JP2006085889A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気記録媒体の表面に存在する異物や突起を効果的に除去できるようにすることにより、エラーが少なく、かつヘッドの浮上特性に優れた磁気記録媒体を歩留まり良く製造できる方法の提供。
【解決手段】 非磁性基板1上に少なくとも磁性層、保護膜層、潤滑剤層を順次積層する磁気記録媒体の製造方法において、大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化されたガスを用いて非磁性基板1を表面処理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気記録装置に用いる磁気ディスクなどの磁気記録媒体およびその製造方法に関し、より詳しくは、エラーが少なく、ヘッドの浮上特性に優れた磁気記録媒体と、このような磁気記録媒体を歩留まり良く得るための製造方法に関するものである。
従来より、情報記録媒体としては、磁気ディスク装置をはじめとする磁気記録装置に用いる磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクや光磁気ディスクなどの光記録媒体、などが用いられている。磁気ディスク装置をはじめとする磁気記録装置は、従来より、コンピュータの外部記憶装置として用いられているが、近年、携帯型音楽プレーヤーやDVDレコーダーなどにもその適用範囲が拡大され、その重要性が増すと共に、数百ギガバイトレベルへの大容量化が図られている。また、磁気記録装置のコストダウンの一手法として、磁気記録装置一台あたりの磁気記録媒体や磁気ヘッドの数を少なくする傾向がある。これに伴い、磁気記録媒体一枚(一面)あたりの記録密度の急速な向上が図られている。
磁気記録装置の一種である固定磁気ディスク装置は、一般的に、磁気ディスクと、これを回転駆動する駆動部と、磁気ヘッド及びその駆動手段と、磁気ヘッドの記録再生手段からなる。磁気ディスクの代表的な層構成を以下に示す。通常、磁気ディスクの基板としては、非磁性のものが用いられ、一般的には、AlやAlMg系合金からなるアルミニウム基板と、ガラス、セラミクス、カーボン、シリコンなどからなる非金属基板に大別される。アルミニウム基板は、精密な機械加工に適すること、安価であること、などを特長とし、直径3.5インチ用磁気記録媒体などの基板に広く採用されている。
通常の場合、これらの基板は、所定の厚さに加工後その表面を鏡面加工したのち、非磁性金属、例えばNi−P合金、Ni−Cu−P合金等を無電解メッキ処理等により約5〜20μmの膜厚で成膜して表面層を形成させた後使用される。基板上に形成した表面層には必要に応じてテクスチャー加工を施し、微細な溝又は凸凹を精度良く加工形成し、特定の表面粗さに仕上げた表面加工層とする。このテクスチャー加工により、磁性層が磁気異方性を持ち、磁気ヘッドと磁気記録媒体との吸着が防止でき、且つCSS特性が改善され、更に磁気異方性が良好となる。
一方、ガラスに代表される非金属基板は、磁気ディスクの小径化、薄板化に適する高い機械的硬度を有することを特長とし、近年、特に直径2.5インチ以下のサイズの小型の磁気ディスク装置に登載される磁気記録媒体の基板として採用されている。これらアルミニウム基板、ガラス基板のいずれも、その上に形成される層構成の基本的な部分は同じであり、通常、下地層、磁性層、保護層、潤滑層等が形成される。
さて、磁気ディスク表面に所定以上の高さの突起があったり異物やゴミが存在するとエラーの発生につながり、また磁気ヘッドのクラッシュを引き起こし良好なヘッド浮上特性が得られないため、磁気ディスクの製造工程には、表面を洗浄したり異常突起を除去するクリーニング工程を複数設けるのが通常である。従来のクリーニング工程は、具体的には、基板のテクスチャー処理後の研磨砥粒や削りかす除去のためのクリーニング工程、電気分解後の電解液除去のためのクリーニング工程、保護層形成後に行われる微小突起を除去するクリーニング工程等を挙げることができる。クリーニングの方法には、超純水によるシャワーリング、浸漬洗浄、或いは、回転するディスク表面に研磨粒子を担持した、又は担持しない研磨テープを接触させるテープクリーニング等が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−312817号公報
このようなクリーニング工程において異物や突起は、洗浄液とともに流れる、テープに絡まる、ディスクの回転により飛ばされる等によってディスク表面から除去される。
しかし、磁気ディスクの高記録密度化に伴い微小な異物や突起の存在も許容されなくなってきている。例えば、高記録密度化に伴い微小異物でもエラーが発生しやすくなり、また磁気ヘッドの浮上高さが低くなり、微小異物や微小突起であってもヘッドの浮上特性を悪化させる要因となる。すなわち、除去すべき異物の大きさも非常に小さくなりつつある。しかしながら、異物は小さくなるほどディスク表面からスムースに離れずに付着しやすく、その除去は困難になってきている。
また、テクスチャー工程は研削工程であるので不均一な加工が施されてしまうと、スクラッチと呼ばれる円周方向に線状の深い傷が発生してしまう。このようなスクラッチもエラーとなってしまうため、スクラッチの低減が要望されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、磁気記録媒体の表面に存在する異物や突起を効果的に除去できるようにすることにより、エラーが少なく、かつヘッドの浮上特性に優れた磁気記録媒体を歩留まり良く製造できる磁気記録媒体の製造方法の提供を目的の一つとする。
また、テクスチャー工程において均一な加工を施すことが可能で、しかもスクラッチを低減できるようにすることにより、エラーが少なく、かつヘッドの浮上特性に優れた情報記録媒体を歩留まり良く製造する方法を提供することを目的の一つとする。
また、磁気記録媒体の表面に存在する異物や突起が効果的に除去され、エラーが少なく、かつヘッドの浮上特性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的の一つとする。
また、テクスチャー工程において均一な加工が施され、しかもスクラッチが低減されており、エラーが少なく、かつヘッドの浮上特性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的の一つとする。
上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明者は、大気圧近傍の圧力下で発生するグロー放電プラズマによって活性化された処理ガスを用いて、非磁性基板を表面処理することにより、非磁性基板の濡れ性を向上させ、均一なテクスチャー加工を実施でき、そればかりではなく、良好なクリーニングも実現できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1) 非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護膜層、潤滑剤層を順次積層する磁気記録媒体の製造方法において、大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化されたガスを用いて非磁性基板を表面処理することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(2) 前記プラズマがグロー放電プラズマであることを特徴とする前項(1)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(3) 前記磁気記録媒体の製造方法が前記非磁性基板にテクスチャー加工を施すテクスチャー加工工程を備え、該テクスチャー加工工程前に前記活性化されたガスを用いて前記非磁性基板の表面処理を行うことを特徴とする前項(1)又は(2)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(4) 前記磁気記録媒体の製造方法が前記非磁性基板のクリーニング工程を備え、前記クリーニング工程前及び/又はクリーニング工程後に前記活性化されたガスを用いて前記非磁性基板の表面処理を行うことを特徴とする前項(1)乃至(3)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(5) ガスが、窒素、酸素、アルゴンからなる群から選ばれる何れか1種以上を含むことを特徴とする前項(1)乃至(4)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(6) 前記大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマが、対向する電極間に電界を印加することにより発生するプラズマであることを特徴とする前項(1)乃至(5)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(7) 前記対向する電極を前記非磁性基板に対して垂直から1度〜45度傾けて配置することを特徴とする前項(6)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(8) 前記対向する電極を前記非磁性基板に対して垂直に配置することを特徴とする全項(6)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(9) 前記対向する電極間に前記非磁性基板を配置して前記表面処理を行うことを特徴とする前項(6)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(10) 前記非磁性基板の両面に前記活性化されたガスを用いる表面処理を同時に行うことを特徴とする前項(1)乃至(9)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(11) 前記非磁性基板が、ガラス基板、シリコン基板から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする前項(1)乃至(10)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(12) 前記非磁性基板が、Al、Al合金、ガラス、シリコンから選ばれるいずれか1種からなる基体の表面に、NiP又はNiP合金からなる膜を形成したものであることを特徴とする前項(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(13) 前項(1)乃至(12)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法により製造した磁気記録媒体。
(14) 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、前記磁気記録媒体が前項(13)に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
(15) 大気圧近傍の圧力下で、対向する電極間に電界を印加することによりプラズマを発生させて活性化したガスを形成し、活性化したガスを非磁性基板の表面に照射する機能を有することを特徴とする表面処理装置。
テクスチャー加工とは、上記非磁性基板の表面に固定砥粒および/または遊離砥粒を用いた機械的加工により円周方向に高密度な線状の加工を施すことである。例えば、基板の表面に研磨テープを押し付け接触させ、基板と研磨テープとの間に研磨砥粒を含む研磨スラリーを供給して、基板を回転させると供に、研磨テープを送ることによるテクスチャー加工をおこなう。上記研磨スラリーは研磨砥粒を含む水溶性の溶液である。そのために、加工される非磁性基板の表面の濡れ性が悪いと、研磨スラリーは非磁性基板の表面に均一に行き渡らず、このことにより、不均一な加工が発生してしまいスクラッチが多数発生することになる。したがって、非磁性基板の表面の濡れ性を改善することはスクラッチの低減、ひいては、エラー低減につながる。本発明では大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化された処理ガスを用いて、非磁性基板を表面処理することにより、非磁性基板の濡れ性を向上できるので、テクスチャー工程において均一な加工を施すことができ、スクラッチを低減できる。
クリーニング工程においては、微小な異物を除去するために、ロールブラシやカップブラシを用いてスクラブ洗浄を実施することが良く行われている。スクラブ洗浄は純水あるいは水溶性の洗剤と合わせて微小な異物を除去している。そのために、洗浄される非磁性基板の濡れ性が悪いと、純水あるいは水溶性の洗剤が非磁性基板の表面に行き渡らず、このことにより、不均一な洗浄となってしまい、均一な洗浄効果を期待できない。したがって、非磁性基板の表面の濡れ性を改善することは均一な洗浄効果をあげること、ひいては、エラー低減につながる。従来の方法では非磁性基板の表面の濡れ性を改善するために、アルカリ洗剤あるいは中性洗剤が用いられているが、これらの方法は、表面をエッチングして表面の濡れ性を改善しているために、非磁性基板の表面にピットが発生しやすく、このピットがエラーとなってしまう問題点を含んでいる。本発明では大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化された処理ガスを用いて、非磁性基板を表面処理することにより、非磁性基板の表面にピットを生じることなく、非磁性基板の濡れ性を向上できるので、ピットに起因するエラーを防止できる。
スクラブ洗浄は、微小な異物を除去することには効果的であるが、薄く付着した有機質の汚れを除去することには不向きである。近年の高記録密度化の進展により、このような有機物残渣も無視できなくなってきている。このような有機物残渣を除去するためには、有機物を分解除去することが有効である。本発明では大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化された処理ガスを用いて、非磁性基板を表面処理することにより、有機物残渣は分解されてHO,COとなって気化蒸発してしまうので、有機物残渣を除去に非常に有効な手段となりうる。従って、本発明によれば、有機物残渣に起因するエラーを防止でき、ヘッドの浮上特性を向上できる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、磁気記録媒体の表面に存在する異物や突起を効果的に除去できるので、エラーが少なく、かつヘッドの浮上特性に優れた磁気記録媒体を歩留まり良く製造できる。
また、テクスチャー加工工程の前に上記活性化されたガスを用いて上記非磁性基板の表面処理を行うようにすることにより、テクスチャー工程において均一な加工を施すことが可能で、しかもスクラッチを低減でき、これによってエラーが少なく、かつヘッドの浮上特性に優れた情報記録媒体を歩留まり良く製造できる。
また、本発明の磁気記録媒体は、本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造されたものであるので、磁気記録媒体の表面に存在する異物や突起が効果的に除去され、エラーが少なく、かつヘッドの浮上特性に優れる。
また、本発明の磁気記録媒体は、テクスチャー加工工程の前に上記活性化されたガスを用いて上記非磁性基板の表面処理を行うことにより製造されたものであるので、テクスチャー工程において均一な加工が施され、しかもスクラッチが低減されており、エラーが少なく、かつヘッドの浮上特性が優れる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示す断面図である。
本実施形態の磁気記録媒体は、非磁性基板1上に、下地層2、中間層3、磁性層4、保護膜層5が順次積層され、最上層に潤滑剤層6が設けられて構成される。
非磁性基板1の材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属材料、ガラス、セラミック、チタン、カーボン、シリコンなどの無機材料を用いることができる。また、非磁性基板1は、上記金属材料又は上記無機材料からなる基体と、この基体表面にNiP、NiP合金、他の合金から選ばれる1種以上からなる膜をメッキ、スパッタ法などにより蒸着させて形成した表面層から構成されたものであってもよい。
非磁性基板1は、大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化されたガス(処理ガス)を用いる表面処理が施されている。
下地層2の材料としては、Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si、MnおよびVから選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなるCr合金、またはCrを用いることができる。
下地層2を多層構造の非磁性下地層とする場合には、非磁性下地層を構成する構成層のうち少なくとも1つを上記Cr合金またはCrで構成することができる。
上記非磁性下地層は、NiAl系合金、RuAl系合金、またはCr合金(Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,SiおよびVから選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなる合金)で構成することもできる。
また、非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する構成層のうち少なくとも1つをNiAl系合金、RuAl系合金、または上記Cr合金で構成することができる。
中間層3の材料としては、Co合金のエピタキシャル成長を助長する目的として、Coを主原料としたCo合金であって、hcp構造である非磁性材料とするのが好ましい。例えば、Co−Cr系、Co−Cr−Ru系、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Zr系合金から選ばれた何れか1種を含むものとするのが好ましい。
磁性層4の材料としては、Coを主原料としたCo合金であって、hcp構造である材料とするのが好ましい。例えば、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Pt系、Co−Cr−Pt−Ta系、Co−Cr−Pt−B系、Co−Cr−Pt−B−Cu系合金から選ばれた何れか1種を含むものとするのが好ましい。
保護膜層5としては、プラズマCVD法により形成されたCVDカーボン、非晶質カーボン、含水素カーボン、含窒素カーボン、含フッ素カーボンなどのカーボン系材料、シリカ、ジルコニアなどのセラミック系材料を用いることができる。なかでも、硬く緻密なCVDカーボンが、耐久性の面ばかりでなく経済性、生産性などの面から好適に用いられる。保護膜層5の膜厚は、薄いと耐久性が低下し、厚いと記録再生時の損失が大きくなるため、10〜150Å(1〜15nm)、好ましくは20〜60Å(2〜6nm)に設定される。
最上層である潤滑剤層6は、重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物の重合物を含むものである。重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物としては、主鎖であるパーフロロポリエーテルの少なくとも一端に、重合性を有する不飽和結合を持つ有機基が結合されてなる化合物を挙げることができる。
本実施形態の磁気記録再生装置は、上記処理ガスにより表面処理が施された非磁性基板1を有する上記実施形態の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとが備えられてものである。
大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化されたガスを用いる非磁性基板の表面処理は以下の3工程に適用することができる。
(1)テクスチャー加工工程の前処理
(2)クリーニング工程の前処理
(3)クリーニング工程の後処理
上記(1)テクスチャー工程の前処理、及び(2)クリーニング工程の前処理は、濡れ性を向上させることを目的としている。また、上記(3)クリーニング工程の後処理は有機物残渣を除去することを目的としている。
上記処理ガスを用いる表面処理からテクスチャー加工工程までの待機時間は48時間以内であることが好ましい。48時間を越えると濡れ性が劣化してくるので好ましくない。
上記処理ガスを用いる表面処理からクリーニング工程までの待機時間は48時間以内であることが好ましい。48時間を越えると濡れ性が劣化してくるので好ましくない。クリーニング工程から上記処理ガスを用いる表面処理までの待機時間は24時間以内であることが好ましい。24時間をこえると浮遊有機物の再付着量が増加するので好ましくない。
なお、上記処理ガスを用いる表面処理は、クリーニング工程の途中に行ってもよい。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法の例について説明する。
まず、上記材料からなる非磁性基板1の表面にテクスチャー加工を施すテクスチャー加工工程を行った後、クリーニング工程を行う。このテクスチャー加工工程の前に非磁性基板1に上記処理ガスを用いる表面処理を施してもよく、また、クリーニング工程の前及び/又は後で非磁性基板1に上記処理ガスを用いる表面処理を施してもよく、あるはテクスチャー加工工程の前と、クリーニング工程の前及び/またはクリーニング工程の後で上記処理ガスを用いる表面処理を施してもよい。
ついで、上記表面処理が施された非磁性基板1上に下地層2、中間層3、磁性層4、保護膜層5、潤滑剤層6を順次形成する。
上記プラズマは、グロー放電プラズマであることが好ましい。
非磁性基板1にテクスチャー加工を施すことは必ずしも必要ではないが、磁性層4が磁気異方性を持ち、磁気ヘッドと磁気記録媒体との吸着を防止でき、且つCSS特性が改善され、更に磁気異方性が良好となる理由でテクスチャー加工を実施した方が好ましい。
ここでのテクスチャー加工は、非磁性基板の表面に固定砥粒および/または遊離砥粒を用いた機械的加工により円周方向にテクスチャーを施す。例えば、基板1の表面に研磨テープを押し付け接触させ、基板と研磨テープとの間に研磨砥粒を含む研磨スラリーを供給して、基板1を回転させるとともに、研磨テープを送ることによるテクスチャー加工をおこなう。
上記基板の回転数は、200rpm〜1000rpmの範囲内とすることができる。上記研磨スラリーの供給量は、10ml/分〜100ml/分の範囲内とすることができる。上記研磨テープの送り速度は、1.5mm/分〜150mm/分の範囲内とすることができる。上記研磨スラリーに含まれる砥粒の粒径は、D90(累積質量%が90質量%に相当する時の粒径値)で0.05μm〜0.3μmとすることができる。上記研磨テープの押し付け力は1kgf〜15kgf(9.8N〜147N)の範囲内とすることができる。
テクスチャーが表面に形成された非磁性基板1の表面平均粗さRaは、0.1nm〜1nm(1Å〜10Å)、好ましくは0.2nm〜0.8nm(2Å〜8Å)の範囲内とするのが望ましい。
オッシレーションを加えたテクスチャー加工を施すことができる。上記オッシレーションとは、研磨テープを基板1の円周方向に走行させると同時に、研磨テープを基板1の半径方向に揺動させる操作のことである。オッシレーションの条件は60回/分〜1200回/分とするのが好ましい。
テクスチャー加工工程前に、大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化された処理ガスを用いて非磁性基板1を表面処理することにより、非磁性基板1の濡れ性を向上できるので、テクスチャー工程において均一な加工を施すことができ、スクラッチを低減できる。
非磁性基板1の洗浄(クリーニング)は、主としてアルカリ洗剤あるいは中性洗剤の浸漬、スクラブ洗浄、純水により振り切り乾燥あるはIPAベーパー乾燥により構成される。アルカリ洗剤あるいは中性洗剤の浸漬とスクラブ洗浄の順番はどちらでも構わないが、非磁性基板1の濡れ性を向上させるためには、アルカリ洗剤あるいは中性洗剤の浸漬が先の方が好ましい。ただし、本発明に係わる上記表面処理を用いることにより濡れ性は向上するので、この順番にこだわる必要性はない。
また、クリーニング工程前に非磁性基板1に上記処理ガスを用いる表面処理を施すことにより濡れ性は向上するので、アルカリ洗剤あるいは中性洗剤は不要かあるいは濃度を大幅に低減してピットの発生を抑制することができ、ピットに起因するエラーを防止できる。スクラブ洗浄はカップブラシまたはロールブラシを用いることが好ましい。カップブラシまたはロールブラシの回転数は100〜500rpmであることが好ましい。100rpm以下であると洗浄効果が弱く、500rpmを超えるとディスク駆動部(磁気記録媒体駆動部)と磁気ディスク(磁気記録媒体)との間の摩擦が大きくなり駆動部における発塵が多くなり好ましくない。純水により振り切り乾燥はディスク回転数が3000〜6000rpmで行うことが好ましい。3000rpm未満では遠心力が十分ではなく十分に水切りができない。また、6000rpmを超えても乾燥効果は変化しないので回転駆動部への負荷を必要以上に増やす必然性はない。
クリーニング工程後に上記処理ガスを用いて非磁性基板1を表面処理することにより、有機物残渣は分解されてHO,COとなって気化蒸発してしまうので、有機物残渣の除去効果を向上でき、有機物残渣に起因するエラーを防止でき、ヘッドの浮上特性を向上できる。
本実施形態の表面処理に用いられる表面処理装置としては、大気圧近傍付近の圧力下で安定にプラズマを発生することができるプラズマ発生ユニットを用いることができる。例えば、常圧プラズマ表面改質ユニット(積水化学製)や大気圧プラズマクリーニングヘッド(松下電工製)などを用いることができる。
大気圧近傍付近の圧力下とは、1.3×10〜13×10Paの圧力を指す。とりわけ、大気圧付近の9.9×10〜10.3×10Paで使用することが、圧力調整が容易であり、装置構成が簡便になるので好ましい。
本実施形態のプラズマ発生ユニットを、図2を用いて説明する。
図2のプラズマ発生ユニットは、主として、対向する一対の電極板(対向する電極)21a,21b、電極板21a,21b間にガスを供給するためのガス導入口22、対向電極間に電界を印加するパルス電源23、非磁性基板1を保持するための基板ホルダ26によって構成される。
このプラズマ発生ユニットは、大気圧近傍の圧力下で、一対の電極板21a,21b間に電界を印加することによりプラズマを発生させて活性化したガスを形成し、活性化したガスを非磁性基板1の表面に照射する機能を有している。
各電極板の材料としては、鉄、銅、アルミニウム、およびそれらの合金のいずれかが用いられる。対向電極間距離は、0.1〜50mmが好ましいが、プラズマ放電の安定性を考慮すると0.1〜5mmがより好ましい。
電極板21a,21b間にかける電界としては、パルス波、高周波、マイクロ波などが用いられるが、電界の印加時間を調整できるパルス波を用いることがより好ましい。パルス波の周波数は、1〜500kHz、とりわけ、1〜50kHzにすることがプラズマ放電の安定性を考慮すると好ましい。電界の印加時間すなわちパルス波の継続時間は、0.5〜200μsecであることが好ましい。0.5μsec未満であるとプラズマ放電が立たず、200μsecを超えるとアーキングが発生しやすくなるので好ましくない。
電極板21a,21b間に供給されるガスとしては、窒素、酸素、アルゴン、又は、それらの混合ガスをもちいることが好ましい。大気圧近傍付近の圧力下で用いるために、ガスの消費量は大きいので、廉価である窒素、酸素または、窒素と酸素の混合ガスを用いることがより好ましい。
図2においては、一対の電極板21a,21bは表面処理前の非磁性基板1に対して垂直に配置される。プラズマは電極間で発生するが、広がりをもっているので電極間からはみだした部分にもプラズマ状態が発生している。対向する電極板の一方の端部と非磁性基板1までの距離Lは、0.1〜5mmにすることが好ましい。0.1mm未満であると非磁性基板1は電極板にぶつかってしまう恐れがあるので好ましくない。5mmを超えるとプラズマが広がりすぎて効果が大幅に低下するので、表面処理の効果が得られない。大気圧近傍の圧力下で、一対の電極板21a,21b電極間に供給されたガスはこの電極間に発生プラズマによって活性化されて処理ガスとされ、この処理ガスは分子密度が極めて高いために、分子同士の衝突が頻繁に生じ活性が低下し、非磁性基板の表面処理に用いることにより、非磁性基板の濡れ性を向上させ、均一なテクスチャー加工を実施でき、そればかりではなく、良好なクリーニングも実現できる。
磁気記録媒体(磁気ディスク)は両表面を使用するために、搬送方法は、この基板の両表面に接触しない搬送方法を用いることが好ましい。したがって、非磁性基板1の内端あるいは外端をもって搬送することが好ましい。搬送速度は10〜2000mm/分にすることが好ましい。高スループット化、表面処理の効果を考慮すると100〜1000mm/分にすることがより好ましい。搬送方法は、基板1が移動しても、プラズマ発生ユニットが移動しても、いずれも可能である。基板1が移動する搬送方法としては、例えば、基板ホルダ26として上下に昇降可能な機能を有するものを用いることにより、基板1を移動させ、処理ガスで非磁性基板表面を順次処理するようにしてもよい。
磁気記録媒体は両表面を使用するため、図3に示すように、基板1の両側に上記と同様のプラズマ発生ユニットを配置し、大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化されたガスを用いる表面処理を基板1の両面に施すことが好ましい。
基板1の内端あるいは外端をもって搬送する場合、基板1の内端あるいは外端がホルダ26の影に隠れてしまい、隠れてしまった場所には表面処理効果が低くなる恐れがある。これを防止するためには、図4に示すように対向する一対の電極板21a,21bが非磁性基板1に対して垂直から1〜45度傾いて配置されることが好ましい。なお、図4は非磁性基板1の外端をもって搬送する場合の装置例を示している。
対向する一対の電極板21a,21bを非磁性基板1に対して垂直から1度〜45度傾けて配置し処理表面処理を行うと、プラズマは基板1に対して斜めに照射されるために、ホルダ26の影になった部分にもプラズマにより活性化された処理ガスが当たる。この場合においても、図5に示すように非磁性基板1の両側にプラズマ発生ユニットを配置することが好ましい。
図6に示すように、対向する一対の電極板21a,21b間に非磁性基板1を通過させることにより、基板1の両面に表面処理することも可能である。この場合、プラズマ密度が高いのでより強い表面処理を施すことができる。
なお、図2〜図6中、符号27は非磁性基板1の進行方向(移動方向)である。
上記構成のプラズマ発生ユニット(表面処理装置)は、テクスチャー装置内及び/又はクリーニング装置内に組み込み、あるいはテクスチャー装置と別個に設ける、あるいはクリーニング装置と別個に設けてもいずれでもかまわない。
(比較例1)
基板としてはNiPメッキ膜を有するアルミニウム合金基板(直径95mm、内径25mm、板厚1.27mm)を使用した。
最初に上記基板にテクスチャー加工工程を施した。テクスチャー加工の条件は以下の通りである。スラリーに含まれる砥粒は、D90が0.15μmのダイアモンド砥粒を使用した。スラリーは50ml/分で加工が開始される前に2秒間滴下した。研磨テープにはポリエステル製の織物布を使用した。研磨テープの送りは75mm/分とした。基板の回転数は600rpmとした。基板の揺動は120回/分とした。テープの押し付け力は2.0kgf(19.6N)とした。加工時間は10秒とした。基板表面を、Degital Instrument社製AFMで測定したところ、平均粗さRaが4オングストローム(0.4nm)であった。
次いで、上記基板にクリーニング工程を実施した。クリーニング工程は、純水シャワーでリンスした後、純水にノニオン系界面活性剤(中性洗剤)を5重量%溶かした浸漬層に10分間浸漬させた。その後、純水シャワーでリンスした後、スクラブ洗浄を実施した。
ポリウレタン系の複合素材からなるカップブラシを回転数300rpmにて、基板に押し当てて洗浄を実施した。その後、純水シャワーでリンスした後、4000rpmの純水にて振り切り乾燥を実施した。
次いで、この基板をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社(日本)製C3010)内にセットした。真空到達度を2×10−7Torr(2.7×10−5Pa)まで排気した後、基板を250℃に加熱した。加熱後、上記基板上に非磁性下地層として、Crからなるタ−ゲットを用いて5nm積層した。さらに、非磁性下地層として、Cr−Mo合金(Cr:80at%、Mo:20at%)からなるタ−ゲットを用いて厚さが5nmになるように積層した。さらに、この非磁性下地層上に非磁性中間層として、Co―Cr合金(Co:65at%、Cr:35at%)からなるタ−ゲットを用いて厚さが2nmになるように積層した。さらに、この非磁性中間層上に磁性層として、Co−Cr−Pt−B合金(Co:60at%、Cr:22at%、Pt:12at%、B:6at%)からなるタ−ゲットを用いてCoCrPtB合金層を20nmの膜厚になるように形成し、ついでプラズマCVD装置を用いてCVDカーボンからなる保護膜を5nmの膜厚になるように積層した。成膜時のAr圧は3mTorr(0.4Pa)とした。
ついで、パ−フルオロポリエ−テルからなる潤滑剤を0.05重量%に調整して、ディッピング法により引き上げ速度3mm/secで上記保護膜の表面に塗布した。なお、この際の溶媒はフッ素系溶剤AK225(旭硝子製)を使用した。
上記のようにして、比較例1の磁気記録媒体を得た。
(実施例1〜17)
テクスチャー加工工程の前処理として本発明に係わる処理ガスを用いる表面処理を施した以外は、比較例1と同様にして磁気記録媒体(実施例1〜17)を得た。ここでの表面処理条件を表1に示す。
(実施例18〜22)
クリーニング工程の後、上記処理ガスを用いる表面処理を施した以外は、比較例1と同様にして磁気記録媒体(実施例18〜22)を得た。ここでの表面処理条件を表2に示す。
(実施例23〜27)
テクスチャー加工の後、クリーニング工程の前処理として上記処理ガスを用いる表面処理を施し、さらに、クリーニング工程の後、上記処理ガスを用いる表面処理を施した以外は、比較例1と同様にして磁気記録媒体(実施例23〜27)を得た。ここでの表面処理条件を表3に示す。
(比較例2)
ガラス基板には日本板硝子製アモルファスガラスGD−7を使用した。ガラス基板のサイズは外径65mm、内径20mm、板厚0.635mmであった。
最初に上記基板にクリーニング工程を実施した。クリーニング工程は、純水シャワーでリンスした後、純水にアルカリ洗剤を5重量%溶かした浸漬槽に10分間浸漬させた。その後、純水シャワーでリンスした後、スクラブ洗浄を実施した。ポリウレタン系の複合素材からなるカップブラシを回転数300rpmにて、基板に押し当てて洗浄を実施した。
その後、純水シャワーでリンスした後、4000rpmの純水にて振り切り乾燥を実施した。
次いで、上記基板をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社(日本)製C3010)内にセットした。真空到達度を2×10−7Torr(2.7×10−5Pa)まで排気した後、配向調整膜として、Co−W合金(Co:50at%、W:50at%)からなるターゲットも用いて常温にて5nm積層した。
次いで、この基板を250℃に加熱した。加熱後、酸素暴露を0.05Paで5秒間実施した。ついで、この基板上に非磁性下地層として、Cr−Ti―B合金(Cr:83at%、Ti:15at%、B:2at%)からなるタ−ゲットを用いて厚さが8nmになるように積層した。次いで、この非磁性下地層上に非磁性中間層として、Co―Cr合金(Co:65at%、Cr:35at%)からなるタ−ゲットを用いて厚さが2nmになるように積層した。ついで、この非磁性中間層上に磁性層として、Co−Cr−Pt−B合金(Co:60at%、Cr:22at%、Pt:12at%、B:6at%)からなるタ−ゲットを用いてCoCrPtB合金層を20nmの膜厚になるように形成し、ついで保護膜(カ−ボン)を5nmの厚さになるように積層した。成膜時のAr圧は3mTorr(0.4Pa)とした。その後、パ−フルオロポリエ−テルからなる潤滑剤を0.05重量%に調整して、ディッピング法により引き上げ速度3mm/secで上記保護膜の表面に塗布した。なお、このときの溶媒はフッ素系溶剤AK225(旭硝子製)を使用した。
上記のようにすることにより、比較例2の磁気記録媒体を得た。
(実施例28〜32)
クリーニング工程の前処理として上記処理ガスを用いる表面処理を施した以外は、比較例2と同様にして磁気記録媒体を得た(実施例28〜32)。ここでの表面処理条件を表4に示す。
(実施例33〜37)
クリーニング工程の前処理として上記処理ガスを用いる表面処理を施し、さらに、クリーニング工程で用いるアルカリ洗剤を純水に変えた以外は、比較例2と同様にして磁気記録媒体を得た(実施例33〜37)。ここでの表面処理条件を表5に示す。
上記の各実施例において、プラズマ発生ユニット(表面処理装置)には、常圧プラズマ表面改質ユニット(積水化学製)を用いて、図2に示す形態で非磁性基板に処理ガスによる表面処理を施した。搬送速度(基板移動速度)、N流量、O流量、対向電極の一方の端部(非磁性基板に近い方の端部)から非磁性基板までの距離を変化させた。
以上の実施例、比較例の磁気記録媒体を、その後、グライドテスタ−を用いて、テスト条件のグライド高さを0.4μインチとして、グライドテストを行ない、合格した磁気記録媒体のエラー検査を実施した。
エラーテストはR/Wテスターにて実施した。検査用ヘッドにはギャップ長0.3μmのヘッドを用いた。記録周波数は250kFCIとした。エラーは出力が基準値に対して±30%を超えた箇所とし、エラー数は1ビット長(0.1μm)を1個としてカウントした。エラー検査は、実施例1〜27、比較例1については、半径20mm〜45mmまでとし、実施例28〜37、比較例2については、半径15mm〜30mmまでとし、それぞれ1μmピッチにて実施しエラー数を算出した。
また、各実施例について表面処理前後の接触角を水接触角計にて測定した。また、比較例について接触角を水接触角計にて測定した。
Figure 2006085889
Figure 2006085889
Figure 2006085889
Figure 2006085889
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表1に示した結果から分かるように、本発明に係わる処理ガスを用いる表面処理を施すことにより、大幅に接触角が改善している。その結果として、テクスチャー均一になりエラー数の大幅な削減となっている。
また、表2に示した結果から分かるように、クリーニング工程後の表面処理もエラー数低減に大きな効果を示している。
さらに、表3に示した結果から分かるように、テクスチャー加工工程前の表面処理とクリーニング工程後の表面処理を合わせて実施したほうがさらに効果が高くなっている。
また、表4に示した結果から分かるように、クリーニング工程前の表面処理もエラー数低減に大きな効果を示している。
さらに、アルカリ洗剤から純水に浸漬に変えることより、エラー数がより低減していることが表5の結果より分かる。
以上の結果から、大気圧近傍の圧力下で非磁性基板をプラズマによって処理することにより、非磁性基板の濡れ性を向上させ、均一なテクスチャー加工を実施でき、そればかりではなく、良好なクリーニングも実現できることがわかる。さらに、クリーニング後の有機残渣の低減にも効果を発揮していることがわかる。
図1は、本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示す断面図。 図2は、本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるプラズマ発生ユニットの一実施形態を示す概略構成図。 図3は、本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるプラズマ発生ユニットの他の実施形態を示す概略構成図。 図4は、本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるプラズマ発生ユニットの他の実施形態を示す概略構成図。 図5は、本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるプラズマ発生ユニットの他の実施形態を示す概略構成図。 図6は、本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるプラズマ発生ユニットの他の実施形態を示す概略構成図。
符号の説明
1・・・非磁性基板、2・・・下地層、3・・・中間層、4・・・磁性層、5・・・保護膜層、6・・・潤滑剤層、21a,21b・・・電極板、22・・・ガス導入口、23・・・パルス電源、24・・・プラズマ、26・・・基板ホルダ

Claims (15)

  1. 非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護膜層、潤滑剤層を順次積層する磁気記録媒体の製造方法において、大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマによって活性化されたガスを用いて非磁性基板を表面処理することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記プラズマがグロー放電プラズマであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記磁気記録媒体の製造方法が前記非磁性基板にテクスチャー加工を施すテクスチャー加工工程を備え、該テクスチャー加工工程前に前記活性化されたガスを用いて前記非磁性基板の表面処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記磁気記録媒体の製造方法が前記非磁性基板のクリーニング工程を備え、前記クリーニング工程前及び/又はクリーニング工程後に前記活性化されたガスを用いて前記非磁性基板の表面処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. ガスが、窒素、酸素、アルゴンからなる群から選ばれる何れか1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記大気圧近傍の圧力下で発生するプラズマが、対向する電極間に電界を印加することにより発生するプラズマであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記対向する電極を前記非磁性基板に対して垂直から1度〜45度傾けて配置することを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記対向する電極を前記非磁性基板に対して垂直に配置することを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 前記対向する電極間に前記非磁性基板を配置して前記表面処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  10. 前記非磁性基板の両面に前記活性化されたガスを用いる表面処理を同時に行うことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  11. 前記非磁性基板が、ガラス基板、シリコン基板から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  12. 前記非磁性基板が、Al、Al合金、ガラス、シリコンから選ばれるいずれか1種からなる基体の表面に、NiP又はNiP合金からなる膜を形成したものであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  13. 請求項1乃至12の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法により製造した磁気記録媒体。
  14. 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、前記磁気記録媒体が請求項13に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  15. 大気圧近傍の圧力下で、対向する電極間に電界を印加することによりプラズマを発生させて活性化したガスを形成し、活性化したガスを非磁性基板の表面に照射する機能を有することを特徴とする表面処理装置。

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