JP2011085038A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2011085038A
JP2011085038A JP2009236956A JP2009236956A JP2011085038A JP 2011085038 A JP2011085038 A JP 2011085038A JP 2009236956 A JP2009236956 A JP 2009236956A JP 2009236956 A JP2009236956 A JP 2009236956A JP 2011085038 A JP2011085038 A JP 2011085038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
compression chamber
oil
wrap
compression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009236956A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Sakuta
作田  淳
Hiroyuki Kono
博之 河野
Ryuichi Ono
竜一 大野
Tatsuya Nakamoto
達也 中本
Takashi Morimoto
敬 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009236956A priority Critical patent/JP2011085038A/ja
Publication of JP2011085038A publication Critical patent/JP2011085038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】圧縮室が冷媒ガスを閉じ込む行程及び圧縮を開始する行程では給油が行われていないため、圧縮室間の漏れが発生し、体積効率の低下や再圧縮損失の増加により性能低下を引き起こす恐れがある。
【解決手段】旋回スクロール13のラップ上面13bに設けた給油孔51と、給油孔51からラップ巻き終わり方向に油溝52を設け、油溝52と冷媒ガスを閉じ込む前の圧縮室15とを連通させる連通路53を形成することで、冷媒ガスの閉じ込み行程で、ひとつ前に閉じ込んだ圧縮室15と、まさに閉じ込もうとしている圧縮室15とのシール性を向上させることができ、漏れを抑制することで体積効率の向上を図ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
従来、冷凍空調機や冷凍機に用いられるスクロール圧縮機は、一般に、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき、圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行うものである。冷媒ガスを圧縮する過程において、圧縮室間の漏れを抑制し、効率良く圧縮を行うために、旋回スクロールのラップの上面にオイルの給油孔を設け、この給油孔と片側の圧縮室のみと連通する連通路を設け、圧縮室へオイルを供給することで圧縮室間のシール性を高めている(例えば、特許文献1参照)。
図9(a)、(b)は特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の旋回スクロールの斜視図及び詳細図である。図9に示すように、旋回スクロール91のラップ91aの上面に給油孔92及び連通路93を設けている。給油孔92は、冷媒ガスを閉じ込めた後の圧縮室に連通する位置に設けられており、さらに圧縮室と常時連通するよう連通路93が形成されている。これにより圧縮室間のシール性を向上させ、漏れ損失を低減させることで高効率を図っている。
特開2007−192189号公報
前記従来の構成では、圧縮途中行程の圧縮室には給油が行われているものの、圧縮室が冷媒ガスを閉じ込む行程、及び圧縮を開始する行程では給油が行われていない。そのため冷媒ガスの閉じ込み行程で、ひとつ前に閉じ込んだ圧縮室から、まさに閉じ込もうとしている圧縮室への漏れが発生し、体積効率が低下するため、冷媒循環量の低下、すなわち能力の低下が発生してしまう。また、圧縮開始行程で圧縮室間の漏れが発生するため、入力の増加も発生しうる。いずれの場合においても、性能が低下するという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、冷媒ガスを閉じ込む行程、及び圧縮を開始する行程に給油を行うことで、体積効率の向上や漏れ損失の低減を図り、高効率なスクロール圧縮機の提供を目的とする。
密閉容器内に、圧縮機構部と電動機とオイル溜まりを配し、圧縮機構部は、鏡板に渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、固定スクロールのラップに対向して噛み合うラップを有する旋回スクロールと、固定スクロールと旋回スクロールの双方間に形成された圧縮室と、旋回スクロールを固定スクロールとにより挟む位置に設けられた主軸受部材と、旋回スクロールの鏡板に設けられた旋回軸受部に嵌合し旋回スクロールを旋回運動させる旋回軸を有するクランクシャフトと、主軸受部材に設けられクランクシャフトを軸支する主軸受部と、オイル溜まりのオイルをクランクシャフトに軸方向に貫通する給油通路を
通じて旋回軸端の旋回軸受部空間に供給する給油機構を有するスクロール圧縮機であって、旋回軸受部空間と旋回スクロールのラップ上面の給油孔とを連通する給油経路を旋回スクロール鏡板内に設け、給油孔からラップ巻き終わり方向に油溝を設け、油溝と冷媒ガスを閉じ込む前の圧縮室とを連通させる連通路を形成したものである。
かかる構成によれば、冷媒ガスの閉じ込み行程で、ひとつ前に閉じ込んだ圧縮室と、まさに閉じ込もうとしている圧縮室とのシール性を向上させることができ、漏れを抑制することで体積効率の向上を図ることができる。また、圧縮開始行程において圧縮室間で発生する漏れ損失の低減も図ることができ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明のスクロール圧縮機は、冷媒ガスの閉じ込み行程や圧縮開始の行程において給油することで、圧縮室間のシール性を向上させる。その結果、冷媒ガスの閉じ込み行程においては体積効率の向上、圧縮開始から圧縮終了に至るまでの行程においては圧縮室間の漏れ損失低減が可能となり、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールの平面図 本発明の実施の形態1における固定スクロールに旋回スクロールを噛み合わせた状態の断面図 本発明の実施の形態1における固定スクロールに旋回スクロールを噛み合わせた状態の断面図 本発明の実施の形態2における旋回スクロールの平面図 本発明の実施の形態2における旋回スクロールの平面図 本発明の実施の形態2における固定スクロールの平面図 本発明の実施の形態2における旋回スクロールの平面図 従来のスクロール圧縮機の旋回スクロールの斜視図及び詳細図
請求項1に記載の本発明では、密閉容器内に、圧縮機構部と電動機とオイル溜まりを配し、圧縮機構部は、鏡板に渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、固定スクロールのラップに対向して噛み合うラップを有する旋回スクロールと、固定スクロールと旋回スクロールの双方間に形成された圧縮室と、旋回スクロールを固定スクロールとにより挟む位置に設けられた主軸受部材と、旋回スクロールの鏡板に設けられた旋回軸受部に嵌合し旋回スクロールを旋回運動させる旋回軸を有するクランクシャフトと、主軸受部材に設けられクランクシャフトを軸支する主軸受部と、オイル溜まりのオイルをクランクシャフトに軸方向に貫通する給油通路を通じて旋回軸端の旋回軸受部空間に供給する給油機構を有するスクロール圧縮機であって、旋回軸受部空間と旋回スクロールのラップ上面の給油孔とを連通する給油経路を旋回スクロール鏡板内に設け、給油孔からラップ巻き終わり方向に油溝を設け、油溝と冷媒ガスを閉じ込む前の圧縮室とを連通させる連通路を形成したものである。
この構成によれば、冷媒ガスの閉じ込み行程で、ひとつ前に閉じ込んだ圧縮室と、まさに閉じ込もうとしている圧縮室とのシール性を向上させることができ、漏れを抑制することで体積効率の向上を図ることができる。また、圧縮開始行程において圧縮室間で発生する漏れ損失の低減も図ることができ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の本発明では、特に請求項1に記載の固定スクロールのラップ内壁巻き終わり部が、旋回スクロールのラップ外壁巻き終わり部近傍まで延びており、その延長部は前記固定スクロールのラップ内壁に連続する曲線で構成されたものである。この構成によれば、旋回スクロールのラップ外壁巻き終わり部付近で圧縮室を形成できるため、閉じ込み容積を最大限確保することができる。さらに旋回スクロールの外壁側で形成される圧縮室と内壁側で形成される圧縮室の閉じ込み位置が近接するため、共用の連通路で給油することが可能となり、加工が容易となる。
請求項3に記載の本発明では、特に請求項2に記載の旋回スクロールのラップ巻き終わり部に対し、略一巻き分内側に入った位置から巻き終わり部にわたり、油溝を旋回スクロールラップ上面に形成したものである。この構成によれば、旋回スクロールの内外壁側で形成される圧縮室の、それぞれの閉じ込み行程で発生する漏れを抑制することができるので、体積効率の向上を図ることができる。
請求項4に記載に本発明では、特に請求項1から3に記載の油溝と圧縮室との連通路を固定スクロールのラップ底面に形成したものである。この構成によれば、一方の圧縮室にのみ給油することや、両方の圧縮室に任意の比率で分配することができ、それぞれの圧縮室に最適な量を給油することが可能となる。
請求項5に記載の本発明では、特に請求項4に記載の油溝と圧縮室との連通路が、油溝と圧縮室とを間欠的に連通させたものである。この構成によれば、圧縮室への給油量を細かくコントロールできるため、それぞれの圧縮室において吸入加熱や粘性損失を抑制しつつ、シール性を向上させることができる。
請求項6に記載の本発明では、特に請求項1から3に記載の油溝と圧縮室との連通路を旋回スクロールのラップ上面に形成したものである。この構成によれば、適切な量を一方の圧縮室にのみ給油することも可能となる。さらにこの場合、連通路が他方の圧縮室と連通することがないので、連通路を介して一方の圧縮室から他方の圧縮室へと冷媒ガスが流れることもなく、冷媒ガスの再膨張損失が発生することもない。
請求項7に記載の本発明では、特に請求項1から6に記載の油溝と圧縮室との連通路を複数個形成したものである。この構成によれば、任意の位置に、任意の量だけ給油することが可能となるので、それぞれの圧縮室に適した給油を実現することができ、吸入加熱や粘性損失を抑制しつつ、シール性を向上させることができる。
請求項8に記載の本発明では、特に請求項1から7に記載の油溝と圧縮室との連通路を、油溝の巻き終わり側終端部に形成したものである。この構成によれば、旋回スクロールの内外壁の閉じ込み位置から最も近い部分に給油することで、圧縮室が冷媒ガスを閉じ込む時のシール性を向上させ、体積効率の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る旋回スクロールの平面図、図3は本発明の第1の実施の形態に係る固定スクロールに旋回スクロールを噛み合わせた状態の断面図である。
図1において、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどで固定した、クランクシャフト4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に
、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構部2を構成し、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転拘束機構14を設け、クランクシャフト4の上端にある偏心軸部4bを旋回スクロール13に設けた旋回軸受66bに嵌合させている。またクランクシャフト4の下端は密閉容器1の下部のオイル溜まり20に達して、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受部材21により安定に回転できるように軸支されている。給油機構はクランクシャフト4の下端で駆動されるポンプ25によって構成され、オイル溜まり20内のオイル6を供給するため、クランクシャフト4には軸方向に貫通している給油貫通路26を形成している。
電動機3は主軸受部材11と副軸受部材21との間に位置して、密閉容器1に溶接や焼き嵌めなどして固定された固定子3aと、クランクシャフト4の途中の外まわりに一体に結合された回転子3bとで構成され、回転子3bの上下端面の外周部分には、回転子3b及びクランクシャフト4が安定して回転し、旋回スクロール13を安定して円軌道運動させるため、バランスウェイト33、34が設けられている。
固定スクロール12の外周部には冷媒ガスを吸入するための吸入室17が設けられ、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16が嵌合されている。旋回スクロール13の鏡板13aの主軸受部材11側は、主軸受部材11に配設した断面が矩形のシール材78により仕切られており、内側は高圧領域30、外側は背圧室29となり背圧制御機構31により吸入圧と吐出圧の中間圧となっている。これにより、旋回スクロール13は固定スクロール12から離れたり、片当たりしたりするようなことはなく、所定の圧縮機能を安定して発揮する。また図2、図3に示すように、旋回スクロール13のラップ上面13bには、給油経路50に連通する給油孔51が設けられており、給油孔51からラップ巻き終わり方向に油溝52を形成し、さらに油溝52と圧縮室15とを連通する連通路53が形成されている。
以上のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。まず、電動機3によりクランクシャフト4が回転駆動されるに伴い、クランクシャフト4の上端にある偏心軸部4bが偏心駆動することにより旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16及び固定スクロール12の外周部の吸入室17から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール12の中央部の吐出口18からリード弁19を押し開いて容器内吐出室35に吐出させることを繰り返す。
吐出された冷媒ガスは、圧縮機構部2を貫通する吐出ガス通路36を通り回転子3b上部に到達し、回転子3bに貫通している回転子ガス通路37を通って密閉容器1の下部に導かれ、固定子3a外周に配した固定子ガス通路38、圧縮機構部2外周に配した圧縮機構部切り欠き39を通って密閉容器1の上部に到達し、吐出管40から密閉容器1外へ吐出される。
また、オイル溜まり20内のオイル6はポンプ25によりクランクシャフト4を軸方向に貫通している給油貫通路26通じて旋回軸受部空間67に供給される。供給されたオイル6は3系統に分岐され、1系統は旋回軸受66bと偏心軸部4bを潤滑し、主軸部4aと主軸受66aを潤滑した後、主軸受部材11の下に滴下し、最終的にオイル溜まり20に回収される。もう1系統は、旋回軸受部空間67と背圧室29との差圧により給油経路50を通って、背圧室給油経路55から背圧室29に導かれる。背圧室29に導かれたオイル6は背圧制御機構31を通って圧縮室15に供給される。
さらに、もう1系統は給油経路50から分岐し、旋回スクロール13のラップ上面13bの給油孔51と油溝52、連通路53を通って、冷媒ガスを閉じ込める前の圧縮室15に給油される。これにより、冷媒ガスの閉じ込み行程で、ひとつ前に閉じ込んだ圧縮室15と、まさに閉じ込もうとしている圧縮室15とのシール性を向上させることができ、漏れを抑制することで体積効率の向上を図ることができる。また、圧縮開始行程において圧縮室15間で発生する漏れ損失の低減も図ることができ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
また図3に示すように、固定スクロール12のラップ内壁巻き終わり部12eを、旋回スクロール13のラップ外壁巻き終わり部13e近傍まで延ばし、その延長部が固定スクロール12のラップ内壁に連続する曲線で構成し、非対称型のスクロール圧縮機とすることで、更なる高効率を図ることができる。具体的には、旋回スクロール13のラップ外壁巻き終わり部13e付近で一方の圧縮室15aを形成できるため、閉じ込み容積を最大限確保することができる。
対称型のスクロール圧縮機で吸入パイプ16が1つの場合、旋回スクロール13の外壁側に形成される圧縮室15aは、冷媒ガスを閉じ込める位置まで渦巻き半周分程度の距離があるため、その間に固定スクロール12や旋回スクロール13から熱を受け、吸入加熱を引き起こし、体積効率が低下してしまう。また対称型スクロールで吸入パイプ16を2つ設けた場合、冷凍サイクルへの搭載の際に、吸入管を分岐させる必要があり配管が複雑化してしまう。これらの課題を解消する方法が非対称型スクロール圧縮機である。
非対称型スクロールは閉じ込みのタイミングが異なるため、圧縮室15a、15bの圧力の上昇も異なってしまうが、冷媒ガスの閉じ込み行程に給油することから、圧縮室15a、15b間に差圧が生じても、圧縮室15a、15b間のシール性を十分に確保することができる。さらに旋回スクロール13の外壁側で形成される圧縮室15aと内壁側で形成される圧縮室15bの閉じ込み位置が近接するため、共用の連通路で給油することが可能となり、加工が容易となる。
また図4は固定スクロール12に旋回スクロール13を噛み合わせた状態の断面図であり、位相を90度ずつずらした図である。図4に示すように、旋回スクロール13の外壁側に形成される圧縮室15aと内壁側に形成される圧縮室15bは交互に冷媒ガスを閉じ込める。一方の圧縮室(例えば15a)が閉じ込め終わると、他方の圧縮室(例えば15b)の閉じ込み行程となるが、その間先に閉じ込めた圧縮室(例えば15a)は圧縮行程となっているため、2つの圧縮室15a、15b間には圧力差が生じる。そこで旋回スクロール13のラップ巻き終わり部に対し、略一巻き分内側に入った位置から巻き終わり部にわたり、油溝52を旋回スクロール13のラップ上面13bに形成する。これにより、油溝52が2つの圧縮室15a、15bを区画する役割を果たし、それぞれの閉じ込み行程で発生する漏れを抑制することができるので、体積効率の向上を図ることができる。
また油溝52と圧縮室15との連通路53を固定スクロール12のラップ底面12bに形成することで、オイル6は油溝52から凹部53aを経由して圧縮室15へと供給されるので、一方の圧縮室15a(もしくは15b)にのみ給油することや、両方の圧縮室15a、15bに任意の比率で分配することができる。
さらに油溝52と圧縮室15とを間欠的に連通させることで、それぞれの圧縮室15a、15bに対して給油量を細かくコントロールできる。例えば、凹部53aの形成する位置や大きさを変更することで、それぞれの圧縮室15a、15bに対する連通時間を調整することができるので、吸入加熱や粘性損失を抑制しつつ、シール性の向上を図った最適給油量を実現することができる。
(実施の形態2)
図5、図6、図8は本発明の第2の実施の形態に係る旋回スクロールの平面図、図7は本発明の第2の実施の形態に係る固定スクロールの平面図である。
図5に示すように、油溝52と圧縮室15との連通路53を旋回スクロール13のラップ上面13bに形成することで、適切な量を一方の圧縮室15a(もしくは15b)にのみ給油することも可能となる。例えば、ラップ上面15bの油溝52に対し、片側のみ段差によって開口部53bを形成することで、一方の圧縮室15a(もしくは15b)としか油溝は連通しないため、特定の圧縮室15a(もしくは15b)にのみ給油できると同時に、連通路53が他方の圧縮室15b(もしくは15a)と連通することがないので、連通路53を介して一方の圧縮室15a(もしくは15b)から他方の圧縮室15b(もしくは15a)へと冷媒ガスが流れることもなく、冷媒ガスの再膨張損失が発生することもない。
また図6に示すように、油溝52と圧縮室15との連通路53を複数個形成することで、任意の位置に、任意の量だけ給油することが可能となる。例えば、旋回スクロール13のラップ上面13bに連通路53bを形成した場合で説明すると、連通路53bを形成する位置でどの行程の圧縮室15へ給油するかを調整することができ、連通路53bの巾や深さで給油量を調整することができる。これにより、それぞれの圧縮室15a、15bに適した給油を実現することができ、吸入加熱や粘性損失を抑制しつつ、シール性を向上させることができる。なお、図7に示すように、固定スクロール12のラップ底面12bに複数の凹部53aを形成する方法もあり、同様の効果が得られる。
また図8に示すように、油溝52と圧縮室15との連通路53を、油溝52の巻き終わり側終端部52eに形成することで、旋回スクロール13の内外壁の閉じ込み位置から最も近い部分に給油することになり、圧縮室15a、15bが冷媒ガスを閉じ込む時のシール性を向上させ、体積効率の向上を図ることができる。なお、連通路53を固定スクロール12のラップ底面12bに形成しても、同様の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、冷媒ガスの閉じ込み行程や圧縮開始の行程において給油することで、圧縮室間のシール性を向上させることができ、冷媒ガスの閉じ込み行程においては体積効率の向上、圧縮開始から圧縮終了に至るまでの行程においては圧縮室間の漏れ損失低減が可能となるので、空気調和装置や冷蔵庫等の冷凍機器の他、ヒートポンプ式給湯装置や乾燥機等の用途にも適用できる。
1 密閉容器
2 圧縮機構部
3 電動機
4 クランクシャフト
4b 偏心軸部
11 主軸受部材
12 固定スクロール
12e 固定スクロールのラップ内壁巻き終わり部
13 旋回スクロール
13e 旋回スクロールのラップ外壁巻き終わり部
15 圧縮室
20 オイル溜まり
26 給油貫通路
66a 主軸受部
66b 旋回軸受部
67 旋回軸受部空間
50 給油経路
51 給油孔
52 油溝
52e 巻き終わり側終端部
53 連通路

Claims (8)

  1. 密閉容器内に、圧縮機構部と電動機とオイル溜まりを配し、前記圧縮機構部は、鏡板に渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、前記固定スクロールのラップに対向して噛み合うラップを有する旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールの双方間に形成された圧縮室と、前記旋回スクロールを前記固定スクロールとにより挟む位置に設けられた主軸受部材と、前記旋回スクロールの鏡板に設けられた旋回軸受部に嵌合し旋回スクロールを旋回運動させる旋回軸を有するクランクシャフトと、前記主軸受部材に設けられ前記クランクシャフトを軸支する主軸受部と、前記オイル溜まりのオイルを前記クランクシャフトに軸方向に貫通する給油通路を通じて前記旋回軸端の旋回軸受部空間に供給する給油機構を有するスクロール圧縮機であって、前記旋回軸受部空間と前記旋回スクロールのラップ上面の給油孔とを連通する給油経路を前記旋回スクロール鏡板内に設け、前記給油孔からラップ巻き終わり方向に油溝を設け、前記油溝と冷媒ガスを閉じ込む前の前記圧縮室とを連通させる連通路を形成してなるスクロール圧縮機。
  2. 前記固定スクロールのラップ内壁巻き終わり部が、前記旋回スクロールのラップ外壁巻き終わり部近傍まで延びており、その延長部は前記固定スクロールのラップ内壁に連続する曲線で構成されてなる請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記旋回スクロールのラップ巻き終わり部に対し、略一巻き分内側に入った位置から巻き終わり部にわたり、前記油溝を前記旋回スクロールラップ上面に形成してなる請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記油溝と前記圧縮室との連通路を前記固定スクロールのラップ底面に形成してなる請求項1から3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記油溝と前記圧縮室との連通路が、前記油溝と前記圧縮室とを間欠的に連通させてなる請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記油溝と前記圧縮室との連通路を前記旋回スクロールのラップ上面に形成してなる請求項1から3に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記油溝と前記圧縮室との連通路を複数個形成してなる請求項1から6に記載のスクロール圧縮機。
  8. 前記油溝と前記圧縮室との連通路を、前記油溝の巻き終わり側終端部に形成してなる請求項1から7に記載のスクロール圧縮機。
JP2009236956A 2009-10-14 2009-10-14 スクロール圧縮機 Pending JP2011085038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009236956A JP2011085038A (ja) 2009-10-14 2009-10-14 スクロール圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009236956A JP2011085038A (ja) 2009-10-14 2009-10-14 スクロール圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011085038A true JP2011085038A (ja) 2011-04-28

Family

ID=44078175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009236956A Pending JP2011085038A (ja) 2009-10-14 2009-10-14 スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011085038A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10883135B2 (en) 2015-08-25 2021-01-05 Avails Medical, Inc. Devices, systems and methods for detecting viable infectious agents in a fluid sample
US11021732B2 (en) 2016-05-31 2021-06-01 Avails Medical, Inc. Devices, systems and methods to detect viable infectious agents in a fluid sample and susceptibility of infectious agents to anti-infectives
CN114263604A (zh) * 2021-12-27 2022-04-01 广东美的环境科技有限公司 涡旋式压缩机及制冷设备
US11385200B2 (en) 2017-06-27 2022-07-12 Avails Medical, Inc. Apparatus, systems, and methods for determining susceptibility of microorganisms to anti-infectives
US11655494B2 (en) 2017-10-03 2023-05-23 Avails Medical, Inc. Apparatus, systems, and methods for determining the concentration of microorganisms and the susceptibility of microorganisms to anti-infectives based on redox reactions

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10883135B2 (en) 2015-08-25 2021-01-05 Avails Medical, Inc. Devices, systems and methods for detecting viable infectious agents in a fluid sample
US11021732B2 (en) 2016-05-31 2021-06-01 Avails Medical, Inc. Devices, systems and methods to detect viable infectious agents in a fluid sample and susceptibility of infectious agents to anti-infectives
US11913058B2 (en) 2016-05-31 2024-02-27 Avails Medical, Inc. Devices, systems and methods to detect viable infectious agents in a fluid sample and susceptibility of infectious agents to anti-infectives
US11385200B2 (en) 2017-06-27 2022-07-12 Avails Medical, Inc. Apparatus, systems, and methods for determining susceptibility of microorganisms to anti-infectives
US11655494B2 (en) 2017-10-03 2023-05-23 Avails Medical, Inc. Apparatus, systems, and methods for determining the concentration of microorganisms and the susceptibility of microorganisms to anti-infectives based on redox reactions
CN114263604A (zh) * 2021-12-27 2022-04-01 广东美的环境科技有限公司 涡旋式压缩机及制冷设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4892238B2 (ja) スクロール圧縮機
KR101480464B1 (ko) 스크롤 압축기 및 이를 적용한 냉동기기
JP6022375B2 (ja) スクロール圧縮機
JP6302813B2 (ja) スクロール圧縮機及びこれを用いた冷凍サイクル装置
US20130343941A1 (en) Scroll compressor
JP5272031B2 (ja) スクロール圧縮機
KR20100096791A (ko) 스크롤 압축기 및 이를 적용한 냉동기기
JP2011027076A (ja) スクロール圧縮機
US11428229B2 (en) Scroll compressor having enhanced discharge structure
JP2011085038A (ja) スクロール圧縮機
JP5304285B2 (ja) スクロール圧縮機
KR20140136796A (ko) 스크롤 압축기
JP2011236861A (ja) スクロール圧縮機
JP2010265756A (ja) スクロール圧縮機
JP5428522B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5786130B2 (ja) スクロール圧縮機
KR101442547B1 (ko) 스크롤 압축기
JP2010203327A (ja) スクロール圧縮機
JP2006226246A (ja) スクロール圧縮機
JP2006266165A (ja) スクロール圧縮機及びそれを用いた冷凍サイクル装置
JP2010121577A (ja) スクロール圧縮機
JP2012052494A (ja) 密閉型圧縮機
JP2012036748A (ja) 密閉型圧縮機
JP2011169251A (ja) スクロール圧縮機
JP2008121482A (ja) スクロール圧縮機