JP2955111B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents
スクロール型流体機械Info
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- JP2955111B2 JP2955111B2 JP2947692A JP2947692A JP2955111B2 JP 2955111 B2 JP2955111 B2 JP 2955111B2 JP 2947692 A JP2947692 A JP 2947692A JP 2947692 A JP2947692 A JP 2947692A JP 2955111 B2 JP2955111 B2 JP 2955111B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機、膨張機等とし
て用いられるスクロール型流体機械に関するものであ
る。
て用いられるスクロール型流体機械に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】図７は従来のスクロール型圧縮機の断面
図である。図において、１は密閉ハウジングで、カップ
状本体２とこれにボルト３によって締結されたフロント
ケース４からなる。このフロントケース４を貫通する回
転軸７はベアリング８及び９を介してフロントケース４
に回転自在に支持されている。ハウジング１内には固定
スクロール１０及び旋回スクロール１４が配設されてい
る。
図である。図において、１は密閉ハウジングで、カップ
状本体２とこれにボルト３によって締結されたフロント
ケース４からなる。このフロントケース４を貫通する回
転軸７はベアリング８及び９を介してフロントケース４
に回転自在に支持されている。ハウジング１内には固定
スクロール１０及び旋回スクロール１４が配設されてい
る。
【０００３】固定スクロール１０は端板１１とその内面
に立設された渦巻き状ラップ１２とを備え、この端板１
１はボルト１３によってカップ状本体２に締結されてい
る。そして、渦巻き状ラップ１２の先端面には渦巻きに
沿って凹溝が穿設され、この凹溝内には渦巻き状のチッ
プシール１７が嵌入配設されている。旋回スクロール１
４は端板１５とその内面に立設された渦巻き状ラップ１
６とを備え、この渦巻き状ラップ１６は上記渦巻き状ラ
ップ１２と実質的に同一の形状を有し、その先端面には
渦巻きに沿って凹溝が穿設され、この凹溝内には渦巻き
状のチップシール１８が嵌入配設されている。旋回スク
ロール１４と固定スクロール１０とは相互に公転旋回半
径二倍だけ偏心し、かつ、１８０度だけ角度をずらせて
図示のように噛み合わされ、チップシール１７は端板１
５の内面に密接し、チップシール１８は端板１１の内面
に密接し、渦巻き状ラップ１２と１６の側面は互いに複
数の箇所で線接触する。このようにして、渦巻きの中心
に対してほぼ点対称をなす複数の圧縮室１９ａ，１９ｂ
が限界されている。
に立設された渦巻き状ラップ１２とを備え、この端板１
１はボルト１３によってカップ状本体２に締結されてい
る。そして、渦巻き状ラップ１２の先端面には渦巻きに
沿って凹溝が穿設され、この凹溝内には渦巻き状のチッ
プシール１７が嵌入配設されている。旋回スクロール１
４は端板１５とその内面に立設された渦巻き状ラップ１
６とを備え、この渦巻き状ラップ１６は上記渦巻き状ラ
ップ１２と実質的に同一の形状を有し、その先端面には
渦巻きに沿って凹溝が穿設され、この凹溝内には渦巻き
状のチップシール１８が嵌入配設されている。旋回スク
ロール１４と固定スクロール１０とは相互に公転旋回半
径二倍だけ偏心し、かつ、１８０度だけ角度をずらせて
図示のように噛み合わされ、チップシール１７は端板１
５の内面に密接し、チップシール１８は端板１１の内面
に密接し、渦巻き状ラップ１２と１６の側面は互いに複
数の箇所で線接触する。このようにして、渦巻きの中心
に対してほぼ点対称をなす複数の圧縮室１９ａ，１９ｂ
が限界されている。
【０００４】端板１５の外面中央部に穿設された円筒状
のボス２０の内部にはドライブブッシュ２１が旋回軸受
２３を介して回動自在に収容され、このドライブブッシ
ュ２１に穿設された偏心孔２４内には回転軸７の内端に
突設された偏心ピン２５が回動自在に嵌合されている。
そして、このドライブブッシュ２１にはバランスウエイ
ト２７が固定されている。端板１５の外面の外周縁とフ
ロントケース４の内面との間にはスラスト軸受を兼ねる
自転阻止機構２６が配設されている。回転軸７のボス７
ａにはサブバランスウエイト５が複数のボルト６によっ
て締結されている。しかして、回転軸７を回転させる
と、偏心ピン２５、ドライブブッシュ２１、旋回軸受２
３、ボス２０を介して旋回スクロール１４が駆動され、
旋回スクロール１４は自転阻止機構２６によってその自
転を阻止されながら公転旋回半径を半径とする円軌道上
を公転旋回運動する。
のボス２０の内部にはドライブブッシュ２１が旋回軸受
２３を介して回動自在に収容され、このドライブブッシ
ュ２１に穿設された偏心孔２４内には回転軸７の内端に
突設された偏心ピン２５が回動自在に嵌合されている。
そして、このドライブブッシュ２１にはバランスウエイ
ト２７が固定されている。端板１５の外面の外周縁とフ
ロントケース４の内面との間にはスラスト軸受を兼ねる
自転阻止機構２６が配設されている。回転軸７のボス７
ａにはサブバランスウエイト５が複数のボルト６によっ
て締結されている。しかして、回転軸７を回転させる
と、偏心ピン２５、ドライブブッシュ２１、旋回軸受２
３、ボス２０を介して旋回スクロール１４が駆動され、
旋回スクロール１４は自転阻止機構２６によってその自
転を阻止されながら公転旋回半径を半径とする円軌道上
を公転旋回運動する。
【０００５】旋回スクロール１４が公転旋回運動する
と、渦巻き状ラップ１２と１６との線接触部が次第に渦
巻きの中心に向かって移動し、この結果、圧縮室１９
ａ，１９ｂが容積を減少しながら、渦巻き中心に向かっ
て移動する。これに伴って、図示しない吸入口を通って
吸入室２８へ流入したガスは、渦巻き状ラップ１２と１
６との外終端開口部から圧縮室１９ａ，１９ｂ内に取り
込まれて圧縮されながら中心室２２に至り、ここから固
定スクロール１０の端板１１に穿設された吐出ポート２
９を通り吐出弁３０を押し開いて端板１１とハウジング
１によって限界された吐出キャビティ３１へ吐出され、
そこから図示しない吐出口を経て流出する。
と、渦巻き状ラップ１２と１６との線接触部が次第に渦
巻きの中心に向かって移動し、この結果、圧縮室１９
ａ，１９ｂが容積を減少しながら、渦巻き中心に向かっ
て移動する。これに伴って、図示しない吸入口を通って
吸入室２８へ流入したガスは、渦巻き状ラップ１２と１
６との外終端開口部から圧縮室１９ａ，１９ｂ内に取り
込まれて圧縮されながら中心室２２に至り、ここから固
定スクロール１０の端板１１に穿設された吐出ポート２
９を通り吐出弁３０を押し開いて端板１１とハウジング
１によって限界された吐出キャビティ３１へ吐出され、
そこから図示しない吐出口を経て流出する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスクロール
型流体機械においては、固定スクロール１０と旋回スク
ロール１４とは図８示すように各々の渦巻き状ラップ１
６（１２）の先端面が相手側の端板１１（１５）の内面
と隙間ｃを有するように組み付けられている。そして、
旋回スクロール１４の公転旋回運動中には、凹溝に埋設
されたチップシール１８（１７）が凹溝から圧縮室１９
ａ，１９ｂのガス圧に基づいて浮上して端板１１（１
５）の内面と密接することによって圧縮室１９ａ，１９
ｂを密封するようになっている。
型流体機械においては、固定スクロール１０と旋回スク
ロール１４とは図８示すように各々の渦巻き状ラップ１
６（１２）の先端面が相手側の端板１１（１５）の内面
と隙間ｃを有するように組み付けられている。そして、
旋回スクロール１４の公転旋回運動中には、凹溝に埋設
されたチップシール１８（１７）が凹溝から圧縮室１９
ａ，１９ｂのガス圧に基づいて浮上して端板１１（１
５）の内面と密接することによって圧縮室１９ａ，１９
ｂを密封するようになっている。
【０００７】ところで、旋回スクロール１４が図１１の
破線に示すように傾いた場合、この旋回スクロール１４
の傾きによって端板１５（１１）の外周部に位置する渦
巻き状ラップ１６（１２）が互いに相手側の端板１１
（１５）の内面に接触することによって齧りを生じた
り、変形したりする他、この変形に伴って凹溝が狭小化
されることによってチップシール１８（１７）が拘束さ
れ凹溝から浮上不能となって圧縮室１９ａ，１９ｂの密
封不良を招く等の不具合があった。
破線に示すように傾いた場合、この旋回スクロール１４
の傾きによって端板１５（１１）の外周部に位置する渦
巻き状ラップ１６（１２）が互いに相手側の端板１１
（１５）の内面に接触することによって齧りを生じた
り、変形したりする他、この変形に伴って凹溝が狭小化
されることによってチップシール１８（１７）が拘束さ
れ凹溝から浮上不能となって圧縮室１９ａ，１９ｂの密
封不良を招く等の不具合があった。
【０００８】本発明は、旋回スクロールが傾いた状態で
公転旋回運動した場合にも、渦巻き状ラップが相手側の
端板に接触する事態を回避して、渦巻き状ラップの齧
り、変形を防止することができ、あるいは、渦巻き状ラ
ップが相手側の端板に接触した場合でも、その変形を抑
制して、圧縮室の密封性を確保することのできるスクロ
ール型流体機械を提供しようとするものである。
公転旋回運動した場合にも、渦巻き状ラップが相手側の
端板に接触する事態を回避して、渦巻き状ラップの齧
り、変形を防止することができ、あるいは、渦巻き状ラ
ップが相手側の端板に接触した場合でも、その変形を抑
制して、圧縮室の密封性を確保することのできるスクロ
ール型流体機械を提供しようとするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の特徴を有
するスクロール型流体機械に関するものである。（１ ）それぞれの端板の内面に渦巻き状ラップを立設し
た固定スクロールと旋回スクロールとを互いに噛み合わ
せ、上記渦巻き状ラップの先端面に穿設された凹溝内に
チップシールを埋設してなるスクロール型流体機械にお
いて、上記固定スクロール及び旋回スクロールの少なく
とも一方の渦巻き状ラップをその終端から渦巻きに沿っ
て角度３６０度進んだ範囲に亘り、上記チップシールよ
りも高さが低く、かつ上記ラップの内側から外側に向か
って高さが低下するように形成したこと。 （２）前項に記載のスクロール型流体機械において、渦
巻き状ラップに穿設された凹溝の外側の歯部を同凹溝の
内側の歯部より厚く形成したこと。 （３）それぞれの端板の内面に渦巻き状ラップを立設し
た固定スクロールと旋回スクロールとを互いに噛み合わ
せ、上記渦巻き状ラップの先端面に穿設された凹溝内に
チップシールを埋設してなるスクロール型流体機械にお
いて、上記固定スクロール及び旋回スクロールの少なく
とも一方の渦巻き状ラップを、その終端から渦巻きに沿
って角度３６０度進んだ範囲に亘り、上記凹溝よりも外
側の部分の高さが内側の部分の高さ及び上記チップシー
ルの高さよりも低くなるように形成したこと。
するスクロール型流体機械に関するものである。（１ ）それぞれの端板の内面に渦巻き状ラップを立設し
た固定スクロールと旋回スクロールとを互いに噛み合わ
せ、上記渦巻き状ラップの先端面に穿設された凹溝内に
チップシールを埋設してなるスクロール型流体機械にお
いて、上記固定スクロール及び旋回スクロールの少なく
とも一方の渦巻き状ラップをその終端から渦巻きに沿っ
て角度３６０度進んだ範囲に亘り、上記チップシールよ
りも高さが低く、かつ上記ラップの内側から外側に向か
って高さが低下するように形成したこと。 （２）前項に記載のスクロール型流体機械において、渦
巻き状ラップに穿設された凹溝の外側の歯部を同凹溝の
内側の歯部より厚く形成したこと。 （３）それぞれの端板の内面に渦巻き状ラップを立設し
た固定スクロールと旋回スクロールとを互いに噛み合わ
せ、上記渦巻き状ラップの先端面に穿設された凹溝内に
チップシールを埋設してなるスクロール型流体機械にお
いて、上記固定スクロール及び旋回スクロールの少なく
とも一方の渦巻き状ラップを、その終端から渦巻きに沿
って角度３６０度進んだ範囲に亘り、上記凹溝よりも外
側の部分の高さが内側の部分の高さ及び上記チップシー
ルの高さよりも低くなるように形成したこと。
【００１０】
【作用】本発明においては、上記各項の手段に対応して
次の各項の作用を有するものである。（１ ）旋回スクロールが傾いた状態で公転旋回運動する
場合、この旋回スクロールの傾きによって端板の外周部
に位置する渦巻き状ラップの外側端が相手側の端板の方
向に最も移動することとなるが、この箇所の渦巻き状ラ
ップはその内側から外側に向かって高さが低下するよう
に形成されているので、渦巻き状ラップの先端が相手側
の端板の内面に接触する事態を回避できる。殊に、請求
項３のように構成すれば、渦巻き状ラップの全幅を低下
させる加工を施こすことを要さず、上記ラップの凹溝の
外側の部分を加工するのみという少ない加工工数で以っ
て上記接触回避の効果が得られる。 （２）旋回スクロールがある程度傾いても前記同様に歯
部が相手側の端板の内面に接触する事態を回避すること
ができる他、歯部が接触しても肉厚に形成されてその剛
性が大きくなっているので、歯部の変形を抑制すること
ができる。
次の各項の作用を有するものである。（１ ）旋回スクロールが傾いた状態で公転旋回運動する
場合、この旋回スクロールの傾きによって端板の外周部
に位置する渦巻き状ラップの外側端が相手側の端板の方
向に最も移動することとなるが、この箇所の渦巻き状ラ
ップはその内側から外側に向かって高さが低下するよう
に形成されているので、渦巻き状ラップの先端が相手側
の端板の内面に接触する事態を回避できる。殊に、請求
項３のように構成すれば、渦巻き状ラップの全幅を低下
させる加工を施こすことを要さず、上記ラップの凹溝の
外側の部分を加工するのみという少ない加工工数で以っ
て上記接触回避の効果が得られる。 （２）旋回スクロールがある程度傾いても前記同様に歯
部が相手側の端板の内面に接触する事態を回避すること
ができる他、歯部が接触しても肉厚に形成されてその剛
性が大きくなっているので、歯部の変形を抑制すること
ができる。
【００１１】
【実施例】図１は本発明の第１実施例の平面図、図２は
図１の渦巻き状ラップのＪ−Ｊ断面図である。図におい
て、５０は固定スクロール若しくは旋回スクロールのス
クロール部材で、その端板５１には渦巻き状ラップ５２
が立設されている。渦巻き状ラップ５２の先端面には渦
巻きに沿って終端Ｅの近くまで凹溝５３が穿設され、こ
の凹溝５３内にチップシール５４が嵌入配設されてい
る。
図１の渦巻き状ラップのＪ−Ｊ断面図である。図におい
て、５０は固定スクロール若しくは旋回スクロールのス
クロール部材で、その端板５１には渦巻き状ラップ５２
が立設されている。渦巻き状ラップ５２の先端面には渦
巻きに沿って終端Ｅの近くまで凹溝５３が穿設され、こ
の凹溝５３内にチップシール５４が嵌入配設されてい
る。
【００１２】渦巻き状ラップ５２の渦巻きに沿ってその
終端Ｅから角度３６０度進んだ位置Ａまでの範囲におい
て、渦巻き状ラップ５２の先端は、その内側５２ａから
その外側５２ｂに向かって高さが低下するように形成さ
れている。本例では一定の角度θで傾斜している。ここ
に、傾斜角θはラップ５２の先端面と相手側の端板５１
の内面との間の隙間をｃ、端板５１の外径をＤとしたと
き、傾斜角θ＝ｔａｎ-1（ｃ／Ｄ）の値を有し、旋回ス
クロールが傾きうる最大の傾斜角度となっている。
終端Ｅから角度３６０度進んだ位置Ａまでの範囲におい
て、渦巻き状ラップ５２の先端は、その内側５２ａから
その外側５２ｂに向かって高さが低下するように形成さ
れている。本例では一定の角度θで傾斜している。ここ
に、傾斜角θはラップ５２の先端面と相手側の端板５１
の内面との間の隙間をｃ、端板５１の外径をＤとしたと
き、傾斜角θ＝ｔａｎ-1（ｃ／Ｄ）の値を有し、旋回ス
クロールが傾きうる最大の傾斜角度となっている。
【００１３】図３は上記実施例のスクロールが旋回運動
中に傾斜した時の渦巻き状ラップの断面を示したもので
ある。図に示すように旋回スクロール５０が傾いた状態
で公転旋回運動する場合、この旋回スクロール５０の傾
きによって端板５１の外周部に位置する渦巻き状ラップ
５２の外側５２ｂの先端が相手側の端板５１の方向に最
も移動することとなるが、渦巻き状ラップ５２はその内
側５２ａから外側５２ｂに向かって高さが低くなるよう
に傾斜しているので、旋回スクロール５０がある程度傾
いても渦巻き状ラップ５２の先端が端板５１の内面に接
触する事態を回避することができる。ことに渦巻き状ラ
ップ５２を前記最大傾斜角度θ以上で傾斜せしめた場合
には旋回スクロール５０が最大に傾いたときでも渦巻き
状ラップ５２が端板５１と接触することはなくなる。本
例では傾斜角を最大傾斜角度θに設定した場合について
示したが、これよりも小さい角度に傾斜させてもよく、
その場合でも、渦巻き状ラップ５２の接触を抑制するこ
とができる。
中に傾斜した時の渦巻き状ラップの断面を示したもので
ある。図に示すように旋回スクロール５０が傾いた状態
で公転旋回運動する場合、この旋回スクロール５０の傾
きによって端板５１の外周部に位置する渦巻き状ラップ
５２の外側５２ｂの先端が相手側の端板５１の方向に最
も移動することとなるが、渦巻き状ラップ５２はその内
側５２ａから外側５２ｂに向かって高さが低くなるよう
に傾斜しているので、旋回スクロール５０がある程度傾
いても渦巻き状ラップ５２の先端が端板５１の内面に接
触する事態を回避することができる。ことに渦巻き状ラ
ップ５２を前記最大傾斜角度θ以上で傾斜せしめた場合
には旋回スクロール５０が最大に傾いたときでも渦巻き
状ラップ５２が端板５１と接触することはなくなる。本
例では傾斜角を最大傾斜角度θに設定した場合について
示したが、これよりも小さい角度に傾斜させてもよく、
その場合でも、渦巻き状ラップ５２の接触を抑制するこ
とができる。
【００１４】図４は本発明の第２実施例の渦巻き状ラッ
プの断面図、図５は本発明の第３実施例の渦巻き状ラッ
プの断面図である。図４に示す第２実施例においては、
渦巻き状ラップ５２の凹溝５３よりも外側５２ｂに連な
る部分のみを、該凹溝５３側から外側５２ｂへ向けて角
度θで以って傾斜させることにより、外側５２ｂの高さ
を内側５２ａよりも低くしている。また図５に示す第３
実施例においては、上記渦巻き状ラップ５２の上記凹溝
５３よりも外側５２ｂに連なる部分のみを、該凹溝５３
側から外側へ向けて曲線状に低くしている。なお上記以
外の部分の構成は第１実施例と同じである。上記第２，
第３実施例のように構成すれば、上記接触回避のための
加工は、凹溝５３よりも外側５２ｂ寄りの部分のみであ
るので、加工工数が少なくて済む。
プの断面図、図５は本発明の第３実施例の渦巻き状ラッ
プの断面図である。図４に示す第２実施例においては、
渦巻き状ラップ５２の凹溝５３よりも外側５２ｂに連な
る部分のみを、該凹溝５３側から外側５２ｂへ向けて角
度θで以って傾斜させることにより、外側５２ｂの高さ
を内側５２ａよりも低くしている。また図５に示す第３
実施例においては、上記渦巻き状ラップ５２の上記凹溝
５３よりも外側５２ｂに連なる部分のみを、該凹溝５３
側から外側へ向けて曲線状に低くしている。なお上記以
外の部分の構成は第１実施例と同じである。上記第２，
第３実施例のように構成すれば、上記接触回避のための
加工は、凹溝５３よりも外側５２ｂ寄りの部分のみであ
るので、加工工数が少なくて済む。
【００１５】図６は本発明の第４実施例の渦巻き状ラッ
プの断面図である。渦巻き状ラップ５２はその中央部に
穿設されている凹溝５３より外側５２ｂ方向の歯部５２
Ｂが他方の、即ち、凹溝５３より内側５２ａ方向の歯部
５２Ａよりも肉厚に形成されており、歯部５２Ｂの剛性
が大きくなっている。この歯部５２Ｂの厚さは渦巻き状
ラップ５２の全体厚さに対する割合を２０〜５０％に設
定し、また、歯５２Ａに対する比率ｒを１．０＜ｒ＝≦
２．５の範囲とすることが望ましい。また、歯部５２Ｂ
は凹溝５３より外側５２ｂに向かって低く傾斜するよう
に曲線状に形成されている。なお、上記以外の部分の構
成は第１実施例と同じである。
プの断面図である。渦巻き状ラップ５２はその中央部に
穿設されている凹溝５３より外側５２ｂ方向の歯部５２
Ｂが他方の、即ち、凹溝５３より内側５２ａ方向の歯部
５２Ａよりも肉厚に形成されており、歯部５２Ｂの剛性
が大きくなっている。この歯部５２Ｂの厚さは渦巻き状
ラップ５２の全体厚さに対する割合を２０〜５０％に設
定し、また、歯５２Ａに対する比率ｒを１．０＜ｒ＝≦
２．５の範囲とすることが望ましい。また、歯部５２Ｂ
は凹溝５３より外側５２ｂに向かって低く傾斜するよう
に曲線状に形成されている。なお、上記以外の部分の構
成は第１実施例と同じである。
【００１６】本実施例においては、旋回スクロール５０
がある程度傾いても歯部５２Ｂは凹溝５３から外側５２
ｂ方向に向かって低く傾斜しているので、歯部５２Ｂが
相手側の端板５１の内面に接触する事態を回避すること
ができる。さらに、歯部５２Ｂが接触しても肉厚に形成
されてその剛性が大きくなっているので、その変形を抑
制することができる。
がある程度傾いても歯部５２Ｂは凹溝５３から外側５２
ｂ方向に向かって低く傾斜しているので、歯部５２Ｂが
相手側の端板５１の内面に接触する事態を回避すること
ができる。さらに、歯部５２Ｂが接触しても肉厚に形成
されてその剛性が大きくなっているので、その変形を抑
制することができる。
【００１７】第１〜第４実施例によれば、固定スクロー
ル及び旋回スクロールの少なくとも一方の渦巻き状ラッ
プをその終端から渦巻きに沿って角度３６０度進んだ範
囲に亘り、上記渦巻き状ラップの内側から外側に向かっ
て高さが低下するように形成したため、旋回スクロール
が傾いた状態で公転旋回運動した場合にも、渦巻き状ラ
ップが相手側の端板に接触する事態を回避でき、渦巻き
状ラップの齧り、変形を防止することができ、この結
果、圧縮室の密封性を確保することができる。
ル及び旋回スクロールの少なくとも一方の渦巻き状ラッ
プをその終端から渦巻きに沿って角度３６０度進んだ範
囲に亘り、上記渦巻き状ラップの内側から外側に向かっ
て高さが低下するように形成したため、旋回スクロール
が傾いた状態で公転旋回運動した場合にも、渦巻き状ラ
ップが相手側の端板に接触する事態を回避でき、渦巻き
状ラップの齧り、変形を防止することができ、この結
果、圧縮室の密封性を確保することができる。
【００１８】また、第４実施例によれば、渦巻き状ラッ
プに穿設されている凹溝より外側の歯部を上記凹溝の他
の側の歯部よりも厚く形成したため、渦巻き状ラップが
相手側の端板に接触しても歯部の剛性が大きくなってい
るので、その変形を抑制することができ、この結果、圧
縮室の密封性を確保することができる。
プに穿設されている凹溝より外側の歯部を上記凹溝の他
の側の歯部よりも厚く形成したため、渦巻き状ラップが
相手側の端板に接触しても歯部の剛性が大きくなってい
るので、その変形を抑制することができ、この結果、圧
縮室の密封性を確保することができる。
【００１９】
【発明の効果】本発明のスクロール型流体機械は、
（１）渦巻き状ラップの先端面に穿設された凹溝内にチ
ップシールを埋設し、固定スクロール及び旋回スクロー
ルの少なくとも一方の渦巻き状ラップをその終端から渦
巻きに沿って角度３６０度進んだ範囲に亘り、上記チッ
プシールよりも高さが低く、かつ上記ラップの内側から
外側に向かって高さが低下するように形成し、あるいは
さらに、（２）渦巻き状ラップに穿設された凹溝の外側
の歯部を同凹溝の内側の歯部より厚く形成してあるの
で、旋回スクロールが傾いた状態で公転旋回運動した場
合にも、渦巻き状ラップが相手側の端板に接触する事態
を回避して、渦巻き状ラップの齧り、変形を防止するこ
とができ、さらに、渦巻き状ラップが相手側の端板に接
触した場合でも、その変形を抑制して、圧縮室の密封性
を確保することができる。また、特に請求項３のように
構成すれば、上記接触回避のための加工は凹溝よりも外
側寄りの部分のみで済むので、加工工数が少なくなる。
（１）渦巻き状ラップの先端面に穿設された凹溝内にチ
ップシールを埋設し、固定スクロール及び旋回スクロー
ルの少なくとも一方の渦巻き状ラップをその終端から渦
巻きに沿って角度３６０度進んだ範囲に亘り、上記チッ
プシールよりも高さが低く、かつ上記ラップの内側から
外側に向かって高さが低下するように形成し、あるいは
さらに、（２）渦巻き状ラップに穿設された凹溝の外側
の歯部を同凹溝の内側の歯部より厚く形成してあるの
で、旋回スクロールが傾いた状態で公転旋回運動した場
合にも、渦巻き状ラップが相手側の端板に接触する事態
を回避して、渦巻き状ラップの齧り、変形を防止するこ
とができ、さらに、渦巻き状ラップが相手側の端板に接
触した場合でも、その変形を抑制して、圧縮室の密封性
を確保することができる。また、特に請求項３のように
構成すれば、上記接触回避のための加工は凹溝よりも外
側寄りの部分のみで済むので、加工工数が少なくなる。
【図１】本発明の第１実施例のスクロールの平面図。
【図２】図１の渦巻き状ラップのＪ−Ｊ断面図。
【図３】同渦巻き状ラップの傾斜状態の断面図。
【図４】本発明の第２実施例の渦巻き状ラップの断面
図。
図。
【図５】本発明の第３実施例の渦巻き状ラップの断面
図。
図。
【図６】本発明の第４実施例の渦巻き状ラップの断面
図。
図。
【図７】従来のスクロール型流体機械（圧縮機）の断面
図。
図。
【図８】同流体機械の渦巻き状ラップの断面図。
５０ スクロール部材（固定スクロール、旋
回スクロール） ５１ 端板 ５２ 渦巻き状ラップ ５２ａ 内側 ５２ｂ 外側 ５２Ａ，５２Ｂ 歯部 ５３ 凹溝 ５４ チップシール
回スクロール） ５１ 端板 ５２ 渦巻き状ラップ ５２ａ 内側 ５２ｂ 外側 ５２Ａ，５２Ｂ 歯部 ５３ 凹溝 ５４ チップシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 孝征 愛知県西春日井郡西枇杷島町字旭町３丁 目１番地 三菱重工業株式会社エアコン 製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−68583（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−105785（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F04C 18/02 311
Claims (3)
- 【請求項１】 それぞれの端板の内面に渦巻き状ラップ
を立設した固定スクロールと旋回スクロールとを互いに
噛み合わせ、上記渦巻き状ラップの先端面に穿設された
凹溝内にチップシールを埋設してなるスクロール型流体
機械において、上記固定スクロール及び旋回スクロール
の少なくとも一方の渦巻き状ラップをその終端から渦巻
きに沿って角度３６０度進んだ範囲に亘り、上記チップ
シールよりも高さが低く、かつ上記ラップの内側から外
側に向かって高さが低下するように形成したことを特徴
とするスクロール型流体機械。 - 【請求項２】 渦巻き状ラップに穿設された上記凹溝の
外側の歯部を同凹溝の内側の歯部より厚く形成したこと
を特徴とする請求項１に記載のスクロール型流体機械。 - 【請求項３】 それぞれの端板の内面に渦巻き状ラップ
を立設した固定スクロールと旋回スクロールとを互いに
噛み合わせ、上記渦巻き状ラップの先端面に穿設された
凹溝内にチップシールを埋設してなるスクロール型流体
機械において、上記固定スクロール及び旋回スクロール
の少なくとも一方の渦巻き状ラップを、その終端から渦
巻きに沿って角度３６０度進んだ範囲に亘り、上記凹溝
よりも外側の部分の高さが内側の部分の高さ及び上記チ
ップシールの高さよりも低くなるように形成したことを
特徴とするスクロール型流体機械。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2947692A JP2955111B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | スクロール型流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2947692A JP2955111B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | スクロール型流体機械 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05231349A JPH05231349A (ja) | 1993-09-07 |
| JP2955111B2 true JP2955111B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=12277144
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2947692A Expired - Fee Related JP2955111B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | スクロール型流体機械 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2955111B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002357189A (ja) * | 2001-05-30 | 2002-12-13 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | スクロール型圧縮機 |
| JP4658381B2 (ja) * | 2001-05-31 | 2011-03-23 | 三菱重工業株式会社 | スクロール圧縮機 |
| JP4545039B2 (ja) * | 2005-04-22 | 2010-09-15 | 三菱重工業株式会社 | スクロール圧縮機 |
| JP5428522B2 (ja) * | 2009-05-22 | 2014-02-26 | パナソニック株式会社 | スクロール圧縮機 |
-
1992
- 1992-02-17 JP JP2947692A patent/JP2955111B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05231349A (ja) | 1993-09-07 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990119 |
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| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990615 |
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