JPH0932757A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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Publication number
JPH0932757A
JPH0932757A JP20525195A JP20525195A JPH0932757A JP H0932757 A JPH0932757 A JP H0932757A JP 20525195 A JP20525195 A JP 20525195A JP 20525195 A JP20525195 A JP 20525195A JP H0932757 A JPH0932757 A JP H0932757A
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JP
Japan
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peripheral end
scroll
seal member
end side
wrap portion
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Pending
Application number
JP20525195A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Mihara
宏之 三原
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
Yuji Komai
裕二 駒井
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
Shingo Miyake
信吾 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP20525195A priority Critical patent/JPH0932757A/ja
Publication of JPH0932757A publication Critical patent/JPH0932757A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各圧縮室を良好にシールできて圧縮性能を向
上させることができ、安定した運転性能を確保できるよ
うにする。 【解決手段】 チップシール21は外周端22側から内
周端23側に向けて、基材に対する配合材の配合割合を
漸次変化させつつ一体形成される。そして、チップシー
ル21は内周端23側では高い硬度をもって耐摩耗性に
優れ、外周端22側では柔軟性に富み、シール性に優れ
るようにする。これにより、チップシール21の各部分
に、各圧縮室Rの圧縮状態に応じてそれぞれ適当な硬度
(耐摩耗性)、耐熱性、弾性(柔軟性)等をもたせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機
や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ
部が立設された固定スクロールと、該固定スクロールに
対向して設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールの
ラップ部との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻き
状のラップ部が立設された旋回スクロールとを備え、該
旋回スクロールと固定スクロールとのラップ部のうち少
なくとも一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿っ
て延びる凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に
摺接するシール部材を装着してなるスクロール式流体機
械は、例えば実開平3−11101号公報等によって、
広く知られている。
【0003】ここで、この種の従来技術によるスクロー
ル式流体機械を図7ないし図10に基づき空気圧縮機と
して用いた場合を例に挙げて述べる。
【0004】図において、1はスクロール式空気圧縮機
のケーシングの一部を構成する固定スクロールを示し、
該固定スクロール1は大略有蓋筒状に形成されたケーシ
ング本体(図示せず)の開口端側を施蓋するように、こ
の開口端側に固着されている。そして、該固定スクロー
ル1は、例えばアルミニウム合金等から形成され、その
中心が後述の駆動軸13の軸線O1-O1 と一致するよう
に配設された円板状の鏡板2と、該鏡板2の歯底面2A
に立設された渦巻状のラップ部3と、前記鏡板2の外周
側に位置し、該ラップ部3を囲むように筒状に形成され
た支持部4とから大略構成されている。
【0005】また、該固定スクロール1のラップ部3は
図8に示す如く、内周側が巻始め端となり外周側が巻終
り端となって、例えば3巻半前後の渦巻状に形成されて
いる。そして、該ラップ部3の歯先3Aは、図9に示す
ように、後述する旋回スクロール7の歯底面8Aから微
小なクリアランスCをもって離間されている。
【0006】5はラップ部3の歯先3A側に形成された
凹溝を示し、該凹溝は図9に示す如く、ラップ部3の歯
先3A側においてその幅方向中間部に、断面コ字状をな
すように形成され、該凹溝5の底面5Aおよび左,右の
側面5B,5Cはラップ部3の渦巻き形状に沿ってその
巻始め端から巻終り端まで延びている。そして、該凹溝
5内には後述のチップシール6が装着され、相手方とな
る旋回スクロール7の歯底面8Aとの間をシールするよ
うになっている。
【0007】6はラップ部3の凹溝5内に装着されたシ
ール部材としてのチップシールを示し、該チップシール
6は、例えば弾性樹脂材料等により横断面が四角形状を
なす長尺のチップシールとして、その外周端側6Aから
内周端側6Bに亘って一体形成され、該凹溝5の長さ方
向に沿って渦巻状に伸長する。
【0008】ここで、該チップシール6は図9に示す如
く、凹溝5の底面5Aに当接する受圧面としての下側面
6Cと、該下側面6Cと上下方向で対向し相手方の歯底
面8Aに摺接する上側面6Dと、渦巻状をなすチップシ
ール6の径方向内側および外側に位置する内側面6Eお
よび外側面6Fとから構成されている。そして、該チッ
プシール6は、下側面6Cを凹溝5の底面5Aに当接す
るように内,外側面6E,6Fが凹溝5内に僅かな隙間
をもって挿入され、凹溝5の底面5Aから相手方となる
旋回スクロール7の歯底面8Aに向けて浮上可能となっ
ている。
【0009】7は固定スクロール1に対向して前記ケー
シング本体内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを
示し、該旋回スクロール7は例えばアルミニウム合金等
から形成され、表面側が歯底面8Aとなって円板状に形
成された鏡板8と、該鏡板8の歯底面8Aから固定スク
ロール1の鏡板2に向けて立設され、固定スクロール1
のラップ部3と同様に渦巻状に形成されたラップ部9
と、鏡板8の背面中央に設けられたボス部10とから構
成され、該ボス部10は後述する駆動軸13のクランク
13Aに回転可能に取付けられている。
【0010】ここで、該旋回スクロール7のラップ部9
についても図8に示す如く、固定スクロール1のラップ
部3と同様に例えば3巻半前後の渦巻状に形成され、そ
の歯先9A側には、底面11Aおよび左,右の側面11
B,11Cから横断面コ字状をなす凹溝11が形成され
ている。
【0011】12は固定スクロール1側のチップシール
6と同様に形成されたシール部材としての他のチップシ
ールを示し、該チップシール12はその外周端側12A
から内周端側12Bに亘って一体形成され、前記凹溝1
1内に装着されている。また、該チップシール12は凹
溝11の底面11Aに当接する下側面12Cと、相手方
の歯底面2Aに摺接する上側面12Dと、内側面12E
および外側面12Fとによって構成されている。
【0012】13は前記ケーシング本体に回転自在に設
けられる駆動軸を示し、該駆動軸13は先端側がケーシ
ング本体内に延びるクランク13Aとなり、該クランク
13Aはその軸線O2-O2 が駆動軸13の軸線O1-O1
に対して所定寸法δだけ偏心している。そして、該駆動
軸13のクランク13A内には、旋回スクロール7のボ
ス部10が旋回軸受14を介して旋回可能に取付けら
れ、旋回スクロール7には自転防止機構(図示せず)等
を介して旋回運動が与えられる。
【0013】ここで、旋回スクロール7のラップ部9は
固定スクロール1のラップ部3に対して周方向に所定角
度だけずらして重ね合わせるように配設され、図8に示
すように、ラップ部3,9間には三日月状をなす複数の
圧縮室R,R,…が画成される。そして、旋回スクロー
ル7を固定スクロール1に対して旋回させた時に、該各
圧縮室Rはその容積が連続的に縮小され、後述の吸込ポ
ート15から吸込んだ空気を順次圧縮するようになって
いる。
【0014】15,16は固定スクロール1に形成され
た吸込ポート、吐出ポートを示し、該吸込ポート15は
最外周側の圧縮室Rと連通するように鏡板2の外周側に
穿設され、吐出ポート16は、最内周側の圧縮室Rと連
通するように鏡板2の中心部に穿設されている。
【0015】従来技術によるスクロール式空気圧縮機は
上記の如き構成を有するもので、次にその作動について
述べる。
【0016】まず、ケーシングの外部からモータ等の駆
動源(図示せず)によって駆動軸13を回転駆動する
と、この回転は該駆動軸13のクランク13Aから旋回
軸受14を介して旋回スクロール7に伝えられ、該旋回
スクロール7は駆動軸13の軸線O1-O1 を中心にして
寸法δの旋回半径をもった旋回運動を行う。
【0017】そして、この旋回運動によって各ラップ部
3,9の間に画成される各圧縮室Rは中央に向けて連続
的に縮小し、吸込ポート15から吸込んだ空気を順次圧
縮しつつ、この圧縮空気を吐出ポート16から外部のエ
アタンク(図示せず)等に向けて吐出する。
【0018】ここで、圧縮運転が開始されると、ラップ
部3(9)の凹溝5(11)内には図10に示す矢示A
方向に高圧側(ラップ部3,9の内周端側)の圧縮室R
から圧縮空気の一部が侵入し、チップシール6(12)
は受圧面となる下側面6C(12C)でこの圧縮空気の
圧力を受圧することにより、凹溝5(11)から浮上
し、対向する鏡板8(2)の歯底面8A(2A)に向け
て押圧される。これにより、該チップシール6(12)
は上側面6D(12D)が相手方の歯底面8A(2A)
に摺接し、ラップ部3,9間に画成される各圧縮室Rを
気密にシールする。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術のスクロール式空気圧縮機において、ラップ部3
(9)と相手方の歯底面8A(2A)との間をシール
し、各圧縮室Rを密閉するチップシール6(12)は、
その外周端側6A(12A)から内周端側6B(12
B)に亘り単に同一材料によって形成しているに過ぎな
いため、下記のような問題が生じる。
【0020】即ち、固定スクロール1と旋回スクロール
7との間に形成される各圧縮室Rはその容積がチップシ
ール6(12)の外周端側6A(12A)から内周端側
6B(12B)に向けて順次小さくなり、これらの圧縮
室R内に密閉した空気は、内周端側6B(12B)ほど
高圧に圧縮されているから、チップシール6(12)は
内周端側6B(12B)ほど強い力で歯底面8A(2
A)へ押付けられた状態で摺接することになり、内周端
側6B(12B)が早期に摩耗し易いという問題があ
る。
【0021】一方、チップシール6(12)全体を硬質
の樹脂等によって形成し、耐摩耗性等を高めようとする
と、チップシール6(12)の外周端側6A(12A)
では各圧縮室R内の圧力(空気圧)が低く、チップシー
ル6(12)を歯底面8A(2A)に対して押付ける力
が比較的弱いために、シール性が不十分となり易く、チ
ップシール6(12)の外周端側6A(12A)でシー
ル性を確保するのが難しくなるという問題がある。
【0022】これに対し、実開平2−124201号公
報に記載のスクロール圧縮機(以下、他の従来技術とい
う)では、チップシールをその内周側部分と外周側部分
とに分割し、内周側部分を外周側部分よりも熱膨張率が
小さく、耐摩耗性の高い材料で形成することが提案され
ている。
【0023】しかし、この他の従来技術では、内周側部
分と外周側部分とを接着等によって単に接合しているに
過ぎないために、スクロール圧縮機の運転途中で、チッ
プシールの内周側部分と外周側部分とが熱膨張の差等に
よって接合部に剥離が生じる可能性があり、内周側部分
と外周側部分とが完全に分離してしまうと、この分離箇
所で圧縮空気等が漏洩し、シール性や圧縮性能が低下す
るという問題がある。本発明は上述した従来技術の問題
に鑑みなされたもので、本発明は各圧縮室間をシール部
材により長期に亘ってシールでき、シール部材の耐久性
や寿命を確実に延ばすことができる上に、安定した圧縮
性能を確保できるようにしたスクロール式流体機械を提
供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立
設された固定スクロールと、該固定スクロールに対向し
て設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ
部との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻き状のラ
ップ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回ス
クロールと固定スクロールとのラップ部のうち少なくと
も一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延び
る凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接す
るシール部材を装着してなるスクロール式流体機械に適
用される。
【0025】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記シール部材を、渦巻き状をなす該シ
ール部材の外周端側から内周端側に向け漸次硬度が高く
なるように形成したことにある。
【0026】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、前記シール部材を複数の材料を混合して成形すると
共に、該シール部材の外周端側と内周端側とで材料の配
合割合を変える構成としてもよい。
【0027】また、請求項3に記載の発明のように、前
記シール部材を外周端側と内周端側とで添加剤の割合を
変える構成としてもよい。
【0028】さらに、請求項4に記載の発明のように、
前記シール部材を外周端側から内周端側に亘って複数個
に分割され互いに硬度が異なるシール分割体によって構
成し、該各シール分割体の端部には、他のシール分割体
の端部に係合する係合部を設けてもよい。
【0029】一方、請求項5に記載の発明が採用する構
成の特徴は、前記シール部材を、渦巻き状をなす該シー
ル部材の外周端側から内周端側に向けて耐熱限界温度が
漸次高くなるように形成してなる構成としたことにあ
る。
【0030】また、請求項6に記載の発明が採用する構
成の特徴は、前記シール部材を、渦巻き状をなす該シー
ル部材の外周端側から内周端側に向けて線膨張率が漸次
小さくなるように形成してなる構成としたことにある。
【0031】さらに、請求項7に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記シール部材を、渦巻き状をなす該シ
ール部材の外周端側から内周端側に向けて密度が漸次高
くなるように形成してなる構成としたことにある。
【0032】さらにまた、請求項8に記載の発明が採用
する構成の特徴は、前記シール部材を、渦巻き状をなす
該シール部材の外周端側から内周端側に向けて引張り強
度が漸次高くなるように形成してなる構成としたことに
ある。
【0033】
【作用】請求項1に記載の発明では、渦巻き状をなす該
シール部材の外周端側から内周端側に向け漸次硬度が高
くなるようにシール部材を形成しているから、シール部
材の内周端側に高圧が作用して、相手方の歯底面に強く
摺接するようなときでも、シール部材の内周端側を高硬
度に形成することによって耐摩耗性を確実に高めること
ができる。そして、シール部材の外周端側を低硬度に形
成することにより柔軟性を与えることができ、低い圧力
が作用するときでも外周端側を相手方の歯底面に柔軟性
をもって摺接させることができる。
【0034】この場合、請求項2に記載の発明では、前
記シール部材を複数の材料を混合して成形すると共に、
該シール部材の外周端側と内周端側とで材料の配合割合
を変える構成としたから、シール部材の途中に接続部等
を設けることなく外周端側と内周端側とに互いに異なっ
た性質(耐摩耗性,弾性等)をもたせることができ、外
周端側,内周端側等の位置に応じてそれぞれ適当な性質
を有するシール部材を一体形成することができる。
【0035】また、請求項3に記載の発明では、前記シ
ール部材を外周端側と内周端側とで添加剤の割合を変え
る構成としたから、ベース(基材)に対する添加剤の割
合を変化させることにより、シール部材の途中に接続部
等を設けることなく外周端側と内周端側とに互いに異な
った性質をもたせることができる。
【0036】さらに、請求項4に記載の発明では、前記
シール部材を複数個の互いに硬度が異なるシール分割体
によって構成し、該各シール分割体の端部には、他のシ
ール分割体の端部に係合する係合部を設けたから、複数
個のシール分割体を連結することにより、シール部材を
外周端側から内周端側に亘って段階的に硬度が高くなる
ように一体的に構成することができる。
【0037】一方、請求項5に記載の発明では、前記シ
ール部材を外周端側から内周端側に向けて耐熱限界温度
が漸次高くなるように形成したから、高温にさらされる
シール部材の内周端側を高い耐熱限界温度を有するよう
に形成することができる。また、請求項6に記載の発明
では、前記シール部材を外周端側から内周端側に向けて
線膨張率が漸次小さくなるように形成したから、高温に
さらされるシール部材の内周端側をより小さい熱膨張率
を有するように形成することができ、シール部材の内周
端側が高温により熱膨張してシール性が低下するのを防
止することができる。
【0038】さらに、請求項7に記載の発明では、前記
シール部材を外周端側から内周端側に向けて密度が漸次
高くなるように形成したから、高圧にさらされるシール
部材の内周端側をより高い密度を有するように形成する
ことができ、シール部材の内周端側の耐摩耗性を高める
ことができる。
【0039】さらにまた、請求項8に記載の発明では、
前記シール部材を外周端側から内周端側に向けて引張り
強度が漸次高くなるように形成したから、相手方の歯底
面に対して強く押圧された状態で摺動するシール部材の
内周端側をより高い引張り強度を有するように形成する
ことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例によるスク
ロール式流体機械を、図1ないし図6基づき空気圧縮機
として用いた場合を例に挙げて説明する。なお、本実施
例では従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略するものとする。
【0041】ここで、図1は本発明の第1の実施例を示
している。
【0042】図において、21は本実施例によるシール
部材としてのチップシールを示し、該チップシール21
は従来技術におけるチップシール6(12)に替えて凹
溝5(11)に装着される。そして、該チップシール2
1の構成はチップシール6(12)とほぼ同様に横断面
が四角形状をなして構成され、凹溝5の底面5Aに当接
する受圧面としての下側面21Aと、該下側面21Aと
上下方向で対向し相手方の歯底面8Aに摺接する上側面
21Bと、渦巻き状をなすチップシール21の径方向内
側および外側に位置する内側面21Cおよび外側面21
Dとから構成されている。
【0043】ここで、チップシール21は例えば圧縮成
形等の手段によって材料粉末を押し固めることにより、
図11に示すように外周端22側から内周端23側へ向
けて渦巻き状に伸長するように形成されている。そし
て、前記材料粉末としてはベースとなる基材に、例えば
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す)
を用い、これに混合する配合材(添加材)として、例え
ば内周端23側ではカーボンファイバー(以下、CFと
略す)を混合し、外周端22側では液晶ポリマー(以
下、LCPと略す)を混合させている。
【0044】即ち、PTFE(基材)に対するCF,L
CP(配合材)の配合割合は、内周端23側から外周端
22側へ向けて配合材であるCFの割合を連続的に減少
させ、逆に配合材であるLCPの割合を連続的に増加さ
せるように配合し、外周端22側の端部においては配合
材をLCPのみから構成するようにしている。
【0045】この結果、チップシール21は外周端22
側から内周端23側に向けて硬度が漸次高くなると共
に、耐熱限界温度、密度および引張り強度等も同様に外
周端22側から内周端23側に向けて漸次高くなる構成
となっている。また、チップシール21の線膨張率(熱
膨張率)については、内周端23側が最小となるように
外周端22側から内周端23側に向けて漸次小さくなる
構成としている。
【0046】なお、一般的に、PTFEは自己潤滑性、
耐摩耗性にすぐれた樹脂であるのに対し、CFは剛性、
耐熱性において基材であるPTFEより優れており、ま
た、LCPは耐熱性、耐摩耗性が高い上に、CFよりも
特に弾性(柔軟性)において優れた材料であることが知
られている。
【0047】本実施例によるスクロール式空気圧縮機
は、上述の如き構成を有するもので、その基本動作につ
いては従来技術のものと格別差異はない。
【0048】然るに、本実施例によれば、チップシール
21を外周端22側から内周端23側に向けて、基材と
なるPTFEに対する配合材CF、LCPの配合割合を
漸次連続的に変化させるようにして圧縮成形等の手段で
一体形成し、外周端22側から内周端23側に向けてチ
ップシール21の硬度を連続的に高くする構成としてい
るから、圧縮状態が互いに異なる各圧縮室Rに応じて該
チップシール21の各部分にそれぞれ適当な硬度(耐摩
耗性)、耐熱性、および弾性等を付与でき、下記のよう
な作用効果をもたせることができる。
【0049】即ち、チップシール21は、外周端22側
から内周端23側に向け配合材となるCFの割合を徐々
に増加させるようにしているから、チップシール21の
内周端23側では漸次硬度および耐熱限界温度を高くし
て耐摩耗性や耐熱性を向上させることができ、高温、高
圧の圧縮空気にさらされるチップシール21の内周端2
3側で十分なシール性と耐久性等を確保できる。
【0050】一方、チップシール21の内周端23側か
ら外周端22側に向けて、配合材LCPの割合を徐々に
増加させ、チップシール21の外周端22側では実質的
に配合材をLCPのみから形成しているので、チップシ
ール21には外周端22側に向けて漸次大きな弾性(柔
軟性)を与えることができ、チップシール21の外周端
22側で圧縮室Rからの圧力が低い状態であっても、チ
ップシール21の外周端22側を相手方の歯底面8A
(2A)に柔軟性をもって摺接させることができる。
【0051】さらに、チップシール21には全周に亘っ
て基材となるPTFEに配合材としてのCFまたはLC
Pを配合してチップシール21を成形しているから、該
チップシール21全体の耐摩耗性や摺動特性を効果的に
高めることができる上に、チップシール21の全長に亘
って一体形成することによって、該チップシール21の
引っ張り強度や曲げ強度を向上でき、安定したシール性
能を確保することができる。
【0052】従って、本実施例によれば、チップシール
21を構成する基材(PTFE)に対して、外周端22
側では配合材としてLCPの配合量を多くし、内周端2
3側でCFの配合量を多くすることにより、該チップシ
ール21の外周端22側から内周端23側に亘ってそれ
ぞれ隣接する各圧縮室Rの圧力勾配等に応じて適切な硬
度をもたせることができ、外周端22側ではチップシー
ル21の柔軟性を高めてシール性を向上できると共に、
内周端23側では耐摩耗性を高めて耐久性を向上させる
ことができ、長期に亘って安定したスクロール式空気圧
縮機の運転(圧縮)性能を確保できる。
【0053】なお、前記実施例では、チップシール21
の外周端22側等に配合材としてLCPを用いるものと
して述べたが、これに替えて、配合材としてポリイミド
等の耐熱性や柔軟性に優れた有機系充填材を用いてもよ
い。
【0054】さらに、前記実施例では、複数の配合材
(PTFE,CF,LCP)の配合割合を外周端側から
内周端側に向かって変化させることによりチップシール
21を形成したが、本発明はこれに限らず、例えば硬化
剤等の添加材をベースとなる材料に対して添加すること
によりチップシールを形成してもよく、ベースに対する
硬化剤の添加割合を外周端側から内周端側に向かって徐
々に増加させることにより、外周端側から内周端側に向
かって漸次硬度が高くなり各部分で最適な耐摩耗性およ
びシール性を有するチップシールを形成することもでき
る。
【0055】次に、図2および図3は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、複数のシール分割体を
一体的に連結することによってシール部材を構成したこ
とにある。なお、本実施例では第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。
【0056】図において、31は本実施例によるシール
部材としてのチップシールを示し、該チップシール31
は従来技術におけるチップシール6(12)とほぼ同様
に、、受圧面としての下側面31Aと、摺接面としての
上側面31Bと、内側面31Cおよび外側面31Dとか
ら横断面が四角形状をなして形成され、その外周端32
側から内周端33側へ向けて渦巻き状に伸長しているも
のの、該チップシール31は後述の各シール片34を一
体的に連結することにより構成されている。
【0057】34,34,…はシール分割体としてのシ
ール片を示し、該各シール片34は渦巻き状に伸長する
前記チップシール31を長さ方向で互いに分割した形状
をなし、該各シール片34の長さ方向両端側には、それ
ぞれ係合部としての等脚台形状をなす係合凹部34Aと
係合凸部34Bとが形成されている。そして、該各シー
ル片34の係合凹部34Aはその底部側が開口端側より
も幅広に形成され、係合凸部34Bは係合凹部34Aと
相補形状をなし、基端側よりも先端側が幅広に形成され
ている。この結果、各シール片34の係合凹部34A
(係合凸部34B)を隣接する他のシール片34の係合
凸部34B(係合凹部34A)に抜き止め状態で嵌合す
ることによって,各シール片34は互いに一体的に連結
され、長尺のチップシール31を構成するようになって
いる。なお、チップシール31の外周端32側に位置す
るシール片34には係合凹部34のみが形成され、内周
端33側のシール片34には係合凸部34Bのみが形成
されている。
【0058】ここで、各シール片34はそれぞれ、前記
第1の実施例におけるチップシール21と同様に、例え
ば圧縮成形等の手段によって粉末材料を押し固めること
により成形されており、基材にはPTFEを用い、配合
材にはCFおよびLCPを用いている。そして、個々の
シール片34は一様な材質として形成しているものの、
該各シール片34のチップシール31の内周端33側に
近いシール片34ほどCFの配合割合を大きくし、外周
端32側に近いシール片34ほどLCPの配合割合を大
きくしている。この結果、各シール片34を連結してチ
ップシール31を構成した状態では、第1の実施例にお
けるチップシール21とほぼ同様に、外周端32側から
内周端33側に向けてCFの配合割合が段階的に多くな
り、逆に内周端33側から外周端32側に向けてはLC
Pの配合割合が段階的に多くなるようにしている。
【0059】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同等の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、チップシール31を
構成する各シール片34の端部に係合凹部34A、係合
凸部34Bを一体形成し、これらの係合凹部34Aと係
合凸部34Bとを互いに抜き止め状態に連結する構成と
しているから、各シール片34を高い引っ張り強度をも
って強固に連結でき、接合強度を大幅に高めることがで
きるうえに、個々のシール片34では基材(PTFE)
と配合材(CF,LCP)との配合割合を該シール片3
4全体に亘って一様としているから目標の材質に成形し
易く、各シール片34からなるチップシール31の製作
を容易に行うことができ、製作に費やすコストを確実に
削減できる。
【0060】また、隣接する各シール片34間で、基材
と配合材の配合割合を比較的大きく変化させる場合で
も、材質の異なる該各シール片34をそれぞれ別の部材
として成形し、これらを機械的に連結しているから、該
各シール片34を連結した形状のチップシールを一体成
形した場合に比較して安定した強度を確保でき、チップ
シール31の耐久性を向上させることができる。
【0061】次に、図4は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例では前記第2の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとするに、
本実施例の特徴は、チップシール41のシール分割体と
なる各シール片42の端部に、略三角形状をなす係合部
としての掛止め部42Aを一体形成したことにある。
【0062】ここで、各シール片42の掛止め部42A
は相補形状をなし、一方の掛止め部42Aに他方の掛止
め部42Aを図4に示す如く掛止めすることにより、チ
ップシール41は各シール片42から長尺のシール部材
として形成されるものである。
【0063】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0064】次に、図5は本発明の第4の実施例を示
し、本実施例では前記第2の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとするに、
本実施例の特徴は、チップシール51のシール分割体と
なる各シール片52の端部に、略ム字形状をなす係合部
としての掛止め部52Aを一体形成したことにある。
【0065】そして、各シール片52の掛止め部52A
は、前記第3の実施例と同様に相補形状をなし、隣接す
る各シール片52間で互いの掛止め部52Aを図5に示
す如く掛止めすることにより、チップシール51は各シ
ール片52から長尺のシール部材として形成されるもの
である。
【0066】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0067】次に、図6は本発明の第5の実施例を示
し、本実施例では前記第2の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとするに、
本実施例の特徴は、チップシール61のシール分割体と
なる各シール片62の端部を、I字形状をなす係合部と
しての連結具63によって一体的に連結する構成とした
ことにある。
【0068】そして、隣接する各シール片62が互いの
長さ方向端面を衝合させた状態で、連結具63が各衝合
面において図6に示す如く両側のシール片62を連架
し、該連結具63の両端側をそれぞれのシール片62に
固着することによって、チップシール61は各シール片
62から長尺のシール部材として形成されるものであ
る。
【0069】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0070】なお、前記各実施例においては、チップシ
ール21(31,41,51,61)を形成する基材と
してPTFEを用いるものとして述べたが、本発明はこ
れに限らず、例えばPTFE以外のフッ素系樹脂、ポリ
エーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)、ポリスルフォン(PSF)等を用いてもよい。
【0071】また、前記各実施例では、チップシール2
1(31,41,51,61)の基材としてPTFEを
用い、これにCF,LCP等の配合材(添加材)を適宜
に混合するものとして述べたが、本発明はこれに限るも
のではなく、例えばチップシール21(31,41,5
1,61)に要求される物性(硬度、耐熱限界温度、線
膨張率、密度または引張り強度)のうち、当該スクロー
ル式流体機械の用途等によって特に必要とされるチップ
シールの物性を満たしうるように、チップシールの素材
となる材料を適宜に選択して用いるようにすればよい。
【0072】この場合、適切な配合材を用いることによ
り、チップシールの外周端側から内周端側に向かって例
えば線膨張率が漸次小さくなるチップシールを容易に形
成でき、これにより内周端側では高温にさらされても熱
膨張を防止でき、チップシールを外周端側から内周端側
に亘って相手方の歯底面に密着させることができて高い
シール性を保持することができる。また同様に、適切な
配合材を用いて密度または引張り強度が外周端側から内
周端側に漸次高くなるようなチップシールも形成するこ
とができ、内周端側の高圧に対して十分な強度を有する
チップシールを形成することができる。
【0073】一方、前記各実施例においては、横断面が
四角形状をなすチップシール21(31,41,51,
61)を用いるものとして述べたが、本発明はこれに限
らず、例えば横断面が円形、半円形、または楕円形をな
すシール部材としてもよく、また、該シール部材の側面
あるいは下側面にそれぞれ複数のリップ部を形成するよ
うにしてもよい。
【0074】さらに、前記各実施例では、固定スクロー
ル1側の凹溝5および旋回スクロール7側の凹溝11
に、それぞれチップシール21,31等を装着するもの
として述べたが、本発明はこれに限らず、固定スクロー
ル1または旋回スクロール7のいずれか一方のラップ部
3(9)のみに凹溝5(11)を形成し、該凹溝5(1
1)内にチップシール21,31等を装着する構成とし
てもよい。
【0075】さらにまた、前記各実施例では、スクロー
ル式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げ
て説明したが、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広
く適用することができる。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したとおり、請求項1に記載の
発明によれば、外周端側から内周端側に向け漸次硬度が
高くなるようにシール部材を形成したから、シール部材
の内周端側が高い硬度をもつことにより、シール部材が
相手方の歯底面に強く摺接する内周端側での耐摩耗性を
確実に高めることができ、シール部材の耐久性を向上で
き、その寿命を延ばすことによってスクロール式空気圧
縮機の長期間に亘る安定した圧縮性能を得ることができ
る。
【0077】また、シール部材の外周端側を低硬度に形
成し、外周端側に柔軟性を与えたから、シール部材が比
較的低い圧力で相手方の歯底面に摺接する外周端側にお
いて、シール部材を相手方の歯底面に柔軟性をもって摺
接させることができ、これらの間のシール性を向上で
き、圧縮性能を効果的に高められ、スクロール式空気圧
縮機の高い圧縮性能を確保することができる。
【0078】この場合、請求項2に記載の発明によれ
ば、前記シール部材を複数の材料から形成し、外周端側
と内周端側とでこれらの材料の配合割合を変える構成と
したから、外周端側から内周端側に亘る各圧縮室のそれ
ぞれに対応してシール部材の各部分に適切な硬度,弾性
等をもたせることができ、シール部材の各部分において
最適な耐摩耗性およびシール性をもたせられる上、シー
ル部材の途中部位に接続部等を設ける必要がないことに
より高い強度を確保でき、シール部材の耐久性を向上で
き、スクロール式空気圧縮機の長期間に亘る安定した圧
縮性能を得ることができる。
【0079】また、請求項3に記載の発明によれば、前
記シール部材を外周端側と内周端側とで添加剤の割合を
変える構成としたから、ベースに対する添加剤の割合を
変化させることにより、シール部材の途中に接続部等を
設けることなくシール部材の外周端側から内周端側に亘
る各部分に適切な硬度,弾性等をもたせることができ、
各部分において最適な耐摩耗性およびシール性をもたせ
られる。
【0080】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
係合部により外周端側から内周端側に亘って段階的に硬
度が高くなるように各シール分割体を強固に連結でき、
各シール分割体間の係合が外れたりするのを確実に防止
して長期間に亘る安定した圧縮性能を得ることができる
と共に、シール部材が同様の形状のシール分割体によっ
て構成されることにより、製作用の金型を削減すること
ができ、形成に費やすコストを軽減することができる。
また、個々のシール分割体は材質的に一様に形成される
から、シール部材を部分毎に材質が変化するように一体
形成する場合に比較して、製作工程を比較的容易にする
ことができ、製作に費やす工数を軽減することができ
る。
【0081】一方、請求項5に記載の発明によれば、前
記シール部材を外周端側から内周端側に向けて耐熱限界
温度が漸次高くなるように形成したから、高温にさらさ
れるシール部材の内周端側を高い耐熱限界温度を有する
ように形成することができ、高温となる内周端側におい
てシール部材の耐久性を向上することができ、長期間に
亘り安定したシール性をもたせることができる。
【0082】また、請求項6に記載の発明によれば、前
記シール部材を外周端側から内周端側に向けて線膨張率
が漸次小さくなるように形成したから、高温となる内周
端側ではシール部材が膨張してシール性が低下するのを
防止できると共に、比較的低温の外周端側ではシール部
材が膨張することによりシール性を高められ、外周端側
から内周端側に亘ってシール部材のシール性を向上で
き、圧縮性能を効果的に高めることができる。
【0083】さらに、請求項7に記載の発明によれば、
前記シール部材を外周端側から内周端側に向けて密度が
漸次高くなるように形成したから、高圧にさらされるシ
ール部材の内周端側を高密度に形成でき、シール部材の
内周端側の耐摩耗性を高めることができ、シール部材の
耐久性を大幅に向上することができる。
【0084】さらにまた、請求項8に記載の発明によれ
ば、前記シール部材を外周端側から内周端側に向けて引
張り強度が漸次高くなるように形成したから、相手方の
歯底面に対して強く押圧された状態で摺動するシール部
材の内周端側を高い引張り強度を有するように形成する
ことができ、シール部材の強度を内周端側で効果的に高
めることができ、シール部材の耐久性を確実に向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のチップシール等を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す図1と同様の斜視
図である。
【図3】図2中の各シール片の係合部を示す部分拡大図
である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す図3と同様の部分
拡大図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示す図3と同様の部分
拡大図である。
【図6】本発明の第5の実施例を示す図3と同様の部分
拡大図である。
【図7】従来技術によるスクロール式空気圧縮機を示す
縦断面図である。
【図8】図7中の矢示VIII−VIII方向の拡大断面図であ
る。
【図9】図8中の矢示IX−IX方向の拡大断面図である。
【図10】チップシールが相手方の歯底面に摺接した状
態を示す図9と同様の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 2,8 鏡板 2A,8A 歯底面 3,9 ラップ部 3A,9A 歯先 5,11 凹溝 7 旋回スクロール 21,31,41,51,61 チップシール(シール
部材) 22,32 外周端 23,33 内周端 34,42,52,62 シール片(シール分割体) 34A 係合凹部(係合部) 34B 係合凸部(係合部) 42A,52A 掛止め部(係合部) 63 連結具(係合部) R 圧縮室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 駒井 裕二 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 小林 義雄 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 三宅 信吾 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設
    された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して
    設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部
    との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻き状のラッ
    プ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スク
    ロールと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも
    一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる
    凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接する
    シール部材を装着してなるスクロール式流体機械におい
    て、前記シール部材は、渦巻き状をなす該シール部材の
    外周端側から内周端側に向けて硬度が漸次高くなるよう
    に形成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記シール部材は複数の材料を混合して
    成形すると共に、該シール部材の外周端側と内周端側と
    で材料の配合割合を変える構成としてなる請求項1に記
    載のスクロール式流体機械。
  3. 【請求項3】 前記シール部材は外周端側と内周端側と
    で添加剤の割合を変える構成としてなる請求項1に記載
    のスクロール式流体機械。
  4. 【請求項4】 前記シール部材は外周端側から内周端側
    に亘って複数個に分割され互いに硬度が異なるシール分
    割体によって構成し、該各シール分割体の端部には、他
    のシール分割体の端部に係合する係合部を設けてなる請
    求項1に記載のスクロール式流体機械。
  5. 【請求項5】 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設
    された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して
    設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部
    との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻き状のラッ
    プ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スク
    ロールと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも
    一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる
    凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接する
    シール部材を装着してなるスクロール式流体機械におい
    て、前記シール部材は、渦巻き状をなす該シール部材の
    外周端側から内周端側に向けて耐熱限界温度が漸次高く
    なるように形成したことを特徴とするスクロール式流体
    機械。
  6. 【請求項6】 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設
    された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して
    設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部
    との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻き状のラッ
    プ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スク
    ロールと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも
    一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる
    凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接する
    シール部材を装着してなるスクロール式流体機械におい
    て、前記シール部材は、渦巻き状をなす該シール部材の
    外周端側から内周端側に向けて線膨張率が漸次小さくな
    るように形成したことを特徴とするスクロール式流体機
    械。
  7. 【請求項7】 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設
    された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して
    設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部
    との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻き状のラッ
    プ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スク
    ロールと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも
    一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる
    凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接する
    シール部材を装着してなるスクロール式流体機械におい
    て、前記シール部材は、渦巻き状をなす該シール部材の
    外周端側から内周端側に向けて密度が漸次高くなるよう
    に形成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  8. 【請求項8】 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設
    された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して
    設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部
    との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻き状のラッ
    プ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スク
    ロールと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも
    一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる
    凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接する
    シール部材を装着してなるスクロール式流体機械におい
    て、前記シール部材は、渦巻き状をなす該シール部材の
    外周端側から内周端側に向けて引張り強度が漸次高くな
    るように形成したことを特徴とするスクロール式流体機
    械。
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Cited By (4)

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