JPH11296844A - 磁気ディスク用基板およびその製造方法 - Google Patents
磁気ディスク用基板およびその製造方法Info
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- JPH11296844A JPH11296844A JP32185098A JP32185098A JPH11296844A JP H11296844 A JPH11296844 A JP H11296844A JP 32185098 A JP32185098 A JP 32185098A JP 32185098 A JP32185098 A JP 32185098A JP H11296844 A JPH11296844 A JP H11296844A
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- magnetic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 グラインディング性に優れ、平面平滑性に優
れた基板を提供することを目的とし、もって、情報密度
の高い磁気ディスクの製造を可能とする。 【解決手段】 アルミニウム系金属製の磁気ディスク用
基板において、該基板の表面に露出し、直径が1μm以
上であるSiO2 含有量の大きいSiO2 相の粒子の数
を1個/mm2 以下としたことを特徴とする磁気ディス
ク基板。
れた基板を提供することを目的とし、もって、情報密度
の高い磁気ディスクの製造を可能とする。 【解決手段】 アルミニウム系金属製の磁気ディスク用
基板において、該基板の表面に露出し、直径が1μm以
上であるSiO2 含有量の大きいSiO2 相の粒子の数
を1個/mm2 以下としたことを特徴とする磁気ディス
ク基板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ディスク用基板
に関するものである。更に詳しくは、グライド特性に優
れ、平滑性の高い磁気ディスクを得ることのできる磁気
ディスク用基板、およびその製造方法に関する。
に関するものである。更に詳しくは、グライド特性に優
れ、平滑性の高い磁気ディスクを得ることのできる磁気
ディスク用基板、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ等の情報処理技術の
発達に伴い、その外部記憶装置として磁気ディスク等の
磁気記録媒体が広く用いられている。従来、磁気記録媒
体としてはアルミニウム合金基板にアルマイト処理やN
i−Pメッキ等の非磁性メッキ処理を施した後に、Cr
等の下地層を被覆し、次いでCo系合金の磁性薄膜層を
被覆し、更に炭素質の保護膜が被覆されたものが使用さ
れている。
発達に伴い、その外部記憶装置として磁気ディスク等の
磁気記録媒体が広く用いられている。従来、磁気記録媒
体としてはアルミニウム合金基板にアルマイト処理やN
i−Pメッキ等の非磁性メッキ処理を施した後に、Cr
等の下地層を被覆し、次いでCo系合金の磁性薄膜層を
被覆し、更に炭素質の保護膜が被覆されたものが使用さ
れている。
【0003】上記磁気記録媒体(磁気ディスク)の高密
度化に伴ない、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間隔、即
ち浮上量は益々小さくなっており、最近では0.15μ
m程度以下になっている。このように磁気ヘッドの浮上
量が著しく小さいため、磁気ディスク面に突起が存在す
るとヘッドクラッシュを招き、ディスク表面を傷つける
ことがある。また、ヘッドクラッシュに至らないような
微小な突起であっても情報の読み書きの際の種々のエラ
ーの原因となりやすい。
度化に伴ない、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間隔、即
ち浮上量は益々小さくなっており、最近では0.15μ
m程度以下になっている。このように磁気ヘッドの浮上
量が著しく小さいため、磁気ディスク面に突起が存在す
るとヘッドクラッシュを招き、ディスク表面を傷つける
ことがある。また、ヘッドクラッシュに至らないような
微小な突起であっても情報の読み書きの際の種々のエラ
ーの原因となりやすい。
【0004】一方、磁気ディスクは大容量化、高密度化
と並行して小型化も進められており、スピンドル回転用
のモーター等も益々小さくなっている。このため、モー
ターのトルクが不足し、磁気ヘッドが磁気ディスク面に
固着したまま浮上しないという現象が生じやすい。この
磁気ヘッドの固着を、磁気ヘッドと磁気ディスク表面と
の摩擦を小さくすることにより防止する手段として、磁
気ディスクの基板表面に微細な溝を形成するテクスチャ
加工と称する表面加工を施す処理が行なわれている。
と並行して小型化も進められており、スピンドル回転用
のモーター等も益々小さくなっている。このため、モー
ターのトルクが不足し、磁気ヘッドが磁気ディスク面に
固着したまま浮上しないという現象が生じやすい。この
磁気ヘッドの固着を、磁気ヘッドと磁気ディスク表面と
の摩擦を小さくすることにより防止する手段として、磁
気ディスクの基板表面に微細な溝を形成するテクスチャ
加工と称する表面加工を施す処理が行なわれている。
【0005】テクスチャ加工によって、磁気ディスク上
のヘッドの浮上特性の改善が図られる。しかし、情報の
高密度化が益々要求される近年においては、基板の表面
精度が重要となっており、特に、基板表面にマイクロブ
リスターと呼ばれるミクロンオーダーの微小膨出部があ
ると製品検査工程のグライド検査において歩留りを悪化
させる要因となる。
のヘッドの浮上特性の改善が図られる。しかし、情報の
高密度化が益々要求される近年においては、基板の表面
精度が重要となっており、特に、基板表面にマイクロブ
リスターと呼ばれるミクロンオーダーの微小膨出部があ
ると製品検査工程のグライド検査において歩留りを悪化
させる要因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、グラインデ
ィング性に優れ、平面平滑性に優れた基板を提供するこ
とを目的とし、もって、情報密度の高い磁気ディスクの
製造を可能とすることにある。
ィング性に優れ、平面平滑性に優れた基板を提供するこ
とを目的とし、もって、情報密度の高い磁気ディスクの
製造を可能とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するため鋭意検討を行った結果、基板材質の均質化
を図ることによってグライド特性の優れた基板を得るこ
とができることを見出し本発明を達成した。すなわち、
本発明は、 アルミニウム系金属製の磁気ディスク用基板におい
て、該基板の表面に露出し、直径が1μm以上であるS
iO2 高含有相粒子の数を1個/mm2 以下としたこと
を特徴とする磁気ディスク用基板、および、 アルミニウム系金属製の基板を最終研削する前に、
該基板を磁性層の成膜温度以上の温度で熱処理すること
により、基板の表面に露出し、直径が1μm以上である
SiO2 高含有相粒子の数を1個/mm2 以下とするこ
とを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法を提供す
ることにある。 アルミニウム系金属製の基板をメッキ処理する前に
エッチング処理することにより、基板の表面に露出し、
直径が1μm以上であるSiO2 高含有相粒子の数を1
個/mm2 以下とすることを特徴とする磁気ディスク基
板の製造方法を提供することにある。
達成するため鋭意検討を行った結果、基板材質の均質化
を図ることによってグライド特性の優れた基板を得るこ
とができることを見出し本発明を達成した。すなわち、
本発明は、 アルミニウム系金属製の磁気ディスク用基板におい
て、該基板の表面に露出し、直径が1μm以上であるS
iO2 高含有相粒子の数を1個/mm2 以下としたこと
を特徴とする磁気ディスク用基板、および、 アルミニウム系金属製の基板を最終研削する前に、
該基板を磁性層の成膜温度以上の温度で熱処理すること
により、基板の表面に露出し、直径が1μm以上である
SiO2 高含有相粒子の数を1個/mm2 以下とするこ
とを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法を提供す
ることにある。 アルミニウム系金属製の基板をメッキ処理する前に
エッチング処理することにより、基板の表面に露出し、
直径が1μm以上であるSiO2 高含有相粒子の数を1
個/mm2 以下とすることを特徴とする磁気ディスク基
板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における磁気記録媒体の非
磁性基板としては、一般にアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金からなるアルミニウム系金属を使用し、これを
所定の厚さのディスク状基板形状に加工した後、その表
面を鏡面加工する。それ以後の製法は特に制限はなく公
知の手法を用いることができるが、一般には、この基板
に非磁性金属、例えば、Ni−P合金、または、Ni−
Cu−P合金等を無電解メッキ処理等により積層し、更
にこれにテクスチャ加工した後、下地層、磁性層、保護
層等が積層されて磁気ディスクが形成される。
磁性基板としては、一般にアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金からなるアルミニウム系金属を使用し、これを
所定の厚さのディスク状基板形状に加工した後、その表
面を鏡面加工する。それ以後の製法は特に制限はなく公
知の手法を用いることができるが、一般には、この基板
に非磁性金属、例えば、Ni−P合金、または、Ni−
Cu−P合金等を無電解メッキ処理等により積層し、更
にこれにテクスチャ加工した後、下地層、磁性層、保護
層等が積層されて磁気ディスクが形成される。
【0009】テクスチャ加工工程に至る前の基板の処理
工程は、その工程図を図1に示すように、帯状のアルミ
ニウム系金属薄板を基板形状に裁断した後、角部を研削
するチャンファリング工程を得て、平滑研削するグライ
ンディング工程、Ni−P等のメッキ工程、表面を平滑
化するポリッシュ工程が行なわれ、その間に、前工程で
発生した応力歪みを除去するための焼成(熱処理)工程
が行なわれる。
工程は、その工程図を図1に示すように、帯状のアルミ
ニウム系金属薄板を基板形状に裁断した後、角部を研削
するチャンファリング工程を得て、平滑研削するグライ
ンディング工程、Ni−P等のメッキ工程、表面を平滑
化するポリッシュ工程が行なわれ、その間に、前工程で
発生した応力歪みを除去するための焼成(熱処理)工程
が行なわれる。
【0010】しかして、最近の高容量化対応として磁性
膜の保磁力(Hc)を向上するために膜組成を見直すと
共に、成膜温度を上昇する方向にあり、Cr磁性化温度
(300℃)に近い295℃程度の成膜温度が採用され
ている。かかる高温で磁性層を成膜するときに、従来の
手法で製造された基板を使用するとマイクロブリスター
がしばしば発生する。
膜の保磁力(Hc)を向上するために膜組成を見直すと
共に、成膜温度を上昇する方向にあり、Cr磁性化温度
(300℃)に近い295℃程度の成膜温度が採用され
ている。かかる高温で磁性層を成膜するときに、従来の
手法で製造された基板を使用するとマイクロブリスター
がしばしば発生する。
【0011】本発明者が、このマイクロブリスターをS
EM(電子顕微鏡)による観察、EDXによる元素分析
等によって解析した結果、マイクロブリスターは、アル
ミニウム系金属内にSiO2 含有量の多い相からなる粒
子を含むボイドが原因となっていることが判明し、磁性
層を成膜する際基板が高温に晒されることによって膨れ
たものであることを見出した。
EM(電子顕微鏡)による観察、EDXによる元素分析
等によって解析した結果、マイクロブリスターは、アル
ミニウム系金属内にSiO2 含有量の多い相からなる粒
子を含むボイドが原因となっていることが判明し、磁性
層を成膜する際基板が高温に晒されることによって膨れ
たものであることを見出した。
【0012】この結果に基づいて防止方法を検討した結
果、磁性層を成膜する工程以前において基板を熱処理し
て、ボイドを事前に膨らませた後、その部分を加工によ
って平滑にすることによって、成膜時のブリスターの発
生を防止することに成功した。従って、本発明は、基板
を磁性層の形成前に熱処理することを特徴とする。基板
の熱処理は、ブランク材に対して行ってもよく、また、
ブランク材から基板形状に打抜いた後、最終の表面研削
加工までの任意の段階で行なうことができる。従って、
本発明における基板とは、ブランク材から、各種の加工
が行なわれて基板となる工程までのものを総称する。
果、磁性層を成膜する工程以前において基板を熱処理し
て、ボイドを事前に膨らませた後、その部分を加工によ
って平滑にすることによって、成膜時のブリスターの発
生を防止することに成功した。従って、本発明は、基板
を磁性層の形成前に熱処理することを特徴とする。基板
の熱処理は、ブランク材に対して行ってもよく、また、
ブランク材から基板形状に打抜いた後、最終の表面研削
加工までの任意の段階で行なうことができる。従って、
本発明における基板とは、ブランク材から、各種の加工
が行なわれて基板となる工程までのものを総称する。
【0013】中でも鏡面加工を行った後、Ni−P等の
非磁性金属のメッキを行なう前に行なうことが好まし
い。熱処理温度は磁性層の成膜温度以上とされる。一般
には280〜300℃の温度で行なうことが望ましい。
処理時間は10分〜20時間、好ましくは30分〜10
時間程度である。
非磁性金属のメッキを行なう前に行なうことが好まし
い。熱処理温度は磁性層の成膜温度以上とされる。一般
には280〜300℃の温度で行なうことが望ましい。
処理時間は10分〜20時間、好ましくは30分〜10
時間程度である。
【0014】この熱処理によって、基板表面に露出し、
直径が1μm以上のSiO2 高含有相の粒子を1個/m
m2 以下、好ましくは0.1個/mm2 以下更に好まし
くは0.01個/mm2 以下とすることができ、1個/
mm2 以下とすることによって、各種基板について検討
を行った結果を示す末尾記載の表1から明らかなように
マイクロブリスターの発生が極めて少なくなる。
直径が1μm以上のSiO2 高含有相の粒子を1個/m
m2 以下、好ましくは0.1個/mm2 以下更に好まし
くは0.01個/mm2 以下とすることができ、1個/
mm2 以下とすることによって、各種基板について検討
を行った結果を示す末尾記載の表1から明らかなように
マイクロブリスターの発生が極めて少なくなる。
【0015】また、上記マイクロブリスターの発生は上
記基板のNi−P等のメッキ処理工程前にメッキ処理効
果を上げるために実施するエッチング処理によっても発
生し、そのエッチング処理条件の選択によってその発生
を防止し得ることを見出した。即ち、メッキ処理工程前
のエッチング処理におけるエッチング量を規定すること
によりマイクロブリスターの原因であるSiO2 の発生
を防止できるものである。
記基板のNi−P等のメッキ処理工程前にメッキ処理効
果を上げるために実施するエッチング処理によっても発
生し、そのエッチング処理条件の選択によってその発生
を防止し得ることを見出した。即ち、メッキ処理工程前
のエッチング処理におけるエッチング量を規定すること
によりマイクロブリスターの原因であるSiO2 の発生
を防止できるものである。
【0016】NiP合金等メッキ前には、メッキ効果を
上げるためエッチングを実施する。エッチング処理は例
えば、H2 SO4 又はH2 SO4 +H3 PO4 を主成分
とする処理浴中で一般的に60〜70℃、100〜30
0sec処理することにより表面をエッチングする。本
発明者等はエッチング後の表面形態をSEMにて観察し
た結果、エッチング量とマイクロブリスター発生に密接
な関係があることを見出した。マイクロブリスター発生
原因とSiO2 の関係は前記した通りである。SiO2
の発生源としては、基板中のMg2 Si中のMgが溶解
し、残ったSiが酸化されSiO2 になるものと推定さ
れる。エッチングでは選択的に不純物(Mg2 Si、
他)がエッチングされるため、Mg2 Siがエッチング
されると前記の通りSiO2 が発生することとなる。
上げるためエッチングを実施する。エッチング処理は例
えば、H2 SO4 又はH2 SO4 +H3 PO4 を主成分
とする処理浴中で一般的に60〜70℃、100〜30
0sec処理することにより表面をエッチングする。本
発明者等はエッチング後の表面形態をSEMにて観察し
た結果、エッチング量とマイクロブリスター発生に密接
な関係があることを見出した。マイクロブリスター発生
原因とSiO2 の関係は前記した通りである。SiO2
の発生源としては、基板中のMg2 Si中のMgが溶解
し、残ったSiが酸化されSiO2 になるものと推定さ
れる。エッチングでは選択的に不純物(Mg2 Si、
他)がエッチングされるため、Mg2 Siがエッチング
されると前記の通りSiO2 が発生することとなる。
【0017】エッチング量と1μm以上のSiO2 発生
量の関係をまとめると図2の通りとなった。即ち1μm
以上のSiO2 個数を1.0個/mm2 以下とするため
には、エッチング量は7mg/(3.5インチ基板換
算)以下、好ましくは3〜7mgが最適であることが判
明した。エッチング量は多すぎると前述のマイクロブリ
スターが発生しやすくなり、一方、少なすぎるとNiP
メッキ効率が悪くなる。
量の関係をまとめると図2の通りとなった。即ち1μm
以上のSiO2 個数を1.0個/mm2 以下とするため
には、エッチング量は7mg/(3.5インチ基板換
算)以下、好ましくは3〜7mgが最適であることが判
明した。エッチング量は多すぎると前述のマイクロブリ
スターが発生しやすくなり、一方、少なすぎるとNiP
メッキ効率が悪くなる。
【0018】なお、本発明においてSiO2 高含有相の
直径は、等面積の真円体換算値で表わす。本発明による
熱処理が行なわれた基板は、一般の方法によって磁気デ
ィスクが形成される。すなわち、鏡面加工され、熱処理
された基板は、その上に、Ni−P合金、Ni−Cu−
P合金等の非磁性金属を無電解メッキ処理等によって約
5〜20μm厚に積層し、更に、ポリッシュ加工を施し
たものにテクスチャ加工を施すのが一般的である。ポリ
ッシュ加工は例えば、表面に遊離砥粒を付着してしみ込
ませたポリッシュパッドの間に基板をはさみこみ、界面
活性剤水溶液等の研磨液を補給しながらポリッシュ加工
を行ない、通常2〜5μm程度ポリッシュしてその表面
を平均表面粗さRaが50オングストローム以下、望ま
しくは30オングストローム以下に鏡面仕上げする。遊
離砥粒としては、代表的には、アルミナ系スラリーのポ
リプラ700やポリプラ103(共に(株)フジミイン
コーポレーテッドの登録商標)、ダイヤモンド系スラリ
ー、SiC系スラリー等が用いられる。ポリッシュパッ
ドとしては、代表的には、Surfin100やSur
finXXX−5(共に(株)フジミインコーポレーテ
ッドの登録商標)等の発泡ウレタン等が用いられる。
直径は、等面積の真円体換算値で表わす。本発明による
熱処理が行なわれた基板は、一般の方法によって磁気デ
ィスクが形成される。すなわち、鏡面加工され、熱処理
された基板は、その上に、Ni−P合金、Ni−Cu−
P合金等の非磁性金属を無電解メッキ処理等によって約
5〜20μm厚に積層し、更に、ポリッシュ加工を施し
たものにテクスチャ加工を施すのが一般的である。ポリ
ッシュ加工は例えば、表面に遊離砥粒を付着してしみ込
ませたポリッシュパッドの間に基板をはさみこみ、界面
活性剤水溶液等の研磨液を補給しながらポリッシュ加工
を行ない、通常2〜5μm程度ポリッシュしてその表面
を平均表面粗さRaが50オングストローム以下、望ま
しくは30オングストローム以下に鏡面仕上げする。遊
離砥粒としては、代表的には、アルミナ系スラリーのポ
リプラ700やポリプラ103(共に(株)フジミイン
コーポレーテッドの登録商標)、ダイヤモンド系スラリ
ー、SiC系スラリー等が用いられる。ポリッシュパッ
ドとしては、代表的には、Surfin100やSur
finXXX−5(共に(株)フジミインコーポレーテ
ッドの登録商標)等の発泡ウレタン等が用いられる。
【0019】また、テクスチャ加工としては例えば、2
500〜6000#程度のアルミナ砥粒を担持した研磨
テープを用いるテープ研削又は、遊離砥粒を用いるスラ
リー研削により、上記ポリッシュ加工を施した基板面
に、平均表面粗さRaが20オングストローム以上、好
ましくは30〜300オングストローム、さらに好まし
くは50〜150オングストロームに形成された条痕の
交差する角度が好ましくは10〜40°、更に好ましく
は10〜30°の範囲の微細な溝もしくは凹凸を精度よ
く形成するものであり、基板表面にクロスパターンの条
痕を形成することは、吸着特性が改善されるという点で
好ましい。さらに基板表面の異常突起を除去するため
に、遊離砥粒を用いるスラリー研削による第2段テクス
チャを施してもよい。このテクスチャ加工により、磁気
ヘッドと磁気記録媒体の吸着が防止でき、且つCSS特
性が改善され、さらに磁気異方性が良好となる。
500〜6000#程度のアルミナ砥粒を担持した研磨
テープを用いるテープ研削又は、遊離砥粒を用いるスラ
リー研削により、上記ポリッシュ加工を施した基板面
に、平均表面粗さRaが20オングストローム以上、好
ましくは30〜300オングストローム、さらに好まし
くは50〜150オングストロームに形成された条痕の
交差する角度が好ましくは10〜40°、更に好ましく
は10〜30°の範囲の微細な溝もしくは凹凸を精度よ
く形成するものであり、基板表面にクロスパターンの条
痕を形成することは、吸着特性が改善されるという点で
好ましい。さらに基板表面の異常突起を除去するため
に、遊離砥粒を用いるスラリー研削による第2段テクス
チャを施してもよい。このテクスチャ加工により、磁気
ヘッドと磁気記録媒体の吸着が防止でき、且つCSS特
性が改善され、さらに磁気異方性が良好となる。
【0020】テクスチャ加工された基板は、下地層が形
成される。基板上に形成する下地層は、従来公知の非磁
性下地層で良く、例えば、Cr,Ti,Ni等で形成す
ることができる。なお、下地層のCr又はTiは、通
常、これらの結晶性を損なわない範囲において、例え
ば、数原子%の範囲でSi,V,Cu等を含有する合金
であっても良い。本発明においては、特に、Cr系の下
地層が好適である。下地層の膜厚は、通常50〜200
0オングストロームの範囲である。
成される。基板上に形成する下地層は、従来公知の非磁
性下地層で良く、例えば、Cr,Ti,Ni等で形成す
ることができる。なお、下地層のCr又はTiは、通
常、これらの結晶性を損なわない範囲において、例え
ば、数原子%の範囲でSi,V,Cu等を含有する合金
であっても良い。本発明においては、特に、Cr系の下
地層が好適である。下地層の膜厚は、通常50〜200
0オングストロームの範囲である。
【0021】上記基板の下地層上に形成される磁性層
は、一般に、Co−Cr,Co−Ni,Co−Cr−
X,Co−Ni−X,Co−W−X等で表わされるコバ
ルト系合金薄膜層である。ここでXとしては、Li,S
i,P,Ca,Ti,V,Cr,Ni,As,Y,Z
r,Nb,Mo,Ru,Rh,Ag,Sb,Hf,T
a,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,La,Ce,
Pr,Nd,Pm,Sm,Eu及びBよりなる群より選
ばれた1種又は2種以上の元素が用いられる。
は、一般に、Co−Cr,Co−Ni,Co−Cr−
X,Co−Ni−X,Co−W−X等で表わされるコバ
ルト系合金薄膜層である。ここでXとしては、Li,S
i,P,Ca,Ti,V,Cr,Ni,As,Y,Z
r,Nb,Mo,Ru,Rh,Ag,Sb,Hf,T
a,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,La,Ce,
Pr,Nd,Pm,Sm,Eu及びBよりなる群より選
ばれた1種又は2種以上の元素が用いられる。
【0022】磁性層は、通常、スパッタリング等の手段
によって、基板の下地層上に被着形成される。この磁性
層の膜厚は、通常100〜1000オングストロームの
範囲が好ましい。保護層は、炭素膜、水素化カーボン
膜、窒素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭化膜、S
iN、TiN等の窒化膜、SiO、Al2 O3 、ZrO
等の酸化物膜等によって構成され、通常、スパッタ法に
より形成される。保護層としては、炭素膜、水素化カー
ボン膜及び窒素化カーボン膜が特に好ましい。
によって、基板の下地層上に被着形成される。この磁性
層の膜厚は、通常100〜1000オングストロームの
範囲が好ましい。保護層は、炭素膜、水素化カーボン
膜、窒素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭化膜、S
iN、TiN等の窒化膜、SiO、Al2 O3 、ZrO
等の酸化物膜等によって構成され、通常、スパッタ法に
より形成される。保護層としては、炭素膜、水素化カー
ボン膜及び窒素化カーボン膜が特に好ましい。
【0023】水素化カーボン膜は、水素と炭素を含有す
る膜であればよく、特に限定されるものではなく、例え
ばカーボンターゲットを用いて、スパッタガス(通常
は、アルゴンなどの不活性ガスを用いる。)と水素ガス
を含むプラズマ中でスパッタリングする方法により形成
することができる。スパッタ雰囲気中の水素の含有量
は、通常、2〜20体積%である。
る膜であればよく、特に限定されるものではなく、例え
ばカーボンターゲットを用いて、スパッタガス(通常
は、アルゴンなどの不活性ガスを用いる。)と水素ガス
を含むプラズマ中でスパッタリングする方法により形成
することができる。スパッタ雰囲気中の水素の含有量
は、通常、2〜20体積%である。
【0024】窒化化カーボン膜は、窒素と炭素を含有す
る膜であればよく、特に限定されるものではなく、例え
ばカーボンターゲットを用いて、スパッタガスと窒素ガ
ス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、アンモニアガス
などの窒素含有ガスあるいは空気などの窒素ガス含有ガ
スを含むプラズマ中でスパッタリングすることにより形
成することができる。例えば、空気を用いた場合、スパ
ッタ雰囲気中の空気の含有量は、通常、2〜20体積%
である。
る膜であればよく、特に限定されるものではなく、例え
ばカーボンターゲットを用いて、スパッタガスと窒素ガ
ス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、アンモニアガス
などの窒素含有ガスあるいは空気などの窒素ガス含有ガ
スを含むプラズマ中でスパッタリングすることにより形
成することができる。例えば、空気を用いた場合、スパ
ッタ雰囲気中の空気の含有量は、通常、2〜20体積%
である。
【0025】また、例えば、スパッタガス中に水素ガス
及び窒素(含有)ガスを同時に混入させることにより、
水素化と窒素化をしたカーボン膜を形成することもでき
る。保護層の厚さは、通常、約50〜1000オングス
トローム、好ましくは約100〜600オングストロー
ムの範囲である。
及び窒素(含有)ガスを同時に混入させることにより、
水素化と窒素化をしたカーボン膜を形成することもでき
る。保護層の厚さは、通常、約50〜1000オングス
トローム、好ましくは約100〜600オングストロー
ムの範囲である。
【0026】
【表1】表−1
【図1】磁気ディスク基板の製造工程を示すフローチャ
ート図。
ート図。
【図2】エッチング量とSiO2 発生量の関係を示すグ
ラフ。
ラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 18/22 C23C 18/22 C23F 1/00 C23F 1/00 Z
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミニウム系金属製の磁気ディスク用
基板において、該基板の表面に露出し、直径が1μm以
上であるSiO2 高含有相粒子の数を1個/mm2 以下
としたことを特徴とする磁気ディスク用基板。 - 【請求項2】 SiO2 高含有相粒子の数を0.1個/
mm2 以下とした請求項1記載の磁気ディスク用基板。 - 【請求項3】 アルミニウム系金属製の基板を最終研削
加工する前に、該基板を磁性層の成膜温度以上の温度で
熱処理することにより、基板の表面に露出し、直径が1
μm以上であるSiO2 高含有相粒子の数を1個/mm
2 以下とすることを特徴とする磁気ディスク用基板の製
造方法。 - 【請求項4】 アルミニウム系金属製の基板をメッキ処
理する前にエッチング処理することにより、基板の表面
に露出し、直径が1μm以上であるSiO2高含有相粒
子の数を1個/mm2 以下とすることを特徴とする磁気
ディスク基板の製造方法。 - 【請求項5】 エッチング処理量が7mg/3.5イン
チ基板換算以下である請求項4記載の磁気ディスク用基
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32185098A JPH11296844A (ja) | 1998-02-16 | 1998-11-12 | 磁気ディスク用基板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-32665 | 1998-02-16 | ||
JP3266598 | 1998-02-16 | ||
JP32185098A JPH11296844A (ja) | 1998-02-16 | 1998-11-12 | 磁気ディスク用基板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11296844A true JPH11296844A (ja) | 1999-10-29 |
Family
ID=26371245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32185098A Pending JPH11296844A (ja) | 1998-02-16 | 1998-11-12 | 磁気ディスク用基板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11296844A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001295060A (ja) * | 2000-04-12 | 2001-10-26 | Media Kenkyusho:Kk | アルミニウム基板の表面改質方法 |
JP2003027249A (ja) * | 2001-05-10 | 2003-01-29 | Ebara Corp | 無電解めっき方法及び装置、並びに基板処理方法及び装置 |
JP2007134022A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-31 | Funai Electric Co Ltd | ディスクローディング装置 |
-
1998
- 1998-11-12 JP JP32185098A patent/JPH11296844A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001295060A (ja) * | 2000-04-12 | 2001-10-26 | Media Kenkyusho:Kk | アルミニウム基板の表面改質方法 |
JP2003027249A (ja) * | 2001-05-10 | 2003-01-29 | Ebara Corp | 無電解めっき方法及び装置、並びに基板処理方法及び装置 |
JP2007134022A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-31 | Funai Electric Co Ltd | ディスクローディング装置 |
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