JP4335599B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents
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- F04C18/0246—Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry
- F04C18/0269—Details concerning the involute wraps
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気、冷媒等の圧縮機や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スクロール式流体機械は、旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回運動させることにより、空気、冷媒等の圧縮やポンプ動作を行うものである(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−141379号公報
【非特許文献1】
発明協会公開技報公技番号2001−1746号
【0004】
この従来技術によるスクロール式流体機械は、固定スクロールと旋回スクロールとが互いに対向して設けられ、これらの固定スクロールと旋回スクロールとは、円板状に形成された鏡板と、該鏡板に軸方向に立設された渦巻状のラップ部とによりそれぞれ構成されている。
【0005】
また、固定スクロールと旋回スクロールのラップ部は、鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回するように延びて形成され、互いに重なり合うことによって複数の圧縮室を画成している。
【0006】
そして、スクロール式流体機械は、旋回スクロールが旋回運動を行うことにより、固定スクロールの外周側に設けた吸込口から流体を吸込み、この流体を各圧縮室内で順次圧縮しつつ、固定スクロールの内周側に設けた吐出口から外部に向けて圧縮流体を吐出するものである。
【0007】
また、従来技術では、例えば固定スクロールと旋回スクロールの各ラップ部の周面に凹凸を形成することにより、各ラップ部間の隙間を小さくして圧縮室の密閉性を高め、圧縮効率を向上する構成としている。
【0008】
この場合、各ラップ部の周面には、軸方向に延びる複数本の突起(凹溝)が形成され、隣合う突起間のなす角度は、ラップ部の渦巻方向、即ち内径側から外径側にわたってほぼ等しい角度に形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、ラップ部の周面に複数本の突起(溝部)を設け、隣合う突起間のなす角度を内径側から外径側にわたってほぼ等しくする構成としている。しかし、この場合には、旋回スクロールが固定スクロールに対して旋回運動すると、例えばラップ部の渦巻方向に対して特定の位置にある複数本の突起が、固定スクロールの周面に対してほぼ等しいタイミングで最接近(または接触)するようになる。
【0010】
そして、このように突起が相手方の周面に最接近した部位では、これらの間に形成される微小な隙間を介して高圧側の圧縮室から低圧側の圧縮室に流体が流れ込み、このときに流れの渦が生じることによって笛の原理で異音が発生する。
【0011】
このため、従来技術では、スクロール式流体機械を運転するときに、固定スクロールと旋回スクロールとの間で複数の箇所から異音が一斉に発生し、これらは高い周波数の大きな騒音となって流体の吸込口等から外部に漏れ出ることがあり、これによって機械の運転環境が悪化するという問題がある。
【0012】
また、従来技術では、ラップ部の周面には軸方向の全長に亘って延びる複数本の突起(凹溝)を設けている。このため、ラップ部の周面のうち突起を除いた部位は、突起を設けないものに比べて、固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間の隙間が大きくなるから、圧縮効率が低下してしまうという問題もある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ラップ部の突起によって圧縮効率を高めることができ、この状態で突起による騒音等を抑制できると共に、低騒音で良好な運転環境を実現できるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、鏡板に内径側から外径側に向け渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された一方のスクロールと、該一方のスクロールに対向して設けられ鏡板に該一方のスクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するために内径側から外径側に向け渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された他方のスクロールとを備え、少なくとも前記一方のスクロールのラップ部の周面には、渦巻方向に間隔をもって軸方向に延びる複数本の突起を設けてなるスクロール式流体機械に適用される。
【0015】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、各突起は、鏡板に立設されたラップ部のうち当該鏡板から離れた軸方向の一部にのみ形成したことにある。
【0016】
このように構成することにより、例えば一方のスクロールが旋回運動するときには、一方のスクロールの突起を各圧縮室の閉込み位置(圧縮室の境界となる位置)で他方のスクロールのラップ部に最接近または接触させることができ、突起により各圧縮室の密閉性を高めることができる。
【0017】
また、突起はラップ部のうち鏡板から離れた軸方向の一部にのみ形成したから、突起の軸方向長さ寸法を短くすることができ、突起によって生じる異音を小さくすることができる。さらに、隣合う突起間の溝部をラップ部の軸方向に対して小さくすることができるから、固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間の平均隙間を小さくすることができ、圧縮効率を高めることができる。
【0018】
特に、突起をラップ部の歯先部分にのみ形成した場合には、ラップ部の熱倒れが顕著に生じる歯先部分にのみ突起が配置されるから、熱倒れによるかじりを防ぎつつ、突起を他方のスクロールのラップ部に最接近または接触させることができ、圧縮効率をさらに高めることができる。
【0019】
また、請求項2の発明によると、各突起はラップ部のうち渦巻方向の内径側のみに形成し、ラップ部の外径側には非突起形成部位を設ける構成としている。
【0020】
これにより、例えばラップ部の最も外径側に画成される圧縮室の閉込み位置(圧縮開始位置)等では、各ラップ部の平滑な周面同士を最接近または接触させることができ、圧縮時の体積効率に対して影響が大きい外径側の圧縮室を良好にシールすることができる。
【0021】
特に、ラップ部の外周側では圧縮熱による温度上昇が少ないから、かじり現象が生じ難い。このため、ラップ部の外周側に設けた非突起形成部位では他方のラップ部との隙間寸法を小さくすることができるから、各ラップ部の外径側で平滑な周面同士を確実に最接近または接触させることができ、ラップ部の内径側の突起によって発生した異音が外径側の吸込口等から外部に漏れるのを防ぐことができる。
【0022】
また、請求項3の発明によると、ラップ部の非突起形成部位は、一方のスクロールのラップ部と他方のスクロールのラップ部とが最も外径側で最接近する圧縮開始位置から内径側に向けて略1巻分にわたる部位として構成している。
【0023】
これにより、例えば圧縮開始位置等における外径側の圧縮室のシール性を高めることができる。また、圧縮開始位置から内径側に向けて略1巻分にわたって非突起形成部位を設けたから、外径側では必ず一箇所で各ラップ部の平滑な周面同士を最接近または接触させることができ、この周面同士が最接近等する箇所で内径側の突起によって生じる異音が外部に漏れるのを確実に遮断することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0025】
まず、図1ないし図8は本発明による第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、スクロール式空気圧縮機を例に挙げて述べる。
【0026】
図中、1はスクロール式空気圧縮機の固定スクロールで、該固定スクロール1は、筒状に形成されたケーシング(図示せず)の端部に取付けられている。また、固定スクロール1は、後述する駆動軸10の軸線O1−O1と同軸に配設された略円板状の鏡板2と、該鏡板2の表面に立設された渦巻状のラップ部3と、鏡板2の外径側からラップ部3を取囲むように軸方向に突出した筒部4と、該筒部4から径方向外側に突出したフランジ部5とによって大略構成されている。
【0027】
ここで、固定スクロール1には、鏡板2の外径側に位置して後述の圧縮室17に空気を吸込む吸込口6が設けられ、鏡板2の中央には圧縮室17で圧縮した空気を外部に吐出する吐出口7が設けられている。
【0028】
また、ラップ部3は、図2に示す如く、例えばエンドミル等の切削工具を用いて切削加工を行うことにより、内径側(半径方向の内側)が巻始め端となり、外径側(半径方向の外側)が巻終り端となるn巻の渦巻状に形成されている。この場合、ラップ部3の各部位の半径方向の間隔、即ち1巻目と2巻目、2巻目と3巻目、…(n−1)巻目とn巻目との間隔は、図3中に示す径方向寸法Tに設定されている。また、ラップ部3の内周面3Aは凹凸のない平滑な湾曲面として形成され、ラップ部3の外周面3Bには後述の固定側外周突起18が設けられている。
【0029】
さらに、ラップ部3の歯先には断面コ字状の凹溝8が設けられ、該凹溝8にはチップシール9が取付けられている。そして、チップシール9は、後述する旋回スクロール12の鏡板13の表面に弾性的に摺接している。
【0030】
10はケーシングに回転可能に設けられた駆動軸で、該駆動軸10は、回転中心となる軸線O1−O1(軸心O1)を有している。また、駆動軸10の端部側は、軸線O1−O1に対して旋回半径εだけ偏心した軸線O2−O2(軸心O2)を有するクランク10Aとなり、該クランク10Aには、旋回軸受11を介して後述の旋回スクロール12が回転可能に取付けられている。
【0031】
12は固定スクロール1と対向して駆動軸10に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール12は、クランク10Aの軸線O2−O2と同軸に配設された円板状の鏡板13と、該鏡板13の表面から軸方向に立設された渦巻状のラップ部14とによって大略構成されている。
【0032】
ここで、ラップ部14は、図2に示す如く、内径側が巻始め端となり、外径側が巻終り端となる渦巻状に形成されている。また、ラップ部14の内周面14Aは凹凸のない平滑な湾曲面として形成され、ラップ部14の外周面14Bには後述の旋回側外周突起21が設けられている。さらに、ラップ部14の歯先には断面コ字状の凹溝15が設けられ、該凹溝15にはチップシール16が取付けられている。そして、チップシール16は、固定スクロール1の鏡板2の表面に弾性的に摺接し、圧縮空気の漏洩を防止している。
【0033】
また、ラップ部14は、固定スクロール1のラップ部3に対して例えば180度だけずらして重なり合うように配設され、これらのラップ部3,14の間には複数の圧縮室17が画成されている。
【0034】
そして、スクロール式空気圧縮機は、駆動軸10のクランク10Aが旋回半径ε分だけ偏心しているため、駆動軸10が回転駆動されると、旋回スクロール12が自転防止機構(図示せず)等により自転を規制された状態で公転し、固定スクロール1に対して旋回半径εの旋回運動を行う。
【0035】
これにより、空気圧縮機は、吸込口6から外周側の圧縮室17に吸込んだ空気を各圧縮室17内で順次圧縮しつつ、中心側(最内径側)の圧縮室17から吐出口7を介して外部に圧縮空気を吐出する。このとき、各圧縮室17は、ラップ部3,14の外周突起18,21によって高い密閉状態に保持されるものである。
【0036】
18は固定スクロール1のラップ部3の外周面3Bに設けられた複数本の突起としての固定側外周突起で、該各固定側外周突起18は、図3ないし図7に示す如く、例えば略三角形の横断面形状を有する突部として形成され、ラップ部3の外周面3Bから径方向外向きに突出すると共に、その軸方向に延びている。なお、軸方向に延びるとは、軸方向に対して平行に延びる構成(傾斜角0°)に限らず、例えば軸方向に対して±10〜20°斜めに傾斜して延びる構成も含むものである。
【0037】
また、固定側外周突起18は、ラップ部3の歯先から歯元に向けて軸方向の途中位置まで延び、ラップ部3のうち鏡板2から離れた軸方向の歯先側にのみ形成されている。一方、ラップ部3の歯先側のうち固定側外周突起18間には外周面3Bよりも凹陥した溝部19が形成されている。そして、ラップ部3の外周面3Bのうち歯元側に位置する部分(固定側外周突起18と溝部19とを除いた部分)は、凹凸のない平滑な湾曲面として形成されている。
【0038】
さらに、固定側外周突起18は、図4に示す横断面からみると、狭幅な頂部18Aと、該頂部18Aとラップ部3の外周面3Bとを滑らかにつなぐ左,右の裾野となる凹円弧面18B,18Bとによって形成されている。この場合、頂部18Aは、例えば0〜2mm程度、好ましくは0.1〜0.3mm程度の幅寸法W1をもって狭幅に形成されている。
【0039】
また、固定側外周突起18の裾野部位の幅寸法W2は、頂部18Aの幅寸法W1に対してW2≧W1×2となる関係を満たすように形成されている。さらに、各凹円弧面18Bの半径寸法(曲率半径)Rは、ラップ部3の径方向寸法T(図3参照)に対して、例えば1/4×T≦R≦T、好ましくは2/5×T≦R≦3/5×Tとなる関係を満たすように設定されている。
【0040】
ここで、旋回スクロール12が固定スクロール1に対して旋回運動するときには、その位置に対応する一部の固定側外周突起18とラップ部14の内周面14A(段差部23)とが最接近するか、または両者が接触した状態となり、これらの最接近(接触)部位は各圧縮室17内に空気を閉込める閉込み位置となる。そして、固定側外周突起18は、各圧縮室17の閉込み位置でラップ部3の外周面3Bとラップ部14の内周面14Aとの間の隙間を減少させ、これによって各圧縮室17の密閉性を高めるものである。
【0041】
また、固定側外周突起18の頂部18Aは、圧縮室17の閉込み位置で間隔寸法δ1の隙間をもって後述するラップ部14の段差部23と対向するように形成されると共に、固定側外周突起18間の溝部19は、圧縮室17の閉込み位置で間隔寸法δ2の隙間をもってラップ部14の段差部23と対向するように形成されている。さらに、ラップ部3の歯元側に位置する外周面3Bは、圧縮室17の閉込み位置で間隔寸法δ3の隙間をもってラップ部14の内周面14Aと対向するように形成されている(図8参照)。そして、外周面3Bと内周面14Aとの間隔寸法δ3は、間隔寸法δ2よりも小さく、間隔寸法δ1よりも大きい値に設定されている(δ1<δ3<δ2)。
【0042】
20は固定スクロール1のラップ部3の歯元側に設けられた段差部で、該段差部20は、ラップ部3の歯先側よりも太幅に形成され、内周面3Aが相手方となる旋回スクロール12のラップ部14の外周面14Bに向けて突出寸法tだけ突出している。そして、段差部20は、後述するラップ部14の旋回側外周突起21と同程度の長さ寸法をもって軸方向に延び、旋回側外周突起21と対向している。
【0043】
21は旋回スクロール12のラップ部14の外周面14Bに設けられた複数本の突起としての旋回側外周突起で、該各旋回側外周突起21は、各圧縮室17の閉込み位置で固定スクロール1のラップ部3の内周面3A(段差部20)に最接近することにより、ラップ部3の内周面3Aとラップ部14の外周面14Bとの間の隙間を減少させるものである。
【0044】
また、旋回側外周突起21は、固定側外周突起18とほぼ同様に、ラップ部14の歯先から歯元に向けて軸方向の途中位置まで延び、ラップ部14のうち鏡板13から離れた軸方向の歯先側にのみ形成されると共に、固定側外周突起18間には溝部22が形成されている。そして、ラップ部14の外周面14Bのうち歯元側に位置する部分(旋回側外周突起21と溝部22とを除いた部分)は、凹凸のない平滑な湾曲面として形成されている。
【0045】
また、旋回側外周突起21は、固定側外周突起18とほぼ同様に、例えば略三角形の横断面形状を有すると共に、固定側外周突起18とほぼ等しい形状、寸法(幅寸法W1,W2、半径寸法R等)をもって形成されている。これにより、圧縮室17の閉込み位置では、例えば旋回側外周突起21の頂部とラップ部3の段差部20との間に間隔寸法δ1の隙間が形成され、溝部22と段差部20との間に間隔寸法δ2の隙間が形成されると共に、ラップ部14の外周面14Bとラップ部3の内周面3Aとの間には間隔寸法δ3の隙間が形成されるものである。
【0046】
23は旋回スクロール12のラップ部14の歯元側に設けられた段差部で、該段差部23は、ラップ部3の段差部20とほぼ同様にラップ部14の歯先側よりも太幅に形成され、内周面14Aが相手方となる固定スクロール1のラップ部3の外周面3Bに向けて突出寸法tだけ突出している。そして、段差部23は、ラップ部3の固定側外周突起18と同程度の長さ寸法をもって軸方向に延び、固定側外周突起18と対向している。
【0047】
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0048】
まず、電動モータ等の駆動源(図示せず)により駆動軸10を回転駆動すると、旋回スクロール12は、駆動軸10の軸線O1−O1を中心として旋回半径εの旋回運動を行ない、固定スクロール1のラップ部3と旋回スクロール12のラップ部14との間に画成される各圧縮室17は、外径側から内径側に向けて連続的に縮小するようになる。これにより、固定スクロール1の吸込口6から吸込んだ空気を各圧縮室17で順次圧縮しつつ、吐出口7から圧縮空気として外部のタンク(図示せず)等に吐出することができる。
【0049】
このとき、各圧縮室17の閉込み位置では、固定スクロール1側の外周突起18が旋回スクロール12のラップ部14の内周面14A(段差部23)に最接近し、また旋回スクロール12側の外周突起21が固定スクロール1のラップ部3の内周面3A(段差部20)に最接近するので、これら外周突起18,21のラビリンス効果によって各圧縮室17内に空気を閉込めることができ、その密閉性を高めて圧縮性能を向上させることができる。
【0050】
ここで、図8(a)の第1の比較例に示すように、固定スクロール101のラップ部102と旋回スクロール103のラップ部104にいずれも外周突起を設けない場合には、閉込み位置でラップ部102,104間に両者の接触を防止する最小の間隔寸法δ3の隙間を形成することができる。
【0051】
また、図8(b)の第2の比較例に示すように、各ラップ部102,104の外周面102B,104Bに軸方向の全長に亘って外周突起105,106を設けた場合には、外周突起105,106の頂部と相手方のラップ部104,102の内周面104A,102Aとの間の隙間は、第1の比較例による間隔寸法δ3よりも小さい間隔寸法δ1に設定することができる。しかし、この場合、外周突起105,106の形成に伴って、外周突起105,106を除いた外周面102B,104Bと相手方のラップ部104,102の内周面104A,102Aとの間の隙間は、間隔寸法δ3よりも大きい間隔寸法δ2となるから、全体として平均ラジアルギャップが大きくなってしまうという問題があった。
【0052】
これに対し、図8(c)に示す本実施の形態では、ラップ部3,14の外周面3B,14Bには歯先側にのみ外周突起18,21を形成すると共に、相手方となるラップ部14,3の内周面14A,3Aの歯元側には突出寸法tだけ突出した段差部23,20を形成している。このため、歯先側では外周突起18,21と段差部23,20との間の隙間を第2の比較例と同等の間隔寸法δ1に設定できると共に、歯元側では外周面3B,14Bと内周面14A,3Aとの間の隙間を第1の比較例と同等の間隔寸法δ3に設定することができる。この結果、第2の比較例に比べて平均ラジアルギャップを小さくすることができ、圧縮効率を高めることができる。
【0053】
かくして、本実施の形態では、ラップ部3,14のうち鏡板2,13から離れた軸方向の一部にのみ外周突起18,21を形成したから、外周突起18,21の軸方向長さ寸法を短くすることができ、突起18,21によって生じる異音を小さくすることができる。
【0054】
また、第2の比較例に比べて、隣合う突起18,21間の溝部19,22をラップ部3,14の軸方向に対して小さくすることができるから、固定スクロール1のラップ部3と旋回スクロール12のラップ部14との間の平均ラジアルギャップを小さくすることができ、圧縮効率を高めることができる。さらに、圧縮効率が高まると、ラップ部3,14内の温度を低減することができるから、チップシール9,16等の寿命を延長することができる。
【0055】
また、歯元側ではラップ部3,14の外周面3B,14Bと相手方のラップ部14,3の内周面14A,3Aとの間の隙間は、第1の比較例のように突起を設けないときの間隔寸法δ3と同程度に設定することができるから、この位置でのラップ部3,14の接触を防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
【0056】
特に、本実施の形態では、外周突起18,21をラップ部3,14の歯先部分にのみ形成したから、ラップ部3,14の熱倒れが顕著に生じる歯先部分にのみ外周突起18,21を配置することができる。この結果、熱倒れによるかじりを防ぎつつ、外周突起18,21を相手方のラップ部14,3に最接近または接触させることができ、圧縮効率をさらに高めることができる。また、ラップ部3,14の歯元側には外周突起18,21を設けないから、第2の比較例のようにラップ部の軸方向の全長に亘って突起を設けた場合に比べて、ラップ部3,14を削る箇所を減少させることができ、加工コストを低減できると共に、歯元側での寸法管理を容易に行うことができる。
【0057】
また、固定スクロール1のラップ部3に固定側外周突起18を設け、旋回スクロール12のラップ部14に旋回側外周突起21を設けたので、これらの外周突起18,21を相手方のラップ部14,3の平滑な内周面14A,3A(段差部20,23)に最接近させることができ、突起同士の接触、かじり等を防止することができる。
【0058】
一方、固定側外周突起18の頂部18Aを、例えば0〜2mm程度、好ましくは0.1〜0.3mm程度の幅寸法W1をもって狭幅に形成したので、頂部18Aは、旋回スクロール12のラップ部14と接触したときに、容易につぶれたり、摩耗して変形でき、その内周面14Aに速やかに馴染むことができる。これにより、ラップ部14と外周突起18とが何度も接触するのを防止でき、圧縮室17の密閉性を高めつつ、動力損失、かじり等を防止することができる。
【0059】
そして、外周突起18の裾野部位の幅寸法W2を、頂部18Aの幅寸法W1の2倍以上となるように形成したので、外周突起18が旋回スクロール12のラップ部14と接触した場合でも、突起全体が損傷しない十分な強度を確保でき、耐久性、信頼性を向上することができる。
【0060】
また、外周突起18の凹円弧面18Bの半径寸法Rを、ラップ部3の径方向寸法Tに対して、例えば1/4×T≦R≦T、好ましくは2/5×T≦R≦3/5×Tとなるように設定したので、例えばエンドミル等の切削工具を用いてラップ部3の外周面3Bと各外周突起18とを切削加工するときには、これらを同じ切削工具で連続的に効率よく加工でき、生産性を高めることができる。
【0061】
一方、旋回側外周突起21も、外周突起18の幅寸法W1,W2、半径寸法R等とほぼ等しい寸法に形成したので、これと同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
次に、図9は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ラップ部の外径側に非突起形成部位を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0063】
31はスクロール式空気圧縮機の固定スクロールで、該固定スクロール31は、第1の実施の形態とほぼ同様に、鏡板32、ラップ部33、筒部34、フランジ部(図示せず)等により構成されている。そして、ラップ部33は、内周面33Aと外周面33Bとを有する渦巻状に形成されている。
【0064】
しかし、ラップ部33には、その外径側(巻終り端側)に位置して固定側外周突起18を形成しない非突起形成部位33Cが設けられ、この非突起形成部位33Cは、例えばラップ部33の外径側端部から内径側に向けて略1巻分にわたる長さをもって延びている。
【0065】
この場合、非突起形成部位33Cは、ラップ部33のうち後述する外径側の圧縮室17′,17″の周壁となる部位に配置され、ラップ部33の外周面33Bには、非突起形成部位33Cを除いた部位(非突起形成部位33Cよりも内径側に位置する部位)に複数本の固定側外周突起18が設けられている。
【0066】
35は固定スクロール31と対向して配置された旋回スクロールで、該旋回スクロール35は、第1の実施の形態とほぼ同様に、鏡板(図示せず)に立設された渦巻状のラップ部36を有し、該ラップ部36は、内周面36Aと外周面36Bとを有している。
【0067】
また、ラップ部36には、固定スクロール31のラップ部33とほぼ同様に、その外径側に位置して旋回側外周突起21を形成しない非突起形成部位36Cが設けられ、この非突起形成部位36Cは、例えばラップ部36の外径側端部から内径側に向けて略1巻半にわたる長さをもって延びている。
【0068】
この場合、非突起形成部位36Cは、ラップ部36のうち外径側の圧縮室17′,17″の周壁となる部位に配置され、ラップ部36の外周面36Bには、非突起形成部位36Cを除いた部位(非突起形成部位33Cよりも内径側に位置する部位)に複数本の旋回側外周突起21が設けられている。
【0069】
ここで、旋回スクロール35のラップ部36の巻終り端側が固定スクロール31のラップ部33に最接近する位置を圧縮開始位置Sとすると、この圧縮開始位置Sでは、ラップ部33,36の外径側によって2つの圧縮室17(外径側の圧縮室17′,17″)が画成され、これら外径側の圧縮室17′,17″には、吸込口6から吸込まれて間もない吸込空気が閉込められた状態となる。
【0070】
そして、本実施の形態では、ラップ部33,36のうち外径側の圧縮室17′,17″に面した部位に非突起形成部位33C,36Cを配設している。このため、圧縮機の運転時には、外径側の圧縮室17′,17″の位置で固定スクロール31のラップ部33と旋回スクロール35のラップ部36とを滑らかに連続的に摺接させることができる。
【0071】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、固定スクロール31のラップ部33のうち、外径側に位置する略1巻分の部位に非突起形成部位33Cを設け、旋回スクロール35のラップ部36には、外径側の略1巻半の部位に非突起形成部位36Cを設ける構成としている。
【0072】
これにより、例えばラップ部33,36の最も外径側に画成される圧縮室17′の閉込み位置(圧縮開始位置S)、圧縮室17″の閉込み位置等では、各ラップ部33,36の平滑な内周面33Aと外周面36B、外周面33Bと内周面36Aとをそれぞれ最接近または接触させることができる。
【0073】
このため、圧縮開始位置Sの位置における圧縮室17′のシール性や、これと隣接する圧縮室17″のシール性を良好に保持することができる。従って、圧縮時の体積効率に対して影響が大きい外径側の圧縮室17′,17″で空気を安定的に圧縮でき、圧縮性能を高めることができると共に、内径側の突起18,21等によって発生した異音が吸込口6を通じて外部に漏れるのを防ぐことができ、騒音を低減することができる。
【0074】
次に、図10は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ラップ部の外径側に非突起形成部位を設けると共に、突起をラップ部の軸方向全長に亘って形成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0075】
41はスクロール式空気圧縮機の固定スクロールで、該固定スクロール41は、第1の実施の形態とほぼ同様に、鏡板42、ラップ部43、筒部44、フランジ部(図示せず)等により構成されている。そして、ラップ部43は、内周面43Aと外周面43Bとを有する渦巻状に形成されている。
【0076】
また、ラップ部43の外周面43Bには、軸方向の全長に亘って延びる複数本の固定側外周突起45が設けられると共に、ラップ部43の外径側(巻終り端側)には、第2の実施の形態による非突起形成部位33Cとほぼ同様に、固定側外周突起45を形成しない非突起形成部位43Cが設けられている。そして、非突起形成部位43Cは、例えばラップ部43の外径側端部から内径側に向けて略1巻分にわたる長さをもって延びると共に、ラップ部43のうち外径側の圧縮室17′,17″の周壁となる部位に配置されている。
【0077】
46は固定スクロール41と対向して配置された旋回スクロールで、該旋回スクロール46は、第1の実施の形態とほぼ同様に、鏡板(図示せず)に立設された渦巻状のラップ部47を有し、該ラップ部47は、内周面47Aと外周面47Bとを有している。
【0078】
また、ラップ部47の外周面47Bには、軸方向の全長に亘って延びる旋回側外周突起48が設けられると共に、ラップ部47の外径側(巻終り端側)には、固定スクロール41のラップ部43とほぼ同様に、その外径側に位置して旋回側外周突起48を形成しない非突起形成部位47Cが設けられている。そして、非突起形成部位47Cは、例えばラップ部47の外径側端部から内径側に向けて略1巻半にわたる長さをもって延びると共に、ラップ部47のうち外径側の圧縮室17′,17″の周壁となる部位に配置されている。
【0079】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第2の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。即ち、本実施の形態では、固定スクロール41のラップ部43のうち、外径側に位置する略1巻分の部位に非突起形成部位43Cを設け、旋回スクロール46のラップ部47には、外径側の略1巻半の部位に非突起形成部位47Cを設けたから、圧縮開始位置Sの位置における圧縮室17′のシール性や、これと隣接する圧縮室17″のシール性を良好に保持することができる。従って、圧縮時の体積効率に対して影響が大きい外径側の圧縮室17′,17″で空気を安定的に圧縮でき、圧縮性能を高めることができると共に、内径側の突起45,48等によって発生した異音が吸込口6を通じて外部に漏れるのを防ぐことができ、騒音を低減することができる。
【0080】
なお、前記第1,第2の実施の形態では、突起18,21と対向するラップ部14,3の歯元側に段差部23,20を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図11に示す第1の変形例のように、段差部を省くと共に、特殊工具を使用することによって、突起18′,21′を各ラップ部3,14の外周面3B,14Bよりも突出寸法tだけ突出させる構成としてもよい。
【0081】
また、前記各実施の形態では、突起18,21,45,48をラップ部3,14,33,36,43,47の外周側に設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図12に示す第2の変形例のように、固定スクロール41と旋回スクロール46のラップ部43,47の内周面43A,47Aに突起51,52を設ける構成としてもよい。
【0082】
また、前記各実施の形態では、互いに対向する2つのラップ部3,14,33,36,43,47にはいずれも突起18,21,45,48を設ける構成としたが、例えば図13に示す第3の変形例のように、旋回スクロール46のラップ部47の内周面47Aと外周面47Bとに突起53,54を設ける構成としてもよい。さらに、例えば固定スクロールの内周面と外周面のうちいずれか一方または両方に突起を設け、旋回スクロールの突起を省略する構成としてもよく、固定スクロールの突起を省略し、旋回スクロールの内周面と外周面のうちいずれか一方に突起を設ける構成としてもよい。
【0083】
また、本発明では、隣合う突起18,21,45,48,18′,21′,51,52,53,54間のなす角度は、内径側から外径側にわたってほぼ等しくする構成としてもよく、内径側と外径側とで異ならしめる構成としてもよい。
【0084】
特に、隣合う突起間の角度をラップ部の内径側と外径側とで異ならしめる構成とした場合には、各突起が相手方のラップ部に最接近するときの異音の発生タイミングを時間的に分散することができ、異音を低減することができる。
【0085】
また、実施の形態では、ケーシングに固定された固定スクロール1,31,41に対して旋回スクロール12,35,46を旋回運動させるスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば特開平9−133087号公報に示すように、互いに対向して配置された2つのスクロールをそれぞれ回転駆動する全系回転式のスクロール式流体機械等に適用してもよい。
【0086】
さらに、実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、冷媒を圧縮する冷媒圧縮機等の他のスクロール式流体機械に適用してもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、ラップ部のうち鏡板から離れた軸方向の一部にのみに突起を形成したから、突起の軸方向長さ寸法を短くすることができ、突起によって生じる異音を小さくすることができる。また、隣合う突起間の溝部をラップ部の軸方向に対して小さくすることができるから、固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間の平均隙間を小さくすることができ、圧縮効率を高めることができると共に、ラップ部内の温度を低減でき、チップシール等の寿命を延長することができる。
【0088】
また、ラップ部の歯元側には突起を設けないから、ラップ部の軸方向の全長に亘って突起を設けた場合に比べて、ラップ部を削る箇所を減少させることができ、加工コストを低減できると共に、歯元側での寸法管理を容易に行うことができる。
【0089】
さらに、歯元側ではラップ部の外周面と相手方のラップ部の内周面との間の隙間は、突起を設けないときの間隔寸法と同程度に設定することができるから、この位置でのラップ部の接触を防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
【0090】
また、請求項2の発明によれば、各突起はラップ部のうち渦巻方向の内径側のみに形成し、ラップ部の外径側には非突起形成部位を設ける構成としたので、圧縮時の体積効率に対して影響が大きい外径側の圧縮室を良好にシールでき、圧縮性能を高めることができる。また、ラップ部の外周側に設けた非突起形成部位では他方のラップ部との隙間寸法を小さくすることができるから、各ラップ部の外径側で平滑な周面同士を確実に最接近または接触させることができ、ラップ部の内径側の突起によって発生した異音が外径側の吸込口等から外部に漏れるのを防ぐことができる。
【0091】
さらに、請求項3の発明によれば、ラップ部の非突起形成部位は、ラップ部の圧縮開始位置から内径側に向けて略1巻分にわたる部位として構成したので、例えば圧縮開始位置等における外径側の圧縮室のシール性を高め、ラップ部の外径側から内径側にわたって圧縮動作を安定的に行うことができる。また、圧縮開始位置から内径側に向けて略1巻分にわたって非突起形成部位を設けたから、外径側では必ず一箇所で各ラップ部の平滑な周面同士を最接近または接触させることができ、この周面同士が最接近等する箇所で内径側の突起によって生じる異音が外部に漏れるのを確実に遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】スクロール式空気圧縮機を図1中の矢示II−II方向からみた横断面図である。
【図3】図2中の固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部とを拡大して示す要部拡大の横断面図である。
【図4】図3中の固定側外周突起を拡大して示す要部拡大の横断面図である。
【図5】固定スクロールの鏡板、ラップ部および固定側外周突起の一部を拡大して示す一部破断の外観斜視図である。
【図6】固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部とを図3中の矢示VI−VI方向から拡大してみた要部拡大の縦断面図である。
【図7】図6中の矢示VII−VII方向からみた固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部とを示す要部拡大の横断面図である。
【図8】第1,第2の比較例および第1の実施の形態によるラップ部を拡大して示す図6と同様位置の要部拡大の縦断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す横断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す横断面図である。
【図11】本発明の第1の変形例による固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部とを拡大して示す図6と同様位置の要部拡大の縦断面図である。
【図12】本発明の第2の変形例によるスクロール式空気圧縮機を示す横断面図である。
【図13】本発明の第3の変形例によるスクロール式空気圧縮機を示す横断面図である。
【符号の説明】
1,31,41 固定スクロール
2,13,32,42 鏡板
3,14,33,36,43,47 ラップ部
3A,14A,33A,36A,43A,47A 内周面(周面)
3B,14B,33B,36B,43B,47B 外周面(周面)
10 駆動軸
12,35,46 旋回スクロール
17,17′,17″ 圧縮室
18,45,18′ 固定側外周突起(突起)
18A 頂部
18B 凹円弧面
21,48,21′ 旋回側外周突起(突起)
33C,36C,43C,47C 非突起形成部位
51,52,53,54 突起
Claims (3)
- 鏡板に内径側から外径側に向け渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された一方のスクロールと、該一方のスクロールに対向して設けられ鏡板に該一方のスクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するために内径側から外径側に向け渦巻状に巻回されたラップ部が軸方向に立設された他方のスクロールとを備え、少なくとも前記一方のスクロールのラップ部の周面には、渦巻方向に間隔をもって軸方向に延びる複数本の突起を設けてなるスクロール式流体機械において、
前記各突起は、前記鏡板に立設されたラップ部のうち当該鏡板から離れた軸方向の一部にのみ形成したことを特徴とするスクロール式流体機械。 - 前記各突起は前記ラップ部のうち渦巻方向の内径側のみに形成し、前記ラップ部の外径側には非突起形成部位を設けてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
- 前記ラップ部の非突起形成部位は、前記一方のスクロールのラップ部と他方のスクロールのラップ部とが最も外径側で最接近する圧縮開始位置から内径側に向けて略1巻分にわたる部位である請求項2に記載のスクロール式流体機械。
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