JP2001221174A - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JP2001221174A JP2000246540A JP2000246540A JP2001221174A JP 2001221174 A JP2001221174 A JP 2001221174A JP 2000246540 A JP2000246540 A JP 2000246540A JP 2000246540 A JP2000246540 A JP 2000246540A JP 2001221174 A JP2001221174 A JP 2001221174A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械室内の潤滑油が作動室に流出するのを防止
するオイルフリー化を目的として旋回スクロールとハウ
ジングとの間に設けられた旋回シール機構の作動室と機
械室間に生じる圧力変動や旋回運動に対する耐久性が低
くて破損する問題があり、また破損の結果作動室に流出
した潤滑油のチェック機能がなく被害が拡大する問題や
オイルフリー化に伴う大型化や効率低下などの問題があ
った。 【解決手段】一端を旋回スクロール端板外周に他端をハ
ウジング側に全周密封固定した柔軟性の高い円筒状のシ
ール薄膜とその内外面に接するように装着した2個の密
着バネから構成される旋回シール機構8を設けて作動室
と機械室を完全に分離し、且つ非対称ラップ形状の旋回
ラップの巻き始め側の溝を一段高くして高段溝3cを設
けたその内部に旋回軸受を設けるとともにこれと噛み合
う巻き始め側のラップを一段低く形成した固定スクロー
ルから構成されるスクロール流体機械。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動流体として気
体を用いる冷凍空調用圧縮機や空気用圧縮機および真空
ポンプに利用される小型軽量に向いたオイルフリー式ス
クロール流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール流体機械のオイルフリー化を
目的として、旋回スクロールの端板と固定スクロールま
たはシャフトを支えるハウジングとの間に弾性体で形成
された円筒状のシール部材を設けることにより前記作動
室の吸い込み側空間と電動機や駆動軸が収納されている
機械室とを遮断して互いの空間内の流体が流入流出する
のを防止して構成された旋回シール機構を装着したスク
ロール流体機械の公知例としては特許第2753317
号公報がある。
【0003】また、小型軽量化を図る手段の一つに、端
板に渦巻状突起のラップないしは渦巻状溝を設けた1対
のスクロール部材を互いの渦巻状の突起と溝を噛み合わ
せて圧縮室を構成するとともにこの噛み合わさったラッ
プの高さと溝の深さを中央に向けて段階的に浅くした階
段状ラップを用いて従来よりも大幅に歯高を高くして径
寸法を小さく構成する方法がある。その公知例として特
許第1296413号公報がある。この公知例では1対
形成される圧縮室の容積および平面形状が互いに同一と
なる対称ラップ形状と容積および平面形状が異なる非対
称ラップ形状に関する説明がされているが、非対称ラッ
プ形状に適用する階段付きラップと溝形状についての具
体的説明はない。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】本発明が解決しよ
うとしている課題は、旋回スクロールの駆動系が収納さ
れている機械室内に封入されている潤滑油が作動流体の
ある作動室に流入しないためのオイルフリー化を目的と
して旋回スクロール端板とハウジングとの間に設けた旋
回シール機構の作動室と機械室間の圧力差に対する耐久
性や旋回運動に対する耐久性を大幅に向上させることと
同時に小型軽量化を図ることである。
【0005】旋回シール機構を構成する弾性体で形成さ
れた円筒状のシール膜の一端は旋回スクロール端板外周
に全周密封固定され、他端はハウジング側に全周密封固
定されている。しかし、旋回スクロールに固定された側
は円軌道上の公転運動に旋回スクロールに作用する遠心
力やガス圧縮荷重に伴う転覆モーメントが加わって旋回
スクロールが傾斜した状態で旋回する歳差運動をするの
で、シール膜に作用する大きな負荷に伴う破損から潤滑
油が作動室に漏れ出す問題があった。このシール膜の剛
性を大幅に低下させて旋回運動に対する追従性を高めた
場合には、シール膜内外に作用する圧力差からシール膜
が破損する問題が発生していた。
【0006】一方、対称ラップ形状に適用されている階
段状ラップでは、2か所同時に形成される最大密閉空間
の圧縮室内中央部のそれぞれに段差壁面が形成されるこ
とになるので、三日月状の圧縮室のおよそ半分の床底面
の溝深さが浅くなることにより最大密閉空間の容積が減
少するので小型軽量化が図れない問題があった。
【0007】さらに、このような段差壁面の軸1回転中
の挙動を見ると、半周は階段状のラップと溝の互いの段
差壁面が最接近してシールする区間であり、残りの半周
は大きく離れて圧縮室間で連通する区間となる。しか
し、旋回スクロールが自転モーメントを受けて自転防止
機構が有する周方向隙間の範囲内で旋回軸受の軸心回り
に回転することにより、2か所の階段付きラップと溝間
に生じる段差壁面間の隙間の一方は減少し他方は拡大す
るので、この自転モーメントに基づく両方の隙間を同時
に減少させることは不可能となる。その為、段差壁面間
で圧縮室間のシールを必要とする最大密閉空間形成前の
軸が半回転する間でも段差壁面の隙間が大きくなり圧縮
室から吸い込み室への作動ガスの漏れが生じて能力が大
幅に低下する問題があった。
【0008】また単に小型軽量化を目的に、階段状ラッ
プを用いてラップの歯高を高くしただけではラップ強度
は確保できるが、圧縮室ラップ側壁面に作用するガス圧
縮荷重の作用中心および旋回スクロールに作用する遠心
力に係わる端板内部にあると想定される重心点と旋回軸
受の円筒状の両端面間中央との距離が殆ど短縮されてい
ないので旋回スクロールに作用する転覆モーメントの軽
減は図れず、旋回スクロールの歳差運動が不安定となり
旋回シール機構の破損や旋回軸受やスラスト軸受の破損
を招き信頼性を低下させていた。
【0009】さらには、製造上や不良や苛酷な使用など
で旋回シール機構が破損して機械室から潤滑油が作動室
内に流出する場合が想定されておらず、作動ガスに混入
した潤滑油を検知する機能が無かったので、潤滑油漏洩
時に時間経過とともにシステム全体が壊れて大きな被害
が発生する問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】ここでは、オイルフリー
スクロール圧縮機に係わる旋回シール機構を最初につい
で小型軽量化に係わるスクロール形状に対する従来の課
題を解決する手段について説明をする。
【0011】柔軟性が極めて高い薄肉のゴムが合成樹脂
などを材料とする円筒状のシール薄膜9の一端を旋回ス
クロール端板3a外周にシールバンドかOリングで押さ
えるか接着材等により内側を全周密封固定し、他端のハ
ウジングに設けた内台座5c外周下端も前記一端と同様
に全周密封固定するとともにシール薄膜を補強するため
にシール薄膜円筒部内外両面か片面側に多少自由度を持
ち横方向のバネ定数が極めて低い円筒状の密着バネを装
着して構成される旋回シール機構8を旋回スクロール端
板とハウジングとの間に設ける。
【0012】そして、ハウジングと固定スクロールおよ
び旋回スクロールとで形成されるリング状の分離空間を
分割する円筒状のシール薄膜9の外面に接する空間を作
動室の吸入通路に連通させ、シール薄膜内面に接する空
間を動力伝達機構などを収納している機械室に連通させ
るとともに吸入通路が大気中に通じている場合には前記
機械室を油分離機能を有する空間または油分の殆どない
空間に通じる位置に設けた通気ケースを介して大気中に
連通させて、シール薄膜内外面に圧力差が作用しないよ
うに構成されている。
【0013】次いで、小型軽量化と旋回スクロールの挙
動の安定性を高めて旋回シール機構の信頼性向上を図る
ことに係わる階段状のラップを用いたスクロール形状に
対する従来の課題を解決する手段について説明をする。
旋回スクロールの挙動の安定性を高めるには旋回スクロ
ールを作用力の支点回りに回転させる転覆モーメントを
無くすか大幅に軽減する必要がある。
【0014】その手段としてのスクロール形状は、円形
の端板上に一端が固定され他端が端板外側平坦部の鏡板
面に対して平行で同一高さの先端面を有し且つ渦巻き状
に伸びた壁の厚さを一定とする旋回ラップを設けた旋回
スクロールと円形等厚の円盤内に端面に平行で深さと幅
が一様な底面を有する渦巻き溝を設けた固定スクロール
を互いに噛み合わせて形成される三日月状の内外圧縮室
の形が非対称となる非対称ラップ形状で構成される。
【0015】そして旋回ラップ内外側壁と端板の平坦面
から形成されラップ歯厚に旋回スクロールの円軌道上の
公転運動の半径に等しい旋回半径の2倍を加えた値の幅
を有するコ字状の渦巻き溝の中央部巻き始め近傍から内
側全域の高さを外周側より一段高くした高段溝3cを設
ける。その高段溝が立ち上がる溝段差壁面3eの平面形
状は旋回ラップ側壁両面に接する1個の半円弧形状ない
しは旋回ラップ側壁両面にはおよそ1/4円弧で接しこ
の円弧を接続する直線を溝中央に有する形状で中央側に
向けて凸となるように形成される。溝段差 とそのおよそ1/4巻き外側との間に設けられ、溝段差
壁面の円弧外側が旋回 わる点に等しい。
【0016】この高段溝3cの底面に旋回ラップの巻き
始め部を設けるとともに高段溝内部には、鏡板面の裏面
側に開口する茶筒のような一端が閉じた穴またはその穴
の中に圧入した円筒で構成された旋回軸受3fを設け、
その軸受に相当する円筒の両端面の中央で荷重の支持点
に相当する位置と端板の鏡板面に相当する位置をおよそ
一致させるかそれよりも高段溝底面側に深く挿入して旋
回軸受を構成する。
【0017】さらに旋回スクロール溝段差壁面3eの半
円弧中心Osと渦巻き曲線の座標中心Oaを通る線分k
lから溝段差壁面の円弧の凸方向に座標中心Oaからお
よそ旋回半径の1/2以上の距離が離れた位置に軸心O
bを有するように旋回軸受を設け、且つまたは軸心Ob
を通り前記線分klに平行な線上で軸心Obよりも溝段
差壁面側に旋回スクロールの重心Ogを設ける。
【0018】一方、旋回スクロールの鏡板面に微小隙間
を介して対面する固定スクロール側の鏡板面からの固定
スクロールに設けられた渦巻き状の固定溝4aの深さは
一様であるが、その固定溝を仕切るように形成される固
定ラップの巻き始めから半巻きないしは3/4巻きの間
は固定溝底面からの高さが低い固定ラップで形成され、
それより外側は鏡板面と同一高さの固定ラップで形成さ
れている。その高さが階段状に変化するラップ段差壁面
4dの正確な位置と形状は、前記旋回スクロールの渦巻
き溝に設けた溝段差壁面と噛み合う位置とその包絡線と
して形成される。
【0019】上記構成に基づき形成される圧縮室の状態
は以下の通りである。
【0020】旋回ラップの巻き終り外壁面が固定スクロ
ールの固定溝外壁面に最接近した時に旋回ラップ外壁面
側に外圧縮室の最大密閉空間50が形成され、この位置
から軸が半回転進むと旋回ラップ巻き終り内壁面が固定
スクロール渦巻き溝内壁面に最接近した状態となり旋回
ラップ内壁面側に最大密閉空間50の容積より小さな内
圧縮室の最大密閉空間60が形成される。この最大密閉
空間50内および最大密閉空間60内には位置的に高段
溝が存在しないか無いに等しい存在であり、この高段溝
によるそれら最大密閉空間の容積の減少は無視できる。
【0021】旋回スクロールの溝段差壁面3eの半円弧
部外側が旋回ラップ内壁に接する位置に固定スクロール
のラップ段差壁面4e外側が接触または最接近した状態
の外圧縮室の容積をVc、内圧縮室の容積をVdと置い
た場合に最大密閉空間50の容積Vaに対する比である
圧縮比Vc/Vaと最大密閉空間60の容積Vbに対す
る比である圧縮比Vd/Vbを等しくする旋回スクロー
ルの高段溝の高さとこれと噛み合うように固定スクロー
ルの低い固定ラップの高さを設定する。
【0022】旋回スクロールを固定スクロールに対して
相対的に自転の無い公転運動すなはち旋回運動をさせる
自転防止機構には、リングの両面に互いに直交する2本
のキーまたはキー溝を設けたオルダムリングとそれに勘
合するように旋回スクロールとハウジングにキー溝また
はキーをそれぞれ2か所設けて噛み合わせて構成される
オルダム機構を用いる。自転防止機構としてオルダム機
構以外に特許第3016113号公報に見られるピンク
ランク機構や特許第1296413号公報に見られるボ
ールカップリング機構を用いても目的は達成できる。
【0023】さらには、旋回シール機構が製造上の不良
や苛酷な使用条件などから破損して潤滑油が作動室の吸
入側に流入した場合を想定した油検知センサー20を旋
回シール機構近傍で油が溜まり易いハウジング内に設置
する。
【0024】上記発明の技術手段による働きは次のとお
りである。
【0025】シール薄膜9とそれを保護する密着バネか
ら成る旋回シール機構8を旋回スクロール端板とハウジ
ングとの間に設けて作動室と機械室を完全に分離するこ
とにより作動室の完全オイルフリー化が達成できる。し
かも、吸入通路内がおよそ大気圧に等しく、機械室も油
分離空間を介して大気中に通じておりシール薄膜内外の
圧力差は殆ど無く、階段状ラップの適用により旋回スク
ロールの挙動の安定性も良く旋回運動に対する耐久性も
十分に確保できるので破損することはない。
【0026】次に圧縮室の状態を見ると、旋回ラップ外
壁側に形成される外圧縮室が最大密閉空間50を形成し
てから軸がおよそ1回転する間は階段溝がなくて渦巻き
溝深さ一定の状態で圧縮が継続される。一方、旋回ラッ
プ内壁側に形成される内圧縮室が最大密閉空間60を形
成してから圧縮を開始すると高段溝が表れて容積の減少
度合いが外圧縮室より大きくなる。そして、旋回スク た状態の内外圧縮室の容積とそれぞれの最大密閉空間に
対する容積の比である圧縮比は等しいのでその内部圧力
も等しくなる。この状態からさらの軸が回転すると最接
近した溝段差壁面の内側境界部とラップ段差壁面の内側
境界部が次第に離れて隙間が拡大し内外圧縮室が連通し
て1つの圧縮室として動作した後吐出孔に連通して圧縮
ガスが吐出される。
【0027】ガス圧縮に伴う接線方向力が旋回ラップの
基礎円中心と旋回半径離れた固定ラップの基礎円中心の
中間点より旋回ラップの基礎円中心側に作用するが、溝
段差壁面半円弧形状のおよそ中央にラップ段差壁面が位
置した状態において、旋回軸受軸心が接線方向力より固
定ラップの基礎円中心側に位置させることにより、旋回
スクロールを駆動するシャフトの回転とは逆方向に回転
させる自転モーメントが作用して、溝段差壁面がラップ
段差壁面側に近付いて互いの段差壁面間の隙間を減少さ
せて圧縮室間のシール性を高める。
【0028】また、旋回ラップの巻き始め中央部には吐
出圧力が作用して旋回ラップには大きな差圧が作用する
が高段溝により実質的にラップの歯高を低くしてラップ
強度を高めるとともにシャフト内に設けた給油孔から潤
滑油を旋回スクロールの旋回軸端部の階段溝底面内に供
給して高温となる旋回スクロール中央部を冷却すること
によりスクロール部材の熱変形防止や圧縮ガスの冷却と
それによる圧縮ガスの圧力を低下させる働きがある。
【0029】さらには、旋回シール機構が製造上のミス
か過酷な使用条件から破損して機械室内の潤滑油が作動
室側に流出した場合には、その油はハウジングに設けた
油センサーで検知された電気信号は圧縮機の制御系に電
送されて表示板に異常を知らせて警告を発するか圧縮機
を停止するので、被害がシステム全体に及ぶことはなく
最小限に止められる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1な
いしは図13を参照して説明する。
【0031】図1は本発明の一実施例を示したスクロー
ル圧縮機1の縦断面図である。この圧縮機の内部空間は
スクロール部材などで構成される圧縮機構部から形成さ
れる作動室と電動機14や動力伝達機構部を収納してい
る機械室32に大別される。それら空間の間にハウジン
グ5が設けられ、圧縮機構部と動力伝達機構部を機械的
に結合する役目を果たしている。
【0032】前記作動室はスクロール部材の渦巻き曲線
で囲まれる圧縮室と作動ガスが流入流出する通路を含む
低圧空間と高圧空間に分けられる。そして、電動機14
を保持するケーシング13に固定されているハウジング
5にボルト固定された厚肉円盤状の板に渦巻き状の固定
溝4aを設けた固定スクロール4と円形の端板3a上に
渦巻き状の旋回ラップ3bを設けその内部に円筒状の旋
回軸受3fと自転防止機構用のキー溝3gを2か所設け
て構成される旋回スクロール3のそれぞれの固定溝4a
と旋回ラップ3bを互いに噛み合わせて複数の圧縮室を
形成している。また機械室32には動力伝達機構部の主
要部であるシャフト7とその端部に直結している給油ポ
ンプ16、各摺動部に供給される潤滑油18などが収納
され、ケーシング13に設けられた端子を兼ねる通気ケ
ース21により大気に連通されているのでその内部圧力
は大気圧が保持される構成となっている。
【0033】図1のA−A断面図、B−B断面図、C−
C断面図及びD矢視拡大図をそれぞれ図2〜5は表す。
電動機の動力はハウジング5に設けた主軸受5aで支え
られたシャフト7を介してその一端に設けた軸心がシャ
フト中心よりおよそ旋回半径偏心した旋回軸部7bを図
2に示すように旋回スクロール3の旋回軸受3fに挿入
することにより伝達される。図1と図4に示すようにハ
ウジングと旋回スクロールの間には矩形断面のリングの
片面に180°対向して旋回側キー6aを2個設けその
裏面にも90°位相をずらして同様の2個のフレーム側
キー6bが設けられたオルダムリング6が装着されてい
る。オルダムリングに設けた2対のキーはそれぞれ旋回
スクロールに設けた2か所のキー溝と90°位相がずれ
た位置に設けたハウジング側に2か所のキー溝に摺動可
能にして挿入されて自転防止機構が構成されている。
【0034】ハウジング5の外周端面で固定スクロール
の座面を形成し、その内側に分離空間30を隔てて形成
される円錐形の台形断面を有し主軸ボスを兼ねる内台座
5cの外側に設けたリング状のスラスト軸受5bで旋回
スクロールのスラスト力を受ける構成となっている。そ
のスラスト軸受の内側空間に前記オルダムリング6が収
納されている。そして、リング状に形成された分離空間
30を内側と外側に分離するように複数の部品で構成さ
れた円筒状の旋回シール機構8が設けられている。
【0035】図1のD矢視拡大図の図5に示されている
ように、旋回シール機構8は旋回スクロール3とハウジ
ング5との間に設けた薄肉のゴムか合成樹脂などを材料
とする柔軟性の高い円筒状のシール薄膜9、その上端部
を旋回スクロール端板3a外周に密封固定するシールバ
ンド12、シール薄膜下端部をハウジング内台座5c外
周底部に密封固定するシールバンド12、旋回スクロー
ル端板3a外周部とハウジング内台座5c外周底部との
間でシール薄膜9外側に多少の自由度を持たせて設けた
横剛性の低い外密着バネ10、および旋回スクロール端
板3a外周部に設けた溝3iとハウジング内台座5c外
周底部との間でシール薄膜9内側に多少の自由度を持た
せて設けた横剛性の低い内密着バネ11から構成されて
いる。
【0036】旋回シール機構8を構成する部品の外観形
状を図12の構成部品展開図に示す。シール薄膜9の内
径はおよそ旋回スクロール端板3aの外径に等しく、外
密着バネ10の内径と内密着バネ11の外径はそれぞれ
はシール薄膜のおよそ外径と内径に等しく形成されてい
る。また固定スクロールないしは旋回スクロールとハウ
ジングの間に挿入されている外密着バネと内密着バネの
軸方向端面には1mm前後以上の隙間が設けられ圧縮荷
重を受けない構成となっている。さらに、上下端部2か
所をシールバンド12で固定されるシール薄膜の固定部
は気密性が確保できる構成とする。
【0037】また図4に示しているように、ハウジング
5下部の作動室に通じる空間内に油検知センサー20が
装着されている。油を検知する原理は作動ガスと潤滑油
の特性の違いを利用する方式を用いる。例えば、油粒子
による散乱を利用した光センサーや比熱の大きさを利用
した熱線風速計さらには誘電率の差を利用する静電容量
センサーなどが考えられる。そして、製造上や取扱上の
問題などから旋回シール薄膜が破損して機械室内の潤滑
油が作動室内に僅かでも流出した場合に、この油検知セ
ンサーが作動する仕組みとなっている。
【0038】次に圧縮機構部を構成する旋回スクロール
3および固定スクロール4の詳細な形状について説明す
る。
【0039】図1に示すようにハウジング5に乗る固定
スクロール4座面と同一面となる鏡板面からの固定溝4
d底面の深さは一様にして、その中央近傍に圧縮ガスを
流出させる吐出孔4hを巻き終り側外周部には吸入孔4
iが設けられている。また、図2に示した旋回スクロー
ル3の位置では旋回ラップ3b外壁巻き終り部が固定ス
クロールの固定溝4a巻終り内壁部に最接近して旋回ラ
ップ外壁側に位置する外圧縮室の最大密閉空間50が形
成されているが、旋回ラップ内壁側に位置する内圧縮室
は吸入行程がおよそ半回転進行した状態を示している。
このように、内外圧縮室の形状が非対称で形成される非
対称ラップ形状で構成されている。
【0040】旋回スクロールの渦巻き溝を一段高くした
高段溝3cを上から見た図1のA−A断面図である図2
に旋回スクロールの高段溝に設けた溝段差壁面3eの半
円弧形状の一部が見える。この高段溝3cに対応する固
定スクロールに設けた固定ラップのラップ段差壁面4e
は切断面を表す斜線に隠れて見辛いがラップ歯厚を直径
とする半円弧を点線で示している。これら溝段差壁面3
eとラップ段差壁面4dの形状は図1のB−B断面であ
る図3に明瞭に示してあるように、ラップ段差壁面4d
がラップ歯厚を直径とする半円弧形状に対して、溝段差
壁面3eは旋回半径の2倍にラップ歯厚を加えた値すな
はち溝幅を直径とし旋回ラップの内壁と外壁に接する半
円弧形状をしている。これら溝段差壁面とラップ段差壁
面の半円弧形状は互いに包絡線となる関係にある。
【0041】また図1のB−B断面である図3に示すよ
うに、周囲をインボリュート曲線で代表される渦巻き曲
線と溝段差壁面3eで囲こった旋回スクロール高段溝の
内部には茶筒ような一端を閉じ他端を端板3a裏面に開
口する穴が旋回軸受3fであり、その旋回軸受にシャフ
ト9の一部である旋回軸9bが隙間を設けて挿入されて
いる。そして、シャフト9内を貫通し一端は給油ポンプ
16に開口し他端は旋回軸内を通り端面に開口する給油
孔9cを設けて、高段溝3c内部に潤滑油を導入する構
成としている。
【0042】図6、図7を用いて旋回スクロールの形状
を詳しく説明する。
【0043】図6に示すように円形に近い等厚の端板3
a上にインボリュー まで2巻弱で形成され、端板3aのラップ側の平坦面で
ある鏡板面から旋回ラップ3b先端までの高さは巻き始
めから巻き終りまでの全域で等しく、旋回ラップの内壁
と外壁で囲まれるコの字断面の渦巻き溝の旋回ラップ巻
き始め近傍の外壁に接する位置から内側全域の高さを外
周鏡板面より一段高くした高段溝3cを設ける。その高
段溝が立ち上がる溝段差壁面3eの平面形状は旋回ラッ
プ側壁面に接し中央に向けて凸となる半円弧形状をして
いる。この半円弧形状 巻伸開した位置との間に設けられ、半円弧形状の外側が
旋回ラップ内壁に接す 岸の旋回ラップ内壁が交わる点として設けられる。そし
て、旋回ラップ先端に設けられた幅の狭い溝内に可動式
のチップシール22が装着されている。
【0044】さらに図6のA−A断面である図7に示さ
れているように、旋回スクロール高段溝3cの内部に設
けられた旋回軸受3fの円筒状の両端面のほぼ中央が鏡
板面の水平位置に相当するかないしはそれよりも高段溝
3c底面側に位置するように茶筒状の穴が設けられい
る。
【0045】次に固定スクロールの形状を図8と9を用
いて詳しく説明する。
【0046】図8の固定スクロール4の平面図に示され
ているように、ハウジング5の座面と同一面となる鏡板
面からの高さが全域で等しい固定溝4aの中央近傍には
吐出孔4hが設けられ巻き終り側には吸入通路4jと吸
入孔4iが設けられている。固定溝4d間を仕切る壁と
なる渦巻き状の固定ラップは鏡板面につながる位置から
約1巻弱内側に巻かれた高い固定ラップ4bとそと位置
から巻き始めまでの約半巻き強巻かれた溝底面からの高
さが低い低い固定ラップ4cから構成されている。低い
固定ラップ4cの溝底面からの高さは図9に示すよう
に、高い固定ラップの約4割前後となっている。この高
い固定ラップから低い固定ラップに切り替わる場所に溝
底面に垂直な溝段差壁面4dが設けられ、その端面形状
はラップ歯厚を直径とする半円弧形状で形成されてい
る。この溝段差壁面4dの設定位置、端面形状および高
さは旋回スクロールに設けた高段溝3cとラップ段差壁
面3eに噛み合うように設定されている。
【0047】次に、旋回軸受3f軸心と旋回ラップの渦
巻き中心すなはちインボリュート曲線の基礎円中心およ
び旋回スクロールの重心位置との相対的な位置関係につ
いて説明する。
【0048】図10は軸回転角が図3の位置よりおよそ
半回転弱進み、固定スクロールのラップ段差壁面4dの
円弧中央に旋回スクロールの溝段差壁面3eの円弧中央
部が最接近した状態を示している。この最接近により、
高い固定ラップ4bと低い固定ラップ4cの内外に形成
される圧力状態の異なる圧縮室間をシールしている。そ
して、この最接近した段差壁面間の隙間の大きさは旋回
スクロールに作用する旋回軸受回りの自転モーメントの
方向で異なってくる。図10の状態で、旋回スクロール
が時計回りすなはち右回転すれば段差壁面間の隙間が拡
大し、左回転すればその隙間は減少する。その自転モー
メントの方向は旋回軸受中心と旋回スクロールの遠心力
に係わる重心点およびガス圧縮荷重の作用点との相対的
な位置関係から定まる。
【0049】それらの相対的な位置関係を旋回スクロー
ルの中央部詳細を示した図11から説明する。渦巻き曲
線の基礎円中心Oaと溝段差壁面3eの半円弧中心Os
を結ぶ線分をklと置いた場合、遠心力に対する自転モ
ーメントによるシール効果を得る手段として、旋回スク
ロールの重心点Ogは旋回軸受中心Obを通り線分kl
に平行な線上で中心Obよりも溝段差壁面3e側に配置
させる。また、ガス圧縮荷重に対する自転モーメントの
シール効果を得る手段として、基礎円中心Oaに対する
旋回軸受中心Obは、線分klより溝段差壁面3e半円
弧の凸側でおよそ旋回半径の約1/2以上離して配置す
る。但し、旋回スクロールに作用する自転モーメントは
遠心力とガス圧縮荷重それぞれの効果を加えた大きさと
なり、いずれか大きい方のみを適用しても良い。
【0050】 強度を高める手段として、図示はされていないが、当該
端部と端板をつなぐ固定された三角形状か階段状のリブ
を設けても良い。
【0051】以上の如く構成されたスクロール圧縮機の
働きについて以下説明する。
【0052】図13に表す(a)〜(d)の4枚の図は
本発明に基づくスクロール圧縮機のシャフト7を90度
ピッチで回転させて圧縮室の状態を示した動作原理説明
図を表している。また図14の上下2の図はシャフト7
の軸回転角に対応して変化する圧縮室の容積と圧力を表
し、容積軸は外圧縮室の最大密閉空間50の容積を10
0%とする容積比率で表され、圧力軸は作動ガスの吸入
圧力Psから吐出圧力Pdの範囲で表されている。
【0053】図13の(a)の図では、旋回ラップ3b
外壁の巻き終り点と 壁側に形成される外圧縮室の最大密閉空間50が形成さ
れる。その状態の圧縮室の容積と圧力は図14の軸回転
角θの縦軸それぞれ示される容積の図中A点の100
%と圧力の図中P点の吸入圧力Psに相当する。この状
態から軸回 内壁側が高い固定ラップ4b外壁に最接近して旋回ラッ
プ内壁側に内圧縮室の最大密閉空間60が形成され、そ
の圧縮室の状態を図14の軸回転角θの縦軸上に示め
すと、容積の図ではA点より容積が減少するB点とな
り、圧力の図ではQ点の吸入圧力Psとなる。
【0054】(c)で示した内圧縮室の最大密閉空間6
0を形成した三日月状の圧縮室の中央近傍では、旋回ス
クロール側の半円弧形状溝段差壁面3eが旋回ラップ内
壁に接する位置からラップ段差壁面4eが最接近の後圧
縮室間をシールしながら溝段差壁面3eに沿って僅か進
んだ状態を示しており、最大密閉空間60内に溝段差壁
面3eが僅か顔を出しているが、その容積に与える影響
は極めて小さく無視できる大きさである。
【0055】さらに(c)の約1/4回転手前から
(d)の約1/4回転進んだ半回転の区間はラップ段差
壁面4d上を溝段差壁面3eが最接近または接触した状
態で移動する。その際旋回スクロール3に作用するガス
圧縮荷重ないしは遠心力の作用方向と旋回軸受3fの軸
中心位置との関係から生じる図面上から見た左回転の自
転モーメントは、旋回スクロールの2か所のキー溝3g
に挿入される旋回側キー6aを有するオルダムリング6
を介してハウジング側キー6bで受け止められるため、
この自転モーメントによる旋回スクロールの旋回軸中心
回りの回転角は2対ある旋回側及びハウジング側キーの
側壁隙間ないしは溝段差壁面3eとラップ段差壁面4d
間の隙間で決まる。この回転角をオルダムリング6を介
するキー側壁隙間で設定した場合には当該溝段差壁面と
ラップ段差壁面間は微小隙間を保持しながら段差壁面間
を移動することになり固定ラップ4b,4cに仕切られ
た圧縮室間のシールが可能となる。
【0056】(d)の約1/4回転進んだ位置すなはち
(d)と(a)のおよそ中間位置の外圧縮室と内圧縮室
の容積を比較すると互いの三日月状の溝底面の面積は等
しいが、外圧縮室の溝底面は最大密閉空間50と同じ一
様な深さであるが、他方内圧縮室の場合はその三日月状
の溝底面のおよそ中央に高段溝3cが表れて圧縮室の深
さが高いラップ側の半分以下と浅くなっているので外圧
縮室より容積は大幅に減少する。この状態は図14の軸
回転角θに相当し、外圧縮室54の容積はC点で表さ
れ、内圧縮室の容積はそれより減少したD点で表され
る。これら容積とそれぞれの最大密閉空間の容積との比
率を表す内外圧縮室それぞれの容積比はこの軸回転角で
互いに等しくなるように構成されているので、互いの圧
縮室内の圧力はR点で示されるように等しくなる。すな
はち、図14の容積変化図の記号に対応させて外圧縮室
の最大密閉空間50の容積をVaと置きC点の外圧縮室
の容積をVc置くとともに内圧縮室の最大密閉空間60
の容積をVbと置きD点の内圧縮室の容積をVd置く
と、次式が成立するように高段溝3c及び低い固定ラッ
プ4cが形成されている。 Va/Vc=Vb/Vd この階段状の溝やラップの高さで変化するのはVdのみ
であり、その溝やラップ高さは上式を満足させる条件か
ら求められる。
【0057】さらに図14の軸回転角θから軸回転角
が進み(d)と(a)の中間近傍の状態、すなはち溝段
差壁面3eとラップ段差壁面4dとの間が最接近した最
終段階の状態から次第に離れて隙間が拡大し(a)を過
ぎた位置でおよそ旋回半径の2倍に相当する最大値を示
した後減少に転じて(c)の手前で再度最接近の状態と
なる半回転の間は外圧縮室と内圧縮室は連通状態となり
互いの圧縮室が合体して1つの圧縮室として振る舞う。
この状態は図14の軸回転角θからθの間に相当
し、容積軸のC点とD点の容積が合体してE点で表され
る1つの圧縮室となるためこの圧縮室の圧力は1つとな
ってR点からT点への推移した後外圧縮室が吐出孔4h
に連通して吐出行程に入る。吐出孔に直接連通しない内
圧縮室の直接の吐出通路としては、旋回ラップと固定ラ
ップの巻き始め先端間で大きく開いた隙間が利用され
る。吐出孔に連通する直前の状態をおよそ示している
(a)では段差壁面間に大きな隙間が生じて内外圧縮室
が連通状態にあることを示しているが、その内外圧縮室
の容積をそれぞれVi、Voと置くと、圧縮機としての
固有圧縮比は次式で表される。 (Va+Vb)/(Vi+Vo) この内分母を構成する容積Viは高段溝3eを設けると
減少するので、少ない渦巻きの巻き数で大きな固有圧縮
比を得ることが可能となる。
【0058】以上示した如く、高段溝3cと低い固定ラ
ップ4cを1対設けた階段付きスクロール部材形状の適
用により、巻き始めラップの強度が高められて高いラッ
プ歯高を可能にしてスクロール部材の細径化を図ると同
時に高段溝3c底面内に旋回軸受4fを挿入して旋回ス
クロールに作用する径方向のガス圧縮荷重や遠心力の作
用点との距離を縮めることにより旋回軸受を支点として
旋回スクロールを回転させる転覆モーメントを大幅に減
少させることができる。また、スクロール部材の細径化
により旋回スクロールのラップ先端や渦巻き溝底面に作
用するガス圧縮によるスラスト荷重を減少させることが
できる。
【0059】
【発明の効果】以上の如く構成されたスクロール圧縮機
の効果を以下説明する。
【0060】旋回スクロール端板とハウジング内台座の
間のに上下端をシールバンドでそれぞれ密封固定したシ
ール薄膜9を分離空間に設けて作動室と機械室を完全に
分離することにより機械室で使用する潤滑油が作動ガス
に混入するのを完全に防止して完全なオイルフリー化が
達成できる効果がある。さらに、シール薄膜内外面に沿
って装着した密着バネでシール薄膜に作用する差圧力や
慣性力を受けて極めて剛性の低いシール薄膜を保護する
とともに階段状のスクロール形状と旋回軸受のラップ側
への挿入形状を適用して旋回スクロールに作用する転覆
モーメントの大幅な軽減による挙動の安定化により、シ
ール薄膜の破損を防止して信頼性の高い旋回シール機構
8が構成できる効果がある。
【0061】また、製造上や取扱上の問題などから旋回
シール薄膜が破損して機械室内の潤滑油が作動室内に僅
かでも流出した場合には、ハウジングに設けた油検知セ
ンサーが作動して警報を発するか圧縮機を停止させるの
で、被害の拡大を未然に防げる効果がある。
【0062】非対称ラップのスクロール形状に階段状の
溝とラップを1対設けることにより、ラップ巻き初め側
のラップの強度を確保した上で従来よりも歯高を高くす
ることが可能となることでスクロール部材の細径化及び
旋回スクロールの階段状の渦巻き溝内に旋回軸受を挿入
することによる小型軽量化が図れる効果があることと同
時にこのラップ部の細径化によりラップ先端部の渦巻き
線に沿った長さが短くなることと圧力が大きく上昇する
中央近傍の階段状のラップ側壁高さが低く圧縮室間のシ
ール長が短くできることさらには旋回スクロールに作用
する自転モーメントを利用した溝及びラップ段差壁面間
のシール機構により内部漏れが大幅に低減して効率向上
が図れる効果がある。
【0063】また、旋回スクロールに作用する転覆モー
メントの大幅な軽減は旋回軸受と旋回軸間の相対的な傾
きが減ってスラスト軸受や旋回軸受の耐久性が高まる効
果もある。
【0064】さらには、1対の階段状の溝とラップから
形成されるスクロール形状の適用で小型軽量化を図るこ
とおよび旋回シール機構の適用で機械室内の各摺動部に
潤滑油を供給して安価な滑り軸受材料を適用することに
より、静音化と同時に大幅な原価低減が図れる効果があ
る。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクロール圧縮機の断面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図1のB−B断面図
【図4】図1のC−C断面図
【図5】図1のD矢視拡大図
【図6】旋回スクロールの平面図
【図7】図6のA−A断面図
【図8】固定スクロールの平面図
【図9】図8のA−A断面図
【図10】溝段差壁面とラップ段差壁面の関係図
【図11】旋回スクロールの渦巻き中心と軸受中心およ
び重心位置との関係
【図12】旋回シール機構の構成部品展開図
【図13】本発明の圧縮原理説明図
【図14】圧縮室の容積と圧力の変化説明図
【符号の説明】
3は旋回スクロール、3bは旋回ラップ、3cは高段
溝、3eは溝段差壁面 3fは旋回軸受、3hはシール溝、3iはバネ溝、4は
固定スクロール 4cは低い固定ラップ、4dはラップ段差壁面、5はハ
ウジング 5aは主軸受、5bはスラスト軸受、5cは内台座、6
はオルダムリング 7はシャフト、8は旋回シール機構、9はシール薄膜、
10は外密着バネ 11は内密着バネ、12はシールバンド、16は給油ポ
ンプ、18は潤滑油 20は油検知センサー、21は通気ケース、30は分離
空間、32は機械室 50〜55は外圧縮室、60〜63は内圧縮室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円形の端板上に一端が固定され他端が端板
    の鏡板面に対して平行で同一高さを有する渦巻き状の旋
    回ラップを形成した旋回スクロールとおよそ円柱に近い
    等厚の円盤内に端面に平行で深さが一様な底面を有する
    渦巻き状の固定溝を設けた固定スクロールを互いに噛み
    合わせて形成される圧縮室で旋回ラップ巻き終り外壁に
    面する空間も圧縮室として利用する非対称ラップ形状で
    形成され、旋回ラップの端板を挟んだ反対側端板中央に
    旋回軸受を設けた旋回スクロールを自転防止機構を用い
    て円軌道上を公転運動させるスクロール流体機械におい
    て、 (1) 旋回スクロールの旋回ラップ3b内外側壁と端
    板の平坦面から形成される渦巻き溝のラップ巻き始め外
    壁面に接する近傍から内側の高さを外側より一段高くし
    た高段溝3cを設け、その高さが変化する溝段差壁面3
    eの平面形状は旋回半径以上の曲率を有して中央に向け
    て凸となるおよそ半円弧形状で、その円弧の内側は旋回
    ラップ外壁面に接し、外側は旋回ラップ内壁面に接する
    ように形成される旋回スクロール。 (2) 旋回スクロールに設けた高段溝3cの内部に茶
    筒のような一端が閉じ他端が鏡板面の裏面側に開口する
    穴またはその穴の中に圧入した円筒部材からなる旋回軸
    受3fの長手方向の中央を端板3aの鏡板面に相当する
    位置それよりも高段溝底面側に近付けて構成された旋回
    軸受。 (3) 旋回スクロールの渦巻き曲線の座標中心Oaと
    溝段差壁面3eの半円弧中心Osを通る直線から溝段差
    壁面3eの半円弧凸側に旋回半径のおよそ1/2以上離
    れた位置に旋回軸受中心Obを設けた旋回スクロール。 (4) 旋回スクロールの旋回軸受Ob中心を通り溝段
    差壁面3eの半円弧中心Osと渦巻き曲線の座標中心O
    aを通る直線に平行な線上で旋回軸受Ob中心よりも溝
    段差壁面3e側に旋回スクロールの重心位置を設けた旋
    回スクロール。 (5) 固定スクロール4に設けた鏡板面からの高さが
    一定の渦巻き溝を間仕切る壁となる固定ラップの巻き始
    めから半巻きないしは3/4巻きの間は溝底面からの高
    さが低い固定ラップ4cで形成され、それより外側は鏡
    板面と同一高さの高い固定ラップ4bで形成されるとと
    もに低い固定ラップの高さを高い固定ラップの半分以下
    で形成した固定スクロール。以上で構成されたことを特
    徴とするスクロール流体機械。
  2. 【請求項2】薄肉のゴムか合成樹脂などを材料とする柔
    軟性が極めて高い円筒状のシール薄膜9の一端を旋回ス
    クロール端板外周にシールバンド12で押さえるか接着
    材などにより全周密着固定し、他端もハウジング5の内
    台座の下部にシールバンド12で押さえるか接着材など
    により全周密着固定するとともにシール薄膜を支えるよ
    うにその外側に多少の自由度を有する円筒状の外密着バ
    ネ10を装着し、またシール薄膜を支えるようにその内
    側に多少の自由度を有する円筒状の内密着バネ11を装
    着して構成される旋回シール機構8を旋回スクロール端
    板とハウジングとの間に設けて構成されたことを特徴と
    する請求項1のスクロール流体機械。
  3. 【請求項3】ハウジング5内空間に装着した機械室と作
    動室を完全に分離する旋回シール機構8の外側の作動室
    に通じる空間内でハウジング下部に、機械室に封入され
    ている潤滑油がセンシングできる油検知センサー20を
    装着して構成されたことを特徴とする請求項2のスクロ
    ール流体機械。
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