートリッジホルダ部にとりつけると、アクセス情報生成手段で生成された第2アクセス情報が装置側アンテナ手段を介してカートリッジ識別用無線タグ回路素子の第2アンテナに送信され、第2IC回路部のカートリッジ識別情報へのアクセスが行われる。そして、このようにカートリッジが識別されたら、このカートリッジ識別情報を元にして第1アクセス情報がアクセス情報生成手段で生成され、アンテナ手段を介して当該カートリッジに含まれるタグラベル用無線タグ回路素子の第1アンテナに送信され、第1IC回路部の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)が行われる。このように、適宜交換されて使用されるカートリッジの種類を識別しつつそのカートリッジに含まれる無線タグ回路素子を用いて無線タグラベルを作成する際、本願第1発明においては、カートリッジ識別用無線タグ回路素子への第2アクセス情報についても、タグラベル用無線タグ回路素子への第1アクセス情報についても、共通のアクセス情報生成手段で情報生成を行うとともに、装置側アンテナ手段を介し共通の情報送信手段で送信を行う。この結果、それぞれについて別々の回路を用いる場合に比べて、回路構成を簡素化し、装置全体の小型軽量化かつ低コスト化を図ることができる。
第2の発明は、上記第1発明において、前記装置側アンテナ手段は、前記タグラベル用無線タグ回路素子と無線通信を行うタグラベル作成用アンテナと、前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子と無線通信を行うカートリッジ識別用アンテナとを含み、前記情報送信手段を、前記タグラベル作成用アンテナ及び前記カートリッジ識別用アンテナのいずれか一方に選択的に接続する切替接続手段を設けたことを特徴とする。
これにより、カートリッジ識別時には切替接続手段を一方に切り替え、第2アクセス情報を送信手段からカートリッジ識別用アンテナを介し送信して第2IC回路部のカートリッジ識別情報へのアクセスを行うことができ、タグラベル作成時には切替接続手段を他方に切り替え、第1アクセス情報を送信手段からタグラベル作成用アンテナを介し送信して第1IC回路部の無線タグ情報へのアクセスを行うことができる。またアンテナを別々とすることで、互いの通信可能範囲を分けることも可能となる。
第3の発明は、上記第1発明において、前記装置側アンテナ手段は、前記タグラベル用無線タグ回路素子及び前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子のいずれにも無線通信を行う共通のアンテナであることを特徴とする。
これにより、カートリッジ識別時には第2アクセス情報を送信手段から共通のアンテナを介し送信して第2IC回路部のカートリッジ識別情報へのアクセスを行うとともに、タグラベル作成時には第1アクセス情報を送信手段から当該共通のアンテナを介し送信して第1IC回路部の無線タグ情報へのアクセスを行うことができる。
第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記情報送信手段は、前記第1アクセス情報を前記装置側アンテナ手段を介し前記第1アンテナに送信する際と、前記第2アクセス情報を前記装置側アンテナ手段を介し前記第2アンテナに送信する際とで、互いに異なる別の周波数を用いて送信を行うことを特徴とする。
このように別々の通信周波数を用い,無線タグ回路素子側の受信感度を周波数毎に変えておくことで電波を受信する無線タグ回路素子側の受信電力が変わるので、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用無線タグ回路素子にアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用無線タグ回路素子にアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
第5の発明は、上記第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記情報送信手段は、前記第1アクセス情報を前記装置側アンテナ手段を介し前記第1アンテナに送信する際と、前記第2アクセス情報を前記装置側アンテナ手段を介し前記第2アンテナに送信する際とで、互いに異なる別の通信プロトコルを用いて送信を行うことを特徴とする。
このように通信プロトコルを別々に分けることにより、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用無線タグ回路素子にアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用無線タグ回路素子にアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
第6の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記装置側アンテナ手段は複数のアンテナ素子を備えており、これら複数のアンテナ素子による指向性の方向を制御する指向性制御手段を設けたことを特徴とする。
アンテナ指向性を切り替えることで通信可能範囲が大きく変わるので、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用無線タグ回路素子にアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用無線タグ回路素子にアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
第7の発明は、上記第1乃至第6発明のいずれか1つにおいて、前記装置側アンテナ手段による偏波面の方向を制御する偏波面制御手段を有することを特徴とする。
アンテナ偏波面方向を切り替えることで、対象となる無線タグ回路素子側の受信電力が大きく変わるので、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用無線タグ回路素子にアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用無線タグ回路素子にアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
上記目的を達成するために、第8の発明は、所定の無線タグ情報を記憶する第1IC回路部及びこの第1IC回路部に接続され情報の送受信を行う第1アンテナを備えたタグラベル用無線タグ回路素子と、カートリッジ識別情報を保持した第2IC回路部及びこの第2IC回路部に接続され情報の送受信を行う第2アンテナを備えたカートリッジ識別用無線タグ回路素子とが収容され、前記第1及び第2IC回路部の前記無線タグ情報及び前記カートリッジ識別情報にアクセスする無線タグ情報通信装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、前記タグラベル用無線タグ回路素子と前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子とで、アクセス時の通信態様が互いに異なるように構成されたことを特徴とする。
本願第8発明においては、無線タグラベルを作成するためにカートリッジを無線タグ情報通信装置にとりつけると、装置側で生成されたアクセス情報がカートリッジ識別用無線タグ回路素子の第2アンテナに送信され、第2IC回路部のカートリッジ識別情報へのアクセスが行われる。そして、このようにカートリッジが識別されたら、このカートリッジ識別情報を元にして装置側で生成されたアクセス情報が、上記カートリッジ識別情報のアクセス時とは異なる通信態様で、タグラベル用無線タグ回路素子の第1アンテナに送信され、第1IC回路部の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)が行われる。これにより、適宜交換されて使用されるカートリッジの種類を識別しつつそのカートリッジに含まれる無線タグラベルを作成する場合に、カートリッジ識別用無線タグ回路素子への第2アクセス情報とタグラベル用無線タグ回路素子への第1アクセス情報とについて、装置側では、共通のアクセス情報生成手段でアクセス情報生成を行い共通の情報送信手段によりその送信を第1アンテナ又は第2アンテナで行うことが可能となる。この結果、それぞれについて別々の回路を用いる場合に比べて、回路構成を簡素化し、装置全体の小型軽量化かつ低コスト化を図ることができる。
第9の発明は、上記第8発明において、前記タグラベル用無線タグ回路素子と前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子とで、受信感度の周波数特性が互いに異なるように構成されていることを特徴とする。
受信感度の周波数特性を変えておけば,別々の通信周波数を用いることで電波を受信する無線タグ回路素子側の受信電力が変わるので、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用無線タグ回路素子にアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用無線タグ回路素子にアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
第10の発明は、上記第8発明において、前記タグラベル用無線タグ回路素子と前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子とで、アクセス時の通信プロトコルが互いに異なるように構成されていることを特徴とする。
通信プロトコルを別々に分けることにより、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用無線タグ回路素子にアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用無線タグ回路素子にアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
第11の発明は、上記第8発明において、前記タグラベル用無線タグ回路素子と前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子とで、アクセス時の偏波面が互いに異なるように構成されていることを特徴とする。
これにより、通信装置側のアンテナ偏波面方向を切り替えることで、対象となる無線タグ回路素子側の受信電力が大きく変わるので、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用無線タグ回路素子にアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用無線タグ回路素子にアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
第12の発明は、上記第8乃至第11発明のいずれか1つにおいて、前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子は、前記無線タグ情報通信装置との通信範囲内に前記タグラベル用無線タグ回路素子が存在しないように、配置されていることを特徴とする。
カートリッジ識別用無線タグ回路素子と前記無線タグ情報通信装置との通信範囲内に、タグラベル用無線タグ回路素子が存在しないので、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用無線タグ回路素子にアクセスする誤通信をさらに確実に防止することができる。
本発明によれば、複数種類のカートリッジを交換して用いる場合であっても、各々のカートリッジの種別を判定できる上,それに用いる回路構成を簡素化でき装置全体の小型軽量化及び低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図12により説明する。
図1は、本実施形態の無線タグ情報通信装置が適用される無線タグ生成システム(無線タグ情報通信システム)を表すシステム構成図である。この実施形態は、本発明を読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに適用した場合の実施形態である。
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、本実施形態による無線タグ情報通信装置2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
図2は、上記無線タグ情報通信装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
図2において、無線タグ情報通信装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部に、カートリッジ100(無線タグ回路素子カートリッジ)が着脱可能に取り付けられている。
装置本体8は、カートリッジ100を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体9と、カバーフィルム103に所定の印字(印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(この例ではサーマルヘッド)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、カバーフィルム(被印字テープ)103と基材テープ101とを貼り合わせつつ印字済タグラベル用テープ110としてカートリッジ100から繰り出すための圧着ローラ駆動軸(駆動軸)12と、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(タグラベル用無線タグ回路素子、詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行うアンテナ14(タグラベル作成用アンテナ)と、カートリッジ100に備えられる無線タグ回路素子Tc(カートリッジ識別用無線タグ回路素子)との間で上記同様に無線通信により信号の送受を行うアンテナ19(カートリッジ識別用アンテナ)と、上記印字済タグラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルT(詳細は後述)を生成するカッタ15と、上記無線通信による信号送受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ14に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに、切断後のテープ110(=無線タグラベルT)を案内するための一対の搬送ガイド13と、その案内された無線タグラベルTを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、搬出口16における無線タグラベルTの有無を検出するセンサ18とを有する。
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへと、上記アンテナ19を介し上記無線タグ回路素子Tcへ、それぞれアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子To、Tcから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11、テープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、無線タグ情報通信装置2全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス31を介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。
図3は、カートリッジ100の詳細構造を説明するための説明図である。
この図3において、カートリッジ100は、筐体100Aと、この筐体100A内に配置され帯状の上記基材テープ101(タグテープ)が巻回された第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、上記インクリボン105(熱転写リボン、但しカバーフィルムが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする(=テープ送りローラとしても機能する)圧着ローラ107と、上記筐体100Aにおける前記装置本体8側のアンテナ19とほぼ向かい合う位置に設けられた上記無線タグ回路素子Tcとを有する。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。
基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152が一体的に設けられており、これに接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている(上記無線タグ回路素子Tcも同様)。
ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
無線タグ回路素子Tcには、このカートリッジ100の識別情報(以下単にカートリッジ情報と称す。個体それぞれを識別できる情報か若しくは個体は識別できなくてもどの種類のカートリッジであるかがわかる情報。少なくとも収納している無線タグ回路素子Toの種類等の情報が分かる情報であれば足りる)が記憶されている。そして、基材テープ101に備えられる各無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報に対しアンテナ14よりアクセス(ここでは読み取り、後述の変形例では書き込み)を行う前に先立ち、そのカートリッジ情報が読み取られるようになっている(詳細は後述)。
上記構成のカートリッジ100において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
そして、カートリッジ100が上記装置本体8のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Dで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に印字R(後述の図6参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
図4は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、高周波回路21は、制御回路30により切り替えられるアンテナスイッチ(切替)回路341と、このアンテナスイッチ回路341を経てアンテナ14,19を介し無線タグ回路素子To,Tcに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14,19により受信された無線タグ回路素子To,Tcからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
アンテナスイッチ回路341は、周知の高周波用FETやダイオードを用いたスイッチ回路であり、制御回路30からの選択信号によりアンテナ14,19のいずれかを送受分離器34に接続するものである。
送信部32は、制御回路30からの制御信号(搬送波発生指令信号)に応じ、無線タグ回路素子To,TcのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(この例では読み取り、後述の変形例では書き込みも含む)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波(無線タグ情報)を、制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナスイッチ回路341を経てアンテナ14,19のいずれかに伝達されて無線タグ回路素子To,TcのIC回路部151に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部33は、アンテナ14,19により受信された無線タグ回路素子To,Tcからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅する受信第1アンプ43と、この受信第1アンプ43の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ42と、上記アンテナ14,19により受信された無線タグ回路素子To,Tcからの反射波と上記発生された後に位相が90°遅れた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を増幅する受信第2アンプ47と、この受信第2アンプ47の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ46と、を備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態の無線タグ情報通信装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子To,Tcからの反射波の復調が行われる。
図5は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図5において、無線タグ回路素子Toは、無線タグ情報通信装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部151の駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記無線タグ情報通信装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
なお、詳細な図示を省略するが、カートリッジ100に設けられた無線タグ回路素子Tcについても、上記無線タグ回路素子Toと同様の構造であって、IC回路部151及びアンテナ152等が備えられている。
図6(a)及び図6(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報書き込み及び印字済タグラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図6(a)は上面図、図6(b)は下面図である。また図7は、図6中VII−VII′断面による横断面図である。
これら図6(a)、図6(b)、及び図7において、無線タグラベルTは、図3に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図7中上側)よりその反対側(図7中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
図8は、上述したような無線タグ情報通信装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
図8において、この例では、無線タグ回路素子Tcから読み取られたカートリッジ情報に基くタグラベル種別、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。そして、タグ作成時に、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作により無線タグ情報通信装置2が作動されると、後述するように無線タグ回路素子TcのIC回路部151に記憶されたカートリッジ情報を読み取った後、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に予め記憶された物品情報等の無線タグ情報が読みとられる(又はIC回路部151に上記書き込みID及び物品情報等の情報が書き込まれる)。
なお、上記においては、印刷動作に伴い搬送ガイド13を移動中の印字済タグラベル用テープ110に対してアクセスエリア内に保持してアクセス(読み取り又は書き込み)するようにした例を示したが、これに限られず、その印字済タグラベル用テープ110を所定位置で停止させて搬送ガイド13にて保持した状態で上記アクセスを行うようにしてもよい。
また、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTのIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバ4に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
図9は、上述した無線タグラベルTの作成、すなわち、カバーフィルム103を搬送し印字ヘッド10で所定の印字を行いつつ基材テープ101を貼り合わせて印字済タグラベル用テープ110とした後印字済タグラベル用テープ110を無線タグ回路素子Toごとに切断し無線タグラベルTとする際に、制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
この図9において、無線タグ情報通信装置2の読み取り操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS10において、タグアクセスをカートリッジ側に切り替える。具体的には、アンテナスイッチ回路341に選択信号を出力し、アンテナ19が送受分離器34に接続されるようにアンテナスイッチ回路341を切り替える。
次のステップS20では、無線タグ回路素子Tcのメモリ部157(先の図5参照)内に予め記憶された上記カートリッジ情報の読み取り処理を行う(後述の図10参照)。
次のステップS30では、タグアクセスをテープ側に切り替える。具体的には、アンテナスイッチ回路341に選択信号を出力し、アンテナ14が送受分離器34に接続されるようにアンテナスイッチ回路341を切り替える。
その後、ステップS100に移り、上記ステップS20で読み込んだカートリッジ情報に対応した通信態様(周波数帯域、通信プロトコル、送信電力等)により、無線タグ回路素子ToのIC回路部151のメモリ部157の無線タグ情報を読み取ると共にカバーフィルム103に所定の印字を行い、印字済タグラベル用テープ110を無線タグ回路素子Toごとに切断して無線タグラベルTを作成する無線タグラベル作成処理を行い(詳細は後述の図11を参照)、このフローを終了する。
図10は、上述したステップS20の詳細手順を表すフローチャートである。
図10において、まず、ステップS21において、無線タグ回路素子Toからの応答がなく、リトライを行った回数(アクセス試行回数)をカウントする変数Kを0に初期化する。
その後、ステップS22において、予め固定的に決められた所定の通信パラメータ(周波数帯域や通信プロトコル等)を用いて無線タグ回路素子Tcに記憶されたカートリッジ情報を読み出す「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Scroll
All ID」信号が生成されて高周波回路21を介してカートリッジ100の無線タグ回路素子Tcに送信され、返信を促す。
次に、ステップS23において、上記「Scroll All ID」信号に対応してカートリッジ100の無線タグ回路素子Tcから送信されたリプライ信号(カートリッジ情報)をアンテナ19を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む(適宜のメモリに一旦格納してもよい)。
次に、ステップS24において、上記ステップS23で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
判定が満たされない場合はステップS25に移ってKに1を加え、さらにステップS26においてKが予め定められた所定のリトライ回数(この例では3回。それ以外の回数に適宜設定してもよい)となったかどうかが判定される。K≦2の場合は判定が満たされずステップS22に戻り同様の手順を繰り返す。K=3の場合はステップS27に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6に出力して読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、このフローを終了する。このようにして読み取りが不調でも所定回数(この例では3回)までは再試行が行われる。ステップS24の判定が満たされた場合、無線タグ回路素子Tcからのカートリッジ情報の読み取りが完了し、このフローを終了する。
以上のルーチンにより、カートリッジ100に設けられた無線タグ回路素子TcのIC回路部151に記憶されたカートリッジ情報を読み出すことができる。
図11は、上記ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
この図11において、まずステップS105において、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された、印字ヘッド10により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報が通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。
その後、ステップS110において、通信不良等が疑われるときのリトライ回数(アクセス試行回数)をカウントする変数N、及び通信良好か不良かを表すフラグFを0に初期化する。
そして、ステップS115において、カートリッジ駆動回路24に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107を回転駆動させる。これにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され圧着ローラ107へ供給され、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。またこのとき、印刷駆動回路25に制御信号を出力し、印字ヘッド10を通電して、カバーフィルム103のうち所定の領域(例えば基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面に貼り合わせることとなる領域)に、ステップS105で読み込んだ文字、記号、バーコード等の印字Rを印刷させる。さらに送出ローラ駆動回路29を介して送出ローラ用モータ28に制御信号を出力し、送出ローラ17を回転駆動させる。以上の結果、前述したように基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、カートリッジ体100外方向へと搬送される。
その後、ステップS120において、印字済タグラベル用テープ110が所定値C(例えば、対応する印字が施されたカバーフィルム103が貼り合わされた無線タグ回路素子Toが搬送ガイド13に到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定は、例えば、上記基材テープ101に設けた適宜の識別用マークを別途設けた公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる。判定が満たされたら、ステップS200に移る。
ステップS200では、タグ情報読み取り処理を行い、読み込むための問いかけ信号を無線タグ回路素子Toに送信し、無線タグ情報を含む返答信号を受信して読み込む(詳細は後述の図12参照)。このステップS200が終了したらステップS125に移る。
ステップS125では、フラグF=0であるかどうかが判定される。読み取り処理が正常に完了していればF=0のまま(後述の図12に示すフローのステップS280参照)であるので、この判定が満たされ、ステップS130に移る。
ステップS130では、上記ステップS200で無線タグ回路素子Toより読み取られた情報と、これに対応して既に印字ヘッド10により印字された印字情報との組み合わせを、入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し端末5又は汎用コンピュータ6を介して出力され、情報サーバ7やルートサーバ4に記憶される。なお、この記憶データは必要に応じて端末5又は汎用コンピュータ6より参照可能に例えばデータベース内に格納保持される。
その後、ステップS135で、カバーフィルム103のうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する領域への印字がすべて完了させた後、ステップS140へ移る。
なお、先に述べたステップS125において、何らかの理由で読み取り処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図12に示すフローのステップS280参照)のでS125の判定が満たされず、ステップS137に移り、印刷駆動回路25に制御信号を出力して印字ヘッド10の通電を中止し印字を停止させる。このように印字中途停止によって当該無線タグ回路素子Toが正常品でないことを明らかに表示するようにした後、ステップS140へ移る。
ステップS140では、印字済タグラベル用テープ110がさらに所定量(例えば、対象とする無線タグ回路素子To及びこれに対応するカバーフィルム103の印字領域のすべてがカッタ15を所定の長さ(余白量)分越えるだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、前述のステップS120と同様、例えばマーキングをテープセンサで検出することにより行えば足りる。判定が満たされたら、ステップS145に移る。
ステップS145では、カートリッジ駆動回路24及び送出ローラ駆動回路29に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23及び送出ローラ用モータ28の駆動を停止して、リボン巻取りローラ106、圧着ローラ107、送出ローラ17の回転を停止する。これにより、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び送出ローラ17による印字済タグラベル用テープ110の搬送が停止する。
その後、ステップS150でソレノイド駆動回路27に制御信号を出力してソレノイド26を駆動し、カッタ15によって印字済タグラベル用テープ110の切断を行う。前述したように、この時点で、例えば処理対象の無線タグ回路素子To及びこれに対応するカバーフィルム103の印字領域のすべてがカッタ15を十分に越えており、このカッタ15の切断によって、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
その後、ステップS155に移り、送出ローラ用駆動回路29に制御信号を出力し、送出ローラ用モータ28の駆動を再開して、センサ18で無線タグラベルTを検出しなくなるまで送出ローラ17を回転させる。これにより、送出ローラ17による搬送が再開されて上記ステップS150でラベル状に生成された無線タグラベルTが搬出口16へ向かって搬送され、さらに搬出口16から装置2外へと排出される。
図12は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
図12において、まず、ステップS210において、印字済みタグラベル用テープ110の印刷後、情報読み取り対象とする無線タグ回路素子Toがアンテナ14近傍に搬送される。
その後、ステップS220において、前述のカートリッジ情報に基づく所定の通信パラメータ(上記した周波数帯域や通信プロトコル等)に沿う形で無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Scroll
All ID」信号が生成されて高周波回路21を介してアクセス対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
次に、ステップS230において、上記「Scroll All ID」信号に対応してアクセス対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(物品情報やタグ識別情報ID等の無線タグ情報)をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS240において、上記ステップS230で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
判定が満たされない場合はステップS250に移ってNに1を加え、さらにステップS260においてNが予め定められた所定のリトライ回数(この例では5回。それ以外の回数に適宜設定してもよい)となったかどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS270に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31に及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6に出力して読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS280で前述のフラグF=1にし、このフローを終了する。このようにして読み取りが不調でも所定回数(この例では5回)までは再試行が行われる。
ステップS240の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このフローを終了する。
以上のルーチンにより、カートリッジ100内のアクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、IC回路部151の無線タグ情報にアクセスしこれを読み出すことができる。
以上において、無線タグ回路素子ToのIC回路部151及びアンテナ152が、各請求項記載の、第1IC回路部及び第1アンテナを構成し、無線タグ回路素子TcのIC回路部151及びアンテナ152が、各請求項記載の、第2IC回路部及び第2アンテナを構成する。またアンテナ14及びアンテナ19は、タグラベル用無線タグ回路素子及びカートリッジ識別用無線タグ回路素子と無線通信を行う装置側アンテナ手段を構成する。
また、信号処理回路22は、無線タグ回路素子To,TcそれぞれのIC回路部151へアクセスするための第1及び第2アクセス情報(「Scroll All ID」信号、および後述の「Program」信号、「Erase」信号、「Verify」信号等)を生成するアクセス情報生成手段を構成する。また、高周波回路21の送信部32が、アクセス情報生成手段で生成した第1及び第2アクセス情報を、装置側アンテナ手段を介して非接触で第1及び第2アンテナにそれぞれ送信し、第1IC回路部の無線タグ情報又は第2IC回路部のカートリッジ識別情報へのアクセスを行う情報送信手段を構成する。
また、アンテナスイッチ回路341が、情報送信手段を、タグラベル作成用アンテナ及び前記カートリッジ識別用アンテナのいずれか一方に選択的に接続する切替接続手段を構成する。
以上説明したように、本実施形態の無線タグ情報通信装置2においては、無線タグラベルTを作成するためにカートリッジ100をカートリッジホルダ部にとりつけると、図10を用いて説明したように、信号処理回路22で第2アクセス情報としての「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路21を介し無線タグ回路素子Tcに送信され、そのIC回路部151へのアクセスが行われ、リプライ信号をアンテナ19を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込むことで、カートリッジ情報が読みとられる。そして、これによりカートリッジの種類等が識別されたら、それに基づく通信態様によって信号処理回路22で第1アクセス情報としての「Scroll
All ID」信号が生成されて高周波回路21を介し無線タグ回路素子Toに送信され、そのIC回路部151へのアクセスが行われ、リプライ信号をアンテナ19を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込むことで、無線タグ情報(物品情報又はタグID等の無線タグ情報)が読みとられる。
このように、適宜交換されて使用されるカートリッジ100の種類を識別しつつそのカートリッジ100に含まれる無線タグ回路素子Toを用いて無線タグラベルTを作成する際、カートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcへの上記第2アクセス情報についても、タグラベル用の無線タグ回路素子Toへの上記第1アクセス情報についても、共通の信号処理回路22を用いて情報生成を行うとともに、アンテナ14,19を介し共通の高周波回路送信部32で送信を行う。この結果、それぞれについて別々の回路を用いる場合に比べて、回路構成を簡素化し、無線タグ情報通信装置2全体の小型軽量化かつ低コスト化を図ることができる。
またこのとき、カートリッジ識別時にはアンテナスイッチ回路341をアンテナ19側に切り替えて高周波回路送信部32からの上記第2アクセス情報を無線タグ回路素子Tcに送信してカートリッジ情報を読みとり、タグラベルT作成時にはアンテナスイッチ回路341をアンテナ14側に切り替えて高周波回路送信部32からの上記第1アクセス情報を無線タグ回路素子Toに送信して無線タグ情報を読みとる。このようにそれぞれアンテナ14,19を別々とすることで、互いの通信可能範囲を分けることができるので、両方の通信の混信(対象外の無線タグ回路素子が応答する)を回避することができる。
本発明の第2の実施形態を図13〜図15により説明する。本実施形態は、アンテナ手段として共通のアンテナ14を用い、このアンテナ14からの通信プロトコルを切り替えることによって無線タグラベルTを作成するための無線タグ回路素子Toへのアクセスと、カートリッジ情報を読み取るための無線タグ回路素子Tcへのアクセスとの両方を行うものである。上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図13は、本実施形態の無線タグ情報通信装置2の詳細構造を表す概念的構成図であり、上記第1の実施形態の図2に相当する図である。図13において、高周波回路21Aには上記したように共通の(この例では1つの)アンテナ14のみが接続されており(言い換えれば図2のアンテナ19は省略され)、また、無線タグ回路素子Tcがアンテナ14の近傍に配置され、このアンテナ14が、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(タグラベル用無線タグ回路素子)、及びカートリッジ100に備えられる無線タグ回路素子Tc(カートリッジ識別用無線タグ回路素子)との間で、UHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行う。
図14は、上記高周波回路21Aの詳細機能を表す機能ブロック図であり、上
記第1の実施形態の図4に相当する図である。図14に示すように、この高周波回路21Aでは、上記に対応して図4に示したアンテナスイッチ回路31が省略され、送受分離器34はそのまま直接アンテナ14に接続されている。
図15は、本実施形態の無線タグ情報通信装置2に備えられる制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第1の実施形態の図9に対応する図である。図9と同等の手順には同一の符号を付している。
図15において、無線タグ情報通信装置2の読み取り操作が行われるとこのフローが開始され、まずステップS10に代えて設けたステップS10Aにおいて、アンテナ14にて無線による送受信を行うときの通信プロトコルを、予め無線タグ回路素子Tcへの通信用として固定的に決められた所定のものに設定する。
次にステップS20に移り、上記ステップS10Aで設定した通信プロトコルを用いて、前述と同様、無線タグ回路素子Tcのメモリ部157内に予め記憶された上記カートリッジ情報の読み取り処理を行う。
その後、ステップS30に代えて設けたステップS30Aに移り、アンテナ14にて無線による送受信を行うときの通信プロトコルを、上記ステップS20にて取得したカートリッジ情報に対応して定まるもの(無線タグ回路素子Toへの通信用のもの)に切り替えて設定する。なお、この例では、通信プロトコルは、上記のようにカートリッジアクセス用とタグラベル作成用とで設定切り替えを行うが、通信周波数帯域については無線タグ回路素子Toについても無線タグ回路素子Tcについても同一のものとする。なお、通信周波数帯域を切り替えるようにしても良いことは言うまでもない(後述の第3の実施形態を参照)。
その後、上記同様のステップS100に移り、上記ステップS30Aで設定した通信プロトコルを用いて無線タグ回路素子ToのIC回路部151のメモリ部157の無線タグ情報を読み取ると共にカバーフィルム103に所定の印字を行い、印字済タグラベル用テープ110を無線タグ回路素子Toごとに切断して無線タグラベルTを作成する無線タグラベル作成処理を行い、このフローを終了する。
本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、適宜交換されて使用されるカートリッジ100の種類を識別しつつそのカートリッジ100に含まれる無線タグ回路素子Toを用いて無線タグラベルTを作成する際、カートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcへの上記第2アクセス情報についても、タグラベル用の無線タグ回路素子Toへの上記第1アクセス情報についても、共通の信号処理回路22を用いて情報生成を行い共通の高周波回路送信部32で送信を行うことにより、回路構成を簡素化し、無線タグ情報通信装置2全体の小型軽量化かつ低コスト化を図れるという同様の効果を得る。
またこのとき、アンテナ14を介し第1アクセス情報を無線タグ回路素子Toへ送信する際と、アンテナ14を介し第2アクセス情報を無線タグ回路素子Tcへ送信する際とで、通信プロトコルを別々に分けることにより、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用の無線タグ回路素子Toにアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcにアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
なお、上記第1の実施形態のように別々のアンテナ14,19を用いてアクセスを行う場合であっても、この第2の実施形態のようにそれぞれ異なる通信プロトコルを用いて通信を行っても良いことは言うまでもなく、この第2の実施形態と同様、誤通信を確実に防止できる効果を得る。
本発明の第3の実施形態を図16及び図17により説明する。本実施形態は、上記第2の実施形態と同様共通のアンテナ14を用い、このアンテナ14からの通信周波数帯域を切り替えることによって無線タグラベルTを作成するための無線タグ回路素子Toへのアクセスと、カートリッジ情報を読み取るための無線タグ回路素子Tcへのアクセスとの両方を行うものである。上記第2の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図16は、本実施形態の無線タグ情報通信装置2に備えられる高周波回路21Bの詳細機能を表す機能ブロック図であり、上記第2の実施形態の図14に相当する図である。図16に示すように、この高周波回路21Bでは、前述した搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL36、及びVCO37に加え、同様の機能を備えたもう一組の水晶振動子35′、PLL36′、及びVCO37′が設けられている。これらは互いに異なる周波数の帯域の搬送波を発生させるようになっており、例えば、水晶振動子35、PLL36、及びVCO37からは2.45GHzの搬送波を発生可能であり、水晶振動子35′、PLL36′、及びVCO37′からは915MHzの搬送波を発生可能に構成されており、制御回路30からの制御信号に応じて、いずれか一方の搬送波が送信乗算回路38へと選択的に供給されるようになっている。なおこのように水晶振動子、PLL、及びVCOからなるユニット単位でON・OFF切り換えするようにしても良いし、ユニット自体は二組ともON(すなわち搬送波発生状態)にしたままで、両者の出力側に設けた出力選択手段(図示せず)でいずれか一方の搬送波を供給するようにしてもよい。
また上記に応じて、無線タグラベルT作成用の無線タグ回路素子Toとカートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcとで、互いに受信感度の周波数特性が異なっている。すなわち、例えば無線タグ回路素子Toでは2.45GHzの搬送波に対する受信感度が最も大きくなっており、無線タグ回路素子Tcでは915MHzの搬送波に対する受信感度が最も大きくなっている。
図17は、本実施形態の無線タグ情報通信装置2に備えられる制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第2の実施形態の図15に対応する図である。図15と同等の手順には同一の符号を付している。
図17において、無線タグ情報通信装置2の読み取り操作が行われるとこのフローが開始され、まずステップS10Aに代えて設けたステップS10Bにおいて、アンテナ14にて無線による送受信を行うときの通信周波数帯域を、予め無線タグ回路素子Tcへの通信用として固定的に決められた所定のものに設定する(言い換えれば、後述のステップS20のカートリッジ情報読み取り処理において制御回路30が搬送波発生指令信号を出力するのを水晶振動子35′、PLL36′、VCO37′側に設定する。また、水晶発振子35、PLL36及びVCO37が動作しないようにOFF状態にする。)。
次にステップS20に移り、搬送波発生指令信号を水晶振動子35′、PLL36′、及びVCO37′側に出力して上記の例では915MHzの搬送波を出力させ、前述と同様、無線タグ回路素子Tcのメモリ部157内に予め記憶された上記カートリッジ情報の読み取り処理を行う。
その後、ステップS30に代えて設けたステップS30Bに移り、アンテナ14にて無線による送受信を行うときの通信周波数を、上記ステップS20にて取得したカートリッジ情報に対応して定まるものに切り替えて設定する(例えば上記の例では、制御回路30が搬送波発生指令信号を出力するのを水晶振動子35、PLL36、VCO37側に切り替え設定する。また、水晶発振子35′、PLL36′及びVCO37′が動作しないようにOFF状態にする)。なお、この例では、通信周波数帯域は、上記のようにカートリッジアクセス用とタグラベル作成用とで設定切り替えを行うが、通信プロトコルについては無線タグ回路素子Toについても無線タグ回路素子Tcについても同一のものとする。なお、通信プロトコルを切り替えるようにしても良いことは言うまでもない(前述の第2の実施形態を参照)。
その後、上記同様のステップS100に移り、上記ステップS30Bでの設定に応じて、搬送波発生指令信号を水晶振動子35、PLL36、及びVCO37側に出力して上記の例では2.45GHzの搬送波を出力させ、前述と同様、無線タグ回路素子ToのIC回路部151のメモリ部157の無線タグ情報を読み取ると共にカバーフィルム103に所定の印字を行い、印字済タグラベル用テープ110を無線タグ回路素子Toごとに切断して無線タグラベルTを作成する無線タグラベル作成処理を行い、このフローを終了する。
本実施形態においても、上記第2の実施形態と同様、適宜交換されて使用されるカートリッジ100の種類を識別しつつそのカートリッジ100に含まれる無線タグ回路素子Toを用いて無線タグラベルTを作成する際、カートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcへの上記第2アクセス情報についても、タグラベル用の無線タグ回路素子Toへの上記第1アクセス情報についても、共通の信号処理回路22を用いて情報生成を行い共通の高周波回路送信部32′(但し水晶振動子35,35′、PLL36,36′、VCO37,37′を除く)で送信を行うことにより、回路構成を簡素化し、無線タグ情報通信装置2全体の小型軽量化かつ低コスト化を図れるという同様の効果を得る。
またこのとき、アンテナ14を介し第1アクセス情報を無線タグ回路素子Toへ送信する際と、アンテナ14を介し第2アクセス情報を無線タグ回路素子Tcへ送信する際とで、通信周波数帯域を別々に分けることにより、電波を受信する無線タグ回路素子To,Tc側の受信電力が変わるため、無線タグ回路素子To,Tcの片方のみを動作させることが可能になる。この結果、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用の無線タグ回路素子Toにアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcにアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
なお、上記第1の実施形態のように別々のアンテナ14,19を用いてアクセスを行う場合であっても、この第3の実施形態のようにそれぞれ異なる通信周波数帯域を用いて通信を行っても良いことは言うまでもなく、この第3の実施形態と同様、誤通信を確実に防止できる効果を得る。
本発明の第4の実施形態を図18〜図22により説明する。本実施形態は、アンテナ手段として共通のアンテナ(マイクロストリップアンテナ)14′を用い、このアンテナ14′の偏波面(アンテナより発生する信号の電界により形成され、アンテナを含む任意の平面方向に生成される面)を略90°切り替えることによって無線タグラベルTを作成するための無線タグ回路素子Toへのアクセスと、カートリッジ情報を読み取るための無線タグ回路素子Tcへのアクセスとの両方を行うものである。上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図18は、本実施形態の無線タグ情報通信装置2の詳細構造を表す概念的構成図であり、上記第1の実施形態の図2に相当する図である。図18において、高周波回路21Cには上記したように共通の(この例では1つの)上記アンテナ14′が接続されており、このアンテナ14′が、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(タグラベル用無線タグ回路素子)、及びカートリッジ100に備えられる無線タグ回路素子Tc(カートリッジ識別用無線タグ回路素子)との間で、UHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行う。
図19(a)は、上記アンテナ14′の詳細構造を表す側面図であり、図19(b)はその断面図である。これら図19(a)及び図19(b)において、アンテナ14′は、一方側(図中上側)にマイクロストリップアンテナ素子14′Aを備え、他方側(図中下側)に地板14′Bを備え、それらに挟まれるように中間に誘電体14′Cを備えている。
地板14′B及び誘電体14′Cの径方向2箇所にはそれぞれ貫通孔14′Ba,14′Caが備えられている。そして、一端が高周波回路21Cに接続された(後述の図21参照)アンテナ14′への給電線としてのマイクロストリップライン49が偏波面切替スイッチ350(偏波面制御手段)に接続され、さらにこの切替スイッチ350から分岐するように接続された2本の給電線49Aがそれぞれ貫通孔14′Ba,14′Caを介してマイクロストリップアンテナ素子14Aの2箇所に設けた給電点P1,P2へと延設され、接続されている。
図20(a)はマイクロストリップアンテナ素子14′A及び誘電体14C′の上面概略構造を表す斜視図であり、図20(b)は地板14′Bの下面概略構造を表す斜視図である。また図20(c)はアンテナ14′及び高周波回路21Cの電気的接続関係を表す説明図である。
これら図20(a)〜(c)において、上記アンテナ素子14′A上には、前述した2つの給電点Pとして、上記無線タグ回路素子Toへの通信に対応した偏波面をアンテナ14′に生じさせるための第1偏波用給電点P1と、上記無線タグ回路素子Tcへの通信に対応した偏波面をアンテナ14′に生じさせるための第2偏波用給電点P2とが設けられている。
図21は、上記高周波回路21Cの詳細機能を表す機能ブロック図である。この図21及び上記図20(c)に示すように、高周波回路21は、制御回路30からの切替信号により切り替えられる上記偏波面切替スイッチ350を備えている。この偏波面切替スイッチ350は、図20(a)中第1偏波側に切り替えられたときには高周波回路送信部32からの高周波信号を第1偏波用給電点P1に導いて無線タグ回路素子Toとの送受信に好適な第1偏波面を構成する一方、図20(a)中第2偏波側に切り替えられたときには高周波信号を第2偏波用給電点P2に導いて無線タグ回路素子Tcとの送受信に好適な(上記第1偏波面と略直交する)第2偏波面を構成している。
すなわち、一般に、アンテナどうしの無線通信では、両者の偏波面が平行関係にあるときが両者の通信信号の強度が最も大きく、それらが平行でなくなり交差角をもつようになるに従い通信信号の強度が低下していく。この性質を利用し、本実施形態では、上記第1偏波用給電点P1への給電により生じる第1偏波面は、搬送ガイド13にてアクセスエリアに支持された状態での上記無線タグ回路素子Toのアンテナ152による偏波面と略平行でかつ無線タグ回路素子Tcのアンテナ152による偏波面と略直交し、また上記第2偏波用給電点P2への給電により生じる第2偏波面は、搬送ガイド13にてアクセスエリアに支持された状態での上記無線タグ回路素子Toのアンテナ152による偏波面と略直交しかつ無線タグ回路素子Tcのアンテナ152による偏波面と略平行となるように構成されている。
図22は、本実施形態の無線タグ情報通信装置2に備えられる制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第2の実施形態の図15に対応する図である。図15と同等の手順には同一の符号を付している。
図22において、無線タグ情報通信装置2の読み取り操作が行われるとこのフローが開始され、まずステップS10Aに代えて設けたステップS10Cにおいて、偏波面切替スイッチ350に切り替え信号を出力して高周波信号を第2偏波用給電点P2に導くように切り替える。
次にステップS20に移り、上記ステップS10Cの切り替え動作によってアンテナ14′の偏波面を無線タグ回路素子Tcへの通信用に好適な第2偏波面としつつ、前述と同様、無線タグ回路素子Tcのメモリ部157内に予め記憶された上記カートリッジ情報の読み取り処理を行う。
その後、ステップS30に代えて設けたステップS30Cに移り、偏波面切替スイッチ350に切り替え信号を出力して高周波信号を第1偏波用給電点P1に導くように切り替える。
次にステップS100に移り、上記ステップS30Cの切り替え動作によってアンテナ14′の偏波面を無線タグ回路素子Toへの通信用に好適な第1偏波面としつつ、前述と同様、無線タグ回路素子ToのIC回路部151のメモリ部157の無線タグ情報を読み取ると共にカバーフィルム103に所定の印字を行い、印字済タグラベル用テープ110を無線タグ回路素子Toごとに切断して無線タグラベルTを作成する無線タグラベル作成処理を行い、このフローを終了する。
本実施形態においても、上記第2の実施形態と同様、適宜交換されて使用されるカートリッジ100の種類を識別しつつそのカートリッジ100に含まれる無線タグ回路素子Toを用いて無線タグラベルTを作成する際、カートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcへの上記第2アクセス情報についても、タグラベル用の無線タグ回路素子Toへの上記第1アクセス情報についても、共通の信号処理回路22を用いて情報生成を行い、アンテナ14′を介し共通の高周波回路送信部32で送信を行うことにより、回路構成を簡素化し、無線タグ情報通信装置2全体の小型軽量化かつ低コスト化を図れるという同様の効果を得る。
またこのとき、第1アクセス情報を無線タグ回路素子Toへ送信する際と、第2アクセス情報を無線タグ回路素子Tcへ送信する際とで、アンテナ14′の偏波面の方向を別々に切り替えることにより、電波を受信する無線タグ回路素子To,Tc側の受信電力が大きく変わる。すなわち、上述したように無線タグ回路素子Toと無線タグ回路素子Tcの偏波面方向が互いに略直交しており、アンテナ14′より第1偏波面にて送信された場合には無線タグ回路素子Toは大きな電界強度にて受信できるため大きな受信電力を得られるが無線タグ回路素子Tcは極めて小さい電界強度でしか受信できないため小さな受信電力しか得られず、アンテナ14′より第2偏波面にて送信された場合には無線タグ回路素子Tcは大きな電界強度にて受信できるため大きな受信電力を得られるが無線タグ回路素子Toは極めて小さい電界強度でしか受信できないため小さな受信電力しか得られない。この結果、無線タグ回路素子To,Tcの片方のみを動作させることが可能になり、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用の無線タグ回路素子Toにアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcにアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
なお、上記第1の実施形態のように別々のアンテナ14,19を用いてアクセスを行う場合であっても、この第4の実施形態のようにそれぞれ異なる偏波面方向を用いて通信を行っても良いことは言うまでもなく、この第4の実施形態と同様、誤通信を確実に防止できる効果を得る。また,通信プロトコルや通信周波数帯域も同時に切り替えるようにしても良いことは言うまでもない(前述の第2、第3の実施形態を参照)。
本発明の第5の実施形態を図23〜図25により説明する。本実施形態は、アンテナ手段として複数の(この例では3つの)アンテナ素子14A,14B,14Cを備えたいわゆるアレイ型アンテナ14を用い、このアンテナ14の指向性の方向(指向角)を切り替えることによって、無線タグラベルTを作成するための無線タグ回路素子Toへのアクセスと、カートリッジ情報を読み取るための無線タグ回路素子Tcへのアクセスとの両方を行うものである。上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図23は、本実施形態の無線タグ情報通信装置2の詳細構造を表す概念的構成図であり、上記第1の実施形態の図2に相当する図である。図23において、高周波回路21Dには上記したように3つのアンテナ素子14A,14B,14Cが接続されており、これらアンテナ素子14A〜14Cにより、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(タグラベル用無線タグ回路素子)、及びカートリッジ100に備えられる無線タグ回路素子Tc(カートリッジ識別用無線タグ回路素子)との間で、UHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行う。
図24は、上記高周波回路21Dの詳細機能を表す機能ブロック図であり、上記第1の実施形態の図4に相当する図である。図24に示すように、この高周波回路21Dでは、送受信機能を両方備えた上記アンテナ素子14A〜14Cに接続された指向性制御手段としての指向性制御部(フェイズドアレイ制御部あるいはビームフォーミング制御部)211と、指向性制御部211を介しアンテナ素子14A〜14Cより無線タグ回路素子To,Tcに対して信号を送信する送信部212と、アンテナ素子14A〜14Cにより受信された無線タグ回路素子To,Tcからの反射波を入力する受信部213とから構成される。
指向性制御部211は、アンテナ素子14A,14B,14Cに係わる送信波制御ユニット201A,201B,201Cと、アンテナ素子14A,14B,14Cに係わる受信波制御ユニット202A,202B,202Cと、受信波制御ユニット202A,202B,202Cからの出力を加算する加算器203と、送信波制御ユニット201A又は受信波制御ユニット202Aとアンテナ素子14Aとを一方向的に接続する、すなわち送信波制御ユニット201Aからの信号をアンテナ素子14Aに伝送すると同時に、アンテナ素子14Aで受信した信号を受信波制御ユニット202Aに伝送する(例えばサーキュレーダ等からなる、以下同様)送受分離器34Aと、送信波制御ユニット201B又は受信波制御ユニット202Bとアンテナ素子14Bとを一方向的に接続する送受分離器34Bと、送信波制御ユニット201C又は受信波制御ユニット202Cとアンテナ素子14Cとを一方向的に接続する送受分離器34Cとを有する。
送信波制御ユニット201A,201B,201Cは、制御回路30からの送信波制御信号を入力し、この送信波制御信号に含まれる位相制御信号に応じてアンテナ素子14A,14B,14Cにおける送信信号の位相を可変に設定する移相器205A,205B,205Cと、制御回路30からの送信波制御信号に含まれる振幅制御信号を入力しこれに応じて移相器205A,205B,205Cから入力した信号を増幅し上記送受分離器34A,34B,34Cにそれぞれ出力する送信側可変ゲインアンプ206A,206B,206Cとを備えている。
受信波制御ユニット202A,202B,202Cは、制御回路30からの受信波制御信号を入力しこれに応じてアンテナ素子14A,14B,14Cにおける受信信号の位相を可変に設定する移相器207A,207B,207Cと、制御回路30からの受信波制御信号に含まれる振幅制御信号を入力しこれに応じて移相器207A,207B,207Cから入力した信号を増幅し上記加算器203に出力する受信側可変ゲインアンプ208A,208B,208Cとを備えている。なお、送信側可変ゲインアンプ206A,206B,206C及び受信側可変ゲインアンプ208A,208B,208Cの代わりに可変減衰器を用いても良い。
送信部212は、前述した無線タグ回路素子To,TcのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL36、及びVCO37と、上記制御回路30から供給される信号に基づいて搬送波を変調する送信側乗算回路38とを備えている。上記送信側乗算回路38により変調された変調波は上記送信波制御ユニット201A,201B,201Cへ供給され、さらに送受分離器34A,34B,34C及びアンテナ素子14A,14B,14Cを介し無線タグ回路素子To,TcのIC回路部151に供給される。
受信部213は、アンテナ素子14A,14B,14Cで受信され上記受信波制御ユニット202A,202B,202Cを経て加算器203で合算された無線タグ回路素子To,Tcからの反射波と上記送信部212で発生させられた搬送波とを掛け合わせる上記受信第1乗算回路40と、前述した第1バンドパスフィルタ41、第1リミッタ42、及び受信第1アンプ43と、上記受信アンテナ素子14A,14B,14Cで受信され上記受信波制御ユニット202A,202B,202Cを経て加算器203で合算された無線タグ回路素子To,Tcからの反射波と上記送信部212で発生された後に位相が90°遅延された搬送波とを掛け合わせる上記受信第2乗算回路44と、第2バンドパスフィルタ45、第2リミッタ46、及び受信第2アンプ47と、上記RSSI回路48とを備えている。
信号処理回路22は、上述した高周波回路受信部213からの受信信号等を入力した後所定の演算処理を行い、これに応じて変調制御信号を上記送信部212の送信側乗算回路38へ出力する。また制御回路30は、上記信号処理回路22の演算処理結果に応じ上記送信波制御ユニット201A,201B,201C及び受信波制御ユニット202A,202B,202Cへの送信波制御信号、受信波制御信号等を出力する。
本実施形態は、指向性制御の一例として、複数のアンテナ素子14A,14B,14Cによる指向性を一つの方向のみ強くなるよう保持しつつその方向が順次変化するように制御するいわゆるフェイズドアレイ制御あるいはビームフォーミング制御による指向性制御を行うもので、信号受信時には、1つの信号がアンテナ素子14A,14B,14Cに対し角度を持って斜めから伝搬した場合にそれらアンテナ素子14A,14B,14Cでその行路長の差だけ受信電波の位相に差が出ることを利用し、この位相差がなくなり、且つ振幅が同程度の信号になるように受信波制御信号により移相器及び可変ゲインアンプを制御することにより、指向性の方向(=指向角)を所望の方向に向けることができる(また信号送信時にも上記同様の原理で所望の指向角へ信号送信を行うことができる)。特に、本実施形態では、制御回路30がアンテナ素子14A〜Cから成るアレイアンテナの指向角を変化させることで、無線タグ回路素子Toと信号送受を行ったり、無線タグ回路素子Tcと信号授受を行ったりとを切り替えることを最大の特徴としている。
図25は、本実施形態の無線タグ情報通信装置2に備えられる制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第1の実施形態の図9に対応する図である。図9と同等の手順には同一の符号を付している。
図25において、無線タグ情報通信装置2の読み取り操作が行われるとこのフローが開始され、まずステップS10に代えて設けたステップS10Dにおいて、上記アレイ型アンテナ14のアンテナ素子14A〜14Cによる指向角が無線タグ回路素子Tcの方向へ向くように、受信波制御ユニット202A,202B,202Cへの受信波制御信号及び送信波制御ユニット201A,201B,201Cへの送信波制御信号等を出力する。
次にステップS20に移り、上記ステップS10Dで設定した指向性のもと、前述と同様、無線タグ回路素子Tcのメモリ部157内に予め記憶された上記カートリッジ情報の読み取り処理を行う。
その後、ステップS30に代えて設けたステップS30Dに移り、上記アレイ型アンテナ14のアンテナ素子14A〜14Cによる指向角が無線タグ回路素子Toの方向へ向くように、受信波制御ユニット202A,202B,202Cへの受信波制御信号及び送信波制御ユニット201A,201B,201Cへの送信波制御信号等を出力する。
その後、上記同様のステップS100に移り、上記ステップS30Dで設定した指向性の下、無線タグ回路素子ToのIC回路部151のメモリ部157の無線タグ情報を読み取ると共にカバーフィルム103に所定の印字を行い、印字済タグラベル用テープ110を無線タグ回路素子Toごとに切断して無線タグラベルTを作成する無線タグラベル作成処理を行い、このフローを終了する。
本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、適宜交換されて使用されるカートリッジ100の種類を識別しつつそのカートリッジ100に含まれる無線タグ回路素子Toを用いて無線タグラベルTを作成する際、カートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcへの上記第2アクセス情報についても、タグラベル用の無線タグ回路素子Toへの上記第1アクセス情報についても、共通の信号処理回路22を用いて情報生成を行い共通の高周波回路送信部212で送信を行うことにより、回路構成を簡素化し、無線タグ情報通信装置2全体の小型軽量化かつ低コスト化を図れるという同様の効果を得る。
またこのとき、第1アクセス情報を無線タグ回路素子Toへ送信する際と、第2アクセス情報を無線タグ回路素子Tcへ送信する際とで、アンテナ素子14A〜14Cの指向角を別々に切り替えることにより、アンテナ指向性を切り替えることで通信可能範囲が大きく変わる(言い換えれば、通信対象とならない無線タグ回路素子TcまたはToは、その通信範囲内に無線タグ回路素子が存在しないように配置されている)ので、カートリッジ識別時に対象外のタグラベル用の無線タグ回路素子Toにアクセスしたり、タグラベル作成時に対象外のカートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcにアクセスしたり等の、誤通信を確実に防止することができる。
なお、指向角制御は上記のような方式には限られず、例えば寄生素子に与える電圧制御を変化させることでアンテナ14の指向性を制御しても良い。この場合は寄生素子への電圧を制御する手段(例えば制御回路30)が指向性制御手段を構成する。
また、上記第1の実施形態のように別々のアンテナ14,19を用いてアクセスを行う場合であっても、この第5の実施形態のようにそれぞれを複数のアンテナ素子で構成して指向性方向を切り替えて通信を行っても良いことは言うまでもなく、この第5の実施形態と同様、誤通信を確実に防止できる効果を得る。また、通信プロトコルや通信周波数帯域、アンテナの指向性も同時に切り替えるようにしても良いことは言うまでもない(前述の第2乃至第4の実施形態を参照)。
なお、本発明は、上記各実施形態に限られるものではなくその趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1)無線タグ回路素子に情報書き込みを行う場合
上記各実施形態においては、読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に無線タグ情報の書き込みを行う無線タグの生成システムに適用してもよい。
図26は、この変形例における制御回路30で実行する制御手順のうち、例えば図9、図15、図17、図22、図25のステップS100に示した無線タグラベル作成処理手順(この場合は無線タグ情報の書き込み処理手順)を表すフローチャートであり、前述の図11に相当する図である。図11と同等の手順には同一の符号を付している。
図26において、ステップS105は図11と同様であり、この手順が終了した後はステップS110Aに移り、前述の変数N及びフラグFに加え、さらに変数M(詳細は後述)を0に初期化する。
その後、図11と同様のステップS115,S120を経て、ステップS200Aに移る。ステップS200Aでは、タグ情報書き込み処理を行い、書き込むためのメモリ初期化(消去)を行った後、無線タグ情報を無線タグ回路素子Toに送信して書き込む(詳細は後述の図27参照)。このステップS200Aが終了したら図11と同様、ステップS125に移る。
ステップS125では、図11と同様にフラグF=0であるかどうかが判定され、この判定が満たされたら、ステップS130Aに移る。
ステップS130Aでは、上記ステップS200Aで無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド10により印字された印字情報との組み合わせが、入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し端末5又は汎用コンピュータ6を介して出力され、図11のステップS130と同様に例えばルートサーバ4に記憶される。なお、この記憶データは必要に応じて端末5又は汎用コンピュータ6より参照可能に格納保持される。
以降の手順は図11と内容は実質同様であるので、説明を省略する。
図27は、上述のステップS200Aの詳細手順を表すフローチャートである。
この図27において、まず、ステップS310において、公知の適宜の手法で識別番号IDを設定する。
その後、ステップS320において、前述のカートリッジ情報に基づく所定の通信パラメータ(上記した周波数帯域や通信プロトコル等)に沿う形で無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Erase」信号が生成されて高周波回路21を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157を初期化する。
次に、ステップS330において、上記同様所定の通信パラメータに沿ってメモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS340において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS350において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS360に移ってMに1を加え、さらにステップS370においてMが予め定められた所定のリトライ回数(この例では5回。それ以外の回数に適宜設定してもよい)となったかどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS320に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS380に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせる。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。ステップS380が終了すると、ステップS385に移る。ステップS385では、前述のフラグF=1にし、ステップS460に移る。
一方、ステップS350の判定が満たされた場合、ステップS390に移り、上記同様所定の通信パラメータに沿って所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でタグID情報を含むアクセス情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に情報が書き込まれる。
その後、ステップS400において、「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき上記同様所定の通信パラメータに沿って信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS410において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS420において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS430に移ってNに1を加え、さらにステップS440においてNが予め定められた所定のリトライ回数(この例では5回。それ以外の回数に適宜設定してもよい)となったかどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS390に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS380に移り、同様に上記端末5又は汎用コンピュータ6に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS385で前述のフラグF=1にし、このフローを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
一方、ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS450に移り、「Lock」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で上記同様所定の通信パラメータに沿って「Lock」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止される。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了し、前述のようにして無線タグ回路素子Toが排出される。ステップS450が終了したら、このフローを終了する。
以上のルーチンにより、カートリッジ100内のアクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、IC回路部151に所望の無線タグ情報を書き込むことができる。
以上のようにして、本変形例においては、無線タグ情報の書き込みを行う無線タグ生成システムにおいて、上記各実施形態とほぼ同様の効果を得る。
なお、同様な無線タグ情報の書き込みをカートリッジ識別用タグに対して行えば、無線タグラベルTを生成した期日、時間等のアクセス履歴情報や、カートリッジ内の無線タグ回路素子Toの残量を、カートリッジ情報として適宜更新することが可能になる。
(2)貼り合わせを行わない場合
すなわち、上記各実施形態にて説明したように、無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ(基材テープ)101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせるのではなく、タグテープに備えられたカバーフィルムに直接印字を行うタグラベル作成装置用の無線タグ回路素子カートリッジに適用した場合である。
図28は、この変形例のカートリッジ100′の詳細構造を説明するための説明図であり、前述の図3に対応する図である。図3と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図28において、カートリッジ100′は、感熱テープ101′(タグテープ)が巻回された第1ロール(タグテープロール)102′と、この感熱テープ101′をカートリッジ100′外部方向にテープ送りをするテープ送りローラ107′とを有している。
第1ロール102′は、リール部材102a′の周りに、長手方向に複数の上記無線タグ回路素子Toが順次形成された帯状の透明な上記感熱テープ101′を巻回している。
第1ロール102′に巻き回される感熱テープ101′はこの例では3層構造となっており(図28中部分拡大図参照)、外側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、表面に感熱記録層を持つPET(ポリエチレンテレフタラート)等から成るカバーフィルム101a′、適宜の粘着材からなる粘着層101b′、剥離紙101c′の順序で積層され構成されている。
カバーフィルム101′aの裏側には、情報を記憶するIC回路部151が一体的に設けられており、カバーフィルム101′aの裏側の表面には上記アンテナ152が形成されている。カバーフィルム101′aの裏側には、上記粘着層101b′によって上記剥離紙101c′がカバーフィルム101′aに接着されている。
カートリッジ100′が上記無線タグ情報通信装置2のカートリッジホルダ部に装着されローラホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、感熱テープ101′が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、テープ送りローラ107′とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23(図2参照)の駆動力によるテープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴い、テープ送りローラ107′、サブローラ109、及びプラテンローラ108が同期して回転し、第1ロール102′から感熱テープ101′が繰り出される。
この繰り出された感熱テープ101′は、搬送方向下流側の印字ヘッド10へと供給される。印字ヘッド10は、その複数の発熱素子が上記印刷駆動回路25(図2参照)により通電され、これにより感熱テープ101′のカバーフィルム101a′の表面に印字が印刷され、印字済タグラベル用テープ110′として形成された後、カートリッジ100′外へと搬出される。なお、前述の実施形態のようなインクリボンを用いた印字としてもよいことは言うまででもない。
カートリッジ100′外へ搬出した後、前述のアンテナ14を介した無線タグ情報へのアクセス(情報読み取り/書き込み)が行われ、上記実施形態と同様にしてそのときのアクセス履歴情報等がアンテナ19を介しカートリッジ100′に設けた無線タグ回路素子Tcに送信されて記憶される。その後、送出ローラ17による搬送、カッタ15による切断等については上記各実施形態と同様であるので説明を省略する。
本変形例においても、上記各実施形態と同様、回路構成を簡素化し、無線タグ情報通信装置2全体の小型軽量化かつ低コスト化を図れる等の効果を得る。
(3)トレイ型カートリッジを用いる場合
以上においては、無線タグ回路素子カートリッジとして、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが順次形成された帯状の基材テープ101を巻き回す第1ロール102(又は感熱テープ101′を巻き回す第1ロール102′)を備えたカートリッジ100,100′を備えた場合を例にとって説明したが、これに限られず、他のカートリッジの態様でもよい。
図29は、そのような変形例を表す概念的斜視図である。上記各実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
この図29において、この変形例では、無線タグ回路素子カートリッジとして略平箱状のトレイ部材91が設けられている。このトレイ部材91の中に、それぞれに1つの無線タグ回路素子To(タグラベル用無線タグ回路素子)が形成された平紙状の複数のラベル素材92を、平積み方向に積層して収納する。トレイ部材91の一側面(この例では図中奥側)に設けた取り出し口91Aより平紙状のラベル素材92を1枚ずつ引き出すことで、複数の無線タグ回路素子Toを順次取り出せるようになっている。トレイ部材91より取り出した無線タグ回路素子Toは、前述した無線タグ情報通信装置2に備えられたアンテナ14の対向位置に設定され、アクセス(読み取り又は書き込み)が行われる。
トレイ部材91の一側面(この例では図中左側)には無線タグ回路素子Tc(カートリッジ識別用無線タグ回路素子)が設けられている。この無線タグ回路素子Tcは、トレイ部材91を無線タグ情報通信装置2の前記装置本体8の上記カートリッジホルダ部に取り付けた際に、装置本体8に設けられたアンテナ19とほぼ向かい合う位置となるように配設されている。
本変形例においても、無線タグラベルTを作成するためにトレイ部材91をカートリッジホルダ部にとりつけると、上述と同様、信号処理回路22で「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路21を介し無線タグ回路素子Tcに送信されそのIC回路部151へのアクセスが行われ、リプライ信号がアンテナ19を介し受信され、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込まれることでカートリッジ情報が読みとられる。そして、これによりカートリッジ種類(言い換えれば無線タグ回路素子Toの種類)等が識別されたら、それに基づく通信態様によって信号処理回路22で「Scroll
All ID」信号が生成されて高周波回路21を介し無線タグ回路素子Toに送信されそのIC回路部151へのアクセスが行われ、リプライ信号がアンテナ14を介し受信され、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込まれることで無線タグ情報(物品情報又はタグID等の無線タグ情報)が読みとられる。
これにより、上記各実施形態同様、適宜交換されて使用されるトレイ部材91の種類を識別しつつそのトレイ部材91に含まれる無線タグ回路素子Toを用いて無線タグラベルTを作成する際、カートリッジ識別用の無線タグ回路素子Tcへの上記第2アクセス情報についても、タグラベル用の無線タグ回路素子Toへの上記第1アクセス情報についても、共通の信号処理回路22を用いて情報生成を行うとともに、アンテナ14,19を介し共通の高周波回路送信部32で送信を行う。この結果、それぞれについて別々の回路を用いる場合に比べて、回路構成を簡素化し、無線タグ情報通信装置2全体の小型軽量化かつ低コスト化を図ることができるという上記実施形態と同様の効果を得る。
(4)その他
以上においては、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ110をカッタ15で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ15で切断しなくても、テープが排出口16から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良い。
また、既に述べた以外にも、上記第1〜第5の実施形態による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
なお、以上で用いた「Scroll
All ID」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定したAuto−ID仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の各実施形態の無線タグ情報通信装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。 本発明の第1実施形態の無線タグ情報通信装置の詳細構造を表す概念的構成図である。 カートリッジの詳細構造を説明するための説明図である。 高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。 無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。 無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。 図6中VII−VII′断面による横断面図である。 無線タグ情報へのアクセスに際して、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。 制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 図9に示したステップS20の詳細手順を表すフローチャートである。 図9に示したステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。 図11に示したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の無線タグ情報通信装置の詳細構造を表す概念的構成図である。 高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。 制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の無線タグ情報通信装置に備えられる高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。 制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態の無線タグ情報通信装置の詳細構造を表す概念的構成図である。 アンテナの詳細構造を表す側面図及び断面図である。 アンテナの構造を表す分解斜視図、及び、アンテナと高周波回路の電気的接続関係を表す説明図である。 高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。 制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態の無線タグ情報通信装置の詳細構造を表す概念的構成図である。 高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。 制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 無線タグ回路素子に情報書き込みを行う変形例における制御回路で実行する無線タグラベルの作成手順を表すフローチャートである。 図26に示したステップS200Aの詳細手順を表すフローチャートである。 貼り合わせを行わない変形例のカートリッジの詳細構造を説明するための説明図である。 トレイ状のカートリッジを用いる変形例を表す概念的斜視図である。
符号の説明
2 無線タグ情報通信装置
14 アンテナ(タグラベル作成用アンテナ;共通のアンテナ;装置側アンテナ手段)
14′ アンテナ(装置側アンテナ手段;共通のアンテナ)
14A〜C アンテナ素子
19 アンテナ(カートリッジ識別用アンテナ、装置側アンテナ手段)
22 信号処理回路(アクセス情報生成手段)
32 送信部(情報送信手段)
91 トレイ部材(無線タグ回路素子カートリッジ)
100 カートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)
100′ カートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)
151 IC回路部
152 アンテナ
211 指向性制御部(指向性制御手段)
341 アンテナスイッチ回路(切替接続手段)
350 偏波面切替スイッチ(偏波面制御手段)
Tc 無線タグ回路素子(カートリッジ識別用無線タグ回路素子)
To 無線タグ回路素子(タグラベル用無線タグ回路素子)

Claims (12)

  1. 所定の無線タグ情報を記憶する第1IC回路部及びこの第1IC回路部に接続され情報の送受信を行う第1アンテナを備えたタグラベル用無線タグ回路素子とカートリッジ識別情報を保持した第2IC回路部及びこの第2IC回路部に接続され情報の送受信を行う第2アンテナを備えたカートリッジ識別用無線タグ回路素子とを備えたカートリッジを、着脱可能なカートリッジホルダ部と、
    前記タグラベル用無線タグ回路素子及び前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子と無線通信を行う装置側アンテナ手段と、
    前記第1IC回路部の前記無線タグ情報にアクセスする第1アクセス情報と前記第2IC回路部の前記カートリッジ識別情報にアクセスする第2アクセス情報とを生成するアクセス情報生成手段と、
    このアクセス情報生成手段で生成した前記第1及び第2アクセス情報を、前記装置側アンテナ手段を介して非接触で前記第1及び第2アンテナにそれぞれ送信し、前記第1IC回路部の前記無線タグ情報又は前記第2IC回路部の前記カートリッジ識別情報へのアクセスを行う情報送信手段とを有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  2. 請求項1記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記装置側アンテナ手段は、前記タグラベル用無線タグ回路素子と無線通信を行うタグラベル作成用アンテナと、前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子と無線通信を行うカートリッジ識別用アンテナとを含み、
    前記情報送信手段を、前記タグラベル作成用アンテナ及び前記カートリッジ識別用アンテナのいずれか一方に選択的に接続する切替接続手段を設けたことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  3. 請求項1記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記装置側アンテナ手段は、前記タグラベル用無線タグ回路素子及び前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子のいずれにも無線通信を行う共通のアンテナであることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記情報送信手段は、前記第1アクセス情報を前記装置側アンテナ手段を介し前記第1アンテナに送信する際と、前記第2アクセス情報を前記装置側アンテナ手段を介し前記第2アンテナに送信する際とで、互いに異なる別の周波数を用いて送信を行うことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記情報送信手段は、前記第1アクセス情報を前記装置側アンテナ手段を介し前記第1アンテナに送信する際と、前記第2アクセス情報を前記装置側アンテナ手段を介し前記第2アンテナに送信する際とで、互いに異なる別の通信プロトコルを用いて送信を行うことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記装置側アンテナ手段は複数のアンテナ素子を備えており、
    これら複数のアンテナ素子による指向性の方向を制御する指向性制御手段を設けたことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記装置側アンテナ手段による偏波面の方向を制御する偏波面制御手段を有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  8. 所定の無線タグ情報を記憶する第1IC回路部及びこの第1IC回路部に接続され情報の送受信を行う第1アンテナを備えたタグラベル用無線タグ回路素子と、
    カートリッジ識別情報を保持した第2IC回路部及びこの第2IC回路部に接続され情報の送受信を行う第2アンテナを備えたカートリッジ識別用無線タグ回路素子とが収容され、前記第1及び第2IC回路部の前記無線タグ情報及び前記カートリッジ識別情報にアクセスする無線タグ情報通信装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、
    前記タグラベル用無線タグ回路素子と前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子とで、アクセス時の通信態様が互いに異なるように構成されたことを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
  9. 請求項8記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
    前記タグラベル用無線タグ回路素子と前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子とで、受信感度の周波数特性が互いに異なるように構成されていることを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
  10. 請求項8記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
    前記タグラベル用無線タグ回路素子と前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子とで、アクセス時の通信プロトコルが互いに異なるように構成されていることを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
  11. 請求項8記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
    前記タグラベル用無線タグ回路素子と前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子とで、アクセス時の偏波面が互いに異なるように構成されていることを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
  12. 請求項8乃至11のいずれか1項記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
    前記カートリッジ識別用無線タグ回路素子は、前記無線タグ情報通信装置との通信範囲内に前記タグラベル用無線タグ回路素子が存在しないように、配置されていることを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
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