JP4892238B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
図6は、特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機を示すものである。図6に示すように、固定スクロール202の渦巻き状のラップ221b外まわりにある、旋回スクロール(図示せず)の鏡板との対向面に、渦巻き状のラップ221bの最外周の内壁面215a〜215dから外方へ内壁面215a〜215dにほぼ沿った外壁面221cを持つように広がり旋回スクロールの鏡板と摺接する環状のシール部213と、シール部213の外側に位置する環状の凹部214から構成されている。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるスクロール圧縮機において、延長部の内壁面を固定スクロールの渦巻き状のラップに連続する曲線で形成したものである。本実施の形態によれば、固定スクロールの渦巻き状のラップに連続する曲線の形態により、その延長部分が吸入行程の通路として用いられたり、あるいは圧縮行程の一部に用いられたりすることがあり、2つの圧縮室で閉じ込み容積が異なったように運転される場合が生じる。このような場合は、圧縮室間の圧力アンバランスが発生しやすく、低圧縮比運転下で旋回スクロールの転覆現象が加速される恐れがあった。しかしながら本形態をとることにより、旋回スクロールの転覆現象を抑制することができ、圧縮機効率の向上を実現することが可能となる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態によるスクロール圧縮機において、略環状シール部に凹部より溝幅が狭い細溝部を設け、この細溝部を凹部に連通したものである。本実施の形態によれば、固定スクロールの渦巻き状のラップが、その巻き終わり端から旋回スクロールの渦巻き状のラップの巻き終わり端近くまで延びている場合、略環状シール部のシール長は少なくなり、吸入口に連通する凹部の形成が寸法上制約されてくる。凹部と細溝部を2つ形成しさらにこれらを連通させることにより、旋回スクロールの鏡板の角度の大部分に吸入圧力を作用させることができるようになり、旋回スクロールの転覆現象をさらに効率的に抑制することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態によるスクロール圧縮機において、凹部の深さより細溝部の深さが小さい構成としたものである。本実施の形態によれば、細溝部を加工する際の加工抵抗を低減することができ、工具破損防止の加工速度減を行わなくてよい。
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態によるスクロール圧縮機において、固定スクロールおよび旋回スクロールの渦巻き状のラップなどにより決定される設計圧縮比より小さい圧縮比で運転されるものである。本実施の形態によれば、旋回スクロールの転覆現象を抑制することが運転範囲内での圧縮機効率の高め、安定化を困難にするスクロール圧縮機においても高効率化を実現することが可能となり、近年の高効率冷凍空調機器で、低圧縮比下で運転されることが多くなったスクロール圧縮機においても、さらなる高効率化が実現できる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5の実施の形態によるスクロール圧縮機において、冷媒を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたものである。本実施の形態によれば、旋回スクロールの背圧力が過大となりスラスト摺動部での摺動損失が増大する傾向にあるスクロール圧縮機においても、摺動損失増加を抑制することができる。また、冷媒に二酸化炭素を用いたヒートポンプ給湯システムなどでは、システムの特性上非常に低い圧縮比でスクロール圧縮機が運転される場合があり、そのような使用条件下においても高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施例におけるスクロール圧縮機の要部である固定スクロールの平面図であり、図2は、図1に示すスクロール圧縮機の要部拡大縦断面図であり、図3は、本発明の第1の実施例におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。
図1及び図2において、本実施例のスクロール圧縮機では、固定スクロール12の渦巻き状のラップ12b外まわりにある旋回スクロール13の鏡板13aとの対向面12cに、固定スクロール12の渦巻き状のラップ12bの最外周の内壁面101から外方へこの内壁面101にほぼ沿った固定スクロール12の外壁面102を持つように広がり旋回スクロール13の鏡板13aと摺接する略環状シール部108と、この略環状シール部108の外側に位置する略環状凹部105と、この略環状凹部105と独立した形態で固定スクロール12の吸入口17に連通する凹部104(図1の網掛け表示部分)とを形成した構成となっている。
本実施例のスクロール圧縮機では、図1、図2及び図3に示すように、固定スクロール12の鏡板12aから立ち上がるラップ12bと旋回スクロール13の鏡板13aから立ち上がる渦巻き状のラップ13bとを噛み合わせて双方間に圧縮室15を形成し、旋回スクロール13を自転規制機構14による自転の規制のもとに円軌道に沿って旋回させたとき、圧縮室15が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行う。このとき旋回スクロール13は、その背面、特に外周部に所定の背圧が印加されて、固定スクロール12から離れて転覆するようなことなく、吸入、圧縮、吐出を安定に行う。
圧縮室15は、図示の場合、複数形成され、固定スクロール12及び旋回スクロール13の外周側から中央に移動しながら容積が小さくなり、固定スクロール12の外周部に設けられている吸入口17から冷媒を吸入して中央に移動しながら次第に圧縮し、固定スクロール12の中央部に設けられた吐出口18を通じて吐出する。吐出口18にはリード弁19が設けられ、圧縮される冷媒が所定の圧力以上になる都度開いて吐出させることにより冷媒の吐出圧を保証している。
上記背圧を保証するため、図1及び図2に示すように、固定スクロール12における鏡板12aのラップ12b外まわりにある、旋回スクロール13の鏡板13aとの対向面12cに、ラップ12bの最外周の内壁面101から外方へラップ12bの内壁面101にほぼ沿った外壁面102を持つように広がり旋回スクロール13の鏡板13aと摺接する略環状シール部108と、略環状シール部108の外側に位置する略環状凹部105と、略環状凹部105と独立した形態で固定スクロール12の吸入口17に連通する凹部104とを形成してある。具体的に、凹部104は機械加工により構成されていたり、固定スクロール12の素材段階で鋳抜きの状態で構成されていたり、あるいは鋳抜きと機械加工を合わせた状態で構成されていたりする。
これらの結果、旋回スクロール13の背圧力が高められ、低圧縮比運転下においても旋回スクロール13の転覆現象を抑制することができる。また凹部104が形成されているために、必要な略環状シール部108を確保しつつスラスト部での摺動面積を小さく構成することができ、摺動損失を低減することができる。
固定スクロール12に設けられた背圧側と圧縮室15の低圧側との間を繋ぐ連絡路10の途中に、背圧側が所定の中間圧を越えたときに、背圧流体を低圧側に逃がす背圧調整機構9を有し、連絡路10は略環状凹部105にて背圧側に開口している。これにより、連絡路10は背圧側に対して略環状凹部105を介し常時通じるので、背圧調整機構9による背圧の調整が中断しないし、背圧流体は所定より高圧になる都度圧縮室15の低圧側に逃がされるので、背圧流体がオイル6であると圧縮室15まわりの摺動部の潤滑とシールに役立ち、スクロール圧縮機の性能が向上しかつ安定する。
さらに、本実施例のスクロール圧縮機は、冷凍サイクル機器と接続されて密閉容器1内に設けたいわゆる密閉型スクロール圧縮機の場合の一例であり、主としてメンテナンスフリーな使用がなされる。また、縦向きに設置される場合を示しているが、横向きに設置される場合もある。
密閉容器1内には、電動機3も設けられ、スクロール圧縮機を駆動するようにしている。電動機3は、密閉容器1の内周に焼き嵌めや溶接などして固定された固定子3aと、固定子3aの内側に位置する回転子3bとを備え、回転子3bはクランク軸4に固定されている。クランク軸4は、固定子3aに固定し、下方に伸び、密閉容器1の内周に溶接して固定された、副軸受部材21により軸受されている。
クランク軸4の上向きの一端にある偏心した偏心軸部4aが、旋回スクロール13に嵌合しており、クランク軸4が電動機3により駆動されると、自転規制機構14と協働して、旋回スクロール13を所定の円軌道に沿って旋回させる。
クランク軸4の下向きの他端には、ポンプ25が設けられ、スクロール圧縮機と同時に駆動される。これによりポンプ25は、密閉容器1の底部に設けられたオイル溜め20にあるオイル6を吸い上げて、クランク軸4内を通縦しているオイル供給穴26を通じて背圧室29に供給する。このときの供給圧は、スクロール圧縮機の吐出圧とほぼ同等であり、旋回スクロール13の外周に対する背圧源ともなる。これにより、旋回スクロール13は、圧縮によっても固定スクロール12から離れたり転覆したりするようなことはなく、所定の圧縮機能を安定して発揮する。
環状空間8に進入するオイル6は、絞り57での絞り作用によって、前記背圧と圧縮室15の低圧側との圧力の中間となる中圧に設定される。環状空間8は背圧室29の高圧側との間が環状仕切帯78によってシールされていて、進入してくるオイルが充満するにつれて圧力を増し所定の圧力を越えると、背圧調整機構9が作用して圧縮室15の低圧側に戻され進入する。このオイル6の進入は所定の周期で繰り返され、この繰り返しのタイミングは前記吸収、圧縮、吐出の繰り返しサイクル、絞り57による減圧設定と背圧調整機構9での圧力設定との関係、の組み合わせによって決まり、固定スクロール12と旋回スクロール13との噛み合せによる摺動部への意図的な潤滑となる。この意図的な潤滑は、前記したように連絡路10の略環状凹部105への開口によって常時保証される。吸入口17へと供給されたオイル6は、旋回スクロール13の旋回運動とともに圧縮室15へと移動し、圧縮室15間の漏れ防止に役立っている。
本実施例のスクロール圧縮機では、固定スクロール12のラップ12bが、その巻き終わり端から旋回スクロール13のラップ13bの巻き終わり端近くまで延びていて、その延長部の内壁面は固定スクロール12のラップ12bに連続する曲線106で形成される構成となっている。
本実施例のスクロール圧縮機の場合、連続する曲線106の種類により、その延長部が吸入行程の通路として用いられたり、あるいは圧縮行程の一部に用いられたりすることが可能となる。後者の場合の例としては、連続する曲線106と旋回スクロール13のラップ13bの巻き終わり付近での隙間が微少に設定されており、スクロール圧縮機の運転速度に応じて圧縮室15の容積を擬似的に変化させて運転する場合等が挙げられる。
このような場合では、2つの圧縮室15で閉じ込み容積が異なったように運転されることになり、固定スクロール12のラップ12bの内壁面101で囲む側の圧縮室15と、この圧縮室15と対で形成される旋回スクロール13のラップ13bの内壁面で囲む側の圧縮室15とで、吸入終了時点の閉じ込み容積が異なってくる。すなわち、固定スクロール12のラップ12bの内壁面101で囲む側の圧縮室15の方が、閉じ込み容積としては大きくなる。この状態では、圧縮行程が進むにつれて圧縮室15間の圧力アンバランスが発生し、旋回スクロール13を固定スクロール12から引き離そうとする転覆モーメントが発生する結果となり、低圧縮比運転下で旋回スクロール13の転覆現象が加速される恐れがある。
また、固定スクロール12のラップ12bに連続する曲線が、固定スクロール12のラップ12bを形成する曲線と同一である場合は、運転速度とは無関係に、常に2つの圧縮室15で閉じ込み容積が異なった状態で運転される。したがって、低速運転時においても圧縮室15間の圧力アンバランスが常に発生することとなり、旋回スクロール13の転覆現象はさらに加速される方向となる。
しかしながら、本実施例のスクロール圧縮機により、旋回スクロール13への背圧印加力が小さい低速運転時から安定して転覆現象を抑制することが可能となるので、常に2つの圧縮室15で閉じ込み容積が異なった状態で運転して吸入部での圧縮損失を最小に抑えることが可能となり、高効率化が図られる。
図4に示すように、本実施例のスクロール圧縮機では、略環状シール部108に、旋回スクロール13のラップ13bの巻き終わり端近くまで延びる細溝部107を設け、この細溝部107を固定スクロール12の吸入口17に連通する凹部104に連通した構成としている。即ち、細溝部107には吸入圧が作用し、略環状シール部108の大部分の角度範囲で吸入圧力が回り込む構成となっている。
したがって本実施例のスクロール圧縮機によれば、旋回スクロール13の鏡板13aの大部分に、吸入圧力を作用させることができるようになり、一部の角度区間の背圧印加力を強めるのではなく、大部分の角度範囲で背圧印加力を強めることが可能となる。これらのことから旋回スクロール13の転覆現象をさらに効率的に抑制することができる。
なお、固定スクロール12のラップ12bが、その巻き終わり端から旋回スクロール13のラップ13bの巻き終わり端近くまで延びている場合、略環状シール部108のシール長は少なくなり、吸入口17に連通する凹部104の形成が寸法上制約されてくる。このような場合、凹部104と細溝部107を2つ形成し、さらにこれらを連通させることにより、構成上の制約を回避することができる。
しかしながら、図5に示す他の実施例におけるスクロール圧縮機の固定スクロールのように、細溝部107が凹部104とほぼ一体に形成されている構成の場合もあり、この場合はすべてが機械加工あるいは素材段階の鋳抜きで構成されたり、あるいは鋳抜きと機械加工を合わせた形で構成されたりする。いずれの構成の場合も、本実施例と同等の効果を奏する。
図4に示す本実施例のスクロール圧縮機では、略環状シール部108において、凹部104内壁面と固定スクロール12の内壁面101とのシール長さ、あるいは、細溝部107と固定スクロール12の内壁面101とのシール長さをSとした場合、その長さSは、固定スクロール12のラップ厚さをtとしたとき、t/4≦S≦3tの関係で構成されている。
即ち、固定スクロール12のラップ厚さはtであり、圧縮室15間の必要シール長さとしては必要十分なシール長さということができるが、略環状シール部108においては圧縮室15の圧力はさほど上昇しておらず、シール必要圧力差としては圧縮室15内より少なくて良い。t/4以上のシール長さがある場合、圧縮室15から吸入圧力が作用する凹部104あるいは細溝部107への漏れは、影響のない程度に抑えられることを実験的に確認している。しかしながら、シール部の面精度が悪い場合、例えば旋回スクロール13の鏡板13aの面精度が悪い場合等は、シール長さはt/4以上にする必要がある。
一方、シール長さとしては3t以下にすることが、シール性能確保および背圧印加力向上の観点から好適であるといえる。従って、固定スクロール12の略環状シール部108のシール長さをt/4以上から3t以下の範囲に構成することにより、必要最低限のシール長さを確保しつつ吸入に連通する凹部あるいは細溝部を最大限大きく構成することが可能となる。
また、圧縮室15の圧力上昇度合いを考慮に入れた場合は、シール必要圧力差は旋回スクロール13のラップ13bの巻き終わり端の方向にいくにしたがって漸次小さくなるため、本実施例のスクロール圧縮機において、凹部104内壁面と固定スクロール12の内壁面106とのシール長さ、あるいは、細溝部107と固定スクロール12の内壁面106とのシール長さを、旋回スクロール13のラップ13bの巻き終わり端の方向にいくにしたがって漸次小さくする構成とすることで、上記効果をさらに高めることができる。
本実施例のスクロール圧縮機では、固定スクロール12の吸入口17に連通する凹部104の深さ104hは、固定スクロール12のラップ高さ(即ちラップ溝深さ)112hをHmmとしたとき、0.1mm以上H/3mm以下とする。
すなわち、0.1mm以上とすることにより、旋回スクロール13の摺動面において背圧流体であるオイル6などによって生じる粘性損失を防ぐことができ、H/3mm以下に抑えることにより、固定スクロール12のラップ12bの強度やラップ12bの剛性不足による加工精度低下の問題を回避することができる構成となっている。
本実施例のスクロール圧縮機により、スラスト部での摺動面積を抑えられ、粘性損失を最小限に抑制し、固定スクロール12のラップ12bの加工精度低下に起因する圧縮損失の増大も抑制することができる。
なお、上記実施例のスクロール圧縮機において、固定スクロール12の吸入口17に連通する凹部104の深さより細溝部107の深さを小さく構成することにより、細溝部107を加工する際の加工抵抗を低減することができ、工具破損防止の加工速度減を行う必要がなくなり、加工生産速度を高めることができる。
家庭用の冷凍空調機器などに用いられるスクロール圧縮機の場合、運転頻度が高い圧縮比として概ね1.5から4.0程度である場合が多く、運転速度可変タイプのスクロール圧縮機の多くはラップ12b,13bなどにより決定される設計圧縮比として、おおよそ1.8から3.0程度に設定されていることが多い。業務用などの空調機器の場合はこの限りではなく、設計圧縮比としてはさらに大きくとられている場合もある。運転圧縮比が1.5から2.0程度の範囲で旋回スクロール13が転覆する現象を抑制しようとした場合、旋回スクロール13の背圧力を高める必要が生じるが、このような設定では多くの場合、高圧縮比領域(おおよそ圧縮比2.5以上)での背圧力過大に起因する摺動損失の増加が発生する。
また、冷媒に二酸化炭素を用いたヒートポンプ給湯システムなどでは、システムの特性上、非常に低い圧縮比(おおよそ1.5以下)でスクロール圧縮機が運転される場合があり、そのような使用条件下においても高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
2 圧縮機構
3 電動機
3a 固定子
3b 回転子
4 クランク軸
6 オイル
9 背圧調整機構
12 固定スクロール
12a 鏡板
12b ラップ
13 旋回スクロール
13a 鏡板
13b ラップ
17 吸入口
20 オイル溜め
27 冷媒ガス
29 背圧室
57 絞り
78 環状仕切帯
101 内壁面
102 外壁面
103 シール部
104 凹部
105 凹部
106 曲線
107 細溝部
108 略環状シール部
202 固定スクロール
204 旋回スクロール
213 シール部
214 凹部
Claims (6)
- 渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、鏡板および渦巻き状のラップを有する旋回スクロールとは、互いに前記ラップ同士を内側にして噛み合うとともに、前記旋回スクロールは自転を阻止された状態で旋回運動し、前記旋回スクロールが旋回運動する際のスラスト力は、前記旋回スクロールの背面に印加する背圧力により前記鏡板と前記固定スクロールとの間の摺動面で支持されるスクロール圧縮機であって、
前記固定スクロールの渦巻き状のラップ外まわりにある前記旋回スクロールの鏡板との対向面に、
前記固定スクロールの渦巻き状のラップの最外周の内壁面から外方へ該内壁面にほぼ沿った外壁面を持つように広がり前記旋回スクロールの鏡板と摺接する略環状シール部と、前記略環状シール部の外側に位置する略環状凹部と、前記略環状凹部と独立した形態で前記固定スクロールの吸入口に連通する袋小路状の凹部とを形成し、
前記略環状シール部が、前記固定スクロールの渦巻き状のラップと、前記固定スクロールの渦巻き状のラップの巻き終わり端の延長部とによって構成され、
前記凹部を前記略環状シール部に設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記延長部の内壁面を前記固定スクロールの渦巻き状のラップに連続する曲線で形成したことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記略環状シール部に前記凹部より溝幅が狭い細溝部を設け、前記細溝部を前記凹部に連通したことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記凹部の深さより前記細溝部の深さが小さい構成としたことを特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。
- 前記固定スクロールおよび前記旋回スクロールの渦巻き状のラップなどにより決定される設計圧縮比より小さい圧縮比で運転されることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 冷媒を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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