JPH1047266A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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Publication number
JPH1047266A
JPH1047266A JP22452096A JP22452096A JPH1047266A JP H1047266 A JPH1047266 A JP H1047266A JP 22452096 A JP22452096 A JP 22452096A JP 22452096 A JP22452096 A JP 22452096A JP H1047266 A JPH1047266 A JP H1047266A
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JP
Japan
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seal
seal member
groove
scroll
tip
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Pending
Application number
JP22452096A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
Shunji Suzuki
俊次 鈴木
Shingo Miyake
信吾 三宅
Yuji Komai
裕二 駒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP22452096A priority Critical patent/JPH1047266A/ja
Publication of JPH1047266A publication Critical patent/JPH1047266A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部材の損傷を防止でき、シール部材の
形状を簡略化して安価に成形することができると共に、
信頼性を向上できる。 【解決手段】 シール部材31の内側面31Cに半円形
状の各シール凸部32を一体成形し、各シール凸部32
の先端32Aを凹溝の側面に弾性的に接触させる。ま
た、シール部材31の下側面31Aに切込みを入れるこ
とにより各リップ部33を形成し、各リップ部33を各
シール凸部32間に対応した位置に配設すると共に、各
リップ部33の先端を凹溝の底面と弾性的に接触させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機
や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ
部が立設された固定スクロールと、該固定スクロールに
対向して設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールの
ラップ部との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状
のラップ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋
回スクロールと固定スクロールとのラップ部のうち少な
くとも一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って
延びる凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺
接するシール部材を装着してなるスクロール式流体機械
は、例えば特公平6−96961号公報等によって、広
く知られている。
【0003】ここで、この種の従来技術によるスクロー
ル式流体機械を図10ないし図13に基づき空気圧縮機
として用いた場合を例に挙げて述べる。
【0004】図において、1はスクロール式空気圧縮機
のケーシングの一部を構成する固定スクロールを示し、
該固定スクロール1は大略有蓋筒状に形成されたケーシ
ング本体(図示せず)の開口端側を施蓋するように、こ
の開口端側に固着されている。そして、該固定スクロー
ル1は、例えばアルミニウム合金等から形成され、その
中心が後述の駆動軸17の軸線O1-O1 と一致するよう
に配設された円板状の鏡板2と、該鏡板2の歯底面2A
に立設された渦巻状のラップ部3と、前記鏡板2の外周
側に位置し、該ラップ部3を囲むように筒状に形成され
た支持部4とから大略構成されている。
【0005】また、該固定スクロール1のラップ部3は
図11に示す如く、内周側が巻始め端となり外周側(図
示せず)が巻終り端となって、例えば3巻半前後の渦巻
状に形成されている。そして、該ラップ部3の歯先3A
は、図12に示すように、後述の旋回スクロール9の歯
底面10Aから微小なクリアランスGをもって離間され
ている。
【0006】5はラップ部3の歯先3A側に形成された
凹溝を示し、該凹溝5は図12に示す如く、ラップ部3
の歯先3A側においてその幅方向中間部に、断面コ字状
をなすように形成され、該凹溝5の底面5Aおよび左,
右の側面5B,5Cはラップ部3の渦巻き形状に沿って
その巻始め端から巻終り端まで延びている。そして、該
凹溝5内には後述のチップシール6が装着され、相手方
となる旋回スクロール9の歯底面10Aとの間をシール
するようになっている。
【0007】6はラップ部3の凹溝5内に装着されたシ
ール部材としてのチップシールを示し、該チップシール
6は、例えば弾性樹脂材料により横断面が四角形状をな
す長尺の紐状に形成され、該凹溝5の長さ方向に沿って
渦巻状に伸長する。
【0008】ここで、該チップシール6は図12に示す
如く、凹溝5の底面5Aに当接する受圧面としての下側
面6Aと、該下側面6Aと上下方向で対向し相手方の歯
底面10Aに摺接する上側面6Bと、渦巻状をなすチッ
プシール6の径方向内側および外側に位置する内側面6
Cおよび外側面6Dとから構成され、下側面6A,内側
面6Cには後述の各下側リップ部7、内側リップ部8が
それぞれ一体的に形成されている。また、該チップシー
ル6は図12および図13に示す如く、側面6C,6D
間の幅寸法W1 が、凹溝5の側面5B,5C間の幅寸法
W2 より小さく(W1 <W2 )なるように形成され、チ
ップシール6は下側面6Aを凹溝5の底面5Aに当接す
るように内,外側面6C,6Dが凹溝5内に僅かな隙間
をもって挿入されると共に、凹溝5の底面5Aから相手
方となる旋回スクロール9の歯底面10Aに向けて浮上
可能となっている。
【0009】7,7,…はチップシール6の下側面6A
において長さ方向にそれぞれ所定間隔をもって形成され
た底面リップ部としての下側リップ部を示し、該各下側
リップ部7は図13に示すように、チップシール6の下
側面6Aに所定間隔をもって斜めに切込みを入れること
により一体的に形成され、その先端側は自由端となって
下側面6Aから拡開するようになっている。
【0010】8,8,…はチップシール6の側面リップ
部としての内側リップ部を示し、該各内側リップ部8は
前記各下側リップ部7とほぼ同様に形成され、チップシ
ール6の内側面6Cに所定間隔をもって設けられてい
る。そして、各内側リップ部8は幅寸法W3 に達するま
でチップシール6に斜めに切込みを入れることにより一
体的に形成され、その先端側は自由端となって内側面6
Cから拡開するようになっている。
【0011】9は固定スクロール1に対向して前記ケー
シング本体内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを
示し、該旋回スクロール9は例えばアルミニウム合金等
から形成され、表面側が歯底面10Aとなって円板状に
形成された鏡板10と、該鏡板10の歯底面10Aから
固定スクロール1の鏡板2に向けて立設され、固定スク
ロール1のラップ部3と同様に渦巻状に形成されたラッ
プ部11と、鏡板10の背面中央に設けられたボス部1
2とから構成され、該ボス部12は後述する駆動軸17
のクランク17Aに回転可能に取付けられている。
【0012】ここで、該旋回スクロール9のラップ部1
1についても図11に示す如く、固定スクロール1のラ
ップ部3と同様に例えば3巻半前後の渦巻状に形成さ
れ、その歯先11A側には、底面13Aおよび左,右の
側面13B,13Cから横断面コ字状をなす凹溝13が
形成されている。
【0013】14は固定スクロール1側のチップシール
6と同様に形成されたシール部材としての他のチップシ
ールを示し、該チップシール14は前記凹溝13内に装
着され、その底面13Aに当接する下側面14Aと、相
手方の歯底面2Aに摺接する上側面14Bと、内側面1
4Cおよび外側面14Dとによって構成されている。ま
た、該チップシール14の下側面14Aおよび内側面1
4Cには、チップシール6と同様に、それぞれ各下側リ
ップ部15、各内側リップ部16が一体的に形成されて
いる。
【0014】17は前記ケーシング本体に回転自在に設
けられる駆動軸を示し、該駆動軸17は先端側がケーシ
ング本体内に延びるクランク17Aとなり、該クランク
17Aはその軸線O2-O2 が駆動軸17の軸線O1-O1
に対して所定寸法δだけ偏心している。そして、該駆動
軸17のクランク17A内には、旋回スクロール9のボ
ス部12が旋回軸受18を介して旋回可能に取付けら
れ、旋回スクロール9には自転防止機構(図示せず)等
を介して旋回運動が与えられる。
【0015】ここで、旋回スクロール9のラップ部11
は固定スクロール1のラップ部3に対して周方向に所定
角度だけずらして重ね合わせるように配設され、図11
に示すように、ラップ部3,11間には三日月状をなす
複数の圧縮室R,R,…が画成される。そして、旋回ス
クロール9を固定スクロール1に対して旋回させた時
に、該各圧縮室Rはその容積が連続的に縮小され、後述
の吸込ポート19から吸込んだ空気を順次圧縮するよう
になっている。
【0016】19,20は固定スクロール1に形成され
た吸込ポート、吐出ポートを示し、該吸込ポート19は
最外周側の圧縮室Rと連通するように鏡板2の外周側に
穿設され、吐出ポート20は、最内周側の圧縮室Rと連
通するように鏡板2の中心部に穿設されている。
【0017】従来技術によるスクロール式空気圧縮機は
上記の如き構成を有するもので、次にその作動について
述べる。
【0018】まず、ケーシングの外部からモータ等の駆
動源(図示せず)によって駆動軸17を回転駆動する
と、この回転は該駆動軸17のクランク17Aから旋回
軸受18を介して旋回スクロール9に伝えられ、該旋回
スクロール9は駆動軸17の軸線O1-O1 を中心にして
寸法δの旋回半径をもった旋回運動を行う。
【0019】そして、この旋回運動によって各ラップ部
3,11の間に画成される各圧縮室Rは中央に向けて連
続的に縮小し、吸込ポート19から吸込んだ空気を順次
圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ポート20から外部の
エアタンク(図示せず)等に向けて吐出する。
【0020】ここで、圧縮運転が開始されると、ラップ
部3(11)の凹溝5(13)内には図12に示す矢示
A方向に高圧側の圧縮室Rから圧縮空気の一部が侵入
し、チップシール6(14)は受圧面となる下側面6A
(14A)でこの圧縮空気の圧力を受圧することによ
り、凹溝5(13)から浮上し、対向する鏡板10
(2)の歯底面10A(2A)に向けて押圧される。こ
れにより、該チップシール6(14)は上側面6B(1
4B)が相手方の歯底面10A(2A)に摺接し、ラッ
プ部3,11間に画成される各圧縮室Rを気密にシール
する。
【0021】また、各下側リップ部7(15)は、各圧
縮室Rのうち、内周側の圧縮室Rから外周側の圧縮室R
に向けて、図11中の矢示B方向に凹溝5(13)内に
侵入した圧縮空気により、各下側リップ部7(15)の
先端側が凹溝5(13)の底面5A(13A)に押付け
られるようになり、該凹溝5(13)の底面5A(13
A)とチップシール6(14)との間を気密にシールす
る。
【0022】さらに、各内側リップ部8(16)も、前
記と同様に、凹溝5(13)内に侵入した圧縮空気によ
り、各内側リップ部8(16)の先端側が凹溝5(1
3)の左の側面5B(13B)に押付けられるようにな
り、該凹溝5(13)の側面5B(13B)とチップシ
ール6(14)との間を気密にシールすると共に、チッ
プシール6(14)の外側面6D(14D)を右の側面
5C(13C)に押付けて、両者の間を気密にシールさ
せる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、チップシール6(14)の長さ方向に沿っ
て複数のリップ部7,8(15,16)を形成するため
に、樹脂材料からチップシール6(14)を成形した後
に、該チップシール6(14)の下側面6A(14A)
に一定間隔をもって斜めに切込みを入れることにより、
各下側リップ部7(15)を形成すると共に、内側面6
C(14C)に一定間隔をもって斜めに切込みを入れる
ことにより、各内側リップ部8(16)を一体形成して
いる。
【0024】このため、従来技術では、チップシール6
(14)の切込みを入れる後加工が必要となり、チップ
シール6(14)を製造するときの作業工数が増大し、
作業性が悪く、コストアップを招くという問題がある。
【0025】また、各内側リップ部8(16)の先端は
圧縮空気によって拡開させるため非常に薄く形成され
る。このため、チップシール6(14)を凹溝5(1
3)内に挿着するときに、各内側リップ部8(16)の
先端が凹溝5(13)の開口端に接触し、折れる等の破
損が生ずるという問題がある。
【0026】さらに、チップシール6(14)に内側面
6C(14C)に切込みを入れることにより内側リップ
部8(16)を形成するから、各内側リップ部8(1
6)で圧縮空気の圧力を受承したときに最大応力が加わ
る各内側リップ部8(16)の基端側では、チップシー
ル6は側面6C,6D間の幅寸法W1 よりも小さな幅寸
法W3 となり、チップシール6(14)が破断し易く、
信頼性が低下するという問題がある。
【0027】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はシール部材の損傷を防止でき、
シール部材の形状を簡略化して安価に成形することがで
きると共に、信頼性を向上できるようにしたスクロール
式流体機械を提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立
設された固定スクロールと、該固定スクロールに対向し
て設けられ鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部
との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状のラップ
部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スクロ
ールと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも一
方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる凹
溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接するシ
ール部材を装着してなるスクロール式流体機械に適用さ
れる。
【0029】そして、本発明が採用する構成の特徴は、
前記シール部材には、前記凹溝の両側面のうち一方の側
面と対向する位置に一体形成され、該側面に弾性的に接
触すると共に、前記シール部材の長さ方向で互いに離間
した複数のシール凸部と、前記凹溝の底面と対向する位
置に切込みを入れることにより形成され、該各シール凸
部間に対応する位置で前記凹溝の底面側に弾性的に接触
する複数のリップ部とを設けたことにある。
【0030】このように構成することにより、シール部
材と凹溝の両側面のうち一方の側面との間に弾性的に当
接する複数のシール凸部によって凹溝の側面とシール部
材との間と確実にシールすることができる。また、シー
ル部材の成形時に各シール凸部を一体形成でき、成形時
の工数を減らすことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0032】ここで、図1ないし図3は本発明の第1の
実施例を示し、スクロール式流体機械としてスクロール
式空気圧縮機を例に挙げて説明する。なお、本実施例で
は従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その
説明を省略するものとする。
【0033】図において、31は固定スクロール1側の
凹溝5内に装着されるシール部材を示し、該シール部材
31は耐摩耗性や摺動性に優れた弾性樹脂材料、例えば
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系
樹脂、ポリエーテルサルファン(PES)、ポリフェニ
レンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケ
トン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)またはポリ
スルフォン(PFS)等を用いて長尺に形成され、凹溝
5の長手方向に沿って渦巻状に伸長する。
【0034】そして、前記シール部材31は図2に示す
如く、圧縮空気を受圧する下側面31Aと、該下側面3
1Aと上下方向で対向し相手方の歯底面10Aに摺接す
る上側面31Bと、凹溝5の側面5B,5Cに対向する
内側面31Cおよび外側面31Dとから横断面が略四角
形状をなすように形成され、内側面31Cには後述の各
シール凸部32が設けられると共に、下側面31Aには
後述の各リップ部33が設けられている。
【0035】また、シール部材31は内側面31Cと外
側面31Dとの間の幅寸法W4 が図2に示す如く凹溝5
の幅寸法W2 よりも小さく、各シール凸部32を含めた
シール部材31全体の幅寸法W5 (図3参照)は凹溝5
の幅寸法W2 よりも僅かに大きくなるように形成されて
いる。
【0036】32,32,…は図3に示すように、シー
ル部材31の内側面31Cに突出寸法hをもって形成さ
れたシール凸部を示し、該各シール凸部32は略半円形
状をなしてシール部材31の高さ方向で直線状に伸長す
ると共に、シール部材31の長さ方向に沿って所定間隔
をもって形成されている。そして、シール部材31を凹
溝5内に装着した状態では図1および図2に示すよう
に、各シール凸部32の先端32Aが凹溝5の側面5B
に弾性的に接触すると共に、各シール凸部32間には凹
溝5の側面5Bとシール部材31の内側面31Cとの間
に小さな隙間が形成される。また、各シール凸部32の
突出寸法hはシール部材31の内側面31Cと外側面3
1Dとの間の幅寸法W4 よりも小さい寸法(h<W4 )
となっている。
【0037】33,33,…は図3に示すように、シー
ル部材31の下側面31Aにおいて長さ方向にそれぞれ
所定間隔をもって形成されたリップ部を示し、該各リッ
プ部33は各シール凸部32間に対応する位置に斜めに
切込みを入れることにより一体的に形成され、その先端
側は自由端となって下側面31Aから拡開するようにな
っている。そして、各リップ部33は、凹溝5内で図1
中の矢示B方向に侵入した圧縮空気により、各リップ部
33の先端側が凹溝5の底面5Aに押付けられるように
なり、凹溝5の底面5Aとシール部材31との間を気密
にシールしている。
【0038】なお、旋回スクロール9のラップ部11の
凹溝13内にも、前述した各シール凸部32を有するシ
ール部材31と同様のシール部材が装着されているが、
その詳細な構成については前記シール部材31と同様で
あるため省略する。
【0039】本実施例によるスクロール式空気圧縮機は
上述の如き構成を有するもので、その基本的な動作につ
いては従来技術によるものと格別差異はない。
【0040】然るに、本実施例では、シール部材31の
内側面31Cに突出寸法hをもった半円形状の各シール
凸部32を一体成形し、各シール凸部32の先端32A
を凹溝5の側面5Bに弾性的に接触させると共に、シー
ル部材31の下側面31Aに凹溝5の底面5Aと接触す
る各リップ部33を設け、各リップ部33を各シール凸
部32間に対応した位置に配設したから、下記のような
作用効果を得ることができる。
【0041】即ち、当該スクロール式空気圧縮機の運転
を開始して各圧縮室R内で空気を圧縮するときに、例え
ば固定スクロール1側の凹溝5内に装着されたシール部
材31は、各シール凸部32間でシール部材31の内側
面31Cと凹溝5の側面5Bとの隙間から図2中の矢示
A方向に沿って圧縮空気の一部が侵入することにより、
シール部材31の下側面31Aがこのときの圧力を受圧
し、凹溝5内から相手方の歯底面10Aに向けて浮上す
る。この結果、シール部材31は上側面31Bを相手方
の歯底面10Aに摺接させることによって各圧縮室R間
をシールし、圧縮空気が漏洩するのを防止できる。
【0042】また、シール部材31の下側面31Aには
先端側が自由端となって下側面31Aから拡開する各リ
ップ部33を設けたから、各リップ部33は、各圧縮室
Rのうち、内周側の圧縮室Rから外周側の圧縮室Rに向
けて、図2中の矢示A方向に凹溝5内に侵入した圧縮空
気により、各リップ部33の先端側が凹溝5の底面5A
に押付けられるようになり、該凹溝5の底面5Aとシー
ル部材31との間を気密にシールする。
【0043】そして、シール部材31が凹溝5内から浮
上するときには、該シール部材31の内側面31Cに沿
って上下方向に延びる各シール凸部32の先端32Aが
凹溝5の側面5Bに弾性的に接触し、上側面31Bを相
手方の歯底面10Aに確実に摺接させて、図2に示す如
くラップ部3と相手方の鏡板10との間を効果的にシー
ルすることができる。
【0044】また、各シール凸部32は先端32Aが凹
溝5の側面5Bに接触することにより、シール部材31
の内側面31Cと凹溝5の側面5Bとの間をシールでき
る。さらに、各リップ部33を各シール凸部32間に対
応する位置に設けたから、凹溝5の渦巻き方向(図1中
の矢示B方向)に沿って圧縮空気が漏洩しようとすると
きには、圧縮空気を矢示C方向に沿って千鳥状に移動さ
せることができ、ラビリンス効果によって凹溝5の矢示
B方向への圧縮空気の漏洩を実質的になくすことができ
ると共に、圧縮効率を向上できる。
【0045】一方、シール部材31の内側面31Cに設
けた各シール凸部32はシール部材31の成形時に一体
成形することができるから、従来技術のように内側リッ
プ部を特別に後加工によって形成する必要がなくなり、
シール部材31の製作時の作業性を向上できる。また、
各リップ部33を各シール凸部32間に対応する位置に
設ける構成としたから、切込みを入れるときに厳密な位
置合せを行う必要がなく、各リップ部33を容易に形成
することができる。
【0046】そして、各シール凸部32は先端32Aが
円弧面となっているから、凹溝5内に装着するときに先
端32Aが凹溝5の開口端に接触し、破損するのを確実
に防止できる。また、圧縮空気の圧力を受承したときに
最大応力が加わる各シール凸部32の基端側では、シー
ル部材31は内,外側面31C,31D間の幅寸法W4
を有しているから、シール部材31の破断を確実に防止
でき、信頼性を向上できる。
【0047】かくして、本実施例によれば、シール部材
31を単純な形状にして安価に成形することができ、シ
ール部材31を容易に凹溝5内に装着することができる
と共に、各シール凸部32と各リップ部33とによって
内部漏洩を確実に防止し、圧縮効率を向上できる。ま
た、シール部材31を凹溝5から相手方の歯底面10A
に向けて安定して浮上させ、シール部材31の全長に亘
って均一なシール性を確保することができる。
【0048】次に、図4および図5は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、シール部材41の内側
面41Cにシール凸部42,42,…を設けることによ
り、シール部材41の内側面41Cを波形状に形成した
ことにある。
【0049】ここで、シール部材41は、前記第1の実
施例で述べたシール部材31とほぼ同様に下側面41
A、上側面41B、内側面41Cおよび外側面41Dを
有し、該シール部材41の内側面41Cに長さ方向に各
シール凸部42が所定間隔をもって設けられ、シール部
材41の内側面41C側は波形状に形成されている。そ
して、シール部材41は各シール凸部42を含めた幅寸
法W6 が凹溝5の幅寸法W2 よりも僅かに大きくなるよ
うに形成され、各シール凸部42の先端42Aが凹溝5
の側面5Bに弾性的に接触する構成となっている。
【0050】また、シール部材41の下側面41Aには
各シール凸部42間に対応する位置に各リップ部43が
設けられる。ここで、各リップ部43はシール部材41
の下側面41Aに斜めに切込みを入れることにより一体
的に形成され、各リップ部43の先端側は自由端となっ
て下側面41Aから拡開するようになっている。
【0051】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、シール部材41の内
側面41C側が波形状となるように各シール凸部42を
設けたから、各シール凸部42の先端側42Aを凹溝5
の側面5Bに円滑に接触させることができる。
【0052】次に、図6および図7は本発明の第3の実
施例を示し、本実施例の特徴はシール部材51の内側面
51Cに形成した各シール凸部52を一対のシールリッ
プ52A,52Aによって構成したことにある。
【0053】ここで、シール部材51は、前記第1の実
施例で述べたシール部材31とほぼ同様に下側面51
A、上側面51B、内側面51Cおよび外側面51Dを
有し、該シール部材51の内側面51Cに長さ方向に各
シール凸部52が所定間隔をもって設けられている。そ
して、シール部材51は各シール凸部52の各シールリ
ップ52Aを含めた幅寸法W7 が凹溝の幅寸法W2 より
も僅かに大きくなるように形成され、各シール凸部52
の各シールリップ52Aの先端が凹溝5の側面5Bに弾
性的に接触する構成となっている。
【0054】また、各シール凸部52には各シールリッ
プ52A間に各凹部52Bが設けられ、各凹部52Bに
おけるシール部材51の幅寸法W8 は内,外側面51
C,51D間の幅寸法W9 よりも小さく(W8 <W9 )
なっている。
【0055】さらに、シール部材51の下側面51Aに
は各シール凸部52間に対応する位置に各リップ部53
が設けられる。ここで、各リップ部53はシール部材5
1の下側面51Aに斜めに切込みを入れることにより一
体的に形成され、各リップ部53の先端側は自由端とな
って下側面51Aから拡開するようになっている。
【0056】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果が得られ
るが、特に本実施例では、各シール凸部52に一対のシ
ールリップ52Aを設けたから、各シールリップ52A
の先端が凹溝5の側面5Bに接触でき、シール部材51
の内側面51Cと凹溝5の側面5Bとの間をシールし、
凹溝5の渦巻き方向(図6中の矢示B方向)に沿って圧
縮空気が漏洩するのをより効果的に防止できると共に、
圧縮空気の内部漏れを確実に防止し、圧縮効率を向上で
きる。
【0057】次に、図8および図9は本発明の第4の実
施例を示し、本実施例の特徴はシール部材61の内側面
61Cに形成した各シール凸部62にシール部材61の
高さ方向で直線状に延びる貫通穴63を設けたことにあ
る。
【0058】ここで、シール部材61は、前記第1の実
施例で述べたシール部材31とほぼ同様に下側面61
A、上側面61B、内側面61Cおよび外側面61Dを
有し、該シール部材61の内側面61Cに長さ方向に半
円形状の各シール凸部62が所定間隔をもって設けられ
ている。そして、シール部材61は各シール凸部62を
含めた幅寸法W10が凹溝の幅寸法W2 よりも僅かに大き
くなるように形成され、各シール凸部62の先端62A
が凹溝5の側面5Bに弾性的に接触する構成となってい
る。また、各シール凸部62にはシール部材61の高さ
方向に延びる貫通穴63が設けられ、各シール凸部62
は弾性変形し易くなっている。
【0059】さらに、シール部材61の下側面61Aに
は各シール凸部62間に対応する位置に各リップ部64
が設けられる。ここで、各リップ部64はシール部材6
1の下側面61Aに斜めに切込みを入れることにより一
体的に形成され、各リップ部64の先端側は自由端とな
って下側面61Aから拡開するようになっている。
【0060】このように構成される本実施例でも、前記
第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる
が、特に本実施例では、シール部材61の各シール凸部
62に貫通穴63を設けたから、各シール凸部62を容
易に弾性変形でき、各シール凸部62の先端62Aを凹
溝5の側面5Bに確実に接触でき、シール部材61の内
側面61Cと凹溝5の側面5Bとの間をシールし、凹溝
5の渦巻き方向(図8中の矢示B方向)に沿って圧縮空
気が漏洩するのをより効果的に防止できると共に、圧縮
空気の内部漏れを確実に防止し、圧縮効率を向上でき
る。
【0061】なお、前記各実施例では、固定スクロール
1側の凹溝5にシール部材31(41,51,61)を
装着し、旋回スクロール9側の凹溝13にはシール部材
を装着するものとして述べたが、本発明はこれに限ら
ず、固定スクロール1側または旋回スクロール9側のい
ずれか一方のラップ部3(11)に凹溝5を形成し、該
凹溝5内にシール部材を装着する構成としてもよい。
【0062】また、前記各実施例では、スクロール流体
機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明し
たが、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも適用するこ
とができる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、シール部材の一方の側面に凹溝の側面と弾
性的に接触する各シール凸部を一体成形すると共に、シ
ール部材には凹溝の底面と対向する位置に凹溝の底面に
弾性的に接触する各リップ部を設け、各リップ部を各シ
ール凸部間に対応した位置に配設したから、当該スクロ
ール式流体機械の運転を開始して各圧縮室内で流体を圧
縮するときに、凹溝内に装着されたシール部材は、各シ
ール凸部間でシール部材と凹溝との隙間から圧縮流体の
一部が侵入することにより、シール部材がこのときの圧
力を受圧し、凹溝内から相手方の歯底面に向けて浮上で
き、シール部材を相手方の歯底面に摺接させることによ
って各圧縮室間をシールでき、圧縮流体が漏洩するのを
防止できる。
【0064】また、各シール凸部によってシール部材と
凹溝の側面との間をシールし、各リップ部によってシー
ル部材と凹溝の底面との間をシールすると共に、各リッ
プ部を各シール凸部間に対応した位置に設けたから、凹
溝の渦巻き方向に沿って圧縮流体が漏洩しようとすると
きには、圧縮流体を千鳥状に移動させることができ、ラ
ビリンス効果によって凹溝内での圧縮流体の漏洩を実質
的になくすことができると共に、圧縮効率を向上でき
る。
【0065】一方、シール部材の一方の側面に設けた各
シール凸部はシール部材の成形時に一体成形することが
できるから、従来技術のように内側リップ部を特別に後
加工によって形成する必要がなくなり、シール部材の製
作時の作業性を向上できる。また、各リップ部を各シー
ル凸部間に対応する位置に設ける構成としたから、切込
みを入れるときに厳密な位置合せを行う必要がなく、各
リップ部を容易に形成することができる。
【0066】そして、各シール凸部の先端を肉厚に形成
できるから、凹溝内に装着するときに先端が凹溝の開口
端に接触し、破損するのを確実に防止できる。また、圧
縮流体の圧力を受承したときに最大応力が加わる各シー
ル凸部の基端側でも、シール部材は十分な幅寸法を有し
ているから、シール部材の破断を確実に防止でき、信頼
性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のラップ部およびシール部材等を示す平面図であ
る。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみたラップ部およ
びシール部材等を拡大して示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例によるシール部材の部分
斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のラップ部およびシール部材等を示す平面図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施例によるシール部材の部分
斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のラップ部およびシール部材等を示す平面図であ
る。
【図7】本発明の第3の実施例によるシール部材の部分
斜視図である。
【図8】本発明の第4の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のラップ部およびシール部材等を示す平面図であ
る。
【図9】本発明の第4の実施例によるシール部材の部分
斜視図である。
【図10】従来技術によるスクロール式空気圧縮機の固
定スクロール、旋回スクロールおよび各シール部材等を
示す縦断面図である。
【図11】図10中の矢示XI−XI方向の拡大断面図であ
る。
【図12】図11中の矢示XII −XII 方向からみたラッ
プ部およびシール部材等を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図13】従来技術によるシール部材を示す部分斜視図
である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 2,10 鏡板 2A,10A 歯底面 3,11 ラップ部 3A,11A 歯先 5,13 凹溝 5A,13A 底面 5B,13B 側面 9 旋回スクロール 31,41,51,61 シール部材 32,42,52,62 シール凸部 33,43,53,64 リップ部 R 圧縮室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 信吾 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 駒井 裕二 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設
    された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して
    設けられ鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部と
    の間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状のラップ部
    が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スクロー
    ルと固定スクロールとのラップ部のうち少なくとも一方
    のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる凹溝
    を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接するシー
    ル部材を装着してなるスクロール式流体機械において、 前記シール部材には、前記凹溝の両側面のうち一方の側
    面と対向する位置に一体形成され、該側面に弾性的に接
    触すると共に、前記シール部材の長さ方向で互いに離間
    した複数のシール凸部と、 前記凹溝の底面と対向する位置に切込みを入れることに
    より形成され、該各シール凸部間に対応する位置で前記
    凹溝の底面側に弾性的に接触する複数のリップ部とを設
    ける構成としたことを特徴とするスクロール式流体機
    械。
JP22452096A 1996-08-07 1996-08-07 スクロール式流体機械 Pending JPH1047266A (ja)

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