JP5428522B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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高信頼性を有するスクロール圧縮機を実現できる。また、給油孔の孔径を旋回スクロールのラップ厚みの70%以下とすることにより、給油過多による吸入加熱および粘性損失の増加を抑制して摺動損失を低く抑えることができ、高効率なスクロール圧縮機を実現できる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は同スクロール圧縮機の圧縮機構部の縦断面図、図3(a)は同圧縮機構部の横断面図、図3(b)は図3(a)のX−X要部断面図である。なお、図2の断面図において、右半分は吐出ポート18と吸入室17を結ぶ断面を示し、左半分は吐出ポート18と給油孔80を結ぶ断面を示す。図のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
より旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押しつけられ、漏れを低減するとともに安定して円軌道運動を行うことができる。
孔80と固定スクロール12のラップ溝底面12cとの間のスラスト方向隙間S2を、旋回スクロール13のラップ上面13dの傾斜面61の設定で容易に調整することができ、給油孔80から供給されるオイルを、その微小なスラスト方向隙間S2による絞り作用で必要最小限の適正量のオイルを調整して供給することができる。また、旋回スクロール13のラップ13bの内側と外側との両側に形成される圧縮室15において、吸入室17から低圧ガスを閉じ込む行程部分の圧縮室15a近傍に、1つの給油孔80で圧縮開始直後からほぼ均等に給油することができ、外周側の圧縮室(15,15a)のシール性の向上を図って、内周側の圧縮途中の圧縮室15から外周側の吸入室17又は低圧ガス閉じ込み行程部分の圧縮室15aへの漏れ、および圧縮開始から終了までの行程における圧縮室15間の漏れを抑えるとともに、摺動損失を低く抑えることができる。
図4は、本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の縦断面図、図5(a)は同圧縮機構部の横断面図、図5(b)は図5(a)のY−Y要部断面図である。なお、図4の断面図において、右半分は吐出ポート18と吸入室17を結ぶ断面を示し、左半分は吐出ポート18と給油孔80を結ぶ断面を示す。
のラップ溝底面12cの傾斜面62の設定で容易に調整することができ、給油孔80から供給されるオイルを、その微小なスラスト方向隙間S4による絞り作用で必要最小限の適正量のオイルを調整して供給することができる。また、旋回スクロール13のラップ13bの内側と外側との両側に形成される圧縮室15において、吸入室17から低圧ガスを閉じ込む行程部分の圧縮室15a近傍に、1つの給油孔80で圧縮開始直後からほぼ均等に給油することができ、外周側の圧縮室(15,15a)のシール性の向上を図るとともに摺動損失を低く抑えることができる。
図6は、本発明の実施の形態3におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールの縦断面図である。給油孔80の孔径Rを旋回スクロール13のラップ厚みtの20%以上70%以下としている。
図7は、本発明の実施の形態4におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールの縦断面図である。給油孔80と貯油部20からオイルが供給される高圧部30とを連通する給油経路54の一部を絞り効果を持つ細孔82としている。
本発明の実施の形態5は、実施の形態1〜4において、作動流体を高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたものである。二酸化炭素冷媒を使用する場合、圧縮機の吐出圧力と吸入圧力との圧力差は、フロンを冷媒とする従来の冷凍サイクルの圧力差の約7倍〜10倍以上高い。そのため、圧縮室15間の漏れ損失が大きく、また、多量のオイルが給油孔80から吸入室17へ流入しやすいが、差圧が大きな場合でも適量のオイルを供給することができ、圧力が異なる複数の圧縮室15間の漏れ損失低減により高効率で高信頼性なスクロール圧縮機を実現できる。
6 オイル
11 主軸受部材
12 固定スクロール
12a 鏡板
12b ラップ
12c ラップ溝底面
12d ラップ上面
12e 外周巻き終り
13 旋回スクロール
13a 鏡板
13b ラップ
13c ラップ底面
13d ラップ上面
13e 外周巻き終り
14 自転規制機構
15 圧縮室
17 吸入室
29 背圧空間
30 高圧部
54 連通路
60 スラスト方向隙間
61 傾斜面
78 摺動仕切り環
80 給油孔
81 給油経路
82 細孔
H1 ラップ高さ
H2 ラップ溝高さ
P1,P2,P3 内周側点
R 給油孔の孔径
S1,S3 スラスト方向隙間
S2,S4 給油孔位置のスラスト方向隙間
T ラップ厚み
Claims (6)
- それぞれの鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合せて、前記旋回スクロールを自転の規制のもとに円軌道に沿って旋回させたときに容積を変えながら移動することで、吸入、圧縮、吐出を行う双方向に形成される圧縮室と、オイルを溜める貯油部とを備えたスクロール圧縮機において、
前記旋回スクロールのラップ上面と前記固定スクロールのラップ溝底面との間のスラスト方向隙間が、円周方向に沿って内周側から外周側へと漸次増加するように、前記旋回スクロールのラップ上面の外周巻き終わりから最大180°までの範囲内に、前記旋回スクロールのラップ高さが減少するように傾斜面を設け、かつ、前記ラップ上面の傾斜面に開口する給油孔を形成したことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 給油孔における旋回スクロールのラップ上面と固定スクロールのラップ溝底面との間のスラスト方向隙間を、旋回スクロールのラップ上面の傾斜面における最大ラップ高さの0.1%以上1%以下としたことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
- それぞれの鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合せて、前記旋回スクロールを自転の規制のもとに円軌道に沿って旋回させたときに容積を変えながら移動することで、吸入、圧縮、吐出を行う双方向に形成される圧縮室と、オイルを溜める貯油部とを備えたスクロール圧縮機において、
前記旋回スクロールのラップ上面と前記固定スクロールのラップ溝底面との間のスラスト方向隙間が、円周方向に沿って内周側から外周側へと増加するように前記固定スクロールのラップ溝底面の外周巻き終わりから最大180°までの範囲内に、前記固定スクロールのラップ溝高さが増加するように傾斜面を設け、かつ、前記固定スクロールのラップ溝底面の傾斜面に対向する位置に前記旋回スクロールのラップ上面に開口する給油孔を形成したことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 給油孔における旋回スクロールのラップ上面と固定スクロールのラップ溝底面との間のスラスト方向隙間を、固定スクロールのラップ溝底面の傾斜面における最小ラップ溝深さの0.1%以上1%以下としたことを特徴とする請求項3記載のスクロール圧縮機。
- 給油孔の孔径を旋回スクロールのラップ厚みの20%以上70%以下としたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項記載のスクロール圧縮機。
- 給油孔と貯油部とを連通する給油経路の一部を絞り効果を持つ細孔としたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項記載のスクロール圧縮機。
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