JPH0997417A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0997417A
JPH0997417A JP25335595A JP25335595A JPH0997417A JP H0997417 A JPH0997417 A JP H0997417A JP 25335595 A JP25335595 A JP 25335595A JP 25335595 A JP25335595 A JP 25335595A JP H0997417 A JPH0997417 A JP H0997417A
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JP
Japan
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film
electroless
substrate
plating film
plating
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JP25335595A
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Yuzo Yamamoto
裕三 山本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気特性、例えば保磁力に優れ、高密度記録
に対応でき、且つ特にCSS耐久性に優れるハードディ
スク等の磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非金属性基板と、該基板上に設けられた
0.01〜1μm厚さの無電解Ni系めっき膜と、この
無電解Ni系めっき膜上に設けられた磁性膜とを具備
し、無電解Ni系めっき膜がテクスチャー処理された磁
気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等の外部
記憶装置に使用される磁気ディスク等の磁気記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
コンピュータの外部記憶装置に用いられている磁気ディ
スクは、情報量の増大により、その大容量化/高記録密
度化が要請されている。ところで、一般に、線記録密度
と磁気記録媒体の保磁力Hc、残留磁束密度Br、磁性
膜厚tの間には次式の関係がある。 線記録密度∝Hc/Br×t 従って、記録密度を高める為には、保磁力Hcを高める
ことが必要となる。このHcが高い磁性膜を有する磁気
記録媒体は、例えば蒸着やスパッタなどの乾式めっき手
段で作製されている。
【0003】例えば、特開平4−159290号公報に
示される如く、所定の温度に加熱したカーボン製の基板
に負のバイアス電圧を印加しつつ、スパッタにより前記
基板にCo系合金磁性膜を設ける技術が提案されてい
る。しかしながら、この技術では、Hcはせいぜい16
00Oe程度であり、1800Oe以上のHcが要請さ
れている今日では満足できない。
【0004】又、特開平4−221418号公報に示さ
れる如く、磁性膜を構成する材料として、CoCrP
t,CoNiPt,CoCrPtTa,CoCrPt
B,CoNiCrPt等のCoPt系合金を用いること
が提案されている。しかしながら、この技術は、高価な
貴金属Ptの組成比率を高くせざるを得ず、コストが高
く付く。
【0005】又、特開昭62−234232号公報の実
施例中には、表面粗さRa(中心線平均粗さ)が200
nm程度のカーボン基板上にPd活性化処理した後、厚
さが20μm程度の無電解NiPめっき膜を設け、この
上に電気めっきによりCoNiP磁性膜を設けた磁気記
録媒体が開示されている。
【0006】ところで、本発明者たちも、カーボン基板
上に厚さが20μm程度の無電解NiPめっき膜を設
け、この上にスパッタリングによりCoCr系磁性膜を
設けた磁気記録媒体を試作した。しかしながら、この磁
気記録媒体は、めっき膜の耐久性に乏しく、又、特性も
満足できるものではなかった。
【0007】一方、カーボン基板は、従来汎用されてい
たアルミニウム合金製基板に比べて耐熱性が非常に良好
であり、加えて耐腐性や耐候性が良好であるため、ディ
スク基板として非常に有用なものであるが、表面プロフ
ィールによって最終製品である磁気ディスクの記録・再
生特性に大きな差が生じることが判明している。この問
題に対して、従来アルミニウム合金基板において行なわ
れていたテクスチャー処理をカーボン基板に施すことが
検討されたが、アルミニウム合金基板とカーボン基板の
性質が異なるため、単にテクスチャー処理を施しても十
分な再生特性、消去特性が得られないのが現状であっ
た。
【0008】また、カーボン基板は脆性材料であるた
め、研磨テープによるテクスチャー処理を施すと、脆性
破壊を伴う大きなスクラッチ(引っ掻き)傷が発生する
ことがあり、エラーの原因となることが多い。このた
め、カーボン基板にテクスチャー処理を施す方法では、
ディスク表面の突起密度を十分に形成できず、CSS耐
久性、特にヘッドとのスティクションを抑えることが難
しかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、下地膜である無電解
NiPめっき膜が厚すぎて、NiPめっき膜の応力歪み
が大きくなり、これによって膜が剥離し易くなっている
ことがわかった。更に、無電解NiPめっき膜の厚さを
種々変えた実験を行った。すなわち、厚さが20μm、
10μm、5μm、0.5μm、0.3μm、0.1μ
m等の無電解NiPめっき膜をカーボン基板上に成膜し
た。この結果、従来の無電解NiPめっき膜の厚さより
も一桁以上薄い厚さにすると、めっき直後のみならず、
磁性膜が成膜される温度、例えば260℃程度に加熱し
た後でも、無電解NiPめっき膜の密着性が優れたもの
となることが判明した。
【0010】次に、無電解NiPめっき膜をこのように
薄くすると、保磁力Hcが向上しないのではないかとの
懸念があったが、予想に反してHcも満足できるもので
あった。又、無電解NiPめっき膜を0.5μm程度に
薄くすると、成膜に要する時間が格段に短くなるので、
製造能率が向上し、製造コストも低下する。
【0011】このような知見を基にして本発明が達成さ
れたものであり、本発明の目的は、磁気特性、例えば保
磁力に優れ、高密度記録に対応でき、かつ、耐久性に優
れる磁気記録媒体を提供することである。更に、テクス
チャー処理をカーボン基板等の非金属性基板表面に直接
施すのではなく、無電解Ni系めっき膜を形成した後に
行なうことにより、CSS耐久性が格段に向上すること
が見出された。
【0012】すなわち本発明は、非金属性基板と、当該
基板上に設けられた0.01〜1μm厚さの無電解Ni
系めっき膜と、この無電解Ni系めっき膜上に設けられ
た磁性膜とを具備し、前記無電解Ni系めっき膜がテク
スチャー処理されていることを特徴とする磁気記録媒体
を提供するものである。
【0013】尚、無電解Ni系めっき膜の下に、例えば
20〜200nm厚さのカーバイド形成金属膜、および
/または、例えば20〜200nm厚さのインジウムス
ズオキサイド(ITO)膜を設けておくことが好まし
い。又、無電解Ni系めっき膜を設ける前に表面にPd
を介在させておくことが好ましい。
【0014】本発明に用いられる非金属性基板として
は、例えば、カーボン(特公昭63−46004号公
報、特開平3−11005号公報など)、強化ガラス、
結晶化ガラス、セラミックス、樹脂、あるいは前記材料
の複合材料が挙げられる。中でも、カーボン、特にガラ
ス状カーボンは、本発明の効果が最もよく発現するので
好ましい。また、耐熱性、スパッタによって磁性層など
を設ける際の加熱によるガス発生が少ないことからも本
発明には最も好ましい。又、非金属性基板の表面粗さ
(中心線平均粗さ)Raは0.2〜2nmであることが
好ましい。非金属性基板の表面を、その表面粗さRaが
2nm以下にするには、各種の手段を採用することが出
来る。中心線平均粗さRaを2nm以下にする理由は、
次の通りである。すなわち、高記録密度記録を考慮した
場合、再生出力の点から磁気記録媒体と磁気ヘッドとの
間隔(浮上量)が小さい、すなわちスペーシングロスが
少ない方が有利である。このためには磁気ディスク基板
表面は平滑であることが望ましい。めっき密着性の点で
はRaが大きいほど有利であるが、上記ヘッドとの浮上
特性の点かはら本発明ではRaは2nm以下が望まし
い。また、研磨工程上、又、効率上の観点からはRa≧
0.2nmである。
【0015】本発明では、このような表面プロフィール
の非金属性基板上に、カーバイド形成金属膜やITO膜
を設けることができる。ここで、「カーバイド形成金
属」とは、熱或いは物理吸着、化学吸着によりカーバイ
ド(炭化物)を形成し得る金属の意である。カーバイド
形成金属としては、Si,Cr,Ti,Ta,Zr,
Y,Mo,W,Vの中から選ばれる金属又はこれらの1
種以上を含む合金が挙げられる。特にCr,Tiが好ま
しい。また、カーバイド形成金属を含む合金としては、
アルミニウムとカーバイド形成金属の合金(以下「Al
−M合金」と略記することもある)が好ましい。具体的
には、下記の表1に示す合金が挙げられる。
【0016】
【表1】
【0017】更に、Al(5%)−Si(5%)−Cr
系合金、Al(5%)−Si(3%)−Mo系合金、A
l(5%)−Si(3%)−W系合金等の三元以上の系
のAl−M合金も挙げられる。更に、これらの合金の酸
化物も用いることができる。合金の酸化は一部でも全部
であってもよい。上記の合金のうちで特に好ましいの
は、表面形状の制御及び当該合金層とこれが接する層と
の密着性との観点からAl−Si系合金及びAl−Cr
系合金である。
【0018】このようなカーバイド形成金属膜、例えば
Ti膜や、或いはITO膜を設けておくことによって薄
いNi系めっき膜の密着性が向上する。Ti膜等のカー
バイド形成金属膜やITO膜は、スパッタリング(DC
マグネトロンスパッタリング、RFマグネトロンスパッ
タリング等)等の乾式めっき手段により設けられる。カ
ーバイド形成金属膜或いはITO膜の厚さは、それぞれ
約20〜200nmであることが好ましい。
【0019】本発明においては、非金属性基板、あるい
は上記カーバイド形成金属膜やITO膜上に無電解Ni
系めっき膜が設けられる。尚、無電解めっき処理により
Ni系めっき膜が設けられるが、その膜厚が0.01〜
1μm(好ましくは0.05〜0.5μm)になった段
階で非金属性基板を無電解Ni系めっき浴から引き上げ
る。すなわち、無電解Ni系めっき膜が1μmよりは厚
く形成されないようにする。
【0020】この程度の厚さの無電解Ni系めっき膜と
することにより、無電解Ni系めっき膜が剥離し難く、
かつ、形成される磁性膜の保磁力を高くすることが可能
になる。すなわち、無電解Ni系めっき膜を設けなかっ
た場合には磁性膜の高保磁力が期待できず、無電解Ni
系めっき膜厚が20μm程度の場合には磁性膜が剥離し
易いのである。
【0021】無電解Ni系めっき膜としては、無電解N
iPめっき膜、無電解NiPCuめっき膜、無電解Ni
Bめっき膜等が挙げられるが、特に好ましくは無電解N
iPめっき膜である。
【0022】本発明の基板は、無電解Ni系めっき膜表
面がテクスチャー処理されていることを特徴とするもの
である。テクスチャー方法としては、限定されないが、
例えばテープテクスチャー、スラリーテクスチャー、ス
パッタテクスチャー、パウダービームテクスチャー等が
挙げられる。
【0023】テープテクスチャーでは、基板を回転させ
た状態で、この基板に研磨テープをローラで押し付けて
粗面化したり、或いは接触させた研磨テープを基板の半
径方向に揺動させてクロス状に粗面化を行なうのが一般
的である。テープテクスチャーの際の諸条件は限定され
ないが、例えば研磨テープの押し付け圧は1〜4kg/
cm2 、好ましくは2〜3kg/cm2 である。また、
研磨テープの送り速度は100〜600mm/min、
好ましくは300〜500mm/minであり、研磨テ
ープの揺動速度は0〜700往復/分、好ましくは20
0〜500往復/分である。また、基板の回転速度は2
0〜300rpm、好ましくは40〜100rpmであ
る。また、研磨テープの接触時間は2〜60秒、好まし
くは2〜20秒である。
【0024】研磨テープとしては、炭化ケイ素、アルミ
ナ、ダイヤモンド、ジルコニア、酸化セリウム、シリカ
等の研磨粒子が有機バインダーによりベースフィルム上
に付着させたものが使用される。研磨粒子の粒径は#3
000〜8000、好ましくは#4000〜7000で
ある。このようなテープテクスチャー処理を施すことに
より、無電解Niめっき膜表面に同心円状の条痕を付
し、条痕が円周方向に配向した粗面を得ることができ
る。
【0025】また、無電解Niめっき膜表面に適用する
テクスチャー方法としてスラリーテクスチャーを採用す
ることができる。ここで、スラリーテクスチャーとは、
研磨粒子を含むスラリー(通常分散媒は水)を無電解N
iめっき膜表面表面に外的負荷の存在下に接触させる方
法であり、表面仕上げ等の研磨分野で公知の方法が何れ
も使用できる。研磨粒子としては、公知の砥粒が使用で
きるが、特にダイヤモンド粒子が好ましく、その平均粒
子径は、0.5〜6.0μm、好ましくは1.0〜4.
0のものである。また、表面研磨用のスラリー液として
市販されているものを使用してもよい。
【0026】スラリーテクスチャーの条件は、無電解N
iめっき膜の材質や磁気記録媒体の用途等を考慮して適
宜決めれば良く、また、例えば特開平3−248328
号公報に記載の方法或いは装置を用いて行なうことがで
きる。
【0027】また、スラリーテクスチャーは、通常のテ
ープテクスチャー装置を用いて、研磨テープの代わりに
テープ状に加工されたバフテープを用い、またクーラン
ト液の代わりにダイヤモンド粒子を含むスラリーを用
い、スラリー液を供給しつつバフとディスクを接触させ
て両者を回転させることにより行なうこともできる。
【0028】また、スパッタテクスチャーとは、Ti、
Al等の金属或いはこれらの合金をスパッタリングによ
り表面に堆積させることにより凹凸を有する薄膜を形成
する方法である。スパッタリングの条件は限定されない
が、前記のカーバイド形成金属あるいはその合金を用い
ることが好ましい。
【0029】また、本発明では、非金属性基板の無電解
Niめっき膜の表面に微粒子を噴射してテクスチャー処
理を施し、テクスチャー処理後の基板の表面粗さを、中
心線平均粗さRaで5〜30Å(好ましくは5〜20
Å)、最大高さRpで20〜200Å(好ましくは20
〜100Å)とすることもできる。被加工物の表面に微
粒子を噴射して加工する方法は、パウダービーム加工方
法(パウダービームテクスチャー)と呼ばれ、平均粒径
数ミクロン以下の微粒子を、気体と共に噴射して、被加
工物の表面に衝突させる加工方法である。この方法で、
被加工物の表面に微小な凹凸を形成したり、あるいは被
加工物を削ることで形状を変えることができる。
【0030】また、更に非金属性基板の無電解Niめっ
き膜の表面のテクスチャー方法としてはレーザービーム
をめっき膜表面に照射して凹凸を形成するレーザービー
ムテクスチャーを採用することができる。
【0031】テクスチャー後の無電解Niめっき膜表面
(スパッタテクスチャーの場合はスパッタ膜表面)のR
a(中心線平均粗さ)は、5〜100Å、好ましくは5
〜30Å、且つRp(中心線最大高さ)が10〜500
Å、好ましくは20〜200Åとなることが望ましい。
Rpが500Åを超えるとヘッドの浮上量低下が困難と
なりスペーシングロスが生じて記録密度向上の点で好ま
しくない。
【0032】本発明では、上記のようなテクスチャー処
理が施された無電解Ni系めっき膜上に、必要に応じて
Cr等の下地膜がスパッタリング等の乾式めっき手段で
設けられる。尚、このCr等の下地膜の厚さは20〜2
00nm程度である。
【0033】この上に磁性膜、特に金属薄膜型の磁性膜
が、例えば真空蒸着、スパッタリングあるいはイオンプ
レーティング等の乾式めっき手段で設けられる。磁性膜
を構成する材料としては、例えばCoCr,CoCr
X,CoCrPtX,CoSm,CoSmX,CoNi
X,CoWX等で表されるCoを主成分とするCo系の
磁性合金が挙げられる。尚、ここでXとしては、Ta,
Pt,Au,Ti,V,Cr,Ni,W,La,Ce,
Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Li,Si,B,C
a,As,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Ag,
Sb,Hfよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の
元素が挙げられる(ただしXは組成式中の他の元素と重
複しない)。磁性膜の膜厚は通常20〜50nm程度で
ある。
【0034】この金属薄膜型磁性膜の上には保護膜がス
パッタリング等の乾式めっき手段で設けられる。保護膜
の材料としては、耐摩耗性の点から硬度の高いものが望
ましい。例えば、Al,Si,Ti,Cr,Zr,N
b,Mo,Ta,W等の金属の酸化物、窒化物、炭化物
などがある。又、カーボン、あるいはボロンナイトライ
ド等も挙げられる。中でも、カーボンやボロンナイトラ
イドは好ましいものである。尚、保護膜の厚さは5〜2
5nm程度である。
【0035】そして、上記のような工程を経て作製され
た磁気記録媒体は、磁性膜を構成する磁性金属にPtを
用いなくても1800Oeを越える高保磁力となる。し
かも、1μm以下の厚さの無電解Ni系めっき膜は、2
0μm厚さの無電解Ni系めっき膜を設ける場合に比べ
て短時間で形成でき、製造コストが低減する。かつ、無
電解Ni系めっき膜の厚さが薄いので密着性が向上し、
磁性膜の耐久性が向上する。
【0036】
【実施例】以下実施例にて本発明を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】〔実施例1〕 <磁気ディスクの製造> (a)基板の調製 密度1.5g/cm3 、ビッカース硬度650の特性の
ガラス状カーボンを用いて1.8インチ径のカーボン基
板1を作製した。このカーボン基板1は、精密研磨によ
り、表面粗さRaが10Åに仕上げられている。尚、表
面粗さRaは、触針式表面粗さ計により測定した。
【0038】(b)無電解NiPめっき膜を形成 精密研磨後のカーボン基板1に対してArガス圧4mT
orr、基板温度260℃、基板バイアス電圧−300
Vのスパッタ条件で厚さ100nmのTi膜(めっき下
地層)2を設け、次いで無電解NiPめっき処理を施
し、0.2μm厚さの無電解NiPめっき膜3を設け
た。尚、無電解NiPめっき膜3の成膜は次のようにし
て行われた。先ず、アルカリ洗浄液に50℃で5分間、
過マンガン酸塩含有マイクロエッチング液に60℃で1
0分間、中和液に50℃で3分間、表面調整液(Pd吸
着促進剤)に50℃で3分間、アルカリ性キャタリスト
液(有機Pd溶液)に50℃で4分間、還元液に25℃
で4分間順次浸漬した。この後、pH4.4に調整され
た無電解NiPめっき浴に85℃で5分間浸漬する。こ
れにより、P含有量が12wt%の無電解NiPめっき
膜が形成された。
【0039】(c)テープテクスチャー処理 無電解NiPめっき膜3を成膜した後、精密洗浄を行
い、乾燥させた。両面テープテクスチャー装置により下
記の条件で無電解NiPめっき膜3に対してテープテク
スチャー処理を行った。テクスチャー後の表面粗さ(R
a及びRp)を表1に示す。 ・テープ;日本ミクロコーティング社製#6000フラ
ットタイプ ・テープ送り速度;300〜500mm/分 ・加工圧力;1.5kg/cm2 ・テープ揺動;200〜500往復/分、揺動幅1mm ・ローラゴム硬度;60度 ・ワーク回転数;40〜50rpm ・加工時間;5〜20秒 (d)下地膜、磁性膜、保護膜及び潤滑剤膜の形成 次いで、テクスチャー後のめっき膜3上にCr膜4を形
成し、ついで該Cr膜上に、Arガス圧4mTorr、
基板加熱温度260℃、基板バイアス電圧−300Vの
スパッタ条件にて、厚さ40nmのCoCr12Ta2
性膜5、厚さ15nmのダイヤモンドライクカーボン膜
6を成膜した。更に潤滑剤(Fomblim Z−0
3、モンテカチーニ社製)を乾燥後の厚さが20Åとな
るように前記ダイヤモンドライクカーボン膜6上に塗布
し潤滑剤層7を形成して、図1に示す構造の磁気ディス
クを得た。
【0040】<特性評価>得られた磁気ディスクについ
て、以下の特性評価を行なった。その結果を表3に示
す。
【0041】(i)Ra(中心線平均粗さ)及びRp
(中心線最大高さ) テクスチャー後のめっき膜表面のRa、Rpを測定し
た。Ra、Rpは、触針式粗さ計(TENCOR P
2)により、下記の条件で測定した。 触針径:0.6μm(針曲率半径) 触針押し付け圧力:7mg 測定長:250μm×8ヶ所 トレース速度:2.5μm/秒 カットオフ:1.25μm(ローパスフィルタ) (ii)GHT Proquip社製MG150T装置を用い、50%ス
ライダヘッドを用いて行った。1.5μインチの浮上高
さの通過率が80%以上のものをA、通過率が50超〜
80%未満のものをB、通過率が30超〜50%以下の
ものをC、通過率が30%以下のものをDで表示した。
(iii)MCF(エラー特性) エラー特性は、Proquip社製MG150T装置を
用い、70%スライダヘッドを使用し、記録密度51K
FCIの条件で評価した。スライスレベルは60%と
し、16ビット未満のミッシングエラーの個数をカウン
トし、以下のように評価した。 S:評価ディスクの50%以上がエラー個数が0〜15
個である。 A:評価ディスクの50%以上がエラー個数が16〜3
5個である。 B:評価ディスクの50%以上がエラー個数が36〜6
0個である。 C:評価ディスクの50%以上がエラー個数が61個以
上である。 (vi)保磁力 振動試料型磁力計(VSM)を用いて最終的に得られた
磁気ディスクの保磁力を測定した。
【0042】〔実施例2〕実施例1において、めっき下
地層(Ti膜)2をITO膜にし、NiPめっき膜の厚
さを0.5μmとした以外は実施例1と同様にして磁気
ディスクを得た。ITO膜は、トータルガス圧4mTo
rr(Ar:O2 =5:1)、基板加熱温度260℃の
スパッタ条件にて形成し、ITO膜の厚さは100nm
とした。
【0043】〔実施例3〕実施例1において、めっき下
地層(Ti膜)2をCr膜とし、磁性膜5をCoCrP
66とし、NiPめっき膜の厚さを0.5μmとし、
更に無電解NiPめっき膜3に対するテクスチャー処理
をスラリーテクスチャーにより行った以外は実施例1と
同様にして磁気ディスクを得た。Cr膜は、トータルガ
ス圧4mTorr(Ar:O2 =5:1)、基板加熱温
度260℃のスパッタ条件にて形成し、Cr膜の厚さは
100nmとした。また、スラリーテクスチャーの条件
は以下の通りである。 ・装置;ストラスバーク社(米国、カリフォルニア州、
サンホセ在)製、テクスチャーマシン ・パッド;SPD NO.2501 BBW(昭和ポリ
ッシング社製) ・スラリー;SPL D−4000 WS−46(昭和
電工社製) ・スラリーの供給量;10秒毎に1秒(1枚加工当り約
2.5cc)。
【0044】〔実施例4〕実施例1において、めっき下
地層(Ti膜)2をTi−Al(95/5、重量%)膜
とし、NiPめっき膜の厚さを1.0μmとした以外は
実施例3と同様にして磁気ディスクを得た。Ti−Al
膜は、トータルガス圧4mTorr(Ar:O2 =5:
1)、基板加熱温度260℃のスパッタ条件にて形成
し、Ti−Al膜の厚さは100nmとした。
【0045】〔比較例1〕実施例1において、めっき下
地層(Ti膜)2及び無電解NiPめっき膜3を形成せ
ずに、ディスク表面をテープテクスチャーする以外は実
施例1に準じて磁気ディスクを得、実施例1と同様の試
験を行なった。その結果を表1に示す。ここで、テープ
テクスチャーは、日本ミクロコーテング社製#6000
の研磨テープを用い、加工圧1.5kg/cm2 、テー
プ振動300往復/分、ワーク回転数50rpm、加工
時間20秒の条件とした。
【0046】〔比較例2〕実施例1において、めっき下
地層(Ti膜)2及び無電解NiPめっき膜3を形成せ
ずに、ディスク表面をスラリーテクスチャーする以外は
実施例3に準じて磁気ディスクを得、実施例1と同様の
試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明のディスク基板ように、無電解N
i系めっき膜を形成した後にテクスチャー処理すること
により、脆性モードを封じ込めながら、即ちエラー誘発
を抑制しながら効果的に充分な数の突起形成が達成され
るため、CSS耐久性(耐スティクション性)が大幅に
改善される。また、NiPめっきに機械的テクスチャー
を施すことにより、保持力も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得れられた本発明の磁気記録媒体の
概略図
【符号の説明】
1 カーボン基板 2 Ti膜(めっき下地層) 3 無電解NiPめっき膜 4 下地Cr膜 5 磁性膜 6 ダイヤモンドライクカーボン膜 7 潤滑剤層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非金属性基板と、当該基板上に設けられ
    た0.01〜1μm厚さの無電解Ni系めっき膜と、こ
    の無電解Ni系めっき膜上に設けられた磁性膜とを具備
    し、前記無電解Ni系めっき膜がテクスチャー処理され
    ていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非金属性基板上で、無電解Ni系めっき
    膜の下に設けられたカーバイド形成金属膜を具備するこ
    とを特徴とする請求項1の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 カーバイド形成金属膜がCr,Ti又は
    Al−M(Mはカーバイド形成金属)で表される合金よ
    り選ばれるものからなることを特徴とする請求項1又は
    2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非金属性基板上で、無電解NiPめっき
    膜の下に設けられたインジウムスズオキサイド膜を具備
    することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の
    磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非金属性基板の表面粗さRaが0.2〜
    2nmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1
    項記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 無電解Ni系めっき膜が無電解NiPめ
    っき膜である請求項1〜5の何れか1項記載の磁気記録
    媒体。
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