JP4847054B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば空気圧縮機や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械としては、一方のスクロールを他方のスクロールに対して旋回運動させることにより、空気等を圧縮するようにしたスクロール式圧縮機が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平11−280676号公報 特開平3−11101号公報
この種の従来技術によるスクロール式圧縮機は、固定スクロールと、該固定スクロールに対向して旋回可能に設けられた旋回スクロールとを有し、これらのスクロールは鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設されている。そして、固定スクロールと旋回スクロールとの間には、各ラップ部が互いに重なり合うことによって複数の圧縮室が画成されている。
ここで、各スクロールのラップ部は、鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回され、その歯先面には、ラップ部の長さ方向に沿って延びるシール溝が設けられている。このシール溝は、例えば略四角形状(コ字状)の横断面を有し、底面と、内周側,外周側の壁面とによって形成されている。
また、シール溝内には、例えば樹脂材料等によって渦巻状に形成され、略四角形の横断面形状を有するチップシールが設けられている。そして、チップシールの底面には、シール溝の底面に向けて突出する複数の底面リップ部が設けられ、チップシールの内周面には、シール溝の内周側の壁面に向けて突出する複数の内側リップ部が設けられている。また、これらのリップ部は、チップシールの長さ方向(渦巻方向)に間隔をもって配置されている。
そして、圧縮機の運転時には、旋回スクロールが旋回運動を行うと、各圧縮室がラップ部の外径側から内径側に向けて移動しつつ、徐々に縮小する。このため、外径側の圧縮室に吸込まれた空気は、内径側に移動するときに圧縮されて圧縮空気となり、最も内径側(中央)の圧縮室から外部に吐出される。
このとき、チップシールは、各底面リップ部がシール溝の底面に当接し、各内側リップ部が内周側の壁面に当接すると共に、この状態で相手方の鏡板の歯底面に摺接することにより、各圧縮室の気密性を確保する構成となっている。
ところで、上述した従来技術では、チップシールに底面リップ部と内側リップ部とを設ける構成としている。しかし、これらのリップ部は、シール溝の窪んだ角隅の両側で溝の底面と壁面にそれぞれ当接した状態となる。この結果、シール溝の角隅側には、底面リップ部と内側リップ部とによって挟まれる位置に隙間が形成されることがあり、この隙間は、シール溝の内径側から外径側に向けて細長く延びた状態となる。
このため、圧縮機の運転時には、ラップ部の内径側で圧縮された高圧な圧縮空気がシール溝内の隙間を通じて外径側に漏れ出すことがあり、これによって圧縮性能が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、チップシールとシール溝との間に隙間が形成されるのを抑制することができ、シール溝を通じた空気漏れ等を防止できると共に、圧縮性能を向上できるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された一方のスクロールと、該一方のスクロールに対向して設けられ鏡板に該一方のスクロールのラップ部と重なり合って圧縮室を画成するために内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された他方のスクロールと、前記各スクロールのラップ部のうち少なくとも一方のラップ部の歯先面に開口して設けられ底面と壁面とを有するシール溝と、該シール溝内に設けられ前記底面に向けて突出する複数の底面突起と内周側の壁面に向けて突出する複数の側面突起とを有するチップシールとを備えたスクロール式流体機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記チップシールは前記底面突起の間に流入する圧縮流体によって前記シール溝から浮上する方向に押圧され、前記側面突起の間に流入する圧縮流体によって前記シール溝の外周側の壁面に向かって押圧され、前記シール溝には、前記底面と内周側の壁面との間の角隅に位置して溝内の空間に向けて突出する段差を設け、前記チップシールが前記シール溝から浮上する方向に押圧され、前記シール溝の外周側の壁面に向かって押圧されることによって生じる前記チップシールの底面突起と側面突起との間の隙間を該段差により埋める構成としたことにある。
また、請求項2の発明によると、前記段差は前記シール溝に沿って渦巻状に形成する構成としている。
また、請求項3の発明によると、前記底面突起は前記チップシールの底面に設けると共に前記側面突起は前記チップシールの内周面に設け、前記段差は前記シール溝の底面と内周側の壁面との角隅に設ける構成としている。
請求項1の発明によれば、チップシールをシール溝内に装着した状態では、その底面突起をシール溝の底面に当接させることができ、側面突起をシール溝の内周側の壁面に当接させることができる。これにより、シール溝の底面とチップシールとの間、及びシール溝の内周側の壁面とチップシールとの間に形成される隙間をこれらのリップ部によって遮断することができる。そして、チップシールは底面突起の間に流入する圧縮流体によってシール溝から浮上する方向に押圧され、側面突起の間に流入する圧縮流体によってシール溝の外周側の壁面に向かって押圧される。この場合、シール溝の内周側の角隅側には、チップシールの底面突起と側面突起との間に隙間が形成され易いが、この角隅には段差を設けているので、底面突起と側面突起との間の隙間をシール溝の段差によって確実に埋めることができる。
これにより、例えば従来と同様のチップシールを用いたとしても、その形状に対応して段差を設けることにより、シール溝の断面形状を適切に設定することができる。そして、圧縮運転時には、シール溝の段差と、チップシールの底面突起、側面突起とによってシール溝内の隙間を安定的に遮断でき、シール溝を通じてラップ部の内径側から外径側に圧縮流体が漏れるのを防止することができる。従って、圧縮室の気密性を高め、圧縮性能を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、シール溝の角隅に沿って段差を渦巻状に延設することができる。このため、段差は、チップシールの渦巻方向(長さ方向)の各部位において、個々の底面突起と側面突起との間の隙間を安定的に塞ぐことができる。従って、チップシールの各部位で高い気密性を得ることができる。
また、請求項3の発明によれば、各側面突起をチップシールの内周面に配置することにより、これらの側面突起の間には、ラップ部の内径側から高圧な圧縮流体を流入させることができる。このため、チップシールの内周側の隙間を各側面突起によって遮断しつつ、内周側に流入する圧縮流体によってチップシールの外周側をシール溝の壁面に安定的に押付けることができ、外周側の隙間も確実に塞ぐことができる。そして、シール溝の段差を、内周側の側面突起に対応した適切な位置に配設することができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械を、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図5は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、スクロール式空気圧縮機を例に挙げて述べる。
図中、1はスクロール式空気圧縮機のケーシング(図示せず)に取付けられた固定スクロールで、該固定スクロール1は、例えばアルミダイキャスト等の手段によって一体に形成され、円板状の鏡板2と、該鏡板2の歯底面2Aに軸方向に向けて立設された渦巻状のラップ部3と、鏡板2の外周側に設けられ、該ラップ部3を取囲む筒状の支持部4とによって大略構成されている。
ここで、ラップ部3は、図2に示す如く、例えば最内径端を巻始め端として、最外径端を巻終り端としたときに、内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されている。そして、ラップ部3の歯先面3Aは、図3に示す如く、後述する旋回スクロール10の歯底面11Aから一定の寸法だけ軸方向に離間し、この歯先面3Aには後述のシール溝5が設けられている。
5はラップ部3の歯先面3Aに開口して設けられたシール溝で、該シール溝5は、後述する旋回スクロール10のシール溝14(図2参照)とほぼ同様に、ラップ部3の長さ方向に沿って渦巻状に延びると共に、図3ないし図5に示す如く、例えば横断面が略四角形状(略コ字状)の凹溝として形成されている。
そして、シール溝5は、底面5Aと、底面5Aに対してラップ部3の内周側に位置する内周壁面5Bと、底面5Aに対してラップ部3の外周側に位置する外周壁面5Cとを有し、シール溝5内には空間5Dが画成されている。
6はラップ部3のシール溝5内に設けられた段差を示し、この段差6は、図3に示す如く、後述のチップシール7がシール溝5内に装着されたときに、シール溝5の角隅側に位置してチップシール7の底面リップ部8と内側リップ部9との間に形成される略四角形状の隙間を埋めるものである。
ここで、圧縮機の運転時には、後述の圧縮室21からシール溝5内に圧縮空気の一部が流入する。このとき、シール溝5とチップシール7との間に隙間が存在すると、シール溝5内に流入した圧縮空気は、この隙間に沿って渦巻方向の内径側(高圧側)から外径側(低圧側)に漏れ出ることがある。
このため、段差6は、シール溝5の底面5A、内周壁面5Bと、チップシール7の底面リップ部8、内側リップ部9とによって囲まれた略四角形状の隙間を塞ぐことにより、この隙間を通じてシール溝5の内径側から外径側に圧縮空気が漏れるのを防止している。
また、段差6は、図4、図5に示す如く、例えば略四角形の横断面形状を有する突部として形成され、シール溝5の底面5Aと内周壁面5Bとの間の角隅に配置されると共に、この角隅部位からシール溝5内の空間5Dに向けて突出している。この場合、段差6は、シール溝5の底面5Aから開口側に向けて深さ方向の途中位置(内側リップ部9に達する位置)まで突出し、またシール溝5の内周壁面5Bから外周壁面5Cに向けて幅方向の途中位置(底面リップ部8に達する位置)まで突出している。
さらに、段差6は、例えばシール溝5の底面5Aと内周壁面5Bとに一体形成され、シール溝5のほぼ全長にわたって渦巻状に延びている。この場合、固定スクロール1の製造時には、例えばエンドミル等の切削工具を用いてラップ部3の歯先面3Aに切削加工を施し、シール溝5と段差6とを一緒に形成する。
7はラップ部3のシール溝5内に設けられたチップシールを示し、該チップシール7は、後述の底面リップ部8と内側リップ部9とを有するリップ付きのシール部材として形成されている。そして、チップシール7は、図3に示す如く、ラップ部3の歯先面3Aと、相手方となる旋回スクロール10の歯底面11Aとの間をシールし、後述のチップシール16(図2参照)と協働して各圧縮室21の気密性を確保するものである。
ここで、チップシール7は、例えば耐熱性、耐摩耗性、摺動性に優れた弾性樹脂材料により形成され、このような樹脂材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリスルフォン(PSF)等が用いられる。
また、チップシール7は、旋回側のチップシール16とほぼ同様に、シール溝5の長さ方向に沿って渦巻状に延びると共に、図4、図5に示す如く、横断面が略四角形状に形成されている。そして、チップシール7は、底面7Aと、その両側に位置してチップシール7の側面を構成する内周面7B,外周面7Cと、旋回スクロール10の歯底面11Aに摺接する先端面7Dとを有している。
8はチップシール7の底面7Aに形成された複数の底面突起としての底面リップ部で、これらの底面リップ部8は、図4、図5に示す如く、例えばチップシール7の底面側に斜めに切込みを入れることにより、薄肉なリップ部として形成され、チップシール7の長さ方向(渦巻方向)に間隔をもって配置されている。
そして、底面リップ部8の先端側は、チップシール7の内径側に向けて拡開しつつ、その底面7Aからシール溝5の底面5Aに向けて斜めに突出した自由端となり、この自由端側はシール溝5の底面5Aに弾性的に当接している。
これにより、各底面リップ部8は、圧縮運転が行われるときに、チップシール7の底面7Aとシール溝5の底面5Aとの間の隙間をチップシール7の長さ方向に対して複数箇所で遮断し、これらの間を通じてシール溝5の内径側から外径側に圧縮空気が漏れるのを防止している。また、チップシール7は、各底面リップ部8の間に流入する圧縮空気によってシール溝5から浮上がる方向に押圧され、旋回スクロール10の歯底面11Aに摺接する構成となっている。
9は例えばチップシール7の内周面7Bに渦巻方向に間隔をもって形成された複数の側面突起としての内側リップ部で、該各内側リップ部9の先端側は、底面リップ部8とほぼ同様に、チップシール7の内径側に向けて拡開しつつ、その内周面7Bからシール溝5の内周壁面5Bに向けて斜めに突出し、内周壁面5Bに弾性的に当接している。
そして、各内側リップ部9は、チップシール7の内周面7Bとシール溝5の内周壁面5Bとの間の隙間をチップシール7の長さ方向に対して複数箇所で遮断し、これらの間を通じてシール溝5の内径側から外径側に圧縮空気が漏れるのを防止している。
また、圧縮運転時には、シール溝5内で各内側リップ部9の間にも圧縮空気が流入する。この場合、圧縮空気の圧力は、ラップ部3の外径側から内径側に向けて徐々に高圧となるから、チップシール7の内周側と外周側の圧力を比較すると、内周側の方が高圧となる。
このため、内側リップ部9はチップシール7の内周面7Bに配置され、チップシール7の内周側に高圧な圧縮空気を導入し易い構成となっている。これにより、チップシール7の内周側に流入する高圧な圧縮空気によって外周面7Cをシール溝5の外周壁面5Cに安定的に押付けることができ、これらの間の隙間を確実に遮断することができる。
一方、10は固定スクロール1に対向してケーシング内に旋回可能に設けられる旋回スクロールで、該旋回スクロール10は、図1ないし図3に示す如く、表面側が歯底面11Aとなって円板状に形成された鏡板11と、該鏡板11の歯底面11Aから固定スクロール1の鏡板2に向けて軸方向に立設され、該固定スクロール1のラップ部3と同様に渦巻状に形成されたラップ部12と、鏡板11の背面側中央に設けられたボス部13とによって構成されている。
ここで、ラップ部12は、固定スクロール1のラップ部3と同様に、内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回され、その歯先面12A側には、図3、図4に示す如く、底面14A、内周壁面14B、外周壁面14C及び空間14Dを有するシール溝14が形成されている。そして、シール溝14にも、固定スクロール1側のシール溝5と同様に、例えば底面14Aと内周壁面14Bとの間の角隅に段差15が設けられ、この段差15は、後述するチップシール16の底面リップ部17と内側リップ部18との間の隙間を埋める構成となっている。
16はラップ部12のシール溝14内に設けられた渦巻状のチップシールを示し、このチップシール16は、旋回スクロール10の歯先面12Aと、固定スクロール1の歯底面2Aとの間をシールするものである。そして、チップシール16は、固定スクロール1側のチップシール7とほぼ同様に、底面16A、内周面16B、外周面16C、先端面16Dと、底面リップ部17、内側リップ部18とを有している。
19はケーシングに回転自在に設けられる駆動軸で、該駆動軸19は、図1に示す如く、先端側がクランク19Aとなり、このクランク19Aは、その軸線O2−O2が駆動軸19の軸線O1−O1に対して所定寸法εだけ偏心している。そして、クランク19Aには、旋回スクロール10のボス部13が旋回軸受20を介して旋回可能に取付けられている。これにより、旋回スクロール10は、駆動軸19の回転駆動したときに、自転防止機構(図示せず)によってその自転が防止された状態で旋回運動する。
また、固定スクロール1と旋回スクロール10とは、図2に示す如く、ラップ部3,12が互いに重ね合わせるように配設され、これらのラップ部3,12の間には、外径側から内径側にわたって複数の圧縮室21が画成されている。
22,23は固定スクロール1に設けられた吸込ポート,吐出ポートをそれぞれ示している。そして、吸込ポート22は、最外径側の圧縮室21に空気を吸込むものであり、吐出ポート23は、最内径側(中央)の圧縮室21から圧縮空気を吐出するものである。
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、例えばモータ等の駆動源(図示せず)によって駆動軸19を回転駆動すると、この回転は駆動軸19のクランク19Aから旋回軸受20を介して旋回スクロール10に伝えられ、旋回スクロール10は、駆動軸19の軸線O1−O1を中心として寸法εの旋回半径をもった旋回運動を行う。これにより、各圧縮室21は、ラップ部3,12の外径側から内径側に向けて連続的に縮小し、吸込ポート22から吸込んだ空気を順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ポート23から外部のエアタンク(図示せず)等に向けて吐出する。
ここで、圧縮運転が開始されると、例えば高圧側(内径側)の圧縮室21等から固定スクロール1のシール溝5内に圧縮空気の一部が流入し、この圧縮空気は、各底面リップ部8の間でチップシール7の底面7A側に回り込む。このため、チップシール7は、圧縮空気の圧力によってシール溝5から浮上がる方向に押圧され、旋回スクロール10の歯底面11Aに安定的に摺接することができる。
また、シール溝5内に流入した圧縮空気は、チップシール7の周囲を通じて渦巻方向の内径側から外径側に流通しようとするが、この圧縮空気の流れは各底面リップ部8、各内側リップ部9等によって遮断される。さらに、シール溝5の角隅側で底面リップ部8と内側リップ部9との間に存在する隙間は、段差6によって塞がれている。このため、シール溝5内に流入した圧縮空気がチップシール7に沿って外径側に漏れ出るのを防止することができる。
一方、旋回スクロール10側のシール溝14でも、固定スクロール1側と同様に、段差15、底面リップ部17、内側リップ部18等によってチップシール16の周囲の隙間を塞ぐことができるので、気密性を高めることができる。
かくして、本実施の形態によれば、固定スクロール1側のシール溝5の角隅には、チップシール7のリップ部8,9間の隙間を埋める段差を設け、旋回スクロール10側のシール溝14にも段差15を設ける構成としている。
これにより、固定スクロール1側において、チップシール7をシール溝5内に装着した状態では、シール溝5の角隅側でチップシール7の底面リップ部8と内側リップ部9との間に形成される隙間を段差6によって確実に埋めることができる。このため、例えばチップシール7として従来と同様のシール部品を用いたとしても、その形状に対応して段差6を形成することにより、シール溝5の断面形状を適切に設定することができる。
そして、圧縮運転時には、シール溝5の段差6と、チップシール7の底面リップ部8、内側リップ部9とによってシール溝5内の隙間を安定的に遮断することができ、シール溝5を通じてラップ部3の内径側から外径側に圧縮空気が漏れるのを防止することができる。従って、圧縮室21の気密性を高め、圧縮性能を向上させることができる。
また、段差6をシール溝5の角隅に沿って渦巻状に延設したので、段差6は、チップシール7の長さ方向の各部位において、個々の底面リップ部8と内側リップ部9との間の隙間を安定的に塞ぐことができる。従って、チップシール7の各部位で高い気密性を得ることができる。
さらに、各内側リップ部9をチップシール7の内周面7Bに配置することにより、チップシール7の内周側の隙間を各内側リップ部9によって遮断しつつ、内周側に流入する高圧な圧縮空気によってチップシール7の外周側をシール溝5の外周壁面5Cに安定的に押付けることができ、外周側の隙間も確実に塞ぐことができる。そして、シール溝5の段差6を、内側リップ部9に対応した適切な位置に配設することができる。
一方、旋回スクロール10側のシール溝14にも段差15を設けているので、各スクロール1,10の段差6,15が協働することによって圧縮室21の気密性を高めることができ、さらに圧縮性能を向上させることができる。
なお、前記実施の形態では、シール溝14(5)の底面14A(5A)と内周壁面14B(5B)との間に段差15(6)を一体に形成する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図6に示す変形例のように構成してもよい。この変形例の段差は、例えばラップ部12′(3′)と別個の段差形成部品31として予め形成されている。そして、圧縮機の組立時には、この段差形成部品31をシール溝14(5)の底面14A(5A)と内周壁面14B(5B)との間に固着する構成となっている。
また、実施の形態では、段差15(6)が略四角形の横断面形状をもつように構成した。これに対し、図7に示す参考では、段差15′(6′)は、例えば略三角形の横断面形状に形成されている。
また、実施の形態では、シール溝14(5)の内周壁面14B(5B)側に段差15(6)を設け、チップシール16(7)の内周面16B(7B)に内側リップ部18(9)を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばシール溝の外周壁面14C(5C)側に段差を設け、チップシールの外周側にリップ部を設ける構成としてもよい。
また、実施の形態では、シール溝14(5)のほぼ全長にわたって段差15(6)を延設する構成とした。しかし、本発明の段差はこれに限らず、例えばシール溝の渦巻方向に対して複数箇所に短尺な段差を設ける構成としてもよい。
さらに、チップシール16(7)には、底面突起,側面突起としてリップ部17(8),18(9)を設ける構成とした。しかし、本発明はリップ部に限らず、例えば特開平11−280676号公報に記載されているように、リップ部以外の形状をもつ底面突起,側面突起に適用してもよい。
一方、実施の形態では、固定スクロール1と旋回スクロール10のラップ部3,12にチップシール7,16を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、ラップ部3,12のうち、何れか一方のラップ部にのみチップシールを設ける構成としてもよい。
また、実施の形態では、固定スクロール1と旋回スクロール10とを用いた場合を例に挙げて説明したが、例えば互いに対向した2つのスクロールが何れも回転する全系回転型(両回転型)のスクロール式流体機械に適用してもよい。また、旋回スクロールの鏡板の両面にラップ部を形成し、それぞれのラップ部側に固定スクロールを設けることにより、2つの圧縮部を有する構成とした両歯型のスクロール式流体機械に適用してもよい。
さらに、実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等に広く適用することができる。
本発明の第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。 スクロール式空気圧縮機の一部を図1中の矢示II−II方向から拡大してみた横断面図である。 チップシール、シール溝、段差等を図2中の矢示III−III方向からみた要部拡大断面図である。 チップシールをシール溝に装着する前の状態を示す要部拡大断面図である。 チップシールをシール溝に装着する前の状態を示す部分拡大斜視図である。 本発明の変形例によるスクロール式空気圧縮機のシール溝、段差形成部品等を示す要部拡大断面図である。 本発明の参考例によるスクロール式空気圧縮機のシール溝、段差等を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
1 固定スクロール
2,11 鏡板
2A,11A 歯底面
3,12,3′,12′ ラップ部
3A,12A 歯先面
5,14 シール溝
5A,14A 底面
5B,14B 内周壁面(壁面)
5C,14C 外周壁面(壁面)
5D,14D 空間
6,15,6′,15′ 段差
7,16 チップシール
7A,16A 底面
7B,16B 内周面(側面)
7C,16C 外周面(側面)
7D,16D 先端面
8,17 底面リップ部(底面突起)
9,18 内側リップ部(側面突起)
10 旋回スクロール
19 駆動軸
21 圧縮室
31 段差形成部品(段差)

Claims (3)

  1. 鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された一方のスクロールと、該一方のスクロールに対向して設けられ鏡板に該一方のスクロールのラップ部と重なり合って圧縮室を画成するために内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された他方のスクロールと、前記各スクロールのラップ部のうち少なくとも一方のラップ部の歯先面に開口して設けられ底面と壁面とを有するシール溝と、該シール溝内に設けられ前記底面に向けて突出する複数の底面突起と内周側の壁面に向けて突出する複数の側面突起とを有するチップシールとを備えたスクロール式流体機械において、
    前記チップシールは前記底面突起の間に流入する圧縮流体によって前記シール溝から浮上する方向に押圧され、前記側面突起の間に流入する圧縮流体によって前記シール溝の外周側の壁面に向かって押圧され、
    前記シール溝には、前記底面と内周側の壁面との間の角隅に位置して溝内の空間に向けて突出する段差を設け、前記チップシールが前記シール溝から浮上する方向に押圧され、前記シール溝の外周側の壁面に向かって押圧されることによって生じる前記チップシールの底面突起と側面突起との間の隙間を該段差により埋める構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記段差は前記シール溝に沿って渦巻状に形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記底面突起は前記チップシールの底面に設けると共に前記側面突起は前記チップシールの内周面に設け、前記段差は前記シール溝の底面と内周側の壁面との角隅に設けてなる請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
JP2005192370A 2005-06-30 2005-06-30 スクロール式流体機械 Expired - Fee Related JP4847054B2 (ja)

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