JP2008057465A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧縮運転の開始時にシール部材がシール溝の外側壁面に摩擦接触するのを抑え、圧縮運転時でのシール部材の浮上性、シール性を高めるようにする。
【解決手段】 旋回スクロール8側のシール溝12をラップ部10の内径側から外径側に向け曲率半径Raxが漸次大きくなる渦巻形状に形成し、シール溝12の曲率半径Raxは、ラップ部10の最外径側で最大の半径R1に設定する。チップシール20は、その曲率半径Rbxをシール溝12の曲率半径Raxよりも渦巻方向の全長にわたって小さい寸法(Rbx < Rax)となるように予め形成する。そして、チップシール20を旋回スクロール8のシール溝12内に装着したときには、シール溝12の内側壁面12Bにチップシール20が接触するように弾性変形し、チップシール20が外側壁面12Cに摩擦接触するのを抑えるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、空気圧縮機、真空ポンプ等に好適に用いられるスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械としては、例えば電動モータ等の駆動源によって一方のスクロールを他方のスクロールに対して旋回駆動することにより、空気等の流体を圧縮するようにしたスクロール式圧縮機が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開昭62−41985号公報 特開2002−310075号公報
この種の従来技術によるスクロール式圧縮機は、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して設けられ鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロール等とにより構成されている。
また、固定スクロールと旋回スクロールのラップ部は、鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回され、その歯先面には、ラップ部の長さ方向に沿って延びる渦巻状のシール溝が開口して設けられている。そして、これらのシール溝内には、各圧縮室の気密性を確保するために所謂チップシールと呼ばれるシール部材が装着されている。
ここで、シール部材は、耐熱性、耐摩耗性、摺動性等の条件を満たすために、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を含む樹脂材料によって形成されている。また、シール部材の断面形状(横断面)は、例えばシール溝の溝形状よりも一回り小さな四角形状に形成されている。
そして、ラップ部のシール溝内に装着されたシール部材は、圧縮運転時に圧縮室内に発生した圧縮空気の圧力で前記シール溝内から浮上し、相手方の鏡板(歯底面)に面接触するように摺接することによって、ラップ部の歯先と相手方の鏡板との間を気密にシールするものである。
ところで、上述した従来技術では、ラップ部のシール溝内に装着するシール部材を、前記シール溝よりも曲率半径が大きくなるように予め形成しているため、シール部材をシール溝内に嵌込んで装着したときには、シール部材が弾性復元力によってシール溝の外側壁面に押付けられた状態になる。
このため、シール部材はシール溝の外側壁面に摩擦接触する傾向があり、例えば圧縮運転初期のように圧縮室内の圧力が低い状態では、シール部材を摩擦抵抗に抗してシール溝内から浮上させるのが難しくなり、場合によっては、シール部材が相手方の鏡板(歯底面)に摺接できずに、相手方の鏡板とラップ部との間を気密にシールすることができなくなってしまう。
特に、固定スクロールと旋回スクロールとの間に画成する複数の圧縮室のうち外径側の圧縮室は、内径側(中心側)の圧縮室に比較して圧力が低いため、ラップ部の外径側においてシール部材がシール溝の外側壁面に摩擦接触すると、この影響でシール部材がシール溝から浮上できなくなる。この結果、シール部材により内,外の圧縮室間を良好に遮断(シール)することができなくなり、圧縮性能が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、圧縮運転の開始時にシール部材がシール溝の外側壁面に摩擦接触するのを抑え、圧縮運転時におけるシール部材の浮上性、シール性を高めて、圧縮性能を向上できるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状のラップ部が立設された一方のスクロール部材と、該一方のスクロール部材に対向して設けられ鏡板に該一方のスクロール部材のラップ部と重なり合う渦巻状のラップ部が立設された他方のスクロール部材とを備え、該各スクロール部材のラップ部のうち少なくとも一方のラップ部には、その歯先面に開口する渦巻状のシール溝を設け、該シール溝内には相手方の鏡板に摺接するシール部材を装着してなるスクロール式流体機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記シール溝は、前記ラップ部の内径側から外径側に向けて曲率半径(Rax)が漸次大きくなる渦巻形状とし、前記シール部材は、その全長にわたり前記シール溝の曲率半径(Rax)よりも小さい曲率半径(Rbx)をもった渦巻形状に形成する構成としたことにある。
また、請求項2の発明が採用する構成の特徴は、前記シール溝は、前記ラップ部の最外径側で曲率半径(Rax)が最大の半径(R1)となる渦巻形状とし、前記シール部材は、前記最大の半径(R1)よりも小さい半径(R2)をもって円筒状に圧縮成形されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とする素材を、螺旋状に切削加工することにより形成する構成としたことにある。
また、請求項3の発明では、前記シール部材は、前記最大の半径(R1)よりも小さい半径(R2)をもって円筒状に圧縮成形されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とする素材を、螺旋状に切削加工することにより形成している。
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、ラップ部のシール溝内に装着され相手方の鏡板に摺接するシール部材を、その全長にわたり前記シール溝の曲率半径(Rax)よりも小さい曲率半径(Rbx)をもった渦巻形状に形成する構成としているので、当該シール部材をシール溝に装着した段階では、シール溝の内側壁面にシール部材が接触するようになり、シール溝の外側壁面にシール部材が摩擦接触するのを抑えることができる。そして、この状態で圧縮運転を開始したときには、内,外の圧縮室間に発生する圧力差により、シール部材はシール溝の内側壁面から外側壁面に向けて押圧されると共に、シール溝内から浮上して相手方の鏡板(歯底面)に摺接するようになり、ラップ部の歯先と相手方の鏡板との間を気密にシールすることができる。
この結果、圧縮運転時には内,外の圧縮室間に発生する圧力差に従って、シール部材をラップ部のシール溝内から確実に浮上させることができ、このシール部材を全長(内径側から外径側)にわたって相手方の鏡板に面接触するように摺接させることができる。従って、圧縮運転時にはシール部材により高いシール性を確保でき、内,外の圧縮室間を良好に遮断(シール)することができると共に、スクロール式流体機械としての圧縮性能を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、ラップ部の最外径側でシール溝の曲率半径(Rax)が最大の半径(R1)となるのに対し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とするシール部材の素材を、最大の半径(R1)よりも小さい半径(R2)をもった円筒形状に圧縮成形した状態で、この円筒状の素材を例えば輪切り形状または螺旋状に切削加工することによりシール部材を形成する構成としている。このため、最大の半径(R1)よりも小さい半径(R2)の曲率半径で延びるシール部材をシール溝内に嵌込むように装着したときには、少なくともシール部材の最外径側部位をシール溝の内側壁面に接触するように配置でき、シール部材の最外径側部位がシール溝の外側壁面に摩擦接触するのを抑えることができる。そして、この状態で圧縮運転を開始すると、内,外の圧縮室間に発生する圧力差により、シール部材の外径側部位は、シール溝の内側壁面から外側壁面に向けて押圧されると共に、シール溝内から浮上して相手方の鏡板(歯底面)に摺接するようになり、ラップ部の歯先と相手方の鏡板との間を気密にシールすることができ、請求項1の場合と同様な効果を得ることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とする素材を、最大の半径(R1)よりも小さい半径(R2)をもった円筒形状に圧縮成形した状態で、この円筒状の素材を螺旋状に切削加工することによりシール部材を形成する構成としている。このため、円筒形状に圧縮成形された素材を用いて、1本の長尺なシール部材を加工することができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械を、例えば車載用となる小型の空気圧縮機に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は空気圧縮機(スクロール式流体機械)の外殻を構成するケーシングで、該ケーシング1は、軸方向一側が開口した有底筒状体として形成されている。また、ケーシング1の軸方向他側には、出力軸2Aを有する電動モータ2が着脱可能に取付けられ、この電動モータ2にケーシング1は一体化されている。
3はケーシング1の軸方向一側に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール3は、例えばアルミニウムまたはその合金材料を用いて形成されている。そして、固定スクロール3は、円板状の鏡板4と、該鏡板4の歯底面4Aに軸方向に向けて立設された渦巻状のラップ部5と、該ラップ部5を径方向外側から取囲むように鏡板4の外周側に設けられた筒状の支持部6とにより大略構成されている。
ここで、ラップ部5は、図2に示す如く、例えば最内径端を巻始め端とし、最外径端を巻終り端としたときに、内径側から外径側に向けて例えば3巻前,後の渦巻形状をなしている。そして、ラップ部5の歯先面5Aは、後述する旋回スクロール8のラップ部10(図4、図5参照)と同様に、相手方となる鏡板9の歯底面9Aから一定の寸法だけ軸方向に離間して配置され、この歯先面5Aには後述のシール溝7が設けられている。
7はラップ部5の歯先面5Aに開口して設けられたシール溝で、このシール溝7には、後述のチップシール20が浮上可能に装着されるものである。ここで、シール溝7は、後述のシール溝12(図2、図3参照)とほぼ同様に凹溝として形成され、ラップ部5の長さ方向に渦巻状をなして延びている。
また、シール溝7の断面形状(横断面)は、例えば略コ字状または四角形状に図4、図5に示す如く形成されている。そして、シール溝7は、底面7Aと、該底面7Aの径方向内側に位置する内側壁面7Bと、底面7Aの径方向外側に位置する外側壁面7Cとを有している。
8は固定スクロール3に対向してケーシング1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール8は、固定スクロール3とほぼ同様に、例えばアルミニウムまたはその合金材料等を用いて形成されている。そして、旋回スクロール8は、電動モータ2により後述の駆動軸13、旋回軸受15等を介して旋回駆動されるものである。
ここで、旋回スクロール8は、その表面側が歯底面9Aとなった円板状の鏡板9と、該鏡板9の歯底面9Aから固定スクロール3の鏡板4に向けて軸方向に立設された渦巻状のラップ部10と、鏡板9の裏面中央に突設され、後述の駆動軸13が連結されるボス部11とにより構成されている。そして、ラップ部10は、図2、図3に示す如く内径側から外径側に向けて例えば3巻前,後の渦巻形状に形成されている。
12はラップ部10の歯先面10Aに開口して設けられた旋回スクロール8側のシール溝で、該シール溝12は、前述した固定スクロール3側のシール溝7とほぼ同様に凹溝として形成され、ラップ部10の長さ方向に渦巻状をなして延びている。そして、シール溝12は、図4、図5に示す如く底面12A、内側壁面12Bおよび外側壁面12Cを有し、該シール溝12内には後述のチップシール20が浮上可能に装着されている。
ここで、旋回スクロール8側のシール溝12は、図3に示すようにラップ部10の内径側から外径側に向け曲率半径Raxが漸次大きくなる渦巻形状をもって形成され、シール溝12の曲率半径Raxは、ラップ部10の最外径側で最大の半径R1(Rax ≦ R1)に設定されている。なお、固定スクロール3側のシール溝7についても、シール溝12と同様に曲率半径Raxの渦巻形状をもって形成されるものである。
13はケーシング1内に軸受等を介して回転可能に設けられた駆動軸で、該駆動軸13は、図1に示す如く基端側が電動モータ2の出力軸2Aに取付けられ、電動モータ2によって回転駆動される。また、駆動軸13の先端側には、偏心ブッシュ14と旋回軸受15とを介して旋回スクロール8のボス部11が旋回可能に連結されている。この場合、偏心ブッシュ14は、ボス部11と駆動軸13とを径方向に偏心させた状態で互いに連結するものである。
ここで、電動モータ2により駆動軸13が回転駆動されるときには、その軸線を中心として旋回スクロール8が一定の旋回半径で旋回運動を行うものである。そして、ケーシング1と旋回スクロール8の背面側との間には、例えば3個の自転防止機構16(1個のみ図示)が設けられ、該自転防止機構16は、旋回スクロール8が旋回運動時に自転するのを防止するものである。
また、旋回スクロール8は、固定スクロール3に対し例えば180度ずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部5,10間には、外径側から内径側(中央)にかけて複数の圧縮室17が画成されている。そして、圧縮機の運転時には、固定スクロール3に設けられた吸込ポート18から外径側の圧縮室17内に空気を吸込みつつ、この空気を各圧縮室17内で順次圧縮するものである。
19は固定スクロール3の鏡板4に設けられた吐出ポートで、この吐出ポート19は、鏡板4の中心側に穿設された吐出穴等を含んで構成される。そして、吐出ポート19は、複数の圧縮室17のうち、その内径側(中心側)の圧縮室17内で最も高い圧力に加圧された圧縮空気を固定スクロール3の外部に吐出するものである。
20,20は固定スクロール3と旋回スクロール8のシール溝7,12内にそれぞれ装着されるシール部材としてのチップシールを示している。そして、旋回スクロール8のシール溝12に装着されたチップシール20を例に挙げて説明すると、このチップシール20は、旋回スクロール8のラップ部10と、相手方となる固定スクロール3の鏡板4との間をシールするものである。
ここで、チップシール20は、可撓性、耐摩耗性等を有する樹脂材料により例えば射出成形等の手段を用いて渦巻形状に形成され、その曲率半径Rbxは、図3に示す如くシール溝12の曲率半径Raxよりも、渦巻方向の全長にわたって小さい寸法(Rbx < Rax)となっている。
そして、チップシール20の曲率半径Rbxは、その外径側部位20Aで最大の曲率半径Rbnとなり、外径側部位20Aの曲率半径Rbnは、シール溝12の最外径側における半径R1よりも小さい寸法(Rbn < R1)に設定されている。また、固定スクロール3のシール溝7内に装着するチップシール20についても、同様に形成されるものである。
本実施の形態によるスクロール式の空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、チップシール20は、その曲率半径Rbxをシール溝12の曲率半径Raxよりも渦巻方向の全長にわたって小さい寸法(Rbx < Rax)となるように予め形成されている。そして、チップシール20を旋回スクロール8のシール溝12内に装着したときには、図4に示す如くシール溝12の内側壁面12Bにチップシール20が接触するように弾性変形する。
このため、圧縮運転を開始する前の段階では、チップシール20がシール溝12の外側壁面12Cに強く接触することはなくなり、両者の間の摩擦接触等を小さく抑えることができる。なお、この初期状態でチップシール20は、その渦巻方向(長さ方向)の複数箇所でシール溝7,12の外側壁面7C,12Cにも接触するのが通常である。そして、固定スクロール3側のシール溝7についても、チップシール20を同様に装着することができ、シール溝7の外側壁面7Cとチップシール20との摩擦接触を抑えることができる。
次に、この状態で圧縮機の運転を開始したときには、固定スクロール3と旋回スクロール8のラップ部5,10間に形成した複数の圧縮室17,17,…内で空気が漸次圧縮され、内,外の圧縮室17,17間には圧力差が発生する。そして、シール溝12内に装着されたチップシール20は、内,外の圧力差によりシール溝12の内側壁面12Bから外側壁面12Cに向けて図4中の矢示A方向に押圧されると共に、シール溝12の底面12A側にも圧縮空気の一部がまわり込んで入る。
このため、チップシール20は、シール溝12の底面12A側に流入した圧縮空気によってシール溝12内から浮上するように押圧され、図5に示す如く相手方の鏡板4(歯底面4A)に面接触するように摺接する。これによって、ラップ部10の歯先面10Aと相手方の鏡板4との間をチップシール20により気密にシールすることができる。
また、固定スクロール3側のシール溝7内でも、チップシール20が同様に底面7A側に流入した圧縮空気によって浮上し、図5に示す如く相手方の鏡板9(歯底面9A)に面接触するように摺接することにより、ラップ部5の歯先面5Aと相手方の鏡板9との間を気密にシールすることができる。
そして、固定スクロール3のラップ部5と旋回スクロール8のラップ部10との間に画成された圧縮室17は、旋回スクロール8の旋回動作に伴って外径側から内径側に向け連続的に縮小する。これにより、圧縮機は、吸込ポート18から吸込んだ外気を各圧縮室17で順次圧縮し、吐出ポート19から外部の空気タンク(図示せず)等に向けて圧縮空気を吐出する。
ところで、例えば図6に示す比較例によるチップシール100の如く、その全長にわたる曲率半径をシール溝12の曲率半径Raxよりも大きくした場合には、チップシール100をシール溝12内に装着したときに、チップシール100がシール溝12の外側壁面12Cに強く接触し、圧縮運転の開始前にチップシール100が外側壁面12Cに摩擦接触することがある。
そして、この状態で圧縮運転を開始したときには、固定スクロール3と旋回スクロール8との間に画成する複数の圧縮室17のうち、例えば外径側の圧縮室17は、内径側(中心側)の圧縮室17に比較して圧力が低いため、ラップ部10の外径側においてチップシール100の外径側部位がシール溝12の外側壁面12Cに摩擦接触し、この影響でチップシール100の外径側部位がシール溝12から浮上できなくなるという不具合が発生する虞れがある。
そこで、本実施の形態では、このような不具合を解消するために、例えば旋回スクロール8側においてラップ部10のシール溝12内に装着されるチップシール20を、その全長にわたりシール溝12の曲率半径Raxよりも小さい曲率半径Rbxをもった渦巻形状に形成する構成としている。
このため、当該チップシール20をシール溝12に装着した段階では、シール溝12の内側壁面12Bにチップシール20が接触するようになり、シール溝12の外側壁面12Cに対してチップシール20が摩擦接触するのを抑えることができる。
そして、この状態で電動モータ2により旋回スクロール8を旋回駆動し、圧縮運転を開始したときには、内,外の圧縮室17間に発生する圧力差により、チップシール20はシール溝12の内側壁面12Bから外側壁面12Cに向けて押圧されると共に、シール溝12内から浮上して相手方となる固定スクロール3の鏡板4(歯底面4A)に摺接するようになり、ラップ部10の歯先と相手方の鏡板4との間を気密にシールすることができる。
また、固定スクロール3側のシール溝7についても、チップシール20を同様に装着することができ、シール溝7の外側壁面7Cとチップシール20との摩擦接触を抑えることができる。そして、圧縮運転時には、チップシール20をシール溝7内から浮上させて旋回スクロール8の鏡板9(歯底面9A)に摺接させ、ラップ部5の歯先と相手方の鏡板9との間を気密にシールすることができる。
このように、本実施の形態にあっては、圧縮運転時に内,外の圧縮室17間に発生する圧力差に従って、チップシール20の外径側部位20A等をラップ部10(5)のシール溝12(7)内から確実に浮上させることができ、このチップシール20を全長(内径側から外径側)にわたって相手方の鏡板4(9)に面接触するように摺接させることができる。
従って、圧縮運転の開始時にチップシール20がシール溝12(7)の外側壁面12C(7C)に摩擦接触するのを抑えることができ、図6に示す比較例によるチップシール100のように、圧縮運転時におけるシール溝12(7)からの浮上性が低下する等の問題を解消することができる。
そして、本実施の形態では、圧縮運転時にチップシール20によって高いシール性を確保でき、内,外の圧縮室17間を良好に遮断(シール)することができると共に、スクロール式流体機械としての圧縮性能を向上することができる。
次に、図7ないし図9は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施の形態の特徴は、シール部材としてのチップシール21を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とする円筒状の素材22を用いて形成する構成としたことにある。
ここで、チップシール21の素材22は、PTFEを主材とした材料を用いて図8に示す如く半径R2の円筒形状に圧縮成形される。この場合、素材22の半径R2は、シール溝12の最外径側における半径R1よりも小さい寸法(R2<R1)に設定される。
次に、この素材22は、図8中に点線で例示する切取り線23に沿って螺旋状に切削加工され、図9に示す螺旋形状のチップシール21として形成される。そして、このチップシール21は、適切な長さに切断された状態で、例えば旋回スクロール8のシール溝12内に図7に示す如く装着されるものである。また、固定スクロール3のシール溝7についても、同様に形成したチップシール21が装着される。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、圧縮運転時にはチップシール21によって高いシール性を確保でき、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
特に、本実施の形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とするチップシール21の素材22を、シール溝12(7)の曲率半径Raxのうち最大の半径R1よりも小さい半径R2をもった円筒形状に圧縮成形した状態で、この円筒状の素材22を螺旋状に切削加工することによりチップシール21を形成する構成としている。
このため、シール溝12(7)側の最大の半径R1よりも小さい半径R2の曲率半径で螺旋状に延びるチップシール21を、シール溝12(7)内に嵌込むように装着したときには、少なくともチップシール21の外径側部位21Aをシール溝12(7)の内側壁面12B(7B)に接触するように配置でき、チップシール21の外径側部位21Aがシール溝12(7)の外側壁面12C(7C)に摩擦接触するのを抑えることができる。
そして、この状態で圧縮運転を開始すると、内,外の圧縮室17間に発生する圧力差により、チップシール21の外径側部位21Aは、シール溝12(7)の内側壁面12B(7B)から外側壁面12C(7C)に向けて押圧されると共に、シール溝12(7)内から浮上して相手方の鏡板4(9)に摺接するようになり、ラップ部12(7)の歯先と相手方の鏡板4(9)との間を気密にシールすることができる。
また、本実施の形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とする円筒状の素材22を螺旋状に切削加工することによりチップシール21を形成する構成としたから、円筒形状に圧縮成形された素材22を用いて、1本の長尺なチップシール21を加工することができる。
なお、前記第2の実施の形態では、円筒状の素材22を螺旋状に切削加工することによりチップシール21を形成する構成としたが、例えば円筒状の素材を輪切り形状(環状)に切削加工した後に、輪切り形状の素材を一箇所で切断することによってチップシールを形成してもよい。
また、前記第1の実施の形態では、固定スクロール3と旋回スクロール8のラップ部5,10に形成したシール溝7,12内に、チップシール20をそれぞれ設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばラップ部5,10のシール溝7,12のうちいずれか一方だけにチップシール20を設け、他方のチップシールを省略する構成としてもよい。そして、この点は第2の実施の形態についても同様である。
また、前記各実施の形態では、チップシール20,21は全長にわたって略同一の断面形状を有するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば特開平9−256973号公報に記載されたように、チップシールの浮上性、シール性を向上するために、チップシールの内径側や底面側にリップ部を設ける構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、固定スクロール3と旋回スクロール8とからなるスクロール式の空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば2つのスクロール部材間で複数の圧縮室を画成する構成とした種々の型式のスクロール式圧縮機にも適用できるものである。そして、スクロール式流体機械としては、空気圧縮機に限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態によるスクロール式の空気圧縮機を示す縦断面図である。 各スクロールのラップ部等を図1中の矢示II−II方向から拡大してみた断面図である。 チップシールをラップ部のシール溝内に装着する前の状態を示す分解斜視図である。 シール溝内に装着したチップシールを圧縮運転前の状態で図2中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。 圧縮運転時にチップシールがシール溝内から浮上した状態を示す図4と同様位置での拡大断面図である。 比較例によるチップシールがラップ部のシール溝内に装着された状態を示す断面図である。 第2の実施の形態によるチップシールをラップ部のシール溝内に装着した状態を示す断面図である。 図7中のチップシールを形成するために用いる円筒状の素材を示す斜視図である。 図8の素材を螺旋状に切削加工してチップシールを形成した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 ケーシング
2 電動モータ
3 固定スクロール(スクロール部材)
4,9 鏡板
4A,9A 歯底面
5,10 ラップ部
5A,10A 歯先面
7,12 シール溝
7A,12A 底面
7B,12B 内側壁面
7C,12C 外側壁面
8 旋回スクロール(スクロール部材)
13 駆動軸
16 自転防止機構
17 圧縮室
18 吸込ポート
19 吐出ポート
20,21 チップシール(シール部材)
22 素材
23 切取り線

Claims (3)

  1. 鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状のラップ部が立設された一方のスクロール部材と、該一方のスクロール部材に対向して設けられ鏡板に該一方のスクロール部材のラップ部と重なり合う渦巻状のラップ部が立設された他方のスクロール部材とを備え、該各スクロール部材のラップ部のうち少なくとも一方のラップ部には、その歯先面に開口する渦巻状のシール溝を設け、該シール溝内には相手方の鏡板に摺接するシール部材を装着してなるスクロール式流体機械において、
    前記シール溝は、前記ラップ部の内径側から外径側に向けて曲率半径(Rax)が漸次大きくなる渦巻形状とし、
    前記シール部材は、その全長にわたり前記シール溝の曲率半径(Rax)よりも小さい曲率半径(Rbx)をもった渦巻形状に形成する構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状のラップ部が立設された一方のスクロール部材と、該一方のスクロール部材に対向して設けられ鏡板に該一方のスクロール部材のラップ部と重なり合う渦巻状のラップ部が立設された他方のスクロール部材とを備え、該各スクロール部材のラップ部のうち少なくとも一方のラップ部には、その歯先面に開口する渦巻状のシール溝を設け、該シール溝内には相手方の鏡板に摺接するシール部材を装着してなるスクロール式流体機械において、
    前記シール溝は、前記ラップ部の最外径側で曲率半径(Rax)が最大の半径(R1)となる渦巻形状とし、
    前記シール部材は、前記最大の半径(R1)よりも小さい半径(R2)をもって円筒状に圧縮成形されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とする素材を、切削加工することにより形成する構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  3. 前記シール部材は、前記最大の半径(R1)よりも小さい半径(R2)をもって円筒状に圧縮成形されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主材とする素材を、螺旋状に切削加工することにより形成する構成としてなる請求項2に記載のスクロール式流体機械。
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