以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械を、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図9は本発明による第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、スクロール式空気圧縮機を例に挙げて述べる。
図中、1はスクロール式空気圧縮機の固定スクロールで、該固定スクロール1は、筒状に形成されたケーシング(図示せず)の端部に取付けられている。また、固定スクロール1は、例えば金属材料等からなり、後述する駆動軸8の軸線O1−O1と同軸に配設された略円板状の鏡板2と、該鏡板2の表面に立設された渦巻状のラップ部3と、鏡板2の外径側からラップ部3を取囲むように軸方向に突出した筒部4と、該筒部4から径方向外側に突出したフランジ部5とによって大略構成されている。
ここで、固定スクロール1には、鏡板2の外径側に位置して後述の圧縮室13に空気を吸込む吸込口6が設けられ、鏡板2の中央には圧縮室13で圧縮した空気を外部に吐出する吐出口7が設けられている。
また、ラップ部3は、図2に示す如く、内径側(半径方向の内側)が巻始め端となり、外径側(半径方向の外側)が巻終り端となる渦巻状に形成され、その内周面3Aと外周面3Bとは、例えばエンドミル等の切削工具を用いて切削加工を施すことにより、凹凸のない平滑な湾曲面として形成されている。そして、内周面3Aには後述の内周樹脂突起14が設けられ、外周面3Bには後述の外周樹脂突起15が設けられている。
8はケーシングに回転可能に設けられた駆動軸で、該駆動軸8は、回転中心となる軸線O1−O1(軸心O1)を有している。また、駆動軸8の端部側は、軸線O1−O1に対して旋回半径δだけ偏心した軸線O2−O2(軸心O2)を有するクランク8Aとなり、該クランク8Aには、旋回軸受9を介して後述の旋回スクロール10が回転可能に取付けられている。
10は固定スクロール1と対向して駆動軸8に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール10は、例えば金属材料等からなり、クランク8Aの軸線O2−O2と同軸に配設された円板状の鏡板11と、該鏡板11の表面から軸方向に立設された渦巻状のラップ部12とによって大略構成されている。
ここで、ラップ部12は、図2に示す如く、内径側が巻始め端となり、外径側が巻終り端となる渦巻状に形成され、その内周面12Aと外周面12Bとは凹凸のない平滑な湾曲面として形成されている。また、ラップ部12は、固定スクロール1のラップ部3に対して例えば180度だけずらして重なり合うように配設され、これらのラップ部3,12の間には複数の圧縮室13が画成されている。
そして、スクロール式空気圧縮機は、駆動軸8のクランク8Aが旋回半径δ分だけ偏心しているため、駆動軸8が回転駆動されると、旋回スクロール10は、自転防止機構(図示せず)等により自転を規制された状態で公転し、固定スクロール1に対して旋回半径δの旋回運動を行う。
これにより、空気圧縮機は、吸込口6から外周側の圧縮室13に吸込んだ空気を各圧縮室13内で順次圧縮しつつ、中心側(最内径側)の圧縮室13から吐出口7を介して外部に圧縮空気を吐出する。このとき、各圧縮室13は、固定スクロール1の樹脂突起14,15によって密閉状態に保持されるものである。
14は固定スクロール1のラップ部3の内周面3Aに設けられた複数本の樹脂突起としての内周樹脂突起を示し、該各内周樹脂突起14は、図3ないし図5に示す如く、例えばフッ素系樹脂等の摺動性が良好で耐熱性及び耐摩耗性を有する樹脂材料からなり、ラップ部3の内周面3Aに固着されている。そして、内周樹脂突起14は、例えば略三角形の横断面形状を有する細長い突部として形成され、ラップ部3の内周面3Aから径方向内向きに突出すると共に、ラップ部3の軸方向に延びている。
ここで、内周樹脂突起14の形成時には、後述の図7ないし図9に示す如く、例えばディッピング等の塗布手段によってラップ部3の内周面3Aに樹脂材料を塗布(コーティング)することにより、全ての内周樹脂突起14が後述の外周樹脂突起15と一緒に同じ工程で樹脂成形される。
また、空気圧縮機の運転時には、旋回スクロール10が固定スクロール1に対して旋回運動すると、各内周樹脂突起14のうち旋回スクロール10の位置に応じた一部の樹脂突起14とラップ部12の外周面12Bとが最接近(または接触)した状態となり、この最接近部位は当該突起14の両側に位置する圧縮室13内に空気を閉込める閉込み位置となる。そして、内周樹脂突起14は、各圧縮室13の閉込み位置でラップ部3の内周面3Aとラップ部12の外周面12Bとの間の隙間を減少させ、これによって圧縮室13の密閉性を高めるものである。
また、内周樹脂突起14は、図3に示す如く、ラップ部3の渦巻方向に非等間隔となる間隔Pをもって配置されている。この間隔Pを、後述の如く縮閉線Cを用いて定義される角度θにより表すと、互いに隣合う2個の樹脂突起14間の角度θは、ラップ部3の内径側と外径側とで異なる大きさに設定され、例えばラップ部3の内径側から外径側に向けて徐々に小さく形成されている。即ち、例えば角度θとして3箇所の角度θa,θb,θcに着目すると、これらは内径側から外径側に向けてθa>θb>θcとなる大小関係を有している。
これにより、旋回スクロール10が旋回運動するときには、後述の図6に示す如く、各内周樹脂突起14に対して相手方のラップ部12がそれぞれ異なるタイミングで最接近するようになり、これらの最接近位置で異音が発生するとしても、異音の発生タイミングを時間的に分散できる構成となっている。
15は固定スクロール1のラップ部3の外周面3Bに設けられた複数本の樹脂突起としての外周樹脂突起を示し、該各外周樹脂突起15は、各圧縮室13の閉込み位置で相手方のラップ部12の内周面12Aと最接近することにより、この内周面12Aとラップ部3の外周面3Bとの間の隙間を減少させるものである。
また、外周樹脂突起15は、前述した内周樹脂突起14とほぼ同様に、例えばフッ素系樹脂等の樹脂材料をラップ部3の外周面3Bに塗布することにより形成され、外周面3Bから径方向外向きに突出しつつ、ラップ部3の軸方向に延びている。そして、外周樹脂突起15は、ラップ部3の渦巻方向に非等間隔となる間隔Pをもって配置され、各樹脂突起15間の角度θは、例えばラップ部3の内径側から外径側に向けて徐々に小さく形成されている。
また、内周樹脂突起14と外周樹脂突起15とは、ラップ部3の渦巻方向に対して千鳥にずらした状態で交互に配置され、これらは互いに異なるタイミングで相手方のラップ部12に最接近する構成となっている。
ここで、図3、図6を参照しつつ、内周樹脂突起14間(外周樹脂突起15間)の角度θと、これらが相手方のラップ部12に最接近するタイミングとの関係について説明する。
まず、図3に示す縮閉線Cは、ラップ部12のインボリュート(伸開線)の基準となる仮想的な円として公知のものであり、クランク8Aの軸心O2を中心として所定の半径(縮閉線半径)aを有している。
そして、内周樹脂突起14を例に挙げて述べると、隣合う樹脂突起14間の角度θとは、個々の樹脂突起14の中心を通って縮閉線Cに接する接線(例えば、接線L1,L2,L3,L4)をひいたときに、互いに隣接する2本の接線が形成する角度(角度θa,θb,θc)として定義され、この角度θは、ラップ部3の内径側から外径側にわたって徐々に小さく設定されている。
一方、旋回スクロール10の旋回運動時には、図6に示す如く、例えば点Aの位置で1個の内周樹脂突起14に対して相手方のラップ部12が最接近したとすると、これと同じタイミングで最接近状態となる突起の位置は、点Aを通って縮閉線Cに接する接線La上の位置と、この接線Laと軸心O2を挟んで点対称の位置関係にある接線La′上の位置となる。
このため、内周樹脂突起14の角度θを内径側から外径側にわたって適切な割合で変化させることにより、いずれの樹脂突起14に対応する接線La,La′を引いた場合でも、当該突起14のみが接線La上に配置され、他の樹脂突起14は接線La,La′から外れた位置となるように、各樹脂突起14の配置を定めることができる。これにより、各内周樹脂突起14が相手方のラップ部12と最接近するタイミングをそれぞれ異ならしめることができる。
これと同様に、外周樹脂突起15が最接近状態となるタイミングも、各樹脂突起15間の角度θに応じてそれぞれ異ならしめることができる。しかも、内周樹脂突起14と外周樹脂突起15とを千鳥に配置することにより、これらのうち2個以上の突起が同一の接線La,La′上に配置されない(同じタイミングで最接近状態とならない)ように構成でき、全ての樹脂突起14,15が相手方のラップ部12に最接近するタイミングを互いにずらして設定できるものである。
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、電動モータ等の駆動源(図示せず)により駆動軸8を回転駆動すると、旋回スクロール10は、駆動軸8の軸線O1−O1を中心として旋回半径δの旋回運動を行ない、固定スクロール1のラップ部3と旋回スクロール10のラップ部12との間に画成される各圧縮室13は、外径側から内径側に向けて連続的に縮小するようになる。これにより、固定スクロール1の吸込口6から吸込んだ空気を各圧縮室13で順次圧縮しつつ、吐出口7から圧縮空気として外部のタンク(図示せず)等に吐出することができる。
このとき、各圧縮室13の閉込み位置では、固定スクロール1側の内周樹脂突起14が旋回スクロール10のラップ部12の外周面12Bに最接近し、外周樹脂突起15がラップ部12の内周面12Aに最接近するので、これらの樹脂突起14,15によって各圧縮室13内に空気を閉込めることができ、その密閉性を高めて圧縮性能を向上させることができる。
また、各樹脂突起14,15が相手方のラップ部12と最接近するタイミングは、その間隔Pを非等間隔(角度θを非等角度)に設定したことによって時間的に少しずつずれるので、多数の樹脂突起14,15が一斉に最接近状態となるのを防止することができる。
次に、図7ないし図9を参照しつつ、樹脂突起14,15の形成方法について説明する。
まず、樹脂突起14,15の形成時には、図7、図8に示す如く、固定スクロール1の鏡板2、ラップ部3等に被せるマスク部材16を用意する。この場合、マスク部材16は、例えばラップ部3に対応する軸方向の高さ(厚み)をもって形成され、その内側部位には、ラップ部3とほぼ等しい形状をもって渦巻状に延びた嵌合溝16Aが設けられている。また、マスク部材16には、その軸方向の端面に開口する複数箇所の開口部16Bが嵌合溝16Aの内周側及び外周側の周壁に設けられ、これらの開口部16Bは、各樹脂突起14,15に対応する横断面形状をもって軸方向に延びる凹溝として形成されている。
そして、このマスク部材16を、図8に示す如く、ラップ部3の各渦巻部位の間に装着し、その嵌合溝16A内にラップ部3を嵌合する。これにより、ラップ部3の内周面3Aと外周面3Bとは、図9に示す如く、各開口部16Bの位置を除いてマスク部材16により覆われた状態となる。
次に、図9に示すように、例えばディッピング(浸漬)等の塗布手段によってマスク部材16に溶融した樹脂材料を接触させることにより、その各開口部16B内に樹脂材料を注入し、これらの開口部16Bの位置でラップ部3の内周面3Aと外周面3Bとに樹脂材料を塗布する。そして、樹脂材料が固化した後にマスク部材16を固定スクロール1から取外すと、ラップ部3の内周面3Aと外周面3Bには、各開口部16B内で固化した樹脂材料によって内周樹脂突起14と外周樹脂突起15とを形成することができる。
かくして、本実施の形態では、固定スクロール1のラップ部3の内周面3Aに複数本の内周樹脂突起14を設け、ラップ部3の外周面3Bに複数本の外周樹脂突起15を設ける構成としたので、空気圧縮機の製造時には、ラップ部3の内周面3Aと外周面3Bとに対してフッ素系樹脂等の樹脂材料を塗布するだけで、各樹脂突起14,15を一緒に形成することができる。
これにより、従来技術のようにラップ部に1箇所ずつ切削加工を施して突起を形成する必要がなくなり、多数の樹脂突起14,15を同一の工程で短時間に効率よく樹脂成形することができる。
しかも、固定スクロール1に内周樹脂突起14と外周樹脂突起15とを設け、旋回スクロール10側には突起を設けていないので、各突起14,15を樹脂成形する工程を固定スクロール1のみに実施すればよくなり、この工程を容易に行うことができると共に、旋回スクロール10も突起を樹脂成形しない分だけ短時間で形成することができる。
従って、各スクロール1,10の加工に費やす時間や工程を短縮でき、圧縮機の生産性を高めて製造コストを低減することができる。また、例えば圧縮機を使用するうちに樹脂突起14,15が摩耗した場合には、圧縮機内に配置された旋回スクロール10等を取外すことなく、固定スクロール1だけを交換すればよいから、圧縮機のメンテナンス性を高めることができる。
また、樹脂突起14,15の形成時には、渦巻状のマスク部材16を用いるようにしたので、このマスク部材16をラップ部3に装着して各開口部16B等に樹脂材料を注入することにより、多数の樹脂突起14,15を各開口部16Bの溝形状に応じて正確に樹脂成形することができる。
これにより、内周樹脂突起14と外周樹脂突起15の高さを揃えることができ、圧縮機の運転時には、個々の樹脂突起14,15を相手方のラップ部12に安定的に最接近させることができると共に、これらの接触、かじり等を抑制することができる。
また、仮りに樹脂突起14,15が相手方のラップ部12に接触したとしても、これらは先端側が容易に潰れたり、摩耗して変形でき、ラップ部12の周面12A,12Bに速やかに馴染むことができる。これにより、ラップ部12と樹脂突起14,15とが何度も接触するのを防止でき、接触による動力損失や騒音等を低減することができる。
また、例えばスクロール1,10の寸法誤差や組付誤差等を樹脂突起14,15が変形することにより吸収できるので、その加工、組立等を最低限の精度で行うことができ、圧縮機を効率よく製造することができる。
さらに、本実施の形態では、内周樹脂突起14間(外周樹脂突起15間)の間隔Pを非等間隔に形成し、その角度θを、例えばラップ部3の内径側から外径側に向けて徐々に小さくすることにより、内径側と外径側とで異なる大きさに設定している。しかも、内周樹脂突起14と外周樹脂突起15とを千鳥に配置したので、圧縮機の運転時には、個々の突起14,15がラップ部12に最接近するタイミングを互いにずらして設定することができる。
これにより、樹脂突起14,15が相手方のラップ部12に最接近するときに、両者の接触や空気の渦流等による異音が発生しても、これらの異音の発生タイミングを時間的にずらして分散でき、圧縮機の吸込口6等から外部に漏れ出る騒音を確実に低減できると共に、低騒音型の圧縮機を実現することができる。
次に、図10ないし図12は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、他のマスク部材を用いて固定スクロールのラップ部に樹脂突起を形成する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
21は固定スクロール1のラップ部3の内周面3Aに渦巻方向に間隔をもって設けられた複数本の内周樹脂突起を示し、該各内周樹脂突起21は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えばフッ素系樹脂等の樹脂材料からなり、ラップ部3の内周面3Aから径方向内向きに突出しつつ、その軸方向に延びている。
22は固定スクロール1のラップ部3の外周面3Bに設けられた複数本の外周樹脂突起を示し、該各外周樹脂突起22は、第1の実施の形態とほぼ同様に、樹脂材料からなり、ラップ部3の外周面3Bから径方向外向きに突出しつつ、ラップ部3の軸方向に延びている。
ここで、外周樹脂突起22は、図11、図12に示す如く、固定スクロール1の鏡板2、ラップ部3等にマスク部材23を装着することにより、内周樹脂突起21と一緒に樹脂成形される。この場合、マスク部材23は、ラップ部3に沿って渦巻状に延びると共に、その内周面3A、外周面3B、先端面等を覆う断面コ字状に形成されている。また、マスク部材23には、その内周側と外周側とに開口する複数箇所の開口部23Aが渦巻方向に間隔をもって設けられている。
そして、樹脂突起21,22を形成するときには、図12に示す如く、例えばディッピング、スプレー(吹付け)等の塗布手段により、マスク部材23の各開口部23Aの位置でラップ部3の内周面3Aと外周面3Bとに樹脂材料を塗布し、これらの樹脂材料によって樹脂突起21,22を形成することができる。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
次に、図13ないし図14は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ラップ部の周面に形成した突起ベースの表面に樹脂突起を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は空気圧縮機の固定スクロールで、該固定スクロール31は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えば金属材料等からなり、鏡板(図示せず)、ラップ部32等を含んで構成されている。そして、ラップ部32は、内周面32Aと外周面32Bとを有する渦巻状に形成されている。しかし、ラップ部32の内周面32Aと外周面32Bには、後述の突起ベース33が設けられている。
33は固定スクロール31のラップ部32に形成された複数本の突起ベースで、該各突起ベース33は、例えばラップ部32と同一の金属材料等からなり、エンドミル等の切削工具を用いてラップ部32の内周面32Aと外周面32Bとを切削加工するときに、これらの部位に一体形成されている。
そして、各突起ベース33は、例えば略三角形の横断面形状を有する細長い突部として形成され、ラップ部32の渦巻方向に間隔をもって配置されると共に、ラップ部32から径方向に突出しつつ、その軸方向に延びている。
34はラップ部32の内周面32Aに位置して各突起ベース33の表面に設けられた複数本の内周樹脂突起(1本のみ図示)を示し、該各内周樹脂突起34は、例えばフッ素系樹脂等の樹脂材料により略球状に形成され、突起ベース33の表面に塗布、固着されている。これにより、各内周樹脂突起34は、突起ベース33を介してラップ部32の内周面32Aに強固に接合され、突起ベース33によって補強されている。
また、内周樹脂突起34は、第1の実施の形態とほぼ同様に、ラップ部32の渦巻方向に間隔をもって配置され、その内周面32Aから径方向内向きに突出すると共に、突起ベース33に沿ってラップ部32の軸方向に延びている。
35はラップ部32の外周面32Bに位置して各突起ベース33の表面に設けられた複数本の外周樹脂突起(2本のみ図示)を示し、該各外周樹脂突起35は、内周樹脂突起34とほぼ同様に、ラップ部32の外周面32Bから径方向外向きに突出している。また、各外周突起35は突起ベース33を介してラップ部32の外周面32Bに接合され、突起ベース33によって補強されている。
そして、圧縮機の運転時には、図14に示す如く、仮りに樹脂突起34,35が旋回スクロール10のラップ部12に接触したとしても、これらは容易に変形してラップ部12の周面12A,12Bに馴染むことができるので、動力損失やかじり等が生じるのを防止することができる。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、ラップ部32の内周面32Aに突起ベース33を介して各内周樹脂突起34を設け、ラップ部32の外周面32Bには他の突起ベース33を介して各外周樹脂突起35を設ける構成としたので、これらの突起34,35を突起ベース33によってラップ部32に安定的に固着できると共に、樹脂突起34,35全体の強度を高めることができ、例えば圧縮機の振動や温度変化等によって樹脂突起34,35がラップ部32から剥れ落ちたり、樹脂突起34,35が相手方のラップ部12と接触したときに大きく損傷するのを防止することができる。
また、突起ベース33の先端側には、相手方のラップ部12に馴染む樹脂突起34,35が配置されるので、多数の突起ベース33を最低限の寸法精度で効率よく加工することができる。
次に、図15ないし図17は本発明による第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、他方のスクロールを構成するラップ部の周面に、一方のスクロールの突起よりも軟質に形成された軟質被膜を設ける構成としたことにある。
41は空気圧縮機の固定スクロールで、該固定スクロール41は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えばアルミニウム、その合金等を含んだ金属材料からなり、鏡板42、ラップ部43、筒部44、フランジ部(図示せず)等により構成されている。そして、鏡板42には空気の吸込口45と吐出口46とが設けられている。また、ラップ部43は渦巻状に形成され、その内周面43Aには後述の樹脂被覆52が設けられると共に、その外周面43Bには樹脂被覆53が設けられている。
47は固定スクロール41と対向して設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール47は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えばアルミニウム、またはその合金等を含んだ金属材料からなり、鏡板(図示せず)、ラップ部48等により構成されている。
そして、ラップ部48は渦巻状に形成され、固定スクロール41のラップ部43との間に複数の圧縮室49を画成している。また、ラップ部48の内周面48Aと外周面48Bには後述の突起50,51が一体に形成されている。
50は旋回スクロール47のラップ部48の内周面48Aに設けられた複数本の内周突起で、該各内周突起50は、図16に示す如く、ラップ部48の渦巻方向に間隔をもって配置されている。そして、内周突起50は、ラップ部48の内周面48Aから径方向内向きに突出し、その軸方向に延びている。
51は旋回スクロール47のラップ部48の外周面48Bに設けられた複数本の外周突起で、該各外周突起51は、内周突起50とほぼ同様に、ラップ部48の渦巻方向に間隔をもって配置され、その内周面48Aから径方向内向きに突出した状態で軸方向に延びている。
ここで、これらの突起50,51は、例えばラップ部48と同一の金属材料等からなり、エンドミル等の切削工具を用いてラップ部48の内周面48Aと外周面48Bとを切削加工するときに、これらの部位に一体形成されている。
52,53は固定スクロール41のラップ部43に設けられた軟質被膜としての樹脂被覆で、該樹脂被覆52,53は、例えばフッ素系樹脂等の摺動性が良好で耐熱性及び耐摩耗性を有する樹脂材料からなり、ディッピング、スプレー等の塗布手段によってラップ部43に膜状に塗布(コーティング)されると共に、突起50,51よりも軟質に形成されている。
ここで、樹脂被覆52,53のうち内周側の被覆層52は、ラップ部43の内周面43Aを覆う平滑な被膜からなり、この内周面43Aと各外周突起51との間に介在している。また、外周側の樹脂被覆53は、ラップ部43の外周面43Bを覆う平滑な被膜からなり、この外周面43Bと各内周突起50との間に介在している。
そして、樹脂被覆52,53は、例えばスクロールや突起の寸法誤差、組付誤差等により内周突起50や外周突起51が相手方のラップ部43に接近し過ぎたとしても、各突起50,51と相手方のラップ部43とが直接接触するのを防止し、ラップ部43に代わって突起50,51と接触するものである。
また、このような接触が生じたとしても、例えば外周側の樹脂被覆53は、図17に示す如く、各内周突起50との接触により容易に押し潰されたり、摩耗して変形でき、突起50側の移動範囲に馴染むことができ、また内周側の樹脂被覆52も同様に、各外周突起51の移動範囲に馴染む構成となっている。
かくして、本実施の形態によれば、固定スクロール41のラップ部43の内周面43Aには樹脂被覆52を設け、ラップ部43の外周面43Bには樹脂被覆53を設ける構成としたので、例えば圧縮機の寸法誤差、組付誤差等により内周突起50や外周突起51が相手方のラップ部43に接近し過ぎたとしても、これらを軟質な樹脂被覆52,53に接触させることができ、各突起50,51と相手方のラップ部43との間でかじり、損傷等が生じたり、これによって動力損失、騒音等が増大するのを確実に防止することができる。
また、仮りに各突起50,51と樹脂被覆52,53とが接触したとしても、樹脂被覆52,53が容易に変形して突起50,51側の移動範囲に速やかに馴染むことができ、両者が長期間にわたり接触して動力損失やかじり等が生じ続けるのを防止することができる。
また、樹脂被覆52,53が突起50,51と接触した部位だけで変形することにより、各圧縮室49の閉込み位置で突起50,51と樹脂被覆52,53との間(ラップ部43,48の間)に形成される隙間の寸法を小さくすることができ、圧縮室49の密閉性や圧縮効率を向上させることができる。
また、圧縮機を製造するときには、例えば圧縮機の各部位の寸法誤差や組付誤差等をある程度許容したとしても、これにより生じる突起50,51の移動範囲のばらつき等を樹脂被覆52,53によって吸収することができる。これにより、圧縮機の加工、組立、隙間調整等の作業を最低限の精度で行うことができ、高い圧縮性能をもつ圧縮機を効率よく製造することができる。
さらに、旋回スクロール47に内周突起50と外周突起51とを設け、樹脂被覆52,53を固定スクロール41に設けたので、樹脂被覆52,53を形成する工程を固定スクロール41のみに実施すればよくなり、その樹脂成形を円滑に行うことができる。また、例えば圧縮機を使用するうちに樹脂被覆52,53が大きく摩耗した場合には、圧縮機内に配置された旋回スクロール47等を取外すことなく、固定スクロール41だけを交換すればよいから、圧縮機のメンテナンス性を高めることができる。
次に、図18は本発明による第5の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、軟質被膜として軟質アルマイトを用いる構成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第4の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
61,62は第4の実施の形態の樹脂被覆52,53に代えて用いられる軟質被膜としての軟質アルマイト被膜を示し、該軟質アルマイト被膜61,62のうち軟質アルマイト被膜61は、固定スクロール41のラップ部43の内周面43Aを覆う被膜として形成され、軟質アルマイト被膜62は、ラップ部43の外周面43Bを覆う被膜として形成されている。
ここで、旋回スクロール47のラップ部43、内周突起50、外周突起51等は、例えば硬質アルマイト処理を施すことにより、ビッカース硬度が350〜500Hv程度である硬質アルマイトによって構成されている。
これに対し、軟質アルマイト被膜61,62は、例えば固定スクロール41のラップ部43に軟質アルマイト処理を施すことにより、ビッカース硬度が200〜300Hv程度である軟質アルマイトによって構成され、内周突起50及び外周突起51よりも軟質に形成されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第4の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、ラップ部43の内周面43Aと外周面43Bとに軟質アルマイト被膜61,62を設ける構成としたので、これらの部位に樹脂材料よりも強固に固着した軟質な被膜層を形成でき、圧縮機の耐久性を高めることができる。
次に、図19ないし図21は本発明による第6の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、一方のスクロールの各突起間に位置してラップ部の周面を覆う軟質被膜を設ける構成としたことにある。
71は空気圧縮機の固定スクロールで、該固定スクロール71は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えば金属材料からなり、鏡板72、ラップ部73、筒部74、フランジ部(図示せず)等により構成されている。そして、鏡板72には空気の吸込口75と吐出口76とが設けられている。また、ラップ部73は渦巻状に形成され、その内周面73Aには、後述の内周突起80と樹脂被膜82とが設けられると共に、その外周面73Bには、外周突起81と樹脂被膜83とが設けられている。
77は固定スクロール71と対向して設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール77は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えば金属材料からなり、鏡板(図示せず)、ラップ部78等により構成されている。そして、ラップ部78は、内周面78Aと外周面78Bとを有する渦巻状に形成され、固定スクロール71のラップ部73との間に複数の圧縮室79を画成している。
80は固定スクロール71のラップ部73の内周面73Aに設けられた複数本の内周突起で、該各内周突起80は、図20、図21に示す如く、ラップ部73の渦巻方向に間隔をもって配置されている。そして、内周突起80は、ラップ部73の内周面73Aから径方向内向きに突出し、その軸方向に延びている。
81は固定スクロール71のラップ部73の外周面73Bに設けられた複数本の外周突起で、該各外周突起81は、内周突起80とほぼ同様に、ラップ部73の渦巻方向に間隔をもって配置され、その内周面73Aから径方向内向きに突出した状態で軸方向に延びている。そして、各突起80,81は、例えばラップ部73と同一の金属材料等からなり、これと一体形成されている。
82,83は固定スクロール71のラップ部73に設けられた複数箇所の軟質被膜としての樹脂被膜で、該各樹脂被膜82,83は、例えばフッ素系樹脂等の摺動性が良好で耐熱性及び耐摩耗性を有する樹脂材料からなり、ディッピング、スプレー等の塗布手段によってラップ部73に塗布(コーティング)されている。また、樹脂被膜82,83は、突起80,81の高さ(突出寸法)と等しいか、これよりも僅かに小さな厚みをもつ被膜からなり、突起80,81よりも軟質に形成されている。
ここで、各樹脂被膜82,83のうち内周側の樹脂被膜82は、各内周突起80の間に位置してラップ部73の内周面73Aに配置され、突起80の先端側を除いて内周面73Aを間歇的に覆っている。また、外周側の樹脂被膜83は、各外周突起81の間に位置してラップ部73の外周面73Bに配置され、突起81の先端側を除いて外周面73Bを間歇的に覆っている。
そして、圧縮機の運転時には、図21に示す如く、例えば旋回スクロール77のラップ部78の内周面78Aに対して1本の外周突起81が最接近してから次の外周突起81が最接近するまでの間に、これらの突起81間でラップ部73の外周面73Bが相手方の内周面78Aに近づくようになる。
このとき、外周側の樹脂被膜83は、これらの外周面73Bと内周面78Aとの間に介在し、ラップ部73,78間に存在する径方向の隙間寸法Sを実質的に減少させることにより、各外周突起81の間で圧縮室79の密閉性を高めるものである。また、仮りに樹脂被膜83が相手方のラップ部78に接触したとしても、この樹脂層83はラップ部78との接触により容易に押し潰されたり、摩耗して変形でき、相手方の内周面78Aに速やかに馴染む構成となっている。
これと同様に、内周側の樹脂被膜82は、各内周突起80の間でラップ部73の内周面73Aとラップ部78の外周面78Bとの間に介在し、これらの間の隙間を実質的に減少させることにより、各内周突起80の間で圧縮室79の密閉性を高めつつ、相手方の外周面78Bに馴染む構成となっている。
かくして、本実施の形態によれば、固定スクロール71のラップ部73には、各内周突起80の間に位置して内周面73Aを間歇的に覆う複数箇所の樹脂被膜82と、各外周突起81の間に位置して外周面73Bを間歇的に覆う複数箇所の樹脂被膜83とを設ける構成としている。
これにより、圧縮機の運転時には、各突起80,81の位置だけでなく、突起間の位置でも樹脂被膜82,83によってラップ部73,78間の隙間を実質的に小さくすることができる。
このため、旋回スクロール77が旋回運動するときには、各突起80,81によって圧縮室79内に空気を閉込めることができると共に、突起間の位置でも樹脂被膜82,83によって圧縮室79の閉込みを行うことができる。従って、ラップ部73,78間の隙間を最接近位置で常に小さく保持できるので、圧縮室79の密閉性や圧縮効率を向上させることができる。
しかも、例えば圧縮機の寸法誤差、組付誤差等により樹脂被膜82,83が相手方のラップ部78に接触したとしても、各樹脂被膜82,83は容易に変形してラップ部78に馴染むことができ、これらの間でかじり、損傷等が生じたり、動力損失、騒音等が増大するのを確実に防止することができる。
また、圧縮機を製造するときには、例えば各部位の寸法誤差、組付誤差をある程度許容したとしても、これらの誤差を樹脂被膜82,83によって吸収することができる。これにより、圧縮機の各部位の加工、組立、隙間調整等の作業を最低限の精度で行うことができ、圧縮機を効率よく製造することができる。
さらに、固定スクロール71だけに突起80,81と樹脂被膜82,83とを設け、これらを旋回スクロール77には設けていないので、突起80,81や樹脂被膜82,83を形成する工程を固定スクロール71のみに実施すればよくなり、これらの工程を円滑に行うことができる。また、例えば樹脂被膜82,83が大きく摩耗した場合には、固定スクロール71だけを交換すればよいから、圧縮機のメンテナンス性を高めることができる。
次に、図22は本発明による第7の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、軟質被膜として樹脂材料以外の軟質材料を用いる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第6の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
91,92は第6の実施の形態の樹脂被膜82,83に代えて用いられる複数箇所の非樹脂製軟質被膜を示し、これらの非樹脂製軟質被膜91,92は、例えば摺動性が良好で耐熱性及び耐摩耗性を有するグラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素等の材料を用いて形成されている。
また、軟質被膜91,92は、第6の実施の形態とほぼ同様に、例えばディッピング、スプレー等の塗布手段によって固定スクロール71のラップ部73に塗布、固着され、内周側の軟質被膜91は、各内周突起80の間でラップ部73の内周面73Aを間歇的に覆うと共に、外周側の軟質被膜92は、各外周突起81の間でラップ部73の外周面73Bを間歇的に覆っている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第6の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、非樹脂製軟質被膜91,92を用いる構成としたので、軟質被膜として樹脂材料以外にも適切な硬度等を有する各種のコーティング材料を選択でき、設計自由度を高めることができる。
なお、前記第1の実施の形態では、固定スクロール1に樹脂突起14,15を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図23に示す第1の変形例のように構成してもよい。この場合、固定スクロール1のラップ部3の外周面3Bには固定側の外周樹脂突起15が設けられ、内周樹脂突起14は廃止されている。そして、旋回スクロール10のラップ部12の外周面12Bには、旋回側の外周樹脂突起101が設けられている。
また、本発明は、例えば図24に示す第2の変形例のように構成することもできる。この場合、固定スクロール1のラップ部3の内周面3Bには固定側の内周樹脂突起14が設けられ、外周樹脂突起15は廃止されている。そして、旋回スクロール10のラップ部12の内周面12Aには、旋回側の内周樹脂突起102が設けられている。
また、本発明は、例えば図25に示す第3の変形例のように構成することもできる。この場合、固定スクロール1の突起は廃止され、旋回スクロール10のラップ部12の内周面12Aには内周樹脂突起102が設けられると共に、ラップ部12の外周面12Bには外周樹脂突起101が設けられている。
さらに、第2,第3,第6,第7の実施の形態でも同様に、固定スクロール1,31,71に内周樹脂突起21,34、外周樹脂突起22,35、突起ベース33、突起80,81、樹脂被膜82,83、非樹脂製軟質被膜91,92等の部材を設ける構成とした。しかし、これらの実施の形態の樹脂突起(突起)に対しても、前記第1ないし第3の変形例と同様の配置を適用できるものである。この場合、突起ベース、軟質被膜等は、各スクロールのラップ部の周面のうち樹脂突起や突起が配置された周面に設ける構成とすればよい。
また、第4,第5の実施の形態の突起に対しても、前記第1ないし第3の変形例と同様の配置を適用できるものである。この場合、軟質被膜は、突起と対面するスクロールの周面に設ける構成とすればよい。
一方、第1ないし第3の実施の形態では、樹脂突起14,15,21,22,34,35をフッ素系樹脂材料により構成した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばフッ素系樹脂以外の樹脂材料によって樹脂突起を構成してもよい。
また、第4ないし第7の実施の形態では、軟質被膜としてフッ素系樹脂、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素等の材料を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、軟質被膜として他の固体潤滑材を用いることができる。
また、第4の実施の形態では、固定スクロール41のラップ部43に樹脂被膜52,53を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図26に示す第4の変形例のように構成してもよい。この場合、固定スクロール41′の鏡板42′、ラップ部43′等は樹脂材料により形成されている。これにより、ラップ部43′の内周面43A′と外周面43B′とは、これらの部位自体が突起50,51よりも軟質に形成された軟質被膜となっている。
さらに、実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、冷媒を圧縮する冷媒圧縮機等の他のスクロール式流体機械に適用してもよい。