JP2009002223A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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JP2009002223A JP2007163507A JP2007163507A JP2009002223A JP 2009002223 A JP2009002223 A JP 2009002223A JP 2007163507 A JP2007163507 A JP 2007163507A JP 2007163507 A JP2007163507 A JP 2007163507A JP 2009002223 A JP2009002223 A JP 2009002223A
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Daisuke Funakoshi
大輔 船越
Noboru Iida
飯田  登
Hiroyuki Kono
博之 河野
Kiyoshi Sawai
澤井  清
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Abstract

【課題】圧縮機の構成を大きく変更せずに、高性能でかつ多様な能力ランクに対応したスクロール圧縮機を提供すること。
【解決手段】スクロールラップ9bの圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼす部分に段差形状24を構成することで、スクロール圧縮機の構成を大きく変更せずに、高性能でかつ多様な能力ランクに対応したスクロール圧縮機を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調機、冷凍機、ブロワ、給湯機等に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
従来の冷凍装置を構成するスクロール圧縮機では、例えば、特許文献1の構成が知られていた。図9は、特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の機構拡大平面図である。
図9に示すように、固定スクロール105の一部をなす鏡板105aの一面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップ105bに対して、旋回スクロールの一部をなすラップが支持円板上に直立するとともに、前記固定スクロールラップに類似した形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に渦巻き形の対称形の一対の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し旋回運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく容積変化し、圧縮室と密閉容器内の吐出側とを連通するリリーフ孔101,102を設けると共に、圧縮室と密閉容器内の吐出側との圧力差によりリリーフ孔101,102を開閉するリリーフ弁103,104を設け、低圧力比運転時にリリーフ弁103,104を開いて過圧縮を防止する。
特開2000−329082号公報
スクロール圧縮機が使用される本体システムにおける能力ランク多様化に伴い、一つの圧縮機で多様な能力ランクを共用化し、さらに高性能なスクロール圧縮機が求められている。
しかしながら、前記従来の構成では、多様な能力ランクにおいて圧力負荷の違いから低負荷条件に最適化すれば高負荷条件では性能が大幅にダウンし、逆に、高負荷条件に最適化すれば低負荷条件で性能が大幅にダウンする。リリーフ孔の位置を変更することで各負荷条件に最適化が可能となるが、負荷条件に応じてリリーフ孔の位置を変更するため、孔加工のプログラム変更以外に、リリーフ弁形状とリリーフ弁の組み立て行程の変更が生じる。
前記従来の課題を解決するために、固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して、旋回スクロールの一部をなすラップが支持円板上に直立するとともに、前記固定スクロールラップに類似した形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に渦巻き形の対称形の一対の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し旋回運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく容積変化し、前記スクロールラップの圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼす部分に段差形状を構成する。
本発明のスクロール圧縮機は、各負荷条件に応じて最適な位置で段差を設けることで、加工プログラムのみの変更により、圧縮機の構成を大きく変更せずに、高性能でかつ多様な能力ランクに対応したスクロール圧縮機が得られる。
第1の発明は、密閉容器の内部に、固定子と回転子で構成されるモータとこのモータで駆動する圧縮機構を配設し、固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して、旋回スクロールの一部をなすラップが支持円盤上に直立するとともに、固定スクロールラップに類似した形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に渦巻き形の対称形の一対の圧縮空間を形成し、固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口を設け、固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、自転阻止部材を介して旋回スクロールが固定スクロールに対し旋回運動を行うことによって、各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく容積変化し、スクロールラップの圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼす部分に段差形状を構成することにより、スクロールラップ形状を大きく変更せずに、本来のスクロールラップが持つ吸入開始と圧縮終了における容積比を小さくすることが可能となる。特に低負荷時に圧力差が小となる容積比において最適な容積比の位置に段差を設けることで流体の吐出における過圧縮が低減され、高性能化が可能となる。
第2の発明は、段差がスクロールラップの外壁側もしくは内壁側のどちらか一方に構成することにより、本来スクロールラップが持つ容積比の内、スクロールラップ外壁で形成される容積比もしくはスクロールラップ内壁で形成される容積比のどちらか一方のみを変更することが可能となり、設計の自由度が広がる。
第3の発明は、段差がスクロールラップの外壁側と内壁側の両方に構成することにより、本来スクロールラップが持つ容積比の内、スクロールラップ外壁で形成される容積比もしくはスクロールラップ内壁で形成される容積比の両方を変更することが可能となり、設計の自由度が広がる。
第4の発明は、段差がスクロールラップの外壁側と内壁側の両方に設けられており、段差の深さが異なることにより、容積比設計の自由度が広がるとともに、段差体積分に応じて流体の吐出抵抗が減少し、流体がさらに吐出されやすくなり過圧縮の低減が可能となる。
第5の発明は、段差がスクロールラップの外壁側と内壁側の両方に設けられており、二つの段差が接触することにより、スクロールラップ外壁で形成される圧縮室とスクロールラップ内壁で形成される圧縮室が連通し、吐出直前の圧縮流体が素早く均圧されることで吐出抵抗が減少し、過圧縮の低減が可能となる。
第6の発明は、段差が圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼさない部分まで設けられていることにより、容積比が段差の開始位置のみで決定されるために、容積比を一定に保ったまま流体の吐出抵抗のみを減少させることが可能となる。
第7の発明は、段差がスクロールラップ上面と連通しないことにより、スクロールラップ上面が吐出孔に望むことで決まる容積比に対し、無関係に流体の吐出抵抗のみを減少させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図を示すものである。
図1において、鉄製の密閉容器1の内部全体は吐出管2に連通する高圧雰囲気となり、その中央部にモータ3、上部に圧縮部が配置され、モータ3の回転子3aに固定されたクランクシャフト4の一端を支承する圧縮部の本体フレーム5が密閉容器1に固定されており、その本体フレーム5に固定スクロール6が取り付けられている。
クランクシャフト4に設けられた主軸方向の油穴7は、その一端が給油ポンプ装置8に通じ、他端が最終的に旋回スクロール9の旋回軸受10に通じている。固定スクロール6と噛み合って圧縮空間11を形成する旋回スクロール9は、渦巻き状の旋回スクロールラップ9bと旋回軸受10とを直立させた支持円盤9aとからなり、固定スクロール6と本体フレーム5との間に配置されている。
固定スクロール6は、鏡板6aと渦巻き状の固定スクロールラップ6bとからなり、固定スクロールラップ6bの中央部に吐出口12、外周部に吸入室13が配置されている。
クランクシャフト4の主軸部4aから偏心してクランクシャフト4の上端部に配置された旋回軸部4bは、旋回スクロール9の旋回軸受10と係合摺動し、クランクシャフト4の下端部に配置された副軸部4cは密閉容器1内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受19により軸支され、主軸部4a、旋回軸部4b、副軸部4cの三点で支持された構成をしている。旋回スクロール9の支持円盤9aと本体フレーム5に設けられた第1のスラスト軸受15aとの間は、油膜形成可能な微小隙間が設けられている。支持円盤9aには旋回軸受10とほぼ同心の環状シール部材16が遊合状態で装着されており、その環状シール部材16はその内側の背面室17と外側の背圧室18とを仕切っている。
給油ポンプ装置8によって吸い上げられた潤滑油はクランクシャフト4の油穴7を通り旋回スクロール9の旋回軸受10と旋回軸部14との間に形成された軸方向の内部空間20へ導かれ、一方は旋回スクロール9の支持円盤9aの背面に設けられた絞り部21を経由して固定スクロール6と本体フレーム5とによって囲まれて形成される背圧室18へと通じ、旋回スクロール9を固定スクロールラップ6b外周部の第2のスラスト軸受15bに押さえつける機能を持った背圧調整弁22、オイル供給通路22aを通って吸入室13へと導かれる。もう一方は旋回スクロール9の内部の通路26を経由し、圧縮空間11へと導かれ、旋回スクロールラップ9bと固定スクロール6の鏡板6aとの摺動部にオイルが供給される。また、圧縮部に流れなかった残りのオイルは旋回軸受10、背面室17、主軸受14を通り圧縮部外部へ排出される。
吐出口12の出口側を開閉する逆止弁装置23が固定スクロール6の鏡板6aの平面上に取り付けられており、その逆止弁装置23は薄鋼板製のリード弁23aと弁押さえ23bとからなる。
以上のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
図2〜図8は旋回スクロール9の旋回スクロールラップ9bと段差の位置関係を示した立体図である。図2に示すように、旋回スクロールラップ9bの圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼす部分に段差24形状を構成することにより、旋回スクロールラップ9b形
状を大きく変更せずに、本来の旋回スクロールラップ9bが持つ吸入開始と圧縮終了における容積比を小さくすることが可能となる。特に低負荷時に圧力差が小となる容積比において最適な容積比の位置に段差24を設けることで流体の吐出における過圧縮が低減され、高性能化が可能となる。
また、図3に示すように、段差24が旋回スクロールラップ9bの外壁側もしくは内壁側のどちらか一方に構成することにより、本来旋回スクロールラップ9bが持つ容積比の内、旋回スクロールラップ9b外壁で形成される容積比もしくは旋回スクロールラップ9b内壁で形成される容積比のどちらか一方のみを変更することが可能となり、設計の自由度が広がる。
また、図4に示すように、段差24が旋回スクロールラップ9bの外壁側と内壁側の両方に構成することにより、本来旋回スクロールラップ9bが持つ容積比の内、旋回スクロールラップ9b外壁で形成される容積比もしくは旋回スクロールラップ9b内壁で形成される容積比の両方を変更することが可能となり、設計の自由度が広がる。
また、図5に示すように、段差24が旋回スクロールラップ9bの外壁側と内壁側の両方に設けられており、段差24の深さが異なることにより、容積比設計の自由度が広がるとともに、段差24体積分に応じて流体の吐出抵抗が減少し、流体がさらに吐出されやすくなり過圧縮の低減が可能となる。
また、図6に示すように、段差24が旋回スクロールラップ9bの外壁側と内壁側の両方に設けられており、二つの段差24が接触することにより、旋回スクロールラップ9b外壁で形成される圧縮空間11と旋回スクロールラップ9b内壁で形成される圧縮空間11が連通し、吐出直前の圧縮流体が素早く均圧されることで吐出抵抗が減少し、過圧縮の低減が可能となる。
また、図7に示すように、段差24が圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼさない部分まで設けられていることにより、容積比が段差24の開始位置のみで決定されるために、容積比を一定に保ったまま流体の吐出抵抗のみを減少させることが可能となる。
また、図8に示すように、段差24が旋回スクロールラップ9b上面と連通しないことにより、旋回スクロールラップ9b上面が吐出孔に望むことで決まる容積比に対し、無関係に流体の吐出抵抗のみを減少させることが可能となる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、スクロールラップの圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼす部分に段差形状を構成することにより、圧縮機の構成を大きく変更せずに、高性能でかつ多様な能力ランクに対応したスクロール圧縮機が得られ、HFC系冷媒やHCFC系冷媒を用いたエアーコンディショナー用圧縮機のほかに、自然冷媒COを用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における縦型スクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールラップ上の段差の立体図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールラップ上の内壁もしくは外壁にある段差の立体図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールラップ上の内壁と外壁の両方にある段差の立体図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールラップ上の内壁と外壁に異なる深さの段差の立体図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールラップ上の内壁と外壁の両方が連通した段差の立体図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールラップ上の圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼさない部分まで設けられている段差の立体図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールラップ上の上面と連通しない段差の立体図 従来のスクロール圧縮機の機構拡大平面図
符号の説明
1 密閉容器
2 吐出管
3 モータ
3a 回転子
3b 固定子
4 クランクシャフト
4a 主軸部
4b 旋回軸部
4c 副軸部
5 本体フレーム
6 固定スクロール
6a 鏡板
6b 固定スクロールラップ
7 油穴
8 給油ポンプ装置
9 旋回スクロール
9a 支持円板
9b 旋回スクロールラップ
10 旋回軸受
11 圧縮空間
12 吐出口
13 吸入室
14 主軸受
15a 第1のスラスト軸受
15b 第2のスラスト軸受
16 環状シール部材
17 背面室
18 背圧室
19 副軸受
20 内部空間
21 絞り部
22 背圧調整弁
22a オイル供給通路
23 逆止弁装置
23a リード弁
23b 弁押さえ
24 段差

Claims (7)

  1. 固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して、旋回スクロールの一部をなすラップが支持円板上に直立するとともに、前記固定スクロールラップに類似した形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に渦巻き形の対称形の一対の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し旋回運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく容積変化し、前記スクロールラップの圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼす部分に段差形状を構成したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 段差が前記スクロールラップの外壁側もしくは内壁側のどちらか一方に構成したことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 段差がスクロールラップの外壁側と内壁側の両方に構成したことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  4. 段差がスクロールラップの外壁側と内壁側の両方に設けられており、前記段差の深さが異なることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 段差がスクロールラップの外壁側と内壁側の両方に設けられており、二つの前記段差が接触することを特徴とする請求項1または請求項3または請求項4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 段差が圧縮機能及びシール機能に影響を及ぼさない部分まで設けられていることを特徴とする請求項第1〜5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  7. 段差がスクロールラップ上面と連通しないことを特徴とする請求項第1〜6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113153738A (zh) * 2016-07-21 2021-07-23 特灵国际有限公司 用于涡旋压缩机的扇形台阶
WO2022058304A1 (de) * 2020-09-18 2022-03-24 Brose Fahrzeugteile SE & Co. Kommanditgesellschaft, Würzburg Scrollverdichter für kältemittel einer fahrzeugklimaanlage

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