JP2006097656A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2006097656A
JP2006097656A JP2004287754A JP2004287754A JP2006097656A JP 2006097656 A JP2006097656 A JP 2006097656A JP 2004287754 A JP2004287754 A JP 2004287754A JP 2004287754 A JP2004287754 A JP 2004287754A JP 2006097656 A JP2006097656 A JP 2006097656A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal member
scroll
concave groove
groove
wrap portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004287754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4303182B2 (ja
Inventor
Shingo Miyake
信吾 三宅
Yoshie Tsujimi
佳恵 辻見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004287754A priority Critical patent/JP4303182B2/ja
Publication of JP2006097656A publication Critical patent/JP2006097656A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4303182B2 publication Critical patent/JP4303182B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】 ラップ部の凹溝内を伝わる圧縮流体の漏洩を防止すると共に、加工性を向上させる。
【解決手段】 固定スクロール1と旋回スクロール9のラップ部3,11には凹溝5,13を形成し、この凹溝5,13内には各シール部材6を装着する。また、シール部材6と凹溝5,13との間には、底部8Aと側面部8B,8Cとからなる充填部材8を設け、この充填部材8を用いてシール部材6の底面6Aと凹溝5,13の底面5A,13Aとの間およびシール部材6の側面6B,6Cと凹溝5,13の側壁面5B,5C,13B,13Cとの間の隙間を埋める。これにより、圧縮空気が凹溝5,13内に侵入するのを防止することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば空気圧縮機や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械は、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールとによって構成されている。また、この種の従来技術によるスクロール式流体機械では、旋回スクロールおよび固定スクロールのラップ部には該ラップ部の歯先に沿って渦巻状に延びる凹溝が設けられると共に、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接するシール部材が装着されている。
このとき、第1の従来技術として、シール部材のうち凹溝の底面側および壁面側に切込み加工によるリップを形成し、該リップに圧縮流体を導くことによって、シール部材を相手方の歯底面に強く摺接させた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、リップは、シール部材の長さ方向に対して複数箇所に形成され、高圧側の圧縮室から低圧側の圧縮室に向けて凹溝に沿って圧縮流体が漏洩するのを防止していた。
また、第2の従来技術として、シール部材を相手方の歯底面に強く摺接されるために、凹溝の底面とシール部材との間にゴム、エラストマ等の弾性部材を挿入した構成も知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開平8−93669号公報 特開平7−109981号公報 特開2002−5056号公報
ところで、上述した第1の従来技術によるスクロール式流体機械では、シール部材に形成されたリップを用いて凹溝に沿った圧縮流体の漏洩を防止していた。しかし、シール部材に用いる通常の樹脂材料(例えば耐熱性の樹脂材料等)では、比較的硬質な材料を用いるから、切込み加工によって形成されたリップがシール部材から拡開せず、リップの先端が凹溝の底面に接触しないことがある。この結果、凹溝内を伝わって圧縮流体が漏洩するときでも、この圧縮流体の漏洩をリップによって防止できないという問題がある。また、シール部材に切込み加工を施すと共に、全てリップを拡開させる必要があるから、加工時間が長くなり、生産性が低下するという問題もある。特に、固定スクロール、旋回スクロールの外径が例えば10cm以下の小型のスクロール式流体機械にあっては、ラップ部およびシール部材の幅寸法は1〜2mm程度になることがあり、リップを加工するのは極めて困難になっていた。
一方、第2の従来技術によるスクロール式流体機械では、凹溝の底面とシール部材との間に弾性部材を挿入する構成となっているから、第1の従来技術に比べて加工性、生産性は向上する。しかし、この場合には、シール部材と凹溝の底面、側壁面との間に隙間が形成される傾向があるから、これらの隙間を通じて圧縮流体が漏洩し、圧縮効率が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ラップ部の凹溝内を伝わる圧縮流体の漏洩を防止すると共に、加工性を向上することができるスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された一方のスクロールと、該一方のスクロールに対向して設けられ鏡板に該一方のスクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するために内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された他方のスクロールと、前記一方のスクロールと他方のスクロールとのラップ部のうち少なくとも一方のラップ部に設けられ該ラップ部の歯先面に開口した凹溝と、該凹溝内に設けられ相手方の歯底面に摺接するシール部材とを備えてなるスクロール式流体機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記凹溝の底面および側壁面と前記シール部材との間には、前記凹溝とシール部材との間の隙間を埋める弾性的な充填部材を設ける構成としたことにある。
また、請求項2の発明では、前記シール部材は、前記凹溝から突出した突出部を有し、前記充填部材は、前記シール部材に沿って凹溝から溢出し前記ラップ部の歯先面とシール部材の突出部の側面との間を埋める鍔部を備える構成としている。
請求項1の発明によれば、凹溝の底面および側壁面とシール部材との間には弾性的な充填部材を設けたから、該充填部材を用いて凹溝とシール部材との間の隙間を埋めることができる。このため、凹溝内に圧縮流体が進入することがなくなるから、凹溝内を伝わる圧縮流体の漏洩を確実に防止することができ、圧縮効率を高めることができる。また、充填部材の材料を適宜選択することによって、例えばゲル状、液状の充填部材を凹溝内に注入した後に、シール部材を凹溝内に挿入し、充填部材を硬化させることができる。このため、シール部材に切込み加工等を施す必要がなく、加工性、生産性を向上することができる。また、充填部材に接着性の樹脂材料を用いることができるから、充填部材を用いて凹溝内にシール部材を接着、固定することができ、2つのスクロールを対向させた状態で組付けるとき等の組立時にシール部材が凹溝から脱落することがなく、組立性、信頼性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、充填部材は、シール部材に沿って凹溝から溢出してラップ部の歯先面とシール部材の突出部の側面との間を埋める鍔部を備えるから、シール部材が相手方の歯底面に摺接してラップ部の歯先面と相手方の歯底面との間に隙間が生じるときでも、この隙間を充填部材の鍔部で埋めることができる。このため、ラップ部の歯先面と相手方の歯底面との隙間を通じて圧縮流体が漏洩するのを鍔部を用いて防止することができ、圧縮効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて添付図面に従って詳述する。
ここで、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示し、図において、1はスクロール式空気圧縮機のケーシング(図示せず)に取付けられた固定スクロールで、該固定スクロール1は、その中心が後述する駆動軸14の軸線O1−O1と一致するように配設された円板状の鏡板2と、該鏡板2の歯底面2Aに軸方向に向けて立設された渦巻状のラップ部3と、鏡板2の外周側に位置して該ラップ部3を囲むように筒状に形成された支持部4とによって大略構成されている。
また、固定スクロール1のラップ部3は、図2に示すように最内径端を巻始め端として最外径端を巻終り端とし、内径側から外径側に向けて例えば3巻前,後の渦巻状に巻回されている。このとき、ラップ部3の歯先面3Aは、図3に示すように、後述する旋回スクロール9の歯底面10Aから隙間寸法Cをもって僅かに離間している。
5はラップ部3の歯先面3Aに開口して形成された凹溝で、該凹溝5は、ラップ部3の幅方向中間部に位置して横断面が略コ字状をなすように形成されている。また、凹溝5の底面5Aおよび左,右の側壁面5B,5Cは、ラップ部3の渦巻形状に沿ってその巻始め端から巻終り端まで延びている。そして、凹溝5内には後述のシール部材6が装着され、相手方となる旋回スクロール9の歯底面10Aとの間をシールするようになっている。
6はラップ部3の凹溝5内に装着されたシール部材で、該シール部材6は、凹溝5の長手方向に沿って例えば3巻前,後の渦巻状に伸長する。そして、シール部材6は、例えば耐熱性、耐摩耗性、摺動性に優れた弾性樹脂材料として、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)またはポリスルフォン(PSF)等を用いて形成され、横断面が略四角形状をなす長尺のチップシールを構成している。
また、シール部材6は、その底面6A、側面6B,6Cが凹溝5の底面5A、側壁面5B,5Cにそれぞれ対向している。このとき、シール部材6の幅寸法は凹溝5の幅寸法よりも小さく形成され、シール部材6の側面6B,6Cと凹溝5の側壁面5B,5Cとの間には後述の充填部材8が充填可能となっている。さらに、シール部材6の底面6Aと凹溝5の底面5Aとの間にも充填部材8が充填されると共に、シール部材6の一部は、凹溝5内から突出した突出部7をなしている。そして、突出部7は、その先端面7Aが相手方となる旋回スクロール9の歯底面10Aに摺接している。一方、突出部7の左,右の側面7B,7Cは、ラップ部3の歯先面3Aと旋回スクロール9の歯底面10Aとの間の隙間に露出している。
8はシール部材6と凹溝5との間に充填された充填部材で、該充填部材8は、シリコン樹脂、フッ素樹脂からなる弾性接着剤、シーリング材、ゲル状エラストマ、ポッティング材の一部等を用いて形成されている。そして、充填部材8に例えばGE東芝シリコーン株式会社製の接着シール材TSE392−Cを用いた場合には、充填部材8は塗布後に硬化する接着性を有するから、充填部材8を用いてシール部材6を凹溝5内に接着、固定することができる。このとき、充填部材8は硬化後には弾性を有するから、充填部材8を用いてシール部材6を相手方の旋回スクロール9の歯底面10Aに向けて弾性的に押圧することができる。
また、充填部材8は、シール部材6の底面6Aと凹溝5の底面5Aとの間に位置する底部8Aと、該底部8Aの幅方向両側から凹溝5の開口側に向けて延びシール部材6の側面6B,6Cと凹溝5の側壁面5B,5Cとの間に位置する側面部8B,8Cとを有し、断面略コ字状をなしている。そして、充填部材8の側面部8B,8Cは、その先端側が例えば凹溝5の開口端近傍まで延び、圧縮空気がシール部材6と凹溝5との間に進入するのを防止している。
9は固定スクロール1に対向してケーシング内に旋回可能に設けられる旋回スクロールで、該旋回スクロール9は、図1に示す如く表面側が歯底面10Aとなって円板状に形成された鏡板10と、該鏡板10の歯底面10Aから固定スクロール1の鏡板2に向けて軸方向に立設され、該固定スクロール1のラップ部3と同様に渦巻状に形成されたラップ部11と、鏡板10の背面側中央に設けられたボス部12とによって構成されている。そして、ボス部12は、後述する駆動軸14のクランク14Aに回転可能に取付けられている。
ここで、旋回スクロール9のラップ部11は、固定スクロール1のラップ部3と同様に、内径側から外径側に向けて例えば3巻前,後の渦巻状に巻回され、その歯先面11A側には図3に示すように、横断面がコ字形状をなし底面13Aおよび側壁面13B,13Cを有する凹溝13が形成されている。そして、旋回スクロール9側の凹溝13にも、固定スクロール1側の凹溝5と同様に、シール部材6が接着性の充填部材8を用いて装着されている。このため、シール部材6と凹溝13との間にも、底部8Aと側面部8B,8Cとを有する充填部材8が充填されている。
14はケーシングに回転自在に設けられる駆動軸で、該駆動軸14は、図1に示すように先端側がケーシング内に延びるクランク14Aとなっている。このとき、クランク14Aは、その軸線O2−O2が駆動軸14の軸線O1−O1に対して所定寸法εだけ偏心している。そして、駆動軸14のクランク14Aには、旋回スクロール9のボス部12が旋回軸受15を介して旋回可能に取付けられている。これにより、旋回スクロール9は、駆動軸14の回転駆動したときに、自転防止機構(図示せず)によってその自転が防止された状態で旋回運動する。
また、固定スクロール1と旋回スクロール9とは、軸線O1−O1に対して軸線O2−O2を寸法εだけ偏心した状態で、旋回スクロール9のラップ部11が固定スクロール1のラップ部3に対し重ね合わせるように配設される。これにより、旋回スクロール9を固定スクロール1に対して旋回させたときに、その旋回に応じて各ラップ部3,11間に容積が変化する複数の圧縮室16,16,…が画成される。
17,18は固定スクロール1に形成された吸込ポート,吐出ポートをそれぞれ示し、吸込ポート17は、最外径側の圧縮室16と連通するように鏡板2の外周側に穿設され、吐出ポート18は、最内径側の圧縮室16と連通するように鏡板2の中心部に穿設されている。
本実施例によるスクロール式空気圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次に、接着性を有する充填部材8を用いてシール部材6をラップ部11に取付けるときの取付方法について図4ないし図6を参照しつつ説明する。なお、ここではシール部材6を旋回スクロール9のラップ部11に取付ける場合について説明するが、固定スクロール1のラップ部3に取付ける場合も同様である。
まず、図4に示すように、ラップ部11の凹溝13内には、塗布後に湿気、熱、紫外線等に反応して硬化する液状またはゲル状の充填部材8を塗布する。その後、シール部材6を凹溝13内に挿入する。
次に、図5に示すように、旋回スクロール9には、ラップ部11の周囲に位置して一端側が鏡板10の歯底面10Aに当接した状態で例えば円筒状のスペーサ19を取付ける。このとき、スペーサ19の高さ寸法は、ラップ部11の高さ寸法(鏡板10からの突出寸法)に比べて僅かに(例えば、0.2〜0.5mm程度)大きな値に設定されている。これにより、スペーサ19は、シール部材6の突出寸法を調整する突出寸法調整部材を構成している。
次に、図6に示すように、スペーサ19の開口端側(他端側)を平板状の蓋部材20を用いて閉塞し、充填部材8が硬化するまでこの状態で放置する。これにより、シール部材6を凹溝13の底面13A側に向けて押付けることができると共に、シール部材6のうち相手方の歯底面2Aに摺接する摺接面をシール部材6の全長に亘ってほぼ平面状に揃えることができる。また、シール部材6を一定の突出寸法をもって凹溝13内から突出させることができ、突出部7を形成することができる。
最後に、充填部材8が硬化した後に、スペーサ19および蓋部材20を取外す。このとき、充填部材8は、蓋部材20を用いてシール部材6を凹溝13内に押付けたときに、シール部材6と凹溝13との間の隙間に進入し、この状態で硬化する。このため、充填部材8は、シール部材6の底面6Aと凹溝13の底面13Aとの間に位置する底部8Aと、シール部材6の側面6B,6Cと凹溝13の側壁面13B,13Cとの間に位置する側面部8B,8Cとを有し、底部8Aおよび側面部8B,8Cによって断面略コ字状に形成されるものである(図3参照)。
次に、本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の作動について説明する。
まず、ケーシングの外部からモータ等の駆動源(図示せず)によって駆動軸14を回転駆動すると、この回転は駆動軸14のクランク14Aから旋回軸受15を介して旋回スクロール9に伝えられ、旋回スクロール9は駆動軸14の軸線O1−O1を中心にして寸法εの旋回半径をもった旋回運動を行う。
そして、この旋回運動によって各ラップ部3,11の間に画成される圧縮室16,16,…は周辺側から中央側に向けて連続的に縮小し、吸込ポート17から吸込んだ空気を順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ポート18から外部のエアタンク(図示せず)等に向けて吐出する。
ここで、圧縮運転が開始されると、ラップ部3(11)の内径側の圧縮室16は外径側の圧縮室16に比べて高圧となるから、圧縮室16内の圧縮空気の一部は凹溝5(13)内を通じて外周側に向けて漏洩する傾向がある。このとき、図7に示す第1の比較例のように、例えばシール部材6と凹溝5の底面5Aとの間に断面形状が円形または楕円形の弾性部材21を挿入したときには、図7中の(a)に示すように、シール部材6と凹溝5の側壁面5B,5Cとの間に隙間が生じると共に、底面5Aの角隅側にも隙間が生じる。このため、圧縮空気はこれらの隙間を通じて漏洩するから、圧縮効率が低下すると共に、隙間に侵入した圧縮空気によってシール部材6が相手方の歯底面10Aに強く押付けられる。このため、耐久試験を行うと、シール部材6には弾性部材21による押付け力に加えて、圧縮空気による押付け力が作用し、シール部材6が早期に磨耗する。この結果、図7中の(b)に示すように、弾性部材21と凹溝5との隙間が拡大して圧縮空気の漏洩が増大し、さらに圧縮効率の低下、シール部材6の磨耗増大等の不具合が生じる。
また、図8に示す第2の比較例のように、例えばシール部材6と凹溝5の底面5Aとの間に断面形状が凹溝5の形状に近い四角形の弾性部材22を挿入したときには、凹溝5の底面5A近傍での圧縮空気の漏洩は防止することができる。しかし、この場合でも、図8中の(a)に示すように、シール部材6と凹溝5の側壁面5B,5Cとの間に隙間が生じるから、圧縮空気はこの隙間を通じて漏洩する。また、耐久試験を行うと、弾性部材22による押付け力によってシール部材6が磨耗すると共に、その後はシール部材6と凹溝5の側壁面5B,5Cとの隙間を通じて漏洩する圧縮空気によってシール部材6が磨耗する。この結果、図8中の(b)に示すように、シール部材6と弾性部材22との間および弾性部材22と凹溝5との間に隙間が生じ、圧縮空気の漏洩が増大する等の不具合が生じる。
これに対し、本実施の形態では、シール部材6と充填部材8との間および充填部材8と凹溝5(13)の底面5A(13A)、側壁面5B,5C(13B,13C)との間は接着しているから、凹溝5(13)内に圧縮空気が侵入することがなく、凹溝5(13)内を通じた圧縮空気の漏洩を防止することができる。また、耐久試験を行った場合でも、シール部材6の突出部7は、相手方との摺接面で初期磨耗が生じるものの、圧縮空気の漏洩に伴う押付け力がシール部材6には作用しないから、その後はシール部材6の磨耗が生じることがなく、シール部材6の寿命を延長することができる。
かくして、本実施の形態では、凹溝5(13)の底面5A(13A)および側壁面5B,5C(13B,13C)とシール部材6との間には弾性的な充填部材8を設けたから、該充填部材8を用いて凹溝5(13)とシール部材6との間の隙間を埋めることができる。このため、凹溝5(13)内に圧縮空気が侵入することがなくなるから、凹溝5(13)内を伝わる圧縮空気の漏洩を確実に防止することができ、圧縮効率を高めることができる。また、シール部材6には切込み加工等を施す必要がないから、リップ等を加工する場合に比べて、加工性、生産性を向上することができる。また、充填部材8に接着性の樹脂材料を用いることができるから、充填部材8を用いて凹溝5(13)内にシール部材6を接着、固定することができ、例えば固定スクロール1に旋回スクロール9を組付けるとき等の組立時にシール部材6が凹溝5(13)から脱落することがなく、組立性、信頼性を高めることができる。
次に、図9は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、充填部材の一部をシール部材に沿って凹溝から溢出させ、ラップ部の歯先面とシール部材の突出部の側面との間を埋める鍔部を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31はシール部材6と凹溝5(13)との間に充填された本実施の形態による充填部材で、該充填部材31は、第1の実施の形態による充填部材8とほぼ同様に、シリコン樹脂、フッ素樹脂からなる弾性接着剤、シーリング材、ゲル状エラストマ、ポッティング材の一部等を用いて形成されている。そして、充填部材31として接着性および硬化後の弾性を有するものを使用したときには、シール部材6を凹溝5(13)内に接着、固定することができると共に、シール部材6を相手方の歯底面10A(2A)に向けて弾性的に押圧することができる。
また、充填部材31は、シール部材6の底面6Aと凹溝5(13)の底面5A(13A)との間に位置する底部31Aと、該底部31Aの幅方向両側から凹溝5(13)の開口側に向けて延びシール部材6の側面6B,6Cと凹溝5B,5C(13B,13C)との間に位置する側面部31B,31Cとを有し、断面略コ字状をなしている。
また、側面部31B,31Cの先端には、凹溝5(13)から突出してラップ部3(11)の歯先面3A(11A)とシール部材6の突出部7の側面7B,7Cとの間を埋める鍔部31D,31Eが設けられている。この場合、シール部材6を凹溝5(13)内に装着する前に、第1の実施の形態に比べて充填部材31の塗布量を増加させる。これにより、シール部材6を凹溝5(13)内に装着したときに、充填部材31が凹溝5(13)から溢出す(はみ出す)から、充填部材31のうち溢出した部分によって鍔部31D,31Eが形成される。そして、充填部材31の側面部31B,31Cおよび鍔部31D,31Eは、圧縮空気がシール部材6と凹溝5との間に進入するのを防止している。
かくして、このように構成される本実施例でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、充填部材31の一部がシール部材6に沿って凹溝5(13)から溢出し、ラップ部3(11)の歯先面3A(11A)とシール部材6の突出部7の側面7B,7Cとの間を埋める鍔部31D,31Eを設けたから、シール部材6が相手方の歯底面10A(2A)に摺接してラップ部3(11)の歯先面3A(11A)と相手方の歯底面10A(2A)との間に隙間が生じるときでも、この隙間を充填部材31の鍔部31D,31Eで埋めることができる。このため、ラップ部3(11)の歯先面3A(11A)と相手方の歯底面10A(2A)との隙間を通じて圧縮空気が漏洩するのを鍔部31D,31Eを用いて防止することができ、圧縮効率を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、充填部材8,31は、シール部材6の幅方向両側に位置する側面部8B,8C,31B,31Cを有する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図10に示す変形例のように、シール部材6が凹溝5(13)の幅方向一側(例えば、側壁面5C,13C側)に片寄せした状態で配置されたときには、充填部材8′は、シール部材6と凹溝5(13)の幅方向他側(例えば、側壁面5B,13B側)にのみ側面部8B′を有する構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、固定スクロール1側のラップ部3と旋回スクロール9側のラップ11とにそれぞれ凹溝5,13を形成し、これらの凹溝5,13内に充填部材8,31を用いてシール部材6を装着するものとして述べたが、これに替えて、固定スクロール1のラップ部3と旋回スクロール9のラップ部11のうち、いずれか一方のラップ部にのみシール部材、充填部材を設けるようにしてもよい。
また、前記各実施の形態では、固定スクロール1と旋回スクロール9とを用いた場合を例に挙げて説明したが、例えば互いに対向した2つのスクロールがいずれも回転する両回転型のスクロール式流体機械に適用してもよい。
さらに、前記各実施の形態では、スクロール式流体機械をスクロール式空気圧縮機として用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等に適用してもよい。
本発明の第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の固定スクロール、旋回スクロールおよびシール部材等を示す縦断面図である。 固定スクロール、旋回スクロールおよびシール部材等を図1中の矢示II−II方向からみた横断面図である。 ラップ部の凹溝、シール部材および充填部材を図2中の矢示III−III方向から拡大してみた部分拡大断面図である。 図1中のシール部材を旋回スクロールに装着する前の状態を示す分解斜視図である。 旋回スクロールにスペーサおよび蓋部材を取付ける状態を示す図1と同様位置からみた分解断面図である。 スペーサおよび蓋部材を用いてシール部材を旋回スクロールに装着する状態を示す拡大断面図である。 第1の比較例によるラップ部の凹溝、シール部材および弾性部材を示す図3と同様の部分拡大断面図である。 第2の比較例によるラップ部の凹溝、シール部材および弾性部材を示す図3と同様の部分拡大断面図である。 第2の実施の形態によるラップ部の凹溝、シール部材および充填部材を示す図3と同様の部分拡大断面図である。 変形例によるラップ部の凹溝、シール部材および充填部材を示す図3と同様の部分拡大断面図である。
符号の説明
1 固定スクロール
2,10 鏡板
2A,10A 歯底面
3,11 ラップ部
3A,11A 歯先面
5,13 凹溝
5A,13A 底面
5B,5C,13B,13C 側壁面
6 シール部材
7 突出部
7B,7C 側面
8,31 充填部材
8A,31A 底部
8B,8C,31B,31C 側面部
31D,31E 鍔部
9 旋回スクロール
16 圧縮室

Claims (2)

  1. 鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された一方のスクロールと、該一方のスクロールに対向して設けられ鏡板に該一方のスクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するために内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された他方のスクロールと、前記一方のスクロールと他方のスクロールとのラップ部のうち少なくとも一方のラップ部に設けられ該ラップ部の歯先面に開口した凹溝と、該凹溝内に設けられ相手方の歯底面に摺接するシール部材とを備えてなるスクロール式流体機械において、
    前記凹溝の底面および側壁面と前記シール部材との間には、前記凹溝とシール部材との間の隙間を埋める弾性的な充填部材を設ける構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記シール部材は、前記凹溝から突出した突出部を有し、
    前記充填部材は、前記シール部材に沿って凹溝から溢出し前記ラップ部の歯先面とシール部材の突出部の側面との間を埋める鍔部を備える構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
JP2004287754A 2004-09-30 2004-09-30 スクロール式流体機械 Expired - Fee Related JP4303182B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004287754A JP4303182B2 (ja) 2004-09-30 2004-09-30 スクロール式流体機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004287754A JP4303182B2 (ja) 2004-09-30 2004-09-30 スクロール式流体機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006097656A true JP2006097656A (ja) 2006-04-13
JP4303182B2 JP4303182B2 (ja) 2009-07-29

Family

ID=36237698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004287754A Expired - Fee Related JP4303182B2 (ja) 2004-09-30 2004-09-30 スクロール式流体機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4303182B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103388491A (zh) * 2012-05-07 2013-11-13 阿耐思特岩田株式会社 涡旋流体机械
US20140119970A1 (en) * 2012-10-31 2014-05-01 Hitachi Industrial Equipment Systmes Co., Ltd. Scroll Fluid Machine
US9353746B2 (en) 2009-08-14 2016-05-31 Edwards Limited Scroll pump
US9353748B2 (en) 2009-08-14 2016-05-31 Edwards Limited Scroll pump having tip seal containing engaging portions intermediate nonengaging portions that interface with a scroll base
WO2016135900A1 (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
US9938975B2 (en) 2011-03-29 2018-04-10 Edwards Limited Scroll compressor including seal with axial length that is greater than radial width

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9353746B2 (en) 2009-08-14 2016-05-31 Edwards Limited Scroll pump
US9353748B2 (en) 2009-08-14 2016-05-31 Edwards Limited Scroll pump having tip seal containing engaging portions intermediate nonengaging portions that interface with a scroll base
US9938975B2 (en) 2011-03-29 2018-04-10 Edwards Limited Scroll compressor including seal with axial length that is greater than radial width
CN103388491A (zh) * 2012-05-07 2013-11-13 阿耐思特岩田株式会社 涡旋流体机械
JP2013234579A (ja) * 2012-05-07 2013-11-21 Anest Iwata Corp スクロール流体機械
US9657736B2 (en) 2012-05-07 2017-05-23 Anest Iwata Corporation Scroll fluid machine
CN103388491B (zh) * 2012-05-07 2017-11-24 阿耐思特岩田株式会社 涡旋流体机械
US20140119970A1 (en) * 2012-10-31 2014-05-01 Hitachi Industrial Equipment Systmes Co., Ltd. Scroll Fluid Machine
US9133846B2 (en) * 2012-10-31 2015-09-15 Hitachi Industrial Equipment Systems Co., Ltd. Scroll fluid machine having a sealed compression chamber
WO2016135900A1 (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP4303182B2 (ja) 2009-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4303182B2 (ja) スクロール式流体機械
US7293969B2 (en) Tip seal in a scroll fluid machine
JP4499606B2 (ja) スクロール式流体機械
JP4728231B2 (ja) ポンプ
JP4949824B2 (ja) スクロール式流体機械
JPH11280676A (ja) スクロール式流体機械
JP4847054B2 (ja) スクロール式流体機械
JPH1047266A (ja) スクロール式流体機械
JP2010144522A (ja) スクロール圧縮機
JP2008057465A (ja) スクロール式流体機械
JP4291089B2 (ja) スクロール式流体機械
JP2000073969A (ja) スクロール式流体機械
JP4671830B2 (ja) スクロール式流体機械
JPH09250466A (ja) スクロール式流体機械
JP2000314383A (ja) スクロール流体機械
JP3768610B2 (ja) スクロール式流体機械
JPH0526187A (ja) スクロール式流体機械
JP3583546B2 (ja) スクロール式流体機械
JPH09256973A (ja) スクロール式流体機械
JP3338568B2 (ja) スクロール式流体機械
JP3338560B2 (ja) スクロール式流体機械
JP4335599B2 (ja) スクロール式流体機械
JPH0932757A (ja) スクロール式流体機械
JPS6217391A (ja) スクロ−ル圧縮機
JP3155390B2 (ja) スクロール式流体機械

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees