JP2001304152A - スクロールコンプレッサ - Google Patents

スクロールコンプレッサ

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JP2001304152A
JP2001304152A JP2000120321A JP2000120321A JP2001304152A JP 2001304152 A JP2001304152 A JP 2001304152A JP 2000120321 A JP2000120321 A JP 2000120321A JP 2000120321 A JP2000120321 A JP 2000120321A JP 2001304152 A JP2001304152 A JP 2001304152A
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Japan
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scroll
oil
drive shaft
chamber
compression
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JP2000120321A
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English (en)
Inventor
Koyo Kitagawa
幸洋 北川
Junichi Oba
純一 大場
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール圧縮部における旋回スクロールの
渦巻体の内外両側に存在する圧縮室に対し、安定したオ
イルの供給を行うことができて、潤滑不良を確実に防止
し、シール性能等を良好に保つ。 【解決手段】 ケーシング13内に配置された旋回スク
ロール21及び固定スクロール22により構成されるス
クロール圧縮部20と、旋回スクロール21を旋回させ
る駆動軸25とを備え、上記駆動軸25及び軸受支えの
外周に吸込室36が設けられ、スクロール圧縮部20に
おける旋回スクロール21の渦巻体21bの両側に圧縮
室23A,23Bが形成されるとともに、吸込室36か
ら両圧縮室23A,23Bに冷媒を導くように共通の吸
込ポート35が設けられている。さらに、旋回スクロー
ル21の鏡板21aに、オイルポンプ63により送給さ
れるオイルを吸込ポート35に導くオイル供給路70が
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置等に用い
られるスクロールコンプレッサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平11−93872号
公報に示されるように、固定スクロール及び旋回スクロ
ールにより構成されるスクロール圧縮部と、このスクロ
ール圧縮部を駆動する駆動軸と、このスクロール圧縮部
の駆動に応じて被圧縮流体を吸入する吸入室(吸込室)
と、スクロール圧縮部の駆動に応じて被圧縮流体を吐出
する吐出室とをケーシング内に設けるとともに、ケーシ
ング下方部のオイル貯留部からオイルポンプを介して被
潤滑部にオイルを送給する通路及び潤滑後のオイルをオ
イル貯留部に戻すリターン通路等からなる潤滑系を具備
したスクロールコンプレッサが知られている。
【0003】このスクロールコンプレッサの潤滑系にお
いて、オイル貯留部からオイルポンプを介して送られる
オイルは駆動軸に対する副軸受、スラストベアリング、
主軸受、旋回スクロールに対する旋回軸受、スラストプ
レート等に供給されるようになっている。一方、上記固
定スクロールと旋回スクロールとの間に形成される圧縮
室には吸入室内に浮遊するオイルミストが冷媒と一緒に
吸入ポートを通って吸入され、このオイルミストが両ス
クロールの摺接部分の潤滑に供せられるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように吸入室内
のオイルミストが圧縮室に吸入されるようにするだけで
は、吸入室内に安定的に適量のオイルミストが浮遊する
状態を維持することは困難であるため、上記両スクロー
ルの摺接部分の潤滑不良によるシール性能の低下やそれ
に伴う圧縮性能の低下を招き易いといった問題がある。
【0005】なお、上記公報の図面中の図2及び図8に
示された構造によると、固定スクロールの口元開口を塞
ぐことになる旋回スクロールの鏡板下部を小さくするこ
とにより、オルダム室(旋回スクロールの自転を防止す
るためのオルダムリングが配置される空間)と圧縮室と
を連通する連通部を設け、オルダム室の下部に滞留する
オイルを圧縮室へ供給可能としている。
【0006】しかし、この連通部の位置は旋回スクロー
ルの鏡板の外周側最下部となるので、旋回スクロールの
渦巻体の内外両側に存在する圧縮室のうちで外側の圧縮
室にのみ上記連通部からオイルが供給されることとなっ
て、内側の圧縮室へのオイル供給による潤滑は上記吸入
室内に浮遊するオイルミストだけによらざるを得ず、上
記のような問題が解消されない。
【0007】本発明はこのような事情に鑑み、スクロー
ル圧縮部における旋回スクロールの渦巻体の内外両側に
存在する圧縮室に対し、安定したオイルの供給を行うこ
とができて、潤滑不良を確実に防止し、シール性能等を
良好に保つことができるスクロールコンプレッサを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケーシング内
に配置された旋回スクロール及び固定スクロールにより
構成されるスクロール圧縮部と、上記旋回スクロールを
旋回させる駆動軸とを備え、上記スクロール圧縮部の旋
回軸及び駆動軸が横置きに配置されているスクロールコ
ンプレッサにおいて、ケーシング内における上記駆動軸
の外周及び駆動軸を支持する軸受支えの外周に吸込室を
設け、上記スクロール圧縮部における旋回スクロールの
渦巻体の両側に圧縮室を形成し、上記吸込室から旋回ス
クロールの渦巻体両側の圧縮室に冷媒を導くようにこれ
らの圧縮室に対して共通の吸込ポートを設けるととも
に、ケーシング内のオイル溜りからオイルポンプを介し
て送給されるオイルを上記吸込ポートに導くオイル供給
路を設けたものである。
【0009】この構成によると、オイルポンプの作動に
応じてオイルが吸込みポートへ送りまれ、このオイルが
旋回スクロールの渦巻体両側の圧縮室に分配されて、ス
クロール圧縮部の内部の潤滑が良好に行われる。
【0010】この発明のスクロールコンプレッサにおい
て、上記吸込ポートを旋回スクロールの鏡板の外周部に
設けた切欠部で構成するとともに、上記オイル供給路を
旋回スクロールの鏡板の内部に形成し、上記オイル供給
路の終端を上記切欠部に開口させておくようにすること
が好ましい。このようにすると、オイルポンプが低速で
作動する運転状態にある時でも、吸気ポートでの吸い出
し効果によりオイル供給が良好に行われる。
【0011】また、上記オイル供給路に、オイルポンプ
の吐出圧が大きい程オイル流通抵抗を増大させる流量調
整手段を設けることが好ましい。このようにすると、オ
イルポンプの吐出圧が高くなる運転状態の時に、圧縮室
にオイルが過剰に供給されることが避けられる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0013】図1は本発明のスクロールコンプレッサ1
を含む空調又は冷凍用の装置の全体概略構成を示してい
る。この図において、スクロールコンプレッサ1は、例
えばガスエンジン2により、プーリ3a,3b及びベル
ト3cからなる伝動機構3を介して駆動されるようにな
っている。このスクロールコンプレッサ1の高圧冷媒吐
出側には吐出用管路4が接続され、低圧冷媒吸込側には
吸込用管路10が接続されており、吐出用管路4と吸込
用管路10との間の冷媒回路に凝縮器5、第1減圧弁
6、気液分離器7、第2減圧弁8及び蒸発器9が配設さ
れている。また、上記気液分離器7における液相冷媒液
面7aの上方となる気相冷媒取出部分にはインジェクシ
ョン用管路11の一端が接続され、この管路11の他端
11aは、後述のようにスクロールコンプレッサ1のイ
ンジェクションポートに通じる部分に接続されている。
【0014】そして、スクロールコンプレッサ1から吐
出された高圧気相冷媒が凝縮器5で凝縮され、次いで第
1減圧弁6である程度減圧された後、気液分離器7で気
相冷媒と液相冷媒とに分離され、そのうちの液相冷媒が
第2減圧弁8でさらに減圧されてから蒸発器9に導かれ
て蒸発し、その蒸発後の気相低圧冷媒が吸込用管路10
を通ってスクロールコンプレッサ1に吸入される。ま
た、上記気液分離器7からある程度の圧力の気相冷媒が
インジェクションガスとしてインジェクション用管路1
1を通ってスクロールコンプレッサ1に送られるように
なっている。
【0015】なお、図1はスクロールコンプレッサ1を
含むヒートポンプもしくは冷凍サイクルを簡略化して示
しているが、例えば冷暖房可能な空調装置に適用する場
合は、上記凝縮器5及び蒸発器9を構成するものとして
室外熱交換器と室内熱交換器とを設けるとともに、冷媒
流通経路を切換える四方弁を組み込み、冷房時は室外熱
交換器が凝縮器、室内熱交換器が蒸発器となるように冷
媒を循環させ、暖房時は室内熱交換器が凝縮器、室外熱
交換器が蒸発器となるように冷媒を循環させる構成とす
ればよい。
【0016】図2〜図10を参照しつつスクロールコン
プレッサ1の構造を次に説明する。なお、以下の説明で
は、後記駆動軸の入力側端部が突出する側(図2で左
側)を前方、反対側(図2で右側)を後方とする。
【0017】これらの図に示すスクロールコンプレッサ
1は、ケーシング13と、このケーシング13内に配置
された旋回スクロール21及び固定スクロール22によ
り構成されるスクロール圧縮部20と、旋回スクロール
21を旋回させる駆動軸25と、固定スクロール22の
外側方に配置されたカバー40とを備えている。
【0018】上記ケーシング13は、旋回スクロール配
置部分の周壁を構成するメインハウジング14と、駆動
軸配置部分の外殻を構成するケース15とを備え、メイ
ンハウジング14の前方側にケース15が位置し、後方
側に固定スクロール22の外周壁22cがケーシング1
3の一部をなすように配置された状態で、これらがボル
ト16,17,18により相互に連結されている。
【0019】スクロール圧縮部20の旋回スクロール2
1は、鏡板21aと、この鏡板21aから固定スクロー
ル22側へ向けて突出する渦巻体21bと、鏡板21a
の裏面から駆動軸25側へ向けて突出するスクロール軸
21cとを有し、また固定スクロール22は、鏡板22
aと、この鏡板22aから旋回スクロール21側へ向け
て突出する渦巻体22bと、ケーシング20の一部をな
す外周壁22cとを有している。両スクロール21,2
2の渦巻体21b,22bは互いに所定角度ずれて組み
合わされ、この渦巻体21b,22bが組み合わされた
部分において旋回スクロール21の渦巻体21bの内外
両側に一対の圧縮室23A,23Bが形成されている。
【0020】上記スクロール圧縮部20及び駆動軸25
は横向き設置とされ、この状態で駆動軸25がケーシン
グ13に回転自在に支承されるとともに、スクロール軸
21cが駆動軸に対し偏心状態で相対回転可能に支承さ
れて、駆動軸25の回転に伴い旋回スクロール21が旋
回するようになっている。
【0021】すなわち、駆動軸25は小径軸部25aと
その先端に連なるスクロール軸支承用の筒状大径部25
bとを有し、略水平方向に延びるように配置された状態
で、小径軸部25aがケース15に連設された軸受支え
26に副軸受28を介して支承されるとともに、筒状大
径部25bがメインハウジング14に連設された軸受支
え27に主軸受29を介して支承されている。この駆動
軸25の入力側端部はケーシング13の前方外部に突出
し、その周囲にプーリ3bが設けられるとともに、プー
リ3bと駆動軸25との間に電磁クラッチ24が組み込
まれ、この電磁クラッチ24がオンとなったときにエン
ジン2(図1参照)からの動力が駆動軸25に伝達され
るようになっている。
【0022】駆動軸25の筒状大径部25bは内周面の
中心が軸心に対して偏心した形状とされ、この筒状大径
部25bにスクロール軸21cが旋回軸受30を介して
支承されている。また、メインハウジング14における
旋回スクロール21の外側部にはスラストプレート31
及びオルダムリング32が配置されている。このオルダ
ムリング32は、自転防止機構を構成するもので、メイ
ンハウジング14内で旋回スクロール21に隣接する箇
所に形成された環状のオルダム室33内で揺動可能とさ
れるとともに、旋回スクロール21の自転を阻止しなが
ら半径方向の揺動を許容するように、旋回スクロール2
1及び固定壁に対してそれぞれ特定方向にスライド可能
に係合している。
【0023】そして、上記駆動軸25の回転に伴い、両
スクロール21,22の渦巻体21b,22bが180
°毎に接する状態を保ちながら、旋回スクロール21が
自転することなく固定スクロール22の中心の回りを旋
回し、これにより圧縮室23A,23B内の冷媒を外周
側から内周側に移動させつつ圧縮していくようになって
いる。すなわち、渦巻体21bが図3に示される位置に
ある時、後記吸込ポート35と渦巻体21bの最外周部
の内側の空間23A0が連通し、空間23A0に冷媒が
吸込まれる。渦巻体21bが図4(a)に示される位置
を経て図4(b)の位置にくると、空間23A0が閉じ
て冷媒が圧縮室23Aに閉じ込められ、以後、圧縮室2
3Aが圧縮されつつ後記吐出ポート38の方向へ移動す
る。
【0024】同様に、渦巻体21bが図4(b)から図
4(c)に示される位置にある時、吸込ポート35と渦
巻体21bの最外周部の外側の空間23B0が連通し、
空間23B0に冷媒が吸込まれる。渦巻体21bが図3
に示される位置にくると、空間23B0が閉じて冷媒が
圧縮室23Bに閉じ込められ、以後、圧縮室23Bが圧
縮されつつ後記吐出ポート38の方向へ移動する。
【0025】ケーシング13内における上記駆動軸25
の外周及び軸受支え26,27の外周にわたる部分には
吸込室36が形成されている。そして、この吸込室36
に通じる冷媒流入口37がケース15の上端部に設けら
れ、この冷媒流入口37に吸込用管路4(図1参照)が
接続されるようになっている。また、上記旋回スクロー
ル21の外周部には、上記吸込室36から圧縮室23
A,23Bに低圧の冷媒ガスを導入するための吸込ポー
ト35が設けられている。
【0026】吸込室36及び吸込ポート35が形成され
た部分を具体的に説明すると、図5に示すように、メイ
ンハウジング14の周壁の内方には、吸込室36をその
内側の部分に対して区画する区画壁14aが設けられ、
この区画壁14aの内方に環状の軸受支え27が設けら
れている。上記区画壁14aは、概略環状で、かつ下端
部に平板状部分14bを有する形状とされ、この平板状
部分14bの両側端部がメインハウジング14の周壁に
連らなるとともに、環状部分が放射状のリブ14cを介
してメインハウジング14の周壁に連結されており、さ
らにこの区画壁14aと軸受支え27とが放射状のリブ
14dを介して連結されている。そして、上記平板状部
分14bより上方において区画壁14aとメインハウジ
ング14の周壁との間に吸込室36が形成されている。
【0027】なお、ケース15内においても、上記区画
壁14aに対応する区画壁15aが設けられ、この区画
壁15aで吸込室36がその内側の駆動軸配設部分に対
して区画されている(図6参照)。
【0028】また、上記吸込ポート35は、図3及び図
5に示すように、旋回スクロール21の鏡板21aに切
欠部21dを設けることにより形成されている。特にこ
の切欠部21dからなる吸込ポート35は、旋回スクロ
ール21の渦巻体21bの両側に形成された圧縮室23
A,23Bに対して共通の1個所だけとされ、鏡板21
aの略最上部に設けられている。
【0029】一方、固定スクロール22の鏡板22aに
は、吐出ポート38とインジェクションポート39とが
設けられている。上記吐出ポート38は圧縮室の中心部
に開口する位置に設けられている。図示の例では、吐出
ポート38の出口側が分岐して2つの開口部38a,3
8bが形成されている。
【0030】インジェクションポート39は、圧縮室の
外周部と中心部との間の、中間圧力部位に開口する位置
に設けられ、図示の例では一対の圧縮室23A,23B
の各中間圧力部位にそれぞれ開口するように所定の2個
所にインジェクションポート39が設けられている。各
インジェクションポート39は、鏡板22aの外側面に
開口する円形凹部39aと、これに連通して圧縮室に開
口する2個の細穴39bとからなっている。
【0031】固定スクロール22の鏡板22aの外側方
部に配置されたカバー40には、上記吐出ポート38に
通じるカバー40内の空間からなる吐出室41が形成さ
れるとともに、吐出室41に通じる高圧冷媒流出口42
が上端部に設けられ、この高圧冷媒流出口42に吐出用
管路4(図1参照)が接続されるようになっている。さ
らにカバー40には、各インジェクションポート39に
通じる2個所のインジェクション用小室43と、インジ
ェクション用管路11の端部11aが接続されるインジ
ェクションガス導入口44と、このインジェクションガ
ス導入口44に通じる通路45と、この通路45から分
岐して各インジェクション用小室43に至る分岐通路4
6とを構成するインジェクション用小室等構成壁40b
が設けられている。このインジェクション用小室等構成
壁40bにより、小室43、通路45,46及びインジ
ェクションガス導入口44にわたる部分が、吐出室41
から隔絶された状態に形成されている。
【0032】そして、上記インジェクション用小室等構
成壁40bと、吐出室41及び吐出用管路接続部42を
構成する吐出室等構成壁40aとを含むカバー40全体
が一体に成形され、このカバー40がボルト47により
固定スクロール22の鏡板22aに固着されている。
【0033】上記吐出室41に対する吐出ポート38の
開口部には、高圧冷媒が吐出室側から圧縮室側へ逆流す
ることを阻止するための逆止弁であるリード弁51が設
けられ、図示の例では吐出ポート38の2つの開口部3
8a,38bに対応して2個のリード弁51が設けられ
ている。各リード弁51は、弾性的に揺動可能な先端部
が吐出ポート38の開口部を覆う状態で、基端部が鏡板
22aにボルト52で固定されている。また、上記イン
ジェクション用小室43には、圧縮室側から通路側へイ
ンジェクションガスが逆流することを防止する逆止弁5
3が装備されている。この逆止弁53は、小室43に対
する分岐通路46の開口部に設けられた弁体54と、こ
の弁体54を閉弁方向に付勢するスプリング55とを備
えている。
【0034】また、このスクロールコンプレッサ1に
は、上記のような構成に加え、ケーシング2の下方部に
オイルパン(オイル溜り)60が一体に設けられるとと
もに、オイルストレーナ61、オイルクリーナ62、オ
イルポンプ63等を含む潤滑系が配備されている(図
2、図6参照)。そして、運転開始前に吸込用管路10
が外されて、露出する吸込用管路接続部37から給油さ
れて所定の油面L0とされた後、上記オイルポンプ63
の作動により、オイルがオイルパン60からオイルスト
レーナ61を経てオイルポンプ63に吸い上げられ、さ
らにオイルクリーナ62を経て潤滑を要する各部へ供給
されるようになっている。オイルポンプ63の作動中の
オイルの油面はL1となる。
【0035】上記オイルポンプ63はギヤ64,65を
介して駆動軸25に連動している。ギヤ65は軸受支え
26の後方側において小径軸部25aに取付けられ、こ
のギヤ65の後方にはケース15に取付けられたプレー
ト67が位置しており、プレート67と軸受支え26と
によりスラストベアリング66を介してギヤ65が挟み
付けられている。なお、プレート67の後方には、駆動
軸25に取付けられたバランサ68が配置されている。
【0036】さらに潤滑系には、スクロール圧縮部20
の両圧縮室23A,23Bに対して適量のオイルを供給
するため、オイルパン60からオイルポンプ63を介し
て送給されるオイルを上記吸込ポート35に導くオイル
供給路70が設けられている。このオイル供給路70
は、上記旋回スクロール21の鏡板21aの内部に形成
されており、スクロール軸21cの端部内方に形成され
た空洞部71に始端側が開口し、この部分よりスクロー
ル軸21cの中心を通り、さらに屈曲して径方向外方に
延び、終端が上記切欠部21dに開口している。そし
て、オイルポンプ63から吐出され後記オイル通路85
を通って上記空洞部71に送り込まれたオイルがオイル
供給路70に流入するようになっている。
【0037】図7〜図9に示すように、上記オイル供給
路70の始端部付近には、オイルポンプ63の吐出圧が
大きい程オイル流通抵抗を増大させる絞り調整弁(流量
調整手段)72が設けられている。この絞り調整弁72
は、オイル供給路70に介設された円形断面の弁室73
と、この弁室73内に摺動可能に配置された有底円筒状
の弁体74と、弁室73の下流端側に形成された弁座7
5と、上記弁体74を弁座75から離間する方向に付勢
するスプリング76とを有し、上記弁体74の外周の一
部は平坦に切り欠かれて、弁室73の周壁との間にオイ
ル流通用の空隙77を形成している。
【0038】そして、後に詳述するように、空洞部71
から弁体74に加わる圧力に応じ、弁体74と弁座75
との対向間隔が変化することで流通抵抗が変わるように
構成されている。
【0039】また、上記オイル供給路70の終端近傍部
には、流通規制用ジェット78が設けられている。
【0040】図2、図5及び図6並びに図10の潤滑系
統説明図を参照しつつ潤滑系統の構成をさらに詳しく説
明すると、オイルポンプ63の吸入口はケース14に形
成された通路81を介してオイルストレーナ61に接続
され、オイルポンプ63の吐出口にオイルクリーナ64
が接続されている。また、このオイルポンプ63の吐出
口と吸入口との間には、過剰のオイルをリリーフするた
めにリリーフ通路82が形成され、このリリーフ通路8
2にリリーフ弁83が介設されている。
【0041】オイルポンプ63から吐出されたオイル
は、オイルクリーナ62を経て駆動軸25の副軸受28
に導かれる。さらに、副軸受28に導かれたオイルは、
一部が副軸受28の前方の駆動軸外周に配置されたメカ
ニカルシール84に送られ、他の一部がスラストベアリ
ング66及びギヤ65に送られ、残りが上記駆動軸25
の内部に形成されたオイル通路85に導かれるようにな
っている。
【0042】上記オイル通路85は、小径軸部25aの
中心部を通り、終端が筒状大径部25b内に開口してい
る。そして、このオイル通路85の終端から流出するオ
イルは、上記空洞部71から絞り調整弁72を介してオ
イル供給路70に送られるほかに、一部がスクロール軸
21cの外周側に流れて旋回軸受30及び主軸受29の
潤滑に供せられる。これら旋回軸受30及び主軸受29
を経たオイルは一部がスラストプレート31を経てオル
ダム室33へ流れ、残りが軸受支え27の下部に形成さ
れたリターン通路86を通ってオイルパン60に戻され
るようになっている。
【0043】また、図6中、87は上記両区画壁14
a,15aの合わせ面において区画壁15a側の平板状
部分に形成された切欠きと区画壁14aの合わせ面とで
形成されるオイル戻し穴であり、吸込室36内で冷媒か
ら分離されて上記平板状部分に溜まるオイルがこのオイ
ル戻し穴71を通ってオイルパン60に戻されるように
なっている。また、図5中、88はメインハウジング1
4の下部に形成されてオルダム室33の下端と上記平板
状部分14aの下方に開口するオイル戻し穴であり、オ
ルダム室33へ流れたオイルがこのオイル戻し穴88を
通ってオイルパン60に戻されるようになっている。
【0044】以上のような当実施形態のスクロールコン
プレッサ1によれば、外部のエンジン2から伝達される
駆動力で駆動軸25が回転している運転状態では、低圧
の冷媒ガスが、吸込用管路10から冷媒流入口37を通
って吸込室36に流入し、この吸込室36内の冷媒が吸
込ポート35を通ってスクロール圧縮部20に吸込まれ
る。そして、スクロール圧縮部20では、旋回スクロー
ル21の旋回により、冷媒ガスを外周側から内周側へ移
動させつつ、容積を縮小して圧縮する。こうして圧縮さ
れた冷媒ガスは、吐出ポート38を通って吐出室41に
送り出され、さらに高圧冷媒流出口42から吐出用管路
4へ吐出される。
【0045】さらに当実施形態では、圧縮室23A,2
3Bに対する冷媒の吸込及び圧縮室23A,23Bから
の冷媒の吐出が上記のように行われるとともに、特定運
転時に、冷媒回路から取出される冷媒がインジェクショ
ン用管路11を通ってスクロールコンプレッサ1に導か
れ、カバー40に形成されたインジェクション用管路接
続部44、通路45、分岐通路46を通り、さらに逆止
弁53を有する小室43を経て、固定スクロール22の
鏡板22aに形成されたインジェクションポート39か
ら圧縮室23A,23Bへ送り込まれる。このガスイン
ジェクションにより冷媒吐出圧力が高められ、暖房等の
能力が高められる。
【0046】このようにスクロール圧縮部20による冷
媒圧縮動作が行われる一方で、駆動軸25に連動したオ
イルポンプ63の作動により、オイルポンプ60から吸
い上げられたオイルが副軸受28、メカニカルシール8
4、スラストベアリング66、ギヤ65、主軸受29、
旋回軸受30等に供給されるとともに、オイル通路85
から空洞部71及び絞り調整弁72を経てオイル供給路
70に導かれ、このオイル供給路70の終端から吸込ポ
ート35へ送り込まれる。
【0047】そして、上記オイル供給路70から吸込ポ
ート35に送り込まれるオイルと、吸込室36から吸込
ポート35へ流れる冷媒中に混入するオイルミストと
が、スクロール圧縮部20の両圧縮室23A,23Bに
供給され、潤滑に供せられる。
【0048】このように、吸込室36からの冷媒中に混
入するオイルミストに加え、オイル供給路70からもオ
イルが吸込ポート35を介して圧縮室23A,23Bに
送り込まれることにより、オイル供給の安定性が高めら
れ、両スクロール21,22の摺接部分の潤滑が良好に
行われることとなる。
【0049】とくに、上記オイル供給路70の終端が吸
込ポート35に開口しているため、オイルポンプ62が
低速で作動している運転状態の時でも、吸気ポート35
での吸い出し効果によりオイル供給が良好に行われる。
【0050】また、上記オイル供給路70に絞り調整弁
72が設けられていることにより、オイルポンプ62の
吐出圧が高くなる運転状態の時に、圧縮室23A,23
Bにオイルが過剰に供給されることが避けられる。
【0051】すなわち、オイルポンプ62が低速で作動
していて絞り調整弁72に作用する油圧が低いときは、
図9(a)に示すように、スプリング76の付勢作用で
弁体74と弁座75との間隔が比較的大きく、流通抵抗
は低い。オイルポンプ62の回転数が上昇することによ
り絞り調整弁72に作用する油圧が高くなると、図9
(b)に示すように、スプリング76の付勢力に抗して
弁体74が押されることにより、弁座75との間隔が小
さくなって流通抵抗は増大する。このため、油圧が高い
ときにオイル供給路70からオイルが過剰に供給される
ことが避けられ、オイルの過剰供給に起因した液圧縮に
よる吐出能力の低下や破損等の弊害が確実に防止され
る。
【0052】また、絞り調整弁72に作用する油圧が著
しく高くなると、図9(c)に示すように、弁体74が
弁座75に当接して閉弁状態となり、オイル供給路70
からのオイル供給が停止される。ただし、このように油
圧が著しく高くなるような高速運転時は、吸込室36か
ら吸込ポート35を通って圧縮室23A,23Bに流入
する冷媒中に混入するオイルミストが多くなるので、潤
滑作用は維持される。
【0053】なお、本発明の装置の具体的構造は上記実
施形態に限定されず、種々変更可能である。
【0054】例えば、絞り調整弁72は、上記実施形態
では油圧が著しく高くなったとき閉弁されるようになっ
ているが、ストッパーを設けておくことにより全閉には
ならないようにしておいてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明のスクロールコンプ
レッサは、スクロール圧縮部における旋回スクロールの
渦巻体両側の圧縮室に吸込室から冷媒を導くようにこれ
らの圧縮室に対して共通の吸込ポートを設けるととも
に、ケーシング内のオイル溜りからオイルポンプを介し
て送給されるオイルを上記吸込ポートに導くオイル供給
路を設けているため、上記旋回スクロールの渦巻体両側
の圧縮室に対して安定したオイルの供給を行うことがで
き、旋回スクロールと固定スクロールとの摺接部分の潤
滑不良を確実に防止することができる。このため、潤滑
不良による摩耗等を防止し、圧縮室に対するシール性能
を良好に保ち、ひいては圧縮性能を良好に保つことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクロールコンプレッサを含む空調又
は冷凍用の装置の全体構成概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるスクロールコンプレ
ッサの縦断面図である。
【図3】スクロール圧縮部を示す図2中のA−A線の断
面図である。
【図4】スクロール圧縮部の動作状態説明図である。
【図5】図2中のB−B線の断面図である。
【図6】上記スクロールコンプレッサのケース及びこの
ケース内のオイルポンプ、オイルクリーナ等を図2中の
C−C線から見た側面図である。
【図7】旋回スクロールに形成されたオイル供給路とこ
れに設けられた絞り調整弁の構造を示すための旋回スク
ロールの拡大断面図である。
【図8】上記絞り調整弁の弁体の断面図(a)及び正面
図(b)である。
【図9】上記絞り調整弁の動作を示す説明図である。
【図10】潤滑系統の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 スクロールコンプレッサ 13 ケーシング 20 スクロール圧縮部 21 旋回スクロール 22 固定スクロール 21a,22a 鏡板 21b,22b 渦巻体 23A,23B 圧縮室 25 駆動軸 35 吸込ポート 36 吸込室 60 オイルパン(オイル溜り) 63 オイルポンプ 70 オイル供給路 72 絞り調整弁(流量調整手段)
フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AA16 AA21 AB03 BB06 BB16 BB44 CC03 CC05 CC12 CC16 CC22 CC24 3H039 AA02 AA12 BB04 BB11 BB15 CC02 CC08 CC12 CC27 CC28 CC30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内に配置された旋回スクロー
    ル及び固定スクロールにより構成されるスクロール圧縮
    部と、上記旋回スクロールを旋回させる駆動軸とを備
    え、上記スクロール圧縮部の旋回軸及び駆動軸が横置き
    に配置されているスクロールコンプレッサにおいて、ケ
    ーシング内における上記駆動軸の外周及び駆動軸を支持
    する軸受支えの外周に吸込室を設け、上記スクロール圧
    縮部における旋回スクロールの渦巻体の両側に圧縮室を
    形成し、上記吸込室から旋回スクロールの渦巻体両側の
    圧縮室に冷媒を導くようにこれらの圧縮室に対して共通
    の吸込ポートを設けるとともに、ケーシング内のオイル
    溜りからオイルポンプを介して送給されるオイルを上記
    吸込ポートに導くオイル供給路を設けたことを特徴とす
    るスクロールコンプレッサ。
  2. 【請求項2】 上記吸込ポートを旋回スクロールの鏡板
    の外周部に設けた切欠部で構成するとともに、上記オイ
    ル供給路を旋回スクロールの鏡板の内部に形成し、上記
    オイル供給路の終端を上記切欠部に開口させたことを特
    徴とする請求項1記載のスクロールコンプレッサ。
  3. 【請求項3】 上記オイル供給路に、オイルポンプの吐
    出圧が大きい程オイル流通抵抗を増大させる流量調整手
    段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスク
    ロールコンプレッサ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100366912C (zh) * 2002-06-13 2008-02-06 松下电器产业株式会社 涡旋式压缩机
JP2012102705A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Daikin Industries Ltd スクロール圧縮機
CN112912627A (zh) * 2018-10-22 2021-06-04 翰昂汽车零部件有限公司 压缩机
CN114008324A (zh) * 2019-06-28 2022-02-01 三菱电机株式会社 涡旋式压缩机以及制冷循环装置

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