JP2008267140A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008267140A JP2008267140A JP2007106779A JP2007106779A JP2008267140A JP 2008267140 A JP2008267140 A JP 2008267140A JP 2007106779 A JP2007106779 A JP 2007106779A JP 2007106779 A JP2007106779 A JP 2007106779A JP 2008267140 A JP2008267140 A JP 2008267140A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scroll
- wrap
- orbiting scroll
- scroll compressor
- thickness direction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Rotary Pumps (AREA)
Abstract
【課題】旋回スクロールのラップにおいて、その厚み方向で温度勾配が発生し、ラップの内周側と外周側で熱膨張に差が生じるため、ラップ先端部に隙間、もしくは接触が生じる。
【解決手段】旋回スクロール13のラップ13bに生じている厚み方向の温度勾配を考慮し、ラップ13bの上面に、そのラップ厚み方向に段差35を形成することで、ラップ13bの先端部に過剰な隙間を持たせることなく、熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となる。
【選択図】図3
【解決手段】旋回スクロール13のラップ13bに生じている厚み方向の温度勾配を考慮し、ラップ13bの上面に、そのラップ厚み方向に段差35を形成することで、ラップ13bの先端部に過剰な隙間を持たせることなく、熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となる。
【選択図】図3
Description
本発明は、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
従来、冷凍空調機や冷凍機に用いられるスクロール圧縮機は、一般に、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロールおよび旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき、圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行うものである。作動流体は旋回スクロールの旋回運動に伴い徐々に圧縮され、中心部に向かうに従い次第に高圧高温状態となる。これにより旋回スクロールや固定スクロールも中心部では高温状態となり、その結果熱膨張が生じる。熱膨張が発生すると、旋回スクロールと固定スクロールで局所的に接触が起こり、入力増大、さらには焼付きに至る恐れがある。そこで旋回スクロールのラップ上面にスロープを形成し、熱膨張時の局所摺動を防止する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図6は特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の旋回スクロールの断面図である。図6に示すように、旋回スクロール113のラップ上面113dには、運転中の温度分布を測定した結果をもとに、中心部である巻き始め部から外周部である巻き終わり部にかけて、徐々にハネ高さが高くなるようにスロープ形状が設けられている。これにより熱膨張による寸法変化を吸収し、局所摺動を防止することができる。
特開平7−197891号公報
前記従来の構成では、圧縮室が中心部に移動するとともに、その圧縮室を形成している旋回スクロールのラップ高さが徐々に低くなっていて、熱膨張による寸法変化を吸収している。しかしスクロール圧縮機では、一般的に旋回スクロールのラップの両側に圧縮室が形成される。2つの圧縮室は、それぞれ作動流体を閉じ込めてからの圧縮位相が異なり、各圧縮室の作動流体の温度も異なるため、ラップにはその厚み方向に温度勾配が発生している。すなわち、その一方の圧縮室にとっては最適なラップ高さになっていても、他方の圧縮室にとっては隙間になっていて、その結果、漏れ損失が増大する恐れがある。もしくは逆に熱膨張による寸法変化を吸収しきれず、局所摺動が依然として発生していて、摺動損失が増大することもある。どちらの場合であっても、ラップ高さがその厚み方向で一定であれば、性能を低下させてしまうという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、旋回スクロールのラップに生じている厚み方向の温度勾配を考慮することで、過剰な隙間を持たせることなく、熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となるため、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、旋回スクロールのラップ上面で、ラップ厚み方向に段差を
形成したものである。
形成したものである。
かかる構成によれば、旋回スクロールのラップに生じている厚み方向の温度勾配を考慮することで、過剰な隙間を持たせることなく、熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となるため、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明のスクロール圧縮機は、旋回スクロールのラップに生じている厚み方向の温度勾配を考慮することで、過剰な隙間を持たせることなく、熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となるため、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の本発明では、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、旋回スクロールのラップ上面で、ラップ厚み方向に段差を形成したものである。そしてこの構成によれば、旋回スクロールのラップに生じている厚み方向の温度勾配を考慮することで、過剰な隙間を持たせることなく、熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となるため、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の本発明では、特に請求項1に記載の旋回スクロールのラップ上面で、内周側を外周側より低くした段差を形成したものである。そしてこの構成によれば、内周側に形成される圧縮室の方が、外周側に形成される圧縮室よりも温度が高くなるため、ラップの内周側の熱膨張が大きくなるが、十分にこれを吸収することができる。すなわちラップの厚み方向における局所摺動を回避することができ、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項3に記載の本発明では、特に請求項1または2に記載の段差を、旋回スクロールのラップ高さの0.001倍から0.01倍の範囲で形成したものである。そしてこの構成によれば、過剰な隙間を持たせることなく、十分に熱膨張を吸収でき、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項4に記載の本発明では、特に請求項1から3のいずれか1つに記載の段差のラップ厚み方向における低い側の形成幅を、旋回スクロールのラップ厚みの0.3倍から0.7倍の範囲で形成したものである。そしてこの構成によれば、内周側の熱膨張を十分に吸収することができると同時に、内周側に形成される圧縮室と外周側に形成される圧縮室間のシール性も確保でき、性能の低下を極力押さえることができる。すなわち高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項5に記載の本発明では、特に請求項1から4のいずれか1つに記載の旋回スクロールの少なくとも巻き終わり1周分を除いたラップ上面に段差を形成したものである。そしてこの構成によれば、作動流体の閉じ込み時において、内周側に形成される圧縮室と外周側に形成される圧縮室間のシール性を向上させることができる。すなわち、ラップ厚みを厚くできるため、体積効率の向上を図ることができ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項6に記載の本発明では、特に請求項1から5のいずれか1つに記載のスクロール
圧縮機において、作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたものである。そしてこの場合、特に旋回スクロールのラップに生じている厚み方向の温度勾配が大きくなるため、本発明の効果が顕著に現れ、高効率化及び高信頼性化を両立したスクロール圧縮機を実現することができる。
圧縮機において、作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたものである。そしてこの場合、特に旋回スクロールのラップに生じている厚み方向の温度勾配が大きくなるため、本発明の効果が顕著に現れ、高効率化及び高信頼性化を両立したスクロール圧縮機を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の圧縮機構部の要部拡大断面図、図3は旋回スクロールの断面図である。以下、スクロール圧縮機について、その動作、作用を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の圧縮機構部の要部拡大断面図、図3は旋回スクロールの断面図である。以下、スクロール圧縮機について、その動作、作用を説明する。
図1、図2に示すように、本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したクランク軸4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構2を構成し、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転拘束機構14を設けて、クランク軸4の上端にある偏心軸部4aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16および固定スクロール12の外周部の吸入口17から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール12の中央部の吐出口18からリード弁19を押し開いて密閉容器1内に吐出させることを繰り返す。
旋回スクロール13のラップ13bの上面には、運転中の温度分布を測定した結果をもとに、中心部である巻き始め部から外周部である巻き終わり部にかけて、徐々にハネ高さが高くなるようにスロープ形状が設けられている。これにより熱膨張による寸法変化を吸収し、局所摺動を防止することができる。
また旋回スクロール13の背面13eには、主軸受部材11に配置されている環状のシール部材78があり、旋回運動を行いながらシール部材78により、シール部材78の内側領域である高圧領域30と、外側領域である高圧と低圧の中間圧に設定された背圧室29とに仕切られている。この背面13eの圧力付加により旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押しつけられ、漏れを低減するとともに安定して円軌道運動を行うことができる。
さらに、固定スクロール12には、旋回スクロール13の背面13eの背圧室29が、常に一定の圧力となるように制御する背圧調整機構9を備えている。
圧縮機運転中は、クランク軸4の下向きの他端にはポンプ25が設けられ、スクロール圧縮機と同時に駆動される。これによりポンプ25は密閉容器1の底部に設けられたオイル溜め20にあるオイル6を吸い上げてクランク軸4内を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構2に供給する。このときの供給圧は、スクロール圧縮機の吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧源ともなる。これにより、旋回スクロール13は固定スクロール12から離れたり片当たりしたりするようなことはなく、所定の圧縮機能を安定して発揮する。
このように供給されたオイル6の一部は、供給圧や自重によって、逃げ場を求めるよう
にして偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部、クランク軸4と主軸受部材11との間の軸受部66に進入してそれぞれの部分を潤滑した後落下し、オイル溜め20へ戻る。高圧領域30に供給されたオイル6の別の一部は、高圧領域30に開口を有する給油経路54を通って、旋回スクロール13の外周部まわりにあって自転拘束機構14が位置している背圧室29に進入し、スラスト摺動部および自転拘束機構14の摺動部を潤滑するのに併せ、背圧室29にて旋回スクロール13の背圧を印加する。
にして偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部、クランク軸4と主軸受部材11との間の軸受部66に進入してそれぞれの部分を潤滑した後落下し、オイル溜め20へ戻る。高圧領域30に供給されたオイル6の別の一部は、高圧領域30に開口を有する給油経路54を通って、旋回スクロール13の外周部まわりにあって自転拘束機構14が位置している背圧室29に進入し、スラスト摺動部および自転拘束機構14の摺動部を潤滑するのに併せ、背圧室29にて旋回スクロール13の背圧を印加する。
背圧室29は高圧領域30の高圧側との間が環状のシール部材78によってシールされていて、進入してくるオイルが充満するにつれて圧力を増し、所定の圧力を超えると、背圧調整機構9が作用して、圧縮室15の吸入部分に戻され進入する。
このオイル6の進入は所定の周期で繰り返され、この繰り返しのタイミングは吸入、圧縮、吐出の繰り返しサイクルと、背圧調整機構9での圧力設定との関係の組み合わせによって決まり、固定スクロール12と旋回スクロール13との摺動部への意図的な潤滑となる。この意図的な潤滑は前記したように背圧調整機構9による連絡路10の凹部10aへの開口によって常時保証される。吸入口17へと供給されたオイル6は旋回スクロール13の旋回運動とともに圧縮室15へと移動し、圧縮室15間の漏れ防止に役立っている。
一般的にスクロール圧縮機では、旋回スクロール13と固定スクロール12が噛み合うことで圧縮室15を形成するが、旋回スクロール13のラップ13bにおいて、その両側に2つの圧縮室(例えば15a、15b)が形成されている。これら2つの圧縮室(15a、15b)は、それぞれ作動流体を閉じ込めてからの圧縮位相が異なるため、各圧縮室の作動流体の温度も異なる。これにより、ラップ13bにはその厚み方向に温度勾配が発生している。すなわち、その一方の圧縮室にとっては最適なラップ高さになっていても、他方の圧縮室にとっては隙間になっていて、その結果、漏れ損失が増大する恐れがある。もしくは逆に熱膨張による寸法変化を吸収しきれず、局所摺動が依然として発生していて、摺動損失が増大することもある。どちらの場合であっても、ラップ高さがその厚み方向で一定であれば、性能を低下させてしまう。
そこで図3に示すように、本実施の形態のスクロール圧縮機では、旋回スクロール13のラップ13bの上面に、そのラップ厚み方向に段差35を形成している。これにより、旋回スクロール13のラップ13bに生じている厚み方向の温度勾配を考慮することで、過剰な隙間を持たせることなく、熱膨張による寸法変化吸収することが可能となるため、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
また旋回スクロール13のラップ13bに対し、内周側に形成される圧縮室15aの方が、外周側に形成される圧縮室15bよりも温度が高くなるため、ラップ13bの内周側の熱膨張が大きい。そこでラップ13bの上面で、内周側を外周側より低くした段差35を形成する。これによりラップ13bの厚み方向における局所摺動を回避することができ、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
また段差35を、ラップ13bの高さHの0.001倍から0.01倍の範囲で形成することで、過剰な隙間を持たせることなく、十分に熱膨張を吸収でき、高信頼性と同時に高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
(実施の形態2)
図4は本発明の第2の実施の形態における性能特性図である。図4において、横軸は段差35の低い側の形成比率で、縦軸は圧縮機効率を示す。段差35のラップ厚み方向における低い側の形成幅を、旋回スクロールのラップ厚みWの0.3倍から0.7倍の範囲で形成することで、内周側の熱膨張を十分に吸収することができると同時に、内周側に形成
される圧縮室15aと外周側に形成される圧縮室15bの間のシール性も確保でき、性能の低下を極力押さえることができる。形成比率が小さい場合、ラップ13bの熱膨張により局所摺動が発生し、摺動損失が増大するため、圧縮機効率は低下傾向を示す。また形成比率が大きい場合、内周側に形成される圧縮室15aと外周側に形成される圧縮室15bの間のシール性が保たれなくなり、漏れ損失が増大するため、圧縮機効率は低下傾向を示す。以上のことから、高信頼性と高効率を実現するには、上記範囲で段差35を形成する必要がある。またさらに望ましくは、ラップ厚みWの0.4倍から0.6倍の範囲で段差35を形成することで、これによりさらに高効率を実現したスクロール圧縮機を提供することができる。
図4は本発明の第2の実施の形態における性能特性図である。図4において、横軸は段差35の低い側の形成比率で、縦軸は圧縮機効率を示す。段差35のラップ厚み方向における低い側の形成幅を、旋回スクロールのラップ厚みWの0.3倍から0.7倍の範囲で形成することで、内周側の熱膨張を十分に吸収することができると同時に、内周側に形成
される圧縮室15aと外周側に形成される圧縮室15bの間のシール性も確保でき、性能の低下を極力押さえることができる。形成比率が小さい場合、ラップ13bの熱膨張により局所摺動が発生し、摺動損失が増大するため、圧縮機効率は低下傾向を示す。また形成比率が大きい場合、内周側に形成される圧縮室15aと外周側に形成される圧縮室15bの間のシール性が保たれなくなり、漏れ損失が増大するため、圧縮機効率は低下傾向を示す。以上のことから、高信頼性と高効率を実現するには、上記範囲で段差35を形成する必要がある。またさらに望ましくは、ラップ厚みWの0.4倍から0.6倍の範囲で段差35を形成することで、これによりさらに高効率を実現したスクロール圧縮機を提供することができる。
(実施の形態3)
図5は本発明の第3の実施の形態における旋回スクロール13の平面図である。ラップ13bによって内周側と外周側に圧縮室15a、15bが形成されるが、冷媒ガスを閉じ込んだ後の圧縮初期段階では、冷媒ガスの温度上昇は緩やかであり、ラップ13bの厚み方向に発生する温度勾配は小さい。これに対し、圧縮室15が中心部に向かうにつれ、温度上昇が急速となり、ラップ13bの厚み方向に発生する温度勾配が大きくなる。そこで旋回スクロール13の少なくとも巻き終わり1周分を除いたラップ13bの上面に、段差35を形成する。これにより作動流体の閉じ込み時において、内周側に形成される圧縮室15aと外周側に形成される圧縮室15bの間のシール性を向上させることができる。すなわち、ラップ13bを厚くできるため、体積効率の向上を図ることができ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
図5は本発明の第3の実施の形態における旋回スクロール13の平面図である。ラップ13bによって内周側と外周側に圧縮室15a、15bが形成されるが、冷媒ガスを閉じ込んだ後の圧縮初期段階では、冷媒ガスの温度上昇は緩やかであり、ラップ13bの厚み方向に発生する温度勾配は小さい。これに対し、圧縮室15が中心部に向かうにつれ、温度上昇が急速となり、ラップ13bの厚み方向に発生する温度勾配が大きくなる。そこで旋回スクロール13の少なくとも巻き終わり1周分を除いたラップ13bの上面に、段差35を形成する。これにより作動流体の閉じ込み時において、内周側に形成される圧縮室15aと外周側に形成される圧縮室15bの間のシール性を向上させることができる。すなわち、ラップ13bを厚くできるため、体積効率の向上を図ることができ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
最後に、作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素とした場合、特に旋回スクロール13のラップ13bに生じている厚み方向の温度勾配が大きくなるため、本発明の効果が顕著に現れ、高効率化及び高信頼性化を両立したスクロール圧縮機を実現することができる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、旋回スクロールのラップに生じている厚み方向の温度勾配を考慮することで、過剰な隙間を持たせることなく、熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となるため、作動流体を冷媒と限ることなく、空気スクロール圧縮機、真空ポンプ、スクロール型膨張機等のスクロール流体機械の用途にも適用できる。
12 固定スクロール
12b ラップ
13 旋回スクロール
13b ラップ
14 自転拘束機構
15 圧縮室
35 段差
H ラップ高さ
W ラップ厚み
12b ラップ
13 旋回スクロール
13b ラップ
14 自転拘束機構
15 圧縮室
35 段差
H ラップ高さ
W ラップ厚み
Claims (6)
- 鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、自転拘束機構による規制により前記旋回スクロールが円軌道に沿って旋回することで、前記圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールのラップ上面で、ラップ厚み方向に段差を形成してなるスクロール圧縮機。
- 前記旋回スクロールのラップ上面で、内周側を外周側より低くした段差を形成してなる請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記段差を、前記旋回スクロールのラップ高さの0.001倍から0.01倍の範囲で形成してなる請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記段差のラップ厚み方向における低い側の形成幅を、前記旋回スクロールのラップ厚みの0.3倍から0.7倍の範囲で形成してなる請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
- 前記旋回スクロールの少なくとも巻き終わり1周分を除いたラップ上面に、前記段差を形成してなる請求項1から4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
- 作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としてなる請求項1から5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007106779A JP2008267140A (ja) | 2007-04-16 | 2007-04-16 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007106779A JP2008267140A (ja) | 2007-04-16 | 2007-04-16 | スクロール圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008267140A true JP2008267140A (ja) | 2008-11-06 |
Family
ID=40046978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007106779A Pending JP2008267140A (ja) | 2007-04-16 | 2007-04-16 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008267140A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011149284A (ja) * | 2010-01-19 | 2011-08-04 | Denso Corp | スクロール型圧縮機 |
CN104033386A (zh) * | 2013-03-04 | 2014-09-10 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 涡旋部件和涡旋压缩机 |
-
2007
- 2007-04-16 JP JP2007106779A patent/JP2008267140A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011149284A (ja) * | 2010-01-19 | 2011-08-04 | Denso Corp | スクロール型圧縮機 |
CN104033386A (zh) * | 2013-03-04 | 2014-09-10 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 涡旋部件和涡旋压缩机 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4892238B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2011027076A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP6521048B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2009174406A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2010265756A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP5428522B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP5304178B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2008309078A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2009052464A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2008267140A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP5786130B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2006307753A (ja) | スクロール膨張機 | |
JP5060352B2 (ja) | スクロール膨張機 | |
JP2008309124A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2008002419A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP4940630B2 (ja) | スクロール膨張機 | |
JP2012052494A (ja) | 密閉型圧縮機 | |
JP5077194B2 (ja) | スクロール膨張機 | |
JP2009052462A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2009052463A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2007182870A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP5071355B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2008002430A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2006214335A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2009008008A (ja) | スクロール圧縮機 |