WO2016135900A1 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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隼平 溝畑
卓美 森下
長田 淳
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三菱電機株式会社
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Abstract

 固定スクロール20及び揺動スクロール40と、固定スクロール20及び揺動スクロール40のそれぞれに設けられ、相互に噛み合わされて圧縮室12を形成する渦巻歯22、42と、揺動スクロール40の渦巻歯42の先端部に渦巻方向に沿って設けられた溝部43と、溝部43内に渦巻方向に沿って挿入され、固定スクロール20の台板部21と摺接するチップシール部材46と、固定スクロール20の台板部21に貫通して設けられ、圧縮流体の一部を圧縮室12から圧縮室12外にバイパスする2つの容量制御孔23と、を備え、溝部43及びチップシール部材46は、揺動スクロール40の揺動運動により容量制御孔23を通過する部分を避けて3つに分割されて形成されているものである。

Description

スクロール圧縮機
 本発明は、流体を圧縮するスクロール圧縮機に関するものである。
 従来のスクロール圧縮機として、固定スクロール及び揺動スクロールのそれぞれに設けられ、相互に噛み合されて圧縮室を形成する渦巻歯と、前記揺動スクロールの前記渦巻歯の先端部に渦巻方向に沿って設けられた溝部と、前記溝部内に渦巻方向に沿って挿入され、前記固定スクロールの台板部と摺接するチップシール部材と、前記固定スクロールの前記台板部に設けられた容量制御孔とを備えたスクロール圧縮機がある(例えば、特許文献1参照)。この種の容量制御孔を備えたスクロール圧縮機では、揺動スクロールの揺動運動時に揺動スクロール側のチップシール部材が容量制御孔上を通過した際、チップシール部材が容量制御孔のエッジ部で削られて破損する場合がある。このため、特許文献1では、チップシール部材において前記台板部との摺接面のうち前記容量制御孔上を通過する部分に切欠き部を設け、チップシール部材の破損を防止している。
特開2014-211133号公報
 上記特許文献1では、チップシール部材に切欠き部を形成することで、チップシール部材が容量制御孔のエッジ部で削られることによるチップシール部材の破損を防止できるものの、以下の問題が新たに生じる。すなわち、チップシール部材に切欠き部が形成されることで、肉厚が薄くなった部分である残存部が形成され、その残存部の強度が他の部分よりも低下する。このため、負荷が高い運転を行う際に圧縮室内と容量制御孔との圧力差が大きくなると、その圧力差により残存部が容量制御孔に入り込み、残存部が破損する。このようにチップシール部材が破損すると、圧縮室間の漏れ損失が増大し、スクロール圧縮機の性能低下が生じてしまうという問題があった。
 本発明は、上記のよう課題を解決するためになされたもので、チップシール部材の破損を回避して性能低下を防止することができるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
 本発明に係るスクロール圧縮機は、固定スクロール及び揺動スクロールと、固定スクロール及び揺動スクロールのそれぞれに設けられ、相互に噛み合わされて圧縮室を形成する渦巻歯と、揺動スクロールの渦巻歯の先端部に渦巻方向に沿って設けられた溝部と、溝部内に渦巻方向に沿って挿入され、固定スクロールの台板部と摺接するチップシール部材と、固定スクロールの台板部に貫通して設けられ、圧縮流体の一部を圧縮室から圧縮室外にバイパスする2つの容量制御孔と、を備え、溝部及びチップシール部材のそれぞれは、揺動スクロールの揺動運動により容量制御孔を通過する部分を避けて3つに分割されて形成されているものである。
 本発明によれば、チップシール部材が、揺動スクロールの揺動運動により容量制御孔を通過する部分を避けて3つに分割されて形成されているので、チップシール部材の破損を回避してスクロール圧縮機の性能低下を防ぐことができる。
本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機1の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機1の固定スクロール20の概略構成を示す分解斜視図である。 図1の固定スクロール20と揺動スクロール40との組合せ構造を揺動スクロール40側から軸方向に見た平面図である。 図3のA-A断面図である。 図1の揺動スクロール40の渦巻歯42形成面の構成を示す平面図である。 図1の揺動スクロール40側のチップシール部材46の構成を示す平面図である。
実施の形態1.
 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機1の概略構成を示す断面図である。スクロール圧縮機1は、流体(例えば冷媒)を圧縮して吐出する流体機械であり、例えば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器等の各種産業機械に用いられる冷凍サイクルの構成要素の一つとなるものである。図1では、通常の圧縮工程での冷媒の流れを実線太矢印で示し、容量制御での冷媒の流れを短破線太矢印で示し、インジェクション制御での冷媒の流れを長破線太矢印で示している。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。本実施の形態では、スクロール圧縮機1として、主軸53が水平に配置された横置形のスクロール圧縮機を例に挙げて説明する。なお、図1の台座67は組立ラインに流すために一時的に圧縮機下部に取付けられるものを図示したに過ぎず、最終的には取り外されて図1のスクロール圧縮機は横置型として使用される。
 図1に示すように、スクロール圧縮機1は、圧縮機構部10と、圧縮機構部10を駆動する駆動機構部50とを有している。圧縮機構部10及び駆動機構部50は、圧力容器であるシェル(密閉容器)60内に収容されている。シェル60の底部は、冷凍機油を貯蓄する油溜めとなっている。シェル60には、外部の冷媒をシェル60内に吸入する吸入管61と、圧縮された冷媒をシェル60外に吐出する吐出管62が接続されている。
 圧縮機構部10は、駆動機構部50により駆動されることで、吸入管61から吸入した圧縮流体である冷媒ガスを圧縮室12内で圧縮し、吐出ポート11を介してシェル60内の吐出空間63に排出する機能を有している。圧縮機構部10は、固定スクロール20と、揺動スクロール40と、オルダム継手47とを有している。吐出空間63は、高圧空間となっている。吐出空間63に排出された冷媒ガスは、吐出空間63に連通している吐出管62からスクロール圧縮機1の外部に吐出される。
 固定スクロール20は、シェル60内に固定支持されているフレーム64にボルト等によって固定されている。固定スクロール20は、台板部21と、台板部21の一方の面(本例では図中左側の面)に立設されたインボリュート曲線形状の突起である渦巻歯22とを有している。また、固定スクロール20の中央部には、圧縮室12内で圧縮されて高圧となった冷媒ガスを吐出する吐出ポート11が形成されている。
 図2は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機1の固定スクロール20の概略構成を示す分解斜視図である。
 図2に示すように、固定スクロール20の台板部21には、容量制御孔23(バイパス孔の一例)が形成されている。容量制御孔23は、圧縮室12のうち圧縮途中過程の冷媒が存在する中間圧縮室と、圧縮室12の外部に設けられ当該中間圧縮室よりも低圧空間(本例では、吸入空間65)とを連通させるようになっている。これにより、容量制御孔23は、圧縮途中過程の冷媒の一部を吸入空間65にバイパスさせることが可能になっている。容量制御孔23は、台板部21の中央部を挟んで対称となる位置に1つずつ(計2つ)設けられている。容量制御孔23の周囲には容量制御弁座27が設けられている。また、台板部21には、例えば液冷媒を中間圧縮室内にインジェクションするためのインジェクションポート29が形成されている。
 台板部21の他方の面(渦巻歯22形成面とは反対側の面)のうち吐出ポート11の周囲には、弁座24が形成されている。弁座24には、吐出ポート11を内外の圧力差で開閉する板ばね状のリード弁25と、リード弁25の最大開度を規制するリード弁押さえ25aとが取付けられている。また、台板部21の他方の面上にはバルブカバー26が取付けられている。バルブカバー26は、吐出ポート11から吐出された高圧冷媒を低圧空間に漏れないように吐出管62に供給するために設けられたものである。そして、台板部21とバルブカバー26との間は、パッキン33によってシールされている。
 容量制御弁座27には、容量制御機構28の容量制御弁28bが取付けられている。容量制御機構28は、容量制御配管28aと、2つの容量制御弁28bと、不図示の冷媒排出口とを備えている。容量制御配管28aは、シェル60にろう付けされている。容量制御配管28aには、不図示の電磁弁等が切り替えられることにより、吸入圧又は吐出圧を容量制御孔23内に導入することが可能である。容量制御弁28bは、容量制御配管28a内と中間圧縮室内との圧力差によって容量制御孔23を開閉するようになっている。具体的には、容量制御弁28bは、容量制御配管28a内に吸入圧が導入されると中間圧縮室内との圧力差によって開状態となり、容量制御配管28a内に吐出圧が導入されると中間圧縮室内との圧力差によって閉状態となる。容量制御弁28bが開状態になると、中間圧縮室内の冷媒の一部は、容量制御孔23、容量制御弁28b及び冷媒排出口を介して、吸入空間65に排出される。
 台板部21のインジェクションポート29には、バルブカバー26のインジェクション孔31を介して、インジェクション配管32の一端側が接続されている。インジェクション配管32の他端側は、冷媒サイクルに設けられた受液器に接続されている。インジェクション配管32は、電磁弁等が切り替えられる(キャピラリーチューブでも代用可)ことにより、受液器内の液冷媒をインジェクションポート29を介して中間圧縮室内に導入できるようになっている。
 図1に戻り、揺動スクロール40は、オルダム継手47により、固定スクロール20に対して自転運動することなく公転旋回運動(揺動運動)を行うようになっている。揺動スクロール40は、台板部41と、台板部41の一方の面(本例では、図中右側の面)に立設されたインボリュート曲線形状の突起である渦巻歯42を有している。また、揺動スクロール40の渦巻歯42形成面とは反対側の面(以下、スラスト面と称する)の略中心部には、中空円筒形状の揺動スクロールボス部44が形成されている。この揺動スクロールボス部44には、後述する主軸53の一端(図1中の右端)に設けられた偏心軸部53aが嵌入される。
 固定スクロール20と揺動スクロール40とは、後述するように渦巻歯22と渦巻歯42とを互いに噛み合せるようにして嵌合し、シェル60内に装着される。渦巻歯22と渦巻歯42との間には、相対的に容積が変化する圧縮室12が形成される。オルダム継手47は、揺動スクロール40の自転運動を阻止するとともに、揺動スクロール40の固定スクロール20に対する揺動運動を可能とする機能を有している。
 駆動機構部50は、圧縮機構部10で冷媒ガスを圧縮するために、揺動スクロール40を駆動する機能を有している。つまり、駆動機構部50が主軸53を介して揺動スクロール40を駆動することによって、圧縮機構部10で冷媒ガスを圧縮するようになっている。駆動機構部50は、固定子51及び回転子55を有している。回転子52は、主軸53に対して圧入等により固定されている。回転子52は、固定子51に通電されることにより回転駆動し、主軸53を回転させるようになっている。
 主軸53は、作用するガス荷重に対し、許容撓み量を確保できる剛性を持ち、切削性が良好であって、低コスト化できる材料を選定して構成するとよい。主軸53の一端(図1中の右端)には、揺動スクロール40の揺動スクロールボス部44と回転自在に嵌合する偏心軸部53aが形成されている。また、主軸53の内部には、油溜めに貯蓄されている冷凍機油を圧縮機構部10及び各軸受に給油するための流路となる給油流路が形成されている。
 シェル60の内周面には、外周面が焼き嵌めや溶接によって固着されたフレーム64が取付けられている。フレーム64は、固定スクロール20を支持するとともに、中心部に形成された貫通孔を介して主軸53を回転自在に支持し、揺動スクロール40を回転自在に支持する機能を有している。
 またシェル60内には、容積型のオイルポンプ66が設けられている。オイルポンプ66は、主軸53により駆動され、油溜めに貯蓄されている冷凍機油を主軸53内の給油流路を介して圧縮機構部10及び各軸受に給油するようになっている。
 図3は、図1の固定スクロール20と揺動スクロール40との組合せ構造を揺動スクロール40側から軸方向に見た平面図である。図3では固定スクロール20を実線で示しており、揺動スクロール40を一点鎖線で示している。図4は、図3のA-A断面図である。図5は、図1の揺動スクロール40の渦巻歯42形成面の構成を示す平面図(チップシール部材46は図示していない)である。図6は、図1の揺動スクロール40側のチップシール部材46の構成を示す平面図である。
 図3~図6に示すように、固定スクロール20の渦巻歯22と揺動スクロール40の渦巻歯42とは、互いに噛み合うように組合されている。固定スクロール20の渦巻歯22の先端部には、渦巻方向に沿って切れ目なく延伸する溝部22aが形成されている。溝部22a内には、チップシール部材45が挿入されている。チップシール部材45は、溝部22a内において渦巻方向に沿って延伸しており、溝部22a内で軸方向(図3の紙面に垂直な方向)に進退可能である。揺動スクロール40が固定スクロール20に対して揺動運動を行うことにより、チップシール部材45は、揺動スクロール40の台板部41表面(歯底面)と摺接する。固定スクロール20側のチップシール部材45は、軟質材料に形成されてもよいし、後述するチップシール部材46と同様に硬質プラスチックにより形成されていてもよい。
 図5に示すように、揺動スクロール40の渦巻歯42の先端部には、渦巻方向に沿って延びる溝部43が形成されている。そして、溝部43内には図4に示したチップシール部材45と同様にチップシール部材46が挿入されている。溝部43及びチップシール部材46は、渦巻方向に沿って3つに分割されて溝部43a、43b、43c及びチップシール部材46a、46b、46cが形成されている。すなわち、溝部43a、43b、43c内に、チップシール部材46a、46b、46cが挿入されている。チップシール部材46a、46b、46cは、溝部43a、43b、43c内において渦巻方向に沿って延びており、溝部43a、43b、43c内で軸方向に進退可能である。揺動スクロール40が固定スクロール20に対して揺動運動を行うことにより、チップシール部材46a、46b、46cは、固定スクロール20の台板部21表面(歯底)と摺接する。
 溝部43a、43b、43cは、渦巻歯42の先端部のうち、揺動スクロール40の揺動運動により容量制御孔23を通過する部分を避けて形成されている。よって、揺動スクロール40の揺動運転の際、チップシール部材46a、46b、46cが容量制御孔23に摺接することはない。揺動スクロール40側のチップシール部材46a、46b、46cは、硬質プラスチック(例えば、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド等))により形成されている。本例の硬質プラスチックは、一般的な軟質材料の硬度(例えば、HDD70±5)よりも高い、HDD78以上の高度を有している。
 次に、本実施の形態に係るスクロール圧縮機1の動作について簡単に説明する。駆動機構部50の固定子51に通電されると、回転子52が回転力を受けて回転する。それに伴い、回転子52に固定された主軸53が回転駆動される。主軸53の回転運動は、偏心軸部53a及び揺動スクロールボス部44を介して揺動スクロール40に伝達される。揺動スクロール40は、オルダム継手47によって自転が規制されることにより、公転旋回運動を行う。
 駆動機構部50の駆動に伴い、冷媒が外部の冷凍サイクルから吸入管61を介してシェル60内の吸入空間65に吸入され、さらに、渦巻歯22、42間に形成される外周側の圧縮室12内に取り込まれる。圧縮室12内に取り込まれた冷媒は、揺動スクロール40の揺動運動により揺動スクロール40の中心に向かって徐々に移動し、体積が縮小されることで圧縮される。この時の圧縮効率は、渦巻歯22、42の形状によって幾何学的に決定される。
 揺動スクロール40が揺動運動を行う際、固定スクロール20側のチップシール部材45は、隣接する圧縮室間の圧力差により揺動スクロール40の台板部41に押し付けられて摺動する。同様に、揺動スクロール40側のチップシール部材46a、46b、46cは、隣接する圧縮室間の圧力差により固定スクロール20の台板部21にそれぞれ押し付けられて摺動する。このようにチップシール部材45、46a、46b、46cが台板部21、41にそれぞれ押し付けられて摺動することによって、隣接する圧縮室間での圧縮冷媒の漏れを防ぐことができる。また、揺動スクロール40側のチップシール部材46a、46b、46cは、渦巻歯42の先端部のうち、揺動スクロール40の揺動運動により容量制御孔23を通過する部分を避けた位置に配置されている。このため、上記のような摺動の際にチップシール部材46a、46b、46cと容量制御孔23のエッジ部とが接触することはない。
 圧縮室12で圧縮された高圧の冷媒ガスは、吐出ポート11、リード弁25及びバルブカバー26及び吐出空間63を経由して、吐出管62から外部の冷凍サイクルに吐出される。
 ここで、容量制御を行わずにスクロール圧縮機1を最大能力で運転する場合には、電磁弁等を切り替えることにより容量制御配管28aに吐出圧が導入される。これにより、導入された吐出圧と中間圧縮室内の圧力との差によって容量制御弁28bが押し下げられ、容量制御孔23と冷媒排出口との間が閉鎖される。したがって、冷媒は、中間圧縮室から容量制御孔23を介して吸入空間65に排出されることなく、吐出ポート11を介して外部に吐出される。
 一方、容量制御を行う場合には、電磁弁等を切り替えることにより容量制御配管28aに吸入圧が導入される。これにより、中間圧縮室の圧力と導入された吸入圧との差によって容量制御弁28bが押し上げられ、容量制御孔23と冷媒排出口とが連通する。したがって、冷媒の一部は、中間圧縮室から容量制御孔23を介して吸入空間65に排出される。これにより、圧縮室12内の容量が制御される。
 以上説明したように、本実施の形態では、チップシール部材46a、46b、46cが、揺動スクロール40の揺動運動により容量制御孔23を通過する部分を避けるようにして3分割されて形成されている。このため、スクロール圧縮機1は、チップシール部材46a、46b、46cが容量制御孔23に摺接することなく運転することができる。これにより、チップシール部材46a、46b、46cが容量制御孔23のエッジ部により破損することを防止できる。また、特許文献1のような残存部が存在しないため、チップシール部材46a、46b、46cの強度低下による破損も回避できる。このようにチップシール部材46a、46b、46cの破損を回避できるため、圧縮室間の漏れ損失を低減することができる。
 したがって、本実施の形態によれば、チップシール部材46a、46b、46cの破損によるスクロール圧縮機1の性能低下を防ぐことができるとともに、スクロール圧縮機1の耐久性を向上することができ、圧縮機使用上の信頼性を確実に向上させることができる。
 また、本実施の形態では、チップシール部材45、46a、46b、46cが硬質プラスチックにより形成されている。このため、スクロール圧縮機1で高圧縮比運転(暖房運転)が行われた場合に、インジェクションがなされてもチップシール部材45、46a、46b、46cの縮みはほとんど生じない。これにより、チップシール部材45、46a、46b、46cの経時劣化を抑えることができるため、圧縮室間の漏れ損失を低減することができる。したがって、本実施の形態によれば、スクロール圧縮機1の耐久性を向上することができる。
 また、本実施の形態のスクロール圧縮機1はインジェクションポート29を有しており、インジェクションポート29に近接しているチップシール部材46bがインジェクションポート29上を通過すると、容量制御孔23の場合と同様にチップシール部材46bがインジェクションポート29のエッジ部で削られる問題が生じる。これを防止するため、仮に、チップシール部材46bにおいて特許文献1のように容量制御孔を通過する部分に切欠き部を設けた場合、切欠き部が形成されて肉厚が薄くなった残存部が、圧力差によってインジェクションポート29に入り込んで破損する可能性がある。
 そこで、本実施の形態では、チップシール部材46bを切欠かず、インジェクションポート29の径の上限値をφ4とすることで、チップシール部材46bがインジェクションポート29に入り込んで破損する課題を解決する。インジェクションポート29の径をφ4以下とすることで、運転中にチップシール部材46bがインジェクションポート29に摺接しても、チップシール部材46bの剛性との関係で、チップシール部材46bが圧力差によってインジェクションポート29に入り込むことがない。このため、チップシール部材46bが破損することを防ぐことができ、圧縮室間の漏れ損失を低減することができる。また、本発明者らの実験により、インジェクションポート29の径がφ4以下であると、チップシール部材46bの摩耗が生じないことが確認されており、この点からも、インジェクションポート29の径はφ4以下とする。
 また、インジェクションポート29の径の下限値はφ1とする。これは、インジェクションポート29の径をφ1未満とすると、インジェクション流量が不足するからである。
 以上より、インジェクションポート29の径をφ1以上、φ4以下とすることで、インジェクション流量を確保しつつ、チップシール部材46の耐久性、ひいてはスクロール圧縮機1の耐久性を向上することができる。また、チップシール部材46を切欠くことなく、冷媒ガスが漏れることによる性能低下を防ぐことができる。
その他の実施の形態.
 本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
 例えば、上記実施の形態では、横置形スクロール圧縮機を例に挙げたが、本発明は縦置形スクロール圧縮機にも適用できる。
 また上記の各実施の形態及び変形例は、互いに組合せて実施することが可能である。
 1 スクロール圧縮機、10 圧縮機構部、11 吐出ポート、12 圧縮室、20 固定スクロール、21 台板部、22 渦巻歯、22a 溝部、23 容量制御孔、24 弁座、25 リード弁、25a リード弁押さえ、26 バルブカバー、27 容量制御弁座、28 容量制御機構、28a 容量制御配管、28b 容量制御弁、29 インジェクションポート、31 インジェクション孔、32 インジェクション配管、33 パッキン、40 揺動スクロール、41 台板部、42 渦巻歯、43(43a、43b、43c) 溝部、44 揺動スクロールボス部、45 チップシール部材、46(46a、46b、46c) チップシール部材、47 オルダム継手、50 駆動機構部、51 固定子、52 回転子、53 主軸、53a 偏心軸部、55 回転子、60 シェル、61 吸入管、62 吐出管、63 吐出空間、64 フレーム、65 吸入空間、66 オイルポンプ、67 台座。

Claims (4)

  1.  固定スクロール及び揺動スクロールと、
     前記固定スクロール及び前記揺動スクロールのそれぞれに設けられ、相互に噛み合わされて圧縮室を形成する渦巻歯と、
     前記揺動スクロールの前記渦巻歯の先端部に渦巻方向に沿って設けられた溝部と、
     前記溝部内に渦巻方向に沿って挿入され、前記固定スクロールの台板部と摺接するチップシール部材と、
     前記固定スクロールの前記台板部に貫通して設けられ、圧縮流体の一部を前記圧縮室から前記圧縮室外にバイパスする2つの容量制御孔と、を備え、
     前記溝部及び前記チップシール部材のそれぞれは、前記揺動スクロールの揺動運動により前記容量制御孔を通過する部分を避けて3つに分割されて形成されているスクロール圧縮機。
  2.  前記チップシール部材は、硬質プラスチックにより形成されている請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3.  前記硬質プラスチックは液晶ポリマーである請求項2記載のスクロール圧縮機。
  4.  前記固定スクロールは、径がφ1以上、φ4以下のインジェクションポートを有する請求項1~請求項3の何れか一項に記載のスクロール圧縮機。
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Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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