JP2006083055A - 金属窒化物および金属窒化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不純物の少ない高品質の金属窒化物、特に窒化ガリウムを効率よく得る方法を提供する。
【解決手段】 非酸化物材質のコンテナを用いることを特徴とする金属窒化物の製造方法。原料金属や生成する金属窒化物と接触するコンテナの材質を非酸化物とすることで、コンテナと原料金属や生成する金属窒化物との反応や固着を回避し、また、コンテナの材質由来の酸素の混入を防ぐことで結晶性の高い高品質な金属窒化物が得られる。一定以上の窒素源ガスの供給量と流速を確保することで極めて高い転化率で原料金属を窒化物に転化でき、未反応の原料金属の残存が少ない、金属と窒素が理論定比の金属窒化物が高い収率で得られる。得られた金属窒化物は酸素混入量も少なく金属と窒素が理論定比であるため、バルク結晶成長用の原料として極めて有用である。
【選択図】なし
Description
による気相エピタキシャル成長を行う方法が最も一般的である。しかしながら、この方法は、基板と窒化ガリウムの格子定数及び熱膨張係数が異なるヘテロエピタキシャル成長であるので、得られる窒化ガリウムに格子欠陥が発生しやすく、青色レーザー等で応用できるような高い品質を得ることが困難であるという問題がある。
したがって、以上述べた方法で得られる窒化物は、いずれも結晶性及び不純物の混入の点で必ずしも充分ではなく、結晶性が高く、かつ、より高純度の窒化物の効率的な製造プロセスの開発が望まれていた。
かくして、本発明は、下記の要旨を有する。
(1)周期表13族の金属元素を含む金属窒化物であり、該金属酸化物中の酸素の含有量が0.07重量%未満であることを特徴とする周期表13族の金属元素を含む金属窒化物。
(2)原子価ゼロ状態の金属元素の含有量が5重量%未満であることを特徴とする上記
(1)に記載の金属窒化物。
(3)含有する窒素量が47原子%以上であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の金属窒化物。
(4)色差計による色調でLが60以上、aが−10以上10以下及びbが−20以上10以下であることを特徴とする金属窒化物。
(5)1次粒子の長軸方向の長さのうち最長のものが0.05μm以上1mm以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の金属窒化物。
(6)比表面積が、0.02m2/g以上2m2/g以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の金属窒化物。
(7)周期表13族の金属元素がガリウムであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の金属窒化物。
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載の金属窒化物のペレット状またはブロック状成型体からなることを特徴とする金属窒化物成形体。
(9)原料金属をコンテナに入れ、原料金属と窒素源を反応させて金属窒化物を得る方法であって、るつぼの内表面が少なくとも非酸化物を主成分とし、かつ、700℃以上1200℃以下の反応温度において、窒素源ガスを、原料金属の体積に対して毎秒あたりの体積で1.5倍以上の供給量で原料金属表面に接触するように供給するか、または、原料金属上のガス流速として0.1cm/s以上で供給する工程を含むことを特徴とする金属窒化物の製造方法。
(10)原料金属を窒化物に90%以上転化することを特徴とする(9)に記載の金属窒化物の製造方法 。
(11)原料金属がガリウムであることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の金属窒化物。
(12)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の金属窒化物または金属窒化物成形体を用いることを特徴とする金属窒化物バルク結晶の製造方法。
本発明の金属窒化物の種類は特に限定されないが、例えば、Al、Ga、In等の周期表13族金属元素を含む窒化物が好ましい。例えば、GaN、AlN等の単独金属の窒化物、ないし、InGaN,AlGaN等の合金の窒化物であり、中でも単独金属の窒化物が好ましく、特に窒化ガリウムが好ましい。
れたバルク窒化物単結晶は、例えば、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3)等で洗浄し、そ
の方位によって特定の結晶面に対してスライスした後、必要に応じて、エッチングや研磨を施し、窒化物自立単結晶基板とすることができる。得られた窒化物単結晶基板は不純物が少なく、かつ、結晶性も高いので、VPEやMOCVDで各種デバイスを製造するにあたり、基板として、特にホモエピタキシャル成長用の基板として供することができる。
[窒化反応装置例と原料]
次に本発明の金属窒化物の好ましい製法について説明する。本発明で規定する特定物性の金属窒化物は、代表的な製造方法としては、非酸化物材質のコンテナに入れた原料金属の表面に、アンモニアガスなどの窒素源ガスを一定以上の供給量と流速で接触させることにより生成する金属窒化物として得ることができる。
また、これら非酸化物の材質を、原料金属や生成する金属窒化物が直接触れるコンテナ表面に設けたりコーティングしてもよい。例えば、カーボン製の紙やシート等の部材をコンテナ表面に設けることが好適に用いられる。
可能な形状が好ましい。コンテナの形状がるつぼやボートのように底面と側壁を有する場合、通常その底面積に対する壁面積の比は10以下、好ましくは5以下、さらに好ましく3以下である。また半割筒状や筒状の形状、ボール状の形状も好適に用いられる。また、原料金属のコンテナへの装填についても、原料金属が流通するガスと十分に接触することを可能にする装填量、装填状態にすることが好ましい。特に、原料金属が窒化反応の温度以下で溶融する場合、コンテナの容積に対する原料金属の容積比が0.6以下、好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.1以下になるように装填するのが好ましく、また、原料金属が溶融して液体となった場合、コンテナの底と壁の面積の総和に対する原料金属がコンテナと接触している部分のコンテナの底と壁の面積比が0.6以下、好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.1以下となるように装填するのが好ましい。この範囲にすることにより、得られる窒化物や原料金属がコンテナから逸脱することを防ぐことができ、また、得られる窒化物の収率を高くすることができる。コンテナが筒状の場合はコンテナ自身にアンモニアガスを流し、コンテナが容器を兼ねた構造にすることも可能である。さらには、コンテナを回転させてアンモニアガスが均一に原料金属と接触するなどの工夫をしてもよい。コンテナが原料金属や生成する金属窒化物と直接触れる非酸化物材質の部分、例えばコンテナの底面や側壁の厚さについては特に限定されないが、通常0.05mm以上10mm以下、好ましくは0.1mm以上5mm以下である。容器の厚さは通常0.01mm以上10mm以下、好ましくは0.2mm以上5mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下であるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、これらに限定されない。
の均一性等を制御するために、バッフル等の障害物を流路に設置したり、熱の放散を防ぐための遮蔽物を設けてもよい。
本発明の金属窒化物生成反応の一例として、アンモニアガスによる窒化反応について述べる。以下はその方法を用いた場合の一つの例示であり、かかる方法にのみ本発明が限定されるものではない。
次に、本発明の金属窒化物生成反応における窒素源ガスの供給量について、窒素源ガスとしてアンモニアガスを用いた場合のガスの供給量について説明する。以下はその方法を用いた場合の一つの例示であり、かかる方法にのみ本発明が限定されるものではない。
本発明では、少なくとも昇温過程を含む700℃以上の温度で、アンモニアガスを少なくとも一度は、原料金属上付近のガス流速として0.1cm/s以上で供給することを特徴とする。アンモニアガスの流速は0.2cm/s以上が好ましく、特に好ましくは0.4cm/s以上である。また、その流量のアンモニアガスを流す時間は少なくとも1分以上、好ましくは5分以上、特に好ましくは10分以上である。
cm2/g以上、さらに好ましくは0.9cm2/g以上、特に好ましくは1cm2/gと
なるように装填する。さらには、原料金属を十分に金属窒化物に転化するために、同じ容積のコンテナでも、深さの深いコンテナの場合はアンモニアガスの流速を速く、浅いコンテナの場合は流速を遅くするなどの工夫が好適に用いられる。
本発明の方法によって得られた金属窒化物、例えば窒化ガリウムは、通常多結晶体となる。得られる金属窒化物の結晶性は高く、粉末X線回折の2θが37°付近に現れる(101)のピークの半値幅は通常0.2°以下、好ましくは0.18°以下、特に好ましく
は0.17°以下である。本発明の方法によって得られた金属窒化物は、走査電子顕微鏡による観察によれば、1次粒子が0.1μmから数十μmの針状、柱状あるいはプリズム状結晶からなる。1次粒子の長軸方向の最長の長さは、通常0.05μm以上1mm以下
、好ましくは0.1μm以上500μm以下、さらに好ましくは0.2μm以上200μm以下、特に好ましくは0.5μm以上100μm以下である。また、比表面積については、例えば使用目的のひとつである、溶液成長法によるバルク窒化物単結晶の製造のための原料として考えた場合、溶解速度をコントロールするうえで比表面積は適度に小さいほうが好ましい。また、不純物の吸着等による不純物の混入を防ぐためにも小さいほうがよい。
本発明の方法によって得られた金属窒化物の比表面積は小さく、通常0.02m2/g
以上2m2/g以下であり、好ましくは0.05m2/g以上1m2/g以下、特に好まし
くは0.1m2/g以上0.5m2/g以下である。得られた金属窒化物を全て分解溶解してICP元素分析装置により定量分析を行うと、不純物の金属元素はいずれも、窒化ガリウム1g当たり20μg以下であり、極めて高純度である。また、Si、B等の典型非金属元素の不純物はICP元素分析装置により定量すると窒化ガリウム1g当たり100μg以下、カーボンを炭素・硫黄分析計で分析すると窒化ガリウム1g当たり100μg以下である。
本発明の金属窒化物、あるいは、本発明の製造方法で得た金属窒化物は、窒化物バルク単結晶成長用の原料として有用である。窒化物バルク単結晶の成長方法としては、例えば超臨界アンモニア溶媒や金属アルカリ溶媒を用いる溶液成長法の他、昇華法、メルト成長法などが挙げられる。必要な場合、種結晶や基板を用い、ホモあるいはヘテロのエピタキシャル成長することも可能である。本発明の金属窒化物、あるいは、本発明の製造方法で得た金属窒化物を塩酸等の酸や過酸化水素水溶液で洗浄し、原子価ゼロ状態の金属さらに除去した後に原料として使用することも可能であるが、未反応の原料金属の残存が極めて少ないので、酸等による洗浄工程は必要なく、そのままバルク窒化物単結晶成長用の原料として使用可能である。また、本発明の金属窒化物、あるいは、本発明の製造方法で得た
金属窒化物は、必要な場合ペレットやブロック状に成形されて用いられる。特に、溶液成長法による窒化物バルク単結晶原料として考えた場合、原料の装填を効率よく行う目的や溶解速度のコントロールの目的で、ペレットやブロック状に成形して用いることが好適に行われる。ペレット状とは例えば球状、円柱状など少なくとも一部に曲面を有する形状をいい、ブロック状とはシート状や塊状を含む任意の形状をいう。ペレットやブロック状に成形する手段としては、焼結やプレス成形、造粒などの方法が好適に用いられる。これらの手段で成形する際には、窒素雰囲気や不活性ガス雰囲気下で行ったり、あるいは有機溶媒等を用いて酸素や水を排除することが好ましい。本発明の金属窒化物、あるいは、本発明の製造方法で得た金属窒化物、およびそれを成形したペレットやブロック状の成形体は不純物酸素濃度が低く、金属と窒素がほぼ定比であるので、得られる窒化物バルク単結晶も不純物酸素濃度の低い高品質なものが得られる。また、得られた窒化物バルク単結晶は、必要に応じて塩酸(HCl)、硝酸(HNO3)等で洗浄し、その方位によって特定の
結晶面に対してスライスした後、さらに必要に応じて、エッチングや研磨を施し、窒化物自立単結晶基板として利用することができる。得られた窒化物単結晶基板は不純物が少なく、結晶性も高いためにVPEやMOCVDで各種デバイスを製造するにあたり、特にホモエピタキシャル成長用の基板として優れている。
長さ100mm幅15mm高さ10mmの焼結BN製のコンテナ(容積13cc)に6N金属ガリウムを1.50g装填した。このとき、コンテナの容積に対する原料金属容積の比は0.05以下であり、原料金属が接しているコンテナの底と壁の面積のコンテナの底と壁の面積の総和に対する比は0.05以下であった。また、このときコンテナ内に装填した金属ガリウムがガスと接触しうる面積は1cm2/g以上であった。内径32mm
、長さ700mmの横置き円筒石英管からなる容器内中央部にコンテナをすばやく装着し、高純度窒素(5N)を流速200Nml/minで流通させ、容器内部や配管部を十分に置換した。
酸素は0.05重量%未満であった。また、該窒化ガリウム多結晶粉体の未反応の原料ガリウム金属残存分を20%硝酸で加熱溶解抽出し、抽出液をICP元素分析装置で測定することにより定量したところ0.5重量%未満であった。該窒化ガリウム多結晶粉体の粉末X線回折を、十分に粉砕した窒化ガリウム多結晶粉体約0.3gを用いて以下のように測定した。PANalytical PW1700を使用し、CuKα線を用いて40kV、30mAの
条件でX線を出力し、連続測定モード、走査速度3.0°/min、読込み幅0.05°
、スリット幅DS=1°、SS=1°、RS=0.2mmの条件で測定した結果、六方晶窒化ガリウム(h−GaN)のみの回折線が観察され、その他の化合物の回折線は観察されなかった。h−GaNの(101)の回折線(2θ=約37°)の半値幅(2θ)は0.17°未満であった。該窒化ガリウム多結晶粉体の表面積を、大倉理研AMS−1000を使用して1点法BET表面積測定法により測定した。前処理として200℃で15分脱気したのち液体窒素温度での窒素吸着量より比表面積を求めたところ、0.5m2/g
以下であった。さらに同一の方法で得た窒化ガリウム多結晶粉体の色調を日本電色工業ZE―2000測色色差計(標準白板 Y=95.03、X=95.03、Z=112.02)を用いて以下の要領で測定した。100メッシュ以下に粉砕した該窒化ガリウム多結晶
粉体約2ccを、該色差計付属品の35mmφの透明の丸型セルの底につめた後に上から押さえて隙間無く装填した。粉末・ペースト試料台の上に設置してキャップをかぶせた後、30mmφの試料面積に対し反射測定したところ、L=65、a=−0.5、b=5であった。
長さ100mm径30mmのpBN製の筒状コンテナ(容積70cc)に6N金属ガリウムを4.00g装填した。このとき、コンテナの容積に対する原料金属容積の比は0.02以下であり、原料金属が接しているコンテナの底と壁の面積のコンテナの底と壁の面積の総和に対する比は0.02以下であった。また、このときコンテナ内に装填した金属ガリウムがガスと接触しうる面積は0.7cm2/g以上であった。その後、混合ガスの
流速を、5Nアンモニア500Nml/min、5N窒素50Nml/minとしたこと、その際の原料金属の体積の総和に対して供給するアンモニアガスの毎秒あたりの体積は12倍以上としたこと、原料金属上付近のガス流速を1cm/s以上としたこと、これら以外については実施例1と同様にして100メッシュ以下の大きさに破砕した窒化ガリウム多結晶粉体を得た。なお、得られた窒化ガリウム多結晶粉体はコンテナ重量を含んだ反応前後の重量変化から計算すると4.798gであり、金属ガリウムが全て窒化ガリウムになったとした場合の重量増加の理論値から計算すると転化率は99%以上であった。また、コンテナからの回収した窒化ガリウム粉体の重量は4.796gで回収率は99%以上であり、窒化ガリウムの収率は98%以上であった。
長さ100mm幅18mm高さ10mmのグラファイト製のコンテナ(容積12cc)
に6N金属ガリウムを2.00g装填した。このとき、コンテナの容積に対する原料金属容積の比は0.03以下であり、原料金属が接しているコンテナの底と壁の面積のコンテナの底と壁の面積の総和に対する比は0.03以下であった。また、このときコンテナ内に装填した金属ガリウムがガスと接触しうる面積は0.9cm2/g以上であった。その
後、混合ガスの流速を、5Nアンモニア500Nml/min、5N窒素50Nml/minとしたこと、その際の原料金属の体積の総和に対して供給するアンモニアガスの毎秒あたりの体積は25倍以上としたこと、原料金属上付近のガス流速は1cm/s以上としたこと、これら以外については実施例1と同様にして100メッシュ以下の大きさに破砕した窒化ガリウム多結晶粉体を得た。なお、得られた窒化ガリウム多結晶粉体はコンテナ重量を含んだ反応前後の重量変化から計算すると2.398gであり、金属ガリウムが全て窒化ガリウムになったとした場合の重量増加の理論値から計算すると転化率は99%以上であった。また、コンテナからの回収した窒化ガリウム粉体の重量は2.396gで回収率は99%以上であり、窒化ガリウムの収率は98%以上であった。
施例1の方法と同様に色調を測定したところ、L=75、a=−0.5、b=5であった。
長さ100mm幅18mm高さ10mmの石英製のコンテナ(容積15cc)に市販のカーボンペーパーを敷き、その上に6N金属ガリウムを2.00g装填した。このとき、コンテナの容積に対する原料金属容積の比は0.05以下であり、原料金属が接しているコンテナの底と壁の面積のコンテナの底と壁の面積の総和に対する比は0.05以下であった。また、このとき、コンテナ内に装填した金属ガリウムがガスと接触しうる面積は0.9cm2/g以上であった。その後混合ガスの流速を、5Nアンモニア500Nml/
min、5N窒素50Nml/minとしたこと、その際の原料金属の体積の総和に対して供給するアンモニアガスの毎秒あたりの体積は25倍以上としたこと、原料金属上付近のガス流速は1cm/s以上としたこと、300℃から10℃/minで1050℃まで昇温した後、そのままの混合ガスの供給で30分、1050℃で反応し、30分かけて900℃まで降温した後、2時間900℃で反応し、その後、ヒーターを止め自然放冷し、3時間かけて300℃までの冷却したこと、これら以外については実施例1と同様にして100メッシュ以下の大きさに破砕した窒化ガリウム多結晶粉体を得た。なお、得られた窒化ガリウム多結晶粉体はコンテナ重量を含んだ反応前後の重量変化から計算すると2.399gであり、金属ガリウムが全て窒化ガリウムになったとした場合の重量増加の理論値から計算すると転化率は99%以上であった。また、コンテナからの回収した窒化ガリウム粉体の重量は2.397gで回収率は99%以上であり、窒化ガリウムの収率は98%以上であった。
量%未満であった。実施例1と同様の条件で該窒化ガリウム多結晶粉体の粉末X線回折測定を行った結果、六方晶窒化ガリウム(h−GaN)のみの回折線が観察され、その他の化合物の回折線は観察されなかった。h−GaNの(101)の回折線(2θ=約37°)の半値幅(2θ)は0.17°未満であった。該窒化ガリウム多結晶粉体の比表面積を、実施例1と同様の方法で測定したところ0.5m2/g以下であった。さらに実施例1の方法と同様に色調を測定したところ、L=75、a=−0.5、b=6であった。
非酸化物のコンテナを用いることの効果を実証するため、アルミナ製のコンテナ(容積12cc)を用いた以外は実施例3と同様にして窒化反応を行った。ガリウム金属は窒化反応中あるいはその過程でアルミナ製のコンテナと反応し、生成物はアルミナ製のコンテナと激しく固着した。得られた窒化ガリウム多結晶粉体はコンテナ重量を含んだ反応前後の重量変化から計算すると2.391gであり、金属ガリウムが全て窒化ガリウムになったとした場合の重量増加の理論値から計算すると転化率は98%未満であった。また、コンテナから回収できた窒化ガリウム粉体の重量は2.271gで回収率は97%以下であり、窒化ガリウムの収率は95%以下であった。
非酸化物のコンテナを用いることの効果を実証するため、カーボンペーパーを敷かないで石英製のコンテナに直接金属ガリウムを装填した以外は実施例4と同様にして窒化反応を行った。ガリウム金属は窒化反応中あるいはその過程で石英製のコンテナと反応し、生成物はアルミナ製のコンテナと激しく固着した。得られた窒化ガリウム多結晶粉体はコンテナ重量を含んだ反応前後の重量変化から計算すると2.392gであり、金属ガリウムが全て窒化ガリウムになったとした場合の重量増加の理論値から計算すると転化率は98%以下であった。また、コンテナから回収できた窒化ガリウム粉体の重量は2.296gで回収率は97%以下であり、窒化ガリウムの収率は95%以下であった。
アンモニアの流量と流速の効果を実証するため、アンモニアの流速を25Nml/minとした以外は実施例3と同様にして窒化反応を行った。その際の原料金属の体積の総和に対して供給するアンモニアガスの毎秒あたりの体積は1.25倍であり、原料金属上付近のガス流速は0.05cm/sであった。反応後、未反応の原料ガリウムのガリウム金属を含む生成物はコンテナより激しく逸脱しており、容器壁面にも生成物が付着し、回収が困難であった。回収した粉体の重量は2.240gであり、100%窒化ガリウムにな
ったと仮定して得られる重量に対して、得られた粉体の収率は95%以下であった。
原料金属とコンテナの容積比や、原料金属がコンテナに接触する面積とコンテナの内側の面積の比が、粉体の収率などに与える影響を調べるため、内径12mmφで容積1.7ccのpBN製のるつぼをコンテナとして用いた以外は実施例2と同様にして窒化反応を行った。このとき、コンテナの容積に対する原料金属容積の比は0.39であり、原料金属が接しているコンテナの底と壁の面積のコンテナの底と壁の面積の総和に対する比は0.3以上であった。また、このときコンテナ内の装填した金属ガリウムのガスと接触しうる面積は0.45cm2/gであった。反応後、未反応の原料ガリウムのガリウム金属
を含む生成物はコンテナより激しく逸脱しており、回収が困難であった。回収した粉体の重量は2.263gであり、100%窒化ガリウムになったと仮定して得られる重量に対して、得られた粉体の収率は95%以下であった。
市販の窒化ガリウム試薬として、Aldrich社(以下、A社と略す)の窒化ガリウム(
カタログ番号07804121)とWako社(以下、W社と略す)の窒化ガリウム(カタログ番号481769)を準備した。まず、窒素と酸素の含有量を酸素窒素分析計(LECO社TC436型)で測定したところ、A社の窒化ガリウムは窒素が14.0重量%(40.3重量%以下)で酸素が5.2重量%であった。また、W社の窒化ガリウムは窒素が15.3重量%(46.9重量%以下)で酸素が0.48重量%であった。W社の窒化ガリウムについて未反応の原料ガリウム金属残存分を硝酸で加熱溶解抽出し、抽出液をICP元素分析装置で測定することにより定量したところ10重量%であった。
Claims (12)
- 周期表13族の金属元素を含む金属窒化物であり、該金属窒化物中の酸素の含有量が0.07重量%未満であることを特徴とする金属窒化物。
- 原子価ゼロ状態の金属元素の含有量が5重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の金属窒化物。
- 含有する窒素量が47原子%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属窒化物。
- 色差計による色調でLが60以上、aが−10以上10以下及びbが−20以上10以下であることを特徴とする金属窒化物。
- 1次粒子の長軸方向の長さのうち最長のものが0.05μm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の金属窒化物。
- 比表面積が、0.02m2/g以上2m2/g以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属窒化物。
- 周期表13族の金属元素がガリウムであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の金属窒化物。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の金属窒化物のペレット状またはブロック状成型体からなることを特徴とする金属窒化物成形体。
- 原料金属をコンテナに入れ、原料金属と窒素源を反応させて金属窒化物を得る方法であって、コンテナの内表面が少なくとも非酸化物を主成分とし、かつ、700℃以上1200℃以下の反応温度において、窒素源ガスを、原料金属の体積に対して毎秒あたりの体積で1.5倍以上の供給量で原料金属表面に接触するように供給するか、または、原料金属上のガス流速として0.1cm/s以上で供給する工程を含むことを特徴とする金属窒化物の製造方法。
- 原料金属を窒化物に90%以上転化することを特徴とする請求項9に記載の金属窒化物の製造方法。
- 原料金属がガリウムであることを特徴とする請求項9または10に記載の金属窒化物。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の金属窒化物または金属窒化物成形体を用いることを特徴とする金属窒化物バルク結晶の製造方法。
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